3月14日のニュース
積極的な補強を進めるクチンシティがジョーダン・ミンターの加入を発表
プルリス・ユナイテッドはスーパーリーグ参入取り止めか
タン前スランゴールFC監督率いるポリス・テロFCがジョホールでトレーニングキャンプ開催

クチンシティがジョーダン・ミンターの加入を発表

サラワク州のクチン市を本拠地とするクチンシティFCは、2015年にクチン市サッカー協会が運営するクラブ、クチンFAとして発足しました。2019年に3部リーグのM3リーグで2位となり、2020年に当時の2部プレミアリーグに昇格すると、2020年途中にクチンシティFCと名称を変更し、プレミアリーグと1部スーパーリーグの合併により改編された2023年スーパーリーグに参加しています。そのスーパーリーグでは2勝6分18敗で13位に終わったクチンシティFCですが、昨季途中に就任したシンガポール出身のアイディル・シャリン監督の元で、チャレンジカップでは決勝に駒を進めています。

かつては「シンガポールのグアラディオラ」などとも呼ばれたアイディル監督は、2019年から2022年まではクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)の監督を務め、2019年にはFAカップ優勝を果たすなど、マレーシアのサッカーをを熟知している監督でもあります。そのアイディル監督の2季目となるクチンシティFCは、州政府の支援を受ける他のクラブに比べると、運営予算は少ないものの、今オフは積極的な補強を行っていますが、新たにガーナ出身のFWジョーダン・ミンターの加入が発表されています。

2020年にフィリピンリーグのスーパーリーグのカヤFCからトレンガヌFCのセカンドチーム、トレンガヌFC IIに移籍したミンター選手は、昨季はトレンガヌFCで10試合に出場して5ゴール、過去4シーズン通算ではスーパーリーグは26試合出場で12ゴール、プレミアリーグでは32試合で30ゴールを挙げています。

クチンシティFCは既に、アイディル氏がクダFC監督を務めていた際の選手だったDFロドニー・ケルヴィンやGKシャーリル・サアリ、さらにコートジボアール出身でマレーシアでは8年目のシーズンを迎えるFWチェチェ・キプレらを獲得している他、昨季はPDRM FCで24試合に出場した長身CBのジェイムズ・オクウォサなども獲得しています。またGKコーチには、やはりアイディル監督がクダFC監督時のコーチだった元代表GKのカイルル・アズマン氏を招聘するなど、13位から一気に上位進出を目指せる布陣が整いつつあります。

プルリス・ユナイテッドはスーパーリーグ参入取り止めか

2024/25シーズンの開幕を5月に控え、現在は13クラブの参加が決まっているマレーシアスーパーリーグ。このスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は先日、14番目のクラブとして、昨季は3部M3リーグで8位だったプルリス・ユナイテッドFCの参入を発表しています。

昨季14位のクランタンFCは給料未払い問題未解決により、今季スーパーリーグ参加のためのクラブライセンスが交付されなかったことから、チーム数が13となりました。これを偶数にするための「特例クラブライセンス」交付を発表していたMFLに対して、昨季のM3リーグチャンピオンのイミグレセン(入国管理局)FC、2位のKLローヴァーズFC、3位のハリニ・スランゴールFT、そして同8位のプルリス・ユナイテッドFCが特例クラブライセンス申請を行った結果、プルリス・ユナイテッドFCが審査を通過し、ライセンスを交付されるとともにスーパーリーグ参入が決まりました。

2023年にMFLは1部スーパーリーグと2部プレミアリーグを合併統合して14クラブ編成としたことから、現在2部プレミアリーグは休止中で、スーパーリーグの下はセミプロリーグの’M3リーグという状況です。そんなM3リーグのトップ3でもなく、しかも9勝5分10敗と負け越している8位のプルリス・ユナイテッドFCの参入が発表されると、MFLの決定にはサッカーファンからは疑問の声が多く上がりました。

しかしマレーシア語ネットメディアのマジョリティは、プルリス・ユナイテッドFCがスーパーリーグ参入を取り止めることをMFLに伝えたと報じています。この記事によると、プルリス・ユナイテッドFCは金銭的な理由からリーグ参入を辞退することを書面で伝えたとしています。

MFLがプルリス・ユナイテッドの参入を発表した際には、2500万リンギ(およそ7億9000万円)をスポンサーから集め、その証拠として500万リンギ(およそ1億6000万円)の小切手のコピーなども申請書類の一部として提出されたことなどを挙げて、特例クラブライセンス交付に至ったと説明していました。しかし、マジョリティの記事は、その後、次々とスポンサーが降板し、その2500万リンギが担保的なくなったと伝えています。

またMFLはプルリス・ユナイテッドFCのスーパーリーグ参入について、本拠地のあるプルリス州政府とプルリス州サッカー協会からもこれを支援するという公式文書を受け取ったことを発表しましたが、こちらについては金銭的な支援を指すものではなく、あくまでも参入の「意思」を支援するものである、とプルリス州のシュクリ・ラムリ州首相が説明しているということです。さらにこのシュクリ州首相の発言内容が明らかになり、クラブが州政府の後ろ盾がないことが明らかになったことがスポンサー降板の引き金となったとも、マジョリティは報じています。

この一連の動きにより、プルリス・ユナイテッドFCがMFLに対して担保していたクラブ運営資金源が消滅したことから、マジョリティはスーパーリーグ参入を取り止めざるを得ないだろうと報じています。この件についてMFLへも問い合わせを行なったということですが、この記事が出た時点では回答を得られていないということです。

タン前スランゴールFC監督率いるポリス・テロFCがジョホールでトレーニングキャンプ開催

スランゴールFC監督を辞任したタン・チェンホー氏が今月から監督を務めるタイ1部のポリス・テロFCはクラブ公式SNSで、リーグ中断期間を利用して3月13日から21日まで、マレーシアのジョホール・バルでトレーニングキャンプを行うことを発表するとともに、移動のため空港で搭乗を待つ選手たちの写真もSNS状に公開されています。なおタイリーグは、3月18日から26日までのFIFA国際マッチカレンダーに合わせて中断しており、今回のトレーニングキャンプもこの期間を利用して行われます。

タン監督就任後のポリス・テロFCは、第20節のナコーンパトム・ユナイテッド戦は1-1で引き分けたものの、第21節のプラチュワップFC戦は開始20分で2点のリードを許すと、後半にはDFマックス・クリーヴィーが1発レッドで退場となると、そのまま0-2で敗れて、順位は最下位と勝点差2の14位と低迷しています。

前の代表監督でもあったタン氏は、スランゴールFC退団直後はジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に加わるのではないかという憶測もありましたので、今回のジョホールでのキャンプにも注目が集まっています。