2023マレーシアスーパーリーグ
第1節結果とハイライト映像(1)
ジョホールが快勝で開幕戦を飾る

いよいよ2023年シーズンのマレーシアスーパーリーグが開幕しました。今季は昨季までの1部スーパーリーグと2部プレミアリーグが統合され、チーム数は14となり、12月17日に予定されている第26節まで例年にない長丁場のリーグを戦います。(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2月24日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジム 2-0 トレンガヌFC
⚽️ジョホール:フアン・ムニス(5分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(57分)
🟨ジョホール:オスカル・アリバス
🟨トレンガヌ:イヴァン・マムート
MOM:ジョルディ・アマト(ジョホール)

昨季のリーグ覇者とマレーシアカップ王者が対戦するスルタン・ハジ・アフマド・シャーカップとして行われた今季開幕戦は、昨季リーグ覇者でマレーシアカップ王者のジョホール・ダルル・タジム(JDT)とリーグ2位のトレンガヌFCが対戦。JDTが開始5分に左サイドのベルグソン・ダ・シルヴァのからのクロスに新加入のフアン・ムニスが頭で合わせ、挨拶代わりのヘディングシュートを決めて先制しました。さらに後半の57分には昨季28ゴールを挙げてリーグ得点王となったベルグソン自身が右サイドのアリフ・アイマンからのクロスに合わせてゴールを決め、リードを広げたJDTがそのまま逃げ切って勝利しています。
 ラヴェル・コービン=オング、シャールル・サアド、ファリザル・マーリアスら代表選手6名がベンチスタートとなったこの日のJDTの布陣は、新加入のフアン・ムニス、オスカル・アリバス、シーハン・ハズミが先発する一方で、ユース育ちのフェロズ・バハルディンも先発に名を連ね、選手層の厚さを見せつけました。
 一方のトレンガヌは、期待のアディサク・クライソーンがほとんどボールに触ることなく、前半で交代するなど、終始JDTに圧倒されて敗れた試合でした。
 MOMには1ゴール1アシストのベルグソン・ダ・シルヴァではなく、この試合ではキャプテンとし守備陣をコントロールしたジョルディ・アマトが選ばれています。

2023マレーシアスーパーリーグ チーム紹介(2)
ヌグリスンビランFC
スランゴールFC
KLシティFC

マレーシアスーパーリーグはいよいよ今日2月24日に開幕します。昨日から始めた今季のマレーシアスーパーリーグのチーム紹介は、昨季の4位から6位のヌグリスンビランFC、スランゴールFC、KLシティFCです。
*昨日、トレンガヌFCのチーム紹介記事を挙げましたが、トランスファーウィンドウ最終日となった昨日、トレンガヌFCは、昨季はヌグリスンビランFCでプレーしたMFオミド・ナザリ(フィリピン)の獲得を発表しています。なおトレンガヌFCには既に東南アジア枠の選手としてタイ代表FWアディサック・クライソーンが在籍しています。

ヌグリスンビランFC

<ホームスタジアム>
トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ-45000人収容)
<2022年シーズンの成績>
スーパーリーグ-4位(22試合12勝5分5敗 得点33失点26勝点41)
マレーシアカップ-ベスト8
FAカップ-ベスト16
<主な新規加入選手>
FWカサグランデ(ブラジル、ペナンFCから移籍)
MFレヴィ・マディンダ(ギニア、JDTから期限付き移籍)
MFヴィニシウス・レオネル(ブラジル、CEオペラリオ・ヴァルゼア=グラデンセから移籍)
DFサフワン・バハルディン(シンガポール、スランゴールFCより移籍)
FWシャーレル・フィクリ(スランゴールFCから移籍)
MF R・バラトクマル(PJシティFCから移籍)
MFトミー・マワト(サバFCから移籍)
MFマハリ・ジュスリ(PJシティFCから移籍)
DFアルーン・クマル(PJシティFCから移籍)
DFザイナル・アビディン(PJシティFCから移籍)
DFハスブラー・アブ・バカル(JDTから移籍)
DFファリド・ナザル(UITM FCから移籍)
GKシーク・イズハン・ナズレル(スランゴールFCから期限付き移籍)
GK T・シャヒースワラン(JDTから移籍)
GKトフィク・アル=ラシド(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)

今季ユニフォーム(画像はアウェイ。この記事の執筆時点でホームは発表されていません。)

<チーム概要>
昨季はスーパーリーグ昇格1年目ながら最後まで上位争いに加わったヌグリスンビランFC。最後は3位のサバFCと勝点差1でAFCカップ出場権を逃したものの、その快進撃は見事でした。
 しかし昨季オフにいずれも代表選手のGKシーハン・ハズミ(JDTに移籍)、DFクザイミ・ピー(スランゴールFC)を失うなど、好成績の要因となったリーグ3位タイの26失点の守備陣に今季は不安が残ります。シンガポール代表のDFサフワン・バハルディン、守備的MFのヴィニシウス・レオネル、そしてU23代表GKシーク・イズハンなどを新たに獲得していますが、この選手たちと守備の要でもあり昨季から唯一残留した外国籍選手のエラルド・グロンがうまく連携できるかどうかが上位争いに絡めるかどうかのポイントになりそうです。
 一方の攻撃陣は、昨季途中に加入したJリーグ鹿児島ユナイテッドでもプレー経験のあるグスタヴォが13試合で11ゴールを挙げましたが、チーム2位タイの6ゴールを挙げたマテウス・アウヴェス共々、契約は延長されず、チーム総得点の33点中半数以上の17ゴールを挙げたFWコンビが抜けた穴は、ペナンFC在籍中の35試合で27ゴールを挙げているカサグランデ、そして2020年のマレーシア人リーグ得点王のシャーレル・フィクリの両FWが埋めることになりそうです。
 当初は外国籍選手枠9名のところに3名のみと発表されていたヌグリスンビランFCは、その後は結局5名となりましたが、マレーシア人選手についても昨季上位のクラブと比べると見劣りする補強となっており、今季は苦しいシーズンになりそうです。

<注目選手>
FWシャーレル・フィクリ、DFサフワン・バハルディン
いずれも昨季はスランゴールFCに在籍した両選手ですが、その実力を発揮することはできませんでした。ペラ州出身で、地元のクラブ一筋でプレーしてきたシャーレル選手は、新型コロナのせいで11試合に短縮された2020年シーズンには10ゴールを挙げ、翌シーズンはスランゴールFCへ移籍しました。しかし2021年は1ゴール(10試合)、昨季2022年シーズンも1ゴール(13試合)しか挙げられず、シーズン終盤には出場時間も減っていきました。そんな中で絶対的なFWがいないヌグリスンビランFC移籍は大きな転機となるとともに、得点力不足に悩む代表復帰への足掛かりになってくれそうです。
 同様に昨季は試合中の脳震盪からさらに頭のケガが続き、シーズン後半を治療のため棒に振ったサフワン選手も捲土重来を期しての移籍となっているはず。スランゴールFC在籍3シーズンで、昨季は5試合と最も出場試合数が少なかったですが、頭のケガが完治していれば、東南アジアトップクラスのセンターバックと言われた実力を発揮してくれるはずです。

スランゴールFC

<ホームスタジアム>
MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ-25000人収容)
<2022年シーズンの成績>
スーパーリーグ-5位(22試合8勝6分8敗 得点39失点33勝点30)
マレーシアカップ-準優勝
FAカップ-ベスト4
<主な新規加入選手>
FWラウフ・サリフ(ガーナ、米国2部スポーティング・カンザスシティIIから移籍)
FWエイロン・デル・ヴァイエ(コロンビア、コロンビア1部オンせ・カルダスから移籍)
MFヨハンドリ・オロスコ(ベネズエラ、コロンビア1部デポルテス・トリマから移籍)
MFヌール・アル=ラワブデ(ヨルダン、ヨルダン1部アル・ファイサリーFCから移籍)
FWファイサル・ハリム(トレンガヌFCから移籍)
MF K・サルクナン(ヌグリスンビランFCから復帰)
MF V・ルヴェンティラン(PJシティFCから移籍)
DFクザイミ・ピー(ヌグリスンビランFCから移籍

今季ユニフォーム(画像は左がホーム、右がアウェイ)

<チーム概要>
かつては隆盛を誇った「赤い巨人」も2010年以来、優勝から遠ざかっており、その間にJDTの天下となっています。また近年は強化方針も迷走し、ここ数年のヨーロッパ志向も結局は功を奏しませんでした。昨年はカイオン、ユーリとブラジル出身FWを獲得するなど南米路線へ回帰し、得点はリーグ2位タイの39点としたものの、失点はリーグ7位の33点、4位のヌグリスンビランFCには勝点で11差をつけられての5位でした。それでも昨シーズン後半に前代表監督のタン・チェンホー氏が就任して以降は、リーグ戦は3勝1分、マレーシアカップは優勝した2015年以来の進出と、長い低迷期を抜け出すきっかけが見えたようなスランゴールFCですが、今季はその真価が問われるシーズンです。
 リーグ2位の14ゴールを挙げたカイオン、そして期待に添えなかったユーリとの契約を更新せず、FWエイロン・デル・ヴァイエ(コロンビア)、攻撃的MFヨハンドリ・オロスコ(ベネズエラ)と再び南米路線を踏襲しています。また代表でもエースとして活躍するファイサル・ハリムが加入したことで、同じく代表の中盤を務めるブレンダン・ガンとムカイリ・アジマルがチームメートにおり、彼らとのホットラインで今季も攻撃陣はある程度計算が立ちそうです。
 課題の守備は、残留したセンターバックのヤザン・アル=アラブの左右に新加入の代表DFクザイミ・ピーとやはり代表DFのアフロことシャルル・ナジーム、そして昨年末のAFF選手権ではJDTコンビが不在の中、代表の左右サイドバックを務めたクエンティン・チェンとファズリ・マズランとメンバーは揃っており、昨季たびたび見られた不用意なミスが減れば、今季の目標とするアジアの舞台への出場権獲得も夢ではありません。

<注目選手>
FWファイサル・ハリム、MF V・ルヴェンティラン
ミッキーの愛称で知られるファイサル選手は160cmに満たない小兵ながら、昨季は代表戦でチームトップの6ゴールを挙げ、一気に代表のエースとなりました。リーグ戦では20試合で6ゴールと爆発的な活躍をしたわけではないですが、トレンガヌFC時代とは違い、スランゴールFCには代表の若き司令塔ムカイリ・アジマル、そしてベテランMFブレンダン・ガンがおり、そこから出るパスで今季は二桁ゴールも夢ではありません。
 PJシティFCの試合を最も多く見た日本人(自称)として、ルヴェンティラン選手が代表でプレーし、スランゴールFCでプレーすることになったのは感慨深いものがあります。2年前にPJシティFCでデビューしたことは自信がなさそうなプレーで、チームメートから試合中に叱責される場面も見てきましたが、AFF選手権では持ち味の正確なクロスを度々披露するなど、その堂々としたプレーぶりをスランゴールFCでも見せてくれれば、チームのトップ3でのフィニッシュも期待できます。

KLシティFC

<ホームスタジアム>
KLフットボールスタジアム(クアラルンプール-18000人収容)
<2022年シーズンの成績>
スーパーリーグ-6位(22試合8勝5分9敗 得点30失点31勝点29)
マレーシアカップ-ベスト8
FAカップ-ベスト16
AFCカップ-準優勝
<主な新規加入選手>
FWチェチェ・キプレ(コートジボアール、トレンガヌFCから移籍)
FWパトリック・ライヒェルト(フィリピン、タイ1部PTプラチュワップFCから移籍)
FWカイオン(ブラジル、スランゴールFCから移籍)
MFセバスチャン・アヴァンジニ(イタリア、デンマーク1部ホブロIKから移籍)
DFマッコ・ジルダム(クロアチア、クロアチア1部NKスラヴェン・ベルポから移籍
MFフィルダウス・サイヤディ(ペラFCから期限付き移籍)
DFナジルル・ナイム(サバFCから移籍)

*今季ユニフォームはこの執筆時で発表がありません。

<チーム概要>
昨季のAFCカップでは、2015年のJDTに次ぐ東南アジアのクラブとしては2チーム目となる決勝に進出する快進撃を見せましたが、共に初優勝をかけた決勝戦ではオマーンのアル・シーブSCに0-3で敗れて、残念ながらJDT以来のMリーグクラブの優勝とはなりませんでした。その快進撃を支えたのはグループステージ4試合で2失点、ノックアウトステージに入ってからも準決勝までの4試合を3失点に抑えた守備陣と、名将ボヤン・ホダック監督のもとチーム全体で共有されていた守備の意識の高さでした。しかし、それは裏返せばチームとしての得点力が低く、大量得点が期待できないということ。これは、ノックアウトステージでは延長でも0-0のままPK戦で勝利した試合が2試合あったことからも分かります。
 得点力不足はKLシティFCにとっては積年の課題であり、昨季の30得点はスーパーリーグ8位でした。毎年新たなストライカーを獲得するものの、期待外れだったり、デビュー戦でシーズンを棒に振るケガをするなどし、本来ならば司令塔として機能して欲しいMFパウロ・ジョズエがチーム最多の6ゴール、MFながらFW的に起用されているロメル・モラレスが5ゴールと、昨季も絶対的エース不足が解消できませんでした。
 そんなKLシティFCは、昨季のスーパーリーグでリーグ2位の14ゴールを挙げたカイオンをスランゴールFCから、同3位の13ゴールを挙げたチェチェ・キプレをトレンガヌFCから獲得しています。さらにかつてマラッカ・ユナイテッドFC在籍時の2019年に12ゴールを挙げているパトリック・ライヒェルトまで獲得するなど、スーパーリーグで実績のあるFWトリオが額面通りに働いてくれれば、得点力不足は一気に解消します。
 FW陣が固定されればキャプテンのジョズエ選手、攻撃的MFのモラレス選手も本来のポジションに戻ってプレーできるはず。守備の要のジャンカルロ・ガリフオッコ、そして守護神ケヴィン・メンドーザが控える守備陣が昨季同様の安定感を見せてくれれば、昨季以上の順位も十分ありえるKLシティFCです。

<注目選手>
FWハキミ・アジム、MFザフリ・ヤハヤ
昨季のスーパーリーグでは11試合出場でわずか1ゴールながら、昨年末のAFF選手権で初めて代表に選出されたハキミ・アジム。しかし代表デビューとなったラオス戦でゴールを決めるなど、キム・パンゴン監督の期待に応える活躍を見せました。その勢いのまま今季に臨みたかったところですが、上記のようにチームは次々と外国籍FWを獲得しており、ボヤン・ホダック監督が今年20歳になったばかりのハキミ選手をどのように起用するのかが注目したいところです。
 2021年のマレーシアカップ決勝でJDT相手に先制ゴールを決めたザフリ・ヤハヤは、前年の活躍に比べると昨季2022年シーズンはやや低調でした。今季は外国籍FWの大量加入もあり、中央ではなく右サイドでの起用が増えそうですが、売り物のスピードが活かせるポジションでもあり、個人的にはそこが一番しっくりくる印象を受ける選手です。その右サイドからFW陣にこのザフリ選手がボールを供給できれば、KLシティFCは再びアジアの舞台でプレーするチャンスも得られそうです。


2023マレーシアスーパーリーグチーム紹介(1)
ジョホール・ダルル・タジム
トレンガヌFC
サバFC

マレーシアスーパーリーグはいよいよ明日2月24日に開幕しますが、開幕戦で対戦するのは昨季は国内三冠を達成したジョホール・ダルル・タジム(JDT)とリーグ2位のトレンガヌFCです。明後日2月25日には他のチームの試合も始まりますが、今日から数回に渡り、今季のマレーシアスーパーリーグのチーム紹介をしていきます。1回目は明日の開幕戦で対戦するJDTとトレンガヌFC、そして昨季3位のサバFCです。

ジョホール・ダルル・タジム(JDT)

<ホームスタジアム>
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ-40000人収容)
<2022年シーズンの成績>
スーパーリーグ-1位(22試合17勝5分0敗 得点61失点12勝点56)-ACL本戦出場権獲得
マレーシアカップ-優勝
FAカップ-優勝
ACL-ベスト16
<主な新規加入選手>
FWジオゴ(ブラジル、前BGパトゥム・ユナイテッドFC)
MFオスカル・アリバス(スペイン、スペイン2部FCカルタヘナから移籍)
MFフアン・ムニス(スペイン、ギリシャ1部アトロミトスFCから移籍)
MFエンドリック(ブラジル、ペナンFCから移籍)
GKシーハン・ハズミ(ヌグリスンビランFCから移籍)

今季ユニフォーム(左がホーム、右がアウェイ)


スーパーリーグは現在9連覇中、さらに昨季はマレーシアカップとFAカップにも優勝して国内三冠を達成するなど他を圧倒する強さを誇るジョホール・ダルル・タジム(JDT)は、新監督にエステバン・ソラリ前アルゼンチンU23代表コーチを迎え、昨季のクラブ史上初となったACLベスト16以上の成績を目指して、あくなき補強を行なっています。
 外国籍選手は、2019年から20年まで在籍し32試合で16ゴールを挙げたFWジオゴ(ブラジル、前タイ1部ブリーラム・ユナイテッド)や今季中のマレーシア国籍取得取得を目指すMFエンドリック(ブラジル、ペナンFCから移籍)ら4名が新たに加わります。またマレーシア人選手の獲得については常々「国内トップクラスの選手しか興味がない」と話すオーナーのイスマイル殿下の言葉通り、代表GKで昨季のリーグ最優秀GK賞を受賞したシーハン・ハズミをヌグリスンビランFCから獲得し、同じく代表GKファリサル・マーリアスとの間で正GK争いが繰り広げられます。
 既存の選手も昨季はリーグ新記録となる29ゴール(19試合)を挙げたFWベルグソン・ダ・シルヴァ(ブラジル)や2年連続リーグMVPの若きエースFWアリフ・アイマン、昨季リーグ最優秀MF受賞のアフィク・ファザイル、同最優DF受賞のシャールル・サアドに加え、代表チームでも両サイドバックを務めるマシュー・デイヴィーズとラヴェル・コービン=オングらもおり盤石です。この他、代表選手ながらチームでは控えに回っているアキヤ・ラシドやシャフィク・アフマド、モハマドゥ・スマレのFWトリオ、そして今季は代表入りが期待されるMFナタニエル・シオ・ホンワンなど豊富な資金力による選手層の厚さこそがJDTの強さの根源です。スーパーリーグトップクラスのチームを2チーム作れるほどの陣容は、ローテション起用も問題なく、死角が見当たらず、今季も優勝候補の最右翼です。

<注目選手>
MFアフィク・ファザイル、MFシャマー・クティ・アッバ
 昨季のリーグ最優秀MFに選ばれたものの、MFナズミ・ファイズとの併用も多く、絶対的な主力選手とは言いがたいアフィク選手。今季からの試合数増加に加え、守備的MFとしてポジションがかぶるベテランのナチョ・インサの衰えもあり、今季は出場試合数を増やして一気にブレークする可能性があります。
 一方、昨年7月に負った膝のケガからやっと復帰するシャマー選手は、JDTでは主力の座を掴み、代表でも自身初ゴールを挙げるなど実績を積み始めた矢先のケガでしたが、今では完治してドバイ合宿でも元気な姿を見せていました。試合の流れを読むことに長けたアフィック選手とピッチを所狭しと駆け回るシャマー選手の2人がチームで活躍すれば、それはそのまま代表チームの強化にもつながります。

トレンガヌFC

<ホームスタジアム>
スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ-50000人収容)
<2022年シーズンの成績>
スーパーリーグ-2位(22試合14勝2分6敗 得点39失点20勝点44)-AFCカップ出場権獲得
マレーシアカップ-ベスト4
FAカップ-準優勝
<主な新規加入選手
FWソニー・ノルデ(ハイチ、マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
FWジョーダン・ミンター(ガーナ、KLシティへの期限付き移籍から復帰)
FWイヴァン・マムート(クロアチア、ルーマニア1部FCSBから加入)
MFアディサック・クライソーン(タイ、タイ1部ムアントン・ユナイテッドFCから移籍)
DFサルドル・クルマトフ(ウズベキスタン、ウズベキスタン1部PFCソグディアナ・ジザフから移籍)
DFドマゴイ・プシッチ(クロアチア、クロアチア2部NK BSKビイェロ・ブルドから移籍)

今季ユニフォーム(左がホーム、右がアウェイ)


過去5季に渡り監督として安定した成績を収めたナフジ・ザイン氏が経営陣への不信からチームを去り、テクニカルディレクターのトミスラフ・スタインブリュックナー氏が新監督に就任したトレンガヌFCは、外国籍選手も昨季から残るのはハビーブ・ハルン(バーレーン)1人と、大幅な入れ替えを行なっています。
 マレーシア人選手でも、代表で主力のFWファイサル・ハリムがスランゴールFCへ移籍し、近年リーグ上位にあったチームとは全く違うチームとなっています。その一方でGKラーディアズリ・ラハリム(21)、DFアザム・アズミ(22)といった若き代表選手も擁しており、新外国籍選手が上手く機能すれば、今季もリーグ上位進出は狙えるチームです。
 また今季はAFCカップにも出場するトレンガヌFCの懸念材料を探すとすれば、選手層が薄く、主力と控えの差が大きいことでしょう。シーズンも佳境となる9月にはAFCカップ1回戦、そして勝ち残っていればマレーシアカップ準決勝もあり、過密日程での選手のやりくりを間違えれば、リーグ上位進出も危うくなります。

<注目選手>
FWイヴァン・マムート、FWジョーダン・ミンター
チェチェ・キプレ(13ゴール)、クパー・シャーマン、ファイサル・ハリム(いずれも6ゴール)、マヌエル・オット(5ゴール)と昨季のチーム総得点39点中30点を叩き出した4選手が退団したトレンガヌFC。その代わりとして期待されるのが新加入のイヴァン・マムートと、KLシティFCへの期限付き移籍から復帰するジョーダン・ミンターのFWコンビです。192cmと長身のマムート選手は今季が自身初となるアジアでのプレーになります。一方のミンター選手は2020年から2022年途中までセカンドチームのトレンガヌFC IIでプレーし、32試合で30ゴールを挙げ、昨季後半はKLシティFCへ期限付きしていました。KLシティFCでは10試合で3ゴールでしたが、この両選手の活躍が今季のトレンガヌFCの浮沈を担っています。

サバFC

<ホームスタジアム>
リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル-35000人収容)
<2022年シーズンの成績>
スーパーリーグ-3位(22試合13勝3分6敗 得点36失点36勝点42)-AFCカップ出場権獲得
マレーシアカップ-ベスト4
FAカップ-ベスト8
<主な新規加入選手
FWジェィコブ・ンジョク(ナイジェリア、クランタン・ユナイテッドFCから移籍)
FWジャイルトン・パライバ(ブラジル、中国2部青島青年島FCから移籍)
MFテルモ・カスタニェイラ(ポルトガル、アイスランド1部ÍBヴェストマンナエイヤ から移籍)

MFコ・グァンミン(韓国、韓国1部FCソウルから移籍)
DFガブリエル・ペレス(ブラジル、ブラジル3部GEブラジウから移籍)
FWダレン・ロック(PJシティFCから移籍)
FW S・クマーラン(PJシティFCから移籍)
FWジャフリ・フィルダウス・チュウ(ペナンFCから移籍)
MFスチュアート・ウィルキン(JDTへ復帰、その後完全移籍)
DF R・ディネシュ(スランゴールFCから移籍)
DFイルファン・ザカリア(KLシティFCから移籍)
DFダニエル・ティン(JDTから期限付き移籍)

今季ユニフォーム(左がホーム、右がアウェイ)

昨季はシーズンの大半で2位をキープしながら、最終節に敗れて3位となったサバFCは、終盤の失速の原因となった得点力不足を解消するための補強を中心に行いました。スーパーリーグ撤退を決めたPJシティFCから代表FWダレン・ロックとチームメートのFW M・クマーランを、また昨季の2部プレミアリーグでリーグ2位の6ゴールを挙げたFWジェィコブ・ンジョクをクランタン・ユナイテッドFCからそれぞれ獲得、さらに2019年と2021年にJリーグ東京ヴェルディでもプレー経験があるFWジャイルトン・パライバも獲得しています。
 また中盤にはJDTから期限付き移籍していたスチュアート・ウィルキンを完全移籍で獲得、センターバックにはいずれもの新加入のイルファン・ザカリアとガブリエル・ペレス、サイドバックには代表候補のダニエル・ティンなどを次々と獲得し、このオフでは最もバランスの良い補強ができた印象です。
 既存組では昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権での活躍が記憶に新しいMFスチュアート・ウィルキンやDFドミニク・タン、DFながらチーム最多の8ゴールを挙げたパク・タエスー、中盤の司令塔MFバドロル・バクティアル、元代表GKカイルル・ファーミらもおり、サバFCは潜在能力的には今季もリーグ上位を狙えるチームです。

<注目選手>
MFコ・グァンミン、MFスチュアート・ウィルキン
FCソウルではKリーグ出場159試合を誇るクラブの「レジェンド」プレーヤーですが、同時に「アジアの舞台」知る選手でもあります。ACL33試合出場、しかも準決勝2度、ベスト16も2度という経験を持つコ選手の加入は、今季初めてAFCカップに出場するサバFCにとって貴重な補強となりそうです。
 JDTからの期限付き移籍を経て、完全移籍となったウィルキン選手は、そのJDT勢が大量に代表招集を辞退したことから昨年末のAFF選手権では主力として活躍し、シンガポール戦での2ゴールを含む4ゴールは、自身がリーグ戦で記録した2ゴールを上回るものでした。この大会で一皮剥けた感のあるスチュアート選手ですが、その実力をリーグ戦でも見せてくれるのかに注目です。

2月21日のニュース
タイ1部リーグ第20節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシドは揃って先発フル出場も明暗別れる
3月の代表戦の相手は香港とトルクメニスタンに決定
開幕直前の外国籍選手の駆け込み獲得は続く

スーパーリーグ開幕まで残り1週間となった先週末は、リーグ王者ジョホール・ダルル・タジム(JDT)やスランゴールFC、クダ・ダルル・アマンFCなどのチームが今季のユニフォームを発表しています。また2月24日に迫ったトランスファーウィンドウ期間終了前に駆け込みで新戦力補強を行うチームもあります。

タイ1部リーグ第20節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシドは揃って先発フル出場も明暗別れる

タイ1部リーグ第20節が行われ、マレーシア代表のDFディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)とFWサファウィ・ラシドはいずれも先発しフル出場、DFジュニオール・エルドストール(PTプラチュワプFC)はベンチ外でした。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式サイトのYouTubeより)

タイ1部リーグ第20節
2023年2月17日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 0-1 バンコク・ユナイテッドFC
2位と4位の対戦となったこの試合は、90分を過ぎても0-0と引き分け濃厚でしたが、ロスタイムにラーチャブリーFCが痛恨のPKを献上し、バンコク・ユナイテッドに勝ち越しを許しています。またこの敗戦、ラーチャブリーFCはチェンライ・ユナイテッドFCと入れ替わりで5位に交代しています。
サファウイ・ラシドは先発して、フル出場しています。

2023年2月18日@BGスタジアム
BGパトゥム・ユナイテッドFC 2-1 PTプラチュワプFC
ジュニオール・エルドストールはベンチ外でした。

2023年2月18日@チャン・アリーナ
ブリーラム・ユナイテッドFC 3-0 ポリス・テロFC
この試合も危なげない勝利を収めたブリーラム・ユナイテッドFCはリーグ再開からの5試合で4勝1分。この成績は5連勝のバンコク・ユナイテッドに次ぐ好成績です。
ディオン・コールズは先発して、フル出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第20節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU20164053173652
2バンコクU2013433592643
3チョンブリー19113534181636
5ラーチャブリー2096524141033
12プラチュワップ2055102741-1420
3月の代表戦の相手は香港とトルクメニスタンに決定

今年最初のFIFA国際マッチデーカレンダー期間ととなる来月3月に、マレーシア代表は香港、そしてトルクメニスタンと対戦することが発表されました。マレーシアサッカー協会FAMの本部で開かれた記者会見の席で、キム・パンゴン代表監督自身が発表しています。

キム監督がかつて監督を務めた香港とは、昨年6月に対戦し2-0で勝利を収め、またトルクメニスタンとはやはり昨年行われたAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選で対戦し、こちらは3-1で勝利しています。

現在、クアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場はピッチの張り替えなども含む改修工事中であることから、この両試合はジョホール・ダルル・タジム(JDT)のホームスタジアムであるスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)で行われることも発表されています。

*****

FIFAランキングではマレーシアが145位なのに対し、同146位の香港、同135位のトルクメニスタンとの対戦は、2026年FIFAワールドカップのアジア予選に向けて、少しでも多くポイントを獲得して、少しでもFIFAランキングを上げたいというFAMの目標に則したものです。アジアのFIFAランキング上位25チームに入らない場合、ワールドカップ予選へはまずプレイオフを戦わねばならず、プレイオフ出場を避毛、1回戦から出場したいマレーシア代表にとってこの上位25チーム入りが今年最大の目標の一つです。

開幕直前の外国籍選手の駆け込み獲得は続く
ヌグリスンビランFCは駆け込みでさらに外国籍選手2名を獲得へ

先日のこのブログでは、スーパーリーグで昨季4位となったヌグリスンビランFCが、9名まで登録可能な外国籍選手を3名のみで今シーズンに臨むという記事を取り上げましたが、一昨日行われた今季のチーム発表イベントで、さらに2名の外国籍選手獲得が明らかになっています。

4人目の外国籍選手は昨季までペナンFCでプレーしたFWカサグランデです。Mリーグでは通算7シーズン目となるカサグランデですが、昨季は6月18日の第10節PJシティ戦中に右頬骨を骨折。その後、手術は無事終了したものの、完治まで数ヶ月を要することから、ペナンFCとの契約はシーズン前半終了待たずに解除されています。それでもペナンFC在籍中は30試合で21ゴールを挙げるなど、スーパーリーグでの実績はある選手です。また5人目の外国籍選手はカサグランデと同じブラジル出身のMFヴィニシウス・レオネル・ダ・シルヴァ(CEオペラリオ・ヴァルゼア=グラデンセから移籍)の加入が発表されています。

*****

2月15日のこのブログでは、昨季からプレーする長身センターバックのエラルド・グロン(フランス)、今季新加入で東南アジアでのプレー経験が豊富な長身のストライカー、エゼシエル・エンドゥアセル(チャド、インドネシア1部バヤンガラFCから移籍)の両選手に加え、MFレヴィ・マディンダ(ガボン、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)から期限付き移籍)が今季の外国籍選手となる記事を取り上げましたが、今回のブラジル出身2選手を獲得を報じたブリタハリアンの記事では、エゼシエル・エンドゥアセルについての記述がない一方で、外国籍選手は4名とされていることから、エゼシエル・エンドゥアセルについては、メディアで報じられたものの、実際には加入しないようで、最終的にヌグリスンビランFCの外国籍選手は4名、しかもアジア枠、東南アジア枠の外国籍選手がいないため、実際にピッチに立てるのは4名のうち3名となります。

クランタンFCの外国籍選手は元JDT選手が加わり総勢9名に

5シーズンぶりにスーパーリーグでプレーするクランタンFCは2月19日に今季のチーム発表イベントを行い、外国籍選手枠は登録上限いっぱいの9名となったを発表しています。新たに発表されたのは、昨季は同じスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTでプレーしたDFカルリ・デ・ムルガとFWイスマヒル・アキネード(ナイジェリア、前バングラデシュ1部シェイク・ラッセルKCから移籍)の両選手です。

クランタンFCは今季、Jリーグの大分でもプレーしたチェ・ムンシク監督が就任し、これまでにいずれも韓国出身のDFキム・ミンギュ(韓国1部浦項スティーラーズFCから移籍)、DFキム・ミンギュ(韓国1部浦項スティーラーズFCから移籍)、いずれもスペイン出身のMFマリオ・アルケス(前ベトナム1部ソンラム・ゲアンFC)、DFミゲル・シフエンテス(前スペイン2部UDイビサ)に加えFWヌハ・マロング(ガンビア、インド2部ラジャスタン ユナイテッドFCから移籍)、DFクリスティアン・ロンティーニ(フィリピン、スリ・パハンFCから移籍)の6選手が新たに加入する一方で、昨季クランタンFCでプレーしたFWケルヴェンス・ベルフォール(ハイチ)、現在インドネシア1部のデワ・ユナイテッドへ期限付き移籍中のFWナタナエル・シリンゴリンゴ(インドネシア)の両選手は残留しています。

*****

一時はWikipediaのクラブ紹介ページに所属選手としてJリーグの甲府や仙台でプレーした道渕諒平選手の名前も書かれていましたが、期限付き移籍中のナタナエル・シリンゴリンゴを加えると外国籍枠上限となる9名を超える10名が在籍するクランタンFCでは、少なくとも今季前半はプレーすることはなさそうです。

サバFCはFCソウルで150試合以上出場のレジェンドMFを獲得

昨季はスーパーリーグ3位となり、AFCカップ出場権を獲得しているサバFCは。韓国1部FCソウルでプレーした34歳のMFコ・グアンミンの獲得を発表しています。FCソウルでは2011年から昨年まで在籍し、その間180試合以上に出場しているクラブの「レジェンド」で、ポジションは左サイドバックが本職ということです。

経験という点でサバFCにとって心強いのは、コ選手がアジアの舞台を知る選手だということ。ACLでは33試合に出場経験があるコ選手の加入は、1995年に当時のアジアカップウィナーズカップ(国内のカップ戦勝者を集めた大会。2002年廃止)でベスト16に進出して以来となるサバFCにとって大きな力となりそうです。

2月18日のニュース
サッカー協会が「ニセ」マレーシア代表の存在をFIFAとAFCに報告
PDRM FCは今季のホームスタジアムにMBPJスタジアムを使用
BRM FCがメインスポンサーを失いM3リーグ出場を辞退

サッカー協会が「ニセ」マレーシア代表の存在をFIFAとAFCに報告

英字紙ニューストレイトタイムズは、マレーシアサッカー協会FAMがニセマレーシア代表の存在をFIFAとアジアサッカー連盟AFCに報告したと報じています。 

サッカーコメンテーターのマーク・スタッフォード氏が昨年11月に自身のポッドキャストで明らかにしたところによると、米国1部メジャーリーグサッカーMLSのLAギャラクシーがマレーシア代表と親善試合を行い4-1で勝利しましたが、試合後にそのチームがマレーシア代表に成り済ました別のチームであることが発覚したということです。

FAMのハミディン会長は、近年、マレーシア代表はアメリカ合衆国へ試合のための遠征は行っておらず、誰かがマレーシア代表の名を語って試合を行ったと述べ、現在はその詳細を把握中だと説明し、またこの件はすでにFIFAとAFCにも報告済みであると述べています。. 

スタッフォード氏によると、サッカー賭博の胴元がLAギャラクシーに、AFC選手権アジアカップのための準備と称してマレーシア代表との親善試合を持ちかけ、その条件はスタジアム使用料などの経費は全てマレーシア代表持ちの上、試合報酬を支払うというものだったということです。その後は「マレーシアサッカー協会関係者」が公式に書面で試合を依頼したことで、LAギャラクシー側はこの申し出を受け入れ、実際の試合は¥LAギャラクシーが4-1で「マレーシア代表」に勝利したということです。

さらにスタッフォード氏は試合の時期を明らかにしなかったものの、この試合は八百長試合で「5ゴール以上」に賭けた八百長仕掛け人が数百万の利益を得たとしています。

*****

この他、2009年にマレーシア代表がFIFAの承認を得た国際Aマッチとしてジンバブエ代表とと7月12日と7月14日に試合を行い、マレーシア代表がそれぞれ4-0、1ー0で勝利しましたが、その後、ジンバブエサッカー協会はこの「ジンバブエ代表」はその名を語ったクラブチームであったと発表し、この手配をしたのが八百長仕掛け人として有名なウィルソン・ラジ・プルマルだったことを明らかになっています。また同じ2009年の9月11日に「レソト代表」と行いマレーシア代表が5-0で勝利した国際Aマッチも八百長が仕組まれていたことが明らかになっています。

また2015年にはマレーシアとガーナの両サッカー協会が知らない間にマレーシア代表タイガーナ代表の試合が開催され、この試合の開催が明るみに出ると、両協会とも試合を申し込んでも受け入れてもいないことを明らかにしています。

*****

このニセマレーシア代表については、昨年11月にも同じ様な記事がマレーシアの各紙で掲載されており、ニューストレイトタイムズがほぼ同じ内容の記事を再び掲載した理由は不明ですが、このブログでは昨年11月に出た記事をスルーしていたので、今回取り上げました。
 今回の記事では、マレーシア人選手が直接関わったのかどうかは不明ですが、マレーシアのサッカーの歴史を語る上で八百長の話題は、避けて通ることができない問題なのも事実です。このブログでも取り上げており、興味のある方は過去記事から「八百長」をキーワードで検索していただくと見つかると思います。
 上の記事で名が出ているウィルソン・ラジは、世界各地の試合で選手を買収する自称「世界一の八百長仕掛け人」として知られていた人物で、出身地のシンガポールだけでなく、フィンランドやハンガリーでも八百長で有罪となり実刑判決を受けています。

PDRM FCは今季のホームスタジアムにMBPJスタジアムを使用

今季3年ぶりにスーパーリーグに復帰するPDRM FCは、今季のホームスタジアムにスランゴール州プタリンジャヤのMBPJスタジアムを使用することを、スーパーリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが正式に発表しています。

PDRM FCは2020年シーズンから昨季まではクアラルンプールにあるKLフットボールスタジアムをホームとしてKLシティFCと同居していましたが、今季はMBPJスタジアムをスランゴールFCと共用することになりました。MBPJスタジアムは昨季まではスランゴールFCとPJシティFCが同居していましたが、今季から変更されたスーパーリーグの方針とクラブの方針が一致しないとして、PJシティFCがスーパーリーグ不参加を決めており、PDRM FCはこのPJシティFCの後釜に入ることとなります。

*****

PDRM FCがMBPJスタジアムにホームを変更するのは、MFLが今季から設けた1スタジアムにつきホームとするチームは最大2チームという規定によるものだと思われます。KLフットボールスタジアムは、KLシティFCとKLシティFCのセカンドチームが使用することから、PDRM FCが入る余地が無くなってしまった様です。なお、MBPJスタジアムをホームとするスランゴールFCのセカンドチームは、やはりリーグを撤退したUITM FCが使っていたUITMスタジアムを、PDRM FCのセカンドチームはサイバージャヤのマレーシアマルチメディア大学(MMU)の持つスタジアムをホームとすることが、各セカンドチームが出場するMFLカップの日程表で明らかになっています。

BRM FCがメインスポンサーを失いM3リーグ出場を辞退

Mリーグ3部に当たるM3リーグは3月4日に今季が開幕しますが、開幕まで1ヶ月を切ったこの時期にBRM FCが、クラブ公式Facebookで今季のリーグ出場辞退を発表しました。昨季のM3リーグではノックアウトステージの準決勝まで残ったBRM FCは、今季は優勝を目指して5日前には今季着用の新たなユニフォームを発表しましたが、それからわずか4日後の2月17日に出場辞退を表明しています。

「今回のメインスポンサーの件で迷惑を被った関係者全員に謝罪する」というクラブCEO名義による謝罪投稿とともに発表された今回のリーグ出場辞退の原因は、新ユニフォームの胸に入っていたメインスポンサーのロゴでした。ペラ州クアラ・カンサーを本拠地とするBRM FCの新ユニフォーム発表では電子タバコ会社の名前がユニフォームの胸スポンサーとして掲げられていましたが、M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグは電子タバコとは言え、タバコ会社であることも問題視していました。

最終的には、AFLはタバコ会社をスポンサーとすることを認めず、この結果、BRM FCは今季リーグ前にメインスポンサーを失うことになりました。開幕までおよそ2週間と迫ったこの時期に新たなスポンサー獲得は難しいと判断したBRM FCは、スポンサーなしでは今季のリーグに参戦できないとして、今季のリーグ出場を辞退しています。(下の写真は発表されたばかりのBRM FCの今季ユニフォーム。胸の黒地に金のロゴが電子タバコ会社のロゴです。)

2月17日のニュース
MFLは給料未払い問題に厳罰で対処することを再度確認
新型コロナ対策に尽力した前保健相がJDTの役員に就任
2021年のリーグ得点王の去就は未だ決まらず

MFLは給料未払い問題に厳罰で対処することを再度確認

Mリーグ1部マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、マレーシアサッカー協会FAMと協力して、スーパーリーグのクラブで給料未払い問題にはこれまで同様、厳罰で対処することを表明しています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、過去数年間に渡って給料未払い問題を防ぐための厳格な規則と、問題を起こしたクラブに対する厳格な処分の結果、実際に報告された給料未払い問題の件数は2018年の200件以上から、近年では10件前後に減少したと話し、これまでの努力が功を奏していることに加え、今季のクラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCを例に挙げて、MFLとFAMがこの問題をなくすためには厳格な処分も辞さない覚悟であると説明しています。

スチュアートCEOは、「Mリーグでプレーするクラブは慎重な経営に加え、選手に対しては契約内容を遵守し、遅配のない給料支払いを行わなければならないことを理解していると確信している。選手への給料支払いが滞りなく行われているかどうかは、クラブライセンス交付の際の重要な判断基準になる」と述べて、こういった問題が再発しないことを望んでいると話しています。

*****

Mリーグがタイリーグに次ぐ東南アジア第2位のリーグであると、MFLがその「価値」の高さをどれほど主張しようと、毎年の様に発生する給料未払い問題によって、Mリーグがプロリーグとしては「二流」と言わざるを得ないでしょう。前述の様にマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCはクラブライセンスに交付せず、国内トップリーグへの参加を認めなかったことはこれまではあり得ないことでしたが、その一方で、両クラブを運営していたサラワク州とマラッカ州のサッカー協会は未だ、給料未払い問題を解決していないにもかかわらず、新たなチームを立ち上げて3部リーグへの参加が認められています。
 3部リーグの運営はMFLではなくアマチュアフットボールリーグAFLの管轄とは言え、給料未払い問題未解決を放置している同じ人間が国内サッカーに関わることができる状況を容認している限りは、結局のところ、MFLがいう厳格な対応はいくらでも抜け道はあるということです。

新型コロナ対策に尽力した前保健相がJDTの役員に就任

前マレーシア政府保健相のカイリー・ジャマルディン氏は、所属していた政党「統一マレー国民組織」(UMNO)の党規則に違反したとして、UMNOを除名されていますが、このカイリー氏がマレーシアスーパーリーグ8連覇中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)の役員に就任したと、英字紙スターが報じています。

父親が外交官だったカイリー氏は、シンガポールのインターナショナルスクールからオックスフォード大学の看板学部である哲学・政治・経済学部(PPE)へ進み、卒業後は英国の経済誌エコノミストなどでジャーナリストして働いた後、2008年の下院議員選挙に出馬し当選、政界に転身しました。
 自身もポロの選手として2017年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでメダルを獲得するほどのスポーツマンでもあるカイリー氏は、2007には当時のパハン州皇太子、現在はマレーシア国王であるアブドラ国王に代わって、マレーシアサッカー協会FAMの副会長に就任したこともあります。
 2013年の総選挙で議席を守ると、当時のナジブ・ラザク首相政権下で青年スポーツ相に就任し、2013年から2018年までの大臣在籍時にはバイエルン・ミュンヘンのユースチームでコーチをしていた元マレーシア代表のリム・ティオンキム(現ペラFC監督)を2013年に招聘し、2018年にマレーシアで開催されるAFCU16アジアカップのトップ3入りを目指して青年スポーツ省とマレーシアサッカー協会が共同で設立した国家サッカー選手育成プログラム(NFDP)の責任者に就任させています。
 2018年の総選挙では再選を果たしたものの閣僚から外れましたが、2020年に再度議席を守ると、今度は科学・テクノロジー・イノベーション相に就任して中国とのワクチン供与の契約を結び、ワクチン接種計画の特任大臣に任命されると、その後は保健相に就任しました。
 2022年の総選挙ではそれまでの選挙区とは別の選挙区から出馬して落選、さらに所属するUMNOの執行部を批判したことから今年1月には除名処分を受けていました。

将来の首相候補とも言われ、与野党支持者を問わず人気の高いカイリー氏にはUMNOを除名された直後から各政党から声がかかっていましたが、同時にジョホール州皇太子でジョホール・ダルル・タジム(JDT)オーナーのトゥンク・イスマイル殿下も、ジョホール州の若者へのアドバイザーとして、またJDTも将来のクラブCEOへつながる様なポストをオファーしていました。

最終的にイスマイル殿下からのオファーを受ける形になったカイリー氏は、「一つの扉が閉まっても、別の扉が開くものだ。マレーシアNo.1のクラブに加わることができて光栄だ」と述べ、「アジアのトップクラブとなることを目指して、自身の経験を生かしてJDTを更なる高みへと押し上げたい」と自身のSNSでJDTの役員となったことを正式に表明しています。

*****

KJの愛称で知られるカイリー氏は、保守的な性格のUMNOの中では主流派ではなかった一方で、必要があればNGOや与党政治家などとも意見を交換を厭わない、柔軟な思考を持った政治家で、上の記事でも書いた通り将来の首相候補でもあります。14年の議員生活ながら3つの省で大臣を務めた実績もあり、最終的にはまた政界へ戻ることになるでしょうが、カイリー氏が加わることで、ピッチ内はもちろん、ピッチ外での補強も万全なJDTは、やはり国内では頭ひとつ抜けた存在と言わざるを得ません。

2021年のリーグ得点王の去就は未だ決まらず

ナイジェリア出身のFWイフェダヨ・オルセグンは、2021年にはスランゴールFCで26ゴール(22試合)を挙げてリーグ得点王になっていますが、3季在籍したスランゴールFCからマラッカ・ユナイテッドFCに移籍した昨季は、ケガなどもあり7ゴール(12試合)と成績を落としています。所属していたマラッカ・ユナイテッドFCは、2022年シーズンの給料未払い問題が未解決となっていることから、今季のリーグ参加に必要なクラブライセンスが交付されず、リーグ撤退を余儀なくされ、イフェダヨ選手は未だに今季の所属が決まっていません。

2019年のスランゴールFC加入前年の2018年にもマラッカFA(当時)でプレーしていたイフェダヨ選手は、今季Mリーグでプレーすれば「当該協会(ここではマレーシアサッカー協会FAM)管轄区域において最低5年間の居住」条件を満たすことになり、マレーシア国籍を取得すればマレーシア代表としてプレーが可能になります。

しかし、今年31歳のイフェダヨ選手は、マレーシア国籍取得には興味がないと、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロとのインタビューで答えています。これまでスランゴールFC復帰の噂があったイフェダヨ選手ですが、スランゴールFCは一昨日に加入が発表されたベネズエラ出身のMFヨハンドリ・オロスコを今季開幕前の「最後の加入選手」としていることから、イフェダヨ選手のスランゴールFC復帰はなくなりました。

Mリーグ通算104試合出場で87ゴールの実績は、未知数の外国籍選手を獲得するよりも遥かに確実な補強になりそうですが、昨季終了後のイフェダヨ選手はそれどころではなかった様です。「昨年末に父を亡くし、非常に困難な時を過ごさざるを得なかった。昨季終了後から、スランゴールFCを含めた多くのクラブから実際にオファーを受けたのは事実だが、その時は自分にはサッカーのことを考える余裕がなかった。」とは話したイフェダヨ選手は、マレーシア国籍を取得して代表入り云々の前に、自分のトップフォームを取り戻すことが最優先だと、スタジアム・アストロのインタビューに答えています。

2月16日のニュース
本田圭佑氏がスランゴールFCを訪問
政府がMリーグアウェイ試合のパブリックビューイング実施を検討中
各チームが来週に迫った開幕前に駆け込みチーム補強実施

本田圭佑がスランゴールFCを訪問

元日本代表の本田圭佑氏がスランゴールFCを訪問下と、マレーシア語紙のハリアンメトロが報じています。スランゴールFCの練習施設を訪れ、スランゴール州皇太子のテンク・アミル殿下とも話を交わしたということですが、この記事では選手としてでもコーチとしてでもなく、施設の見学に訪れたと説明されています。

既に自身のSNSでクアラルンプールに滞在中であることを明らかにしてた本田氏の訪問は、これまで東スポにスランゴールFC加入の噂記事が出たこともあり、一部SNSが本田氏がスランゴールFC加入か?とざわついた様ですが、残念ながら今回はハノイ、バンコクに次ぐ休暇での訪問だった様です。

スランゴール州皇太子のテンク・アミル殿下(左)に施設を案内される本田氏
政府がMリーグアウェイ試合のパブリックビューイング実施を検討中

今季のマレーシアスーパーリーグは来週2月24日に開幕しますが、マレーシア政府のコミュニケーション・デジタル省(KKD)と青年スポーツ省(KBS)がこのスーパーリーグのパブリックビューイングの開催を検討していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

「各州に大型スクリーンを設置し、サポーターが地元チームがアウェイで行う試合を見ることができれば、地元にいてもアウェイの試合の臨場感を味わいながら試合観戦ができるだろう。」と話したコミュニケーション・デジタル省のファーミ・ファジル大臣は、このパブリックビューイング実施について青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣と検討していると話しています。

各チームが開幕前に駆け込みチーム補強実施
スランゴールFCにはベネズエラ出身のMFヨハンドリ・オロスコが加入

スランゴールFCはクラブ公式サイトでベネズエラ出身のMFヨハンドリ・オロスコの加入を発表しています。コロンビア1部のデポルテス・トリマから加入するオロスコ選手は31歳で過去2シーズン在籍したデポルテス・トリマは2021/2022シーズンはリーグ2位となったチームですが、オロスコ選手は過去2シーズンで114試合に出場し、12ゴールと18アシストの記録を残していると、クラブ公式サイトで説明されています。

今季のスランゴールFCは、マレーシア代表トリオのFWファイサル・ハリム、MF V・ルヴェンティラン、DFクザイミ・ピーらマレーシア人選手に加え、ヨルダン代表MFヌール・アル=ラワブデ(ヨルダン1部アル・ファイサリーSCから加入)、提携関係にあるアゴラ・ライオンズ(ガーナ)から加入した20歳のFWラウフ・サリフ(ガーナ)、そしてFWエイロン・デル・ヴァイエ(コロンビア、コロンビア1部オンせ・カルダスから移籍)を新たに獲得していますが、クラブ公式サイトではオロスコ選手が7人目で最後の新戦力であると述べられています。

クランタンFCはスペイン出身DFミゲル・シフエンテスを獲得

2012年にはリーグ戦、FAカップ、マレーシアカップの国内三冠を達成したこともあるクランタンFCは、低迷期を経て今季は5年ぶりにスーパーリーグに戻ってきました。昨季は2部プレミアリーグで2位だったチームに、スペイン出身のDFミゲル・シフエンテスが加入したことがクラブ公式Facebookで告知されています。32歳のシフエンテス選手は1年契約で、スペイン2部のUDイビサを昨年9月に退団しています。

クランタンFCは大分トリニータでプレー経験がある韓国出身のチェ・ムンシク監督が今季から指揮を取りますが、これまでにいずれも韓国出身のDFキム・ミンギュ(韓国1部浦項スティーラーズFCから移籍)、FWカン・イーチャン(韓国1部江原FCから移籍)の他、DFクリスティアン・ロンティーニ(フィリピン、スリ・パハンFCから移籍)、MFマリオ・アルケス(スペイン、前ベトナム1部ソンラム・ゲアンFCから移籍)、FWヌハ・マロング(ガンビア、インド2部ラジャスタン ユナイテッドFCから移籍)、FWイスマヒル・アキネード(ナイジェリア、前バングラデシュ1部シェイク・ラッセルKCから移籍)の6選手の加入が発表されています。

PDRM FCはミャンマー代表MFチョン・ミン・ウーの加入を発表

2020年シーズン以来3年ぶりのスーパーリーグ復帰となるPDRM FCはマレーシア王立警察が母体のチームで、今季は鈴木ブルーノ選手が1年ぶりに復帰して今すが、このPDRM FCがミャンマー代表で26歳のMFチョン・ミン・ウーの加入を発表しています。ミャンマー1部リーグのヤンゴン・ユナイテッドから加入するチョン選手は昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップでも活躍しましたが、同様に三菱電機カップにも出場し、スランゴールFCでは今季3年目を迎えたFWハイン・テット・アウン、今季からペナンFCでプレーするDFゾー・ミン・トゥンに続く、スーパーリーグでプレーする3人目のミャンマー出身の選手となりました。

スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロの取材に対し、ハイン、ゾー両選手からスーパーリーグでのプレーを勧められたと話したチョン選手は、ミャンマー国内ではモデルとしても活動しているということですが、あくまでもサッカーをしていない時の余暇としての活動だと話し、まずはPDRM FCに貢献するために全力を尽くしたいと話しています。

1月31日のニュース
タイ1部リーグ第17節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシドが揃って先発もサファウィ・ラシドは負傷で途中退場
海外キャンプ2題-ドバイでキャンプ中のジョホールは相手の試合放棄で練習試合終了、クダ・ダルル・アマンFCはトルコキャンプ実施

サーバーが復活したので、今更ですが、今日のニュースをアップします。

タイ1部リーグ第17節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシドが揃って先発もサファウィ・ラシドは負傷で途中退場

タイ1部リーグ第17節が行われ、マレーシア代表のサファウィ・ラシドとディオン・コールズが揃って先発室状しています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeより)

タイリーグ第17節
1月29日@700周年スタジアム(チェンマイ)
ラムプーン・ウォリアーFC 1-1 ラーチャブリーFC
サファウィ・ラシドは移籍後初となるリーグ戦の先発を果たしましたが、ミカ・チュヌオンシーの危険なタックルを受けて負傷し、退場しています。なおチュヌオンシー選手はこのプレーで一発レッドで退場しています。

1月29日@チャン・アリーナ(ブリーラム)
ブリーラム・ユナイテッド 2-0 チョンブリーFC
リーグ戦は2戦連続、カップ戦も含めると3戦連続で先発したディオン・コールズは78分に交代しています。

1月28日@サム・アオスタジアム(プラチュワップキーリーカーン)
プラチュワップFC 1-1 ポートFC
プラチュワップFCのジュニオール・エルドストルはベンチ入りしませんでした。

タイ1部リーグ順位表(第17節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU17143044133145
2バンコクU1710432791834
3チョンブリー17103431151633
4ラーチャブリー1786322111130
12プラチュワップ174582135-1417
海外キャンプ2題
ドバイでキャンプ中のジョホールは相手の試合放棄で練習試合終了

アラブ首長国連邦のドバイでキャンプ中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)は、ブルガリア1部のPFCレフスキ・ソフィアと練習試合を行いましたが、54分に相手の試合放棄で試合が終了したと、英字紙スターが報じています。なお相手の試合放棄の原因はアルゼンチン出身のFWフェルナンド・フォレスティエリが相手にパンチを見舞った(!)ことによるものだということです。

試合後には両チームがそれぞれ声明を発表し、JDTは試合終了の理由としてPFCレフスキ・ソフィアの「スポーツマンシップの欠如」、「度を超えた『アグレッシヴさ』」そしてこの試合で主審を務めたセルビア人主審の「試合をコントロールする能力不足」を理由に挙げています。

一方、PFCレフスキ・ソフィアはJDTの選手の無礼でスポーツマンシップに欠けた行為が試合放棄の理由であるとしています。

なお試合後にはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身のSNSで、JDTに不利な判定を続けた主審が試合をコントロールできていなかったと述べるとともに、PFCレフスキ・ソフィアが試合放棄をした時点ではJDTが1-0でリードしていた点を取り上げて「アジアの小さなクラブがPFCレフスキ・ソフィアを1-0でリードしていた事実が受け入れられなかった」ことが試合放棄の最大の理由だろうとしています。

クダ・ダルル・アマンFCはトルコキャンプ実施

昨季は大不振だったクダ・ダルル・アマンFC(クダ)は、トルコでプレシーズンのキャンプを行います。

2020年、2021年と2季連続で優勝したジョホール・ダルル・タジム(JDT)に次ぐ2位となりながら、昨季はまさかの8位に転落したクダは、2019年から指揮をとっていたシンガポール出身のアイディル・シャリン(現インドネシア1部プルシカボ1973監督)に代わり、昨季までトレンガヌFCを率いていたナフジ・ザイン監督が今季から指揮を取りますが、そのクダは、トルコのアンタルヤで10日間のに渡る開幕前の最終調整を行います。

2月5日にマレーシアを出発し、2月9日にはナサフ・カルシFC(ウズベキスタン1部)、2月10日にはFCシャフチョール・カラガンダ、2月12日にはFKマクタアラル(いずれもカザフスタン1部)、そして2月14日にFCメタリスト・ハルキウ(ウクライナ1部)の各チームとの試合も行うということです。なお、これらの試合はいずれもマレーシア時間午後10時(現地時間午後5時)に行われ、全試合がペイパーヴュー方式でストリーミング配信されるということです。

これを発表したクダのモハマド・ダウド・バカル オーナーは、昨季は韓国2部の全南ドラゴンズでプレーしたブラジル出身FWジョナサン・バロテッリの獲得も合わせて発表しています。

1月11日のニュース
AFF選手権準決勝2ndレグ-タイに完敗のマレーシアは2大会ぶりの決勝進出を逃す

1月10日に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ準決勝セカンドレグで、マレーシア代表はタイ代表に0-3で敗れ、ファーストレグとの通算成績でも1-3と敗れた結果、2大会ぶりの準決勝進出を逃しています。一方、決勝進出を決めたタイ代表は、もう一つの準決勝でインドネシア代表を破って決勝進出を決めているベトナム代表と大会2連覇を賭けて対戦します。

マレーシアのキム・パンゴン監督は、1-0で勝利していたファーストレグの先発から、4名を入れ替えています。ベトナム戦でレッドカードをもらい2試合の出場停止処分を受けていたアザム・アズミがクェンティン・チェンに代わって右サイドバックに戻り、左サイドバックにはファーストレグで唯一の得点を演出したV・ルヴェンティランに代わり、スランゴールでチームメートとなるファズリ・マズランが入りました。またリー・タックとサファウィ・ラシドに代わり、それぞれムカイリ・アジマルとノー・ハキム・ハサンを起用して前回大会チャンピオンに挑みました。

試合開始直後は高い位置でのプレスをかけていたマレーシアでしたが、それも開始から10分を過ぎた頃には徐々にラインが下がり始め、その後は防戦一辺倒になる場面が続く、ファーストレグとほぼ同じ展開となりました。それでもタイFW陣が好機をことごとく逸する展開に助けられたマレーシアの集中力が切れたのは19分でした。左サイドでフリーとなったティーラトン・ブンマタンからのクロスにティーラシン・デーンダーがシャルル・ナジームとドミニク・タンに挟まれながらも頭で合わせゴール!今大会の得点王争いのトップとなる6得点目を決めたタイのエースの活躍で、ホームのタイが先制します。

ファーストレグでは1-0で勝利しているマレーシアは、このゴールで通算成績が1-1となっただけでしたが、試合開始時と比べると意気消沈したようなプレーが出始めます。チームを鼓舞しようとしたキム・パンゴン監督がタイのアレクサンダー・「マノ」・ポルキン監督とともに、この試合の主審を務めたヨルダンのアドハム・マハドメ主審からイエローカードをもらう場面もありました。これに応えるようにマレーシアは左サイドのノー・ハキム・ハサンからクロスにダレン・ロックが頭で合わせ、この試合最初のシュートは放ちますが、これはタイGKカンポン・ファントムアカックルの正面となり、ゴールを破ることはできませんた。また41分には右サイドでFKを得たマレーシアですが、ムカイリ・アジマルのキックはやはりGKカンポン・ファントムアカックルが難なくキャッチ。その後、両チームとも激しいプレーが続くもスコアは変わらず、前半は1-0とタイのリードで折り返します。

後半に入ると、マレーシアのキム監督はファーストレグで先発したリー・タック、V・ルヴェンティランを投入しますが、この交代では状況は打開できず、むしろ守備に不安のあるV・ルヴェンティランのサイドから崩される展開となりました。55分には右サイドでパスを受けたエカニット・パンヤがペナルティエリア内から出たマイナスのクロスをマレーシアDF陣が完全にフリーにしてしまったボーディン・ファラがゴールして2点目を献上、通算スコアでもついにタイにリードを許しました。さらに71分にはやはりウィーラテップポンファンに右サイドから待ち込まれ、そこからのクロスを今季からMリーグのトレンガヌでプレーするアディサク・クライソーンがシュートするもポストにはじかれますが、そのルースボールに再び詰めてゴール!決定的なタイの3点目が決まるとともに、マレーシアの決勝進出の夢はつい得ました。

9(3)対39(11)。これはマレーシア代表とタイ代表の準決勝2試合を合計したシュート数(枠内へのシュート数)です。マレーシアは枠内シュート3本で1ゴール、タイは枠内シュート11本で3ゴールなので、シュート数に対するゴール数の割合はマレーシアガタイを上回っていますが、2試合で1ゴールでは勝てるはずもありません。また大会通算では6試合で11得点7失点を記録したマレーシアですが、ベトナム、タイといった強豪相手には3試合で1得点6失点と得点力不足が露呈し、この問題の克服がAFC選手権アジアカップ2023への最大の課題となります。

準決勝敗退は残念な結果ではありましたが、見方を変えれば、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)所属選手の大量辞退によって、今回の大会はこれまで出場機会が与えられなかった選手を起用する機会にもなりましたし、また本来ならば代表合宿に呼ばれるかどうかのボーダーの選手を招集し、実戦で試してみる機会でもあったとも言えます。具体的に言えば、ラヴェル・コービン=オングがいないことでV・ルヴェンティランが、マシュー・デイヴィーズがいないことでアザム・アズミやクェンティン・チェンは出場機会を得ることができましたし、ファイズ・ナズミやアフィク・ファザイルが不在なことからスチュアート・ウィルキンやムカイリ・アジマルにフル出場の機会が回ってきたのは事実です。またキム監督も選手をやりくりする中で、ブレンダン・ガンをセンターバックで起用するとそれがはまるなど、選手の新たな可能性も探ることができたのは、選手たちにとって自信になったはずし、JDTの選手たちが代表に戻ってきても、キム監督にとっては今後の選手招集の選択肢を増やすことができた大会となったと言えるでしょう。

また今回の大会は、連日メディアでの注目を浴びたことで、EPLは見てもマレーシア国内リーグは見ない、といったマレーシアサッカーに無関心な層にもアピールしたようで、当初はBチームと呼ばれたメンバーが必死で戦う姿勢は、多くのマレーシア人の興味や関心を集めています。これも今大会はFIFA国際マッチデー期間外であることから、「選手は機械ではないので、休息が必要だ」というど直球の正論で自チームの選手を三菱電機カップに出場させなかったJDTのオーナー、トゥンク・イスマイル殿下がいたからで、殿下にはむしろ感謝しても良いくらいです。

準決勝敗退で2020年シーズンが終了したマレーシアサッカーですが、来月2月24日は2023年シーズンが開幕し、すでに多くのクラブがプレシーズンのトレーニングを始めています。今回代表としてプレーした選手たちにはまずは休息を取り、ケガを治療してもらい、それから来季に向けて準備を始めてもらいたいです。ハリマウ・マラヤ、お疲れ様でした。

AFF選手権三菱電機カップ2022 準決勝2ndレグ
2022年1月10日@タマサード・スタジアム(パトゥムターニー、タイ)
タイ 3-0 マレーシア(通算成績 タイ 3-1 マレーシア)
⚽️タイ:ティーラシン・デーンダー(19分)、ボーディン・ファラ(55分)、アディサク・クライソーン(71分)
🟨タイ(3):エカニット・パンヤ、サーラット・ユーイェン、ウィーラテップ・ポンファン
🟨マレーシア(4):ファイサル・ハリム、ドミニク・タン、エセキエル・アグエロ、サファウィ・ラシド
MOM:アディサク・クライソーン(タイ)

試合のハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

1月1日のニュース
AFF選手権-第3節を終えてマレーシアはベトナム、シンガポールに次ぐ3位で最終節へ

あけましておめでとうございます。ここ数週間は仕事でバタバタしておりまして、12月17日以来、ほぼ半月ぶりの記事となります。その間に東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電気カップ2022は開幕し、マレーシアはここまで2勝1敗の成績です。マレーシアのいるB組では、一昨日12月30日に西ヶ谷隆之監督率いるシンガポールがベトナムと引き分け、両チームが2勝1分で並んだものの、得失差でベトナム1位、シンガポールが2位となっています。この結果、準決勝に進むことができる上位2チームに入るためには、マレーシアは3日後に控えるホームでのシンガポール戦での勝利が不可欠となりました。
 前々回の2018年大会では決勝でベトナムに敗れたものの準優勝したマレーシアでしたが、コロナ禍で2021年に順延された前回大会ではインドネシア、ベトナムに次ぐグループ3位となり準決勝進出を逃しています。またこれにより、大会後には当時のタン・チェンホー代表監督が辞任する事態となりました。
 前回大会の雪辱を晴らしたいマレーシアでしたが、タン前監督の辞任を受けて就任した韓国出身のキム・パンゴン監督の前に大きな問題が現れました。今季国内リーグ9連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTの選手13名中11名が大会前の代表候補合宿参加を辞退したのです。AFF選手権はFIFAの国際マッチカレンダー期間外であるため、クラブには代表招集された選手のリリースの義務はなく、この辞退そのものは問題がありませんが、JDTの選手は代表でも中心選手であり、彼ら抜きの代表は国内でも「B代表」と揶揄されています。しかも残ったJDTの2選手のうち、サファウィ・ラシドはタイ1部のラーチャブリーFCへの期限付き移籍が発表され、もう1人のラマダン・サイフラーは最終メンバーに残れず、この結果、いつ以来かわからないJDT選手が1人もいない代表チームが誕生しています。そして、そんな代表チームが今大会初戦で対戦したのがミャンマーでした。

この試合の先発は、前述のようにJDTの選手を欠くメンバーの中、キム監督は前線にはファイサル・ハリム(スランゴール)、ダレン・ロック(サバ)、サファウィ・ラシド(タイ1部ラーチャブリーFC)、中盤はV・ルヴェンティラン、ブレンダン・ガン(いずれもスランゴール)、スチュアート・ウィルキン(サバ)、アザム・アズミ(トレンガヌ)、そしてドミニク・タン(サバ)、シャルル・ナジーム、クザイミ・ピー(いずれもスランゴール)のDF陣とGKシーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)を起用しました。
 国内の政治的混乱もあり2021年はシーズンが国内リーグが中止となったミャンマーは直近のFIFAランキングでは159位、一方のマレーシアは154位と試合前には楽観ムードが漂っていましたが、蓋を開けてみると、ホームのミャンマーが試合開始から積極的に攻める展開となります。しかしスランゴールでプレーするハイン・テット・アウンら攻撃陣のフィニッシュの精度の低さに助けられ、なんとか前半を0-0で折り返します。そして後半の52分には、U23代表時代からともにプレーするサファウィ・ラシドからのパスを受けたファイサル・ハリムがゴールを決め、マレーシアが先制します。しかしここからミャンマーの猛攻が始まり、試合終了間際の94分にはペナルティエリア内でシャルル・ナジームがファールを取られ、ミャンマーにPKが与えられます。
 しかしウイン・ナイン・トゥンのPKをシーハン・ハズミが素晴らしい反応を見せてこのシュートを弾き、同点を許しません。残る6分ほどを守り切ったマレーシアが開幕戦に勝利!ボールの保持率ではミャンマー57.3%に対して42.7%と劣勢だったマレーシアですが、貴重な勝点3を獲得しています。

2022年12月21日@トゥウンナ・スタジアム(ヤンゴン、ミャンマー)
ミャンマー 0-1 マレーシア
⚽️マレーシア:ファイサル・ハリム(52分)
🟨ミャンマー(6)
🟨マレーシア(2)
MOM:シーハン・ハズミ(マレーシア)

(試合の映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

続く2戦目はホームに戻ってブキ・ジャリル国立競技場でのラオス戦。準決勝進出争いが得失差により決定となった場合も考えると、初戦のベトナム戦では0-6と敗れているラオス相手に、マレーシアも同様に大量点差での勝利が必要な試合でした。
 このラオス戦にキム監督は、ミャンマー戦で負傷したクザイミ・ピーを含めた大量8名を入れ替えて臨みました。この試合の先発は、ファイサル・ハリム(スランゴール)、サファウィ・ラシド(タイ1部ラーチャブリーFC)、シャミー・イスズアン(サラワク・ユナイテッド)がFW、ノー・ハキム・ハサン、ムカイリ・アジマル(いずれもスランゴール)、デヴィッド・ローリー、セルヒオ・アグエロ(いずれもスリ・パハン)がMF、そしてファズリ・マズラン、シャルル・ナジーム、クェンティン・チェンのスランゴールトリオがDF、そしてGKは192mと長身のラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)という布陣でした。
 今年最後の代表戦ということもあってか、ブキ・ジャリル国立競技場には3万人近い観衆が集まりましたが、その期待に応えるようにマレーシアは、アルゼンチン出身で今年マレーシア国籍を取得したばかりのセルヒオ・アグエロが26分に代表初ゴールを挙げて先制したものの、前半はこのゴールのみの1-0で終わっています。
 しかし後半に入ると65分、68分とファイサル・ハリムが2試合連続ゴールとなる2ゴールを決めて3-0、さらに77分には途中出場の19歳、ハキミ・アジム(KLシティ)が代表初ゴールをを決め、そして87分にはやはり途中出場のスチュアート・ウィルキンが公式戦初ゴールをを決めた一方で、守備陣も相手に枠内へのシュートは一本も撃たせない攻守を見せて快勝しています。

2022年12月24日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
マレーシア 5-0 ラオス
⚽️マレーシア:セルヒオ・アグエロ(29分)、ファイサル・ハリム2(65分、68分)、ハキミ・アジム(77分)、スチュアート・ウィルキン(87分)
🟨マレーシア(2)
🟨ラオス(1)
MOM:セルヒオ・アグエロ(マレーシア)

(試合の映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

開幕2連勝で迎えた第3戦はアウェイのベトナム戦です。東南アジアの代表チームで唯一、FIFAワールドカップ2022アジア最終予選に残ったこの地域で最強のチームですが、前回大会では大会MVPを獲得したチャナティップ・ソングラシン(タイ)の2ゴールに沈み、準決勝で敗退しています。しかし今大会は東南アジアの盟主として2大会ぶりの優勝を果たして、今大会後に退任が決まっているパク・ハンソ監督の花道を飾りたいところでしょう。
 またマレーシアはベトナムとの対戦成績は2014年以来1分7敗と苦手にしており、この試合ではベトナムと初対戦となるキム監督が同胞のパク監督にどのように挑むが注目されました。
 そのキム監督は。FWにファイサル・ハリム、ダレン・ロック、そして今年マレーシア国籍を取得した英国出身のリー・タックを初スタメンに起用、MFはV・ルヴェンティラン、ムカイリ・アジマル、アザム・アズミ、DFにはシャルル・ナジームとドミニク・タンに加えて、本来はMFのブレンダン・ガンを起用しています。
 試合はホームのベトナムが試合開始からマレーシアを圧倒し、29分にはグエン・ティエン・リンのゴールでベトナムが先制。その後もベトナム優位の状態で試合が進むかと思われたその直後の33分にはベトナムのグエン・バン・トアンがこの試合2名のイエローカードで早々と退場となってしまいます。数的に有利となったマレーシアは徐々にペースを掴み始め、V・ルヴェンティランやムカイリ・アジマルがシュートを放つも、枠を捉えることができず、前半は1-0とベトナムリードで終了します。
 先日のワールドカップの日本代表ではないですが、1-0ならば後半で追いつき、さらに逆転も可能かと思われましたが、62分にはベトナムDFドアン・バン・ハウの体当たりでゴールラインの外に吹っ飛ばされたアザム・アジムがドアン・バン・ハウに対して報復したとして、この試合の主審を務めた佐藤隆治主審がアザム・アジムに一発でレッドカードを出すとともに、ベトナムにPKを与える判定を出しました。しかし映像を見る限りでは、アザム・アジムを吹っ飛ばしたドアン・バン・ハウ選手のプレーがそもそもファールであり、試合はそのファールによるFKで再開が順当にも見えましたが、佐藤主審はそうは見なかったようです。このPKはクエ・ゴック・ハイが決めてベトナムのリードは2点に広がりました。
 実はこの佐藤主審が裁くマレーシア対ベトナム戦は、以前にもこのカードで同様の「疑惑の判定」が物議を醸し出したことがありました。2021年6月11日に行われたFIFAワールドカップ2022アジア2次予選がその試合で、この試合ではベトナムが27分に先制し、マレーシアが72分にPKで追いついた直後にやはり佐藤主審がベトナムにPKを与え、これを決めたぺとナムが2-1で勝利するとともに、この2次予選突破を決めています。この試合ではマレーシアのブレンダン・ガンがペナルティエリア内でグエン・バン・トアンを倒したとして、ベトナムにPKが与えられました。しかしこのプレーは映像によっては、ブレンダン・ガンはグエン・バン・トアンと接触していないようにも見えたことから、グエン・バン・トアンの「シミュレーション」ではないかとして、逆転を許すPKを与えた佐藤主審のSNSには、その後、マレーシアサッカーファンからの非難や中傷などが大量に送り付けられました。
 そういった「因縁」もあったこのカードでしたが、今回の判定に対してもマレーシアサポーターからは非難はもちろん、誹謗、中傷が佐藤主審のインスタグラムに送られ、佐藤氏が「自分の家族も投稿内容を見ているので、自制してほしい。」と呼びかける事態となりました。また佐藤氏の判定に対して、マレーシアサッカー協会FAMもAFFに正式に文書で不満を伝えています。
 とは言え、シュート数はベトナム14、マレーシア13と大差なかったものの、枠内のシュートはベトナム8に対してマレーシアは3と実力的にはやはりベトナムの方が上だったことが改めて示されたこの試合では、前半の数的有利を活かせなかったマレーシアもアザム・アジムの退場で10人となり、83分にはグエン・ホアン・ドゥックにダメ押しとなるゴールを許して敗れています。

2022年12月29日@ミーディン国立競技場(ハノイ、ベトナム)
ベトナム 3-0 マレーシア
⚽️ベトナム:グエン・ティエン・リン(29分)、クエ・ゴック・ハイ(64分PK)、グエン・ホアン・ドゥック(83分)
🟨ベトナム(1)
🟨マレーシア(2)
🟥ベトナム(1)
🟥マレーシア(1)
MOM:ダン・バン・ラム(ベトナム)

(試合の映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

この後、12月30日にベトナムはシンガポールのホームで0-0で引き分けており、第3節を終えた順位は1位ベトナム(2勝1分)、2位シンガポール(2勝1分、1位と2位は得失差による)、3位マレーシア(2勝1敗)、4位ミャンマー(1分2敗)、5位ラオス(1分3敗)となっています。
 グループステージ最終節となる1月3日にはマレーシア対シンガポール、ベトナム対ミャンマーが予定されています。最終戦をホームで戦うマレーシアは準決勝進出のためにはシンガポール戦での勝利が必須ですが、ケガのクザイミ・ピーの回復は間に合うのか、ベトナム戦で退場となったアザム・アジムの代役は誰が務めるのかなど、不安要素が残るマレーシアですが、すでに2万枚を超えるチケットが売れているということで、期待が高まるホームのファンの前で起死回生の勝利を期待したいです。

最後になりますが、ボラセパマレーシアJPは2023年で5年目に入ります。今年もほぼ日でサッカーを通してマレーシアの様子を伝えていきますので、どうぞよろしくお願い致します。