9月6日のニュース
誤審により無期限出場停止処分を受けたスーパーリーグ主審がVAR研修で目撃される
「未完の大器」ルクマン・ハキムは来季はインドネシアリーグへ移籍か
ジョホールのACLエリート入りには今季AFCカップ出場のトレンガヌとサバのアシストが必要

今日9月6日は、中国遠征中のマレーシア代表は成都市でシリアとの国際親善試合が組まれています。FIFAランキングを136位まで上げてきたマレーシアにとって、同93位のシリアとの対戦は、昨年12月のベトナム戦以来となるFIFAランキング100位以内のチームとの試合となります。マレーシア代表は今年はここままで6勝1敗の成績を収めていますが、相手はいずれも同等か格下の相手との対戦ばかりで、今日のシリア戦、そして3日後の9月9日の中国戦が現在の代表の実力を図る目安となります。またU23代表はタイのチョンブリーでAFC U23アジアカップ予選の初戦となるバングラデシュとの対戦が組まれており、前回2022年大会に続き本戦出場を目指すマレーシアU23代表は、最終節のタイU23代表戦まで負けられない試合が続きます。

誤審により無期限出場停止処分を受けたスーパーリーグ主審がVAR研修で目撃される

マレーシアサッカー協会FAMは、来季からスーパーリーグで導入予定のビデオ・アシスタント・レフリーVARのための審判を対象とした研修を行っていますが、FAM本部で行われている研修に、今季のスーパーリーグでの誤審を理由に無期限の職務停止処分を受けているズルカルナイン・ザカリア審判の姿が目撃されて話題となっています。

剃り上げた頭が特徴的なことから「ハゲ審判」(失礼)と一部サポーターから呼ばれているズルカルナイン氏は、これまでも「疑惑の判定」を下していましたが、今年3月のスーパーリーグ第5節、3月17日のサバFC対ペナンFC戦で両チームそれぞれに1度ずつ与えるべきでないPKを与えた誤審があったとして、FAMの審判委員会よりスーパーリーグでの審判を含む無期限の職務停止処分を受けています。そのズルカルナイン氏がFAMのSNSに投稿された写真からVAR研修に参加していることが明らかになると、SNSやメディアはズルカルナイン氏がスーパーリーグ審判に復帰するのでは、とざわつきましたが、これに対してFAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長が説明しています。

「ズルカルナイン審判は、ほぼ1年間職務停止処分を受けており、この間、FAMはカウンセリングを複数回行っている。FAMはズルカルナイン氏がVARを担当するのに十分な経験を持つ審判であることから、職務停止処分を一旦解除し、VAR研修に参加する機会を与えることにした。またスーパーリーグ各チームのU21チームが対戦するプレジデントカップとU19チームが対戦するユースカップで現場復帰が予定されており、その際もFAMが担当試合を注意深く監視する予定である」とノー・アズマン事務局長は話す一方で、現時点では直ちにスーパーリーグやマレーシアカップなどの試合の審判に戻す予定はないことも明言しています。

「未完の大器」ルクマン・ハキムはインドネシアリーグへ移籍か

2018年にマレーシアで開催されたAFC U17アジアカップでは、チームはグループステージ敗退ながら、優勝した日本代表の唐山翔自選手(G大阪)らと大会得点王を分け合うなど将来のマレーシア代表を背負って立つと期待されてきたルクマン・ハキム。2020年にはマレーシア人のヴィンセント・タン氏がオーナーのベルギー1部KVコルトレイクと5年契約を結ぶも、KVコルトレイクでは在籍3年間でわずか3試合出場に終わり、今年2月からは出場機会を求めてアイスランド2部のUMFニャルズヴィークに期限付き移籍をしていますが、ここまで9試合出場で出場時間は171分とやはり出場機会が十分に得ることはできていません。そんな中、サッカー専門サイトのヴォケットFCは、ルクマン選手の次の移籍先はインドネシアリーグなどが候補に上がっていると、伝えています。

UMFニャルズヴィークでは1ゴールを挙げるなど、KVコルトレイクよりは出場時間が増えてはいるものの十分とは言えないことから、ヴォケットFCはさらに出場時間を増やしたいルクマン選手を獲得したい意思を表明しているクラブとの交渉が進むのではと予想しています。ルクマン選手が所属するアイスランド2部は春秋制を採用しており、今季の最終節第22節は9月16日に行われますが、現時点では大半のリーグで移籍期間は終了していることから、今季終了後はまずはKVコルトレイクに戻り、来年1月以降の移籍が考えられます。そしてヴォケットFCの記事では、マレーシアスーパーリーグのクラブの他、インドネシアやポーランドのクラブなどがルクマン選手獲得に関心を示しているとしています。

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今日からタイで始まるAFC U23アジアカップ予選にも出場するルクマン選手ですが、U23代表招集は昨年6月のAFC U23アジアカップ本大会以来となっています。この時は絶対的なエースという位置からは程遠く、最終節のベトナムU23代表戦では出番もありませんでしたが、代表から離れていたこの1年間でどれだけ成長したかが見ものです。、

なおヴォケットFCの記事では、ルクマン選手自身はKVコルトレイクのトップチーム入りを目指しているということですが、このKVコルトレイク移籍自体もルクマン選手が求められたというよりも、オーナーがマレーシア人であることが最大理由なのは明らかなので、まずはこのAFC U23アジアカップ予選で自身の価値を高めるような活躍を見せて欲しいです。

ジョホールのACLエリート入りには、今季AFCカップ出場のトレンガヌとサバのアシストが必要

アジアサッカー連盟(AFC)が主催するクラブチームによる国際大会は現在、合計40チームが参加するAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と、その下部大会として合計36チームが参加するAFCカップの2つがあり、今季2023/24シーズンから秋春制に移行した両大会には、マレーシアからはそれぞれ昨季のスーパーリーグ覇者ジョホール・ダルル・タジムFCと、同2位トレンガヌFCと同3位サバFCが出場します。

このACLとAFCカップについて、AFCは先月8月、両大会の大幅な改編を含めた新たな3つの大会を来季2024/25シーズンから開催することを発表しています。そして現行のACLに相当するトップカテゴリーはAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ADLE)の名称となり、現在の40チームが参加するACLから、参加チームを文字通りエリートチームに絞り込んだ24チームでの開催となります。

今季のACLにはマレーシアからはリーグ9連覇中のジョホール・ダルル・タジムが出場しますが、来季から始まるACLエリートに出場するためには、チームの所属する協会がAFCのクラブコンペティションランキングで西地区あるいは東地区で上位6カ国に入っている必要があります。8月23日現在、東地区のマレーシアは現在、日本、韓国、中国、タイ、オーストラリアに次ぐ6位につけており、このままいけば2024/25年シーズンはACLEで1チーム、その下部リーグに当たるAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)で1チームの出場枠を獲得できます。

なお、AFCクラブコンペティションランキングの順位を決めるポイントは、過去8年間にAFCチャンピオンズリーグ (ACL) とAFCカップに参加したチームの成績に基づいて算出されます。このポイントを稼ぐにはACLとAFCカップに出場したチームが、そこで結果を残すことが重要になります。マレーシアで言えば、2006年から2014年まではAFC下位の協会に所属チームのための大会、AFCチャレンジカップ(2014年に廃止)に出場してポイントを稼ぎ、2015年にはAFCカップでジョホールが優勝して大量のポイントを獲得しています。その一方でそのジョホールは、2015から4年連続でACL予選出場が懸るプレーオフ出場しながら、2年連続のPK戦負けなどで敗れ続けてACL出場を逃していました。

しかし2019年からはこのジョホールが直接、グループステージ出場権を得たことで、それ以降のマレーシアのポイント獲得の中心となり、マレーシアの順位を押し上げる原動力となっています。また昨季2022年にはKLシティがAFCカップで準優勝しており、こちらもやはりポイント獲得に貢献しています。

現在、AFCクラブコンペティションランキング東地区6位のマレーシアのポイント数は29.551でこれは7位のベトナムとは0.482差、8位の香港とは2.501差と僅差になっており、順位が7以下になればACLEの出場権を失ってしまいます。このため来季以降のジョホールのACLEへの出場権を確保するには、今季のACLに出場するジョホールはもちろんのこと、AFCカップに出場するトレンガヌFCとサバFCの成績が重要となります。というのも、クラブコンペティションランキングでは、ACLとAFCカップ出場チームが獲得したポイントはその合計が各協会所属の出場チーム数で割った平均で計算されるため、マレーシアで言えば、3チームの獲得層ポイント数割る3が今季の獲得ポイントとなります。

7位ベトナムはハノイFCが、8位の香港はキッチーFC(健志体育会)が出場する一方で、AFCカップには両国とも出場チームはありません。このため、ACLグループステージでこのハノイFC、キッチーFC以上の成績を残しても、AFCカップでトレンガヌFCとサバFCがたとえばいずれも東南アジア地区プレーオフで敗退すると、獲得ポイント数がベトナム、香港を下回り、ランキングを下げることになりかねない、ということなのです。

2023マレーシアスーパーリーグ
第20節結果とハイライト映像(3)-クランタンUは今季2勝目、一方のクチンシティは19試合白星なし

マレーシアスーパーリーグ第20節の延期されていた1試合、クランタン・ユナイテッド対クチンシティの1戦が9月4日に行われています。FIFA国際マッチカレンダーが9月4日から始まる中での試合開催は、代表戦に招集される選手が出る心配がない両チーム(失礼)の対戦だからなのでしょうか。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年9月4日@スルタン・ムハンマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:165人
クランタン・ユナイテッド 2-1 クチンシティ
⚽️クランタン:イスマヒール・アキナデ(48分)、O・J・ポルテリア(56分)
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(42分)
🟨クランタン:シロジディン・ラクマトラエフ、O・J・ポルテリア
🟨クチンシティ:セリオ・サントス、谷川由来、ヌリディン・ダブロノフ、アリフ・ハサン、ブルーノ・ディバウ
MOM:ペトラス・シテンビ(クチンシティ)

 今季のスーパーリーグ開幕からここまで1勝と苦しむ両チームは、今季半ばに監督が交代しチーム刷新を図っていますが、クランタン・ユナイテッドはブラジル出身のアイルトン・シルヴァ監督が就任以来の5試合で1分4敗、一方のクチンシティはシンガポール出身のアイディル・シャリン監督が就任以来の3試合で1分2敗といずれもまだ勝利を挙げられていません。
 そんな両チームの対戦は豪雨のため試合開始が1時間30分ほど遅れ、ピッチには水が溜まるコンディションでの試合となりましたが、この試合で先手を取ったのはクチンシティでした。42分にズラズラン・イブラヒムからのクロスにエースのアブ・カマラが頭で合わせて今季10得点目となる先制ゴールを決め、前半はこのままクチンシティがリードして終了します。
 後半に入るとホームのクランタン・ユナイテッドは重いビッチでボールがなかなか走らない中、積極的に攻め、50分にシャズワン・ザイノンからのパスを受けたイスマヒール・アキナデが同点ゴールを決め、試合は振り出しに戻ります。その7分後にはフィリピン代表のO・J・ポルテリアがゴール前の混戦からのこぼれ球をシュートし、ぬかるんだピッチに足を取られたクチンシティGKシャイフル・ワジジが反応できず、これが逆転ゴールとなって試合をひっくり返します。
 その後も相拮抗する両チームの試合でしたが、1点のリードを最後まで守り切ったクランタン・ユナイテッドが逃げ切り、連敗を7で止めています。試合が終わったのは日付が変わった9月5日でしたが、アイルトン・シルヴァ監督にとっては嬉しい初勝利となりました。一方のクチンシティは開幕戦での勝利以来、19試合勝星なしとなりました。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第21節終了)

順位チーム勝点
1JDT2120108277561
2SEL22161560213949
3KDA21142542251744
4SAB22133650331742
5SRP20124435211440
6TRE21105639231635
7KLC218763834431
8PDRM198382123-227
9NSE214982641-1521
10PEN2154122538-1319
11PRK2144131647-3116
12KLU2125142254-3211
13KEL2122172487-638
14KCH2014151541-267
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第21節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)枠内/シュートアシスト
1エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)2137/58422
2フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)1730/61716
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)1531/81417
4クパー・シャーマン(SRP)1121/38620
5イヴァン・マムート(TRE)1027/56117
ファイサル・ハリム(SEL)1025/37719
アブ・カマラ(KCH)1016/41118
8ウィリアン・リラ(KDA)811/36214
ステファノ・ブルンド(SRP)817/36019
ロメル・モラレス(KLC)817/31217
パウロ・ジョズエ(KLC)825/46419
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

9月4日のニュース
AFC U23アジアカップ予選出場のマレーシアU23代表メンバー決定
MFL導入のVARは移動式VOR採用で試合ごとにスタジアム外に設置
インドネシア1部リーグ第11節-代表候補エルドストールはデワ・ユナイテッドで先発、ホダック監督のプルシブ・バンドンは引き分け

先週末は代表合宿やU23代表合宿が行われており、スーパーリーグは試合がない静かな週末でした。リーグの試合がないチームの中にはスランゴールFCやPDRM FCのように隣国インドネシアに対戦機会を求めて遠征するチームもあります。インドネシア1部リガ1 は既に開幕していますが、2部リガ2は今月10日開幕のため相手チームにとってもプレシーズン最後の調整として良い機会なのかもしれません。

現在スーパーリーグ2位のスランゴールFCはスマトラ島北端のアチェ州バンダ・アチェでリガ2のプルシラジャ・バンダ・アチェと対戦しています。元スランゴールでクダでもプレーしたアンディク・ベルマンサや、日本人の鷹取新選手が所属するプルシラジャを相手に18歳のアブドル・ラーマン・ダウドやファイサル・ハリムのゴールなどで3-0で勝利しています。またリーグ8位のPDRM FCもバンダ・アチェに遠征してプルシラジャと対戦していますが、こちらは前半は鷹取選手のヘディングシュートで0-1とリードされ、後半にも3失点して0-4で敗れています。

AFC U23アジアカップ予選出場のマレーシアU23代表メンバー決定

マレーシアサッカー協会は、明後日9月6日にタイのチョンブーで開幕するAFC U23アジアカップ予選に出場するU23代表最終メンバー23名を公式サイトで発表しています。なおU23代表は、本日9月4日にタイへ出発します。

8月30日から始まっていたU23代表候補合宿に参加していた25名からは、いずれもクダ・ダルル・アマンFCのDF、ハリズ・マンソル、とアズリン・アフィクが外れています。

今回の予選でH組に入っているマレーシアは、9月6日にはバングラデシュ、9月9日にはフィリピン、そして9月12日には先月の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の3位決定戦で対戦し敗れたタイと対戦します。なお試合は全てチョンブリースタジアムで開催されます。

P氏名年齢所属
GK*ラーディアズリ・ラハリム22TRE
*アジム・アル=アミン22KLC
シーク・イズハン21NSE
DFハリス・ハイカル21SEL
ジクリ・カリリ21SEL
*V・ルヴェンティラン22SEL
*ウマル・ハキーム21JDT II
*ウバイドラー・シャムスル20TRE
アザム・アズミ22TRE
サフワン・マズラン21TRE
*M・ラケシュ22KEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
*シャヒル・バシャー22SEL
*ナジムディン・アクマル20JDT II
*ファーガス・ティアニー20JDT II
T・サラヴァナン22KLC
*サイフル・ジャマルディン22SRP
ノーア・レイン21SJK
FW*アリフ・イズワン・ユスラン19SEL
ハキミ・アジム20KLC
*アイマン・アフィフ22KDA
*アリフ・イクマルリザル・アヌアル21PEN
ルクマン・ハキム21UMF
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、 UMF-UMFニャルズビークFC(アイスランド2部)、SJK-セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(フィンランド1部)
MFL導入のVARは移動式VOR採用で試合ごとにスタジアム外に設置

スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは来季からビデオ・アシスタント・レフリーVARの導入を検討していますが、VARが試合をモニタリングする部屋であるビデオ・オペレーション・ルームVORについて、これを車両掲載の移動式として試合ごとにスタジアム外に設置するようだと、英字紙スターが報じています。VORとは、VAR、VARをサポートするアシスタント・ビデオ・アシスタント・レフリーAVAR、VARの要求に応じて最適な映像をスロー再生やコマ送り再生をしてるジャッジのサポートをするリプレー・オペレーターROが複数のモニターの映像をチェックする部屋のことです。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、スーパーリーグの試合会場がマレーシア国内各地にあることから、中央集中式ではなく移動式がより実践的であると話しています。「スタジアム内にVORを設置する場合、例えばスタジアムが満員になれば、スタジアム内でのインターネット接続速度に遅れが出るなど問題が起こることが考えられることから、車両に掲載した移動式を採用し、試合ごとにスタジアム外にVORを設置することを決定した。」と説明したスチュアートCEOは、初年度は機材導入などにより870万リンギ(およそ2億7,000万円)、その後は毎年300万リンギ(およそ9,400万円)となるVARの費用はMFLが全て負担することも明らかにしています。

インドネシア1部リーグ第11節-代表候補エルドストールはデワ・ユナイテッドで先発、ホダック監督のプルシブ・バンドンは引き分け

9月1日から3日にかけてインドネシア1部リーグの第11節が開催され、前節第10節でデワ・ユナイテッド加入後初先発を果たしたマレーシア代表候補のDFのジュニオール・エルドストルは今節も先発しています。またマレーシアスーパーリーグのKLシティFC監督から、7月にプルシブ・バンドン監督に転身したボヤン・ホダック監督は前節まで2勝利から、今節は引き分けています。
 なおインドネシア1部リーグのリガ1は、FIFA国際マッチカレンダーにより中断し、第12節は9月15日より再開します。

インドネシア1部 第11節
2023年9月2日@スタディオン・パトリオット・チャンドラ・バガ(西ジャワ州ブカシ)
プルシジャ・ジャカルタ 1-1 プルシブ・バンドン
 この日の試合では両チームともにマレーシアスーパーリーグ経験者がゴールを挙げています。前節の勝利で今季初の2連勝となったプルジブは、松村亮選手が所属するプルシジャと対戦しました。プルシジャは、2017年にヌグリスンビランやマラッカでプレーしたマルコ・シミッチが14分に先制ゴールを決めてリードしましたが、プルシブも2021年にトレンガヌでプレーしたダビ・ダ・シルヴァが85分に同点ゴールを決めて追いつき、そのまま引き分けに終わっています。

この試合のハイライト映像。プルシブ・バンドンの公式YouTubeチャンネルより

インドネシア1部 第11節
2023年9月3日@スタディオン・ウィバワ・ムクティ(西ジャワ州ブカシ)
プルシカボ1973 1-1 デワ・ユナイテッド
 マレーシア代表候補DFジュニオール・エルドストールが所属するデワ・ユナイテッドは、山崎海秀選手が所属するプルシカボ1973と対戦し、アフマド・ヌフィアンダニのロスタイムのゴールで引き分けています。なおエルドストール選手は2試合連続で先発し、83分に交代しています。

この試合のハイライト映像。LIB TVのYouTubeチャンネルより

2023/24 インドネシア1部 リガ1順位表(第10節終了)

順位チーム勝点
1マドゥーラU117222113823
2バリト・プトラ1162320101020
3ボルネオFC115421712519
9デワU114431413116
11プルシブB113621717015
順位は上位3チームとデワ・ユナイテッド、プルジブ・バンドンのみ
チーム名:マドゥーラU-マドゥーラ・ユナイテッド、プトラS-プトラ・サマリンダ
デワU-デワ・ユナイテッド、プルシブB-プルシブ・バンドン

9月2日のニュース
インドネシア1部リーグ第10節-代表候補エルドストールはデワ・ユナイテッドで初先発しフル出場、ホダック監督のプルシブ・バンドンが今季初の連勝
MFL-マレーシアカップ決勝でのVARは試験運用の費用が巨額のため断念か
MFL-スーパーリーグへのVAR導入の初期費用は3億円超

インドネシア1部リーグ第10節-代表候補エルドストールはデワ・ユナイテッドで初先発しフル出場、ホダック監督のプルシブ・バンドンが今季初の連勝

8月25日から28日にかけてインドネシア1部リーグの第10節が開催され、前節第9節でデワ・ユナイテッド加入後初出場を果たしたマレーシア代表候補のDFのジュニオール・エルドストルは初先発を果たしています。

インドネシア1部 第10節
2023年8月25日@インドミルクアリーナ(バンテン州タンゲラン県)
デワ・ユナイテッド 2-0 プルシジャ・ジャカルタ
 松村亮選手が所属する9位のプルシジャ・ジャカルタをホームに迎えた11位のデワ・ユナイテッドはディミトリス・コロヴォスのゴールで先制すると、セプティアン・バガスカラがロスタイムに今季初ゴールを決め、7月21日の第4節以来6試合ぶりに勝利し、順位を9位に上げています。
 マレーシア代表候補DFジュニオール・エルドストールは、前節は88分に交代出場で出場時間わずか2分でしたが、今節ではデワ・ユナイテッド加入後初めて先発し、センターバックとして試合終了までフル出場しています。

この試合のハイライト映像。デワ・ユナイテッドの公式YouTubeチャンネルより

またマレーシアスーパーリーグのKLシティFC監督から、7月にプルシブ・バンドン監督に転身したボヤン・ホダック監督は前節に続き勝利し、今季初の2連勝しています。

インドネシア1部 第10節
2023年8月26日@ゲロラ・バンドン・ラウタン・アピスタジアム(西ジャワ州バンドン)
プルシブ・バンドン 2-0 ランス・ヌサンタラ
 前節第9節PSISスマラン戦で就任後初勝利を挙げたホダック監督ですが、この試合では前節に続きフィリピン代表で浦和レッズユース出身のDF佐藤大介選手も先発し、またインドネシア代表マーク・クロックの2試合連続ゴールなどで勝利し、チームも今季初の2連勝を記録、順位を14位から11位と上げています。相手を無得点に抑えています。

この試合のハイライト映像。プルシブ・バンドンの公式YouTubeチャンネルより

2023/24 インドネシア1部 リガ1順位表(第10節終了)

順位チーム勝点
1マドゥーラU117222113823
2ボルネオFC105411610619
3プトラS105231614217
9デワU104331312115
11プルシブB103521616014
順位は上位3チームとデワ・ユナイテッド、プルジブ・バンドンのみ
チーム名:マドゥーラU-マドゥーラ・ユナイテッド、プトラS-プトラ・サマリンダ
デワU-デワ・ユナイテッド、プルシブB-プルシブ・バンドン
MFL-マレーシアカップ決勝でのVARは試験運用の費用が巨額のため断念か

昨日のこのブログでは、今年12月に行われるマレーシアカップ決勝で試験運用される予定になっていたビデオアシスタントレフリーVARについて、主催者のマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが運用について慎重な発言をしたことから、VARが試験運用されない可能性が出てきたと書きましたが、さらに可能性が低くなりそうな発言が再びスチュアートCEOから出されています。

スチュアートCEOは、VAR機材のレンタルに加え、VARを運用する際にはライセンスを取得した審判員を国外から招聘する必要があると説明し、今年のマレーシアカップ決勝にVARを試験運用する費用が膨大なものになると話しています。その上で、今年12月に行われるVARライセンス取得コースにマレーシア人審判数名が参加し、そこでVAR担当審判員ライセンス取得後にマレーシアスーパーリーグでまずVARを採用するという方法がMFLが計画している内容であると説明しています。

「今年12月のマレーシアカップでVARを試験運用するには費用と資源が限られており難しい。マレーシア国内でのVARを最後に使用したのKLシティFCがアル・シーブ(オマーン)と対戦した2022年AFCカップ決勝(於ブキ・ジャリル国立競技場)においてであり、この試合を主催したAFCは10数万米ドルを注ぎ込んで必要な機材を借り、それを設置してVARを導入した。」と述べたスチュアートCEOは、巨額の費用がかかるVARの運用を早急に行うべきではないという立場を明確にした格好です。

スーパーリーグやマレーシアカップに審判を派遣するマレーシアサッカー協会FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長もスチュアートCEOの記者会見に同席し、VAR導入に向けて20名のビデオアシスタントレフリーVAR候補者、20名のアシスタントビデオアシスタントレフリーAVAR候補者、そして14名のリプレイオペレターRO候補者がライセンス取得のための訓練に参加していること、また現在は3段階ある内の第2段階にあたる訓練を受けてこと、そして残る第3段階は今年の11月から12月にかけて行われることを説明しています。

MFL-スーパーリーグへのVAR導入の初期費用は3億円超

マレーシアカップ決勝でのVAR試験運用の話題とは別に、マレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、VARのマレーシアスーパーリーグ導入の初期費用はおよそ9700万マレーシアリンギ(およそ3億円)であることを明らかにしています。

「VAR導入初年度は、1つのスタジアムあたり6台のカメラを設置するなど初期設備投資が必要であることからおよそ9700万マレーシアリンギの費用がかかるが、その翌年からの費用は年間およそ3200万マレーシアリンギ(およそ1億円)となるだろうと説明しています。

またスチュアートCEOは、MFLが主催する試合は年間240試合程度あり、VARの導入が決まればこの240試合全てにVARを導入すること、そしてその費用は全額、MFLが負担することなども述べています。


9月1日のニュース
マレーシアカップ決勝での国内初VAR導入に暗雲
U23アジアカップ予選-国外組2選手は最終メンバー入り当確

マレーシアカップ決勝での国内初VAR導入に暗雲

たびたび起こる「疑惑の判定」で批判を受けることが少なくないマレーシアスーパーリーグの審判に対して、選手や監督、コーチはもちろん、サポーターからもビデオアシスタントレフリーVARの導入を求める声が上がっている中、スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは今年12月のマレーシアカップ決勝でVARを試験運用する予定を発表していましたが、マレーシア語紙ブリタハリアンによると、この試験運用予定が行われない可能性があるようです。

これを報じる記事によると、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはVARの試験運用については十分な準備が整わない前に行うことはないとしており、VAR担当審判の訓練を含めたすべての調整が終わってからの運用になるだろうと話しています。VAR導入に必要な設備の調達や、審判の訓練は既に始まっていると説明したスチュアートCEOは、現在はFIFAから派遣された担当者と協議しながら、VAR導入に関する問題点や試合会場でのインターネット回線の安定性の確保などあらゆる面で準備ができた段階で、MFLとして試験運用の日程を発表したいとしています。

これまでにマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、今年12月のマレーシアカップ決勝で国内初となるVARが導入されると発表しており、MFLのスチュアートCEOの今回の発言で、この12月の試験運用が不透明となっています。

U23アジアカップ予選-国外組2選手は最終メンバー入り当確

今月9月6日からタイのチョンブリーで開催されるAFC U23アジアカップ予選に向けて、マレーシアU23代表候補25名が発表され、現在は国内で合宿を行なっています。この25名はタイ入りする9月4日までに出場登録可能な23名に絞り込まれることになっており、合宿参加者から2名が外れますが、国外でプレーする2名の選手は既に23名の代表入りが当確していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

国外組の2名とはアイスランド2部のUMFニャルズビークFCでプレーするルクマン・ハキムとフィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホでプレーするノーア・レインの両選手ですが、マレーシアU23代表のE・エラヴァラサン監督は、この両選手は現在行われている国内でのU23代表候補合宿には参加せず、タイのチョンブリーで直接、チームに合流すると発表しています。このことから、この両選手は既に最終メンバー入りが決定しているということのようです。

今回のAFC U23アジアカップ予選でマレーシアはH組に入り、初戦は9月6日のバングラデシュ戦で、以下フィリピン(9月9日)、開催国タイ(9月12日)と対戦します。そしてこの予選を突破するためにはこの組で1位となるか、あるいは2位でも全11組中の成績上位4チームとなる必要があります。なお、マレーシアは前回2022年大会では予選を突破して本大会に出場しましたが、韓国、ベトナム、タイと同組になったグループステージでは、韓国相手に1ゴールを挙げたものの3試合で0勝3敗1得点9失点で敗退しています。

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なお国外組の両選手ですが、トランスファーマルクトによるとFWルクマン・ハキムは今季のアイスランド2部リーグではここまで、チーム19試合中9試合(先発2試合)に出場し、出場時間は合計171分で1ゴールを挙げています。またMFノーア・レインは今季のフィンランドリーグ1部でここまで、チーム24試合中18試合(先発8試合)に出場し、出場時間は729分でゴールなしとなっています。

8月31日のニュース
AFC U23アジアカップ予選出場のU23代表候補25名が発表
女子代表がサウジアラビアの国際大会に出場
リーグ戦不振のペナンはマネージャーとTDを解雇、後任は2季連続国内三冠の実績を持つ元クダ監督
ハノイ公安FCのベトナム1部優勝にマレーシア人コーチが貢献

マレーシアでは、本日8月31日はムルデカデーと呼ばれる独立記念日で国民の祝日です。ムルデカ大会でも使われているこの「ムルデカ」はマレーシア語で独立という意味ですが、この8月31日を「マレーシアの独立記念日」と呼ぶには語弊があります。1957年8月31日に英国から独立したのはマラヤ連邦と呼ばれた現在のマレー半島部だけで、ボルネオ島側のサラワクやサバ(独立前の名称は東ボルネオ)の独立は、1963年9月16日にマラヤ連邦とサラワク、東ボルネオ、そしてシンガポールが合併するマレーシアの成立まで待たなければなりませんでした。さらにマレー系住民が多いマレー半島部と、中華系住民が多いシンガポールとの間で民族的、政治的な対立が起こり、死者30名超、逮捕者1000名以上の暴動が起こった結果、1965年にシンガポールが分離されると、現在のマレーシアが出来上がることになります。

AFC U23アジアカップ予選出場のU23代表候補25名が発表

先日の東南アジアサッカー連盟AFF選手権では3位決定戦でタイU23代表にPK戦で敗れてまたしても東南アジア4位に終わったマレーシアU23代表ですが、休む間もなく来月9月6日から12日までタイのチョンブリーで開催されるAFC U23アジアカップ予選が控えています。マレーシアサッカー協会FAMは、この予選に出場するU23代表候補合宿参加メンバー25名を公式サイトで発表しています。なおU23代表候補合宿は昨日8月30日から始まっており、9月4日のタイ出発前までに23名に絞り込まれます。

U23代表は、A代表コーチを兼ねるE・エラヴァラサン監督の下、今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズ、そしてAFF U23選手権といずれも東南アジア各国のU23代表相手に4位に終わり、2大会連続でベトナム、タイ、インドネシアに遅れをとっていることから、今回の予選は選手たちはもちろん、監督以下首脳陣にも結果が求められる予選となります。実際にエラヴァラサン監督交代論はメディアやSNSでも目につき始めており、元ベトナム代表監督のパク・ハンソ氏を筆頭に外国籍監督待望論なども上がっています。

今回の合宿参加者25名ですが、エラヴァラサン監督はAFF U23選手権出場のU23代表23名中、14名を再び招集し、残る11名は東南アジア競技大会出場メンバーから9名、そして国外組2名を招集しています。今回の顔ぶれを見ると、AFF U23選手権には出場しなかったものの、スーパーリーグの各チームで主力選手としてプレーする面々が含まれており、今季21試合中19試合に先発しているGKシーク・イズハン(ヌグリスンビラン)を筆頭に、ムカイリ・アジマル、ジクリ・カリリ(以上スランゴール)、アザム・アズミ、サフワン・マズラン(以上トレンガヌ)、T・サラヴァナン、ハキミ・アジム(いずれもKLシティ)らの加入で、少なくともAFF U23選手権出場のチームよりは戦力がアップしています。しかし、その一方でこの予選はFIFA国際マッチカレンダーにも関わらず、U23代表でプレー資格があるダリル・シャム、ラマダン・サイフラー、アイサル・ハディといったジョホールのトップチームの選手はなぜか招集されていません。

今回の予選でH組に入ったマレーシアは、AFF U23選手権の3位決定戦で対戦したタイ、さらにはフィリピン、バングラデシュと同組で、9月6日にはバングラデシュ、9月9日にはフィリピン、そして9月12日の最終戦がタイとの対戦となっています。なお試合は全てチョンブリースタジアムで開催されます。

P氏名年齢所属
GK*ラーディアズリ・ラハリム22TRE
*アジム・アル=アミン22KLC
シーク・イズハン21NSE
DFハリス・ハイカル21SEL
ジクリ・カリリ21SEL
*V・ルヴェンティラン22SEL
*ウマル・ハキーム21JDT II
*ウバイドラー・シャムスル20TRE
アザム・アズミ22TRE
サフワン・マズラン21TRE
*ハリズ・マンソル21KDA
アズリン・アフィク22KDA
*M・ラケシュ22KEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
*シャヒル・バシャー22SEL
*ナジムディン・アクマル20JDT II
*ファーガス・ティアニー20JDT II
T・サラヴァナン22KLC
*サイフル・ジャマルディン22SRP
ノーア・レイン21SJK
FW*アリフ・イズワン・ユスラン19SEL
ハキミ・アジム20KLC
*アイマン・アフィフ22KDA
*アリフ・イクマルリザル・アヌアル21PEN
ルクマン・ハキム21UMF
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、 UMF-UMFニャルズビークFC(アイスランド2部)、SJK-セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(フィンランド1部)
女子代表がサウジアラビアの国際大会に出場

マレーシアサッカー協会FAMは、来月9月にサウジアラビアで開催される国際大会に女子代表が出場することを公式サイトで発表しています。サウジアラビアの西部の都市タイフのキング・ファハドスタジアムで9月18日から30日にかけて開催されるこの大会には6カ国が出場します。

ヨルダン出身のソリーン・アル・ズビ監督率いるFIFAランキング89位のマレーシアはグループステージA組に入り、9月18日に170位のサウジアラビアと、9月21日に同157位のパキスタンと対戦します。またB組には同87位ラオス、同138位レバノン、同171位ブータンが入っており、各組の上位2チームが9月27日に予定されている準決勝し、さらにその勝者が9月30日の決勝に進出します。

リーグ戦不振のペナンはマネージャーとTDを解雇、後任は2季連続国内三冠の実績を持つ元クダ監督

マレーシアスーパーリーグ第21節を終えて5勝4分12敗の10位に低迷するペナンは、チーム公式SNSでチームマネージャーのオン・エンフア氏とテクニカルディレクターのカマル・カリド氏との契約解除を発表しています。またこの直後にはその後任に2007年、2008年の2シーズン連続で監督としてクダFA(当時、現在のクダ・ダルル・アマンFC)を国内三冠に導いた70歳のアズライ・コー氏の名前が上がっていることを、スポーツメディアのアストロアリーナのズルヘルミ・ザイナル・アザム記者が報じています。

ペナンFCの公式SNSには、「ペナンFC経営陣は、今季のペナンFCがマレーシアカップでベスト8進出を逃すなど、そのパフォーマンスが精彩を欠いていることを十分承知しており、深く悲しんでいる。また、この状況を改善するために対策を講じる必要も理解している。ペナンFCはオン、カマル両氏に対してこれまでの貢献を感謝したい。」との投稿がされた上で、新たなチームマネージャーは監督を兼任することも発表しています。なお現時点では、チョン・イーファット監督の処遇については何も発表されていません。

ハノイ公安FCのベトナム1部優勝にマレーシア人コーチが貢献

ベトナム1部リーグの2023年シーズンは8月27日に最終節が行われ、ハノイ公安FCは勝点38で並んだハノイFCを得失点差で上回り、1部昇格初年度で優勝を果たしていますが、このハノイ公安FCの優勝にマレーシア人コーチが関わっていると、マレーシアメディアが報じています。

今年1月に元マレーシア代表GKコーチを務めたマレーシア人のアズミン・アズラム・アブドル・アジズがハノイ公安FCのコーチに就任しており、今季優勝については自身のSNSで「まさか今季1部で優勝するとは思ってもいなかった。」と述べたアズミン氏は、ベトナムでの指導に際し、マレーシア人コーチの先駆者としてアドバイスを受けたベトナム1部のナムディンFCでコンディショニングコーチを務めるマシディー・スライマン氏に感謝したいと述べています。なおマンディ氏は2019年にナムディンFCでコーチを務め、その後はマレーシアに戻ってKLシティFCでコーチを務めていましたが、やはり今季から再びナムディンFCのコーチに就任しています。

アズミン氏はマレーシアサッカー協会FAM所属のコーチとして5年間務め、その間には現在はスランゴールFC監督のタン・チェンホー氏が代表監督だった際には代表チームGKコーチを務め、ファリザル・マーリアス(ジョホール)、カイルルアズハン・カリド(スランゴール)、カイルル・ファーミ(サバ)、ハフィズル・ハキム(ハリニ・スランゴールFC)などを指導していました。

2023マレーシアスーパーリーグ
第21節結果とハイライト映像-ジョホールは開幕からの連勝が20でストップ、優勝決定も持ち越しに

8月25日から27日にかけてマレーシアスーパーリーグ第21節の7試合が行われています。今節を終えると、明日8月29日から代表候補合宿が始まり、その後はFIFA国際マッチカレンダーで9月4日から12日まで中国での代表戦2試合が予定されています。さらにマレーシアカップ準々決勝のファーストレグが9月15日から17日、セカンドレグが9月23日から25日まで予定されているため、次節第22節は9月29日から10月1日までとなっています。
 ただし、ACLに出場するジョホール・ダルル・タジムは9月19日にホームで川崎フロンターレ戦が、また10月3日にはアウェイのBGパトゥム・ユナイテッド戦が組まれており、またAFCカップに出場するトレンガヌとサバもそれぞれ9月20日にいずれもホームでセントラル・マリナーズ戦とホウガン・ユナイテッド戦が組まれているため、この日程も変更がありそうです。
 (試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年8月25日@スルタン・ムハンマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,002人
クランタン 2-11 スランゴール
⚽️クランタン:ナサニエル・シリンゴ・リンゴ(7分PK)、ファズルル・アミル(14分)
⚽️スランゴール:ヨハンドリ・オロスコ(28分)、シャルル・ナジーム(34分)、エイロン・デル・ヴァイエ4(41分、44分、63分、87分)、リッチモンド・ボアキエ3(48分、78分、86分)、ファイサル・ハリム2(50分、53分)
🟨クランタン:なし
🟨スランゴール:アレクサンダー・アギャルカワ
MOM:エイロン・デル・ヴァイエ(スランゴール)

 2位スランゴールがエイロン・デル・ヴァイエとリッチモンド・ボアキエ両選手のハットトリックなどで大量11点を挙げて13位クランタンに圧勝しています。
 スランゴールDFの度重なるミスのおかげで3試合ぶりのゴールで先制したホームのクランタンでしたが、8月14日の第20節トレンガヌ戦の8失点、8月19日のマレーシアカップ1回戦ジョホール戦での10失点と今季の最多失点記録を塗り替えてきたチームは新たに11失点と記録を更新し、直近の3試合でも29失点となっています。
 一方のスランゴールは、つまらないミスから失点する点は相変わらずですが、3位のクダが勝点差3に迫る中、得失差で大きく差を広げる大勝で、2位をキープしています。また明日8月29日から始まる代表候補合宿に招集されたファイサル・ハリムが2ゴール、シャルル・ナジームが1ゴール、ブレンダン・ガンが5アシストと合宿合流前に弾みをつけています。

2023年8月26日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:248人
クチンシティ 0-2 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:シャールル・ニザム(44分)、エンク・シャキル(55分)
🟨クチンシティ:アリフ・ハサン、ミハイロ・ヨヴァノヴィッチ
🟨トレンガヌ:なし
MOM:ソニー・ノルデ(トレンガヌ)

 前節ではクランタン相手に8-0と圧勝した6位トレンガヌが、この試合も攻めてはエンク・シャキルの2試合連続ゴールなどで2点を挙げ、守っては無失点で3連勝を飾っています。一方、最下位14位のクチンシティはチーム得点王のアブ・カマラがベンチ外で、前節のクダ戦に続き、接戦をものにできず2試合連続無得点で敗れています。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。

2023年8月26日@リカスタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:7,094人
サバ 3-1 ヌグリスンビラン
⚽️サバ:ラモン・マチャド2(13分、29分)、ミゲル・シフエンテス(45+1分)
⚽️ヌグリスンビラン:ハイン・テット・アウン(90分)
🟨サバ:ガブリエル・ペレス、スチュアート・ウィルキン、ゲイリー・スティーヴン・ロバト
🟨ヌグリスンビラン:なし
MOM:ラモン・マチャド(サバ)

 いずれも今季途中加入のラモン・マチャド、ミゲル・シフエンテスのゴールでサバが快勝し、リーグ4位を保持しています。
 加入後6試合で4ゴールのラモン・マチャドがこの試合では2ゴールを挙げ、同じスーパーリーグのクランタンから加入し2試合目の先発となったミゲル・シフエンテスは加入後初ゴールを決めて、サバはリーグ戦2連勝となりました。
 一方のヌグリスンビランは、この試合も含めた直近3試合で1ゴールと相変わらずの得点力不足で3連敗。攻守の要、エラルド・グロンを欠き、この試合で先発した外国籍選手は東南アジア枠でスランゴールから期限移籍中のハイン・テット・アウンだけと、リーグ上位のチーム相手に対しては明らかに分が悪過ぎました。

2023年8月26日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:11,800人
クダ・ダルル・アマン 3-3 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️クダ:イフェダヨ・オルセグン(36分)、マヌエル・オット(50分)、アミールベク・ジュラバエフ(90+3分)
⚽️ジョホール:ラヴェル・コービン=オング(53分)、ヘベルチ・フェルナンデス(56分)、アリフ・アイマン(74分)
🟨クダ:アズリン・アフィク、イフェダヨ・オルセグン、カマル・アクマル
🟨ジョホール:フェロズ・バハルディン
MOM:マヌエル・イダルゴ(クダ・ダルル・アマン)

 首位ジョホールが3位クダを相手に今季初の引き分けで、開幕からの連勝が20でストップしています。
 ジョホールはこの試合で勝利すれば勝ち点63となり、既に22試合を終えている勝点49の2位スランゴールが残り4試合を全勝しても勝点で上回ることができず、優勝決定となるところでしたが、ホームのクダが試合開始からジョホールを圧倒します。ここまで20試合でわずか4失点のジョホールは、この試合では途中まで今季初めてとなる0-2とリードを許す「らしくない」展開でしたが、53分にラヴェル・コービン=オングのゴールで1点を返すと、その3分後にはザスパ草津(当時)やセレッソ大阪、ベガルタ仙台などでもプレーしたヘベルチ・フェルナンデスのゴールですぐさま追いつきます。さらに74分にはアリフ・アイマンがクダDF3名をかわして逆転ゴールを決め、ジョホールがリードしますが、ロスタイムにクダが、この試合での3得点全てにアシストがついてマヌエル・イダルゴのクロスをタジキスタン代表のアミールベク・ジュラバエフが押し込み、これが同点ゴールとなったクダが土壇場で引き分けに持ち込んでいます。
 マレーシアカップではペラに敗れてまさかの1回戦敗退となったクダですが、この試合はおそらく今季のスーパーリーグのベストマッチとも思える白熱した試合でした。またこの試合で勝点1を積み上げたジョホールは次節第22節で引き分け以上で、リーグ10連覇が決まります。
 デビュー戦で2ゴールを挙げた邦本宜裕選手はこの試合でも先発し、前半終了とともに交代しています。

2023年8月27日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:160人
PDRM 3-0 ペナン
⚽️PDRM:ウスマン・ファネ(36分OG)、ジェイムズ・オクウォサ(75分)、鈴木ブルーノ(90+3分)
🟨PDRM:ジェイムズ・オクウォサ、アリフ・ナジミ、ファディ・アワド
🟨ペナン:ハジック・プアド、ゾー・ミン・トゥン
MOM:ソーニー・サアド(ペナン)

 第19節と第20節の試合がいずれも延期になり(マレーシア国内の6州で行われた州議会選挙が理由?)、この試合が最後のリーグ戦からはほぼ1ヶ月ぶりとなったPDRMは、36分に相手ゴール前の混戦からオウンゴールで先制すると、後半にはジェイムズ・オクウォサの今季2得点目となるゴールでリードを広げます。さらに途中出場の鈴木ブルーノがチームトップの5ゴール目となるシュートを決めてこの試合を解消し、7位のKLシティまで勝点差4まで迫っています。
 一方のペナンはこの日の敗戦で5連敗となり、9位のヌグリスンビランとは勝点差3、消化試合数が2試合少ない8位のPDRMとは勝点差8となっています。またこの日の敗戦で5勝4分12敗となったペナンは、この試合の翌日となる今日8月28日にテクニカルディレクターのカマル・カリド氏とチームマネージャーのオン・エンフア氏の解任を発表しています。
 鈴木ブルーノ選手は73分に交代出場し、6月3日以来となるゴールを決め、試合終了まで出場しています。

2023年8月27日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:6,998人
ペラ 0-4 KLシティ
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(30分)、セバスチャン・アヴァンジニ(47分)、パウロ・ジョズエ(56分)、ショーン・ジャネッリ(88分)
🟨ペラ:なし
🟨KLシティ:カマル・アジジ
MOM:パウロ・ジョズエ(KLシティ)

 相手のミスからボールを奪ったチェチェ・キプレのゴールで先制したKLシティは前半を1-0とリードして折り返します。後半に入ると、この試合が2試合ぶりの先発となったパウロ・ジョズエのコーナーキックにセバスチャン・アヴァンジニが頭で合わせてゴールを決め、リードを広げます。チームでただ一人だけ代表候補合宿に招集されているジョズエ選手は、さらに自身のヘディングシュートで3点目を挙げて1ゴール1アシストと活躍し、KLシティを勝利へ導いています。
 マレーシアカップ1回戦ではリーグ3位のクダを退けてベスト8へ進んだペラですが、リーグ戦では前節ジョホール戦での5失点に続き、この試合も4失点、さらに2試合連続無得点と良いところなく敗れています。

2023年8月27日@スルタン・ムハンマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:168人
クランタン・ユナイテッド 1-5 スリ・パハン
⚽️クランタン:ロイイザット・ダウド(77分)
⚽️スリ・パハン:アズリフ・ナスルルハク(10分)エゼキセル・アグエロ2(23分、27分)、クパー・シャーマン(66分)、デヴィッド・ローリー(90+2分)
🟨クランタン:ラティフ・スハイミ
🟨スリ・パハン:アズリフ・ナスルルハク、ケヴィン・イングレッソ、ファドリ・シャス
MOM:エゼキエル・アグエロ(スリ・パハン)

 ナズリフ・ナスルルハクがペナルティエリアの外から放った豪快なミドルシュートが決まって先制したスリ・パハンは、チームから唯一、明日からの代表候補合宿に参加するエゼキエル・アグエロがいずれもゴールキーパーの位置を見極めた上で技ありの2ゴールを決め、27分で早くも3-0とリードします。
 前半の3得点全てに絡んだエースのクパー・シャーマンが後半の77分にダメ押しとなるヘディングシュートを決めるなど、後半2点を追加したスリ・パハンがチーム得点王のシャーマン選手の活躍で快勝し、2位争いに残っています。
 一方のクランタン・ユナイテッドは前節のトレンガヌ戦での4失点に続き、この試合も5失点で、今季20試合を終えて53失点と(20得点)のなり、今季2勝目はまだ遠そうです。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第21節終了)

順位チーム勝点
1JDT2120108277561
2SEL22161560213949
3KDA21142542251744
4SAB22133650331742
5SRP20124435211440
6TRE21105639231635
7KLC218763834431
8PDRM198382123-227
9NSE214982641-1521
10PEN2154122538-1319
11PRK2144131647-3116
12KLU2015142053-338
13KEL2122172487-638
14KCH1914141439-257
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第21節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)枠内/シュートアシスト
1エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)2137/58422
2フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)1730/61716
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)1531/81417
4クパー・シャーマン(SRP)1121/38620
5イヴァン・マムート(TRE)1027/56117
ファイサル・ハリム(SEL)1025/37719
7アブ・カマラ(KCH)915/37117
8ウィリアン・リラ(KDA)811/36214
ステファノ・ブルンド(SRP)817/36019
ロメル・モラレス(KLC)817/31217
パウロ・ジョズエ(KLC)825/46419
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ
第20節結果とハイライト映像(3)

今節第22節の残り試合の1つ、ペナンFC対クダ・ダルル・アマンFCが8月22日開催されています。
 (試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年8月22日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:2,924人
ペナン 1-2 クダ・ダルル・アマン
⚽️ペナン:ソニー・サアド(32分)
⚽️クダ:ファズルル・ダネル(7分)、モーゼス・アテデェ(90+3分)
🟨ペナン:アブドル・アブディーン・テミトープ、ゾー・ミン・トゥン、アディブ・ラオプ、コギレスワラン・ラジ
🟨クダ:マヌエル・イダルゴ、アリフ・ファルハン
🟥ヌグリスンビラン:アディブ・ラオプ(🟨x2)
MOM:ファズルル・ダネル(クダ・ダルル・アマン)

 土壇場の逆転ゴールでクダが5連勝、一方のペナンは4連敗。
 3位のクダと10位のペナンの試合は、4連勝で順位を上げてきたクダが、3月1日のトレンガヌ戦以来今季2点目となるファズルル・ダネルのゴールで先制しますが、ホームのペナンも32分にファリス・シャーのFKから、ゴール前でクダDFのマークが外れたソニー・サアドが同点ゴールを決めて同点に追いつきます。
 後半に入ると両チームとも得点が奪えず、このまま引き分けかと思われたロスタイムにコーナーキックを得たクダが、ゴール前の混戦から最後はモーゼス・アテデェが押し込んで決勝ゴールを決めています。今季途中加入のアテデェ選手は出場6試合目で初ゴールでしたが、クダの1点目もこのアテデェ選手のシュートからのこぼれ球をファズルル選手が決めたものでした。
 この勝利でクダは、2位のスランゴールまで勝点差3と迫っています。なおスランゴールはクダよりも1試合多く消化しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第21節終了)

順位チーム勝点
1JDT2020007947560
2SEL21151549193046
3KDA20141539221743
4SAB21123647321539
5SRP19114430201037
6TRE2095637231432
7KLC207763434030
8PDRM187381823-524
9NSE204972538-1321
10PEN2054112431-819
11PRK2044121643-2713
12KLU1915131948-298
13KEL2022162276-548
14KCH1814131437-236
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第21節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)176130716
エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)175032421
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)157329316
4クパー・シャーマン(SRP)103620319
イヴァン・マムート(TRE)105325116
6アブ・カマラ(KCH)93715117
7ウィリアン・リラ(KDA)83611214
ファイサル・ハリム(SEL)83424718
ステファノ・ブルンド(SRP)83617018
ロメル・モラレス(KLC)83117217
11パウロ・ジョズエ(KLC)74323318
ジオゴ(JDT)7181029
フアン・ムニス(JDT)73618418
パク・テス(SAB)72210020
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

8月27日のニュース
東南アジアU23選手権-マレーシアはPK戦でタイに敗れて4位、インドネシアとのPK戦を制したベトナムが大会2連覇達成

タイのラヨーンで開催されていた東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権では、マレーシアは3位決定戦でタイに敗れて4位に終わっています。準優勝したインドネシアにはグループステージで勝利したものの、ベトナム、タイの東南アジア2強相手には今大会でも勝利することができませんでした。特にタイとは来月9月にタイのチョンブリーで開催されるAFC U23アジアカップ2024の予選で同組のH組となっており、再び相見えるえることになります。パリオリンピック予選を兼ねるAFC U23アジアカップ出場のU23代表はおそらく数日中に発表になると思いますが、今回4位に終わったチームに、スーパーリーグの各チームで主力を張る選手たちから果たして何名が加わるのかが、マレーシアサッカー協会の本気度と交渉力を示すことになりそうです。

東南アジアU23選手権-マレーシアはPK戦でタイに敗れて4位

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の3位決定戦が行われ、フルタイムは0-0で終わった試合はPK戦の末、マレーシアU23代表はタイU23代表に3-4で敗れて4位に終わっています。今回の4位という成績は、2019年、2022年と過去2大会はグループステージを突破できなかったマレーシアU23代表にとっては2005年の第1回大会でミャンマーにやはりPK戦で敗れて4位となって以来の最高成績です。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督は、準決勝ベトナムU23代表戦で先発した11名からウバイドラー・シャムスル・ファジリ(トレンガヌ)、アリフ・イクマルリザル(ペナン)、アリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、ウマル・ハキーム(ジョホールU23)の4名を残して選手を入れ替え、インドネシア戦で2ゴールを挙げて勝利の立役者となったファーガス・ティアニー(ジョホールU23)を今大会初めて先発で起用しています。(下はマレーシアU23の先発XI)

より攻撃的な布陣で臨んだこの試合では、前半はマレーシアは準決勝のベトナム戦と比べると明らかに好機を多く作ったものの得点には至らず、後半はさらに積極的なプレーを見せますが、やはり得点を挙げることはできません。一方のタイも前半終了間際から後半にかけてやはりギアを上げてゴールを狙いますが、マレーシアGKアジム・アル=アミンが何度も好セーブを見せて得点を許さず、試合はPK戦へとも連れ込みます。

PK戦に入ると、先攻のマレーシアは1人目のファーガス・ティアニー、2人目のアリフ・イズワンは共にゴールを決めたものの、3人目のシャヒール・バシャーのシュートはタイGKのThirawooth Sruansonに止められてしまいます。しかしタイも4人目のThakdanai Jaihanがゴール左にはずし、5人目のキッカーを前に3−3と同点になりますが、マレーシアの5人目のキッカー、18歳のモハマド・アブ・カリリの左足から放たれたキックはゴールキーパーの真正面へ飛び、タイGKに難なく止められてしまいます。一方のタイは5人目のChukid Wanpraphaoがゴール左にシュートを決めて決着をつけて3位となり、マレーシアが4位となっています。なお、今大会3ゴールを挙げたマレーシアのアリフ・イクマルリザルがベトナムのディン・スアン・ティエンとともに大会得点王となっています。

AFF U23選手権2023
3位決定戦
2023年8月26日@ラヨーン県立スタジアム
マレーシアU23 0-0 タイU23(PK:3-4)

3位決定戦のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)

東南アジアU23選手権-インドネシアとのPK戦を制したベトナムが大会2連覇達成

一方、3位決定戦に続いて行われた決勝では、準決勝でタイU23代表を3-1で破ったインドネシアU23代表と、同じくマレーシアU23代表を4-1で破ったベトナムU23代表が対戦し、90分間では決着がつかず、30分の延長でも0-0となった試合は、こちらもPK戦にも連れ込み、ベトナムが6-5でインドネシアを破り、前回2022年大会に続き大会2連覇を達成しています。

120分間では0-0だった試合ですが、その内容は非常に見応えのある試合でした。両チームとも試合開始から徐々にペースを上げて迎えた33分にはインドネシアペナルティエリア内でグエン・ミン・クアンが倒されますが、グエン・コック・ヴィエットが蹴ったPKはこの試合ではこの後、何度もスーパーセーブを見せたインドネシアGKエルナンド・アリがコースを読んでパンチングで弾きました。このエルナンド選手、そしてベトナムGKクアン・ヴァン・ツアンの両GKが好セーブを連発したことも120分間で決着がつかなかった要因でした。さらにシュートがゴールポストにも阻まれる場面もあるなど、両チームともゴールが遠い試合でした。

延長に入ると疲れからか、荒いプレーが目立ち始める一方で、両チームともチャンスらしいチャンスは少なく、3位決定戦に続き、この試合もPK戦に突入しました。PK戦では先攻のインドネシア、後攻のベトナムともに最初の5名はゴールを決めて、こちらも延長サドンデスとなりました。インドネシアの6人目のキッカーとして立ったGKのエルナンド選手のシュートはベトナムGKヴァン・ツアン選手が止め、6人目のキッカー、タイ・バ・ダットがゴールを決めたベトナムが、大会連覇を決めています。

AFF U23選手権2023
決勝戦
2023年8月26日@ラヨーン県立スタジアム
ベトナムU23 0-0 インドネシアU23(PK:6-5)

決勝戦のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)

8月26日のニュース
東南アジアU23選手権-マレーシアはまたもベトナムの壁を越えられず準決勝敗退
ACLとAFCカップのグループステージ組み合わせ決定-ジョホールは昨季に続き川崎、蔚山と同組に

東南アジアU23選手権-マレーシアはまたもベトナムの壁を越えられず準決勝敗退

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の準決勝が行われ、マレーシアU23代表はベトナムU23代表に1-4で敗れて、決勝進出を逃し、明日8月26日に行われる3位決定戦に回っています。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督は、初戦のインドネシア戦で先発した11名からGKラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、M・ラケシュ(クランタン)、シャヒール・バシャー(スランゴール)、ウバイドラー・シャムスル・ファジリ(トレンガヌ)、ナジムディン・アクマル(ジョホールU23)、アリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、ハリス・アキフ(クランタン)、ニック・ウマル(ペラ)の8名を起用し、さらに東ティモール戦でゴールを挙げたFWアリフ・イクマルリザル(ペナン)、今大会初先発となるFWハジク・クティ(ペナン)、そしてDFウマル・ハキーム(ジョホールU23)を先発XIに指名しています。(下はマレーシアU23の先発XI)

AFF U23選手権2023
準決勝
2023年8月24日@ラヨーン県立スタジアム
マレーシア 1-4 ベトナム
⚽️マレーシア:アリフ・イクマルリザル(54分PK、62分)
⚽️ベトナム:ディン・ザン・ティエン(8分)、グエン・クオック・ヴィエット(32分)

前回2022年大会ではグループステージでラオスにまさかの2連敗で準決勝にすら進めなかったマレーシアU23代表は、今大会では今年の東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝のインドネシアU23代表を破ってグループステージB組を1位で突破し、初の決勝進出をかけてベトナムU23代表戦に臨みました。

しかし2013年の東南アジア競技大会ミャンマー大会で勝利して以来、ベトナムU23代表には4連敗中のマレーシアU23代表は、開始8分で左サイドを突破され、そこからゴール前でフリーのディン・ザン・ティエンへボールが渡ると、これを難なく押し込まれてマレーシアは先生を許します。さらに32分には自陣ペナルティエリア付近でGKラーディアズリ・らハリムからのパスをアリフ・イズワンが奪われると、そこからグエン・クオック・ヴィエットにゴールを決められ、点差を2点に広げられます。さらに前半終了間際には、再び中盤でボールを奪われると、そこからいとも簡単にゴール前まで運ばれ、最後はディン・ザン・ティエンにこの試合2点目のゴールを簡単に決められてしまいます。

前半を0-3で折り返したマレーシアは、後半にインドネシア戦で2ゴールを挙げたファーガス・ティアニーらを投入し、開始4分でアリフ・イクマルリザルが2試合連続のゴールで2点差まで詰め寄りますが、85分にはGKクアン・ヴァン・ツァンからのキックを受けたブイ・ヴィ・ハオがマレーシアDFに詰められながらも粘ってゴールライン近くからマイナスのクロスを出すと、これをグエン・ホン・フックが押し込んで決定的な4点目を挙げたベトナムがマレーシアに完勝しています。

今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズに続き、東南アジアの大会でベスト4止まりに終わったU23代表ですが、FIFA国際マッチカレンダーではなかったことからスーパーリーグの各チームで主力としてプレーする選手の招集ができなかったと言う声も聞こえてきますが、それは今大会に参加したどのチームも同じで言い訳にはできません。帰化選手のおかげで強化が進むA代表と比べると、若い世代の底上げが進んでいないマレーシアサッカー界の課題が浮き彫りになった大会になりました。

マレーシアはもう一つの準決勝でインドネシアに敗れたタイと、本日8月26日午後5時キックオフ(マレーシア時間)の3位決定戦にまわります。なおこの試合はこちらで視聴可能です。

この試合のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)
ACLとAFCカップのグループステージ組み合わせ決定-ジョホールは昨季に続き川崎、蔚山と同組に

8月24日に2023/24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と、ACLの下部大会に当たるAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選が、クアラルンプールにあるAFCハウスで行われ、マレーシア1部スーパーリーグ9連覇中のジョホール・ダルル・タジムは、グループステージI組に入り、昨季2022年のJリーグ覇者川崎フロンターレ、2012年と2020年と過去2回ACL優勝の蔚山現代、そして2021/22シーズン2位のBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)と同じI組に入っています。

この既視感がある組み合わせ抽選結果は運命のいたずらなのか、ジョホールは昨季のACLグループステージでもI組で川崎フロンターレ、蔚山現代と同組で、川崎とは0-0、0-5で1分1敗、蔚山現代とは2-1、2-1と2勝し、I組の1位でマレーシアのクラブとして初めてACLのノックアウトステージに進出しています。ただし、昨季のグループステージI組はジョホールの本拠地、スルタン・イブラヒムスタジアムでの集中開催でしたが、今季はコロナ禍前と同様のホームアンドアウェイ方式に戻るため、昨季とは全く条件が異なります。

ジョホールのACLグループステージの試合日程は以下の通りです。

日程 対戦相手試合会場
9月19日(火)川崎フロンターレスルタン・イブラヒムスタジアム
10月3日(木)BGパトゥム・ユナイテッドBGスタジアム
10月24日(木)蔚山現代蔚山文殊サッカー競技場
11月7日(火)蔚山現代スルタン・イブラヒムスタジアム
11月28日(火)川崎フロンターレ等々力陸上競技場
12月12日(木)BGパトゥム・ユナイテッドスルタン・イブラヒムスタジアム

またACLグループステージ組分け抽選の前には、2023/24AFCカップのグループステージ組み合わせ抽選が行われています。AFCカップはAFCチャンピオンズリーグに次ぐ大会で、例えばUEFAチャンピオンズリーグに次ぐUEFAヨーロッパリーグのような位置付けです。ただし、AFC西地区でいえば、日本や韓国、中国、東地区で言えばサウジアラビア、アラブ首長国連邦、イランなどAFCランキング上位の国・地域協会には出場権が割り当てられていません。

この日のグループステージ組み合わせ抽選の結果、マレーシアスーパーリーグで昨季2位のトレンガヌはG組に入り、 中村玲央、野村悠太両選手が所属するスタリオン・ラグナ(フィリピン)、バリ・ユナイテッド(インドネシア)、 そして今大会から初めてAFCカップに参戦するオーストラリア勢の1つセントラル・コースト・マリナーズ(オーストラリア)と同組になっています。

また昨季のリーグ3位サバはH組となり、南部健造選手が在籍するPSMマカッサル(インドネシア) 栗山直樹、高山和真両選手が所属するホウガン・ユナイテッド(シンガポール)、そして ハイフォン(ベトナム)と同組となっています。

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なおAFCは今季からACLとAFCカップを秋春制に移行するとともに、来季2024/25年シーズンよりACLとAFCカップを改変、さらに新たな大会を加えた3レベルで開催することを発表しています。

最上位レベルに位置するのは東西それぞれ12チーム、合計24チームが出場するACLエリートで、以下、合計32チームが出場するACL2、そして20クラブが出場するAFCチャレンジリーグとつづきます。このため「AFCカップ」の名称は今大会が最後となります。