5月8日のニュース
東南アジア競技大会-男子はタイに敗れて準決勝進出は絶望、女子はW杯出場のフィリピンに惜敗も2連敗
タイ1部リーグ第29節-ディオン・コールズはベンチ外、サファウィ・ラシド、ジュニオール・エルドストールは途中出場
アイディル・シャリン氏はクランタンのチームの監督に就任か

東南アジア競技大会-男子はタイに敗れて準決勝進出は絶望、女子はW杯出場のフィリピンに惜敗も2連敗

カンボジアで開催中の東南アジア大会通称シーゲームズは、男女のサッカーが行われ、U22代表が争う男子サッカーでグループステージB組に入るマレーシアは、大会最多の16回の優勝を誇るタイと対戦し、0-2で敗れて通算成績を1勝1敗としています。本日5月8日に対戦するベトナム戦で敗れれば、グループステージ敗退が決まります。一方の女子はFIFA女子ワールドカップに出場するフィリピンと対戦し、0-1と惜敗したものの初戦のベトナム戦に続いて2連敗となり、自力での準決勝進出の可能性がなくなっています。

初戦のラオス戦に5-1で勝利していたマレーシアのE・エラヴァラサン監督は、初戦で途中出場ながらゴールを挙げたファーガス・ティネリー(ジョホール・ダルル・タジムII)、シャヒール・バシャー(スランゴール)らを先発から起用し、先手必勝の布陣を洗濯しています。(以下はこの日の先発XI)

この日は39度という暑さの中、両チームとも好機は少なく、タイが押し気味に進めながらも前半は0-0で終了しました。後半に入ると、好機は作るもののフィニッシュまで辿り着かないなど、徐々に動きが悪くなったマレーシアがゴールを目指して前掛かり気味になる一方で、タイはそれを見計らったかのようにカウンターで最終ラインにパスを通し始めます。特にGKシーク・イズハン(ヌグリスンビラン)との間が開き始めた73分に、パスを受けたタイFWアナン・ヨッドサンワルがマレーシアのセンターバック2人をかわしてシュート。これが決まってタイがリードすると、84分にもやはりマレーシア最終ラインの間を縫うようなパスを受けた17歳のFWヨッツアコン・ブラパがGKをかわしてゴールを決め、これで万事休す。この日の敗戦でマレーシアははB組3位に転落し、いずれも無敗のベトナムとタイが勝点6で同率首位となっています2位となっています。、

2023年5月6日@プリンススタジアム
タイ 2-0 マレーシア
⚽️タイ:アナン・ヨッドサンワル(73分)、ヨッツアコン・ブラパ(84分)

東南アジア競技大会2023 男子サッカーB組順位表(第3節終了時)

順位チーム得点失点得失差勝点
1ベトナム22005146
1タイ22005146
3マレーシア21015323
4シンガポール301226−41
5ラオス301217−61
https://youtu.be/pBYYB0NFrpI
この試合のハイライト映像。シンガポールのメディア、メディアコープの公式YouTubeチャンネルより

一方の女子は初戦のベトナム戦に続きFIFA女子ワールカップに出場するチームとの対戦になりましたが、超守備的な布陣を引いたマレーシアはロスタイムまで0-0と善戦したものの、試合終了間際にWEリーグのちふれASエルフェン埼玉で2021/22年シーズンから2季プレーしたサリナ・ボールデンに決勝ゴールを許して惜敗しています。

2023年5月6日@RCAFオールドスタジアム
マレーシア 0-1 フィリピン
⚽️フィリピン: サリナ・ボールデン(90+6分)

東南アジア競技大会2023 女子サッカーA組順位表(第2節終了時)

順位チーム得点失点得失差勝点
1ベトナム22006156
2フィリピン21011103
3ミャンマー210123-13
4マレーシア200204-40
タイ1部リーグ第29節-ディオン・コールズはベンチ外、サファウィ・ラシド、ジュニオール・エルドストールは途中出場

5月6日と7日にタイ1部リーグ第29節が行われています。既に今季の優勝を決めたブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズはベンチ外、PTプラチュワップFC所属のジュニオール・エルドストールとラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドはいずれも途中出場しています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第29節
2023年5月6日@ラムパーン県立スタジアム
ラムパーンFC 4-3 PTプラチュワップFC
 前節では2位のバンコク・ユナイテッドを破るなど、引き分けを挟んで3連勝中だったPTプラチュワップFCが、15位で馬場悠企選手が所属するラムパーンFCに敗れ、1部残留を確定できず、また順位を一つ下げて12位となっています。最終節を前に降格圏とは勝点差3ですが、次節30節で大量失点で破れない限りは1部残留が濃厚です。
 PTプラチュワップのジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)は85分から出場して、最後までプレーしています。

2023年5月7日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 1-1 ブリーラム・ユナイテッド
 4試合続けて勝ち星がないラーチャブリーFCが、今季既にリーグ戦とFAカップの二冠を獲得しているブリーラム・ユナイテッドをホームに迎えたこの試合は、マレーシア代表選手同士の対決も期待されましたが、ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズはベンチ外で実現しませんでした。
一方、ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドは78分から出場しています。

タイ1部リーグ順位表(第29節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU29225271274471
2バンコクU29194654213361
3ポート291410551351652
7ラーチャブリー29101183225741
12プラチュワップ2988134251-932
アイディル・シャリン氏はクランタンのチームの監督に就任か

現在8位と低迷するトレンガヌの監督就任が噂されたアイディル・シャリン氏ですが、トレンガヌのCEOがこの噂を否定する正式声明を発表して、この噂は噂で終わりましたが、トレンガヌ州に隣接するクランタン州にある2つのスーパーリーグのチームはいずれも今季開幕時に指揮を取っていた監督を更迭しており、今度はこのどちらかのクラブにアイディル氏が就任するのでは、という噂が流れています。

今季はインドネシア1部のプルシカボ1973の監督を務めたアイディル氏ですが、そのプルシカボ1973から出されている監督契約延長のオファーに対し、昨日を期限に考慮する時間を求めたとされています。「来季も契約を望んでいるプルシカボ1973のオファーを優先して考える必要があ理、その回答は今週末(5月7日)が起源となっている。それまでに今後の方針を決めたい。」と話したアイディル氏は、プルシカボ1973のサポーターの熱意が素晴らしく、それはとても素晴らしい経験だった。」と話す一方で、最終戦では、サポーターが暴走し、昨年10月の「カンジュルハンの悲劇」と似たような事故が起こりそうな状況となったことについても触れるなど、来季もインドネシアリーグに残るかどうかを思案している様子が窺えます。

インドネシアに渡る前には、クダの監督として4年間指揮を取ったアイディル氏ですが、就任1年目の2019年にはFAカップで優勝、マレーシアカップで準優勝し、翌2020年、2021年には2シーズン続けてリーグ2位の好成績を挙げるなど、マレーシアスーパーリーグでの実績は確かなアイディル氏は、「トレンガヌからは正式にオファーは受けていないが、代理人には契約内容に関する連絡が入っていると聞いている。また(マレー半島)東海岸」のチームからは正式に監督就任オファーを受けている」と既に交渉する用意があるチームがあることを明らかにしています。、

自分自身としては3季に亘り良い結果を残せたと自負している一方で、まだやり残したこともあると感じていると話したアイディル氏は、出身地のシンガポールに近いこともあり、マレーシアスーパーリーグで再び指揮を取りたいという希望があるとも話しています。

*****

「(マレー半島)東海岸」には北からクランタン州、トレンガヌ州、パハン州がありますが、これらの州に本拠地を持つチームのうち、公式声明で噂を否定したトレンガヌと現在リーグ3位と好調のスリ・パハンは、監督交代の可能性が低いことから、ここで言われている東海岸のチームはいずれもクランタン州に本拠地を持つクランタンとクランタン・ユナイテッドを指すと思われます。この両チームはそれぞれ13位と最下位の14位となっており、クランタンはチェ・ムンシク監督を、クランタン・ユナイテッドはトマス・トルチェ監督をいずれも解任しており、アイディル監督がマレーシアに戻るとすれば、このどちらかになる可能性が濃厚です。

5月5日のニュース
MFLと選手会が選手保護のための仕組み構築で合意
AFFフットサルクラブ選手権-パハン・レンジャーズが準決勝進出を決める
昨季パハンを実質クビになったギャメル氏がベトナムU22代表のコーチに

MFLと選手会が選手保護のための仕組み構築で合意

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLとマレーシアプロサッカー選手会PFAMは、プロサッカー選手を保護し、またプロサッカーチームの利益も守るための仕組みづくり構築に関する相互協力協定に署名したことを、マレー氏の通信社ブルナマが報じています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、スーパーリーグクラブの運営や選手のキャリアップといった面を含めた国内プロリーグの質の向上につながるとし、PFAMとの協力を歓迎すると述べています。またPFAMのイズハン・イスマイルCEOは、PFAMはスーパーリーグの商業価値を維持することに協力する一方で、選手の権利が確実に守られるようMFLと協力体制を取ると述べています。

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毎年のように起こる国内リーグでの給料未払い問題ですが、被害にあった選手はPFAMを通じてマレーシアサッカー協会FAMに報告し、FAMの紛争調停委員会が審査を行なった上で、選手とチーム間での話し合いを仲介し、それでも問題が解決しない場合にはチームに処分を与える、というのが現行の仕組みで、これまではMFLはこの問題解決には直接関わることはありませんでした。この協力関係が構築されることで、給料未払い問題を起こすチームが減ることに期待したいです。

AFFフットサルクラブ選手権-パハン・レンジャーズが準決勝進出を決める

タイで開催中の東南アジアサッカー連盟AFFフットサルクラブ選手権に出場しているパハン・レンジャーズは、グループステージを1勝1敗の2位として準決勝進出を決めています。

グループステージA組に入ったパハン・レンジャーズは、初戦のホンイェン・タカム(タイ)戦では1-3と敗れたものの、2戦目となったヴィクトリア・ユニヴァーシティ・カレッジ(ミャンマー)戦は一時は4点あったリードを最後は4-3と迫られながらも勝利し、A組2位となり準決勝進出を決めています。

今日5月5日に予定されている準決勝では、B組1位のブラック・スチール・パプア(インドネシア)と決勝進出をかけて対戦します。

昨季パハンを実質クビになったギャメル氏がベトナムU22代表のコーチに

2021年シーズンにスーパーリーグのスリ・パハンの監督に就任した元アメリカ代表キャプテンのトーマス・ドゥーリー監督の元でコーチを務めていた、フランス出身のクリストファー・ギャメル コーチは、ドゥーリー監督が開幕からわずか2試合で「休養」となると同時に、スリ・パハンのU21チームのコーチへと配置転換されます。しかし翌2022年シーズンには、今度はスリ・パハンの監督に就任しますが、シーズン半ばで合意の上契約解除となりました。

そのギャメル氏が同じフランス人のフィリップ・トルシェ監督率いるベトナムU23代表とA代表のコーチを務めていると、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。マレーシアは活躍できなかったギャメルコーチが指導するベトナムU22代表とマレーシアU22代表は、現在開催中の東南アジア競技大会通称シーゲームズのグループステージでは同組となっており、両チームは5月8日に対戦します。

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スリ・パハン監督時代には11試合で2勝しか挙げられず、シーズン途中で契約解除になったギャメルコーチですが、その当時に知ったマレーシア人選手の情報をトルシェ監督と共有していることでしょう。いや、大会3連覇を狙うベトナムにはそんな情報は不要かも知れませんが。


5月4日のニュース
東南アジア競技大会-男子はラオスに勝利で好発進、女子は強豪ベトナムに完敗
サッカー協会はスーパーリーグに外国人審判採用を検討
トレンガヌはスタインブリュックナー監督交代を否定する公式声明を発表

東南アジア競技大会-男子はラオスに勝利で好発進、女子は強豪ベトナムに完敗

昨日5月3日に東南アジア競技大会通称シーゲームズの男女サッカーでマレーシアが初戦に臨んでいます。U22代表が対戦する男子サッカーでグループステージB組のマレーシアは第1節に試合がなく、この日のラオス戦が初戦となりました。昨年の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権ではラオスにまさかの2連敗を喫したマレーシアですが、その試合でもプレーしたV・ルヴェンティランやウバイドラー・シャムスルらがこの試合でも先発XIに入っています。(以下はこの日の先発XI)

この試合で先制したのはマレーシアでした。カウンターから開いて陣内に攻め込み、アリフ・イズワンのシュートは相手GKにブロックされたものの、そのこぼれ球に詰めていたウバイドラー・シャムスルがシュート。これが決まって、開始4分でマレーシアがリードを奪います。しかしラオスもその後反撃に転じ、マレーシアは防戦一方となった20分には右サイドからのクロスを、マレーシアの先制ゴールを決めたウバイドラー選手がクリアミスからオウンゴールし、試合は1-1となります。その後もラオスが押し気味に試合を進める中、マレーシアのサフワン・マズランのクロスを今度はラオスDFがオウンゴールし、28分に再びマレーシアが2-1とリードを奪い、前半はそのまま終了します。

ベトナム、タイとの対戦の前に負けるわけにはいかないマレーシアのE・エラヴァラサン監督は後半に入ると次々と交代カードを切りますが、これが見事なほどハマります。、75分には右サイドからのスローインをファーガス・ティエニーがゴール前に流すとこれを受けたシャヒール・バシャーのシュートが決まり、途中出場の2人の連携が決まり3-1とします。さらにリードを広げると、ロスタイムにはシャヒール選手のロングシュートがクロスバーに当たって跳ね返ったところを、やはり途中出場のナジムディン・アクマルが押し込んで4-1、さらにラオスDFのオウンゴールで5-1としたマレーシアが終わってみれば圧勝で試合を終えています。

5-1の勝利とは言え、そのうち2点は相手のオウンゴールであり、試合展開でも序盤ではラオスに押し込まれ、ディフェンスラインとGKシーク・イズハンの連携が撮れていない場面も見られるなど、ベトナム、タイとの対戦までには多くの修正が必要な印象を残した試合でした。

東南アジア競技大会2023 男子サッカーB組第2節
2023年5月3日@ヴィサカスタジアム(プノンペン、カンボジア)
マレーシア 5-1 ラオス
⚽️マレーシア:ウバイドラー・シャムスル(4分)、アナタンザ・シーポンファン(20分OG)、シャヒール・バシャー(75分)、ナジムディン・アクマル(90+2分)、フォウタウォン・サンウィライ(90+4分)
⚽️ラオス:ウバイドラー・シャムスル(20分OG)

東南アジア競技大会2023 男子サッカーB組順位表(第6節終了時)

順位チーム得点失点得失差勝点
1ベトナム220051+46
2マレーシア110051+43
3タイ110031+23
4シンガポール200226−40
5ラオス200217−60
https://youtu.be/Sa_Mf12xfTk
この試合のハイライト映像。シンガポールのメディア、メディアコープの公式YouTubeチャンネルより

この日は女子サッカーでもマレーシアが登場し、ワールドカップ出場のベトナムと対戦しましたが、こちらはオウンゴールを含む0-3で敗れています。この試合は見ていませんが、報道では試合開始から自陣に押し込まれたマレーシアは4分、23分、34分と前半だけで3失点し、後半に入っても状況は変わらず、反撃どころか無失点に抑えるのが精一杯だったようです。次戦もワールドカップ出場国のフィリピンと対戦するマレーシアにとっては、2大会ぶりのシーゲームズ出場は経験を積む場となりそうです。

サッカー協会はスーパーリーグに外国人審判採用を検討

マレーシアサッカー協会FAMは今季のマレーシアスーパーリーグに外国人審判を採用する予定があることを明らかにしています。今季は3月17日のペナン対サバ戦で3つの「疑惑の」PKを与えたズルカルナイン・ザカリア主審が無期限の職務停止処分を受けていますが、これまでも国内審判の「質」はスーパーリーグのチームだけでなく、サポーターからの批判の対象になっていました。

FAMのハミディン会長は、マレーシア人審判の質が低いと考えているわけではないことを強調する一方で、外国人審判を採用することによって、彼らとの意見交換により’審判技術の向上が図れると考えていると説明し、既にスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサン会長と外国人審判採用についての協議を進めていることを明らかにしています。

FAMは、2019年のマレーシアFAカップ決勝ペラ対クダ戦の審判に岡部拓人、八木あかね、野村修の三氏を招いた前歴がありますが、この試合を担当した日本人審判三氏には両チームからだけでなく、メディアなどからも高く評価された実績があります。

トレンガヌはスタインブリュックナー監督交代を否定する公式声明を発表

このブログでも取り上げたトレンガヌのトミスラフ・スタインブリュックナー監督の更迭の噂について、トレンガヌが公式SNSでこれを全面的に否定する声明を発表しています。

昨季は2位のトレンガヌは、今季開幕からの10試合で4勝1分5敗の8位と低迷し、今季から就任したスタインブリュックナー監督が、クランタンのチェ・ムンシク監督、クランタン・ユナイテッドのトマス・トルチェ監督に続く今季スーパーリーグで3人目となる監督交代となるのではという噂が広まっており、その後任にはマレーシアリーグを熟知し、AFCカップ出場経験もあるアイディル・シャリン前クダ監督が新監督に就任するという実しやかな噂まで出ています。

しかしトレンガヌはチーム公式SNSで声明を発表し、この噂を否定するとともに、スタインブリュックナー監督の評価を早急には行う予定はないとしています。「トレンガヌは監督交代の噂を全面的に否定する。監督交代についてはチームの技術委員会が精査し、チームを運営するTFC社取締役員会の承認を得る必要がある。現時点ではこういった手続きは行われておらず、監督交代の噂はチーム対して悪意があるものだと考えられる。現在はリーグ再開となる5月19日の試合に向けてチーム一丸で準備している段階であり、また今年2回目のトランスファーウィンドウで獲得を希望する選手のリストアップを行なっている段階であり、性急な行動を起こす時期ではないと考えている。」として、サポーターに落ち着きを求めています。


5月3日のニュース
東南アジア競技大会出場のU22代表20名が発表-初戦は今日のラオス戦
東南アジア競技大会出場のU22代表からケガでラーディアズリが落選
MFLはジョホールオーナーに対する負債があることを認める

東南アジア競技大会出場のU22代表20名が発表-初戦は今日のラオス戦

既にカンボジアで開幕している東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するマレーシアU22代表の最終メンバー20名がマレーシアサッカー協会FAMの公式サイトで発表されています。チームの顔ぶれは、今年3月にシンガポールで開催されたマーライオンカップの優勝メンバーが大半を占める中、この大会には体調不良のため出場できなかったムカイリ・アジマル(スランゴール)が加わった20名となっています。

5月1日終了した代表候補合宿には25名が召集されていましたが、この中からシャキミ・カリム(ヌグリスンビラン)、ザルミエン・アシュラフ・イスマイル(クダ)、ファクルル・ファリーズ(スランゴール2)、ナズウィン・サレー(KLシティ)とラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)が外れています。

既にカンボジア入りしているU22代表はグループステージB組に入っており、今日のラオス戦を皮切りに、5月6日にはタイ、8日にはベトナム、そして11日にはシンガポールとの対戦が続きます。またB組の上位2チームに入った場合にはノックアウトステージ進出となり、5月13日の準決勝、そして5月16日に3/4位決定戦、あるいは決勝へと進むことになります。

金メダルは2011年インドネシア大会を最後に、またメダル獲得そのものも2017年マレーシア大会を最後に遠ざかっているマレーシア。とは言え、この東南アジア競技大会でのメダル獲得に固執するのは、マレーシアサッカー協会FAMが単に思い入れが強いからだけにも思えますが、それでもここでメダルを取れないということは東南アジアのトップ3にマレーシアが入っていないことにもなるわけで、思い入れというよりはプライドをかけて、今回もメダルを取りに行くのでしょう。前回は準決勝には進出したものの、そこでベトナムに敗れ、さらに3/4位決定戦ではインドネシアに敗れたマレーシアですが、今回のメンバーには、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップでプレーしたムカイリ・アジマル、V・ルヴェンティラン(以上スランゴール)、ハキミ・アジム(KLシティ)、アザム・アズミ(トレンガヌ)らもおり、メンバー的には他国に引けは取らないと思いますが、果たしてその結果はどうなるでしょう。

東南アジア競技大会2023年カンボジア大会 男子サッカー代表(U22代表)メンバー

氏名年齢所属
GKシーク・イズハン21NSE
GKアジム・アル・アミン22KLC
DF V・ルヴェンティラン22SEL
DF ハリス・ハイカル21SEL
DF ジクリ・カリリ21SEL
DFアザム・アズミ・ムラド22TRE
DFサフワン・マズラン21TRE
DFウバイドラー・シャムスル20TRE
DFアズリン・アフィク21KDA
MFシャヒール・バシャー22SEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
MFアイマン・アフィフ22KDA
MFナジムディン・アクマル19JDT II
MFダリル・シャム21JDT II
MFアダム・ファルハン19JDT II
MFムスリフディン・アティク22TRE II
MFT・サラヴァナン22KLC
FWアリフ・イズワン19SEL
FWファーガス・ティアニー20JDT II
FWハキミ・アジム20KLC
所属はSEL-スランゴール、SEL II-スランゴール2、TRE-トレンガヌ、TRE II-トレンガヌII、JDT II~ジョホールII、KLC-KLシティ、KDA-クダ、NSE-ヌグリスンビラン。
東南アジア競技大会出場のU22代表からラーディアズリが落選したのは手のケガが原因

東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するマレーシアU22代表の最終メンバー20名が発表されましたが、スーパーリーグのトレンガヌではこれまで4試合にフル出場し、今季から背番号1をつけるラーディアズリ・ラハリムが落選しました。マレーシアサッカー協会はラーディアズリ選手の落選について、手のケガによるものだと発表していますが、このケガについてはラーディアズリ選手が自身のSNSに指の形が変形しているレントゲン写真とともに、シーゲームズに出場するU22代表を応援するコメントを投稿しています。

MFLはジョホールオーナーに対する負債があることを認める

マレーシア1部スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジム(JDT)のオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に対する負債があることを認めています。MFLのアブドル・ガニ・ハサン会長は、2020年シーズンの優勝チームに贈られる賞金が不足したことから、イスマイル殿下にその賞金の支払いを待ってもらったと説明し、今年の8月と10月に分割して支払う予定があることも明らかにしています。しかし、具体的な負債の金額は明らかにしていないと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

当時はMFLのCEOだったアブドル・ガニ会長は、ジョホールのオーナーであるイスマイル殿下に対して、賞金の支払いを分割で行わせてもらうよう依頼し、これをイスマイル殿下が受け入れたと説明しています。

「コロナ禍により当時3000万リンギ(およそ9億2000万円)のスポンサー料を失っていたMFLは、優勝賞金を分割で支払うことを提案し、これまで支払いを続けてきたが年内には完済する予定になっている。」と説明したアブドル・ガニ会長は、ジョホール以外のチームに対しては負債はないと話しています。

*****

今回の件の発端は、リーグ戦やカップ戦数試合でジョホールのサポーターが試合後に発煙筒を焚き、これが国内リーグ規定に違反していることからマレーシアサッカー協会FAMがジョホールに対して罰金処分を課したところ、ジョホールのオーナーのイスマイル殿下が、この罰金をジョホールに対してる負債の一部と相殺したいと発言したことでした。その後、FAMのハミディン・アミン会長がFAMはジョホールに対する負債がないことを明言し、続いてMFLがその負債を抱えていることを明らかにした、という展開です。それにしてもリーグの運営母体がそのリーグに所属するチームのオーナーに対して負債を抱えるというのは、なかなか他国では聞かない話ですが、リーグとチームの間に貸し借りがあることの影響について、ブルナマの記事だけでなく、他の新聞やサッカー専門サイトも何も言及せず、ただ事実のみを伝えているだけで、何か腫れ物に触るような扱いとなっています。かく言うボラセパマレーシアJPも、調子に乗って批判的な論調になれば、王室に対する侮辱罪に問われかねないので、この辺りにしておきます。


5月2日のニュース
タイ1部リーグ第28節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシド、ジュニオール・エルドストール全員が出場
フットサル-日本代表の平田ネトアントニオマサノリ選手がマレーシアリーグ参戦
次の監督交代はトレンガヌ?-今季AFCカップ初出場チームの次監督候補にアイディル・シャリン前クダ監督の名も

タイ1部リーグ第28節-ディオン・コールズ、サファウィ・ラシド、ジュニオール・エルドストール全員が出場

4月29日と30日にタイ1部リーグ第28節が行われています。既に今季の優勝を決めたブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズはと、PTプラチュワップFC所属のジュニオール・エルドストールは途中出場、ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドは先発出場しています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第28節
2023年4月30日@サームアーオイスタジアム
PTプラチュワップFC 2-1 バンコク・ユナイテッド
 11位のPTプラチュワップFCが2位のバンコク・ユナイテッドに勝利し、引き分けを挟んで3連勝。この勝利でPTプラチュワップは降格権から勝点差3となりました。
 PTプラチュワップのジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)は66分から出場して、最後までプレーしています。

2023年4月30日@BGスタジアム
BGパトゥム・ユナイテッド 4-2 ラーチャブリーFC
 4日前の4月26日のリーグカップ準決勝と同じカードとなったこの試合では、ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドは、リーグカップ準決勝には先発してフル出場しましたが、この試合では先発したものの、46分に交代しています。またチームは順位を一つ下げて7位となっています。

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ジョホールから期限付き移籍中のサファウィ・ラシドについては、このブログでも取り上げましたが、ジョホールのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が「本人からラーチャブリーFCに『馴染めていない』と聞いている」と発言し、マレーシアリーグ復帰が取り沙汰されていますが、ラーチャブリーFCのソムチャイ・マイウィライ コーチがそれを否定しています。サファウィ選手は父親の体調が悪く、手術が必要とされていたことから、精神的に不安定になっていたものの、結局、手術が必要ないとわかり、落ち着きを取り戻していると説明し、サファウィ選手がチームに「馴染めない」と話していると、マレーシアのサッカー専門サイトヴォケットFCが伝えています。

2023年4月30日@チャン・アリーナ
ブリーラム・ユナイテッド 2-3 ポートFC
 既にリーグ2連覇を決めているブリーラム・ユナイテッドが今季2敗目。4月26日のリーグカップ準決勝のPTプラチュワップFC戦に勝利し、2年連続の国内三冠に王手をかけているブリーラム・ユナイテッドは、5月20日のリーグカップ決勝に備えてか、リーグカップ準決勝では先発してフル出場したディオン・コールズを、この試合では60分から起用しています。

タイ1部リーグ順位表(第28節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU28224270264470
2バンコクU28184652213158
3ポート281310548341449
7ラーチャブリー28101083124740
11プラチュワップ2878123947-832
フットサル-日本代表の平田ネトアントニオマサノリ選手がマレーシアリーグ参戦

国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLで、現在B組5位煮付けているスランゴールTOTユナイテッドは、フットサル日本代表の平田ネトアントニオマサノリ選手の加入をチーム公式SNSで発表しています。また平田選手自身も既にチームに合流し、練習を始めていることを自身のSNSで明らかにしています。

2022年のAFCフットサル選手権では、前回王者イランを破って優勝した日本代表のメンバーでもある平田選手は、今年3月まで所属していた名古屋オーシャンズでも、2019年AFCフットサルクラブ選手権に出場し、決勝ではイランのメス・スングンを相手にゴールを挙げ、3年ぶり4度目の優勝にも貢献しています。

MPFLはA、Bの2組に別れた14チームがそれぞれリーグ戦を戦い、各組の上位2チームが準決勝に進みますが、前半戦の1試合を残して、スランゴールTOTユナイテッドは現在、B組の5位で、首位のスランゴールMACとは勝点差9、2位のジョホール・ダルル・タジム(JDT)とは勝点差6となっています。

スランゴールTOTユナイテッドはここまで5試合で12ゴールを挙げていますが、首位のスランゴールMACの29ゴール、2位JDTの33ゴールには遠く及ばす、B組7チーム中でワースト3と、得点力不足に苦しんでいることから、平田選手にはゴール量産が期待されています。

なお平田選手とスランゴールTOTユナイテッドのとの契約は7月までと報じられておりその後はスペインフットサルリーグのクラブへ移籍する模様です。JDTの参入で、これまではスランゴールMACとパハンレンジャーズの2強時代に風穴が開いたMPFLですが、リーグ後半戦の開幕戦となる5月14日のKLシティ戦から出場可能となる平田選手が、スランゴールTOTユナイテッドの救世主となれるのかに注目が集まります。

次の監督交代はトレンガヌ?-今季AFCカップ初出場チームの次監督候補にアイディル・シャリン前クダ監督の名も

スーパーリーグ第10節を終えて8位と、開幕前の予想を大きく下回る成績となっているトレンガヌですが、昨季のテクニカル・ディレクターから今季は監督に就任したトミスラフ・スタインブリュックナー監督が、今季3人目となる監督更迭となるのではという噂が上がっています。

昨季は現クダ監督のナフジ・ザイン氏が監督を務め、14勝2分6敗の成績でジョホール・ダルル・タジム(JDT)に次ぐ2位となり、AFCカップ出場権を獲得したトレンガヌですが、そのナフジ監督率いるクダが6勝1分3敗の5位となる一方で、トレンガヌは4勝1分5敗と負け越しています。アディサック・クライソーン(タイ)、イヴァン・マムート(クロアチア)といった新加入の外国籍選手FW陣が期待通りの働きを見せられず、チーム総得点もリーグ8位とその成績に則した順位ではありますが、サポーターからは残留を望んでいたナフジ監督に代わって就任したスタインブリュックナー監督への批判も多く、サポーターの批判を交わすために経営陣が監督交代に踏み切る可能性もあります。

そんな中で後任監督の候補として名前が上がっているのが、シンガポール出身のアイディル・シャリン氏です。昨季までクダで4季監督を務め、2019年シーズンの6位から、2位、2位、8位という成績で、昨季はAFCカップでもチームをグループリーグ突破に導いています。マレーシアのスポーツサイトのアストロ・アリーナは既にトレンガヌがこのアイディル氏に監督就任オファーを出したと報じていますが、チームからの成績発表はまだありません。

クダ監督退任後、アイディル氏はインドネシア1部のペルシカボ1973の監督に2022/23シーズン途中で就任し、今月16日に最終節が行われた今季は、チームは14位(18チーム中)に終わっています。また今年7月に開幕する2023/2024シーズンでは、このプルシカボ1973や、今季9位のペルシタ・タンゲランからも監督就任オファーが出されているようですが、アイディル氏自身はマレーシアリーグに戻りたい希望があるようで、トレンガヌの他、アストロ・アリーナによると既にトマス・トルチェ監督を更迭したクランタン・ユナイテッドなどと交渉中だという報道もあります。

*****

2021年は3位、昨季は2位と好成績を収めながら、契約延長オファーをギリギリまで出さなかったトレンガヌ経営陣に嫌気がさしたナフジ氏を引き止めることなく、また「ナフジ色」一掃を図って、外国籍選手をほぼ全員入れ替える決断を下したアブドル・ジュソーCEOらトレンガヌ経営陣の責任問題に発展しないのが、マレーシアらしいと言えばそれまでですが、ナフジ監督就任前のクダ監督だったアイディル監督の招聘となれば、トレンガヌとクダの間で監督が交換されたことになります

5月1日のニュース
サッカー協会会長-協会は前会長のジョホールオーナーに借金はない
U17女子アジアカップ1次予選-マレーシアは初戦の北マリアナ諸島戦に快勝もタイに大敗で敗退
クランタンの迷走は続く-今度はサポーターにあらゆる横断幕の持ち込みを禁じ、選手が試合後にスタンドのサポーターに挨拶に行くことも禁じる
ジョホール入りが噂されるラダメル・ファルカオに母国のファンは複雑

ACL決勝の第1戦が行われ、浦和が興梠慎三選手の貴重なアウェイゴールでアル・ヒラルと引き分け、3度目のアジア王者に近づきました。マレーシア王者のジョホール・ダルル・タジムは東地区予選ではこの浦和に敗れており、このままアジア王者になってくれれば、ジョホールの溜飲も下がるので、是非とも優勝して欲しいです。
 マレーシアに目を転じると、昨日のインドネシア対フィリピン戦で幕を開けた東南アジア競技大会通称シーゲームズ、カンボジア大会にU22代表が出場するため、マレーシアスーパーリーグは5月下旬まで中断となります。2011年以来優勝から遠ざかっているマレーシアU22代表男子の初戦は5月3日のラオス戦、また2大会ぶりの参加となる女子はやはり5月3日のベトナム戦が初戦となります。

サッカー協会会長-協会は前会長のジョホールオーナーに借金はない

マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、前FAM会長でスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムのオーナーでもあるジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に対してFAMは借金がないと発言したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

これは先日、イスマイル殿下がテレビ局とのインタビューで、自身がFAM会長を勤めていた2017年から2018年の間、FAMが抱える負債を完済するために、自分のポケットから1200万リンギ(およそ3億7000万円)を貸与したと発言したことに対しての反論として述べられたものです。

ハミディン会長は、FAMがイスマイル殿下に金銭貸与されたことはないと話す一方で、イスマイル殿下はMFLが各チームへの賞金提供の資金に困っていた際に貸与されたものではないかと指摘しています。FAM会長就任前には、MFL会長を務めていたハミディン会長は、賞金提供のための資金が不足していた時期があったことを認めた上で、メディアに対してアブドル・ガニ・ハサンMFL現会長に事実関係を確認するべきだと述べています。

U17女子アジアカップ1次予選-マレーシアは初戦の北マリアナ諸島戦に快勝もタイに大敗で敗退

タイで開催中のAFC U17女子アジアカップ1次予選に出場中のU17女子代表は、4月28日に初戦となる北マリアナ諸島戦に臨み、サバ出身で15歳のロシリエカ・ロレの4ゴールなどで5-1で快勝しましたが、昨日4月30日のタイ戦では0-11と破れ、1次予選での敗退が決まっています。

1次予選は、各組1位のみが2次予選に進出しますが、A組ではタイ2勝、マレーシア1勝1敗、北マリアナ諸島2敗で、タイがA組1位となり、2次予選進出を決めています。

クランタンの迷走は続く-今度はサポーターにあらゆる横断幕の持ち込みを禁じ、選手が試合後にスタンドのサポーターに挨拶に行くことも禁じる

スーパーリーグ第10節を終えて1勝1分8敗で13位に沈むクランタンは、チェ・ムンシク監督を更迭し、外国籍選手2名を含む3名の選手と契約解除するなど、現行の打開に必死ですが、新たに発表したチーム方針が波紋を呼んでいます。

チームの「保安担当」のハズリ・トゥアン・ママト氏名義で今回発表されたチーム方針6箇条の中は、「ピッチ上で相手選手に笑顔を見せない、また話をしないこと」「相手選手や審判に挑発的な態度を取らないこと」「相手チームとユニフォーム交換をしないこと」「試合後に相手チームの監督、コーチを握手をしないこと」などが挙げられていますが、最も注目を集めているのが「試合終了後にチームの許可が出るまではスタンドのサポーターに挨拶に行かないこと」で、原則として、選手は試合終了後速やかに控え室に戻ることが求められています。

またクランタンはサポーターに対しては横断幕やドラムのスタンドへの持ち込み禁止も発表しており、チームのSNSには「ホームチームのサポーターが横断幕やドラムを持ち込めないクラブなど聞いたことがない」といった批判的なコメントや、「否定的あるいは挑発的な内容の横断幕だけを持ち込み禁止とするべき」といったこの方針の再考を求めるコメントで溢れています。

*****

今季開幕後から不振が続き、その矛先が地震に向いたことから、一時は希望者がいればチームの株式をすべて売却する用意があると発言したオーナーのノリザム・トゥキマン氏ですが(発言はその後撤回)、実業家として選手獲得だけでなく、練習場の整備など多額の投資に見合話ないチームの成績と、国内でも特にサッカー人気が高いクランタンのサポーターからのその成績に対する厳しい批判とで判断を誤っているのかもしれませんが、サポーターとの一体感をあえて否定するチーム方針を貫き通せば、チームは空のスタジアムで試合をすることにもなりかねません。

ジョホール入りが噂されるラダメル・ファルカオに母国のファンは複雑

コロンビア出身のFWラダメル・ファルカオのジョホール・ダルル・タジム移籍が濃厚と報じられています。現在はスペイン1部ラ・リーガのラージョ・バジェカーノに所属する現役のコロンビア代表のストライカーは、UEFAヨーロッパリーグで得点王を2度獲得した他、コロンビア代表の歴代通算最多得点記録を保持しているスーパースターは、今年3月28日行われたキリンチャレンジカップ2023では日本戦にも途中出場しています。

正式な発表は未だないものの、ジョホールのオーナーで、ジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下は、自身のインスタグラムで「会えるのを楽しみにしている」とメッセージを送り、背番号が31となることも仄めかしており、また現在のジョホールの外国籍選手枠も一つ空いていることなどから、エル・ティグレ「虎」のニックネームを持つファルカオ選手は、7月5日から8月1日までの今季2度目のトランスファーウィンドウでジョホール加入が決定的で、一部では既に2年契約を結んでいるとされています。

このようないわゆる「マーキープレイヤー」がマレーシアスーパーリーグで見られるのは、マレーシアのサッカーファンにとっては喜ばしいことですが、ファルカオ選手の母国、コロンビアでは今回のマレーシア移籍が歓迎されていないと、サッカー専門サイトのスムアニャボラが伝えています。

様々なボーナスも含めて年棒100万米ドル(およそ1億3700万円)とスペインのメディアが報じるなど、ジョホールには三顧の礼を持って迎えられるファルカオ選手ですが、コロンビアのファンは、マレーシアリーグへの移籍が選手としての「格を下げる」行為であり、マレーシアリーグでプレーすることは自身のプレーレベルを遥かに下回るリーグでプレーすることになるといった声も上がっているということです。

2023マレーシアスーパーリーグ
第10節結果とハイライト映像(2)

4月28日にマレーシアスーパーリーグ10節の3試合が開催されていますが、この日は前日4月27日とは逆に、すべての試合でアウェーチームが勝利しています。なお今節のもう1試合のジョホール・ダルル・タジム対クランタン・ユナイテッドは5月13日に延期されています。
 なお今節が終了するとスーパーリーグは5月19日と20日の第11節まで中断となりますが、これは、来月5月5日に開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズにU22代表が出場し、U22代表代表選手が所属するチームとそうでないチームとの間で公正を期するためという発表がなされています。なおU22代表は5月2日に大会が開かれるカンボジアのプノンペン入りし、5月3日のラオス戦が初戦となります。
 (試合のハイライト映像はいずれもMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年4月28日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:10,520人
トレンガヌ 1-2 スリ・パハン
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(39分)
⚽️パハン:クパー・シャーマン(30分)、アザム・アジー(68分)
🟨トレンガヌ:シャールル・ニザム、リリドン・クラスニキ、サルドール・クルマトフ、イヴァン・マムート
🟨パハン:ステファノ・ブルンド、ヌル・シャミー・イスズアン
MOM:イズハン・タルミジ(スリ・パハン)

 ともにマレー半島東海岸に位置するトレンガヌ州とパハン州を本拠地とするチーム同士の東海岸ダービーは、スリ・パハンが逆転勝利で今季無敗記録を更新しています。
 首位のジョホールとともに今季は未だ負けがないパハンは、30分にペナルティエリアの外で得たFKから直接ゴールを狙ったステファノ・ブルンドのシュートはトレンガヌGKスハイミ・フシンがパンチングで交わしたものの、トレンガヌDFがこれをクリアミスしたところを、昨季はトレンガヌでプレーしたクパー・シャーマンがゴールに押し込み、パハンが先制しました。しかしトレンガヌも39分にリリドン・クラスニキからパスを受けたアディサク・クライソンがゴール前へ流したボールをイヴァン・マムートがシュート。これが決まってホームのトレンガヌが同点に追いつき、前半はこのまま終了します。
 後半に入ると、トレンガヌはゴール前のイヴァン・マムートにボールを集めて攻勢に出ますが、マムート選手のシュートをこの試合のMOMにも選ばれたパハンGKイズハン・タルミジが好セーブを連発して防ぎます。逆にパハンは68分にアザム・アジーのミドルシュートが決まって逆転すると、アザム選手の2戦連発となったこのゴールが決勝点となり、無敗記録を10に伸ばすとともに、3位に浮上しています。
 一方のトレンガヌは2連敗で順位は変わらず8位のままです。
 

2023年4月28日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:2,348人
ヌグリスンビラン 1-2 クダ・ダルル・アマン
⚽️ヌグリスンビラン:ザイナル・アビディン・ジャミル(35分)
⚽️クダ:ウィリアン・リラ2(30分、72分)
🟨ヌグリスンビラン:ナスルラー・ハニフ、ザムリ・ラムリ、チェ・ラシド、アナス・ラフマド
🟨クダ:アリフ・ファルハン、ウィリアン・リラ、カラムラー・アル=ハフィズ
MOM:ウィリアン・リラ(クダ)

 昨季はJリーグの甲府でプレーしたウィリアン・リラの2ゴールで、クダが連敗を2でストップしています。
 クダは30分にマヌエル・イダルゴのCKをヌグリスンビランDFをかわしてフリーになったウィリアン・リラが頭で合わせて先制します。しかしヌグリスンビランも35分にペナルティエリアの外からトミー・マワトのミドルシュートがザイナル・アビディン・ジャミルに当たって角度が変わり、クダGKのカラムラー・アル=ハフィズが反応できず、同点に追いつき、前半は1-1のまま終了しました。
 後半に入ると地力で勝るクダがペースを掴み、72分にはリー・タックのクロスを再びリラ選手がヘディングシュートでゴールを決めて逆転すると、このままクダが逃げ切って勝利しています。

2023年4月28日@スルタン・(クアラ・ルンプール)
観衆:5,148人
クランタン 2-3 ペラ
⚽️クランタン:シヴァン・ピレイ(14分OG)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(90+3分)
⚽️ペラ:ユスリ・ユハスマディ(35分OG)、ルチアーノ・ゴイコチェア(45分)、スハイリ・チェ・ハリム(69分)
🟨クランタン:ユスリ・ユハスマディ、キム・ミンギュ
🟨ペラ:ルチアーノ・ゴイコチェア、ハフィザル・モハマド
MOM:ルチアーノ・ゴイコチェア(ペラ)

 第9節を終えてともに1勝止まりと苦しいシーズンが続いているクランタンとペラは。いずれも今季スーパーリーグに昇格したチームで、トップリーグの壁に突き当たっています。そんな両チームにとって、この日のカードのような昇格組同士の対戦は勝点を挙げる貴重な機会です。試合はクランタンが優勢で進みますが、互いにオウンゴールで1−1となった後、先発メンバーで唯一の外国籍選手、ルチアーノ・ゴイコチェアの放ったミドルシュートが決まりペラがリードを奪って前半を終了します。
 後半に入ってもクランタン有利な展開は変わらないものの、得点には至らず、逆にペラが追加点を挙げてリードを2点に広げると、クランタンの攻撃を1点に抑えたペラが今季2勝目を挙げました。
 前半戦の不振から監督更迭、外国人選手との契約解除と思い切った手を打っているクランタンですが、その成果はまだ出ておらず、この日の敗戦で引き分けを挟んで6連敗となりました。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第10節終了時)

順位チーム勝点
1JDT99003713627
2SEL1071223111222
3SRP106401771022
4SAB1062224141020
5KDA106131715219
6KLC94321412215
7PEN104241616014
8TRE104151313013
9NSE92431117-610
10PDRM10316715-810
11PRK10235819-119
12KCH10118520-154
13KEL101181334-224
14KLU9027515-102
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第10節終了時-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)8341959
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)71713010
3アリフ・アイマン(JDT)515859
ステファノ・ブルンド(SRP)5209010
パク・テス(SAB)514709
スーニー・サアド(PEN)52914010
クパー・シャーマン(SRP)515729
ウィリアン・リラ(KDA)5247110
9ジョーダン・ミンター(TRE) 410617
イヴァン・マムート(TRE)4301408
ジオゴ(JDT)411626
フアン・ムニス(JDT)4181007
ダニエル・ティン(SAB)44418
サディル・ラムダニ(SAB)413929
ファイサル・ハリム(SEL)41311310
パウロ・ジョズエ(KLC)4241319
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ
第10節結果とハイライト映像(1)

4月27日にマレーシアスーパーリーグ10節の3試合が開催されています。ラマダン(イスラム教の断食月)明けの祝日ハリラヤ(ハリラヤ・アイディルフィトリ)を挟んで、およそ1週間ぶりのリーグ最下位となったこの日は、ホームの3チーム全てが勝利しています。
 なお今節が終了するとスーパーリーグは5月19日と20日の第11節まで中断となりますが、これは、来月5月5日に開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズにU22代表が出場し、U22代表代表選手が所属するチームとそうでないチームとの間で公正を期するためという発表がなされています。なおU22代表は5月2日に大会が開かれるカンボジアのプノンペン入りし、5月3日のラオス戦が初戦となります。
 (試合のハイライト映像はいずれもMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年4月27日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:14,444人
サバ 2-1 スランゴール
⚽️サバ:サディル・ラムダニ(24分PK)、バドロル・バクティアル(66分)
⚽️スランゴール:ファイサル・ハリム(52分)
🟨サバ:リザル・ガザリ
🟨スランゴール:ヤザン・アル=アラブ、ヌール・アル=ラワブデ、ファズリ・マズラン、アリフ・ハイカル
MOM:バドロル・バクティアル(サバ)

 リーグ戦4連勝中の2位スランゴールとホームでは今季ここまで4戦4勝の4位サバの対戦は、バドロル・バクティアルの2戦連発となるゴールなどでサバが勝利しています。
 試合開始から積極的に攻めるスランゴールが好機を作りながら、それを活かせない展開が続いた24分にペナルティエリア内でバドロル・バクティアルが倒され、サバがPKを得ます。サディル・ラムダニのPKは、今季初先発となったスランゴールGKサミュエル・サマヴィルが止められず、サバが先制しました。
 後半もスランゴールが優勢に試合を進め、52分にはゴール前の混戦のこぼれ球をファイサル・ハリムがペナルティエリアの外からシュート。これが決まってスランゴールが同点に追いつきました。しかし66分にペナルティエリアの外でFKを得たサバは、バドロル・バクティアルがこのFKをゴール左隅に決めて再びリードします。スランゴールは最後まで攻め続けたものの、結局、これが決勝点となり、サバがホームでの連勝記録を5に更新するとともに、スランゴールとは勝点差2の3位に浮上してます。

2023年4月27日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:1,783人
ペナン2-1 クチンシティ
⚽️ペナン:カイルル・アクマル・ロクシャム(45分)、ソーニー・サアド(51分)
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(32分)
🟨ペナン:ソーニー・サアド
🟨クチンシティ:アブ・カマラ、アリフ・ハサン、ミハイロ・ヨヴァノヴィッチ、アダム・シリーン・タムビ
MOM:ソーニー・サアド(ペナン)

 今季ここまで3勝2分4敗のペナンは、その3勝が全てホームでの勝利。この日もホームに引き分けを挟んで7連敗中のクチンシティを迎え、連勝記録更新を目指しました。しかし、先制したのクチンシティでした。昨季2部プレミアリーグでは11ゴールを挙げて得点王に輝きながら、スーパーリーグに昇格した今季はここまでの9試合で2ゴールと1部リーグの壁に突き当たっていたアブ・カマラが7試合ぶりとなるゴール、チームとしても3試合ぶりのとなるゴールを決めて、クチンシティがリードしました。しかしペナンは前半終了間際にFKを得ると、ファリス・シャー・ロスリが蹴ったボールをクチンシティGKノラズラン・ラザリが痛恨の捕球ミス。カイルル・アクマル・ロクシャムが自分の足元に転がったボールをそのまま押し込んでゴールし、前半は1-1で折り返します。
 後半に入ってもクチンシティは攻め続けますが、ゴールには至らず、逆にペナンはクチンシティDF陣の隙をついて、ペナルティエリアの外からソーニー・サアドが放ったゴールで51分にリードを奪うと、GKアズファル・アリフの好セーブなどでこのリードを守って逃げ切っています。
  クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

2023年4月27日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
観衆:627人
KLシティ 3-0 PDRM
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(15分)、パウロ・ジョズエ(21分)、チェチェ・キプレ(87分)
🟨KLシティ:カイオン
🟨PDRM:アリフ・アンワル、ファディ・アワド、ジャック・フェイ
🟥KLシティ:ジャンカルロ・ガリフオコ
🟥PDRM:ジェームズ・オクウォサ
MOM:ロメル・モラレス(KLシティ)

 開幕からの6試合を0勝4分2敗でスタートしたKLシティでしたが、4月5日の第7節で今季初勝利を挙げると、そこから3連勝して臨んだこの試合は、ロメル・モラレスのゴールで15分に幸先良く先制しました。その6分後にはパウロ・ジョズエがPDRM守備陣の足が止まった隙をついてミドルシュートを決めてリードを2点に広げます。後半は両チームが一進一退の攻防を繰り広げますが、86分にはPDRM守備陣のマークが外れてフリーとなったチェチェ・キプレがヘディングシュートを決めたKLシティが勝利し、4月を無敗で終えるとともに、順位を一つ挙げて6位としています。
 一方のPDRMはチャンスを作りながらもゴールにつながらず4連敗でとなりました。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は70分から出場して、最後までプレーしています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第10節途中)

順位チーム勝点
1JDT99003713627
2SEL1071223111222
3SAB1062224141020
4SRP9540156919
5KDA95131514116
6KLC94321412215
7PEN104241616014
8TRE94141211413
9NSE82421015-510
10PDRM10316715-810
11PRK9135517-126
12KCH10118520-154
13KEL91171031-214
14KLU9027515-102
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第10節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)8341959
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)71713010
3アリフ・アイマン(JDT)515859
ステファノ・ブルンド(SRP)518809
パク・テス(SAB)514709
スーニー・サアド(PEN)5291409
7ジョーダン・ミンター(TRE) 410616
ジオゴ(JDT)411626
フアン・ムニス(JDT)4181007
クパー・シャーマン(SRP)413529
ダニエル・ティン(SAB)44417
サディル・ラムダニ(SAB)413929
ファイサル・ハリム(SEL)41311310
パウロ・ジョズエ(KLC)4241319
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

4月27日のニュース
U17アジアカップ出場のU17代表がサウジアラビア、カザフスタンと対戦
トレンガヌがサファウィ獲得の最右翼として浮上
マレーシアフットサルリーグに日本代表選手が参戦か

U17アジアカップ出場のU17代表がサウジアラビア、カザフスタンと対戦

今年6月にタイで開催されるAFC U17アジアカップに出場するU17代表が、大会前にアジアの強豪サウジアラビア、ウズベキスタンと対戦することが発表されています。

マレーシアの通信社ブルナマによると、U17アジアカップに出場する両国は、タイ入り前の最終合宿をクアラルンプールで行うことから、この対戦が実現するということです。またマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、この両国以外にもクアラルンプールで合宿を行う国もあることから、その他のU17代表との対戦が組まれる可能性についても言及しています。

マレーシアU17代表は、4月10日から21日までカタールで合宿を行なっており、現地ではアル・アラビSC U17に4-2、ウム・サラルSC U17と5-0、アル・ガラファ U18と4-1、アル・マヒーヤSC U17と7-0、そしてアル・ドゥハイルSC U19に1-0とカタールリーグのチームには勝利した一方で、最終戦となったアスパイア・アカデミーU17との試合では0-1と敗れています。なお、このアスパイア・アカデミーは現カタール代表の7割の選手が出身の国家サッカー選手育成プロジェクトの中核となる育成機関だということです。

なお、タイのバンコクで開催されるU17アジアカップは6月15日に開幕し、7月2日に決勝が予定されています。マレーシアは開催国タイ、ラオス、イエメンと共にグループステージA組に入っており、FAMは今年末にペルー開催されるFIFA U17ワールドカップの出場権が獲得できる準決勝進出を今大会の目標に挙げています。

トレンガヌがサファウィ獲得の最右翼として浮上

スーパーリーグのジョホールから出場機会を求めて、タイ1部のラーチャブリーFCに期限付き移籍中の代表FWサファウィ・ラシドは、タイリーグでは目立った成績を残せておらず、残り3節となった今季終了後には、マレーシアに戻るのではと噂されています。そのサファウィ選手獲得に、トレンガヌが熱心であると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

今年2度目のトランスファーウィンドウは7月5日から8月1日までですが、トレンガヌのアブドル・ラシド・ジュソCEOは8月から始まるAFCカップに備えて、このトランスファーウィンドウでサファウィ選手を所属するジョホールから期限付き移籍で獲得したいと話しています。

トレンガヌ州出身で、ジョホール移籍前はTチーム(現トレンガヌFC II)でもプレーしていたサファウィ選手には、チーム首脳陣も関心を持っていると話したアブドル・ラシドCEOは、タイリーグでのプレーに「馴染めていない」ことからマレーシアへ戻ることを望んでいると噂されているサファウィ選手の獲得に動いていることも認めています。

マレーシアフットサルリーグに日本代表選手が参戦か

国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLのスランゴールTOTユナイテッドが日本人選手を獲得する予定があることを、チーム公式SNSで発表しています。

タイ代表監督として2022年には東南アジア競技大会通称シーゲームズで金メダル、また東南アジサッカー連盟AFF選手権でも優勝と実績のあるパット・スリウィジット監督が今季から就任したスランゴールTOTユナイテッドは、14チームが2つのグループに分かれて行われている今季のMPFLでB組に入り、第5節を終えて首位のスランゴールMACに勝点差6の4位に付けています。この順位の原因となっているのは得点力不足で、ここまでのゴール数はB組5位の12で、首位のスランゴールMACの23、2位ジョホール・ダルル・タジム(JDT)3位KLシティの21、さらには5位のシャーアラムシティの16にも大差をつけられています。

クラブの公式SNSには日本人選手獲得が表明されているものの、具体的な選手名は挙げられておらず、昨季のチャンピオン、スランゴールMAC戦を含め残り2試合となったリーグ前半後のトランスファーウィンドウまでは、獲得する日本人選手が誰かが明らかにされない可能性があります。なお今季のMPFLはアジア枠1を含む外国籍選手枠2となっており、スランゴールTOTユナイテッドには、ブラジル出身のエリオ・ネト、そしてアジア枠で元タイ代表のプカーン・ドンダンが加入しています。 ネト選手はチームに貢献していることから、この日本人選手がプカーン選手に代わる選手として加入することになりそうです。

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SNS上では、先月3月に日本フットサルリーグの名古屋オーシャンズを契約満了で退団したフットサル日本代表選手の平田ネトアントニオマサノリの名前も上がっており、日本代表でも主力選手の平田選手がMPFLに加入すれば、リーグの注目度もアップしそうです。

4月26日のニュース
タイ1部リーグ第27節-ディオン・コールズは途中出場もブリーラムUの2連覇に貢献、ジュニオール・エルドストールとサファウィ・ラシドの対決は実現せず
タイFAカップ決勝-ディオン・クールズはフル出場でブリーラムUの2連覇に貢献
帰化選手ブームは止まらない-2度目のトランスファーウィンドウではさらに3名の外国籍選手がマレーシア人選手として登録か
ルクマン・ハキムがアイスランドリーグ移籍後初のゴールを決める

タイ1部リーグ第27節-ディオン・コールズは途中出場もブリーラムUの2連覇に貢献、ジュニオール・エルドストールとサファウィ・ラシドの対決は実現せず

4月22日と23日にタイ1部リーグ第27節が行われています。ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは75分から途中出場となりましたが、チームは勝利、昨季に続くリーグに連覇を達成しています。また今節はサファウィ・ラシドが所属するラーチャブリーFCとジュニオール・エルドストールが所属するPTプラチュワプFCが対戦しましたが、サファウィ選手はベンチ入りせず、またエルドストール選手はベンチ入りしたものの出場がなく、マレーシア人選手対決は実現しませんでした。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ第27節
2023年4月22日@レオ・チェンライスタジアム
レオ・チェンライ・ユナイテッド 1-2 ブリーラム・ユナイテッド
 この試合で引き分け以上なら優勝が決まるブリーラム・ユナイテッドが、チェンライ・ユナイテッドの反撃を1点に押さえて勝利し、3節を残しながらリーグ2連覇を果たすとともに、4月19日のFAカップ優勝に続く国内2冠を達成しています。
 ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは、3日前のFAカップ決勝に先発してフル出場したこともあってか、この試合は75分からの出場でした。

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 タイ1部優勝チームでプレーしたのは2020/2021シーズンにBGパトゥム・ユナイテッドでプレーしたノーシャルル・イドラン・タラハ以来2人目ですが、ノーシャルル選手は最後は出場機会もなくなり、ベンチ外となることもあり、優勝に貢献したのか、と言われると微妙ですが、コールズ選手は今年初めにチェコ1部のFKヤブロネツから移籍すると、12試合に出場しています。マレーシアのサラワク州クチン生まれながら、年代別代表でもプレーしたベルギーやデンマーク、チェコとヨーロッパのリーグでプレーし続けたコールズ選手にとっては、タイリーグでのプレーは自身初めてとなるアジアでのプレーでしたが、石井正忠監督の期待に十分応えたのではないでしょうか。
 また今日4月26日は国内三冠がかかるタイリーグカップの準決勝、PTプラチュワップ戦があり、この試合に勝てば、2期連続の国内三冠の偉業に王手がかかります。

2023年4月22日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ラーチャブリーFC 1-1 PTプラチュワップFC
 いずれもマレーシア人選手が所属するクラブの対戦になったこのカードですが、引き分けに終わっています。
 ラーチャブリーFCのサファウィ・ラシドはベンチ入りせず、PTプラチュワップFCのジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)は、3試合連続でベンチ入りしましたが、出場がありませんでした。

タイ1部リーグ順位表(第27節終了時、上位3チームとマレーシア人選手所属チームのみ)

順位チーム勝点
1ブリーラムU27224168234570
2バンコクU27184551193258
3ムアントンU27138651331847
6ラーチャブリー27101072920940
11プラチュワップ2778123746-929
タイFAカップ決勝-ディオン・クールズはフル出場でブリーラムUの2連覇に貢献

4月19日にタイFAカップ決勝が行われ、ディオン・コールズが所属するブリーラム・ユナイテッドがポートFCを2-0で下して優勝し、昨季に続く2連覇を達成しています。(試合のハイライト映像はタイリーグ公式YouTubeチャンネルより)

タイFAカップ決勝
2023年4月19日@ドラゴン・ソーラー・パークスタジアム
ブリーラム・ユナイテッド 2-0 ポートFC
 2019年以来3期ぶりの優勝を狙うポートFCと大会2連覇を目指すブリーラム・ユナイテッドの対戦は、今季終了後に英国1部プレミアリーグ移籍が噂される20歳のスパナット・ムエアンタのゴールで先制したブリーラムが、その後も相手のオウンゴールでリードを2点に広げ、そのまま逃げ切って大会2連覇をはたしています。
 ブリーラム・ユナイテッドのディオン・コールズは、先発してフル出場しています。

帰化選手ブームは止まらない-2度目のトランスファーウィンドウではさらに3名の外国籍選手がマレーシア人選手として登録か

いずれもブラジル出身のパウロ・ジョズエ(KLシティ)とエンドリック・ドス・サントス(ジョホール・ダルル・タジム-JDT)は、今年に入ってからマレーシア国籍を取得し、今季のスーパーリーグではマレーシア人選手として登録されています。また両選手ともマレーシア国内で既に5年以上プレーしていることから、FIFAの規定によりマレーシア代表でもプレーすることが可能で、3月のFIFA国際マッチカレンダーに行われたトルクメニスタン戦では、早速、代表戦デビューも果たしています。

マレーシア人の両親を持たない外国籍選手がマレーシア国籍を取得してマレーシア人戦勝としてプレーするケースは過去5年間で急速にその数が増えており、この両選手を合わせると既に7名の帰化選手がマレーシア国内でプレーしています。残る5名は、2018年にマレーシア国籍を取得し、国内サッカー史上初の帰化代表選手となったFWモハマドゥ・スマレ(JDT、ガンビア出身)、MFリリドン・クラスニキ(トレンガヌ、コソボ出身)、MFリー・タック(クダ、英国出身)、MFエセキエル・アグエロ(スリ・パハン、アルゼンチン出身)そして今季は3部のM3リーグでプレーするFWギリェルメ・デ・パウラ(マラッカ、ブラジル出身)ですが、いずれも既にマレーシア代表でのプレー経験もある選手たちです。

わずか5年間で7名が誕生したこの「帰化選手ブーム」ですが、英字紙スターによると、今季2度目のトランスファーウィンドウでもさらにそのブームは続くようです。帰化選手を取り上げた記事では、少なくとも3名の外国籍選手がマレーシア国籍取得の申請を行なっており、いずれも現在は審査中だということです。

その1人でモンテネグロ出身でトレンガヌでプレーするDFアルグジム・レゾヴィッチがスターの取材に応えています。最近、自身の国籍取得申請の審査状況についてマレーシアサッカー協会FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長と話をしたばかりというレゾヴィッチ選手は、(審査を行う)マレーシア政府内務省次第としながらも、7月5日から8月1日までとなっている今年2度目のトランスファーウィンドウで、マレーシア人選手として登録されることを望んでいると話しています。31歳のレゾヴィッチ選手は、マレーシア生まれの選手にはなかなかいない190cmの長身センターバックで2018年にPDRMでプレーした後、2019年からはトレンガヌでプレーしています。

またレゾヴィッチ選手はブラジル出身のFWカサグランデ(ヌグリスンビラン)とコロンビア出身のMFロメル・モラレス(KLシティ)の両選手も同様に国籍取得申請の審査を受けていると話し、3人揃ってトランスファーウィンドウ後にはマレーシア人選手としてプレーできることを願っていると話しています。

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今季のスーパーリーグは1チームあたり外国籍選手9名(アジア枠1名、東南アジア枠1名を含む)の登録が可能になっています。試合で同時にピッチ場にいることができるのは最大5名(うちアジア枠1名、東南アジア枠1名)で、今季のトレンガヌの外国籍選手は、アジア枠、東南アジア枠以外の選手では新加入のMFドマゴイ・プシッチとFWイヴァン・マムートに加え、MFソニー・ノルデ、FWジョーダン・ミンターがおり、DFのレゾヴィッチ選手には開幕から出場機会がありませんでした。しかしセンターバックとして開幕からの6試合全てにフル出場していたウズベキスタン出身のサルドール・クルマトフがハムストリングを痛めて以降は、その穴を埋める形でレゾヴィッチ選手が第7節から3試合連続で先発してフル出場しています。クルマトフ選手の復帰時期や、復帰後もトミスラフ・スタインブリュックナー監督がレゾヴィッチ選手を起用し続けるかは定かではないですが、マレーシア国籍が取得できればこういった心配もなくなります。

ルクマン・ハキムがアイスランドリーグ移籍後初のゴールを決める

東京ヴェルディへ移籍したプラタマ・アラハン(インドネシア)や、英国1部レスターシティへの移籍が決定的なスパナット・ムエアンタ(タイ)ら近隣諸国の同年代の選手たちが国外での活躍を目指す中、2019年にベルギー1部のKVコルトレイクと5年契約を結んだ当時18歳のルクマン・ハキムは、KVコルトレイクでは出場機会を得られず、今年2月にアイスランド1部のUMFニャズルヴィークへ期限付き移籍を果たしました。

リーグ戦では未だ出場機会はないものの、このブログでも以前紹介した通り、4月8日に国内カップ戦のアイスランドカップ2回戦では、アイスランドリーグ移籍後初となる公式戦出場を先発出場で果たしています。そして4月20日開催されたアイスランドカップ3回戦では途中出場ながら、ついに移籍後初となるゴールを挙げ、チームの勝利に貢献したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

アイスランド3部のクナッツペトヌフィエラフ・オストフィヨルダ(KFA)とのアイスランドカップ3回戦に75分から出場したルクマン選手は90+3分にチーム4点目、自身にとっては移籍後初となるゴールを挙げ、チームのベスト16進出に貢献しています。