6月20日のニュース
U17代表はタイに敗れて2試合目でU17アジアカップ敗退決定
マレーシアカップ1回戦のカードが決定
サッカー協会会長-来年のアジアカップを多くのサポーターが現地観戦できるよう尽力することを約束

今日6月20日にはFIFAランキング138位のマレーシア代表はFIFA国際マッチカレンダーに開催される国際親善試合の2戦目となるパプアニューギニア代表戦をトレンガヌ州ゴン・バダのスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで午後9時(マレーシア時間)から行います。6月16日にはシンガポールと対戦し2-2と引き分けたFIFAランキング159位のパプアニューギニアとは、これまでに4回対戦し、3勝1敗の記録が残っており、直近では2016年に対戦しており、その時は2-1で勝利しています。

U17代表はタイに敗れて2試合目でU17アジアカップ敗退決定

タイで開催中のAFC U17アジアカップに出場中のマレーシアU17代表はグループステージ第2節でタイU17代表と対戦し、0-3で敗れて2回戦進出を前に敗退が決まっています。

初戦のイエメンU17代表戦を0-4で落としていたマレーシアU17代表は、この日、BGパトゥム・ユナイテッドのホーム、パトゥム・ターニースタジアムで行われるタイ戦に勝ってグループステージ突破の可能性を残したいところでした。この試合では、マレーシアは粘ってタイの得点を防ぎ続けましたが、前半終了間際のロスタイムにタイのキャプテンPacharaphol Lekkunにゴールを許し、前半を0-1で折り返します。後半に入ると54分にはChanasorn Choklap、そしては78分にはChanothai Kongmengのゴールで0-3となり、そのまま試合は終了し、マレーシアは2試合連続無得点で敗れています。

この試合の前に行われたラオスU17代表対イエメンU17代表の試合は、イエメンが2-1でラオスを下してタイと勝点6で並んだもののの、得失差で首位をキープ、以下2位タイ、3位ラオス、そして4位マレーシアとなっています。マレーシアはグループステージ最終節の第3節となる6月21日に2敗同士のラオスと対戦します。

AFC U17アジアカップ2023
グループステージA組第2節
2023年6月18日@パトゥム・ターニースタジアム(タイ)
マレーシアU17 0-3 タイU17
⚽️タイ:Pacharaphol Lekkun(45+2分)、Chanasorn Choklap(54分)、Chanothai Kongmeng(78分)

グループステージA組順位表(第1節終了)

順位チーム得失差勝点
1イエメン22006156
2タイ22005146
3ラオス200224-20
4マレーシア200207-70
マレーシアカップ1回戦のカードが決定

国内カップ戦の一つマレーシアカップは、1921年(大正10年)に第1回大会が開催された伝統ある大会で、今年の大会は第97回大会と日本の天皇杯と並ぶアジア最古のカップ戦です。マレーシアカップ(第1回当時はマラヤカップ)は各州の代表チームが対戦する形で始まった歴史もあり、日本で言えば高校野球の甲子園大会のような強度の誇りをかけた大会で、国内ではリーグ戦以上に盛り上がります。

このマレーシアカップは、昨季まではリーグ戦終了後に行われ、1部スーパーリーグの11位までと、2部プレミアリーグの5位までの合計16チームが参加する大会でしたが、スーパーリーグとプレミアリーグ合併など今季の大幅なリーグ改編により、開催時期が8月に前倒しとなり、さらに改編後のスーパーリーグが14チーム編成となったことで、3部リーグのM3リーグの上位2チームにも門戸が開かれることになりました。そしてこの新装なったマレーシアカップの1回戦組み合わせ抽選が、6月15日にオンラインで開催されました。

昨季2022年シーズンのマレーシアカップ決勝はジョホール・ダルル・タジムとスランゴールが対戦し、ジョホールが2−1で勝利しましたが、現在リーグ首位のジョホールと2位のスランゴールは抽選の結果、それぞれ別の山となり、この両チームが顔を合わせるとすれば再び決勝戦となります。

連覇を目指すジョホールのベスト16での相手は、現在リーグ最下位のクランタンに決まっています。この試合に勝つと、ベスト8では同13位のクランタン・ユナイテッドと同9位のヌグリスンビランの勝者と対戦し、ベスト4では順当に行けば同3位のクダ・ダルル・アマンあるいは同5位のサバと顔を合わせることになりそうです。

一方のスランゴールは、リーグ戦では0−1で敗れているリーグ8位のPDRMがベスト16の相手で、この試合に勝てば、ベスト8では同7位のトレンガヌとM3リーグ1位チームの試合の勝者と、そしてベスト4ではスリ・パハン、ペナン、KLシティのいずれかとの対戦となりそうです。

マレーシアカップは1回戦から準決勝までは全てホームアンドアウェイ形式で開催され、8月に予定されている1回戦から12月に予定されている決勝までおよそ4ヶ月間続きます。

<マレーシアカップ1回戦組み合わせ>
ジョホール・ダルル・タジム対クランタン
スランゴール対PDRM
スリ・パハン対M3リーグ2位チーム
クダ・ダルル・アマン対ペラ
サバ対クチンシティ
KLシティ対ペナン
トレンガヌ対M3リーグ1位チーム
ヌグリスンビラン対クランタン・ユナイテッド

協会会長-来年のアジアカップを多くのサポーターが現地観戦できるよう尽力することを約束

来年1月にカタールで開催されるAFCアジアカップ2023年大会に出場するマレーシアは、2007年にタイ、ベトナム、インドネシアとの共同開催の際には開催国枠でのアジアカップ出場はあるものの、予選突破による出場となると1980年のクウェート大会以来43年ぶりとな李ます。この大会についてマレーシアサッカー協会FAMは、できるだけ多くのサポーターが現地観戦できるよう、内外の関係機関と協議を行う予定があると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

先日開かれた、およそ150人のサポーターと2時間を超える質疑応答の際に、マレーシア代表のサポーターグループ「ウルトラス・マラヤ」の代表者から、現地での応援について航空券、試合のチケット入手、そして宿泊手配について問われたFAMのハミディン・アミン会長は、在カタールのマレーシア大使に既に連絡を入れて、これらの試合に向けてサポーターの宿泊手配の支援を求めたことを明らかにした他、現地までの移動については、観戦希望のサポーターの数にもよるとしながらも、代表の公式スポンサーの一つであるマレーシア航空とチャーター便の手配について協議したいと話しています。

「マレーシア、カタール間の往復航空券は通常は4500リンギから5000リンギ(およそ14万円から15万円)するが、これを少しでも下げられるようにしたい。またカタールにはマレーシア企業所有の宿泊施設もあり、適切な価格を提供してもらえるよう交渉する予定である。試合のチケットの入手と適切な費用が提供されれば、多くのサポーターがカタールまで応援に来てくれることを期待している。」とハミディン会長は話しています。

アジアカップではグループステージE組に入ったマレーシアは1月15日のヨルダン戦を皮切りに、バーレーン戦(1月20日)、韓国戦(1月25日)と対戦します。



6月18日のニュース
元甲府のウィリアン・リラがクダをシーズン半ばで退団
協会会長が代表に新たな帰化選手が参加する可能性を示唆

元甲府のウィリアン・リラがクダをシーズン半ばで退団

来月2日から開く今年2度目のトレンスファーウィンドウに向けて、マレーシアスーパーリーグの各チームの動向がSNSを賑わせていますが、第14節を終えて9勝1分4敗でリーグ3位のクダ・ダルル・アマンFCは、クラブ公式SNSでFWウィリアン・リラの退団を発表しています。

2022年天皇杯で優勝したJ2甲府で天皇杯決勝でもプレーし、今季からクダに加入していたリラ選手は、今季開幕当初はゴールを挙げられず、サポーターから非難されることもありましたが、FIFAカレンダーによるリーグ中断前の直近5試合で5ゴールを挙げるなど徐々に調子を上げてきていました。第14節を終えて出場した14試合中13試合に先発し、チームトップ、リーグでも4位の8ゴールを挙げるなど活躍していたリラ選手のシーズン途中での退団は、双方合意の上での退団とされていますが、クダにとっては痛い損失です。

協会会長が代表に新たな帰化選手が参加する可能性を示唆

6月14日の国際親善試合でマレーシア代表はソロモン諸島を4-1で破りましたが、その4点は国内リーグ9連覇中のジョホールに所属するアリフ・アイマンとサファウィ・ラシドが挙げた2点と、ブラジル出身の帰化選手パウロ・ジョズエ(KLシティ)と英国出身の帰化選手リー・タック(クダ・ダルル・アマン)が挙げた2点でした。

現在の代表は帰化選手なしで語ることができず、今回の代表メンバー27名を見ても、上記の他の帰化選手にはブラジル出身のエンドリック・ドス・サントスがいます。またマレーシア国外生まれながら片親がマレーシア人であることからマレーシア国籍を取得した、マレーシア国内ではレガシー帰化選手ともハイブリッド帰化選手と呼ばれる選手も6名おり、いずれも英国生まれのDFラヴェル・コービン=オング(ジョホール)、MFスチュアート・ウィルキン(サバ)、そしてオーストラリア生まれのDFマシュー・デイヴィーズ(ジョホール)の3選手はソロモン諸島戦でも先発メンバーに名を連ねています。

スーパーリーグでも上位を占めるチームはいずれも、帰化選手あるいはレガシー帰化選手が主力としてプレーしており、彼らが代表チームにも欠かせない戦力となっていることから、現在のマレーシアサッカーは彼ら帰化選手をを抜きにして語ることはできなくなっています。そんな中、英字紙スターは、代表チームにさらに帰化選手が加わる可能性を取り上げています。

この記事で取り上げられているのはいずれも英国でプレーする20歳のMFリチャード・チンと、21歳のMFコービー・ジェイ・チョンの両選手です。マレーシア人の父とセイシェルジンの母を持つチン選手は、英国3部のチャールトン・アスレティックでプレーするチン選手は昨年9月にリーグ戦デビュヲーを果たし、マレーシア人として初めて英国3部でプレーした選手となっています。一方、マレーシア人の父とジャマイカ人の母を持つチョン選手は2019年にプロデビューして以来英国6部の複数のチームでプレーし、現在はフリーエージェントとなっており、先月はマレーシアスーパーリーグのスリ・パハンを訪れている様子が自身のSNSに投稿されていました。

マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、この両選手がマレーシアパスポート申請のための書類を既に提出し、(パスポート発行を行う)内務省が書類を審査中であることを明らかにした上で、1、2ヶ月以内にはパスポートを取得して、年代別代表でのプレーが可能になるだろうと話しています。さらにハミディン会長は帰化選手には代表を強化するだけの実力を求めると話す一方で、帰化選手の増加はマレーシアで生まれ育った選手のポジションを奪うものではないことも強調しています。

このブログでも取り上げましたが、トレンガヌのDFでモンテネグロ出身のアルグジム・レゾヴィッチとKLシティFWでコロンビア出身のロメル・モラレスの両選手は、既にマレーシアで5年間以上プレーしたことで、マレーシア代表となる資格があることから、やはり帰化選手となるための手続きを進めており、今後はより多くの帰化選手が代表に呼ばれ可能性が高まっています。

6月17日のニュース
A代表はソロモン諸島に快勝、U17代表はAFCカップ初戦はイエメンに大敗スタート

A代表はソロモン諸島に快勝

6月のFIFA国際マッチーデーの初戦となるマレーシア代表対ソロモン諸島代表戦が6月14日に開催され、FIFAランク138位のマレーシアは同134位のソロモン諸島に先制を許したものの、逆転で快勝しています。

ホームのブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)が改修工事中のため、今月の国際親善試合はいずれもマレー半島東海岸にあるトレンガヌ州のゴン・バダにあるスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで開催されます。マレー半島東海岸での代表戦が開催されるのは、2013年3月26日にトレンガヌ州の隣のパハン州クアンタンにあるダルル・マクモルスタジアムでパレスチナ戦が開催されて以来、およそ10年振りのことです。クアラ・ルンプールやペナンなどがあるマレー半島西海岸に比べると人口も少ないことから、観客がどのくらい集まるのかにちゅもくが集まりましたが、マレーシアサッカー協会FAMもスタジアム周辺で様々な集客イベントを開催し、試合前には10,470枚のチケットが売れたことを発表しています。

この試合の先発はMFパウロ・ジョズエ(KLシティ)、MFスチュアート・ウィルキン(サバ)、FWファイサル・ハリム(スランゴール)の3名以外は、残る8名全員がジョホール・ダルル・タジムパスの選手という布陣でした。

試合開始からマレーシアが相手を圧倒する展開の中、先制したのはソロモン諸島でした。自陣からの素早いカウンターでマレーシアペナルティーエリアの右に出たボールに、GKシーハン・ハズミ(ジョホール)が飛び出してスライディングするもこれがなんと空振り。このボールを今回のソロモン諸島代表で唯一のプロ選手ラファエル・レアイ(ボスニア1部FKヴェレジュ・モスタル)が無人のゴールに蹴り込んで、ソロモン諸島が11分に1点をリードします。

この1発でマレーシアの動きが変わりました。厳しくプレスをかけてボールを奪うスタイルで、ボールの支配率を高めていった40分、中盤のシャマール・クティ・アバ(ジョホール)からソロモン諸島DFラインの裏へ抜け出した右サイドのマシュー・デイビーズ(ジョホール)へボールが渡ると、ディヴィーズはゴール前へ走り込んだファイサル・ハリム(スランゴール)へクロス。しかしソロモン諸島GKフィリップ・マンゴがパンチングで防ぐものの、それに詰めていたパウロ・ジョズエがこぼれ球をゴール。ブラジル出身ながら、今年2月にマレーシア国籍を取得したばかりのジョズエ選手の代表初ゴールで、マレーシアが同点に追いつきます。さらに前半ロスタイムには、右サイドでボールを受けたアリフ・アイマン(ジョホール)が自らドリブルでペナルティエリアへ持ち込むも、相手DFに倒されてマレーシアはPKを獲得します。このPKをアリフ選手自身が代表戦16試合目にして自身初得点となるゴールを決め、マレーシアが逆転して前半を終了します。

後半に入ってもマレーシア優位で試合は進むものの追加点が奪えず、キム・パンゴン監督は状況を打開しようとファイサル・ハリム、アリフ・アイマン、エンドリック・ドス・サントス(ジョホール)に代えて、リー・タック(クダ)、アキヤ・ラシド(ジョホール)、サファウィ・ラシド(タイ1部ラーチャブリーFC退団)の3選手を60分に投入します。これが功を奏した77分、右サイドのタック選手がゴール前のサファウィ選手へとボールが出ると、これをトラップしてから反転してシュート。タイでは爪痕を残せなかったサファウィ選手が3点目のゴールを決めて、マレーシアはリードを広げます。

3点目をアシストしたタック選手はロスタイムに入ると、ゴール前でシャーミ・サファリ(ジョホール)がスルーしたボールを自身がゴールに叩き込み4点目を挙げ、マレーシアが3月のFIFAカレンダーでのトルクメニスタン戦と香港戦に続き3連勝を飾っています。なお今回のFIFAカレンダーでは、イエメン(FIFAランキング157位)とも対戦予定でしたが、これがドタキャンとなり、来週6月20日にパプアニューギニア(FIFAランキング159位)とやはりトレンガヌ州のスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで対戦します。

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ソロモン諸島戦から2日経った昨日6月16日にマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで、いずれもジョホール・ダルル・タジム所属のMFナチョ・インサとDFフェロズ・バハルディンの代表チーム離脱が発表されました。およそ5年ぶりの代表招集に応じたインサ選手は、候補合宿に参加したものの試合に出場するだけの体調ではないと代表チームドクターから判断されたということです。37歳のインサ選手は第14節までで出場4試合が全て途中出場、出場時間も合計で66分となっていたので、インサ選手の状況についてジョホールのチームドクターなどと情報交換がなかったのかどうかに疑問が残ります。

一方のフェロズ選手はソロモン諸島戦でA代表2戦目で初先発を果たしましたが、44分にハムストリングを痛め、途中退場していました。なおキム代表監督名で出されたFacebookの投稿では、代替選手は招集しないことも発表されています。代表合宿では20歳のFWハキミ・アジム(KLシティ)が体調不良で合宿初日に離脱しており、当初の27名から24名となっています。

国際親善試合
2023年6月14日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
マレーシア 4-1 ソロモン諸島
⚽️マレーシア:パウロ・ジョズエ(40分)、アリフ・アイマン(45+2分PK)、サファウィ・ラシド(77分)、リー・タック(90+1分)
⚽️ソロモン諸島:ラファエル・レアイ(11分)

試合のハイライト映像はFAMの公式YouTubeチャンネルより
U17代表はAFCカップ初戦はイエメンに大敗スタート

タイで開催中のAFC U17アジアカップ2023年大会に出場中のマレーシアU17代表は、6月15日にイエメンU17代表とグループステージ初戦で対戦し、オウンゴールを含む4失点で敗れ、大会を黒星でスタートしています。

グループステージA組でイエメン、ラオス、タイと同組のマレーシアは、バンコクのタマサートスタジアムで行われたこの試合は、開始からマレーシアが劣勢となる中で、21分にアブドゥルラーマン・アル・カダールのゴールで先制を許すと、その10分後にはアデル・カセムのゴールでリードを広げられて前半を終了します。

後半に入ると48分にはマレーシアペナルティエリア内で相手シュートがファリス・ダニシュ(モクタル・ダハリアカデミー)の手に当たってハンドの反則を取られ、このPKをアンワル・アル・トゥライキが決めて、イエメンは3-0とリードを広げます。さらにロスタイムにはペナルティエリア内でアディブ・イブラヒムがクリアミスした結果、オウンゴールとなり、最後はイエメンが4-0で勝利しています。

A組のもう1試合はタイがラオスに2-1と勝利しており、マレーシアは大会初勝利をかけてこのタイと6月18日に対戦し、グループステージ最終戦となるラオス戦は来週水曜日6月21日に行われます。

AFC U17アジアカップ2023
グループステージA組第1節
イエメンU17 4-0 マレーシアU17
⚽️イエメン:アブドゥルラーマン・アル・カダール(21分)、アデル・カセム(31分)、アンワル・アル・トゥライキ(48分PK)、アディブ・イブラヒム(88分OG)

グループステージA組順位表(第1節終了)

順位チーム得失差勝点
1イエメン11004043
2タイ11002113
3ラオス100112-10
4マレーシア100104-40
試合のハイライト映像はスタジアム・アストロの公式YouTubeチャンネルより

6月12日のニュース
今月のFIFAカレンダー出場の代表候補27名が発表
ラダメル・ファルカオがジョホールオーナーを訪問-獲得へ一歩前進か

今月のFIFAカレンダー出場の代表候補27名が発表

6月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)で、マレーシア代表は6月14日にソロモン諸島代表、6月20日にパプアニューギニア代表とそれぞれ対戦しますが、マレーシアサッカー協会FAMは、この試合に先立って行われる代表候補合宿に参加する27名を公式サイトで発表しています。

ハリマウ・マラヤ(日本語では「マレーの虎」)の愛称で知られるマレーシア代表は、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場がホームですが、年初から始まっているピッチ張り替えを含めた改修工事が続いています。このため3月のFIFAカレンダーはジョホール・ダルル・タジムのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)で開催されましたが、今月の代表戦はいずれもトレンガヌFCのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)で開催されます。なお一昨日6月10日から始まっている代表候補合宿もトレンガヌ州のクアラ・トレンガヌで行われています。

今回の代表合宿に招集されたメンバーですが、今年3月のFIFAカレンダー前に行われた代表候補合宿参加27名中、17名が再び招集されています。今回招集されていないメンバーには、タイ1部で今季国内三冠を達成したブリーラム・ユナイテッドでプレーするDFディオン・コールズがいますが、今回は自身の結婚式を理由に合宿参加を辞退しています。

また、前回3月の合宿には招集されず、今回の合宿に招集されている10名は、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップに出場したFWサファウィ・ラシド(タイ1部ラーチャブリーFC退団)、MFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アジム(KLシティFC)、DFアザム・アズミ(トレンガヌFC)、MFリー・タック(クダ・ダルル・アマンFC)の5名の他、実に2018年3月以来の招集となったMFナチョ・インサ(ジョホール・ダルル・タジム)、DFジュニオール・エルドストール(タイ1部プラチュワップFC退団)、FWシャーレル・フィクリ(ヌグリスンビランFC)、GKアズリ・アブドル・ガニ(KLシティFC)、そして今回が初招集となるMFシャヒール・バシャー(スランゴールFC)となっています。

ポジション氏名年齢所属
GK シーハン・ハズミ27JDT
DF シャールル・サアド30JDT
DFラヴェル・コービン=オング32JDT
MFアリフ・アイマン21JDT
FWアキヤ・ラシド24JDT
DFマシュー・デイヴィーズ28JDT
DFシャーミ・サファリ25JDT
MFシャマー・クティ・アッバ26JDT
DFフェロズ・バハルディン23JDT
MFエンドリック・ドス・サントス28JDT
MFナチョ・インサ37JDT
FWサファウィ・ラシド26JDT
DFジュニオール・エルドストル32JDT
FWファイサル・ハリム25SEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
MFシャヒール・バシャー22SEL
DFドミニク・タン26SAB
MFスチュアート・ウィルキン25SAB
DFダニエル・ティン31SAB
MFパウロ・ジョズエ34KLC
FW.ハキミ・アジム20KLC
GKアズリ・アブドル・ガニ24KLC
GKシーク・イズハン21NSE
FWシャーレル・フィクリ29NSE
DFアザム・アズミ22TRE
MFリー・タック35KDA
MF. ノーア・レイン21SJK
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、SJK-セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(フィンランド2部)

ラダメル・ファルカオがジョホールオーナーを訪問-獲得へ一歩前進か

マレーシア語紙ブリタハリアンは、元コロンビア代表のラダメル・ファルカオがマレーシアスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムのオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下を訪問したと報じています。

マレーシアスーパーリーグで前半を終えて2位に勝点差11をつけて首位を独走するジョホールには、アトレティコ・マドリードやモナコなどでプレーしたファルカオ選手については、これまでもジョホール加入が噂されており、今回の訪問もイスマイル殿下自身がインスタグラムへの投稿で明らかにしています。

マレーシアスーパーリーグのトランスファーウィンドウは来月7月5日から8月1日までとなっていることから、ACLでは昨季のベスト16を上回る結果を目指すジョホールが37歳とピークは超えたとはいえ、実績抜群のストライカーを獲得することは大いに考えられます。

2023マレーシアスーパーリーグ第14節
結果とハイライト映像-ジョホールは14連勝で首位堅持、PDRMはサバを破り3連勝、前節初勝利のクランタンUはスランゴールに大敗

マレーシアスーパーリーグは6月7日から9日に今季第14節が開催されています。今季は14チームでスタートしたスーパーリーグは今節より後半戦に突入しますが、開幕からの13試合で得点51失点1という驚異的な成績で前半戦を13連勝で終えたジョホール・ダルル・タジムの強さは際立っており、2位スランゴールとの勝点差は既に11と開き、今季の興味は優勝争いからAFCカップ出場権のかかる2位争いへと移っています。なお、今節予定されていたクチンシティ対クランタンの試合は、7月21日に変更になっています。
 また今月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)でソロモン諸島、パプアニューギニアの両代表と対戦するマレーシア代表候補27名も発表されており、今節はこの27名のプレーの様子なども併せて書いていきます。
 なおこのFIFAカレンダーにより、スーパーリーグはおよそ2週間中断し、6月23日の第15節から再開します。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年6月7日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,242人
クランタン・ユナイテッド 1-7 スランゴール
⚽️クランタン:デヴィッド・シルヴァ(75分PK)
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル(4分)、エイロン・デル・ヴァイエ3(10分、45分、79分)、ファイサル・ハリム(29分)、ヨハンドリ・オロスコ(51分)、アリフ・イズワン(78分)
🟨クランタン:インドラ・プトラ、S・シャーヴィン、
🟨スランゴール:なし
MOM:エイロン・デル・ヴァイエ(スランゴール)

 前半戦最後となった前節第13節で待望の今季初勝利を挙げたクランタン・ユナイテッドがホームにスランゴールを迎えた試合は、やはり前節にPDRMにまさかの敗戦を喫したスランゴールがその鬱憤を晴らすかのように、今季リーグ最多タイとなる7ゴールを挙げて圧勝しています。
 今月のFIFAカレンダーを前に10日から始まるマレーシア代表候補合宿にも招集されているU23代表のキャプテン、ムカイリ・アジマルが開始4分でスランゴールの先制ゴールを決めると、10分には1点目をアシストしたエイロン・デル・ヴァイエがペナルティエリアの外から放ったシュートが決まり、スランゴールはリードを広げます。さらに28分にはやはり代表合宿に招集されているファイサル・ハリムのゴール、そして45分には再びエイロン・デル・ヴァイエがロングシュートを決め、前半はスランゴールが4-0として折り返しました。
 後半もスランゴールは手を抜かず、チームに欠かせない存在になりつつあるヨハンドリ・オロスコが51分にゴールを挙げて5-0としますが、クランタン・ユナイテッドは78分に得たPKを決めてその差を4点とします。ちなみにペナルティエリア内でクランタン・ユナイテッドのヤン・ヴィクトルを倒してこのPKを与えたのは、これまた代表候補のシャヒール・バシャーでした。しかしその後もスランゴールはU19代表のアリフ・イズワンが今季初ゴール、そしてその1分後にはエイロン・デル・ヴァイエがハットトリック達成となるこの試合3点目を決め、終わってみればスランゴールが7-1と圧勝しています。

2023年6月7日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:7,320人
クダ・ダルル・アマン 3-0 ペラ
⚽️クダ:アミルベク・ジュラバエフ2(26分、54分)、ウィリアン・リラ(67分)
🟨クダ:アミルル・アフィク、リー・タック、アリフ・ファルハン
🟨ペラ:サンディ・アフォラビ
MOM:アミルベク・ジュラバエフ(クダ・ダルル・アマン)

 クダは唯一の代表候補に選ばれたリー・タックからのクロスをウィリアン・リラがゴール前に落とすと、それをアミルベク・ジェルバエフが押しこんで25分に先制すると、後半の54分には再びタック選手からのクロスをこの度はアミルベク選手が頭で合わせてゴール!さらに67分には、タック選手のコーナーキックをリラ選手がヘディングシュート。これも決まってクダが3-0で快勝しています。

2023年6月8日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:人
ペナン 1-1 KLシティ
⚽️ペナン:ジオバネ・ゴメス(45+1分)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(7分)
🟨ペナン:ザーリル・アズリ、アディブ・ラオプ、ラフマット・マカスフ
🟨KLシティ:ケニー・パッラジ、ザフリ・ヤハヤ、セバスチャン・アヴァンジーニ、ライアン・ランバート
🟥ペナン:ラフマット・マカスフ(🟨x2)
🟥KLシティ:ジャンカルロ・ガリフオコ
MOM:アディブ・ラオプ(ペナン)

 3連敗中のペナンが2連勝中のKLシティをホームに迎えた試合は、最後は共に10人となった両チームが引き分けています。
 途中1部と2部に分かれるなど対戦がなかった時期があるものの、KLシティが最後にペナンのホームで勝利したのは1987年と36年前のことでした。しかしこの試合は、代表候補に選ばれたパウロ・ジョズエからのパスを受けたチェチェ・キプレがペナンDF2人を振り切って、自身のMリーグ通算100得点目となるゴールを決め、開始7分でKLシティが先制しました。一方のペナンはソニー・サアドを中心にKLゴールを狙いますが、代表候補のGKアズリ・アブドル・ガニに代わってこの試合に先発したU23代表GKアジム・アル=アミンが好守を見せて得点には至りません。しかし前半終了間際のロスタイムにアディブ・ラオプのシュートがKLシティDFに当たって跳ね返ったボールをジオバネ・ゴメスが押し込み、ペナンが同点に追いつきます。
 後半に入ると74分にはKLシティのジャンカルロ・ガリフオコがプロフェッショナルファウルで1発退場となり、ペナンが数的有利になったもののそれを活かせず、後半ロスタイムにはKLシティのライアン・ランバートと揉めたラフマット・マカサフが2枚目のイエローで退場となってしまいます。このプレーでペナンはフリーキックを得ますが、ゴメス選手のシュートは枠内に飛んだもののGKアジム選手が反応よくこれを防ぎ、試合は1-1で終了しています。なおKLシティで代表候補に選ばれたもう1人のザフリ・ヤハヤは前半で後退しています。

2023年6月8日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:986人
PDRM 1-0 サバ
⚽️PDRM:ナビル・ラトピ(26分)
🟨PDRM:アミルル・サイフル、アリフ・ナジミ・シャアイニ
🟨サバ:ダニエル・ティン、ガリー・スティーヴン・ラバト、ラウイルソン・バトゥイル
MOM:アリフ・ナジミ・シャアイニ(PDRM)

 PDRMがホームでサバも撃破し今季初の3連勝。一方のサバは2連敗となっています。
 前節は2位のスランゴールを破ったPDRMは、現在3位のクダにも勝利していますが、この試合でも上位チームキラーぶりを発揮しています。
 試合はサバが優勢にするめるものの、前節は総得点リーグ2位のスランゴールを完封した守備陣がこの試合でも選手たちが身体を張ってボールを止め、バドロル・バクティアルやパク・テスらにシュートを打たれながらも失点を許しません。そして試合が動いたのが25分でした。PDRMはカウンターからサフィー・アフマドがサバDFの裏へ出したパスにナビル・ラトピが反応し、サバDFに競り勝って蹴り込みゴール!PDRMに先制を許したサバは、相手ゴールを目指しますが、PDRMの守備陣が最後まで守り切って3連勝を果たしています。一方のサバは代表候補のドミニク・タン、ダニエル・ティン、スチュアート・ウィルキンの3選手がいずれも目立った活躍ができず、この日の敗戦で今季のアウェイ通算成績が1勝2分4敗となっています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は60分から交代出場し、最後までプレーしています。

2023年6月9日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:2,877人
スリ・パハン 4-3 ヌグリスンビラン
⚽️パハン:ステファノ・ブルンド2(24分PK、90分)、デヴィッド・ローリー(80分)、クパー・シャーマン(90+4分)
⚽️ヌグリスンビラン:エラルド・グロン(8分)、シャーレル・フィクリ(15分)、カサグランデ(24分)
🟨パハン:ズハイル・アイザット
🟨ヌグリスンビラン:シーク・イズハン、ハリズ・カマルディン、ナスルラー・ハニフ、カサグランデ、ハスブラー・アブ・バカル
MOM:ステファノ・ブルンド(スリ・パハン)

 両チーム合わせて7ゴールの試合はパハンが2点差を逆転して連敗を2で止めています。
 第11節までは今季無敗だったパハンは、第12節でジョホールに敗れると、第13節ではKLシティににも敗れて2連敗。一方のヌグリスンビランは直近の4試合を2勝2分と調子を上げています。この試合は序盤は両チームの勢いの差が現れ、原因不明の体調不良による欠場から5試合ぶりに復帰したエラルド・グロンのヘディングシュートでアウェイのヌグリスンビランが8分に先制しました。さらに15分にはこのグロン選手のパスをゴール前でカサグランデが落としたところを代表候補のシャーレル・フィクリが蹴り込んで、ヌグリスンビランがリードを広げます。パハンもステファノ・ブルンドのPKで1点を返しますが、ヌグリはすぐさまカサグランデのゴールで再びリードを広げて前半を終えます。
 後半もパハンは好機を作りながらゴールを破れず、このままヌグリスンビランが逃げ切るかとお話割れましたが、攻守でチームを支えていたエラルド・グロンが69分にケガで退場すると、状況は一変しました。80分にデヴィッド・ローリーのゴールで1点差に迫ったパハンは、90分にブルーノ選手がペナルティエリアの外からフリーキックを決めて同点に追いつくと、ロスタイムにはゴール前へのロングスローにクパー・シャーマンが頭で合わせて逆転ゴールを決めています。代表候補のシーク・イズハンは試合終了前の10分で3ゴールを許し、ヌグリスンビランは手中にしていた勝利を逃しています。

2023年6月9日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:10,819人
トレンガヌ 1-3 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️トレンガヌ:ソニー・ノルデ(28分)
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ(21分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(45+2分)、エンドリック・ドス・サントス(90+4分)
🟨トレンガヌ:アルグジム・レゾヴィッチ
🟨ジョホール:アフィク・ファザイル
🟥トレンガヌ:アルグジム・レゾヴィッチ(🟨x2)、イヴァン・マムート
MOM:ハビブ・ハルーン(トレンガヌ)

 先日発表された代表候補13名(!)を擁するジョホールが一度は追い付かれながらも、審判の力を借りて開幕からの連勝を14に伸ばしています。
 ジョホールはGKシーハン・ハズミを筆頭に、ラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズの左右サイドバック、センターバックのフェロズ・バハルディン、右ウィングのアリフ・アイマンの5名の代表候補が先発、一方のトレンガヌもU23代表と兼任の右サイドバック、アザム・アズミが先発しています。
 試合は21分にリーグ得点王のフェルナンド・フォレスティエリがペナルティエリアの外から見事なバイシクルキックでゴールを決め、ジョホールが先制しますが、トレンガヌも28分にソニー・ノルデのフリーキックが決まり、すぐさま同点に追いつきます。しかしこのまま前半終了かと思われたロスタイムに自陣ペナルティエリア内でノルデ選手がアリフ・アイマンを後ろから引っ掛けてPKを与えると、これをベルグソン・ダ・シルヴァが決めて、ジョホールが2-1とリードして折り返します。
 後半に入るとジョホールは、ナチョ・インサとシャマー・クティ・アッバの両代表候補を投入、トレンガヌを突き放しにかかります。一方のトレンガヌは52分に長身センターバックのアルグジム・レゾヴィッチが2枚目のイエローで退場となりますが、パハンのファンディ・アフマド監督は、逆に攻撃的な選手交代を次々と行なって勝負をかけます。しかし審判の判定が全てを台無しにしてしまいました。68分に投入されたFWイヴァン・マムートがマークについたジョホールDFフェロズ・バハルディンを振り払う際に暴力行為があったとして、75分に1発レッドで退場となります。この試合はテレビで見ていましたが、1発レッドは明らかに厳しすぎる判定で、マムート選手にイエロー、あるいは両選手にイエローあたりが妥当なプレーに見えました。この退場劇で9人となったトレンガヌは流石に防戦一方となり、ロスタイムには、途中出場で代表候補のエンドリックにもゴールを決められて万事休す。審判の判定により後味の悪い試合となりましたが、ジョホールは開幕から14連勝、トレンガヌの連勝は2で止まっています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第14節途中)

順位チーム勝点
1JDT1414005425242
2SEL14101337152231
3KDA1491429181128
4SRP148422314928
5SAB1473430201024
6KLC146532218423
7TRE146262018220
8PDRM146171418-419
9NSE144642227-518
10PEN1443717210-415
11PRK142311932-229
12KLU1413101435-216
13KCH13139726-196
14KEL1311111551-364
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第14節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)155628714
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)133224314
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)94218110
4ウィリアン・リラ(KDA)83611214
ステファノ・ブルンド(SRP)82713013
6ファイサル・ハリム(SEL)72217614
クパー・シャーマン(SRP)72213314
8パク・テス(SAB)6188013
パウロ・ジョズエ(KLC)63318314
チェチェ・キプレ(KLC)6167113
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ
第13節結果とハイライト映像(2)-首位ジョホールが開幕から13連勝で独走体制に、PDRMは鈴木ブルーノのゴールで2位スランゴールを撃破、3位パハンもKLシティに敗れる

 今季のマレーシアスーパーリーグ前半戦最後となる第13節の5試合が6月3日と4日に行われています。首位のジョホール・ダルル・タジムは前半戦を全勝の首位で折り返す一方で、2位のスランゴールは10位のPDRMに0-1で、さらに3位のスリ・パハンも7位のKLシティに1-2といずれも敗れ、首位ジョホールと2位スランゴールとの勝点差が今季最大の11まで開き、ジョホールのリーグ10連覇が早くもちらついています。
 なおマレーシアスーパーリーグは次節第14節を終えると、FIFA国際マッチカレンダーとなるため、2週間の中断期間に入ります。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年6月3日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:1,917人
ペラ 0-3 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:アディサック・クライソーン(6分)、ソニー・ノルデ(16分)、ジョーダン・ミンター(74分)
🟨ペラ:スハイミ・チェ・ハリム
🟨トレンガヌ:リリドン・クラスニキ
MOM:ソニー・ノルデ(トレンガヌ)

 複数年かけての若手育成を理由に、昨季終盤に元マレーシアU16代表監督で、ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンではユースコーチを長年務めたリム・ティオンキム氏を監督に据えたペラは、2勝3分9敗となったところで、突然その方針を変更してリム監督を解任、昨季監督を務めながら結果を出せなかったユスリ・チェ・ラーU21監督を昇格させる愚行を改革を行ったペラ。入れ替え戦のない今季こそ、目の前の結果に拘らず育成をする良い機会を自ら手放しています。そんなペラが相手では、今季は安定した戦いができていないトレンガヌですが、背中を痛めて欠場が続いていたアディサック・クライソーンが復帰初戦でゴールを決めるなど、難なく勝利しています。
 ペラのホームで行われたこの試合の観衆は1,917人と今季のホーム7試合中でイスラム教の断食月ラマダン中に開催されたヌグリスンビラン戦の1,147人に次ぐ少なさでした。開幕戦では15,000人以上を集めたペラですが、チームの迷走状態にサポーターも困惑しているのかも知れません。

2023年6月3日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:4,115人
PDRM 1-0 スランゴール
⚽️PDRM:鈴木ブルーノ(61分)
🟨PDRM:サフィー・アフマド、ナビル・ラトピ、チョー・ミン・ウー、マーカス・マコーレー、ファクルル・アジム
🟨スランゴール:ファイサル・ハリム
MOM:鈴木ブルーノ(PDRM)

 10位のPDRMが2位のスランゴールを破り9位に浮上
 ともにMBPJスタジアムを本拠地とする両チームの対戦は、この試合まで2連勝中のリーグ2位スランゴールが有利というのが戦前の予想でした。蓋を開けてみると、その予想通り、試合開始からスランゴールがPDRMを圧倒し、前半の多くの時間はPDRMサイドでプレーされました。しかしPDRMは190cmを超えるDFジェイムズ・オクウォサを中心に、リーグ得点2位の10ゴールを挙げているスランゴールのエイロン・デル・ヴァイエにシュートをわずか1本しか打たせないなど、勝負どころでは厳しい守備でスランゴールに得点を与えません。しかし、その一方で前線にいる鈴木ブルーノ選手は孤立する場面が多く見られ、PDRMは好機がほとんどないまま前半を終了しました。
 後半に入ってもスランゴール優勢な展開は変わらなかったものの、PDRMは前半以上に厳しい守備とボールを奪ってからのカウンターを見せるなど、前半程は押し込まれる展開とはなりませんでした。そして61分、マーカス・マコーレーからのパスを受けた鈴木選手がそのボールを胸で落としてそのままシュート!これが決まってPDRMが先制します。その後はスランゴールが焦り始める中、時計を進めたいPDRMの選手があちこちで倒れるなどする内に試合終了。PDRMが今季5勝目を挙げると共に順位を一つ上げて9位に浮上。一方のスランゴールは2位のままも、この日も勝利した首位ジョホールとは勝点差11となりました。 

2023年6月3日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:4,115人
ペナン 0-2 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️ジョホール:ラヴェル・コービン=オング(19分)、フェルナンド・フォレスティエリ(85分)
🟨ペナン:ザーリル・アズリ、ラファエル・ヴィトール、ソニー・サアド、A・ナマテヴァン、アズミール・アリス
🟨ジョホール:レアンドロ・ヴァレスケス、アフィク・ファザイル、ベルグソン・ダ・シルヴァ、ナサニエル・シオ、フアン・ムニス
MOM:マシュー・デイヴィーズ(ジョホール・ダルル・タジム)

 首位ジョホールはこの試合もクリーンシートで勝利し、前半戦13試合の失点がわずか1。その一方で得点は51で1試合平均がおよそ4点で得失差がなんと50点、アマチュアの中に1チームだけプロがあるような状況です。なお敗れたペナンは3試合連続の零封負けで、PDRMと代わって10位に後退しています。

2023年6月4日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:325人
クチンシティ 1-1 ヌグリスンビラン
⚽️クチンシティ:ザールル・ニズワン(8分)
⚽️ヌグリスンビラン:カサグランデ(34分)
🟨クチンシティ:ラメシュ・ライ、イスカンダル・シャー、
🟨ヌグリスンビラン:なし
MOM:ミハイロ・ヨヴァノヴィッチ(クチンシティ)

 チーム今季7得点目となるザールル・ニズワンの今季初ゴールでホームのクチンシティが1-0とリードしますが、ヌグリスンビランはエースのカサグランデがクチンシティのDF2人に挟まれながらも同点ゴールを決めて前半は1-1で終了します。後半はヌグリスンビランが押し気味に試合を進めるも、両チームともゴールを破れず、試合は引き分けに終わっています。
 クチンシティは前節のKLシティ戦に続く勝点1を挙げています。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。

2023年6月4日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:4,804人
スリ・パハン 1-2 KLシティ
⚽️パハン:ステファノ・ブルンド(58分PK)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(5分)、パウロ・ジョズエ(76分)
🟨パハン:デヴィッド・ローリー、ファドリ・シャス、
🟨KLシティ:ライアン・ランバート、セバスチャン・アヴァンジーニ
MOM:パウロ・ジョズエ(KLシティ)

 前節の今季無敗チーム同士の対戦となったジョホール戦に敗れて今季初黒星を喫したパハンがこの試合でも敗れて2連敗しています。
 開始5分にチェチェ・キプレのゴールで先制したKLシティが1-0でリードして前半を終えると、アザム・アジー、エゼキエル・アグエロの両司令塔を欠くスリ・パハンは決めてを欠くものの、58分にトップチームデビューとなったKLシティのGKアジム・アル=アミンがゴール前へのクロスを捕球ミスし、さらにそのボールに詰めていたパハンのアズリフ・ナスルルハクを倒してしまい、パハンがPKを得ます。このPKをステファノ・ブルーノが決めて、パハンが同点に追いつきます。しかし、最後に笑ったのはKLシティでした。75分にパハンのペナルティエリアの外で得たフリーキックをキャプテンのパウロ・ジョズエが直接ゴール!この1点を守り切ったKLシティが勝利し、順位をひとつ上げて6位となっています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第13節終了)

順位チーム勝点
1JDT1313005115039
2SEL1391330141628
3SRP137421911825
4KDA138142618825
5SAB1373330191124
6KLC136432117422
7TRE136251915420
8NSE134631923-418
9PDRM135171318-516
10PEN134271620-414
11PRK132310929-209
12KLU131391328-156
13KCH13139726-196
14KEL1311111551-364
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第13節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)145126713
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)102519113
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)8371619
4ウィリアン・リラ(KDA)73410213
5クパー・シャーマン(SRP)61910213
ステファノ・ブルンド(SRP)62211012
ファイサル・ハリム(SEL)62116413
パク・テス(SAB)6168012
パウロ・ジョズエ(KLC)63117213
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ第13節結果とハイライト映像(1)-クランタンUは今季初勝利で最下位脱出

 今季のマレーシアスーパーリーグ前半戦最後となる第13節の2試合が6月2日に行われ、いずれもクランタン州を本拠地とする2チームによる「クランタンダービー」は、クランタン・ユナイテッドが今季最多の4ゴールを挙げて快勝しています。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年6月2日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:9,741人
クダ・ダルル・アマン 2-1 サバ
⚽️クダ:リー・タック2(40分、71分)
⚽️サバ:ガブリエル・ペレス(7分)
🟨クダ:ボヤン・シーゲル、リー・タック、イフワット・アクマル
🟨サバ:バドロル・バクティアル、イルファン・ザカリア
MOM:マヌエル・オット(クダ・ダルル・アマン)

 4位サバと5位クダの対戦は、ホームのクダがリー・タックの2ゴールで勝利し、順位を1つ上げて4位となっています。
 クダは今季の正GKカラムラー・アル=ハフィズがベンチ外で、GKイクワット・アクマルが今季初出場で初先発しています。前半はシュート数がクダ11本(枠内2本)、サバ2本(同1本)、前後半合わせるとクダ19本(同5本)、サバ6本(同4本)と、クダが圧倒的な好機を得ながら、サバが7分にバドロル・バクティアルのフリーキックをガブリエル・ペレスが頭で合わせて先制ゴールを決めてリードします。その勢いで攻め込みたいサバでしたが、30分過ぎにジャイルトン・ダ・シルヴァがクダDFボヤン・シーゲルと激しくぶつかり、担架で運び出された後に救急車で搬送されてしまいます。一方クダは40分にマヌエル・イダルゴがサバDFラインの裏に絶妙なクロスを送り、これをリー・タックが飛び出したGKの頭上を超える技ありのシュートで同点に追いつき、前半はこのまま1-1で終了します。
 後半に入ってもクダが攻め続け、71分にはイダルゴ選手のクロスをサバDFがクリアしたものの、それを拾ったタック選手がこの試合2点目のゴールを挙げ、これが決勝点となってクダがサバを破り、サバと交代で4位に浮上しています。

2023年6月2日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:2, 910人
クランタン・ユナイテッド 4-1 クランタン
⚽️クランタン・ユナイテッド:デヴィッド・シルヴァ(21分)、O・J・ポルテリア2(26分、61分)、シャズワン・ザイノン(66分)
⚽️クランタン:イスマイル・アキナーデ(45+4分)
🟨クランタン・ユナイテッド:ラティフ・スハイミ、ファンディ・オスマン、カイルル・アズリン
🟨クランタン:アフザル・アクバル、フランク・バーンハート監督
MOM:O・J・ポルテリア(クランタン・ユナイテッド)

 いずれもスルタン・ムハマド4世スタジアムをホームとする13位のクランタンと14位のクランタン・ユナイテッドが対戦した「クランタンダービー」は、クランタン・ユナイテッドが今季最多の4ゴールを挙げて、待望の今季初勝利を挙げています。
 試合前には、結果が出ていないという理由から給料の50%を支払っていなかったクランタンのオーナーが、未払い分を支払うことを表明したことから、クランタンの選手たちのモチベーションがどれくらい上がるのかが期待されましたが、この試合ではそれが見える形には現れませんでした。
 開始10分で既にピッチの一部に水が浮くほどの豪雨の中で行われたこの試合は、試合開始から両チームが激しくせめぎ合う展開となりましたが、滑りやすくなったピッチで共にボールコントロールに苦しむ中、21分に右サイドからのカウンターで前線にボールを運んだクランタン・ユナイテッドは、シャズワン・ザイノンのクロスはクランタンGKに弾かれたものの、そのボールはゴールポストに当たって跳ね返りゴール前に詰めていたデヴィッド・シルヴァの足元へ。これをシルヴァ選手が落ち着いて決め、クランタン・ユナイテッドが先制します。さらにその5分後にはO・J・ポルテリアが2試合連続となるゴールを決めて、クランタン・ユナイテッドはリードを広げます。その後は雨が強まり、試合は38分から1時間以上中断しましたが、前半終了間際のロスタイムに、相手ペナルティーエリアでクランタンのミゲル・シフエンテスがスハイミ・ラティフに倒されて得たPKをイスマイル・アキナーデが決めて、前半はクランタン・ユナイテッドが2-1とリードして終了しました。
 後半に入ってもクランタン・ユナイテッドは攻撃の手を緩めず、61分にはO・J・ポルテリアがゴール前の混戦から溢れたボールをペナルティエリアの外から豪快に蹴り込み、この試合自身2点目となるゴールを決めると、その5分後にはシャズワン・ザイノンがダメ押しのゴール。終盤に反撃姿勢を見せたクランタンでしたが、シュートも枠を捉えることができずに敗れて今季初の最下位に転落しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第13節途中)

順位チーム勝点
1JDT1212004914836
2SEL1291230131728
3SRP12741189925
4KDA138142618825
5SAB1373330191124
6KLC115431916319
7TRE125251615117
8NSE124531822-417
9PEN124261618-214
10PDRM124171218-613
11PRK12237926-179
12KLU131391328-156
13KCH12129625-195
14KEL1211101447-334
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第13節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)134525712
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)102419112
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)8341518
4ウィリアン・リラ(KDA)73210212
5クパー・シャーマン(SRP)61910212
ファイサル・ハリム(SEL)61916412
パク・テス(SAB)6168011
8アリフ・アイマン(JDT)5209912
フアン・ムニス(JDT)52012010
ステファノ・ブルンド(SRP)52110011
スーニー・サアド(PEN)53316011
パウロ・ジョズエ(KLC)53016212
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

マレーシアFAカップ
準々決勝の結果とハイライト映像-ベスト4はジョホール対スランゴール、トレンガヌ対KLシティに決定

5月27日と28日にマレーシアFAカップ2023の準々決勝4試合が行われ、リーグ戦では首位を快走するジョホール・ダルル・タジム、2位のスランゴール、6位のKLシティ、7位のトレンガヌがベスト4進出を決めています。
 準決勝の2試合のカードは6月24日にジョホール対スランゴールがジョホールのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムで、6月25日にトレンガヌ対KLシティがトレンガヌのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで予定されています。
 (試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアFAカップ2023準々決勝
2023年5月27日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:5,263人
トレンガヌ 4-2 クランタン
⚽️トレンガヌ:アザム・アズミ(17分)、イヴァン・マムート(41分)、ソニー・ノルデ(52分)、シャフィク・イスマイル(82分)
⚽️クランタン:イスマヒル・アキナーデ2(45分、63分PK)
🟨トレンガヌ:シャールル・ニザム、ハビブ・ハルーン、サルドール・クルマトフ
🟨クランタン:なし
MOM:イスマヒル・アキナーデ(クランタン)

 昨季のFAカップのセミファイナリスト、トレンガヌが順当に勝利して準決勝進出を決めています。
 マレー半島東海岸に面し、互いに隣接しているクランタン州とトレンガヌ州に本拠地を持つ両チームの対戦は「東海岸ダービー」として知られていますが、この日の試合は気温32度と暑さが残る午後5時というMリーグでは珍しい時間に始まりました。
 リーグ7位のトレンガヌは、同13位のクランタンを相手に17分にU23代表アザム・アズミの強烈なゴールで先制すると、41分にはクランタンGKの位置をよく見ていたイヴァン・マムートがGKの頭上を浮き球で越える技ありの2点目のゴールを挙げて、クランタンを引き離します。しかし前半終了間際にクランタンもトレンガヌDFを振り切ったイスマヒル・アキネードがゴールをねじ込み、前半はトレンガヌが1点をリードして終了します。
 後半に入ると司令塔ハビブ・ハルーンからのパスを受けたソニー・ノルデがクランタンGKを落ち着いてかわしてゴールを決め、トレンガヌが再びリードを広げます。クランタンは64分にアキネード選手が2点目となるPKを決める1点差に詰め寄るものの、トレンガヌもU23代表のシャフィク・イスマイルがペナルティエリアの外から強烈なゴールを決めて4-2とすると、試合はそのまま終了。若い選手と外国籍選手がうまく連動したトレンガヌが準決勝進出を決めています。
 しかしトレンガヌにとって残念なのは、4点目を決めたシャフィク・イスマイルがゴールを決めた5分後に膝を痛めて交代しましたが、診断の結果は膝前十字靱帯ACL断裂でした。今季の残り試合捨城が絶望となっただけでなく、主力として活躍するU23代表にとっても東南アジアAFF U23選手権、AFC U23アジアカップ予選と重要な試合が控える中でのシャフィク選手のケガはトレンガヌだけでなく、U23代表にとっても大きな痛手となります。

マレーシアFAカップ2023準々決勝
2023年5月27日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:5,263人
ヌグリスンビラン 1-3 スランゴール
⚽️ヌグリスンビラン:サフワン・バハルディン(1分)
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル(3分)、ヨハンドリ・オロスコ2(60分、87分)
🟨ヌグリスンビラン:ナスルラー・ハニフ
🟨スランゴール:なし
MOM:ヨハンドリ・オロスコ(スランゴール)

 ホームのヌグリスンビランはゴール前へのロングスローに走り込んできたサフワン・バハルディンが頭で合わせてゴール!わずか開始1分でヌグリスンビランが先制します。意表をつかれたスランゴールでしたがその3分後、ファイサル・ハリムからのパスを受けたムカイリ・アジマルがエイロン・デル・ヴァイエとのパス交換からDFをかわしてゴールを決め、スランゴールが追いつきます。そこからはスランゴールがヌグリスンビランを圧倒しますが、スランゴールから期限付き移籍中のヌグリスンビランGKシーク・イズハンの攻守もあり得点は奪えず、前半は1-1のまま終了します。
 後半に入ってもスランゴール優位で試合が進む中、60分には相手DFのクリアミスを奪ったヨハンドリ・オロスコがゴールを決めてスランゴールがリードすると、さらにオロスコ選手は87分にも今度は左足でゴールを決め、スランゴールがベスト4に進出しています。

マレーシアFAカップ2023準々決勝
2023年5月28日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:6,797人
サバ 1-2 KLシティ
⚽️サバ:ガブリエル・ピレス(6分)
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(30分)、T・サラヴァナン(44分)
🟨サバ:なし
🟨KLシティ:デクラン・ランバート
MOM:アジム・アル=アミン(KLシティ)

 リーグ戦では5戦負けなしと調子を上げてきたサバですが、この試合ではサディル・ラムダニがケガのためベンチ外、カン・ミンコとイルファン・ザカリアもやはりケガでベンチスタートとなるなど、苦しいメンバーでの試合を強いられたサバでしたが、それでも試合はサバのペースで進み、先制点もサバが挙げています。6分にジャイルトン・ダ・シルヴァがKLシティペナルティエリアで倒された得たPKをガブリエル・ピレスが決めて1-0とサバがリードします。しかしKLシティも30分にロメル・モラレスのゴールで追いつくと、U23代表のT・サラヴァナンが自陣に1人だけ残っていたサバDFリザル・ガザリに競り勝って得たボールを、GKカイルル・ファーミをかわしてゴール!これが決勝点となり、KLシティがトレンガヌとの準決勝に進んでいます。
 サバはリーグ戦でも開幕から勝ち星がなかったKLシティに敗れて今季初勝利を献上しており、相性が悪い相手に敗れた形になりました。

マレーシアFAカップ2023準々決勝
2023年5月28日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:14,779人
ジョホール・ダルル・タジム 5-0 ペナン
⚽️ジョホール:、ウスマン・ファネ(32分OG)、ジョルディ・アマト(38分)、アリフ・アイマン(49分PK)、ラヴェル・コービン=オング(58分)、シャフィク・アフマド(90+2分)
🟨ジョホール:エンドリック・ドス・サントス、ラヴェル・コービン=オング
🟨ペナン:ファリス・シャー、アスナン・アフマド
MOM:ジョルディ・アマト(ジョホール・ダルル・タジム)

 昨季のFAカップチャンピオンのジョホールがペナンを圧倒しています。
 リーグ首位を快走するジョホールは、エステバン・ソラリ監督がリーグ戦のメンバーから主力を休ませる余裕を見せ、この試合ではベルグソン・ダ・シルヴァに代わりジオゴ、オスカル・アリバスに代わりラヴェル・コービン=オング、フェロズ・バハルディンに代わりシェーン・ローリー、ナサニエル・シオに代えてナチョ・インサ、そしてリーグ戦ではまだ今季出場がないGKファリザル・マーリアスをシーハン・ハズミに代えて起用しています。
 選手が代わっても個々の選手の能力が高いジョホールは、この試合でも開始からペナンを圧倒、前半は守備的な布陣のペナンサイドでのプレー時間が長くなります。そして32分にペナンDFウスマン・ファネがジオゴとこぼれ球を競りながら、プレッシャーを受けて自陣ゴールの蹴り込んでオウンゴール。ジョホールが先制しました。その後は38分にジョルディ・アマトが今季初ゴールを挙げ、前半はジョホールが2-0として終了しました。
 後半は49分に相手DFのハンドで得たPKをアリフ・アイマンが決めて3点目、さらにゴール前のこぼれ球を拾ったフアン・ムニョスが出したパスをラヴェル・コービン=オングが押し込んで4点目、そしてロスタイムには今季も不遇なシーズンを過ごしているボラセパマレーシアJP推しのシャフィク・アフマドが今季3試合目の出場ながらゴールを決めてダメ押ししています。

5月29日のニュース
ペラFCがリム・ティオンキム監督解任-スーパーリーグでは既に3チームで監督交代
AFC U23アジアカップ予選の組み合わ施決定-東南アジア競技大会で敗れたタイと再び同組に
昨季の給料未払い問題が未だ解決していないサラワク・ユナイテッドは裁判で決着か

ペラFCがリム・ティオンキム監督解任-スーパーリーグでは既に3チームで監督交代

スーパーリーグのペラFCがリム・ティオンキム監督の即時解任と、U23チームのユスリ・チェ・ラー監督の監督代行就任を発表しています。今季のスーパーリーグではクランタンFCのチェ・ムンシク監督、クランタン・ユナイテッドFCのトマス・トルチャ監督が既に解任されており、この2名に続く、3人目の監督解任となりました。

ペラFCはクラブ創設100周年目となる2021年シーズン途中に給料未払い問題で主力選手が大量退団し、しかも新規選手獲得禁止処分を受け、1部スーパーリーグから2部プレミアリーグに降格しました。U19やU21の選手をトップチームに昇格させて戦った昨季2022年シーズンもプレミアリーグで9位(10チーム中)と低迷したクラブは、2022年9月にチームの立て直しを目指してリム監督と契約を結びました。1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの合併というリーグ統合により、本来なら昇格すべきではないスーパーリーグで今季はプレーすることになったペラは、3シーズンぶりにマレーシア復帰となったハディ・ファイヤッドらを補強したものの、第12節を終えて2勝3分7敗の11位と低迷がつづいていました。

リム監督は試合後の会見で敗戦の原因を尋ねられると、質問者に「自分で考えろ」と返答し、またチームのサポーターに対しても否定的な発言をするなど、その対応にも問題があったものの、その一方では、経験不足の若い選手が多いチーム事情を理解して欲しいと話すなど、他のクラブと比べると明らかに劣る現在のチーム状況に苦しんでいたのも事実でした。しかしトップリーグでプレーする以上、育成は重要ではなく結果が全てだったようです。

ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンのユースチームコーチを12年間務めたリム氏は、2013年にマレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同で設立した国家サッカー選手養成プログラムNFDPの責任者に就任するために三顧の礼を尽くして招かれました。さらに2016年にはNFDPの中核となるエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーの責任者に、また2018年にはマレーシアU17代表の監督にも就任しています。これらは全て2018年にマレーシアで開催されたAFC U17アジアカップで準決勝に進出し、翌年2019年のFIFA U17ワールドカップ出場を目指して準備されたものでしたが、大会では日本、タジキスタン、タイと同組になったグループステージで最下位となり敗退した結果、FAMはU16監督を解任しました。その後は、政権交代により新たに青年スポーツ相に就任したサイド・サディック大臣にその給与が税引き後17万5000リンギ(現在のレートでおよそ540万円)であることを暴露されると、その高給に非難も集まり、リム氏は全ての職を離れています。

AFC U23アジアカップ予選の組み合わ施決定-東南アジア競技大会で敗れたタイと再び同組に

来年2024年4月15日から5月3日までカタールで開催されるAFC U23アジアカップ2024年大会予選の組み合わせ抽選がクアラルンプールで行われ、マレーシアはタイ、フィリピンの東南アジア2ヵ国、そしてバングラデシュと共にH組に入っています。

タイが開催国となる予選H組は9月6日から12日に試合が行われ、マレーシアは9月6日のバングラデシュ戦で開幕し、9月9日にはフィリピン戦、そして9月12日の最終日にタイ戦という日程となることも発表されています。

11組に分かれて争う予選では、各組の1位、そして各組2位の成績上位4チームの合計15チームと開催国カタールの16チームが本大会に出場します。なおこのAFC U23アジアカップ2024年大会はパリオリンピックの予選も兼ねており、大会上位3チームは、来年7月から8月にかけて開催されるパリオリンピックの出場権を獲得します。

なおマレーシアサッカー協会FAMは、今年9月に中国の杭州で開催されるアジア競技大会がこのAFC U23アジアカップ2024大会予選と日程が近いことから、アジアカップ予選に専念させるため、アジア競技大会にU23代表を派遣しないことを既に表明しています。

昨季の給料未払い問題が未だ解決していないサラワク・ユナイテッドは裁判で決着か

昨季中に給料未払い問題が発覚し、スーパーリーグ出場に必要な国内クラブライセンスが交付されなかったサラワク・ユナイテッドFCは、スーパーリーグ参加ができなくなると経営陣を一新し、今季は3部に当たるセミプロリーグのM3リーグに参加していますが、そのサラワク・ユナイテッドFCは、未だに昨季の給料未払い問題が解決していないと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

昨季はテクニカルディレクターとして、また開幕直前の2月に当時のE・エラヴァラサン監督がマレーシア代表コーチに就任した直後から6月に体調不良で辞任するまでは監督代行も務めたB・サティアナタン氏によると、サラワク・ユナイテッドFCからは未だに5ヶ月分の給料が支払らわれていないということです。

サティアナタン氏によると、当時のサラワク・ユナイテッドのオーナーでもあるサラワク州サッカー協会のポサ・マジャイス会長は、サラワク州政府からの未払い給料を完済するための資金を待っている段階だと説明する手紙を選手や他のコーチなど関係者全員に送っているということですが、その一方でサラワク州のアバン・ジョハリ・トゥン・オペン首相は、州政府は既にサラワク・ユナイテッドに多額の資金を投入しているにもかかわらず何も解決されていないとして、さらなる資金援助を行う予定がないことを明言しています。

サティアナタン氏は、サラワク・ユナイテッドは2021年にはチームの年間予算として1000万リンギ(およそ3億1000万円)をサラワク州政府から受け取っており、さらに1200万リンギ(およそ3億7000万円)の追加支援を受け取ることになっていたものの、最終的には外国籍選手獲得費用も含めた出費を500万リンギに抑えられたことも明らかにしています。

さらに昨年の6月には、サラワク・ユナイテッドが州政府から560万リンギを未払い給料の支払いのために受け取ったと聞いたものの、その際には選手、監督、コーチとも1ヶ月分の給料しか支払われなかったとしています。さらに自身に関して言えば契約内容に含まれていたはずの保険の保険料が支払わられていなかったこと、また練習に必要な用具が足りず、その購入費用も自身のポケットから支払ったことなども明らかにしています。

この給料未払い問題に対して、サラワク・ユナイテッドの選手と監督、コーチは既にマレーシアサッカー協会FAMとFIFAに報告済みだということですが、FAMの紛争解決委員会からサラワク・ユナイテッドには既に給料支払命令が出されているにもかかわらず、支払いは行われていないということです。状況が変わらないことに痺れを切らしたサティアナタン氏を含めた元選手やコーチは、サラワク・ユナイテッドに対して訴訟を起こすことも検討しているということです。

2023マレーシアスーパーリーグ
第12節結果とハイライト映像
ジョホールがパハンとの無敗対決を制していよいよ独走体制に
クランタンUは2度のリードを守れず今季初勝利はお預けに

 5月23日と24日にマレーシアスーパーリーグ第12節が開催されています。首位ジョホール・ダルル・タジム対3位スリ・パハン、2位スランゴール対4位クダ・ダルル・アマンの上位チーム同士のマッチアップがあり、前半戦の天王山ともいえる今節はでしたが、上位チームが順当に勝利を収めています。またクランタン・ユナイテッドとクチンシティの旧プレミアリーグ組がいずれも旧スーパーリーグ組の上位クラブ相手に引き分けて久しぶりの勝ち点を上げています。この他、今節第12節終了後には2勝3分7敗で11位に低迷するペラのリム・ティオンキム監督が解任され、これで今季、解任された監督は3人目となりました。
 なお今週末はFAカップの試合があるため、スーパーリーグの次節第13節は10日ほど間を開けて、6月2日から4日に開催が予定されています。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年5月23日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:5,666人
サバ 3-1 ペラ
⚽️サバ:ダレン・ロック(4分)、パク・テス(32分)、バドロル・バクティアル(41分)
⚽️ペラ:ハリス・ナイム(83分)
🟨サバ:バドロル・バクティアル、リザル・ガザリ
🟨ペラ:ラジャ・イムラン、サンディ・アフォラビ
MOM:パク・テス(サバ)

 前半だけで3ゴールを挙げたサバ、ペラの反撃を1点に抑えて快勝。
 前節はトレンガヌと引き分け、ホームでの連勝記録が5で止まったサバですが、この試合では開始4分にゴール前の混戦からダレン・ロックが2試合連続ゴールとなるシュートを決めて先制すると、32分にはチーム得点王のパク・テスが今季6ゴール目を決め、さらに41分にはキャプテンのバドロル・バクティアもゴールを決め、サバが3-0とリードして前半を終了します。
 後半に入ると、ややペースを落としたサバに対し、ペラは前線からプレッシャーをかけて積極的にボールを奪いにかかり、そこからのカウンターへと繋ぐ戦術へと切り替えます。それが功を奏したのが83分のハリス・ナイムのゴールでしたが、前半の大量失点が最後まで響き、試合はそのまま3-1でサバが勝利しています。
 なおペラは、この試合の2日後の5月25日にリム・ティオンキム監督の解任を発表しています。第12節を終えて2勝3分7敗の11位という順位は、若い選手が多く、シーズンオフに大型補強を行ったわけでもない現在の戦力では順当とも言えるもので、正直なところ誰が監督になっても状況は急激に改善するとは思えません。

2023年5月23日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:651人
クランタン 1-4 PDRM
⚽️クランタン:ミゲル・シフエンテス(90+4分)
⚽️PDRM:マーカス・マコーレー(15分)、ナビル・ラトピ(33分)、ウチェ・アグバ(65分):鈴木ブルーノ(90分PK)
🟨クランタン:ガファル・アブドル・ラーマン、ヌハ・マロング、キム・ミンギュ、アリプ・アミルディン
🟨PDRM:ファディ・アワド、イザック・イズハン
MOM:ファディ・アワド(PDRM)

 いずれも昨季は2部プレミアリーグでプレーした昇格組同士の対戦となったこの試合は、今季既に3勝を挙げているPDRMが、今季1勝のクランタンを一蹴しています。
 選手たちのパフォーマンスがチームが求めるKPI(重要業績評価指標)に達していないとして、次に勝つまで選手の給料を50%カットするとオーナーが発言するなど、ピッチ外での話題が先行するクランタンですが、熱狂的なサポーターが多いことで知られるチームで、今季ここまでのホーム4試合はいずれも5,000名以上の観衆を集めていました。しかしこの日の試合は、5,000名どころか1,000名を割り込み、今季ホーム最小観客数となる651名でした。品質の低いユニフォームを高値でサポーターに売りつけているなどの批判も出ているオーナーのチームをサポーターも見放したのでしょうか。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は71分から出場し、今季3ゴール目をPKで決めています。

2023年5月23日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:1,114人
ヌグリスンビラン 3-3 クランタン・ユナイテッド
⚽️ヌグリスンビラン:シャーレル・フィクリ(36分)、ハフィズ・ラマダン(71分)、フィレモン・アニー(90+5分)
⚽️クランタン:O・J・ポルテリア(15分)、シャズワン・ザイノン(33分)、インドラ・プトラ(80分PK)
🟨ヌグリスンビラン:アナス・ラーマット、サフワン・バハルディン
🟨クランタン:O・J・ポルテリア、アシュラフ・オマル、
MOM:サフワン・バハルディン(ヌグリスンビラン)

 クランタン・ユナイテッドがロスタイムの失点で今季初勝利を逃しています。
 2連勝で順位を7位まで上げてきたヌグリスンビランが今季未勝利のクランタン・ユナイテッドをホームに迎えたこの試合は、前節で敗れたもののKLシティに善戦したクランタン・ユナイテッドが積極的に攻め、15分に相手DFのミスからボールを奪ったO・J・ポルテリアが3月31日以来およそ2ヶ月ぶりゴールを決めて先制します。さらに33分にはゴール前に上がったクロスをポルテリア選手が頭で落とし、これをシャズワン・ザイノンがノートラップでシュートし、クランタン・ユナイテッドがリードを広げます。しかしその3分後にはヌグリスンビランもシャーレル・フィクリのゴールで1点を返して、前半はクランタンが1点リードで終了します。
 後半に入ると両チームとも攻めあぐむ展開となる中、71分にハフィス・ラマダンがペナルティエリアの外から同点ゴールを決めて、試合は振り出しに戻ります。しかし80分には相手ゴール前でグレゴリー・メンデスが倒されクランタン・ユナイテッドがPKを得ると、これを41歳のキャプテン、インドラ・プトラがスーパーリーグ通算104得点となるゴールを決め、今季チーム最多となる3点目を挙げたクランタン・ユナイテッドが再びリードを奪います。そして試合は90分を過ぎ、クランタン・ユナイテッドの今季初勝利を飾るかと思われた90+5分、右サイドからフィレモン・アニーがクランタン・ユナイテッドゴール前にロングボールを蹴り込むと、パンチングで逃れようとしたGKアシュラフ・オマルの指先を掠めるようにゴールに吸い込まれ、土壇場でヌグリスンビランが引き分けに持ち込んでいます。

2023年5月24日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:14,684人
ジョホール・ダルル・タジム 2-0 スリ・パハン
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ(45+1分)、フェルナンド・フォレスティエリ(74分)
🟨ジョホール:アフィク・ファザイル、レアンドロ・ヴェラスケス
🟨パハン:デヴィッド・ローリー、ニコラス・スウィラッド
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(ジョホール・ダルル・タジム)

 開幕から11連勝中のジョホールと7勝4分のパハンの今季無敗チーム同士の対戦は今節最も注目されたマッチアップでしたが、地力に勝るジョホールがパハンを破李、独走体制を固めています。
 パハンのファンディ・アフマド監督は今季ここまで11試合で47得点のジョホールに対し、試合前には守備的な戦術で臨みたいと話していましたが、その言葉通り、前半はGKザリフ・イルファンとDF陣が文字通り身体を張って守り、時折カウンターしかけるなど善戦ます。しかしロスタイムにジョルディ・アマトがパハンDFラインの裏へ出したロングフィードを左サイドで拾ったフェルナンド・フォレスティエリがセンタリング。これをベルグソン・ダ・シルヴァがDFに競り勝ってゴールし、ジョホールがリードして前半を折り返します。
 後半の74分にはリーグ得点王のフォレスティエリ選手が、5試合連続となる今季13ゴール目を決めてパハンを突き放し、ジョホールが開幕からの連勝を12に伸ばしています。

2023年5月24日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:10,637人
スランゴール 3-2 クダ・ダルル・アマン
⚽️スランゴール:エイロン・デル・ヴァイエ(23分)、ファイサル・ハリム(40分)、ノール・アル=ラワブデ(78分)
⚽️クダ:アミールベク・ジュラバエフ(6分)、ウィリアン・リラ(28分)
🟨スランゴール:なし
🟨クダ:カラムラー・アル=ハフィズ、カミル・アクマル
🟥クダ:カミル・アクマル
MOM:ファイサル・ハリム(スランゴール)

 首位ジョホールを勝点差8で追う2位スランゴールは、これ以上、勝点で離されるわけにはいかず、また4位のクダはAFCカップ出場枠が懸かる2位争いに残るためには勝利が必至ですが、そんな中で先制したのはアウェイのクダでした。開始6分に右コーナーキックから、ゴール前でマークがはずれたアミールベク・ジュラバエフの今季初ゴールでクダが先制します。しかしスランゴールはペナルティエリア内でヨハンドリ・オロスコが倒されていたPKをエイロン・デル・ヴァイエが決めて同点に追いつきます。しかしその5分後にクダは、昨季はJリーグの甲府でプレーしたウィリアン・リラがペナルティエリア内でDFをかわしてゴールを決め再びリードを奪います。するとスランゴールもファイサル・ハリムのゴールで40分に再び追いつき、前半は2-2で終了します。
 後半に入るとギアを挙げたスランゴールは好機を作りますが、得点には至らないまま試合が進みます。それでも77分にペナルティエリアの外でムカイリ・アジマルが倒されてPKを得ると、そのPKからのゴール前のこぼれ球をノール・アル=ラワブデが押し込み、この試合初めてスランゴールがリードを奪います。その後もクダの反撃に耐え切ったスランゴールが逃げ切り2連勝。一方のクダは連勝が2でストップしています。

2023年5月24日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:3,300人
トレンガヌ 1-0 ペナン
⚽️トレンガヌ:アンク・ヌル・シャキル(74分)
🟨トレンガヌ:なし
🟨ペナン:ウスマン・ファネ
MOM:シャールル・ニザム(トレンガヌ)

 3試合ぶりの勝利を挙げたトレンガヌが7位に浮上しています。
 今季ここまでの4勝全てがホームというトレンガヌは、この日は司令塔ハビブ・ハルーンが警告累積による出場停止、またタイ代表FWのアディサック・クライソーンは背中を痛めてベンチ外と主力を欠く苦しい布陣でこの試合に臨みましたが、前半は両チームとも決め手を欠く展開となり0-0で終了します。
 ハビブ選手不在の影響が大きいトレンガヌは、後半に入ると押し気味に試合を進めるものの相手ゴールを破れないまま試合が進みます。そんな中、トレンガヌのトミスラフ・スタインブリュックナー監督は、イヴァン・マムート、アンク・ヌル・シャキル、ニック・ハセフィーのFW3名を次々と投入して勝負を賭けますが、それが功を奏し、ソニー・ノルデからのパスを受けたアンク・ヌル・シャキルがペナンDFをかわして74分に決勝ゴールとなるシュートを決めています。
 

2023年5月24日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
観衆:610人
KLシティ 1-1 クチンシティ
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(86分PK)
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(90+4分)
🟨KLシティ:なし
🟨クチンシティ:谷川由来、ズルアズラン・イブラヒム
MOM:アブ・カマラ(クチンシティ)

 クチンシティがロスタイムの同点ゴールを決めて執念の引き分けに持ち込んでいます。
 リーグ6位のKLシティが13位で開幕戦以来勝利がないクチンシティの対戦は、ホームのKLシティが試合を終始優勢に進めるものの、クチンシティの粘り強い守備もあり、ゴールには至らず前半は0-0で終了します。
 後半に入ってもKLシティは好機を得ながら、いずれもシュートが枠を外れるなどが、0-0での引き分けが見えてきた86分、クチンシティのセリオ・サントスが自陣ペナルティエリア内で、KLシティのショーン・ジャネッリを倒してPKを与えてしまいます。このPKをチェチェ・キプレが決めたKLシティが待望の1点を挙げてリードを奪うと、試合はロスタイムへ突入します。自陣でFKを得たクチンシティはアダム・シャリンがKLペナルティエリアへロングボールを蹴り込むと、これをセリオ・サントスがヘディングでゴール前へ、そしてそれをアイルトン・アレモンが落とすと、この日は先発を外れていた昨季の2部プレミアリーグ得点王のアブ・カマラがシュート!これが決まって、クチンシティは土壇場で追いつくと共に、4試合ぶりの勝ち点を上げています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第12節終了時)

順位チーム勝点
1JDT1212004914836
2SEL1291230131728
3SRP12741189925
4SAB1273229171224
5KDA127142418622
6KLC115431916319
7TRE125251615117
8NSE124531822-417
9PEN124261618-214
10PDRM124171218-613
11PRK12237926-179
12KCH12129625-195
13KEL121191343-304
14KLU12039927-183
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第12節終了時-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)134525712
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)102419112
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)8341518
4ウィリアン・リラ(KDA)73210212
5クパー・シャーマン(SRP)61910212
ファイサル・ハリム(SEL)61916412
パク・テス(SAB)6168011
8アリフ・アイマン(JDT)5209912
フアン・ムニス(JDT)52012010
ステファノ・ブルンド(SRP)52110011
スーニー・サアド(PEN)53316011
パウロ・ジョズエ(KLC)53016212
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC