マレーシアスーパーリーグ第22節の1試合が行われ、9月24日のマレーシアカップ準々決勝では、ホームアンドアウェイの通算成績1-3でトレンガヌFCに敗れていたスランゴールFCが、その敗戦の鬱憤を晴らすかの様にトレンガヌのホームで4ゴールを決めて勝利しています。今季はすでにジョホール・ダルル・タジムFCが優勝を決めており、残る4節では来季新設されるAFCチャンピオンズリーグ2の出場権がかかるリーグ2位争いに注目が移っていますが、このスランゴールと、今節KLシティを破ったクダ・ダルル・アマンとの勝点差は5となり、スランゴールは残り3試合、クダは残り4試合と最後まで争いが続きそうです。 また9月29日にスルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)で予定されていたクランタンFC対サバFCは、試合前の豪雨によりピッチが冠水し試合開催が不可能となったため、順延されています (試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)
2023年9月29日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ) 観衆: 7,456人トレンガヌFC 0-4 スランゴールFC ⚽️スランゴール:ヨハンドリ・オロスコ2(26分、41分)、ファイサル・ハリム(52分)、アリフ・イズワン・ユスラン(81分) 🟨トレンガヌ(0) 🟨スランゴール(1): ハリス・ハイカル MOM:ヨハンドリ・オロスコ(スランゴールFC)
9月24日に行われたマレーシアカップ準々決勝と同じマッチアップとなったこの試合は、5日前に引き分けてマレーシアカップ準決勝進出を逃したリーグ2位のスランゴールが、6位のトレンガヌに快勝して、3位のクダとの勝点差を5に広げています。
5日後の10月4日にAFCカップ第2節、アウェイのバリ・ユナイテッド(インドネシア)戦が控えるトレンガヌは、この試合よりもAFCカップを重視したのか正GKスハイミ・フシン、MFソニー・ノルデ、FWイヴァン・マムートら主力選手が先発から外れる一方、アディソン・クライソーンは7月16日の第17節以来、オミド・ナズリは7月28日の第18節以来の先発となるなど、マレーシアカップ準々決勝とは異なる布陣で臨みました。
メンバーを落としたトレンガヌは立ち上がりこそ後期を作ったものの、試合は徐々にスランゴールのペースとなり、26分にヨハンドリ・オロスコがペナルティエリアの外からシュートを決めて、スランゴールが先制します。さらに40分にはムカイリ・アジマルが放ったミドルシュートをトレンガヌGKラーディアズリ・ラハリムが弾くと、そのボールに詰めていたオロスコ選手がこれを押し込んで、スランゴールがリードを広げます
後半に入ると50分には右サイドのオロスコ選手からのクロスをムカイリ選手が折り返し、これを代表のエース、ファイサル・ハリムが蹴り込んで3点目。さらにそのファイサル選手と交代して出場したU23代表でプレーする19歳のアリフ・イズワン・ユズランが81分に自身今季2得点目となるゴールを決めて、スランゴールがトレンガヌのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアムでは5年ぶりとなる勝利を挙げています。
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2023年9月30日@KLフットボール・スタジアム(クアラルンプール) 観衆:2,068人KLシティFC 0-1 クダ・ダルル・アマンFC ⚽️クダ:イフェダヨ・オルセグン(45+2分PK) 🟨KLシティ(0) 🟨クダ(2):ファズルル・ダネル、ボヤン・シーゲル MOM:イフェダヨ・オルセグン(クダ・ダルル・アマンFC)
AFCチャンピオンズリーグ2の出場権がかかるリーグ2位争いでスランゴールを追う3位クダは、この試合を落とせば残り4試合で勝点差が8と開くところでしたが、僅差の接戦を制して2位争いに踏みとどまっています。
今季のカップ戦では既に敗退しているクダにとっては、リーグ戦での上位進出が今季の唯一の目標となっていますが、この日の相手KLシティには4月18日の第9節ではホームで敗れています。一方、現在7位のKLシティはリーグ戦よりも今月10月に行われるマレーシアカップ準決勝に向けてケガ人が多いチーム状況を立て直したいとこ露です。それぞれの思惑が交錯する中、クダはベストメンバーで、KLシティはチーム得点王のロメル・モラレス、パウロ・ジョズエ両選手がベンチスタート、正GKケヴィン・メンドーザはベンチ外となる布陣でこの試合に臨んでいます。
試合はクダが開始直後から圧倒的な主導権を握るも、クダの放つシュートがいずれもゴールの枠を捉えることができず、得点には至りません。そんな中、前半ロスタイムにKLシティのナジルル・ナイムが自陣ペナルティエリア内でクダのファズルル・ダネルを倒してPKを与えてしまいます。これを今季途中から加入ながらチーム得点王のイフェダヨ・オルセグンが7試合で7得点目となるゴールを決めて、クダが先制します。
リードを奪われたKLシティのネナド・バチナ監督は後半からパウロ・ジョズエやロメル・モラレスを次々と投入し、ジョズエ選手得意のフリーキックなど見せ場はあったもののゴールには至らず、1点のリードを守り切ったクダが2位争いに残りました。
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2023年9月30日@ダルル・マクモル・スタジアム(パハン州クアンタン) 観衆: 1,617人スリ・パハンFC 3-2 クチンシティFC ⚽️スリ・パハン:ステファノ・ブルンド(13分PK)、クヴォンディク・ルジエフ(43分)、ラファエル・ダ・シルヴァ(62分) ⚽️クチンシティ:ペドロ・エンリケ(16分)、アブ・カマラ(25分) 🟨スリ・パハン(2):アスリフ・ナスルルハク、クパー・シャーマン 🟨クチンシティ(1): アイマン・ジョアニ MOM:エゼキエル・アグエロ(スリ・パハンFC) クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。
いずれもシンガポール出身監督が指揮する両チームの対戦は、61歳のファンディ・アフマド監督率いるリーグ5位のスリ・パハンが、今季後半に就任した46歳のアイディル・シャリン監督率いる最下位14位のクチンシティをホームに迎えましたが、今季1勝のクチンシティを相手に苦しみながらもスリ・パハンが逆転で勝利しています。
クチンシティのペナルティエリア内で微妙な判定からPKを得たスリ・パハンはステファノ・ブルンドがこれを決めて先制します。9月19日のチャレンジカップではクダ・ダルル・アマンFCを破り、アイディル監督就任以来初勝利を挙げているクチンシティは、その3分後、すぐさま反撃に転じます。右サイドで得たフリーキックをアリフ・ハサンがゴール前へ送ると、東ティモール代表FWペドロ・エンリケが頭で合わせて同点ゴールを決めます。今季途中までアイディル・シャリン監督のもとインドネシア1部のプルシカボ1973でプレーし、今季途中にクチンシティに移籍したエンリケ選手の移籍後初ゴールで追いついたクチンシティは、さらに25分、エースのアブ・カマラがコーナーキックからチームトップとなる今季11点目のゴールをヘディングで決めて、クチンシティが逆転します。しかし、スリ・パハンも43分、ペナルティエリア近くのボールに飛び出したクチンシティGKワン・アズラエの位置を見計らう様にクヴォンディク・ルジエフが絶妙のループシュートを決めて同点に追いつきます。
前半を2-2の同点で折り返すと、後半はスリ・パハンのペースで試合が進むものの、GKワン・アズラエ選手の好セーブなどもありクチンシティも粘りを見せますが、62分にクパー・シャーマンからのパスをペナルティエリア内で受けたラファエル・ダ・シルヴァが追い縋るクチンシティDF2人を振り切ってゴールを決め、これが決勝点となったスリ・パハンが勝利しています。
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2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節途中)
順位 チーム 試 勝 分 負 得 失 差 勝点 1 JDT 22 21 1 0 86 7 79 64 2 SEL 23 17 1 5 64 21 43 52 3 KDA 22 15 2 5 43 25 18 47 4 SAB 23 13 4 6 50 33 17 43 5 SRP 20 12 4 4 35 21 14 40 6 TRE 22 10 5 7 39 27 12 35 7 KLC 22 8 7 7 38 35 3 31 8 PDRM 20 8 3 9 21 27 -6 27 9 NSE 21 4 9 8 26 41 -15 21 10 PEN 21 5 4 12 25 38 -13 19 11 PRK 21 4 4 13 16 47 -31 16 12 KLU 21 2 5 14 22 54 -32 11 13 KEL 22 2 3 17 24 87 -63 9 14 KCH 21 1 4 16 17 44 -27 7
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC
2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第22節途中-記録はMFL公式サイトを参照)
順位 選手名(所属チーム) 得 枠内/シュート アシスト 試 1 エイロン・デル・ヴァイエ(SEL) 21 37/59 4 23 2 フェルナンド・フォレスティエリ(JDT) 18 31/62 7 17 3 ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT) 16 32/85 4 19 4 クパー・シャーマン(SRP) 11 22/41 7 21 ファイサル・ハリム(SEL) 11 26/38 7 20 アブ・カマラ(KCH) 11 17/39 1 19 7 イヴァン・マムート(TRE) 10 25/54 1 18 8 ステファノ・ブルンド(SRP) 9 19/40 0 20 9 ウィリアン・リラ(KDA) 8 11/36 2 14 ロメル・モラレス(KLC) 8 17/31 2 18 パウロ・ジョズエ(KLC) 8 25/46 4 19 アリフ・アイマン(JDT) 8 18/43 10 21 フアン・ムニス(JDT) 8 20/42 4 20
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC