4月20日のニュース<br>クダFCが未払い給料を完済し予定通り今季リーグに参加<br>クランタンDN FCには韓国出身のパク新監督が就任<br>MFLは今季導入のVARのテストをプレシーズンの8試合で実施<br>サッカー協会がプロ審判養成機関を発足

インドネシアの北スラウェシ州ルアン島にあるルアン山が17日夜に大規模噴火し、翌18日に東マレーシア(ボルネオ島)の空港を発着するほとんどの航空便が欠航となっています。  ルアン島はマレーシアからはおよそ800km離れていますが、航空機の運行に支障をきたす可能性がある火山灰雲がサバ州のコタ・キナバル飛行情報地域内で観測されたことから、今回の欠航となったということです。  
 また別の報道ではマレー半島と東マレーシア間の航空便の運行が正常化するまでに数週間かかる可能性があるとされており、5月10日に開幕するマレーシアスーパーリーグで東マレーシアに本拠地を持つサバFCとクチンシティFCの試合日程に影響が及ぶことも心配されます。

クダFCが未払い給料を完済し予定通り今季リーグに参加

昨季の給料未払い問題により今季のクラブライセンス取り消しの可能性もあったクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)が、支払い期限となっていた4月20日を前に未払い分を完済したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

未払い給料問題の解決が遅れ、今季2024/25シーズン開幕を前に勝点3剥奪と5万リンギ(およそ160万円)の罰金処分が科されていだクダFCですが、シャールル・サムスディンCEO代行は、トップチームの他、U23のクダFC B、U19のクダFC Cなど全てのチームとスタッフへの未払い給料が支払われたことを明らかにしています。

クランタンDN FCには韓国出身のパク新監督が就任

今季2024/25シーズンに臨むスーパーリーグの13クラブでは、ヌグリスンビランFCとクランタン・ダルル・ナイムFCの監督(クランタンDN FC)が決まっていませんでしたが、4月19日にクランタンDN FCは、韓国出身で元韓国代表のパク・ジェホン監督の就任を発表しています。マレーシアの通信社ブルナマによれば、46歳のパク監督は今年2月にクランタンDN FCとの契約に合意し、イスラム教の断食月ラマダン明けにはチームに合流する予定だったものの、様々な理由から現在まで発表されずにいたということです。なおパク監督は、今月23日にクランタンDN FCの本拠地があるクランタン州コタ・バル入りする予定だということです。

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パク監督のクランタンDN FC監督就任が発表されたことで、スーパーリーグ13チーム中12チームの監督が決定していますが、その出身は、マレーシア6名(スランゴールFC、サバFC、クダ・ダルル・アマンFC、PDRM FC、ペナンFC、ペラFC)、シンガポール2名(スリ・パハンFC、クチン・シティFC)、クロアチア2名(トレンガヌFC、KLシティFC)、アルゼンチン1名(ジョホール・ダルル・タジムFC)、韓国1名(クランタン・ダルル・ナイムFC)となっています。

MFLは今季導入のVARのテストをプレシーズンの8試合で実施

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、今季から導入されるビデオアシスタンレフリー(VAR)をプレシーズンとして行われる8試合で試験運用することを発表しています。

MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、この試験運用期間にVARの問題点を運営上の発見し、5月10日のリーグ開幕までに修正したいと話しています。またスチュアートCEOはMFLが所有するVAR機材は4セットであるとして、今季は1日あたり最大3試合開催とし、その3試合でVAR機材を使用し、1セットは予備の機材として確保する予定であることも明らかにしています。また東マレーシアを本拠地とするサバFCとクチン・シティFCが同時にホームで試合を開催する場合には、VARが運用されるのは1試合となると説明し、VARが採用されないリーグ戦もあると話しています。

またMFLは来季2025/26シーズンに向けて、追加で最低でも6セットのVAR機材を購入する予定があるということですが、今季のVAR機材購入に既に600万リンギ(およそ1億9000万円)を投資している他、その運用にも300万リンギ以上かかると説明しています。

なおMFLが発表しているVAR試験運用が行われる試合は以下の通りです。
1. KLシティFC対ヌグリスンビランFC(4月22日、KLフットボール・スタジアム)
2. クランタン・ダルル・ナイムFC対スリ・パハンFC(4月24日、スルタン・ムハンマド4世スタジアム)
3. ペラFC対クダ・ダルル・アマンFC(4月27日、ペラ・スタジアム)
4. PDRM FC対KLシティFC(4月27日、スラヤン・スタジアム)
5. スリ・パハンFC対トレンガヌFC(4月28日、テメルロー・スタジアム)
6. クダ・ダルル・アマンFC対ペナンFC(4月30日、ダルル・アマン・スタジアム)
7. トレンガヌFC対クランタン・ダルル・ナイムFC(5月3日スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム)
8. ペナンFC対ペラFC(5月4日、シティー・スタジアム)


サッカー協会がプロ審判養成機関を発足

マレーシアサッカー協会(FAM)は高い技術を持った審判を養成し、国際試合でも審判を務めることができる人材を育成するためのプロ審判養成期間を発足させたことを、公式サイトで発表しています。

FAMのS・シヴァスンドラム副会長は、女性3名を含む30名が一期生として入学し、2025年まで研修を受けると説明しています。「FAMが厳選した若く、将来性のある20歳から32歳までの一期生たちは、フィットネス、健康状態、審判技術、英語力などを9つのモジュールで学ぶ。またこの30名の中から5名はVARや、アシスタント・ビデオ・アシスタント・レフェリー(AVAR)やリプレイ・オペレーター(RO)となるための研修を受けるということです。

なおマレーシア国内には、既に資格を持つ22名のVARと20名のAVARがいるということです。

4月18日のニュース<br>U23アジアカップ-マレーシアは優勝候補ウズベキスタンに完敗<br>ブキ・ジャリルの張り替え用芝をジョホールオーナーが再び寄贈

今朝のマレーシアの国内スポーツメディアはいずれも、レアル・マドリードが延長でマンチェスター・シティーを破ってチャンピオンズリーグ準決勝を決めた試合を大きく報じています。そしてその次に来ているのはアル・ヒラルがACL準決勝で敗れて連勝記録ストップのニュース。どうも昨夜のU23代表戦の結果は国内ではさほど需要は多くないようです…。

U23アジアカップ-マレーシアは優勝候補ウズベキスタンに完敗

グループステージD組の初戦で対戦するウズベキスタンは、2018年大会優勝、2020年大会ベスト4、そして前回2022年大会準優勝という成績を残し、今大会でも優勝候補の一角です。そんなウズベキスタンとの対戦に、マレーシアのフアン・トーレス監督は、センターフォワードのファーガス・ティエニー(ジョホール・ダルル・タジムFC -JDT II)の後ろに左からルクマン・ハキム(J3 Y.S.C.C.)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、アリフ・イズワン(スランゴールFC)を配置、中盤にはノーア・レインとシャヒール・バシャーのスランゴールFCコンビ、そして4バックには左からサフワン・マズラン、センターバックのウバイドラー・シャムスル(いずれもトレンガヌFC)、ハリス・ハイカル、ジクリ・カリリ(いずれもスランゴールFC)という1-3-2-4という布陣を選択しています。なお先発11名中、7名がスランゴールFCという布陣です。

キックオフ直後にチャンスを得たのはマレーシアでした。立ち上がりから前線がプレスをかけると、開始1分にゴール前の混戦から出たこぼれ球をルクマン・ハキムがペナルティーエリアの外からボレーでシュートがしますが、これはバーの上を超えてしまいますが、前半のマレーシアの’シュートはこの1本だけでした。さらに7分には右サイドを上ったジクリ・カリリからパスを受けたムカイリ・アジマルが最高のクロスを出すも、ゴール前に走り込んだルクマンより早くウズベキスタンDFサイダザマト・ミルサイドフがクリアするなど絶好機を逃したことが、後々まで響くことになります。

その直後にはペナルティエリア内でドリブルしようとしたところを味方と交錯してボールを奪われたシャヒール・バシャーがルスランベク・ジヤノフ倒してPKを与えてしまいます。これをキャプテンのジャスルベク・ジャロリディノフが決めてウズベキスタンが先制します。

マレーシアは意図的に引いて守った訳ではなかったものの、縦へパスを通すこともできず、自陣でのボール回しに終始させられてしまいます。前半は押し込まれる場面が多く、ウズベキスタンのDFラインもマレーシア陣内までフリーでボールを持ち込み、高い位置で展開されてしまう場面が少なくありませんでした。

それでも前半を0−1で凌いだマレーシアは、後半開始とともにナジムディン・アクマル(JDT II)、ムハマド・カリル(スランゴールFC)を投入して、状況打開を図ります。しかし83分にそのムハマド・カリルが出した不用意なパスをカットされ、ウルグベク・ホシモフに2点目となるゴールを決められると万事休す。

シュート数は前半がウズベキスタン9(枠内4)、マレーシアが1(同0)、後半はウズベキスタン10(同2)、マレーシア1(同0)と、マレーシアにほぼチャンスを与えなかったウズベキスタンが勝点3を獲得しています。マレーシアの次戦はクウェートを破ったベトナムとの対戦(4月20日)ですが、その試合で敗れれば、マレーシアは早くもグループステージ敗退が決まります。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第1節
2024年4月17日@カリファ国際スタジアム(アル・ライヤーン、カタール)
ウズベキスタンU23 2-0 マレーシアU23
⚽️ウズベキスタン:ジャスルベク・ジャロリディノフ(11分PK)、ウルグベク・ホシモフ(83分)
🟨ウズベキスタン(0)
🟨マレーシア(2):シャヒール・バシャール、サフワン・マズラン、ムハマド・カリル、アリフ・ジクリ

勝点
1ベトナム11003123
2ウズベキスタン11002023
3クウェート100113-20
4マレーシア100102-20

D組のもう1試合はベトナムがクウェートに逆転して勝点3を挙げています。レッドカードが目立つ今大会ですが、この試合でも両チームにレッドカードが出ています。

AFC U23アジアカップ2024 グループステージD組第1節
2024年4月17日@アル・ジャヌーブ・スタジアム(アル・ワクラ、カタール)
ベトナムU23 3-1 クウェートU23
⚽️ベトナム:グエン・ヴァン・トゥン(45+1分)、ブイ・ヴィ・ハオ2(47分、76分)
⚽️クウェート:サルマン・アル=アワディ(45+9分PK)
🟨ベトナム(2):ホウ・ヴァン・クオン、グエン・ミン・クアン
🟨クウェート(3):アブドルラーマン・カラム、ユスフ・アル=ハカン、タラール・アル=カイシ
🟥ベトナム(1):グエン・ノック・タング
🟥クウェート(1):イブラヒム・カミール

ブキ・ジャリルの張り替え用芝をジョホールオーナーが再び寄贈

半年を超える改修工事を経て開場したブキ・ジャリル国立競技場は、大型コンサートの会場となったことで、改修工事の際に張り替えた芝が禿げるなどピッチの状態が悪く、各方面から非難を受けています。

先月行われた2026年W杯アジア2次予選のオマーン戦でも土がむき出しになっている部分も見られたことから、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーで、ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下は、マレーシア政府青年スポーツ省のハンナ・ヨー大臣、AFCのウインザー・ジョン事務局長との話し合いの結果、現在JDTのU23チーム、JDT IIの本拠地、タン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノス・スタジアム(通称ラーキン・スタジアム) で養生中のハイブリッド芝をブキ・ジャリル国立競技場に寄贈することをJDTの公式SNSで明らかにしています。

「W杯予選後のブキ・ジャリル国立競技場のピッチの状況を精査した結果、(現在使用している高麗芝の一種のゼオン・ゾイシア芝ではなく)ハイブリッド芝を使う方が、(スポーツだけでなくスポーツ以外の)多目的で使用されるピッチではより耐久性が高いと考えられる。そこでイスマイル殿下はラーキン・スタジアムで養生中のハイブリッド芝を寄贈することにした。」というJDTの公式SNSに投稿に続き、現在、ブキ・ジャリル国立競技場で使われているゼオン・ゾイシア芝は、隣接する国立スポーツ評議会(NSC)のグラウンドに移設されることも明らかにしています。

なお、今回移設されるゼオン・ゾイシア芝も元は、従来のカウグラス(アカツメクサ)のピッチでは、国内サッカーのレベルが上がらないと憂慮したイスマイル殿下が寄贈したものでした。

またこのハイブリッド芝の敷設が行われる場合、芝が根付くまでに時間がかかれば、2016年W杯アジア2次予選最終戦となる6月の台湾戦がブキ・ジャリル国立競技場で開催されない可能性も浮上しています。マレーシアサッカー協会(FAM)のフィルダウス・モハメド副会長は、代替会場としてJDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムとトレンガヌFCのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアムを挙げていますが、6月の台湾戦はリーグ期間中で、しかも代表チームの半数近くがJDTの選手となる可能性が高いことから、スルタン・イブラヒム・スタジアムが有力だとボラセパマレーシアJP的には考えますが、果たしてどうなるでしょうか。

4月17日のニュース<br>リーグ覇者ジョホールは2週間のスペインキャンプへ出発<br>KLシティにモンテネグロ出身DFアドリアン・ルトヴィッチが加入<br>クダにはブラジル出身の長身CBクレイトンが加入<br>KDN FCは上限の9名の外国籍選手を獲得も監督は未定<br>スランゴールは4年振りに「アジアチャレンジ」開催

4月15日に開幕したU23アジアカップでは、東南アジア勢では既にインドネシア、タイが試合を行い、インドネシアはカタールに0-2で敗れた一方で、タイはイラクを2−0で破る好発進を果たしています。そして本日は同じ予選D組に入っているマレーシア、ベトナムの両チームが登場し、それぞれウズベキスタン、クウェートと対戦します。マレーシアはこのD組ではアンダードッグ的な位置付けですので、まずは優勝候補の一角、ウズベキスタンに大敗しないことだけを期待したいです。

また国内に目を向けると、今季開幕まで1ヶ月を切ったこともあり、各クラブが最後の戦力補強に忙しく、プレシーズンマッチも増えてきました。

リーグ覇者ジョホールは2週間のスペインキャンプへ出発

5月10日の今季スーパーリーグ開幕まで1ヶ月を切りましたが、リーグ10連覇中の王者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、スペインでのプレシーズンキャンプに出発しています。過去数年間はアラブ首長国連邦(UAE)でプレシーズンキャンプを行ってきたJDTですが、今年は新たなキャンプにスペインを選び、地中海に面したリゾート地バレンシア州ベニドルムにあるメリア・ヴィライタナ・フットボール・センターの施設を使い、2週間のプレシーズンキャンプを行うとともに、7試合の練習試合を予定しているということです。

2年振りの復帰となったエクトル・ビドリオ監督はトップチームの他、U23チームであるJDT IIからも数名を今回のキャンプに参加させていますが、その中で注目を集めているのがDFフィルダウス・ラムリとFWガブリエル・ニールストロイです。22歳のフィルダウス選手は、JDTとマレーシア代表で不動の左サイドバックを務めるラヴェル・コービン=オングの後継者と目され、サラワク州出身で23歳のニールストロイ選手は昨季のU23リーグ、MFLカップ19試合で13ゴールを挙げています。

JDTは、今季は国内リーグ11連覇がかかる他、今季から新たなフォーマットとなったACLエリート(ACLE)もあり、上記の若い選手はもちろん、MFジャリル・エリアス(シリア、アルゼンチン1部サン・ロレンソから加入)、MFフランシスコ・ジェラウデス(ポルトガル、UAE1部バニーヤースSCから加入)、FWニコラオ・ドゥミトル(イタリア、タイ1部ブリーラム・ユナイテッドから加入)ら新戦力と現有戦力との融合などが今回のキャンプの目的となります。

KLシティにモンテネグロ出身DFアドリアン・ルトヴィッチが加入

給料未払い問題が解決し、FIFAによる新規選手獲得禁止処分が解けたKLシティFCは、モンテネグロ出身のDFアドリアン・ルドヴィッチの加入をクラブ公式SNSで発表しています。

28歳のルドヴィッチ選手は身長187cmのCBで、モンテネグロ1部のFKスティエスカ・ニクシチからの加入し、これまではモンテネグロの他、ギリシャ1部のパンセライコスでプレー経験があるものの、アジアでのプレーは今回が初めてです。このFKスティエスカ・ニクシッチでは、直近では22試合中14試合に先発、3試合に途中出場という成績がトランスファーマルクトに掲載されています。

KLシティは、昨季途中に加入したクロアチア出身の長身CBマトコ・ジルダムが退団しており、リーグとカップ戦合わせて出場した22試合中、18試合に先発フル出場したジルダム選手の穴を埋めることが急務でした。

KLシティは同じCBのジャンカルロ・ガリフオコ(オーストラリア)、DMFセバスチャン・アヴァンジニ(イタリア)、AMFパトリック・ライヒェルト(フィリピン)の外国籍選手3名が昨季から残留しています。

クダにはブラジル出身の長身CBクレイトンが加入

今月初めの段階では、ともに給料未払い問題を抱えていたKLシティFCとクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)ですが、KLシティは既にこの問題が解決しています。一方、クダFCは今月20日までに未払い給料の完済あるいは完済までの明確な方針を表す書類の提出を求められており、この期限を過ぎた場合には、クラブライセンスを交付する第一審機関(FIB)はクダFCの今季のクラブライセンスを取り消す可能性を示唆しています。そんな中で、クダFCは今季開幕に向けて積極的な補強を進めていますが、さらに190cmの長身CBホセ・クレイトン・ドス・サントスの加入を発表しています。

ブラジルのイパチンガFCから加入した31歳のクレイトン選手は、ポルトガル、カタール、アラブ首長国連邦でもプレー経験ありますが、昨季のクダFCでチーム最多の25試合に出場(全て先発)したセルビア出身のCBボヤン・シーゲル(ウズベキスタン1部ネフチに移籍)の退団による穴を埋めることが期待されています。なおカタールで在籍したアル・カルディーヤSCでは、今季同じクダFCでプレーするハビブ・ハルーン(バーレーン)ともチームメートだったようです。

クダFCは今日からトレンガヌFCがU23チームのトレンガヌIIとともに主催するプレシーズン大会の「アガルボム・パフォーマンス・カップ」にペナンFCとともに出場しますが、クレイトン選手はこの大会でお披露目となりそうです。

KDN FCは上限の9名の外国籍選手を獲得も監督は未定

クランタン・ユナイテッドFCから改名したクランタン・ダルル・ナイムFC(KDN FC)は、新たに3名の新外国籍選手加入を発表しています。1人目は西アフリカにあるギニア・ビサウ出身のFWPヴァルドゥ・テで、2022年にはJ3の今治FCでもプレー経験もあります。26歳のテ選手はポルトガルや日本でプレーした後、中国に渡り、中国2部の延辺竜井FCから加入し、トランスファーマルクトによると昨季は25試合で3ゴールとセンターフォワードとしてはやや寂しい成績を残しています。

2人目は主に左ウィングでプレーするコンゴ民主共和国出身のチャドラック・ルコンベで、モロッコ1部のRSベルカンヌか加入し、昨季は24試合で4ゴール2アシストという記録が残っています。また同じ左ウィングではボリビア出身の23歳デヴィッド・リべラもボリビア1部のロイヤル・パリFCから加入しています。リベラ選手の直近の成績は25試合(先発7試合)で得点なしという記録です。

KDN FCはパレスチナ代表MFオデイ・ハロウブやチェコ出身の長身CBミハル・イエジャーベックの他、20代前半の若い韓国出身選手4名の加入を発表しており、この3選手の加入で、外国籍選手が登録上限の9名となったKDN FCですが、その一方で今季指揮を取る監督が未だ発表されていません。

スランゴールは4年振りに「アジアチャレンジ」開催

今季のACL2への出場を決めているスランゴールFCは、4年振りとなるミニ大会「アジアチャレンジ」を開催するようだとスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。

改装が終わったMBPJスタジアムのお披露目も兼ねて行われる今大会は東南アジア各国の優勝チームを招いて行われるプレシーズンマッチとなっています。既に1次キャンプをバンコクで終えているスランゴールFCが主催するこの大会は、4月26日と28日の両日に行われるということです。

前回大会は2020年にシャー・アラム・スタジアムを会場にハノイFC(ベトナム)、プルシブ・バンドン(インドネシア)、バンコク・ユナイテッドFC(タイ)をマネ艇行われ、この時は当時は細貝萌選手が在籍していたバンコク・ユナイテッドFCとスランゴールFCが決勝で対戦し、PK戦でバンコク・ユナイテッドが勝利し、優勝賞金1万米ドルを獲得しています。

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今回の大会には昨季のラオス1部リーグ優勝チーム、ヤング・エレファンツFCが出場するという話もあり、近いうちに他の出場チームも発表になりそうです。

4月13日のニュース<br>15日開幕のアジアカップに出場するマレーシアU23代表メンバー決定

15日開幕のアジアカップに出場するマレーシアU23代表メンバー決定

マレーシアサッカー協会(FAM)は、来週4月15日に開幕するAFC U23アジアカップ2024に出場するマレーシアU23代表の最終メンバー23名を発表しています。GK3名、DF7名、MF7名、FW6名という編成で、スランゴールFCからの8名を筆頭にペラFCとジョホール・ダルル・タジムFC U23(JDT II)からそれぞれ3名 、スリ・パハンFC、トレンガヌFC、からそれぞれ2名、そしてジョホール・ダルル・タジムFC、KLシティFC、ペナンFC、ヌグリスンビランFCからそれぞれ1名で、国外組はJ3のY.S.C.C.でプレーするルクマン・ハキムのみとなっています。

なおAFCの大会公式サイトでは出場各チームの選手リストが公開されており、まれーしあU23代表のページにはクダ・ダルル・アマンFCのアイマン・アフィフが背番号20で掲載されていますが、アイマン選手は先日のカタールU23代表との練習試合でケガを負ったということで、代わってヌグリスンビランFCのDFアズリン・アフィクの名前がFAM発表のリストには含まれています。またこのアズレン選手が急遽、カタールに向けて出発したことを、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。

2024年4月 AFC U23アジアカップ2024 マレーシアU23代表メンバー
*背番号はAFC公式サイトを参考にしています。

No.P氏名年齢所属
1GKフィルダウス・イルマン23PRK
16GKアジム・アル=アミン23SEL
23シーク・イズハン22PEN
2DFアイマン・カイルル・ユスニ22PRK
3DFウバイドラー・シャムスル21TRE
5DFハリス・ハイカル22SEL
14DFジクリ・カリリ22SEL
19DFサフアン・マズラン22TRE
20アズリン・アフィク22NSE
21DFサイフル・ジャマルディン22SRP
4MFムハマド・アブ・カリル19SEL
6MFナジムディン・アクマル21JDT II
7MFムカイリ・アジマル23SEL
12MFノーア・レイン22SEL
13MFウマル・ハキーム22SEL
17MFシャヒル・バシャー23SEL
18MFダリル・シャム22JDT
8FWT・サラヴァナン23SRP
9FWアリフ・イズワン20SEL
10FWルクマン・ハキム22YSCC
11FWアリフ・ジクリ22PRK
15FWファーガス・ティアニー21JDT II
22FWハキミ・アジム21KLC
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、JDT II-ジョホール・ダルル・タジムII(U23)、TRE-トレンガヌFC、PRK-ペラFC、SEL-スランゴールFC、SRP-スリ・パハンFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC、YSCC-J3 Y.S.C.C.

なお4月1日にカタール入りしたマレーシアU23は、現地での練習試合では中国U23に1-2で、カタールU23には0-1で敗れています。なお今回のアジアカップ2024でマレーシアはウズベキスタン、ベトナム、クウェートと同じD組に入っていますが、初戦となる4月17日の試合で対戦するウズベキスタンU23は、マレーシアU23が敗れた中国U23を2−0で破り、カタールU23とは1-1の引き分け後、2-1と破っており、初戦から厳しい試合となりそうです。

初戦のウズベキスタンU23戦は4月17日21時から、2戦目のベトナムU23戦は4月20日21時からいずれもカリファ国際スタジアムで、3戦目のクウェートU23戦は4月23日23時30分からアル・ジャヌーブ・スタジアムで開催されます。(時間は全てマレーシア時間)

4月10日のニュース<br>今季のマレーシアスーパーリーグ前半戦の日程がついに発表<br>3部のM3リーグも今季参加の16チームを発表-あわやスーパーリーグ入りだったプルリス・ユナイテッドがまさかの出場辞退<br>ジョホールが今季のサードユニフォームを発表<br>アジアカップ出場のU23代表は大会前最後の練習試合でカタールに惜敗

今日はイスラム教の断食月ラマダンが明けた祝日ハリ・ラヤ・アイディルフィトリ(ハリ・ラヤ・プアサ)です。月の満ち欠けを基準にしているヒジュラ暦(イスラム暦)の1日は日没で始まり、日没で終わりますが、昨日の日没後に三日月が目視されたことでヒジュラ暦で9番目の月に当たるラマダンが終わり、本日4月10日がハリ・ラヤとなることが国王の代理人である統治者の印章の管理人より全国向けのテレビ放送で発表されています。

このハリ・ラヤを出身地に戻って祝うイスラム教徒も多く、またこういった人々のために一昨日と昨日は政府が国内の有料道路を無料にしたこともあり、地方出身者が少なくないクアラ・ルンプールは人も交通量も激減しています。国民の祝日となるのは今日と明日ですが、今週末までは国内が祝日気分となります。

今季のマレーシアスーパーリーグ前半戦の日程がついに発表

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が5月10日に開幕する今季2024/25シーズンの前半戦となる第13節までの日程を公式サイトで発表しています。

5月10日の開幕戦は昨季王者でリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)対昨季2位のスランゴールFCが対戦します。この試合は英国のチャリティーシールド、現在のFAコミュニティーシールドを模したスンバンシーカップとして行われますが、 本家とは異なりリーグ戦の一環として行われ、試合会場も本家は1974年以降はウェンブリースタジアムなど中立地で行われていますが、スンバンシーカップは、前年のリーグ王者の本拠地で開催される点が異なり、今回はJDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで開催されます。

翌5月11日と12日には第1節の残り5試合が行われ、そのカードは11日が鈴木ブルーノ選手が所属するPDRM FC対クダ・ダルル・アマンFC、スリ・パハンFC対クランタン・ダルル・ナイムFC、トレンガヌFC対ペラFC、サバFC対ペナンFC、そして12日にはKLシティFC対谷川由来選手が所属するクチンシティFCとなっています。なお今季のスーパーリーグは13チーム編成で、毎節1チームは試合がありませんが、第1節は佐々木匠選手が所属するヌグリスンビランFCの試合がありません。

ただし13チームの中で、昨季の給料未払い問題が解決していないクダ・ダルル・アマンFCは今月20日までに未払い給料を完済するか、完済までの予定を選手とクラブとで合意することを求めており、これが実現しない場合にはスーパーリーグ出場に必要なクラブライセンスの取り消し処分を科すとしており、その結果12チーム編成となったには全日程の見直しを行うことも併せて発表しています。

また第13節が開催されるのが10月18日から20日までと、5ヶ月間かけて各チームが12試合を行うという緩やかな日程について、MFLは6月に予定されている2026年W杯アジア2次予選の他、JDTが出場するACLエリートやスランゴールが出場するACL2(いずれも9月開幕)、トレンガヌFCとKLシティFCが出場する新設の東南アジアアサッカー連盟AFFクラブ選手権ショッピーカップ(7月開幕)などで、出場チームに負担がかからないような日程としていることを説明しています。

また今季からスーパーリーグにも導入されるVARについても、MFLは常設ではなく、試合ごとに機材を移設する方法で行うことを発表しており、その機材も4会場分しか用意していないことを明らかにしており、その移動も考えた上で過密日程を避けているようです。

なお現時点で発表されているスーパーリーグの日程はこちらです。

3部リーグ参加の16チームをAFLが発表-あわやスーパーリーグ入りだったプルリス・ユナイテッドがまさかの出場取り止め

国内3部以下のセミプロリーグを運営するアマチュアフットボールリーグ(AFL)は今季の3部リーグに出場する16チームを公式サイトで発表しています。昨季に続きMBSB銀行が冠スポンサーとなる3部リーグはMBSB銀行チャンピオンシップ2024/25(MBC2024/25)の名称で開催され、昨季の13チーム編成から16チーム編成へと拡大し、開幕が6月1日となることも発表されています。

今季参加する16チームは昨季のトップ3であるイミグレセン(入国管理局)FC、KLローヴァーズFC、ハリニ・スランゴールFTを筆頭に、ブキット・タンブンFC、マレーシア大学、マンジュンシティFC、PIBシャー・アラムFC、マラッカFC、国軍FCの9チームが昨季に引き続き参加します。

なお昨季5位のサインスFC、8位のプルリス・ユナイテッドFC、12位のサラワク・ユナイテッドFC、13位のナガ・アルティメットKSFCの4チームは運営資金不足などの問題から今季の出場を辞退しています。

また昨季は4部のアル・イクサン・カップに参戦した、ブンガ・ラヤFC(本拠地はヌグリスンビラン州スンダヤン)YPM FC(同パハン州クアンタン)、UITMユナイテッド(同スランゴール州シャー・アラム)、マチャンFC(同サラワク州シブ)の4チームの他、プトラジャヤ・アスレチックFC(同プトラジャヤ)、ゴンバックFA(同スランゴール州ゴンバック)、そして昨季は1部スーパーリーグ所属ながら、給料未払い問題が未解決なことから今季のクラブライセンスを交付されず、スーパーリーグに出場できなくなったクランタンFCが新たに今季のMBC2024/25に参加します。

またAFLは今季より3部リーグの正式名称がM3リーグからA1セミプロリーグ、4部のM4リーグはA2リーグ、そして5部のM5リーグはA3コミュニティリーグと変更されることも発表しています。

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一時は1部スーパーリーグ入りも検討されたプルリス・ユナイテッドFCは資金上の問題から3部リーグ出場を取りやめています。当初は資金的に問題なしというプルリス・ユナイテッドFCの説明を信じ、1部入りの可能性を検討したMFLの見識が疑われますが、そこはマレーシア。誰も気にしないでしょう。2023年の1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの合併により、現在は2部プレミアリーグが休止している国内リーグでは、A1セミプロリーグとリブランディングされた3部リーグが実質的には2部リーグとなります。コロナ禍による資金面の格差をなくすため2020年シーズンからは外国籍選手の出場が認められていなかった3部リーグですが、今季はその制限も撤廃されることが発表されており、各クラブがどんな選手を獲得するかで昨季とは全く違った形のリーグとなりそうです。

ジョホールが今季のサードユニフォームを発表

国内リーグ10連覇中で、しかも2年連続で国内タイトル総なめと国内では向かう所敵なしのジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が、今季のサードユニフォームを発表し、早速、シンガポールのライオンシティセイラーズFCとの練習試合でも着用しています。

マレーシアでは唯一、ナイキ社製のユニフォームを採用しているJDTですが、今回のサードユニフォームは蛍光色のような緑と黄色の中間の色で、胸スポンサーは昨季同様、クラブ独自の通貨ファントークンの発行と販売ができるプラットフォームを運営するSocios.comと提携しているJDTファントークンとなっています。

このサードユニフォームは本拠地のスルタン・イブラヒム・スタジアム内に新たに開店したグッズショップのJDTダイレクトメガストアーで既に販売されおり、価格は189リンギ(およそ6000円)といことです。

2020年からアラブ首長国連邦(UAE)のドバイでプレシーズンキャンプを行ってきたJDTですが、今季はキャンプ地にスペインを選択しており、このサードユニフォームは、来週4月14日から30日までJDTがスペインで行う練習試合で着用されることになっています。また例年だとホームとアウェイのユニフォームはプレシーズンキャンプから戻ってから発表されていることから、今季のユニフォームも4月30日以降に発表となりそうです。

アジアカップ出場のU23代表は大会前最後の練習試合でカタールに惜敗

今月15日にカタールのドーハで開幕するAFC U23アジアカップに出場するマレーシアU23代表は、4月7日に大会前の最後の練習試合となるカタールU23代表線に臨み、0-1で敗れています。

マレーシアは、1-2で敗れた4月4日の中国U23代表戦と同様に、この試合でも前半ロスタイムにPKを与えた結果、これをFWアフメド・アル=ラウィ(カタール1部アル・ラーヤンFC)に決められた失点で敗れてています。

マレーシアサッカー協会(FAM)が映像を公開した試合後の会見で、マレーシアU23代表のフアン・トーレス監督は、カタールU23代表の早い試合運びとフィジカルの両面で前半は圧倒されたと説明した一方で、後半は相手のペースに反応できていたと述べ、初戦となる4月17日のウズベキスタンU23代表戦までの時間でチームを仕上げたいとしています。

U23アジアカップではD組に入っているマレーシアは、4月17日のウズベキスタン戦の後は、20日にベトナムと、23日にクウェートと対戦します。グループステージを突破してベスト8入りを今大会の目標としているマレーシアは、グループステージで2位以内になる必要があります。

4月9日のニュース<br>クダ州首相は州政府予算でクダFCの未払い給料支払いの補填を使わないと明言

クダ州首相は州政府予算を選手の未払い給料支払いに使わないと明言

昨季の給料未払い問題が未だ解決せず、5月の今季開幕前にも関わらず既に勝点3の剥奪処分を科せられているクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)。マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は今月20日までに未払い給料の完済方針が明確にならない場合には、今季のスーパーリーグ参加に必要なクラブライセンスの取り消し処分もありうるとしています。そんな中でクダ州のムハマド・サヌシ州首相は、民営化されたクダFCに対してクダ州政府の予算から未払い給料の補填などを行うことはないことを改めて明言しています。

これを報じた英字紙ニューストレイツタイムズによると、クダ州サッカー協会の会長でもあるサヌシ州首相は、クダ州サッカー協会が運営していたクダFCが民営化されて以来、州政府は既に1600万リンギ(およそ5億1000万円)を支援していると述べて、一部のサポーターから出ている「州政府の支援が不十分だ」という批判を一蹴しています。

「クダ州政府にとってこの1600万リンギはかなりの金額である。(州政府として)この金額をクダFCの支援か、貧困家庭の支援か、どちらに使うのが良かったのかを考えてみれば、それは当然、貧困家庭の支援に使うべきなのは明らかだった。」と述べたサヌシ州首相は、クダFCの支援に必要な資金は他で探すべきと述べて、州政府の予算を倒産しそうなので民間企業の給料支払いに使われること無いのと同様に、サッカー選手の給料を支払うために使われるべきでないという主張を繰り返しています。

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「イスラム国家の樹立」を目標に掲げる超保守系政党で国政野党の汎マレーシア党(通称PAS)出身のサヌシ首相は、国政与党系政党が政権を担当するスランゴール州のスルタン、さらにアンワル・イブラヒムマレーシア首相を非難するなどの扇動罪容疑で逮捕された経験を持つ他、連邦憲法を改正して隣接する、やはり国政与党系政党が政権を担当するペナン州をクダ州帰属の州であると記載すべきだと述べなど、政府与党やイスラム教徒のマレー系と他民族間の対立を煽るような問題発言をたびたび行うことで有名です。今回のクダFC支援拒否も、元はと言えば前クダ州首相兼クダ州サッカー協会会長が国政与党出身で、その前政権が作った負債の責任を負うことを拒んでいることが原因ではあるものの、州政府の公金を使ってプロサッカークラブを雲煙するというこれまでの習わしを断ち切ろうという姿勢は間違っていないように感じます。(とは言え、そのカリスマ性からPAS指導部の中でも重要な政治家であるサヌシ氏が、批判者からは一般的に「マレーシアのトランプ」と呼ばれている点も忘れてはいけませんが。)

このブログでも何度か来ましたが、州代表同士の対抗戦という形で始まったマレーシアのサッカーは、州政府と州を代表するクラブチームを運営する州サッカー協会の関係が強く、上で取り上げたサヌシ氏のようにこれまでは州首相が州サッカー協会を兼ねることが珍しくありませんでした。このため国内リーグの各クラブは真剣にスポンサー探しを行わなくとも、州政府から提供される資金で運営が可能でした。これは州議会多数による指名制で決定する州首相にとっても公的資金を注ぎ込んでの州を代表するクラブチームを強化すれば集票につながるとして、この仕組みは常態化していました。

しかし2019年にFIFAの指導を受けたMFLが州政府からの公的資金に頼らず民間企業をスポンサーとする「クラブの民営化」方針(州サッカー協会「州FA』所有から民営化された「フットボールクラブ(FC)」とすることを「FAからFCへ」方針とも呼ばれました。)を打ち出したことで状況は一変します。公的資金が投入されなくなった各クラブは、それまでの州サッカー協会による運営から、新たなオーナー企業探しに奔走することになります。ちなみに古い記録を見ると現在のスランゴールFCがスランゴールFAと書かれているのは、この「FAからFCへ」方針による変更です。

公的資金による支援を徐々に減らし完全民営化に移行する「FAからFCへ」の方針は間違えてはいなかったものの、実施したタイミングは最悪でした。翌2020年初頭には新型コロナが猛威を振るい始め、3月には国内全土に活動制限令が発令され、州を跨いでの移動が全面禁止となり、2月末に開幕していた国内リーグは数節を終えたところで中断されます。9月に再開したものの1回戦総当たりで1部スーパーリーグは各クラブがわずか11試合しかできませんでした。大幅な試合数減に加え、このシーズンはリーグが再開した9月以降は無観客試合で行われた結果、各クラブの入場料収入に大きなダメージがありました。さらにコロナ対策で各州政府が当初の予算にはなかった支出を強いられたことで、クラブチーム支援のために組まれていた公的資金もコロナ対策に振り分けられた結果、各クラブの財政が逼迫し、給料の遅配、そして未払いという流れができてしまいました。さらにこの流れはさらに2021年も続き、その年の運営資金で前年の未払い給料を支払うという自転車操業でやりくりするクラブの中から、2023年シーズンにはマラッカ・ユナイテッドFCとサラワク・ユナイテッドFCが、そして今季2024/25シーズンにはクランタンFCが、いずれも給料未払い問題未解決を理由にクラブライセンスが発給されず、スーパーリーグに出場することが認められませんでした。

クダFCと同様に未払い給料問題を抱えていたKLシティFCは、本拠地のある連邦直轄地クアラルンプール市役所からの「広告費」という限りなく公金投入に近い支援や、「後援者」であるファーミ・ファジル通信相の尽力などにより、問題を解決して、スーパーリーグ残留を決めていますが、「クラブ経営に困ったら政治家に頼めばなんとかなる」という図式が解消されなかった悪例とも言えるでしょう。

なお今季のスーパーリーグはクランタンFCの不参加により13チームと奇数の編成となっています。各節で試合のないチームが必ず1つできてしまうことを考えると、自ら資金調達ができないクラブはまずはそこから再建してもらい、12チーム編成とするのもマレーシアのサッカーの未来のためには決して悪いことではないと思いますが、果たしてどうなるでしょうか。

4月7日のニュース<br>マレーシア人祖母を持つイーサン・ウィートリーがマンUのトップチームの練習に参加<br>年代別オランダ代表の経験があるフェルディ・ドゥルイフはマレーシア代表入りへ向けて帰化申請準備<br>W杯2次予選最終戦までブキ・ジャリル国立競技場で開催のコンサートに制限<br>域内最大のECプラットフォームのショッピーが東南アジアクラブ選手権の冠スポンサーに

マレーシア人祖母を持つイーサン・ウィートリーがマンUのトップチームの練習に参加

英字紙ニューストレイツタイムズは、英国1部プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドU18でプレーするFWイーサン・ウィートリーがトップチームの練習に参加していると報じています。ウィートリー選手は祖母がスランゴール州出身で、マレーシア代表でもプレーする資格を持つ選手です。

この記事によると昨季のU18プレミアリーグでは5ゴール(出場6試合)を決めるなど将来が有望視されているウィートリー選手は、エリック・テン・ハフ監督の目に留まり、今回の練習参加がきまったということです。なお、今年18歳になったばかりのウィートリー選手はマンUのトップチームでの試合出場はまだありません。

マンチェスター南東のストックポートで生まれ育ったウィートリー選手ですが、祖母の影響もあり、幼い頃には家族とともにクアラ・ルンプールへ旅行をしたことが何度もあると話しているようです。

年代別オランダ代表の経験があるフェルディ・ドゥルイフはマレーシア代表入りへ向けて帰化申請準備

また同じニューストレイツタイムズは、オランダU17、U18、U20の各代表でプレー経験があるフェルディ・ドゥルイフがマレーシア代表入りを希望していると報じています。

前述のウィートリー選手同様、祖母がマレーシア生まれというドゥルイフ選手は190cmのストライカーで、オーストリア1部SKラピード・ウィーンから今季はオランダ1部PECズヴォレへ期限付きで移籍しています。今季は出場15試合(先発11試合)で5ゴール2アシストを記録していますが、今年の1月以降は膝のケガにより14試合で出場がありません。

26歳のドゥルイフ選手はマレーシア代表でプレーすることを熱望していると述べていますが、現在は祖母がマレーシア生まれであることを証明するための書類を用意している最中だということです。

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3月のW杯予選でオマーンに2連敗したマレーシアも、このハイブリッド帰化選手が10名含まれていましたが、国外組はタイ1部でプレーするDFディオン・コールズだけでした。ヨーロッパなどレベルの高いリーグでプレーしているハイブリッド帰化選手がいるわけではないマレーシアがW杯予選でオマーンに2連敗したのとは対照的に、好成績を収めているのがインドネシアです。

自国にルーツを持つハイブリッド帰化選手の大量加入により、これまで2勝しかしていなかったアジアカップでは初のベスト16入りインドネシア。先月の2026年W杯アジア2次予選の対ベトナム2連戦では、スペインの年代別代表の経験があるDFジョルディ・アマト(ジョホール・ダルル・タジムFC)やオランダU20代表経験を持つ20歳のDFジャスティン・ハブナー(セレッソ大阪)など9名のハイブリッド帰化選手を招集してベトナムに連勝しています。

今回のW杯予選ではアマト、ハブナー両選手の他、MFジェイ・イツェス(イタリア2部ヴェネツィアFC)、DFネイサン・チョエ・ア・オン(オランダ1部SCヘーレンフェーン)、DFサンディ・ウォルシュ(ベルギー1部KVメヘレン)、MFイヴァル・ジェナー(オランダ1部ユトレヒトU21)、MFトム・ハイェ(オランダ1部SCヘーレンフェーン)、FWラファエル・ストライク(オランダ2部ADOデン・ハーグ)、FWラグナル・オラトマンゴエン(オランダ1部フォルトゥナ・シッタート)といったハイブリッド帰化選手を揃えたインドネシアですが、この他にもアジアカップ2023ベスト16のオーストラリア戦に先発してフル出場した198cmのCBエルカン・バゴット(英国3部ブリストル・ローヴァーズFC)もおり、こういったハイブリッド帰化選手の加入によりインドネシアは直近のFIFAランキングでも8位上がって134位となり、順位を6つ下げて138位となったマレーシアに代わって東南アジア3位となっています。

かつてはセリエAのインテルやメジャーリーグサッカー(MSL)のD. C. ユナイテッドのオーナーでもあったインドネシア人実業家エリック・トヒル氏が2023年にインドネシアサッカー協会(PSSI)会長に就任したことで、インドネシアのかつての宗主国オランダを中心にヨーロッパへ移住したインドネシア人の血を引くハイブリッド帰化選手獲得が加速しています。またインドネシアが二重国籍を認めていないこともあり、若い選手や下部リーグでプレーする選手に接触して帰化を勧める戦略も功を奏していると言えそうです。

W杯2次予選最終戦までブキ・ジャリル国立競技場で開催のコンサートに制限

マレーシア代表のホーム、ブキ・ジャリル国立競技場を運営するマレーシア・スタジアム社(PSM社)は、2026年W杯アジア2次予選最終戦となる台湾戦が開催される6月11日までは、ピッチ上にコンサート用施設の建設を行わないことを発表しています。

この措置は台湾戦に向けてピッチの状態を最善にすることが目的であると発表したPSM社は、5月25日にブキ・ジャリル国立競技場で予定されているインド人音楽家ハリス・ジャヤラジのコンサートについてはフィールドエリアは使用せず、トラックエリアで開催されるとしています。

また4月27日に予定されているマンチェスター・ユナイテッドFCとリヴァプールFCのレジェンドが対戦するただのOB戦「バトルオブザレッズ」は、予定通り行われるものの、それ以外の興行は何も行われないということです。

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昨年のマレーシアカップ決勝、そして今年のW杯予選と注目を集める試合で酷い状態のピッチしか用意できなかったPSM社はその維持管理能力が批判され続けており、これ以上の批判を避けるための措置と言えそうです。とは言え、以前もこのブログでも取り上げましたが、同様のコンサートを開催しながら素晴らしいピッチを維持できているタイのラジャマンガラ競技場もあり、年に数試合しか行われない代表戦のために何もイベントが開けない国利競技場となるのであれば、それはそれで運営に問題があると言わざるを得ません。

域内最大のECプラットフォームのショッピーが東南アジアクラブ選手権の冠スポンサーに

2005年開催されていなかった東南アジアクラブ選手権が、シンガポールに本社を持つ東南アジア最大の電子商取引(EC)プラットフォームである「ショッピー」が電子商取引(EC)プラットフォームである「ショッピー」が冠スポンサーとなり「ショッピーカップ」として開催されることが、東南アジアサッカー連盟(AFF)の公式サイトで発表されています。

2005年の第2回大会でタンピネス・ローヴァーズFC(シンガポール)が優勝して以来、2022年、そして昨年2023年と開催の話が出たものの立ち消えになっていたこの大会ですが、AFFの公式サイトによるとこのショッピーカップについて、東南アジア初の公式クラブ選手権としていることから、過去2回の大会は無かったことになっているようです…。

AFFの公式サイトによると、ショッピーカップにはベトナム、タイ、インドネシア、マレーシアからは各2クラブが、シンガポールとフィリピンからは1クラブがそれぞれが出場、またミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイ各国の代表クラブは残る2つの出場枠をプレーオフで争います。そしてこの2クラブを含めた全12クラブが7月17日から始まるグループステージでは2つのグループに分かれて1回戦総当たりを行い、各グループの上位2チームがそれぞれ準決勝に進みます。なお準決勝と決勝はいずれもホームアンドアウェイ方式で行われということです。なおグループステージの組み合わせ抽選は、来月5月に予定されています。

なおマレーシアからは昨季マレーシアカップ準優勝のトレンガヌFCとFAカップ準優勝のKLシティFCが出場することをマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が既に発表しています。(マレーシアカップ、FAカップとも昨季のリーグチャンピオン、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が優勝していますが、JDTはACLエリートに出場するため、この大会には出場しません。)

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私も日頃からお世話になっているShopee(ショッピー)は、マレーシアやシンガポールでは、競合するラザダ(Lazada)などを抑えて人気No.1のECプラットフォームです。タイやインドネシアでもTVCMなどを見たことがあるので、おそらく同様の知名度だと思います。この大会が近づくにつれて、各国を代表するクラブのユニフォームなどをまとめて販売する特設サイトなどができるといいなぁ。

4月6日のニュース<br>アジア杯出場のU23代表は練習試合で中国U23代表に1-2で敗れる<br>クダFCは開幕前に勝点3剥奪-今後次第では今季リーグ出場停止処分の可能性も<br>サッカー協会は中傷目的のメールについて警察に告発せず<br>今季のリーグ公式球はプーマのオービタMFL1に決定

アジア杯出場のU23代表は練習試合で中国U23代表に1-2で敗れる

今月15日にカタールで開幕するAFC U23アジアカップ2024に出場するマレーシアU23代表は、カタールで中国U23代表と練習試合を行い、1-2で敗れています。なおこの両チームは昨年12月、マレーシアU23代表の監督がE・エラヴァラサン氏からフアン・トーレス氏に交代した直後に行なった上海遠征で2度対戦しています。初戦はマレーシアU23代表がハリス・ハイカル(スランゴールFC)のロスタイムのゴールで1-0で勝利、2戦目はアリフ・イズワン(スランゴールFC)がゴールを決めたものの1-2で敗れて1勝1敗となっていました。

カタール大学のフィールドで非公開で行われた4月4日の試合は、鹿島アントラーズの下部組織在籍経験を持つウィグル族のAifeierding Aisikaer(中国1部武漢三鎮FC)がこれを決めて中国U23が先制すると、前半はそのまま中国U23が0-1とリードして前半を終了します。

後半に入ると、ジョホール・ダルル・タジムFC U23のFWファーガス・ティエニーが61分にゴールを決めてマレーシアが追いつきますが、85分に再び中国U23代表がPKを得ると、Aifeierding Aisikaerがこの試合2点目のゴールを決めて、中国U23代表が逆転すると、そのまま試合は終了し中国U23代表がマレーシアU23代表を破っています。

マレーシアU23代表はU23アジアカップ2024では、ウズベキスタン、ベトナム、クウェートとともにD組に入っており、4月17日にウズベキスタンU23と、4月20日にベトナムU23と、そしてグループステージ最終戦となるクウェートとは3月23日に対戦します。

注)この記事を書く際、中国サッカーに詳しいZZさんが書かれたNOTE「U20アジアカップ 中国U20代表紹介」と「翻訳記事:U20中国代表のウイグル族選手たち」を参考にさせていただいています。ZZさんにはこの場を借りてお礼を申し上げます。

クダFCは今季開幕前にもかかわらず勝点3剥奪-今後次第では今季リーグ出場停止処分の可能性も

5月の開幕まであと1ヶ月を切ったマレーシアスーパーリーグですが、昨季から続く給料未払い問題の対応が不十分だとして、クダ・ダルル・アマンFC(クダFC)に対してシーズン開幕前にもかかわらず勝点剥奪処分が科されることが発表されています。’

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は公式サイトで、第一審機関(FIB)のシーク・モハマド・ナシル委員長名の声明を掲載し、3月30日までに未払い給料完済までの方針を明らかにすることができなかったとして、クダFCに対して勝点3剥奪処分と罰金5万リンギ(およそ160万円)を科すと発表しています。

またシーク・モハマド委員長は、今月20日の午後5時までに未払い給料完済の方針について選手側と合意できない場合には、今季のスーパーリーグ参加に必要なクラブライセンスを無効とすることも発表しています。

またシーク・モハマド委員長はクダFCと同様に未払い給料問題を抱えていたKLシティFCについて、期限となっていた3月30日までに完済の方針について選手側と同意ができたことを発表しています。この結果、KLシティFCは今季のスーパーリーグ参加が確定しています。

サッカー協会は中傷目的のメールについて警察に告発せず

マレーシアサッカー協会(FAM)は、3月31日の年次総会前に国内メディアや監督官庁である青年スポーツ省などに送られた匿名の中傷目的のメールについて、警察に告発しない方針を決めたと、英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

この記事によるとFAMは警察に告発する代わりに、独立した調査委員会を設置して調査を行うということです。年次総会後の記者会見でFAMのハミディン・アミン会長は事務局長の職権濫用や代表チームへの不十分な支援、ナショナルトレーニングセンター建設の不透明な入札手続きなどを糾弾する内容のメールについて、警察に告発することを検討中と話していましたが、痛い腹を探られたくないのか方針を転換したようです。

FAMのユソフ・マハディ副会長は、すべての職員から聞き取り調査を行い、一人一人の考えや不満を聞き出したいとしています。またナショナルトレーニングセンターの不透明な入札に関して国民に否定的な印象を持たれることがFAMがもっと懸念していることだと述べる一方で、ユソフ副会長はマレーシア腐敗防止委員会(MACC)からの聞き取りがあったかどうかを問われると、自身は事務方ではないのでその件は何も承知していないと話しています。

今季のリーグ公式球はプーマのオービタMFL1に決定

マレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、今季2024/25シーズンのスーパーリーグ公式球としてプーマ社のオービタMFL1が採用されることを公式サイトで発表しています。

2022年のアクセラレート21.1プロ採用から3年連続でプーマ社のボールが公式中となったスーパーリーグですが、今季はマレーシアカップ100周年記念に当たることもあり、マレーシア国旗でも採用されている赤色、黄色、白色、青色が組み合わされたデザインのオービタMFL1は、プーマ社の統治代理店アクティブスポーツの店舗でも購入可能で、価格は599リンギ(およそ1万9000円)ということです。

4月5日のニュース<br>FAM年次総会関連-中傷目的のメール送信者を告発へ・会長はキム監督の辞任および解任はないことを言明・会長がキム監督からの要望に答えられなかった理由を説明・会長は自身の給与について個人的な問題と批判を一蹴<br>最新FIFAランキングでマレーシアは順位を6位下げて138位

FAM年次総会-中傷目的のメール送信者を告発へ

3月31日に行われたマレーシアサッカー協会(FAM)の第60回年次総会を前に、FAMの幹部と運営を中傷する目的の電子メールが国内メディアや青年スポーツ省などに送られた件について、FAMのハミディン・アミン会長はマレーシア通信マルチメディア委員会 (MCMC)と協力して、そのメールの発信者を特定した上で警察に告発する可能性を示唆しています。

ハミディン会長は「このような(中傷目的の)メールが毎日送られれば、我々も疲弊してしまう。そこでMCMCの強力で発信者を特定したいと考えており、されに理事会は警察への告発にも同意している。メールの内容に疑わしい点があれば、(FAM内の)公正委員会委員長に提起したい。」と年次総会後の記者会見で述べています。

また問題のメールで指摘されたナショナルトレーニングセンター建設の入札の過程が不透明であるという指摘についても、「FAMは自身の設けたSOP(標準業務手順)だけでなく、アジアサッカー連盟AFCのSOPにも沿っており、会計に関することは全て該当する(FAM内部の)委員会の承認を得て行なっている。」と説明しています。

さらにハミディン会長はこの匿名のメールの申し立てには根拠がなく、FAMの評判を失墜させようとする悪意のある個人攻撃であると非難するとともに、こう言ったメールが送られたことに失望しているとも話し、FAM内部での聞き取り調査を行うことを検討していることも明かしています。その上で、FAM内部にこの匿名のメールに関わる人物がいた場合には適切な処分も行うとしています。

またこのメールでその職権濫用を名指しで非難されたノー・アズマン・ラーマンFAM事務局長は、批判された内容については何も答えるつもりがないとした上で、自身を非難した人物を糾弾するのではなく、許したいと話しています。

問題のメールでは、ノー・アズマン事務局長の職権濫用の他、職員の給与と手当決定の不透明な仕組み、FAMによる代表チームに対する不十分な支援、ナショナルトレーニングセンター建設計画入札過程の不透明さの4点についてFAMに内在する問題を指摘していました。

FAM年次総会-会長はキム監督の辞任および解任はないことを言明

この年次総会の数日前には、キム・パンゴン代表監督とコーチ陣がFAMに対して自分たちが必要とされていない場合には辞任の用意があるという内容の手紙が送られたと封じられた件について、マレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・アミン会長は、そう言った内容の手紙をキム監督から受け取った事実はないと話し、キム監督が辞任をする予定も、FAMがキム監督を解任する予定もないと明言しています。

ハミディン会長は、SNSを中心に流布した噂は2026年W杯アジア2次予選でオマーン代表に連敗したマレーシア代表についての議論を引き起こそうという意図があったと指摘し、キム監督自身がそのような意図はないと否定し、W杯アジア3次予選進出と2027年アジアカップ出場権獲得という当初の目標を目指していると説明しています。

また3月26日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われたW杯アジア2次予選第4節オマーン代表戦にポー・マルティコーチがベンチ入りしていなかった件については、第3節のオマーンで行われた試合の後、体調を崩して入院していたことが理由であり、ポー・マルティコーチが代表チームのコーチングスタッフから外れたという一部で噂されていたことを否定しています。

FAM年次総会-会長がキム監督からの要望に答えられなかった理由を説明

マレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・アミン会長は、当地メディアや関係各所に送られた中傷目的の電子メールで、W杯予選に臨む代表チームに対してFAMが十分な支援を行なっていないという指摘について「避けられない技術的問題」があったとして反論しています。

ハミディン・アミンFAM会長は、代表チームがW杯予選に臨む準備としては「最適なものではなかった」ことは認めながらも、予選前の準備期間がFIFA国際マッチカレンダー外だったことから選手を代表チームに招集できなかったことが問題の根元にあると述べ、その結果として当初予定していたアラブ首長国連邦(UAE)での合宿と練習試合が実現しなかったと説明しています。「キム監督は3月のW杯予選再開を前にUAEや他の国での合宿と最低でも2試合の練習試合実施を要望し、FAMもその実現に尽力したが、(国内リーグの)Mリーグの複数のクラブが選手の代表合宿参加を拒否したことで、合宿を行えるほどの選手の確保ができなかった。またFIFAカレンダー外だったため、他国の代表との練習試合も行えず、止むを得ず(W杯予選の対戦国)オマーン入りを早めた。」と説明しています。

またキム監督が求めていた5月に予定されている2024/25シーズンのMリーグ開幕を早める件についても、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が行っていた準備を遅らせるとして受け入れることができなかったと述べています。

FAM年次総会-会長は自身の給与について個人的な問題と批判を一蹴

マレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・アミン会長は、当地メディアや関係各所に送られた中傷目的の電子メールで、職員の給与と手当決定の仕組みが不透明という指摘について、具体的な金額は私事だと述べて

このメールの中で自身の給与が9万リンギ(およそ280万円)とされたハミディン会長は、総会後の記者会見でこれに関する質問が出ると、2018年から会長についていることで、様々な手当を受け取っていると述べる一方で、給与の額は私事であり、明らかにするつもりはなく、そこまで質問するのはやりすぎだと怒気を含んだ声で回答したということです。

前会長のジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下(現ジョホール・ダルル・タジムFCオーナー)が王室の人間がFAMに関与するべきではないと意見が出た後、辞意を表すと、FAMは日本や韓国、タイやベトナム同様に常勤の会長を持つべきだと提言し、後任に2013年からFAM事務局長を務めていた自分を推挙したと説明したハミディン会長は、さらにイスマイル殿下が同時に幾つかの手当についても提案し、FAM総会で承認さレたことで、現在の会長職についたと述べています。

最新FIFAランキングでマレーシアは順位を6位下げて138位

最新のFIFAランキングが発表され、先月3月の2026年W杯アジア2次予選でオマーンに連敗したマレーシアは15.63ポイントを失い、総ポイント数が1,094.54となった結果、前回発表の2月の132位からランキングを6位下げて138位となっています。

ちょうど1年前の4月のFIFAランキング発表でも138位だったマレーシアは、国際Aマッチとして行われた昨年9月の中国戦やシリア戦に引き分け、11年ぶりに開催されたムルデカ大会では、やはり格上のインドを破っています。また昨年11月のW杯予選でも格上のキルギスを破り、昨年12月のFIFAランキング発表では130位まで順位を上げており、2001年以来23年ぶりの120位代入りが見えていました。

しかし年が明けた1月のアジアカップ2023では、ヨルダンとバーレーンに敗れると、韓国とは引き分けたものの、2月のランキング発表では132位となっていました。そして先月3月のオマーン戦連敗で今回138位となり、1年間で元の位置に戻った格好になります。

東南アジア内では、前回のFIFAランキング発表でベトナムに代わって1位となったタイがアジア101位でトップを堅持し、ベトナム(アジア115位)がこれに続いています。そしてアジアカップ2023ではベスト16進出、W杯予選ではトルシエ監督率いるベトナム相手に2連勝するなど好調のインドネシアが3位(アジア134位)に浮上しています。ちなみにマレーシアがインドネシアにFIFAランキングで負けるのはおよそ5年ぶりです。なお東南アジア5位以下はフィリピン(アジア141位)、シンガポール(同155位)、ミャンマー(同163位)、カンボジア(同179位)、ラオス(同190位)、ブルネイ(同194位)、東ティモール(同198位)と続きます。

4月2日のニュース
スランゴール退団のブレンダン・ガンはKLシティ加入が決定
スランゴールのガーナ出身CBはペナンへ期限付き移籍
PDRMにはカザフスタンリーグのチームメート2名が加入

中傷的な手紙がメディアに投下されるなど、開会前から話題が多かった昨日のマレーシアサッカー協会(FAM)年次総会の内容を取り上げたかったのですが、今日の午後になってもまだ記事が次々と出ており、今日中に読み終わりそうにないので、こちらは明日以降に取り上げ、今日は遺跡に関するニュースです。

スランゴール退団のブレンダン・ガンはKLシティ加入が決定

昨季はスランゴールFCでキャプテンを務めながら、シーズン終了後に退団していたブレンダン・ガンがKLシティFCに加入することがクラブ公式SNSで発表されています。代表でもプレーするガン選手は、アジアカップ2023から先日の2026年W杯アジア2次予選にも所属クラブなしの状態で出場していました。なお、ガン選手については、これまでスリ・パハンFC入りが濃厚と封じられていましたが、家族の性格なども考慮してクラン・バリー(クアラルンプールを中心とした首都圏)に残ることを決め、さらにその決断にはさほど時間がかからなかったと述べています。

36歳のガン選手は、昨季末に退団しジョホール・ダルル・タジムFCに加入したものの、今季は期限付きでKLシティFCに移籍したデクラン、ラインのランバート兄弟、タイでもプレー経験があるニック・スウィラッド(スリ・パハンFCから加入)、昨季はクダ・ダルル・アマンFCでプレーし、やはり2シーズンぶりの復帰となるK・パルディバンらとともに新戦力として、今季のスーパーリーグに臨みます。

この他、KLシティFCは元代表GKハフィズル・ハキムが3部リーグのハリニ・スランゴールFTから加入したことを発表しています。代表戦8試合に出場経験があるハフィズル選手は30歳で、スーパーリーグのペラFCやペナンFCなどでもプレーし、昨季は3部M3リーグのハリニ・スランゴールFTでリーグ戦24試合中22試合に先発して全てフル出場しています。KLシティには代表GKのアズリ・ガニがいますが、控えとなっていたU23代表GKアジム・アル=アルミンをスランゴールFCに放出しており、経験豊富なハフィズル選手の獲得で選手層は暑くなりそうです。

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2020年に加入したスランゴールでは4シーズンで79試合に出場し、13ゴール15アシストという記録を残しており、昨季もキャプテンを務めたガン選手の退団はサッカーファンを驚かせました。これについてガン選手は、KLシティFC加入が決まるとその真相を明らかにしています。「2023シーズン終了後、2024年シーズンの成功を継続するために、自分の将来についてスランゴールFCと話し合う機会が与えられることを楽しみにしていたが、残念ながら、スランゴールFCの経営陣は私がチームに残るために話し合ったり、交渉したりする余地を与えてくれなかった。」と投稿し、退団が不本意なものだったことを明らかにしています。

ともに首都圏に本拠地を持つKLシティFCとスランゴールFCの対戦は「クラン・バリー・ダービー」と呼ばれ、昨季もサポーターが衝突してケガ人が出るなど激しいライバル関係で有名なカードです。近年は2021年マレーシアカップ優勝から3季続けてカップ戦の決勝に進んでいるKLシティFCに対して、タイトル争いに絡むことがないスランゴールFCという図式になっていました。今回のガン選手の移籍は遺恨とは言わないまでも、ガン選手のSNS投稿を見る限りではモヤモヤが残る移籍のようですので、今季のクラン・バリー・ダービーの良いアクセントになりそうです。

スランゴールのガーナ出身CBはペナンへ期限付き移籍

スランゴールFCはガーナ出身のDFリッチモンド・アンクラがペナンFCへ期限付きで移籍することを発表しています。2022年5月にガーナ1部のアクラ・ライオンズFCからスランゴールFCのU23チーム、スランゴールFCIIに移籍したリッチモンド選手は24歳で、190cmと長身が魅力のCBです。昨季はトップチームのスランゴールFCで4試合、U23チームのスランゴールFC IIで6試合にいずれも先発してフル出場しています。

なおペナンFCはキャプテンのCBラファエル・ヴィトール(ブラジル)が昨季から残留し、新加入でベトナムリーグでのプレー経験があるFWロドリゴ・ディアス(ブラジル)と2名の外国籍選手がおり、リッチモンド選手が3人目の外国籍選手となります。昨季はヌグリスンビランFCでプレーしたU23代表GKシーク・イズハンもスランゴールFCからペナンFCに期限付き移籍しています。

PDRMにはカザフスタンリーグのチームメート2名が加入

昨季は11勝6分11敗で8位に終わったPDRM FCは、ナイジェリア出身のDFフェイス・フライデー・オビロルとMFチディ・オスチュクウの加入を発表しています。33歳のオビロル選手は189cmの長身CB、一方オスチュクウ選手は30歳のMFで両選手とも昨季はカザフスタン1部のFKアクスでプレーしており、このFKアクスでは昨季は帯ロル選手は26試合に、オスチュクワ選手は22試合に出場しているということです。

昨季のPDRMには24試合に出場したやはりナイジェリア出身の長身のCBジェイムズ・オクウォサがいましたが、今季は同じスーパーリーグのクチンシティFCと契約しており、オビロル選手の獲得でその穴が埋まっています。またオスチュクワ選手はU20W杯にも出場経験があり、今季の指令塔として期待されています。

PDRM FCの外国籍選手は、昨季は11ゴールを挙げてチーム得点王となったFW鈴木ブルーノ、ヨルダン代表MFファディ・アワド、ミャンマー代表DFチョー・ミン・ウーの3名が残留しています。