AFCカップ2023/24
東南アジアゾーンH組第3節-サバは敗れて2位転落

AFCカップ2023/24東南アジアゾーンのグループステージ第3節が行われ、サバFC(2022年シーズン3位)は、ベトナムリーグ2022年2位のハイフォンFCと対戦し、2-3で敗れて連勝が2で止まり、勝点6で並んだハイフォンFCを得失差で上回っているものの直接対決に敗れたため2位に転落しています。

AFCカップ2023/24 H組第3節-サバは追い上げが及ばず敵地で敗戦

1995年のアジアカップウィナーズカップ(当時)以来28年ぶりにアジアの舞台に立ったサバは、今季のAFCカップでは第1節ではホウガン・ユナイテッド(シンガポール)に3-1、第2節ではPSMマカッサル(インドネシア)に5-0と2連勝中。ここまで1勝1敗のハイフォンFC戦に勝利すれば、ノックアウトステージ進出が近づきます。前述のカップウィナーズカップではベトナムのアンザンFC(当時、現在のフンブオン・アンザン)に敗れており、この試合はいわばそのリベンジでもあります。なお、この試合のサバの先発XIは以下の通り。大勝したPSMマカッサル戦からはミゲル・シフエンテスに代わりテルモ・カスタンヘイラが入り、ケガ人もなくベストメンバーです。


しかし試合は試合前の会見ではケガにより主力数名を欠いているとチュー・ディン・ギエム監督が話していたホームのハイフォンが開始直後からサバを圧倒。そして14分には、それまでもサバゴール前に危険なクロスを上げていたグエン・フー・ソンが左サイドから低いクロスを上げると、このボールは誰も触れることなくそのままゴールインし、ハイフォンがリードを奪います。さらにその4分後にはダム・ティエン・ズンがペナルティエリアの外から左足を振り抜いて放ったシュートにサバGKダミエン・リムは反応できず、ハイフォンが早々と2-0とリードを広げます。

前半をハイフォンのリードで折り返すと、後半の71分には右サイドのダレン・ロックからのクロスをラモン・マチャドが体制を崩しながらも頭で合わせてゴールを決め、サバは1点差に詰め寄りますが、その1分後にはサバのペナルティエリア内でフリーとなったダム・ティエン・ズンがこの試合2点目となるゴールを難なく決めて、ハイフォンは再びリードを広げます。

80分には、今季国内リーグではゴールを挙げていないゲリー・スティーヴン・ロバトがハイフォンGKが全く反応できない目の覚めるようなミドルシュートを決めて再び1点差に迫るものの、サバの反撃はここまで。前半の失点に泣いたサバがH¥組首位を陥落しています。なお11月9日の第4節では同一カードがサバのホーム、リカススタジアムで予定されています。

AFCカップ2023/24 グループステージH組第3節
2023年10月25日@ラックチャイスタジアム(ハイフォン、ベトナム)
観衆:7.235人
ハイフォンFC 3-2 サバFC
⚽️ハイフォン:グエン・フー・ソン(14分)、ダム・ティエン・ズン2(18分、72分)
⚽️サバ:ラモン・マチャド(71分)、ゲリー・スティーヴン・ロバト(80分)
🟨ハイフォン(2):ルオン・ホアン・ナム、ビク・ビサンテ
🟨サバ(1):スチュアート・ウィルキン

(試合のハイライト映像はアストロ・アリーナの公式YouTubeチャンネルより)

H組のもう1試合は、日本人選手所属チーム同士の対戦となり、ここまで連敗中だったPSMマカッサルがホウガン・ユナイテッドに快勝。こちらも勝点3で並びましたが、直接対決を制したPSMマカッサルが3位、ホウガン・ユナイテッドが4位となっています。’

ACLカップ2023/24 グループステージH組第3節
2023年10月25日@カプテン・イ・ワヤン・ディプタ・スタジアム(バリ、インドネシア)
観衆:58人
PSMマカッサル 3-1 ホウガン・ユナイテッドFC
⚽️マカッサル:サフルディン・タハール(22分)、ユラン・フェルナンデス(29分)、アディルソン・シルヴァ(55分)
⚽️ホウガン:ジョルジェ・マクシモビッチ(78分PK)
🟨マカッサル(0)
🟨ホウガン(2):アブディル・カイーム・ムタリブ、ナズル・ナザリ、栗山直樹
PSMマカッサルの南部健造選手は60分から出場しています。
ホウガン・ユナイテッドの髙山和真、栗山直樹両選手はいずれも先発してフル出場しています。

ACL2023/24 グループステージH組順位(第2節終了)

順位チーム勝点
1ハイフォン32017436
2サバ320010466
3PSMマカッサル310339-63
4ホウガン・310247-33

AFCチャンピオンズリーグ2023/24
グループステージI組第3節-ジョホールは蔚山現代に敗れて3位転落


2023/24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第3節が行われ、グループステージI組のACL5季連続出場となったジョホール・ダルル・タジムFCはアウェイでの蔚山現代FC戦に臨みましたが1-3で敗れ、勝点3のままグループ3位に順位を下げています。

ジョホールはマレーシアとの15度近い気温差に慣れるため、10月19日のマレーシアカップ準決勝ペラFC戦直後に韓国入りしていました。国内リーグでは今季優勝を既に決めており、直前のペラFC戦も4-1と快勝しています。ジョホールのエステバン・ソラリ監督は、第2節10月3日の4-2で勝利したBGパトゥム戦、そして第1節9月19日の0-1で敗れた川崎フロンターレ戦と全く同じ11名を3試合連続で先発させています。一方の蔚山現代の洪明甫(ホン・ミョンボ)監督は第2節の川崎フロンターレ戦からはヴァレリ・カザイシュヴィリに代えてグスタフ・ルドヴィグソンら5名を入れ替えています。(以下は両チームの先発XI)


ACLで2度の優勝経験を持つ蔚山現代ですが、昨季はジョホールのホームでの集中開催となっていたグループステージではジョホールに2敗しており、ジョホールがアウェイでも同様の結果を出せるのか、蔚山現代が雪辱するのかに注目が集まりましたが、試合は蔚山現代がダリヤン・ボヤニッチの左コーナーキックをジョホールDFをかわしてフリーとなったキャプテン、鄭昇炫(チョン・スンヒョン)が難なく押し込んで開始5分で先制します。

蔚山現代はさらに12分に追加点を奪います。それまでも左サイドでマレーシア代表サイドバックでもあるマシュー・デイヴィーズを圧倒していたグスタフ・ルドヴィグソンが金聖埈(キム・ソンジュン)のパスをピッチ中央で受けて抜け出すと、追い縋るデイヴィーズ選手をパワーとスキルで圧倒してゴール正面から豪快に蹴り込んで、蔚山現代がリードを広げます。さらにその6分後には韓国代表DFの鄭昇炫(チョン・スンヒョン)が自陣から送ったロングボールを左サイドで受けたルドヴィグソン選手がまたもデイヴィーズ選手を振り切ってペナルティエリアまで切り込むと、この試合2点目のゴールを決め、蔚山現代は試合開始から20分で3-0とします。

しかし蔚山現代は36分に金太煥(キム・テファン)が2枚目のイエローカードで早々と退場となり、ジョホールに有利かと思われましたが、60分近い残り時間があったものの蔚山現代の強固な守備を崩すことができず、得点したのはベルグソン・ダ・シルヴァの1得点にとどまっています。数的優位を活かせず、スタッツで見るとボールの保持率は蔚山現代40.6%に対してジョホール59.4%、シュート数では蔚山現代10本(枠内3本)、ジョホール11本(同3本)と遜色がなかったジョホールでしたが、スタッツ以上に差がついた1-3で蔚山現代に昨季の雪辱を果たされています。

通算成績を1勝2敗としたジョホールのACL次戦は、11月7日の第4節にこの日敗れた蔚山現代とホームのスルタン・イブラヒムスタジアムで対戦します。

ACL2023/24 グループステージI組 第3節
2023年10月24日@蔚山文殊サッカー競技場(韓国、蔚山広域市)
蔚山現代 3-1 ジョホール・ダルル・タジムFC
⚽️蔚山現代:鄭昇炫(チョン・スンヒョン、5分)、グスタフ・ルドヴィグソン2(12分、18分)
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ(53分)
 🟨蔚山現代(2):鄭昇炫(チョン・スンヒョン)、金太煥(キム・テファン)
 🟨ジョホール(3):マシュー・デイヴィーズ、シェーン・ローリー、フェロズ・バハルディン
 🟥蔚山現代(1):金太煥(キム・テファン)
🟨X2) 蔚山現代の江坂任選手は先発して90+2分に交代しています。

(この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナの公式YouTubeチャンネルより)

I組のもう一試合は、I組首位の川崎フロンターレがBGパトゥム・ユナイテッド4発のゴールで勝利し、3連勝でI組首位を守っています。BGパトゥム・ユナイテッドは前半終了間際にイゴール・セルゲーエフのゴールで一度は同点としたものの、後半だけで3失点して敗れています。(以下は両チームの先発XI)

ACL2023/24 グループステージI組 
第3節 2023年10月24日@BGスタジアム(タイ、パトゥムターニー)
BGパトゥム・ユナイテッド 2-4 川崎フロンターレ
⚽️BGパトゥム:イゴール・セルゲーエフ(45+1分)、ビクトル・カルドゾ(82分PK)
⚽️川崎:遠野大弥(14分)、橘田健人(52分)、マルシーニョ(68分)、大南拓磨(77分) 
🟨BGパトゥム(1)ワリス・チョルトン 
🟨川崎(4):鄭成龍(チョン・ソンリョン)、ジェジエウ、高井幸大、脇坂泰斗

ACL2023/24 グループステージI組順位(第3節終了)

順位チーム勝点
1川崎F33006249
2蔚山現代32016336
3ジョホール310256-13
4BGパトゥムU3003511-60

マレーシアカップ2023
準決勝ファーストレグ-ジョホールとトレンガヌが先勝

10月のFIFA国際マッチデーも終わり、国内日程の最初となるのがマレーシアカップの準決勝ファーストレグです。第97回大会となる今大会のベスト4に残っているのは、既に今季の優勝を決めているジョホール・ダルル・タジムFC、現在リーグ6位のトレンガヌFC、同7位のKLシティFC、そして同11位のペラFCの4チームです。マレーシアスーパーリーグとFAカップで既に優勝を決め、2季連続の国内三冠を目指すジョホールは2019年優勝のペラと、2021年以来2年ぶりのタイトルを狙うKLシティは優勝から20年以上遠ざかっているトレンガヌとそれぞれ対戦します。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアカップ2023準決勝ファーストレグ
2023年10月20日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 1-4 ジョホール・ダルル・タジムFC
⚽️ペラ:ルチアーノ・ゴイゴチェア(76分)
⚽️ジョホール:オスカル・リバレス(7分)、アリフ・アイマン(12分)、シャールル・サアド(71分)、ナズミ・ファイズ(81分)
🟨ペラ(3):サンデイ・アフォラビ、ワン・ザック・ハイカル、ルチアーノ・ゴイゴチェア
🟨ジョホール(3):アリフ・アイマン、フェロズ・バハルディン、フェルナンド・フォレスティエリ
MOM:オスカル・アリバス(ジョホール・ダルル・タジムFC)
ジョホールの邦本宜裕選手は68分から出場して試合終了までプレーしています。

ジョホールが順当にペラに快勝し、2季連続の国内三冠へまた一歩近づいています。

この試合のジョホールはベルグソン・ダ・シルヴァ、フェルナンド・フォレスティエリ、ヘベルチ・フェルナンデスが初めて揃って先発しています。開始7分でスペイン生まれのフィリピン代表サイドバック、オスカル・アリバスのゴールで先制したジョホールは、若きエースのアリフ・アマンのゴールで追加点を奪って2-0で前半を折り返します。

後半には71分にシャールル・サアド、81分にはナズミ・ファイズのゴールでさらに二点を加えたジョホールが、ペラの反撃をルチアーノ・ゴイゴチェアの1ゴールに抑え、3点のアドバンテージを持って11月2日に予定されているセカンドレグに臨みます。

*****

なおジョホールはこの試合後のACLグループステージI組の第3節となる蔚山現代戦に向けて韓国入りしており、本日10月24日に韓国の蔚山文殊サッカー競技場で行われる昨季のKリーグ王者と試合に臨みます。このマレーシアカップ準決勝はムルデカ大会決勝のタジキスタン代表戦からわずか2日後に組まれましたが、リーグ戦からFIFA国際マッチカレンダーでの代表戦、そしてマレーシアカップと続く日程は、主力選手の大半が代表選手で締められるジョホールにとっては厳しい日程ですが、

今季のACLでは、ジョホールはホーム開催となった第1節の川崎フロンターレ戦を0-1で落としたものの、第2節ではBGパトゥム・ユナイテッドをアウェイで3-2と破り、ここまで1勝1敗です。一方の蔚山現代は第1節はBGパトゥム・ユナイテッドに3-1で勝利、第2節は川崎フロンターレに0-1で敗れ、ジョホール同様、ここまで1勝1敗となっています。なおジョホールと蔚山現代は昨季のACLグループステージで同組となり、この時はホーム開催の地の利を生かしたジョホールが蔚山現代との2試合をいずれも2-1で勝利し、やはり同組だった川崎フロンターレを抑えてグループ1位となり、クラブ史上初のグループステージ突破を果たしています。なお、2019年からACLでプレーするジョホールは昨季までの4シーズンで韓国勢とは3勝3敗1分(集中開催地のカタールへの出国をマレーシア政府が禁止し、途中で出場辞退した2020年シーズンの水原ブルーウィングズ戦の結果を含む)という結果が残っています。

マレーシアカップ2023準決勝ファーストレグ
2023年10月21日@KLフットボールスタジアム
観衆:4.210人
KLシティFC 1-2 トレンガヌFC
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(90+5分PK)
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(45+1分)、ニック・シャリフ(89分)
🟨KLシティ(3):カマル・アジジ、ザフリ・ヤハヤ、ショーン・ジャネッリ
🟨トレンガヌ(3)エンク・シャキル、ヌリロ・トゥカタシノフ、ハビブ・ハルーン、
MOM:ヌリロ・トゥカタシノフ(トレンガヌFC)

ともにクロアチア出身の監督が率いる両チームは、リーグ戦やFAカップで今季既に3度対戦し、その3試合が全て引き分けと決着がついていません。ホームのKLシティはパウロ・ジョズエとライアン・ランバートは警告累積により、ロメル・モラレスは体調不良のためベンチ外と主力を欠く苦しい布陣でした。特にリーグ戦ではいずれもチームトップの8ゴールを挙げているジョズエ、モラレス両選手の欠場で、KLシティのネナド・バチナ監督ははU23代表FWコンビのT・サラヴァラン、ハキミ・アジムを先発に起用していますが、攻撃力低下は否めず、試合開始からトレンガヌに押し込まれる場面が続きます。

一方のトレンガヌはリーグ戦10ゴール、マレーシアカップでも既に5ゴールを挙げているイヴァン・マムートにボールを集めてゴールを狙いますが、好機は作るものの得点には至らず、このまま前半は0-0で終わるかと思われたロスタイムに試合が動きました。ヌリロ・トゥカタシノフのクロスをイヴァン・マムートが頭で合わせたシュートはKLシティGKケヴィン・メンドーザに弾かれたものの、そのこぼれ球をマムート選手自身が押し込んでゴール!マムート選手の今季通算18ゴール目でトレンガヌが先制します。

後半も前半同様、トレンガヌ優勢で試合が進むも追加点を奪えない中、87分に途中出場のニック・シャリフがシャーミ・ザムリからのパスをカーブをかけてKLゴールのポストギリギリに蹴り込んだシュートが決まり、トレンガヌが待望の追加点を奪います。しかしセカンドレグに向けて点差を詰めたいKLシティもロスタイムにショーン・ジャネッリが倒されて得たPKをチェチェ・キプレが決めて1点を返したところで試合終了。トレンガヌは1点のアドバンテージを持って、セカンドレグをホームのスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムでKLシティを迎え撃ちます。

10月18日のニュース
ムルデカ大会決勝-タジキスタンがマレーシアを破り優勝

ムルデカ大会決勝-タジキスタンがマレーシアを破り優勝

10年ぶりの開催となったムルデカ大会の第42回大会決勝が10月17日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われ、タジキスタン代表が大会ホストで13回目の優勝を目指したマレーシア代表を2-0で破り、優勝を果たしています。

公式発表では3万6,558名の観衆を集めた決勝戦で、マレーシア代表のキム・パンゴン監督は4-2と快勝した10月13日のインド代表戦からは、MFノーア・レイン(フィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ)とFWアキヤ・ラシド(ジョホール・ダルル・タジムFC)に代えて、MFブレンダン・ガン(スランゴールFC)とFWサファウィ・ラシド(ジョホール・ダルル・タジムFC)を先発に起用、一方のタジキスタン代表はマレーシアスーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCでプレーするMFアミルベク・ジュラバエフが先発XIに名を連ねています。(以下は両チームの先発XI。タジキスタン代表の写真はアミルベク・ジュラバエフ)

試合は6試合連続無敗と好調のマレーシアが試合開始直後から積極的なプレーを見せ、タジキスタンゴールへ迫りますが、シュートの精度を欠き、ゴールには至りません。そうしている間にタジキスタンが徐々にペースを掴むと、15分には左サイドでマレーシアのパスをカットし、そこから展開して最後はシュクロフ・アリシャーがGKシーハン・ハズミと1対1となる場面になりますが、シーハンがこれを弾いてマレーシアは難を逃れます。マレーシアも20分にはフリーキックからサファウィ・らシドが、27分にはブレンダン・ガンがミドルシュートで、また32分にはアリフ・アイマンがそれぞれゴールを狙いますが、いずれもタジキスタンGKダラー・バロトフに阻まれます。さらに36分にはこの日、好機に絡むこと多かったマシュー・デイヴィーズが右サイドをドリブルで崩してクロスを出すも、ゴール前のダレン・ロックに合わず得点機を逃します。

そんなかで先制したのはタジキスタンでした。44分にルスタム・ソイロフがマレーシアDラインを巧みに抜け出してパスを受けると、そのままゴールを決めてタジキスタンが1-0とします。マレーシアもその直後にサファウィ選手のフリーキックからデイヴィーズ選手がヘディングシュートを放つも、素晴らしい反応を見せたタジキスタンGKに阻まれ、前半はタジキスタンがリードして終了します。

後半開始とともにキム監督はデイヴィーズ選手に代えてアザム・アズミを、アリフ・アイマンに代えてアキヤ選手を投入すると、この起用に応えるように54分には左サイドのラヴェル・コービン=オングからのパスを受けたアキヤ選手がシュートを放ちますが、GKに阻まれてゴールとはなりませんでした。その後もマレーシアはダレン・ロックのヘディングシュートは枠外、ファイサル・ハリムのシュートはゴールポストに阻まれるなど、好機を作るものの得点とはならなりません。

キム監督は、さらにスチュアート・ウィルキンとムカイリ・アジマルをそえぞれブレンダン・ガン、サファウィ・ラシドに代えて投入し、同点を目指してより攻撃的な布陣に変更しますが、逆に88分には前掛かり気味になったマレーシアDFラインを抜け出したシャフロム・サミエフがゴール前に迫ると、ドミニク・タンとシーハン選手のコミュニケーションミスからゴールを決められ万事休す。2-0のまま逃げ切ったタジキスタンがムルデカ大会初優勝を飾っています。

無敗記録が6で止まったFIFAランキング134位のマレーシア代表は、昨年、タイのキングズカップ決勝でも敗れていた同110位のタジキスタンへのリベンジも果たせず、今月のFIFA国際マッチデーは1勝1敗に終わっています。

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試合後の記者会見では、この日の敗戦の責任は全て自分にあると話したマレーシアのキム監督は、結果的にサポーターの期待に応えられなかったことを詫びるとともに、好調が続いてたチームに対して「ホームのサポーターの前での敗戦は辛いが、この敗戦を糧にチームを改善していきたい」と話し、来年1月に開幕するアジアカップ前にまだ多くの改善の余地があることを伝える警鐘だと考えていると述べています。

一方、勝利したタジキスタンのペタル・セグルト監督は、試合終了まで統制のとれたプレーを続けた選手たちを称えるとともに、大会初出場での初優勝はタジキスタンにとって喜ばしいと述べています。

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またこの試合後、マレーシア代表のキム・パンゴン監督はさらに、マレーシア代表が短期間でFIFAランキングを大幅に改善したことについて、正直なところ「震え上がっていた」とも述べています。マレーシアはキム監督が就任した2022年1月から2年も経たない内にFIFAランキングを154位から134位まで上げていますが、キム監督はその間、眠れない夜が何度もあったことを告白しています。

「(マレーシアがFIFAランキング)134位に到達するのは早すぎたと感じている。その結果、サポーターの期待が高まったことはありがたいが、それに応えなければと怖くなり、眠れないことが何度もあった。また、多くの人々が(ムルデカ大会の)優勝を期待していることも理解していたので、この決勝前夜も眠れなかった。」と試合後の記者会見で明かしています。

またここまで好調だったマレーシア代表がこの試合で敗れたことで、キム監督は代表サポーターの自身と代表チームが真に支持されているかどうかが試されることになるだろうとも話し、サポーターだけでなく、メディアも含めた国内サッカー関係者に対して、代表チームの成績にかかわらず今後も応援して欲しいと述べ、その代わり、チームへの批判は選手ではなく自身が全て請け負うとしています。そして来月11月から始まるFIFAワールドカップ2006年大会アジア予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選では、より強力になったマレーシア代表を見せたいと話しています。

ムルデカ大会決勝
2023年10月18日@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)
マレーシア代表 0-2 タジキスタン代表
⚽️タジキスタン:ルスタム・ソイロフ(44分)、シャフロム・サミエフ(88分)

試合のハイライト映像。アストロ・アリーナの

10月17日のニュース
ムルデカ大会-いよいよ本日が決勝戦
ムルデカ大会-タジキスタン代表監督は「公平な」判定を期待

ムルデカ大会-いよいよ本日が決勝戦

10月13日の試合でインド代表を4-2で破ったマレーシア代表は、本日10月17日にタジキスタン代表とのムルデカ大会決勝に臨みます。FIFAランキング102位のインドを破ったことで、9月のFIFA国際マッチカレンダーでシリア代表(同93位)、中国代表(同80位)の両チームと引き分けに続き、3試合連続で格上相手に連続無敗記録を更新した同134位のマレーシア代表は、格上相手の無敗記録更新をかけて同110位のタジキスタン代表に挑みます。.

マレーシア代表とタジキスタン代表は直近では、昨年2022年9月にタイのチェンマイで行われたキングズカップで対戦しています。このときはタイ代表との試合を1−1の後のPK戦で勝ち上がったマレーシア代表と、トリニダード・トバゴ代表を2-1で破ったタジキスタン代表が決勝で対戦し、0-0で決着がつかなかった試合はPK戦0-3でマレーシアが敗れています。

マレーシアにとってはその試合のリベンジマッチとも言える本日の決勝ですが、このブログでも取り上げた通り、試合会場となるブキ・ジャリル国立競技場のピッチは13日のインド代表戦では新たに張り替えた高麗芝のゼオン・ゾイシアが十分に根付いておらず、ピッチのあちこちで芝が捲れたり、表面が剥がれたりしており、どのようなサッカーが展開されるのかはピッチの改善状況次第となりそうです。

ムルデカ大会-タジキスタン代表監督は「公平な」判定を期待

ムルデカ大会決勝を前に試合前の記者会見が行われ、その席上でタジキスタン代表のペタル・セグルト監督は審判に公平な判定を期待したいと述べています。

アジアではアフガニスタン、モルディブなどの代表監督を歴任した後、昨年2022年1月にタジキスタン代表監督に就任したクロアチア出身のセグルト監督は、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチ状態が悪いことから、主審にはPKを容易に与えないことを期待したいと話しています。「インド代表は素晴らしいプレーをしたが、マレーシア代表は主審の判定とピッチの状態が良い方向に作用した。我々の試合では主審には正しい判定を求めたい。」と述べたセグルト監督は、同じクロアチア出身のイゴール・シュティマツ インド代表監督からは、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチは長い距離を走れる状況ではないと聞いてるとしながらも、実際にピッチの状況を自身で見てから戦術を考えたいとしています。

また今回のタジキスタン代表は昨年のキングズカップ決勝でマレーシア代表と対戦したメンバーからは15名の主力選手が帯同しておらず、最年少は16歳のセンターバックDilovari Jamshedzodaを含む平均年齢21.2歳と若いチームであることも明らかにしたセグルト監督は「メンバーだけを見ればマレーシア代表が有利であり、ホームのサポーターの声援も大きな力になり、我々を破る良い機会になるはずだ。」と挑発的に話すとともに、この決勝戦を現在はがんの治療を受けているキャプテンのマヌチェフル・ジャリロフに捧げたいとも述べています。

今回のムルデカ大会では、タジキスタン代表は対戦予定だったパレスチナ代表がイスラエルとの戦闘が始まったことで大会直前に出場辞退したことで、不戦勝となり決勝に進出しています。

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同じ記者会見に同席したマレーシア代表のキム・パンゴン監督は主力選手が帯同していないことなどを述べたタジキスタン代表のセグルト監督に対して、試合前から負けた際の言い訳をしているようだと一笑に付すとともに、マレーシア代表はベストメンバーで臨むだけでなく、選手一人一人を信用して起用し、代表サポーターに勝利を届けたいと決意を表しています。

10月16日のニュース
ムルデカ大会-インドに4発快勝でマレーシアが決勝に進出
敗れたインド代表監督は試合後の会見で不満爆発
サッカー協会-明日のムルデカ大会決勝は予定通りブキ・ジャリルで開催

10年ぶりの開催となった第42回ムルデカ大会が10月13日に新装ブキ・ジャリル国立競技場で行われ、FIFAランキング134位のマレーシア代表は同102位のインド代表を4-2で破り、10月17日のタジキスタン代表との決勝進出を決めています。

この試合のチケットの売上枚数43, 645枚とマレーシアサッカー協会FAMが試合前に発表して言いますが、ブキ・ジャリル国立競技場での代表戦は今年1月7日の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップのタイ代表戦以来。このタイ代表戦以降、ブキ・ジャリル国立競技場は大規模な改修工事とピッチの張り替えなどで使用できず、代表戦はジョホール州やトレンガヌ州で行われており、特に首都圏のサポーターにとっては待ちに待った試合でした。

来年1月のアジアカップに向けて代表チームの選手選考が激化する中、この試合の先発XIは以下のようになっています。先月9月に行われた中国代表戦からは、MFブレンダン・ガン(スランゴールFC)とMFパウロ・ジョズエ(KLシティFC)が外れ、代わりにMFアリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジムFC)とU23代表から昇格したMFノーア・レイン(フィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ)が先発、リーグ10連覇を果たしたジョホールからは6名が先発XIに名を連ねています。なおジョズエ選手は試合前にデング熱に感染していることが発表されています。(以下は両チームの先発XI)

9月のFIFA国際マッチカレンダーでのシリア、中国両代表との試合も含め、直近の6試合では無敗のマレーシア代表は、大観衆の声援を背に試合開始から積極的にインド陣内に攻め込みます。そして早くも7分には先制点が生まれます。エンドリック・ドス・サントス(ジョホール・ダルル・タジムFC)のコーナーキックは低く速いボールがインドゴール前へ。ラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タジムFC)のヘディングはうまく合わなかったものの、アリフ・アイマンが繋いだボールをディオン・コールズ(タイ1部ブリーラム・ユナイテッドFC)がボレーで押し込んでマレーシアが先制します。

しかしインドもすぐさま反撃に転じ、13分にはコーナーキックから繋いだボールをナオレム・マヘーシュ・シンがボレーシュート。これをGKシーク・イズハン(ジョホール・ダルル・タジムC)が止められず、インドが同点に追いつきます。

同点に追いつかれたマレーシアは20分、ダレン・ロック(サバFC)がインドDFニヒル・プージャリにペナルティエリア内で倒されてPKを得ると、これをアリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジムFC)が決めて逆転に成功します。さらに42分にはファイサル・ハリム(スランゴールFC)が相手DFからボールを奪うとそのままドリブルで持ち込みゴールを決め3-1とし、前半で2点をリードして前半を終えます。

後半に入るとペースを挙げたインド代表は51分には39歳のベテランFWスニル・チェトリが自身が持つ代表最多得点記録を83に更新するゴールを決めて、インドが同点に追いつきます。さらに56分にはマレーシアペナルティエリア内での混戦からインドのFWラリアンズアラ・チャンテのシュートが決まったようにも見えましたが、主審の判定はノーゴール。インドの選手たちが激しく抗議するも得点は認められません。

1点差のまま試合が進む中、マレーシアは61分にファイサル・ハリムがインドペナルティエリア内で切り返すと、ゴール前でフリーとなっていたコービン=オング選手へパス。これを難なく決めたコービン=オング選手の代表4ゴール目でリードを2点に広げたマレーシアが最後まで続いたインドの猛攻に耐えて、4万を超える大観衆の応援もあり無敗記録を7に伸ばすとともに、明日10月17日のタジキスタンとのムルデカ大会決勝に駒を進めています。

2023年10月13日@ブキ・ジャリル国立競技場
マレーシア代表 4-2 インド代表
⚽️マレーシア:ディオン・クールズ(7分)、アリフ・アイマン(20分)、ファイサル・ハリム(42分)、ラヴェル・コービン=オング(61分)
⚽️インド:ナオレム・マヘーシュ・シン(13分)、スニル・チェトリ(51分)
🟨マレーシア(1):アリフ・アイマン
🟨インド(0)

この試合のハイライト映像。インドサッカー協会の公式YouTubeチャンネルより
敗れたインド代表監督は試合後の会見で不満爆発

FIFAランキング134位のマレーシア代表に敗れた同102位インド代表のイゴール・シュティマツ監督は、敗れた悔しさもあるでしょうがホストのマレーシアサッカー協会FAMに対して、様々な苦言を呈しています。「マレーシア入り後、2度練習したが、まずその練習場までへの移動では毎日1時間30分以上もホテルでバスを待たされた。練習場としてあてがわれたグラウンドは泥だらけで、その状態の悪さから4名の選手が負傷した。招待チームに対して適切な練習設備とそこへの手配を用意するのはホストの務めであり、招待チームを不快にするような対応は、ムルデカ大会のような大きな大会で行われるべきではない。」

またシュティマツ監督は、試合当日のブキ・ジャリル国立競技場のピッチに対しても不満をぶつけています。「試合は両チームが良いサッカーを見せ、スタジアムは素晴らしいが、ピッチの状態だけはあまりにも酷い。我々はさらに良いプレーを見せたかったが、ピッチの状態は酷すぎた。走ることも、止まることも難しい上、選手もケガを恐れていた。」述べています。改修工事に伴い、それまでのカウグラス(ムラサキツメクサ)から高麗芝のゼオンゾイシアに張り替えられたばかりのピッチは、実際に試合中もピッチの一部があちこちでめくり上がったり、剥がれてしまうなど決して良いピッチとは言えない状況でした。

また56分の「幻のゴール」についてシュティマツ監督は、「ゴール付近にいた選手が嘘をついているとは思えない。ボールがゴールラインを完全に越えたのは明らかだ。」と述べたものの、集まったマレーシアメディアに対してマレーシアが決勝へ進出の喜びを台無しにしたくないので、これ以上は離さない。」とそれ以上のコメントを拒否しています。

勝ったマレーシア代表監督は試合結果に満足

インド代表のシュティマツ監督の指摘を受けるまでもなく、この日のブキ・ジャリル国立競技場のピッチは劣悪でした。勝利したマレーシア代表のキム・パンゴン監督は、前日10月12日に行われた前日練習で同様の状況を目撃していたと話しています。今年1月の代表戦を最後に改修工事に入っていたブキ・ジャリル国立競技場は前日10月12日にお披露目なっていましたが、張り替えられた高麗芝のゼオン・ゾイシアが根付くには時間が明らかに足りていませんでした。

「新しい芝が根付くには時間がかかるのは当然で、我々はこうなることを予想していた。」と試合後の記者会見で話したキム監督は、ピッチについてはそれ以上触れず、試合を総括しています。「守備に関してはもう少し厳しく行けたはずだった。特に攻撃に注力している際には、守備が手薄になったが、そこが現在のチームの課題だと考えている。しかし、守備に重きを置けば試合はおそらく0-0で終わっていただろう。失点したくなければ、守備を固めれば良いが、このチームはそういった試合をすることを身座していないので、リスクを覚悟で攻撃に注力したが、その結果が4得点、2失点という形になった。私個人としては多くのことが学べ、何が課題かも分かったので満足している。」と述べています。

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勝利で口も滑らかなキム監督ですが、事前にピッチの状況がわかっていた、という部分が気になります。根付いていない芝が剥がれれば、止まれるはずのところで止まれなかったり、踏ん張りが効かなかったりして筋肉を伸ばしてしまう可能性があります。また芝が離れた後の穴に足を取られるという危険性もあったはずです。選手たちも状況は共有していたと思いますが、一歩間違えればケガの恐れもあるこのピッチの状況を知っていながらこの日の試合を行うことの判断が正しかったのかどうかは、個人的には理解できない点です。

サッカー協会-明日のムルデカ大会決勝は予定通りブキ・ジャリルで開催

マレーシア代表がインド代表を破った試合結果以上に、ブキ・ジャリル国立競技場の劣悪なピッチが注目を集めてしまった今年のムルデカ大会ですが、マレーシアサッカー協会FAMは、明日10月17日に予定されている決勝について、予定通りブキ・ジャリル国立競技場で行うことを正式に発表しています。

FAMはノー・アズマン・ラーマン事務局長名で公式声明を発表し、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチの再評価を行った結果に基づき、現状は試合を行うのに適しているとの判断から、マレーシア代表対タジキスタン代表との決勝戦は予定通りブキ・ジャリル国立競技場で行われるとしています。さらに10月13日のインド代表との試合ではピッチの状況は好ましいものでは無かったとしながらも、ブキ・ジャリル国立競技場を運営するマレーシア・スタジアム社が17日の決勝戦までに状況を改善するだろうともしています。

関係者全員が決勝戦のブキ・ジャリル国立競技場開催で合意しており、キム・パンゴン監督もピッチを視察し、ピッチはプレー可能な上、チームの勢いという点からも試合会場変更は望まないとして、ブキ・ジャリル国立競技場での開催に同意しているということです。

声明でノー・アズマン事務局長は、決勝戦のブキ・ジャリル開催の決定は様々な要因によるものでもあると説明しています。既に1万枚以上のチケットが売れており、それだけの観衆を収容できるスタジアムで使用できるところがクアラルンプールを中心とした首都圏では空いていないことを挙げ、ブキ・ジャリル国立競技場が改修工事中に代表戦を行ったスルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州)やスルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州)へ試合会場を移した場合には、首都圏に住み、チケットを購入した多くのサポーターにとって観戦が困難になると説明しています。

インド代表戦後には、その劣悪なピッチ状況を心配したジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、JDTのホームであるスルタン・イブラヒムスタジアムをブキ・ジャリル国立競技場に代わるムルデカ大会決勝の試合会場として提供する用意があると発言していました。

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現在の代表チームの目標は40年ぶりに出場する来年1月のAFCアジアカップで、それまでの代表チームの活動は全てこのアジアカップから逆算されるべきです。今回の件に関して、代表選手たちからの声は全く報じられていませんが、ピッチの状態が憂慮されるブキ・ジャリル国立競技場で試合を強行した結果、それ原因で選手にケガ人でも出れば、感傷的価値しかないムルデカ大会優勝を目指した大きなツケを選手に払わすことになりますので、勝ち負けの前にまずは全選手が無事に大会を終われるよう祈ります。

10月13日のニュース
サッカー協会会長-インドネシアとのワールドカップ共催は検討せず サウジアラビア開催を支持
新装ブキ・ジャリル国立競技場のピッチがお披露目
次回の東南アジア選手権にはキルギス代表が出場か

アジア各地でFIFAワールドカップ2026年大会の1次予選が始まりました。前回2022年大会の予選では1次予選からの出場となったマレーシアですが、FIFAランキングが上昇したこともあり2次予選からの出場となり、またそのおかげて今月のFIFA国際マッチカレンダーでは10年ぶりとなるムルデカ大会を開催できることになりました。そしてそのムルデカ大会は今日いよいよ開幕します。パレスチナの出場辞退により、今日はマレーシア代表対インド代表の1試合が行われ、そして10月17日にはの試合の勝者とタジキスタン代表が優勝決定戦を行う日程となっています。今季ここまでのマレーシア代表は8勝1敗、特に直近の6試合では格上のシリアや中国と引き分けも含め6戦無敗となっています。最新のFIFAランキングでは102位のインド代表に同134位のマレーシア代表が挑む試合はマレーシア時間21時にキックオフです。

サッカー協会会長-インドネシアとのワールドカップ共催は検討せずサウジアラビア開催を支持

昨日のこのブログでは、インドネシアサッカー協会PSSIのエリック・トーヒル会長がFIFAワールドカップ2034年大会をインドネシア、オーストラリア、マレーシア、シンガポールの4カ国で開催することに意欲を見せている、というニュースを紹介しました。

しかしマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、2034年大会に開催似既に立候補を表明したサウジアラビアを支持することを明言したと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

ハミディンFAM会長は、アジアサッカー連盟AFC加盟国の大半がサウジアラビアの立候補を支持しているとも述べた上で、FAMはFIFAワールドカップ2034年大会を主催することについて、他国のサッカー協会と正式に話し合いをもったことはないとしています。さらに近いうちにW杯の開催地として立候補する計画もないと述べて、サウジアラビアは適切な開催地であるとするFAMは、AFC加盟国の多くと同様にサウジアラビアの2034年大会開催地への立候補を支持すると話しています。

なおAFCのシーク・サルマン会長はAFCに加盟する各国が揃ってサウジアラビアの開催地立候補を支持するよう求める発言も行なっています。

新装ブキ・ジャリル競技場のピッチがお披露目

今年3月から芝の全面張り替えを含む大規模な改修工事が行われてきたブキ・ジャリル国立競技場の新規開場式が、ジョホール州皇太子で、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーでもあるトゥンク・イスマイル殿下、マレーシア政府のハンナ・ヨー青年スポーツ相らが出席して行われています。

マレーシアではプロチームが使用するスタジアムでも、カウグラスと呼ばれる多年草のアカツメクサが芝の代わりに使われることが多いのですが、このカウグラスが使われたピッチは均等に平坦にならずパスサッカーに向かないと言われてきました。マレーシア代表がホームとして使うブキ・ジャリル国立競技場もこのカウグラスが使われていましたが、低い評価にもかかわらず高額の張り替え費用がネックとなり、何度か張り替えの話は出たものの、結局はそのままになっていました。

英連邦に所属する52の国と地域、要するにかつての大英帝国とその植民地だった国と地域から70チームが参加する英連邦競技大会、通称コモンウェルスゲームズが1998年にクアラ・ルンプールで開催され、そのメイン会場として建設されたブキ・ジャリル国立競技場は開場から25周年を迎えた今年3月から改修工事に入っていましたが、この改修工事に合わせてピッチの前面張り替えをイスマイル殿下が提案し、さらにその費用を自身が肩代わりすることを表明、ピッチをカウグラスからJDTの本拠地、スルタン・イブラヒム・スタジアムでも使われているゼオン・ゾイシア種の芝に張り替えることが決まりました。

イスマイル殿下は、JDTの多くの選手もプレーするマレーシア代表の試合では良いピッチで試合ができるようにしたい、ピッチ張替えに際しては、十分な管理と、サッカー以外のイベントでのピッチ使用については、ピッチ維持が保証できるような方法でのみ行うことを条件として、費用の肩代わりを表明していました。

今回の改修工事は芝の張り替え費用を除くと480万マレーシアリンギ(およそ1億4900万円)であることを明らかにしたヨー青年スポーツ相は、今回の改修工事によってピッチの排水性能も向上したことから、これまではマレーシア特有のスコールの後に水が浮くことが度々あったピッチも今後はそういった心配は全く無用だと述べています。

ブキ・ジャリル国立競技場での代表戦は、今年1月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップの準決勝、タイ代表戦以来となる本日開幕のムルデカ大会で、マレーシア代表はインド代表との初戦をこの新たなピッチで戦います。

次回の東南アジア選手権にはキルギス代表が出場か

サッカー専門サイトのヴォケットFCは、中央アジアのキルギスが次回2024年に予定されている東南アジア選手権三菱電機カップに出場するようだと伝えています。

東南アジアのサッカー情報を伝えるAsean FootballのX(旧Twitter)の投稿を引用する形で書かれた記事によると、東南アジアサッカー連盟AFFのサメット・キーフ会長とウインストン・リー事務局長がキルギスサッカー協会と会談を行い、AFFはAFF選手権三菱電機カップにキルギスの参加を認めたということです。なお、この記事の執筆時点では、AFFの公式サイト、また三菱電機カップの公式サイトのいずれも、キルギスの三菱電機カップ出場については報じていません。

中央アジアサッカー連盟CAFAに所属するキルギス代表は最新のFIFAランキング96位で、東南アジアのチームとの比較では、最高位となる同95位のベトナム代表の一つ下に位置します。なおこのキルギス代表は今年6月にカザフスタンとキルギスで共催された第1回CAFAネイションズカップに出場し、アフガニスタン代表戦は3-0で勝利したものの、ゲストとして参加したイラン代表には1-5で敗れ、3位決定戦はやはりゲスト参加のオマーン代表に0-1と敗れています。.

三菱電機カップに東南アジア以外の代表チームがゲスト参加するアイディアは興味深いです。なおこのキルギス代表はFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選でマレーシアと同じ予選D組に入っており。2次予選の第1節となる11月16日にマレーシアのホーム、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で対戦する両チームは、来年2024年6月にはキルギス共和国の首都ビシュケクにあるドレン・オムルザコフ・スタジアムでも対戦することが決まっています。

10月12日のニュース
インドネシアは2034年ワールドカップの共催をマレーシアなどと協議
U23代表新監督にトーレスコーチが昇格-元代表キャプテンシュコル氏がコーチ就任

インドネシアは2034年ワールドカップの共催をマレーシアなどと協議

マレーシア語紙ハリアン・メトロは、インドネシアがFIFAワールドカップ2034年大会の共催をマレーシア、シンガポール、オーストラリアと協議中だと報じています。

オーストラリアの新聞シドニー・モーニング・ヘラルドに掲載されたインドネシアサッカー協会(PSSI)のエリック・トーヒル会長の発言を引用する形で書かれたこの記事によると、オーストラリアとの協議を進めていることを明らかにしたエリック会長は、既に訪れたマレーシアとシンガポールでも、インドネシアが共催を提案したことに対して関心を示されたということです。

FIFA国際サッカー連盟は先週、スペイン、ポルトガル、モロッコが共催する形でワールドカップ2023年大会が開催されることを発表していますが、その際にこの大会に次ぐ2034年大会については、アジアやオセアニア各国のサッカー協会に対して開催国として立候補して欲しいと述べていました。

これを受けたサウジアラビアが早速、立候補を表明すると、当地メディアではマレーシアサッカー協会(FAM)のハミディン・アミン会長がこれを支持すると発言したことが報じられましたが、インドネシアを含めた3カ国との共催については、ハミディン会長からは何の発言も出ていません。

さらにシドニー・モーニング・ヘラルドの記事では、インドネシアサッカーのサポーター団体「セイブ・アワー・サッカー(Save Our Soccer、通称SOS」のアクマル・マハリ代表の発言として「中東は昨年2022年にワールドカップがカタールで開催されたばかりで、2034年に再び中東開催となるよりも、FIFAは他国にも開催させたいはずだ。」と述べ、東アジアでの日韓共催となった2002年大会、中東カタールでの2022年大会が実現していることから、地域性を考えるとインドネシアが正式に立候補すればサウジアラビアよりも開催するチャンスは高はずだ、とも述べています。

なお、やはりこの件を報じた通信社ロイターは、マレーシア、シンガポールの両サッカー協会に問い合わせを行なったものの回答を得られておらず、アジアサッカー連盟AFCはこの報道についてはコメントする立場にないと回答しているということです。

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2026年はアメリカ、カナダ、メキシコの3カ国が、2032年はスペイン、ポルトガル、モロッコがそれぞれ共同開催することが決まっていることから、東南アジアでもそれが実現するかどうを考えると、東南アジアのサッカーファンにとっては何とも夢のある話ですが、インドネシアは昨年、今年とサッカー関連ではいくつかの問題を起こしており、その辺りが何とも気になります。世界最大のイスラム教徒を抱えるインドネシアは、FIFA U20ワールドカップの開催地に決定していましたが、今年3月にはイスラエル代表の受け入れをバリ州知事が拒否したことを受けてインドネシアサッカー連盟が組み合わせ抽選を中止し、この結果、開催権を直前で剥奪されています。(ただし、その後はペルーに代わりU17ワールドカップの代替開催地になっています。)また昨年10月には「カンジュルハンの悲劇」と呼ばれる死者130人超、負傷者540人超という歴史的な大暴動が起こっています。

U23代表新監督にトーレスコーチが昇格-元代表キャプテンシュコル氏がコーチ就任

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、空席となっていたU23代表の監督にスペイン出身のフアン・トーレス氏が就任することを発表しています。U23代表監督は代表チームのコーチと兼任していたE・エラヴァラサン監督は9月18日に代表コーチに専念したいとの理由で辞任して以来、空席となっていましたが、後任となった43歳のトーレス氏は、2022年9月からエラヴァラサン前U23代表監督のもとでコーチを務めていました。

トーレス新U23代表監督は、マレーシアU23代表コーチ就任前には、FCバルセロナのカタルニア地区スカウトや、同じスペインのグラナダCFのU23チームでコーチなどを務めていた経験があります。FAMは既にU23代表で1年以上コーチとして指導してきたトーレス新監督が来年4月のAFC U23アジアカップでチームを率いるのが適任であるとしています。また、トーレス氏の昇格により空席となったU23代表のコーチには、先月9月から複数の候補者との面談を行った結果、現在はスーパーリーグのKLシティFCでコーチを務めるシュコル・アダン氏が採用されたことも併せて発表されています。

キャップ数56を数える元代表選手のシュコル氏は44歳で、代表ではキャプテンも務めた経験があります。なおシュコル氏は現在、KLシティFCとの契約期間中であり、この契約満了を待って、U23代表コーチとして正式にチームに合流するということです。

トーレス新監督とシュコル新コーチの就任が決まったU23代表は、クリス・ヨン・ワイフワンGKコーチの他、フィットネスコーチのオスカル・バラゲール・カベサ、アナリストのリー・ジェユンの両氏とも留任しています。

10月11日のニュース
マレーシアリーグは2シーズンかけて秋春制へ以降
ジョホールの元選手に懲役15ヶ月の有罪判決
アジアカップ出場のマレーシア代表サポーター向けチケット価格発表-1,000円から3200円までと手頃

マレーシアリーグは2シーズンかけて秋春制へ以降

マレーシアスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、スーパーリーグの開催時期を2シーズンかけて秋春制へと変更する方針を決めたと、マレーシアのスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。

スタジアム・アストロとの取材に答えたMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、これにより来季2024年シーズンは4月に開幕し、2025年4月に閉幕することを明らかにしています。「AFCカレンダーに沿う形での今回の秋春制への移行は、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)などのAFC主催大会に出場するチームのためだけでなく、代表チーム合宿などをスムーズに行うためのものでもある。移行期間は来年からの2シーズンを費やし、ACLの日程やAFCカレンダーとの調整を行いながら、移行を完了する予定である。」

秋春制への以降は簡単ではないことは承知していると話したスチュアートCEOは、開催期間犯行は様々な角度から検証を行った結果に基づくものであり、マレーシア国内リーグのトランスファーウィンドウやシーズンオフをAFCカレンダーに沿ったものにすることは必要だ、と述べています。スチュアートCEOはこの他、2024/25シーズンが2025年4月に閉幕した後、同年8月から2025/26年が開幕し、翌2026年7月に閉幕することも明らかにしています。

今季は2月に開幕し、12月に閉幕する春秋制のシーズンとなっているマレーシアスーパーリーグですが、2007/08年シーズンまでは秋春制を採用しており、現在の春秋制となったのは2009年シーズンからとなっています。

ジョホールの元選手に懲役15ヶ月の有罪判決

マレーシア語ハリアン・メトロによると、元マレーシア・スーパーリーグの選手が昨年5月と7月に盗品所持の2つの罪で有罪を認めた後、治安判事裁判所により懲役28か月の判決を受けています。

アジニー・タイブ被告は治安判事の前で起訴状が読み上げられた後、有罪を認めたということです。アジニー被告は昨年7月に盗品と知りながらブランドものの時計とハンドバッグを保管した疑いで、また別件でブランドものの財布とハンドバッグを所持した容疑で起訴されていました。

アジニー被告はジョホール州ムアールにある家に侵入した後、昨年7月3日に逮捕されましたが、その以前の6月17日にも同様の侵入事件が発生し、貴重品と現金1万リンギ(およそ30万円)が盗まれていました。そしてアジニーが逮捕された後、最終的に警察は盗品の疑いのあるいくつかの物品を発見していました。

裁判所はアジニー被告に対して最初の罪で懲役13か月、二番目の罪で15か月の懲役刑を言い渡しましたが、同時に有罪判決日からすべての刑を同時に執行するよう命じ、この結果はアジニー受刑者が服役するのは15か月だけとなっています。

トランスファーマルクトの情報によると、1990年生まれのアジニー受刑者は、2004年から11年までは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)の前身、ジョホールFCのユースチームでプレーした後、2019年シーズンにペナンFCでプレーした後、JDTやそのセカンドチームJDT II、マラッカなどでもプレーしています。2015年には香港のサウスチャイナFCとのAFCカップ準々決勝にも出場するなどの記録も残っていますが、2019年シーズン終了後にペナンFCとの契約を完了して以降は所属チームはありません。

アジアカップ出場のマレーシア代表サポーター向けチケット価格発表-1,000円から3200円までと手頃

アジアサッカー連盟AFCは、マレーシア代表のサポーターに向けたアジアカップ2024年大会のチケット価格を発表していると、マレーシア語ニュースサイトのマジョリティが報じています。

アジアカップ史上初となるマレーシア、タイ、ベトナム、インドネシアの共同開催となった2007年大会には出場国枠で参戦したものの、予選突破による本大会出場は1980年大会以来、実に42年ぶりとなるマレーシア代表ですが、その勇姿を現地カタールで観戦したいというサポーターのためのチケット価格は最も安いチケットが25カタール・リヤル(およそ1,000円)、さらに40カタール・リヤルと78カタール・リヤル(それぞれおよそ1,600円と3200円)の3種類のチケットがあるといことです。

なお、今回発表となったチケットの価格は、1月15日のヨルダン代表戦、同20日のバーラーン代表戦、そして同25日の韓国代表戦のグループステージに限っての価格ということです。チケットの価格自体は非常に手頃ですが、現地までの航空券や滞在にかかる宿泊費など考えると、チケットが手頃であっても多くの代表サポーターが足を運ぶのは難しそうだと、マジョリティの記事は締めくくっています。

2023マレーシアスーパーリーグ
第19節結果とハイライト映像(2)-今季2度目の日本人対決は引き分けに

未消化となっていたマレーシアスーパーリーグ第19節の1試合が行われています。この試合を最後にマレーシアスーパーリーグはFIFA国際マッチカレンダーに伴う中断期間に入り、次節となる第23節は10月27日から再開となります。

2023年10月8日@MBPJスタジアム
観衆:190人
PDRM FC 1-1 クチンシティFC
⚽️PDRM:ウチェ・アグバ(45分)
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(58分)
🟨PDRM(2):ジェイムズ・オクウォサ、イザック・イズハン
🟨クチンシティ(0)
MOM:アブ・カマラ(クチンシティFC)

4月1日の第6節で対戦した両チームは、クチンシティのホームでの試合ながら、PDRMが鈴木ブルーノ選手のゴールで1-0で勝利していました。そこから6ヶ月後の現在の順位はPDRMがスーパーリーグ8位、クチンシティは最下位14位となっています。

またリーグ戦と並行して行われていたマレーシアカップでは、いずれも1回戦で敗退した両チームは、その1回戦敗退8チームで争うチャレンジカップに回っていますが、クチンシティはリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCをホームでは1-0、アウェイでは3-0と破る「ジャイキリ」を見せる一方、PDRMも3部のKLローヴァーズを相手に通算成績5−2で下して、それぞれ準決勝へコマを進めています。

そんな中で行われたこの試合は前半からホームのPDRMがクチンシティを圧倒するものの、ゴールが決まったのは前半終了間際でした。キャプテンのアミル・サイフルがクチンシティDFラインの裏へ絶妙のパスを出すと、これを受けたウチェ・アグバがこれを難なくゴールし、PDRMがリードして前半を終了します。

後半に入ってもPDRMは試合を優位に進めますが、追加点を奪ってクチンシティを突き離せないまま進んだ58分、クチンシティは右サイドからザールル・ニズワンがゴール前へクロスを上げると、これに反応したPDRMのジェイムズ・オクウォサとGKラムダン・ハミドが交錯するような形になり、これに詰めていたクチンシティのアブ・カマラが無人のゴールへ今季12得点目となるゴールを決めています。得点王争いの4位に浮上したエースの得点で同点に追いついたクチンシティですが、そこからPDRMはギアを上げてクチンシティゴールに襲いかかります。

88分には相手シュートを顔面で防いだクチンシティのジミー・レイモンドが脳震盪を起こしてピッチに救急車が入る場面や、90+3分にはPDRMの鈴木ブルーノ選手がゴールを決めたものの、その直前の接触プレーでクチンシティGKワン・アザライが倒れていた中でのゴールだったことからこの得点は結局、ノーゴールとなるなど、試合終了まで、激しいせめぎ合いが続いたものの、結局その後も得点は入らず試合はそのまま終了しています。

この引き分けで両チームとも順位は変わらないものの、クチンシティにとっては、リーグ戦の勝点は7月21日にクランタンFCと引き分けて以来の勝点、さらにシーズン途中から指揮を取るアイディル・シャリン監督にとっては初の勝点となりました。

PDRM FCの鈴木ブルーノ選手、クチンシティFCの谷川由来選手とも先発してフル出場しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節終了)

順位チーム勝点
1JDT2221108677964
2SEL23171564214352
3KDA22152543251847
4SAB23134650331743
5SRP20124435211440
6TRE22105739271235
7KLC228773835331
8PDRM218492228-628
9NSE224992642-1621
10PEN2254132539-1419
11PRK2254131747-3019
12KLU2235142354-3114
13KEL2223172487-639
14KCH2115161845-278
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第22節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)枠内/シュートアシスト
1エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)2137/59423
2フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)1831/62717
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)1632/85419
4アブ・カマラ(KCH)1219/42120
4クパー・シャーマン(SRP)1122/41721
ファイサル・ハリム(SEL)1126/38720
アブ・カマラ(KCH)1117/39119
7イヴァン・マムート(TRE)1025/54118
8ステファノ・ブルンド(SRP)919/40020
9ウィリアン・リラ(KDA)811/36214
ロメル・モラレス(KLC)817/31218
パウロ・ジョズエ(KLC)825/46419
アリフ・アイマン(JDT)818/431021
フアン・ムニス(JDT)820/42420
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC