5月7日のニュース:スランゴールFAは新外国人を獲得、JDTはホームで鹿島アントラーズと再戦

スランゴールFAは新外国人を獲得
今年2度目のトランスファーウインドウ期間は5月29日までですが、マラッカ・ユナイテッドに続き、スランゴールFAも新外国人としてナイジェリア出身FWのイフェダヨ・オルセグンを獲得したことを、当地の英字紙スターのオンライン版が伝えています。
 2017年にはフェルダ・ユナイテッドで17試合に出場し9ゴールを、昨シーズンはマラッカ・ユナイテッドで15試合に出場して14ゴールを決めているオルグセン選手について、スランゴールFAのサティアナタン監督は、ケガで離脱中のエンドリック・サントスとルフィノ・セゴビアに代わって、マレーシアフットボールリーグMFL残り10試合でチームを助けて欲しい、と述べています。
 サティアナタン監督は自身がフェルダ・ユナイテッドの監督を務めていた際の選手でもあったオルセグン選手のMFLでの経験にも期待しているとしています。

JDTはACLで鹿島アントラーズと再戦
ジョホール・ダルル・タクジムJDTは、5月8日(水)に鹿島アントラーズをホームに迎えて、アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLグループEの第5節の試合を行います。
 ACL初出場のJDTは、第1節では昨年のACLチャンピオン鹿島と3月5日に鹿島のホームで対戦し、1−2で敗れています。その後のACLでのJDTは、慶南FC(韓国)とホームで引き分けた以外は、山東魯能にホームとアウェイで敗れ、通算成績が0勝1分3敗の勝ち点1と苦しい試合が続いています。
 しかも今週の月曜日からムスリム(イスラム教徒)は断食月に入っており、JDTのムスリム主力選手たちは体調管理も難しくなっています。
 そんなJDTにとっての朗報は、5月4日のMFL第12節ではベンチ入りすらしていなかったブラジル人センターバックのマウリシオ・ナシメントが出場可能であることでしょう。記者会見でモラ監督はマウリシオ選手を含めたベストメンバーで、ACL初勝利を目指すとしています。
(写真は試合前のプレスコンファレンスに出席した鹿島アントラーズの遠藤康主将、大岩剛監督とJDTのベンヤミン・モラ監督とハリス・ハルン主将(写真左から、JDTのFACEBOOKより)

5月6日のニュース:次の帰化選手の候補は5名、マラッカ・ユナイテッドはクラシニキの代わりを獲得

次の帰化選手の候補は5名
パハンFAでプレーするガンビア出身のモハマドゥ・スマレに続く帰化選手候補にコソボ出身のリリドン・クラシニキらが上がっていると、当地の通信社ブルナマのオンラインサイトが伝えています。
 しかしながら、すでに5年間マレーシアでプレーし、今シーズンからマラッカ・ユナイテッドでプレーするクラシニキ選手は第5節まで出場した後は、ケガを理由に出場していないだけでなく、マラッカ・ユナイテッドによる国外で治療中ということになっています。
 FAMの副会長でもあるダト・ユソフも、この点に触れ、クラシニキ選手は帰化選手としての条件を満たしているものの、ケガの状態がどのくらい深刻なのか、完全回復が期待できるのかなどを数カ月以内に見極めたいとしています。
 FAMはクラシニキ選手の他にクアラルンプール(KL)のギレルメ・デ・パウラ(32歳、ブラジル出身)、UITM FCのミカエル・イジェジ(31歳、ナイジェリア出身)、ロメル・モラレス(23歳、コロンビア出身)、リー・タック(30歳、イギリス出身-ただし、リー・タック選手は母方の祖母がマレーシア出身の資格で帰化を画策中)も候補に挙げていると、ブルナマは伝えています。

マラッカ・ユナイテッドはクラシニキの代わりを獲得
マラッカ・ユナイテッドは「マット・ドン」の愛称で知られるリリドン・クラシニキの代わりを獲得したと、当地のマレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。上でも書きましたが、クラシニキ選手はケガのため戦列を離れて、現在はドイツのどこかで治療中ということになっています。「どこかで治療中ということになっています」と言うのは、クラシニキ選手からマラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ・ユナイテッドFAに対し、治療の詳細やマレーシアへ戻る日程などの情報が何も入っていないとのことです。
 こにしびれを切らしたマラッカ・ユナイテッドは、5月2日に開いた今年2度目のトランスファーウインド期間にすかさず、期限付き移籍で今シーズンはサバFAでプレーしていたセルビア出身のルカ・ミルノヴィッチが加わること発表しています。
 このミルノヴィッチ選手は、マラッカ・ユナイテッドのプレシーズンマッチにも出場していましたが、その後、マラッカ・ユナイテッドがクラシニキ選手と新たに契約したため、外国人枠の都合で押し出されるように期限付き移籍となった経緯があります。


MFL第12節の結果まとめ

1部スーパーリーグ

PKNS FC(4勝4分4敗)3-3ペラTBG(2勝7分3敗)
得点者:PKNS FC-クパ・シャーマン2(5分、52分)、ニコラス・スウィラッド(43分)、ペラTBG-ブレンダン・ガン(12分)、J・パルティバン(50分)、ナジルル・ナイム(81分)
 上位進出を狙いたいPKNS FCは、ここ6試合で1勝2分3敗と苦しい試合が続きます。一方のペラTBGは12試合で7試合目の引き分けとなり、やはり上位進出のきっかけが掴めません。

ケダFA5-2クアラルンプール(KL)FA
得点者:クダFA-ジョナサン・ボーマン2(22分、90分)、シャキル・ハムザ(42分)、フェルナンド・ロドリゲズ2(67分、81分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(45分)、ギレルメ・デ・パウロ(78分)
 前節のPKNS FC戦で、前人未到のスーパーリーグ通算100ゴールを決めたベテラン、インドラ・プトラ選手がこの試合でもゴールを決めていますが、試合は順位どおりの結果となりました。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC2-0パハンFA
得点者:PJシティFC-ペドロ・エンリケ(31分)、セルジオ・フィロ(58分)
 降格圏にいるPJシティFCは、前半戦のホームでの試合でも引き分けていただけにパハンFAにとっては要注意の相手でした。パハンFAはこの痛い黒星でJDTとの勝ち点差が6と開きました。

フェルダ・ユナイテッド0−2JDT
得点者:JDT-ジオゴ2(38分、62分PK)
 JDTは下位チーム相手に取りこぼしが少ないのが強みです。やはり降格圏にいるフェルダ・ユナイテッド相手にきっちりと勝点3を手にしています。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手と渡邉将基選手はともにスタメンでフル出場しています。

スランゴールFA1-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA-シャミ・サファリ(31分)、マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(60分)
 第6節から無敗記録を続けているスランゴールFAがこの試合も負けずに逃げ切りました。一方のマラッカ・ユナイテッドは第6節から1勝2分3敗と調子が上がらず、首位JDTとの勝点差が12と開いてきました。

PKNP FC2-2トレンガヌFC
得点者:PKNP FC-アマリ・アグイナルド(22分)、トマス・アビィ(35分)、トレンガヌFC-チェチェ・キプレ(30分)、サンジャル・シャクメドフ(68分)
 チェチェ・キプレ選手の調子が上向きとなってきたトレンガヌFCにとっては痛い引き分けでしたが、降格圏から脱したいPKNP FCには貴重な勝点1となりました。

2部プレミアリーグ

UKM FC1-1ペナンFA
得点者:UKM FC-マテオ・ロスカム(90分)、ペナンFA-ジュリアン・ボッタロ(47分)

トレンガヌFC II1-0UITM FC
得点者:トレンガヌFC II-鈴木ブルーノ(51分)
 この試合唯一のゴールで自身ではシーズン4点目(直近の5試合では3得点目)となるゴールを挙げたトレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

JDT II0-1PDRM FC
得点者:PDRM FC-リー・チャンフン(90分)

サバFA1-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:サバFA-ルドリュブ・パウノヴィッチ(7分)

ケランタンFA0-0サラワクFA
得点者:なし

MFL第11節の結果まとめ

12チームで構成されるマレーシアフットボールリーグMFLの1部スーパーリーグは、4月26日(金)から28日(日)に開催された第11節で前半戦が終了しました。最後には第11節終了時の順位表も載せました。

フェルダ・ユナイテッド1-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:フェルダ・ユナイテッド-池田圭(62分、PK)、マラッカ・ユナイテッド-パトリック・ライヒェルト(15分)
 今シーズン2点目を挙げたフェルダ・ユナイテッドの池田圭選手とチームメイトの渡邉将基選手ともスタメンでフル出場しています。

クダFA1-1スランゴールFA
得点者:クダFA-バドロル・バクタール(41分)、スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルバ(18分)

PKNP FC0-4ペラTBG
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(13分)、ギルマール・ダ・シルヴァ2(30分、90分)、シャルール・サアド(56分)

PKNS FC3-2クアラルンプール(KL)FA
得点者:PKNS FC-ロメル・モラレス(2分)クパ・シャーマン2(31分、79分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(42分)、ギレルメ・ダ・パウラ(82分)
 KLFAの苅部隆太郎選手はベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC1-2トレンガヌFC
得点者:PJシティFC-P・ラジェス(36分)、トレンガヌFC-B・ティンガラン(67分)、チェチェ・キプレ(79分)

パハンFA1−1JDT
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(35分)、JDT-ゴンザロ・カブレラ(5分)
 前半戦の天王山となった1位と2位の対決は引き分けとなっています。

MFL1部スーパーリーグ順位表(第11節終了時点)

順位チーム名得点失点勝点
 1JDT(ジョホール・ダルル・タクジム)251027
 2パハンFA20 924
 3スランゴールFA181819
 4マラッカ・ユナイテッド131217
 5クダFA151716
 6PKNS FC171415
 7トレンガヌFC131515
 8ペラTBG141312
 9PKNP FC112010
10PJ(ペタリン・ジャヤ)シティFC 814 8
11フェルダ・ユナイテッド 919 8
12KL(クアラルンプール)FA
1325 8

MFL2部プレミアリーグは今シーズン開幕後にプルリスFAが選手への給料未払い問題によって除名処分を受けたため、11チームとなっていますが、やはりこの第11節で前半戦が終了しました。こちらも最後に第11節終了時の順位表を載せました。

ケランタンFA2−1ペナンFA
得点者:ケランタンFA-ニック・アキフ・シャヒラン(30分)、アズワン・アリピン(42分)、ペナンFA-ンドゥムバ・マケチェ(48分)

JDT II2-0スランゴール・ユナイテッド
得点者:JDT II-S・クマーラン(67分)、ダレン・ロック(79分)

サラワクFA0-1PDRM FC
得点者:PDRM FC-リー・チェンフン(51分)

UKM FC0-5UITM FC
得点者:ザルコ・コラチ3(14分、54分PK、55分)、サイド・アリフ(22分)、ロベルト・メンディ(50分)

トレンガヌFC II1−0ヌグリ・スンビランFA
得点者:鈴木ブルーノ(2分)
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は今シーズン3点目のゴールを決めています。
 鈴木ブルーノ選手、ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手ともスタメンでフル出場しています。

MFL2部プレミリーグ順位表(第11節終了時点)
*プルリスFA除名処分により各チームとも10試合となっています。除名処分前にプルリスFAと対戦した際の記録は公式記録に含まれていません。
*ケランタンFAは給与未払い問題によりマレーシアサッカー協会FAMより勝点3剥奪の処分を受けています。

順位チーム名得点失点勝点
 1JDT II17 524
 2UITM FC231120
 3サバFA191218
 4トレンガヌFC II10 916
 5スランゴール・ユナイテッド111214
 6ヌグリ・スンビランFA111313
 7UKM FC101610
 8PDRM FC
 712 9
 9サラワクFA1017 8
10ペナンFA 916 8
11ケランタンFA1318 7


MFL第10節の結果まとめ

4月19日(金)から21日(日)に行われたマレーシアフットボールリーグMFLの結果です。
1部スーパーリーグ

トレンガヌFC2-1フェルダ・ユナイテッド
得点者:トレンガヌFC-チェチェ・キプレ2(50分、90分)、フェルダ・ユナイテッド-渡邉将基(90分)
フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はリーグ戦初ゴールを挙げています。この渡邉選手と池田圭選手は共にスタメンでフル出場しています。

ペラTBG0-1パハンFA
得点者:パハンFA-エラルド・グロン(56分)
前半戦の天王山となる首位JDTとの直接対決を次節に控えるパハンFAが快勝しています。

スランゴールFA2-1PKNP FC
得点者:スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルバ(14分、PK)、シャミ・サファリ(79分)、PKNP FC-ファズルル・ハズリ(85分)
この試合を含む直近の5試合で4勝1敗と好調のスランゴールFAが3位に浮上しました。

JDT3-1PKNS FC
得点者:JDT-アフィック・ファザイル(8分)、ゴンザロ・カブレラ(14分、PK)、サファウイ・ラシド(85分)、PKNS FC-ガブリエル・ゲラ(48分)
首位JDTは大勝で、次節の前半最終戦パハンFA戦に弾みをつけています。

KLFA1-0PJシティFC
得点者:KLFA-アシリ・チュチュ(50分)
KLFAは今シーズン2勝目、直近の3試合で2勝1分と好調です。
KLFAの苅部隆太郎選手はベンチ入りしていましたが、出場はありませんでした。

マラッカ・ユナイテッド1-0クダFA
得点者:マラッカ・ユナイテッド:カサグランデ(49分)
過去4試合で3敗だったマラッカ・ユナイテッドが上位進出を目指すための貴重な勝ち星を挙げています。JDTとパハンFAに離されたくないクダFAにとっては逆に痛い黒星です。

2部プレミアリーグ
ペナンFA0-2JDT II
得点者:JDT II-モハマド・ガダー(70分、PK)、S・クマーラン(78分)

PDRM FC1−1トレンガヌFC II
得点者:PDRM FC-パトリック・ロナウジーニョ(53分)、トレンガヌFC II-デチ・メルデル(41分)
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

サバFA3-1UKM FC
得点者:サバFA-アルト・リナス(21分)、デンディ・ロワ(45分)、ロドリュブ・パウノヴィッチ(60分)、UKM FC-ハフィジ・アミルディン(43分)

ケランタンFA2-5ヌグリ・スンビランFA
得点者:ケランタンFA-フラヴィオ・ベック・ジュニオール(15分)、ハキミ・アブドラ(90分)、ヌグリ・スンビランFA-フェリス・ダニエル3(13分、44分、51分)、アルミール(56分)、リズアン・アブドラ(54分)
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

サラワクFA0-2UITM FC
得点者:UTIM FC-ザルコ・コラチ(29分)、ロベルト・メンディ(86分)

4月18日のニュース:FAカップ3回戦の結果、ジャラントゥトFAの冒険は終わり、JDTは今シーズン初の敗戦

マレーシアフットボールリーグMFLが主催するマレーシアFAカップ3回戦が終了しました。以下、結果です。
4月16日(火)
スランゴールFA1-2フェルダ・ユナイテッド
得点者:スランゴールFA-シャミ・サファリ(56分)、フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(65分)、ハディン・アズマン(89分)
 アジアサッカー連盟AFC U23選手権後、体調不良で休養していたシャミ・サファリがリーグ戦、カップ戦を通じて今シーズン初ゴールを決めスランゴールFAがリードしましたが、フェルダ・ユナイテッドはキャプテン、ハディン・アズマンが自陣ハーフからドリブルで持ち込み、ゴールを決め逆転勝ちしています。AFCのプロコーチライセンス講習参加中ながら試合に駆けつけたニザム・ジャミル監督にとっても嬉しい誕生日プレゼントになりました。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手はスタメンで90分に交代しています。

ケランタン・ユナイテッド(3)1-3トレンガヌFC
得点者:ケランタン・ユナイテッド-ロザイミ・アズワル(10分)、トレンガヌFC-サンジャル・シャフメドフ(50分)、チェチェ・キプレ(55分)、リー・タック(73分)
 MFL1部スーパーリーグ所属のトレンガヌFCが3部M3リーグ所属のケランタン・ユナイテッドに快勝しました。守備陣の緩慢から先制点を許したものの、外国人3人のゴールで逆転勝ち。特に今シーズン絶不調に陥っているチェチェ・キプレと怪我の回復が遅れていたリー・タックがそれぞれゴールを決めたことは、リーグ戦にも良い影響が出そうです。

クダFA2-0PJシティFC
得点者:クダFA-レナン・アルヴェス(3分)、ザフアン・アドハ(55分)
 リーグ戦ではここ5試合で1勝と苦しい試合が続いているクダFAがPJシティFCに完封勝ち。クダFAのゴールはいずれもPJシティFCの守備陣のマークが甘くなった隙を逃さず得点したものでした。

ペナンFA(2)2-4KLFA
得点者:ペナンFA-ンドゥムバ・マケチェ(48分)、S・シヴァネサン(79分)、KLFA-ザイフル・ハキム(3分)、イルファン・ザカリア(14分)、ギリェルメ・デ・パウロ2(36分、64分PK)
 1部リーグ最下位のKLFAが2部リーグ9位のペナンFAに貫禄勝ち。
 KLFAの苅部隆太郎選手は74分から出場しています。

4月17日(水)
UKM FC(2)0-1パハンFA
得点者:パハンFA-マシュー・デイヴィズ(84分)

PKNP FC3-2PDRM FC(2)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(16分)、ファズルル・ハズリ(75分)、ハフィズ・ラマダン(89分、PDRM FC-パトリック・ロナルジーニョ(23分)、ファウザン・ファウジ(47分)

JDT0-1PKNS FC
得点者:クパ・シャーマン(48分)
 3回戦唯一とも言えるアップセットが起きたのがこの試合でした。半数以上の主力がベンチスタートとなったJDTは、開始早々の12分にキコ・インサがレッドカードで一発退場となり、数的不利となってしまいましたが、それを物ともせずが攻め続けました。さらに後半にはジオゴやサファウイ・ラシドらを投入し反撃を試みますが、PKNS FCも数少ないチャンスを確実にモノにする、まさにPKNS FCらしい試合運びで逃げ切りました。
 ここまでMFL1部スーパーリーグでは無敗のJDTは、この敗戦が2019年の公式戦初敗戦となりました。

ジェラントゥトFA(4)対ペラTBG
得点者:フィルダウス・ラザク(45分)、ペラTBG-ワンダー・ルイズ2(75分、85分)
 スタッツを見ればわかりますが、ボールの保持率がペラTBG61%、ジェラントゥトFA39%、シュート数はペラTBG17に対して、ジェラントゥトFAは5と劣勢な状況の中、3回戦で唯一残っていたMFL4部のアマチュアチームは、45分にフィルダウス・ラザクがペナルティーエリアの外から直接フリーキックを決めて先制しましたが、ワンダー・ルイズの2発に沈み、その冒険を終えました。

*(カッコ)内は各チームの所属リーグを表し、2は2部プレミアリーグ、3は3部M3リーグ、4は4部M4リーグ。数字無しは1部スーパーリーグ所属のチーム。

4月17日のニュース:ワールドカップ1次予選は断食月明け直後に、ケランタンFAの「掃除」は続く

ワールドカップ1次予選は断食月明け直後に
2022年FIFAワールドカップのアジア1次予選の日程が発表になり、1次予選から出場するマレーシア代表は、6月6日に初戦をホームで戦い、6月11日にアウェイで第2戦を行うことが、マレーシアサッカー協会FAMのホームページで告知されています。
 実はこの日は断食明けの祝日の2日目と重なっています。イスラム教徒が人口の8割近くを占めるマレーシアでは、イスラム教に課せられる5つの義務の一つ断食は大事な宗教上の行為です。日没から日の入りまで水も含めて飲食物を断つ断食は約一ヶ月続きますが、それが明けるとハリラヤあるいはハリラヤ・アイディルフィトゥリ呼ばれる祝日がマレー半島部では2日間続きます。実際には断食月が明ける数日前からバレッ・カンプンと呼ばれる大規模な帰省ラッシュが始まり、断食月最後の日と断食月明けの祝日は自分の故郷で両親や兄弟姉妹と迎えることがマレーシアのマレー人にとっては一般的で、ちょうど日本で言えば年末年始の雰囲気です。
 そんな時期の代表戦に果たして観客は来るのか、そもそもこの事態を回避するために開催したエアマリンカップでは、数千人の観衆しか集められなかったことを考えると、マレーシア代表のワールドカップ予選は静かなスタートとなるかも知れません。
 なお、4月17日に実施される組み合わせ抽選でマレーシアの相手となる可能性があるのは、バングラディシュ、グアム・ブルネイ、東ティムール、パキスタン、スリランカのいずれかと、集客的にも魅力がない相手です。

ケランタンFAの「掃除」は続く
最大のスポンサー企業マイインスピレーション社との関係決裂以降、深刻な財政危機を抱えるケランタンFAは、マイインスピレーション社がその給料を負担していた監督のマルコ・クラリエヴィッチを休養させ、その後、暫定監督としてテクニカルダイレクターのホルヘ・ピーター・スタインブラナーがチームを指導していましたが、このスタインブレーナ暫定監督とも契約解消で合意したとマレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が伝えています。このスタインブレナー暫定監督は初采配となったPDRM FCでケランタンFAの役員がベンチ外から選手に指示を出して、采配を妨害していたと発言していただけに、それも理由かと思われます。
 またコーチ陣だけでなく、ケランタンFAは自チームの外国人選手フラヴィオ・ベック・ジュニアや、カシオ・デゼズスについても契約の早期解消を交渉中とのことです。
 実はこの状況は2018年と非常に似ています。2018年の2月から4月にかけてケランタンFAは、やはり経済的な理由から外国人選手を含め10名を超える大量の選手を解雇し、そのやり方に対してプロ選手協会から激しく抗議を受けました。その中には、2012年のリーグ、FAカップ、マレーシアカップ全てチャンピンとなったトレブルの際のメンバーだったGKカイルル・ファミ・チェ・マットやMFモハメド・バドリ・モハマド・ラジといったトレブルの主役たちもいましたが、容赦なく契約期間を前倒しして契約を解消しました。それから1年経っても進歩しないどころか、退化しているケランタンFA。当時の会長は現在もその地位に就いたまま、数日前も給料未払い問題の結果、FIFAの指導で勝点3点をはく奪されるなど、チームは揺れていおり、そんなチームに在籍する選手やコーチ陣が不憫です。(下はユスリ監督の復帰を伝えるケランタンFAのホームページのポスト)

4月16日のニュース:FAカップは3回戦へ

FAカップは3回戦へ
マレーシアFAカップはいよいよ3回戦が今日4月16日は4試合、明日4月17日も4試合が行われ、ベスト8が決定します。
 3回戦の注目カードは何と言っても4月17日のジェラントゥトFA対ペラTBGの試合でしょう。マレーシアフットボールリーグMFLの4部アマチュアレベルのM4リーグに属するジェラントゥトFAについて、当地の英字紙ニューストレートタイムズのオンライン版が紹介記事を掲載しています。
 この記事によると、マレー半島東海岸のパハン州ジェラントゥト(ウィキペディアでは人口約9万人弱−筆者注)を拠点とするジェラントゥトFAは、外国人選手2名(ナイジェリアとギニア出身で、ともに大学生)を含む18歳から35歳までの28名の選手で構成されていて、大半が地元のジェラントゥト出身です。ジェラントゥト以外から来ている選手のためにチームは家を借り上げ宿舎とし、地元の食堂の援助で食事を提供しているとも書かれています。週に6日練習を行うものの、一月の運営費が10000マレーシアリンギ(約27万円)ということで、選手たちには固定給はなく、練習日には15マレーシアリンギ(約400円)、試合日には50マレーシアリンギ(約1350円)が支給されています。
 2011年からこのチームを指導しているアーマド・ナズリ・マット・ノー監督は、3回戦の会場がペラTBGのホームではなく、パハン州のジェンカにあるジェラントゥトFAのホーム、トゥン・アブドル・ラザクスタジアム(ここはフェルダ・ユナイテッドのホームです)となったことで安心したと語っています。ジェラントゥトFAの練習グラウンドはトゥン・アブドル・ラザクスタジアムと同じ人工芝のピッチということで、万が一、天然芝のピッチであるペラTBGのホームが会場となった場合には、練習ができる芝のグランドを探すのが大変だっただろう述べています。
 1回戦は同じM4リーグのチーム、2回戦はM3リーグのチームとここまでMFL1部スーパーリーグや2部プレミアリーグのチームの対戦がなく、組み合わせに恵まれたこともありますが、セミプロレベルとM3リーグ昇格を目指すジェラントゥトFAにとってはまさに自分たちの実力を測る良い機会ではないでしょうか。

FAカップ3回戦日程
4月16日(火)
スランゴールFA対フェルダ・ユナイテッド@スランゴール州シャー・アラムスタジアム
ケランタン・ユナイテッド(3)対トレンガヌFC@ケランタン州スルタン・モハマド4世スタジアム
クダFA対PJシティFC@クダ州ダルル・アマンスタジアム
ペナンFA(2)対KLFA@ペナン州シティースタジアム
4月17日(水)
UKM FC(2)対パハンFA@クアラルンプールKLフットボールスタジアム
PKNP FC対PDRM FC(2)@ペラ州マンジュン市営スタジアム
JDT対PKNS FC@ジョホール州タン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム
ジェラントゥトFA(4)対ペラTBG@パハン州トゥン・アブドル・ラザクスタジアム
*(カッコ)内は各チームの所属リーグを表し、2は2部プレミアリーグ、3は3部M3リーグ、4は4部M4リーグ。数字無しは1部スーパーリーグ所属のチーム。

MFL第9節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFL第9節が行われました。以下1部スーパーリーグの結果です。
クダFA(4勝3分2敗)3−0トレンガヌFC(2勝3分4敗)
得点者:クダFA-ジョナサン・ボウマン(25分、PK)、ザクアン・アドハ(33分)、フェルナンド・ロドリゲズ(72分)
 クダFAは5試合ぶりの勝利で勝点15の3位に踏み留まっています。一方のトレンガヌFCはエースであるチェチェ・キプレの長引く不調と怪我がからの回復が遅れているリー・タックの不在が響き、6位のままです。

スランゴールFA(4勝3分2敗)1−1ペラTBG(1勝5分2敗)
得点者:スランゴールFA-サンドロ・ダ・シルヴァ(40分)、ペラTBG-ノー・ハキム・ハサン(36分)
 開幕当初は苦しんでいた愛称レッド・ジャイアンツのスランゴールFAが4試合負けなしで、9位、7位、5位、徐々に順位を上げてきていましたが、この試合は退場者も出し、連勝は3でストップしました。なお、2枚目のイエローで退場となったヌリズアン・アブ・ハサンは退場時に中指を立てたことが問題視されており、マレーシアサッカー協会FAMは懲罰対象として調査するとしています。
 一方のペラTBGは8試合中、5試合目の引き分けでなかなか浮上のきっかけが掴めません。

PJシティFC(2勝2分5敗)0−1JDT(7勝2分0敗)
得点者:JDT-シャフィク・アーマド(29分)
 観戦記にも書きましたが、各選手が積極的に動き、展開のスピード感が明らかに格上のJDTが点差以上の実力差を見せつけて快勝しました。
 昨年末のアセアンサッカー連盟AFC選手権スズキカップの準優勝メンバーながら、5試合ぶりのスタメンとなったシャフィク・アーマドは本来のフォワードではなく、ミッドフィルダーとして出場しましたが、ゴールを決めた場面では、サファウイ・ラシドのパスに中盤から飛び出しゴールを決めています。
 後半はアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL山東魯能戦の疲れからか動きが鈍くなりましたが、それでもPJシティFCは脅威とはなりませんでした。

フェルダ・ユナイテッド(1勝4分4敗)1-1KLFA(1勝1分6敗)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-アズミ・ラヒム(34分)、KLFA-インドラ・プトラ・マハユディン(57分)
 KLFAは前節、今シーズン初勝利を記録しましたが、この試合でもアウェイで貴重な勝点1を降格を争う可能性があるフェルダ・ユナイテッドから挙げています。
 フェルダ・ユナイテッドの池田圭選手、渡邉将基選手、KLFAの苅部隆太郎選手は全員、スタメンでフル出場しています。特に苅部隆太郎選手はユスリ・チェ・ラー監督解任後、3試合ぶりのスタメンでした。

PKNP FC(3勝1分5敗)1-0マラッカ・ユナイテッド(4勝1分4敗)
得点者:PKNP FC-クザイミ・ピエ(66分、OG)
 PKNPは3連勝で7位に浮上、一方のマラッカ・ユナイテッドは過去4試合で勝ちがなく6位となっています。

PKNS FC(3勝3分3敗)1-2パハンFA(6勝2分1敗)
得点者:PKNS FC-チャン・ワタナカ(13分)、パハンFA-ディクソン・ヌワカエメ(26分)、ゼ・ラヴ(79分)
 JDTにこれ以上離される訳にはいかないパハンFAは9試合連続で勝点を挙げ、JDTとの勝点差2をキープ。PKNS FCはカウンター攻撃で先制したものの、その後が続きませんでした。
 今シーズン5ゴール目を挙げたパハンFAのディクソン・ヌワカエメ選手は、PKNP FCのジャンカルロ選手、JDTのジアゴ選手とともにスーパーリーグ得点王争いの2位グループを構成、1位のJDTゴンザロ・カブレラ選手(6点)を追随しています。

2部プレミアリーグの結果は以下の通り。
ケランタンFA(1勝4分3敗)0-1 PDRM FC(1勝2分5敗)
得点者:PDRM FC-リー・チャンフン(83分)
 MFLで唯一勝ち星のなかったPDRM FCがついに勝点3を獲得しました。
 一方、先週FIFAの裁定により勝点3をはく奪となったケランタンFAは、この敗戦により順位を10位と降格圏まで下げています。

JDT II(5勝3分0敗)3−0ヌグリ・スンビランFA(2勝4分2敗)
得点者:JDT II-ルーカス・オンティベロス(12分)、シャズワン・アンディク(23分)、モハマド・ガダー(64分)
 ヌグリ・スンビランFAの中竹俊介選手はスタメン・フル出場しています。

サバFA(4勝3分2敗)1−1UITM FC(4勝2分2敗)
得点者:サバFA-ロドリュブ・パウノヴィッチ(49分)、UITM FC-ロベルト・メンディ(84分)
 UITM FCのロベルト・メンディ選手は今シーズン5ゴール目を挙げ、プレミアリーグの得点王争いをリードしています。同じUITM FCのザルコ・コラチ選手、JDT IIのモハマド・ガダー選手、サラワクFAのハドソン・ディアズ選手らが4点で続いています。

UKM FC(2勝3分3敗)2-2スランゴール・ユナイテッド(4勝2分3敗)
得点者:UKM FC-リズアン・カミス(39分OG)、マテオ・ロスカム(90分)、スランゴール・ユナイテッド-ランギ・オフタワン(54分)、ヤジド・ザイニ(75分)

トレンガヌFC II(3勝3分2敗)1-2サラワクFA(2勝2分4敗)
得点者:トレンガヌFC II-アカニ・サンデイ(16分)、サラワクFA-ハドソン・ディアス2(39分、74分)
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメン、フル出場しています。

観戦記:4月14日MFL1部スーパーリーグ第9節PKNS FC対パハンFA@シャー・アラムスタジアム

連日のマレーシアフットボールリーグMFL観戦です。今回は昨日のMBPJスタジアムと同じスランゴール州にあるシャー・アラムスタジアムへ来ました。シャー・アラムはスランゴール州の州都です。

お約束の屋台仮設店舗が駐車場からスタジアム周辺にかけて開店していました。店の外にはマフラー(?)が売られています。

店内の様子です。オレンジ色はPKNS FCのホームジャージ。チームの愛称がレッドアンツ(赤アリ)だからこんな色です。黄色はパハンのホーム、黒はアウェイジャージです。ちなみにこちらは2018年モデルで、FILA社製ジャージです。

こちらは2019年モデル。やはり黄色がホームで黒がアウェイ、アンブロ社製です。

チケットの値段はこの通り。グランドスタンドが25マレーシアリンギ(約680円)、オープンスタンドが15マレーシアリンギ(約410円)、7歳から12歳の子どもは5マレーシアリンギ(135円です)。

15マレーシアリンギのグランドスタンドのチケットを買いました。

今回はスタジアム内で売られている食べ物を紹介します。手前は揚げソーセージや揚げワンタン、隣の袋はサンドイッチです。向こうに見えるのは焼きそばやココナツミルクで炊いたご飯にサンバルと呼ばれるチリソースがついてくるマレーシアの国民食ナシルマッです。

イスラム教の被り物(トゥドゥン、最近ではアラビア語の影響でヒジャブとも呼ばれます)を被った少女が店番です。スタジアム内の食べ物は全てハラル(イスラム教で禁止されていない)食べ物です。当然、豚肉を使ったものやアルコールは売られていません。手前と向こうで山積みになっているのはラムリバーガーと呼ばれるマレーシアのあちこちで見かける人気バーガーです。でも、そんなには美味しくないです…。

飲み物類。1.5リットル入りのペットボトルをプラスチックカップに小分けにして販売しています。1杯2マレーシアリンギ(約55円)です。

ちなみに私が自分で買ったのはこちら。マレーシアの焼きそばミーゴレンとりんご味(もちろん人工の)炭酸水ザッペル。合わせて7マレーシアリンギでした。ミーゴレンは辛い上に油っこくて手ごわかった…。

そうこうしているうちに選手が出てきました。

今回はパハンFA側に座りましたが、思いの外、サポーターが多かったです。パハン州はスランゴール州に隣接しているとは言え、東海岸まで続くマレー半島では最大の州で、熱帯雨林で有名なタマンネガラ国立公園や合法カジノのゲンティン・ハイランドがあります。

ゴール裏には少数ながら、パハンFAのハードコアサポーターもいました。

試合はPKNSが13分に敵陣ゴール前からのカウンターで攻撃、カンボジア代表のチャン・ワタナカのゴールで先制しました。

しかし、前節で下位のPJシティFCと引き分け、JDTにこれ以上離される訳にはいかないパハンFAは24分にディクソン・ヌワカエメが持ち味を活かし、ディフェンダーを背負いながら体を張ってのゴールで同点に追いつきました。

同点のまま、前半は終了しました。

75分にゼ・ラヴことゼ・エドゥアルドが逆転ゴールを決めました。

このまま試合は終了。パハンFAは2位を堅守、PKNS FCは順位を6位と下げました。