4月4日のニュース:マレーシアは2022年ワールドカップ予選は1回戦から出場

マレーシアは2022年ワールドカップ予選は1回戦から出場
最新のFIFAランキングが発表となり、マレーシアは2022年のFIFAワールドカップカタール大会のアジア予選で1回戦からの登場となることが確定したとGoal.comが伝えています。
 アジアサッカー連盟AFC所属国のうちFIFAランキング上位34カ国は、アジア予選2回戦から、それより下のランキングの国は予選1回戦から登場することになっていたことから、マレーシアサッカー協会FAMは、今年3月にエアマリンカップを開催し、当時のAFC内でのFIFAランキング34位のシンガポールを破ることで、同35位のマレーシアが入れ替わりで2回戦登場となることを目論んでいましたが、結果は順位逆転どころか、シンガポールに0−1と返り討ちにあってしまいました。エアマリンカップでは、シンガポールよりもFIFAランキングが上のアフガニスタンには勝ちましたが、最新のFIFAランキングでは、シンガポールとの差がそれまでの6ポイントから12ポイントに開いただけでなく、マレーシアのFIFAランキングは1ランク下がって世界168位となってしまいました。
 この結果、マレーシアは4月17日に自国の首都クアラルンプールにあるAFC本部で開催される予選1回戦組合せ抽選で、カンボジア、マカオ、ラオス、ブータン、モンゴルといった国と共にポッド1に入り、ポッド2に入ったバングラディシュ、グアム、ブルネイ、東ティモール、パキスタン、スリランカのいずれかの国と6月6日と11日の日程で開催されるホームアンドアウェイ形式のアジア予選1回戦を戦うことになりました。(最新のFIFAランキングを伝えるFAMのポスト)

MFL第7節の結果まとめ

マレーシアフットボールリーグMFL第7節
FIFA国際Aマッチ期間が明けて、MFLが再開しています。
MFL1部スーパーリーグの結果は以下の通りです。

クダFA(3勝3分1敗)1-1JDT(5勝2分0敗)
得点者:クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(31分)、JDT-サファウイ・ラシド(10分)
アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選でマレーシアU23代表のキャプテンを務めたJDTのサファウイ・ラシドが先制ゴールを決めるも、クダFAが追いつきドロー。

スランゴールFA(2勝3分2敗)1-0トレンガヌFC(2勝3分2敗)
得点者:スランゴールFA-ファイズ・ナシル(56分)
エアマリンカップのアフガニスタン戦で代表デビューし、いきなりゴールを決めたファイズ・ナシルがこの試合でも決勝ゴールを決めています。

マラッカ・ユナイテッド(4勝1分2敗)0−0ペラTBG(1勝4分1敗)
得点者:なし

フェルダ・ユナイテッド(1勝3分3敗)1-3パハンFA(5勝1分1敗)
得点者:フェルダ・ユナイテッド−チアゴ・ジュニオー(49分)、パハンFA-ノーシャルル・イドラン・タラハ(45分)、ゼ・ラヴ(64分)、ファイザル・ハリム(90分)
フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基、池田圭両選手はスタメン、フル出場しています。

プタリン・ジャヤ(PJ)シティ・ユナイテッド(2勝1分4敗)1-0PKNS FC(3勝2分2敗)
得点者:PJシティ・ユナイテッド−アイズルリズワン・ラザリ(60分)
PJシティ・ユナイテッドは4試合ぶりの勝ち星です。

PKNP FC(1勝1分5敗)4-0クアラルンプール(KL)FA(0勝0分6敗)
得点者:PKNP FC-ヤシル・ピント(7分)、G・ムゲンティラン(32分)、ジャンカルロ2(63分、90分)
今シーズン勝ち星なしの両チームの対戦は、PKNP FCが快勝し初勝利を上げました。KLFAはレッドカード2枚をもらい開幕からの連敗が6となりました。
KLFAの苅部隆太郎選手は今シーズン初のベンチ外でした。

ケランタンFA(1勝3分2敗)1-1トレンガヌFC II(2勝3分1敗)
得点者:ケランタンFA-ラウル・タラゴナ(19分)、トレンガヌFC II-ズアシャラフ・ズルキフリ(22分)
トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

MFL2部プレミアリーグの結果は以下の通りです。

UKM FC(2勝1分3敗)0-1ヌグリ・スンビランFA(2勝4分1敗)
得点者:ヌグリ・スンビランFA-リズアン・アブダンロー(31分)
ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

ケランタンFA(1勝3分2敗)1-1トレンガヌFC II(2勝3分1敗)
得点者:ラウル・タラゴナ(19分)、トレンガヌFC II-ズアシャラフ・ズルキフリ(22分)

セランゴール・ユナイテッド(3勝1分3敗)1-2UITM FC(4勝1分1敗)
得点者:スランゴール・ユナイテッド−ハディ・ヤハヤ(79分)、UITM FC-ザルコ・コラチ(33分)、アズリディン・ロスリ(45分)

サバFA(4勝2分1敗)2-0ペナンFA(2勝1分4敗)
得点者:サバFA−ルイス・ジュニオール2(3分、54分)

JDT II(4勝2分0敗)1-1サラワクFA(2勝1分4敗)
得点者:JDT II-ルーカス・オンティヴェロ(11分)、サラワクFA-ハドソン・ディアス(72分)


3月29日のニュース:エアマリンカップを振り返って(2)大会回顧編

前回からの続きです。
ウルトラス・マラヤのボイコット宣言を受け、マレーシアサッカー協会FAMは、メディアを通じて、事情を説明するとともにファンにボイコットをしないように求めました。またマレーシア代表チームのキャプテンであるモハマド・ザクアン・アドハもボイコットを先導するウルトラス・マラヤを批判し、ファンに来場を求めました。

<3月20日−大会初日>
しかしその説明にも批判にも説得力はなかったようで、ジョホール水道を挟んだマレーシアとシンガポールの試合は、そこにかかる土手道にちなんで「コーズウェイ・ダービー」と呼ばれ、本来ならば両国のファンの注目を集める試合となるはずですが、会場となった90000人収容可能のブキ・ジャリルスタジアムに訪れた観衆は3741人でした。
 3月20日の対戦ではシンガポール代表がマレーシア代表を1-0で破り、決勝進出を決めましたが、81分に唯一の得点を入れたのがシンガポールリーグのホウガン・ユナイテッドに所属するファリス・ラムリでした。このファリス選手は、昨シーズンはマレーシアフットボールMFL1部スーパーリーグのPKNS FCでプレーし、今シーズンもMFL2部プレミアリーグのプルリス・ノーザンライオンズ(プルリスFAのチーム)でプレーすることになっていましたが、このブログで何度も取り上げたプルリスFAの給料未払い問題を受けて、シーズン開幕前に契約を解除し、シンガポールリーグへ復帰していました。(下はシンガポール代表戦の先発メンバー)

この日のもう一つの試合では、就任間もないエルウィン・クーマン監督率いるオマーン代表がアフガニスタン代表を5−0で破り、オマーンはシンガポールとエアマリンカップの優勝戦へ、マレーシアとアフガニスタンは3位決定戦へ進みました。

<3月23日−大会最終日>
3月22日(金)にエアマリンカップの会場となったクアラルンプール市内のブキ・ジャリルスタジアムから20数キロ離れたシャー・アラムスタジアムでは、アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選第1日が行われました。エアマリンカップをボイコットしたウルトラス・マラヤもこちらは声を枯らして応援していましたが、マレーシアU23代表とフィリピンU23代表との試合には7600人ほどが観戦にやってきました。ちなみに3月24日(日)のラオスU23戦は9700人、3月26日(火)の中国U23代表戦は26000人が観戦しました。
 一方、エアマリンカップ初日は平日の水曜日だったこともあり、土曜日開催となった大会最終日には初日を超える観衆が予想されましたが、マレーシア代表とアフガニスタン代表が対戦した3位決定戦の観衆は何と1466人でした。ウルトラス・マラヤの影響力かどうかはわかりませんが、少なくとも今回に関してはチケット代の設定をFAMが間違えていたことが証明されてしまいました。
 土砂降りの中で行われた3位決定戦は、マレーシア代表がアフガニスタン代表に2−1で勝利し、3位となりましが、この試合のMOMはこの試合で代表デビューを果たしたファイズ・ナシル(スランゴールFA)でしょう。タン・チェンホー監督はシンガポール戦から大幅にメンバーを入れ替えました。この試合でワントップとなったノーシャルル・イドラン・タラハの後ろで動き回る役割を与えられたファイズ選手は、スランゴールFAでのプレー同様、豊富な運動量と果敢なドリブルでアフガニスタン代表を脅かしました。
 先制したのはアフガニスタン代表でした。31分にMFLパハンFAでプレーしたこともある10番ファイサル・シャイエステがゴールエリアの外から左足で放ったシュートはカーブがかかりそのままゴールへ吸い込まれ、アフガニスタン代表が1-0とリードしました。しかしマレーシア代表も44分、同じ様な位置からファイズ・ナシルがやはり左足のシュートを決めて同点に追いつきました。この後もムハマドゥ・スマレ(パハンFA)や久しぶりの代表復帰となったハディン・アズマン(フェルダ・ユナイテッド)がシュートを放ちますが、得点にはつながりませんでした。しかし84分、ノーシャルル・イドラン・タラハと交代で入ったマシュー・デイビーズのクロスをアフガニスタン代表のアバシン・ライキルがOGし、マレーシアが勝ち越し、そのまま逃げ切りました。(下はアフガニスタン代表戦の先発メンバー)

この試合の後に行われた決勝はオマーン代表とシンガポール代表がそれぞれ得点し1-1となるも、90分で決着がつかずPK戦となった結果、オマーンが5−4でシンガポールを破っています

3月28日のニュース:エアマリンカップを振り返って(1)開催までの騒動編

アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選の同時期にひっそり行われたエアマリンカップ。フル代表はいきなりシンガポール代表に破れたものの、最後はアフガニスタン代表に勝って、何とか3位に滑り込みました。今更ながら、このエアマリンカップを、それに関する報道をもとに振り返ってみたいと思います。
 そもそもこのエアマリンカップ開催の目的は、今年から始まるFIFAワールドカップ2022年大会のアジア予選と関係があります。FIFAランキングでアジア34位以上のチームは9月の2次予選から登場しますが、35位以下のチームは6月の1次予選からの登場となりますが、現在のマレーシアのFIFAランキングはそのボーダーであるアジア35位(全体では167位)。そこでランキング上位のチームと対戦して勝利し、9月の2次予選からの参加を目論んで企画された大会です。しかしこのエアマリンカップは予定が発表された以来、紆余曲折を経て開催された大会となりました。

<大会名称と開催時期の変遷>
1957年に当時のマラヤ連邦(現在のマレーシア)の初代首相であり、当時のマレーシアサッカー協会FAMの会長でもあったトゥンク・アブドル・ラーマンの発案で、マラヤ連邦がイギリスから独立したことを記念して開催されたムルデカ大会(「ムルデカ」とはマレーシア語で「独立」の意)は、アジアで最古の招待大会とされ、かつては世界の強豪が参加する大会でした。日本代表も初代Jリーグチェアマンの川淵三郎氏を始め、現日本サッカー協会JFA会長の田島幸三氏、日本サッカー界のレジェンド釜本邦茂氏、奥寺康彦氏、木村和司氏などが参加した由緒ある大会です。日本代表の最後の出場となった1986年の第30回大会では、マレーシア代表と日本代表が準決勝で対戦し、現在はパハンFAのドラー・サレー監督と、同じくマラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督がそれぞれゴールを決めてマレーシアが日本を2-1で破っています(ちなみに日本の得点者は当時「アジアの核弾頭」の異名をとった原博実元FC東京監督)。
 前置きが長くなりましたが、このムルデカ大会はマレーシア代表の弱体化と共に以前のような輝きを失っていき、最後に開催されたのは2013年で、その際もマレーシア、タイ、ミャンマー、シンガポールといった東南アジアのチーム同士の大会で、しかも東南アジアのチームにとっては重要な大会である東南アジア競技大会が開催される年でもあったことから、タイを除く3チームはU23代表が参加する地味な大会でした。
 5年間行われていなかったこのムルデカ大会を、かつてのような強豪が参加する大会として行いたいと、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・アミン会長が初めて発言したのが、2018年の12月初旬でした。ハミディン会長は当地の英字紙ニューストレイトタイムズとのインタビューで、FIFAワールドカップ2022年大会の予選が2019年半ばに始まることから、8月31日の独立記念日近辺での開催はワールドカップ予選時期に近く難しいこと、またFIFAカレンダーで国際Aマッチが開催可能な3月は独立記念日と離れすぎていて、大会の趣旨から離れてしまうと発言していました。
 それが12月末になると話が一転し、2019年1月にムルデカ大会開催の話が持ち上がりました。しかし国内リーグであるマレーシアフットボールリーグMFLが1月に開幕するため、その開催時期に疑問符が付きました。またこの頃にはムルデカ大会を「リブランディング」するという発言が、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が発言し始め、その開催時期も3月という報道が出るようになりました。
 これまでムルデカ大会は8月あるいは9月に行われてきたので、3月に開催する大会にムルデカ大会の名称は使えない、ということだったのかも知れませんが、競合を招待しての国際大会が実現するなら、そこは致し方ないと多くのファンも思ったはず。そして2月の下旬には大会の名称がムルデカ大会ではなく、エアマリンカップとなること、またこのエアマリンカップはムルデカ大会のリブランド版でも、代替大会でもないことが正式に発表されました。

<出場国の変遷>
3月の大会がエアマリンカップとなる前から、FAMのラマリンガム事務局長は、この大会にはアセアン以外の西アジアあるいは東アジアからチームを招待したいと発言し、インド、台湾などが候補に上がっているとも報道されました。
 しかし今年1月に入ると、ラマリンガム事務局長は、エアマリンカップ参加国の内、1チームはワールドカップ出場経験国で、残る2チームはその頃アラブ首長国連邦で行われていたアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップの出場国であると述べました。ワールドカップ出場経験国については「これまでマレーシアで対戦したことがない国で、2014年のワールドカップに出場し、2018年の大陸間プレーオフで敗退した国」というバレバレのヒント(笑)を出し、この条件に当てはまるホンジュラス(FIFAランキング62位)が参加する可能性が取り沙汰されました。アジアカップ出場国については何も述べていませんが、以前FAMのテクニカルダイレクターを務めたこともあるスイス人フリッツ・シュミット監督が指揮するニュージランド代表も候補ではないかという報道もありました。
 その後、参加国はホストのマレーシア(FIFAランキング167位)、オマーン(同ランキング90位、2019年アジアカップ出場国)、ニュージーランド(同122位、当初の噂通り、しかもワールドカップ出場経験国)、そしてシンガポール(同165位、あれ?アセアンからは呼ばないはずでは…)の4カ国となりました。
 しかしここで話は終わりませんでした。その後、ニュージーランドが国内リーグなどを理由に参加を辞退し、同じオセアニアサッカー連盟OFCに加盟するソロモン諸島が出場することが2月25日に発表されました。(写真はエアマリンカップ開催記者会見−FAMのFacebookより)

 公式記者会見も終わり、さて…となったところでもう一騒動起きました。今度はソロモン諸島がエアマリンカップへの出場を辞退したのです。ソロモン諸島代表は3月24日(エアマリンカップ最終日の翌日)に台湾代表とも国際Aマッチを予定しており、3月18日から26日の国際試合カレンダー期間中の代表同士の試合は最大2試合というFIFAの規定があることから、台湾代表との試合を優先し(エアマリンカップは準決勝、3位決定戦、決勝とどの参加チームも2試合を行うことになっています)、エアマリンカップの出場辞退を決めたと報道されています。中国の圧力により、これまで外交関係のあった国々からている台湾にとって、ソロモン諸島は2019年3月現在、台湾と外交関係のある17国の内の1つですので、この背景には政治的な意図などもあるのかも知れません。
 そして大会まであと数週間と迫った3月1 日に、アフガニスタン代表(FIFAランキング147位)がソロモン諸島に代わり出場することがFAMから発表されました。

<ウルトラスマラヤのボイコット>
参加チームが確定した後も、また新たな騒動が起こりました。マレーシア代表チームの最大サポーターグループである「ウルトラス・マラヤ」がエアマリンカップのボイコットを決めたと報じられたのです。
 ボイコットの理由として挙げられているのが、エアマリンカップのチケットの価格です。エアマリンカップでは、オープンスタンドのチケットが35マレーシアリンギ(約960円)と設定されていますが、これまで代表の試合のチケットの価格20マレーシアリンギ(約550円)から75%も値上げされたことに加え、エアマリンカップの主催者がマレーシアサッカー協会FAMではなく、イベント企画会社であることから、この会社が不当にチケットの価格を釣り上げて、マレーシアのサッカーファンから搾取していることに対する抗議のためのボイコットであるとしています。(ちなみにこのイベント企画会社は、過去に代表チームの年間スケジュールや国内リーグの日程を変更させてまでトットナムやリバプールとマレーシア選抜を対戦させた際、ウルトラス・マラヤの怒りをかった前歴があります。)
 35マレーシアリンギのチケット代には、同日行われるもう一つのカードの観戦料も含まれているので結果として割安であるとのFAMによる発言に対しては、大半のファンは見るつもりもないマレーシア代表以外の試合の分も払わせるような発言は価格差を誤魔化すための言い訳に過ぎず、大会の冠スポンサーであるエアマリン社からのスポンサー費用があるにも関わらず、イベント企画会社に主催させること自体がおかしいと非難しました。(下は大会直前の3月18日にウルトラス・マラヤのFacebookにアップされた「ハリマオ・マラヤ(マレーシア代表の愛称)は売り物ではない」のメッセージ

3月27日のニュース:AFC U23選手権予選でマレーシアは敗退。

AFC U23選手権予選でマレーシアは敗退
スランゴール州のシャー・アラムスタジアムを会場に行われていたアジアサッカー連盟AFCのU23選手権予選グループJは最終日を迎え、第1試合では、ここまでともに2敗していたラオスU23代表がフィリピンU23代表を終盤に逆転で破り、第2試合ではここまで2勝同士の中国U23代表とマレーシアU23代表が激突し、両チームとも譲らず引き分けとなりました。
 この結果、ともに勝点7ながら得失点差で中国が1位、マレーシアが2位、以下ラオス、フィリピンと言う順位になりました。中国はグループ1位で本戦出場を決め、マレーシアは得失点差で2大会連続出場を目指した本戦への出場を果たせませんでした。(写真はすべてマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

AFC U23選手権 グループJ結果(試合は全て、シャー・アラムスタジアム)
3月22日(金)
 中国U23代表5−0ラオスU23代表
 得点者:中国U23代表−ヤン・リユウ2(30分、45分PK)、シャン・ファンファン(42分)、リン・リアンミン(90分)、カオ・ヨンジン(90分)
 マレーシアU23代表3−0フィリピンU23代表
 得点者:マレーシアU23代表−アクヤ・ラシド(4分、32分)、モハマド・ファイサル・ハリム(83分)


3月24日(日)
 中国U23代表8−0フィリピンU23代表
 得点者:中国U23代表−シャン・ファンファン2(10分、77分)、フウ・ジンハン2(14分、42分)、フアン・コン(19分)、リン・リアンミン(29分)、ザン・ユウニン2(49分、90分)
 マレーシアU23代表1-0ラオスU23代表
 得点者:サファウイ・ラシド(81分)


3月26日(火)
 ラオスU23代表3−2フィリピンU23代表
 得点者:ラオスU23代表−チタパソン・ラタチャック(74分)、ヴァナソネ・ドウアンマイティ(88分)、ボウンパチャン・ボウンコン(90分)、フィリピンU23代表−ハヴィエル・ガヨソ(11分、33分PK)
 マレーシアU23代表2−2中国U23代表
 得点者:マレーシアU23代表−シャミ・サファリ(10分)、ダニアル・ハキム・ドラマン(55分)、中国U23代表−ザン・ユウニン(16分)、ジャン・シェンロン(84分)

最終順位
1 中国U23代表    2勝1分0敗 勝点7、得点15、失点2、得失点差+13
2 マレーシアU23代表 2勝1分0敗 勝点7、得点6、失点2、得失点差+4
3 ラオスU23代表   1勝0分2敗 勝点3、得点3、失点8、得失点差-5
4 フィリピンU23代表 0勝0分3敗 勝点0、得点2、失点14、得失点差-12
*中国U23代表は、2020年にタイで開催される本戦に出場。

観戦記:3月26日AFC U23選手権予選マレーシアU23代表対中国U23代表@シャー・アラムスタジアム

結果から言うと、いやぁー惜しかった!試合前の大方の予想とは大違いの惜敗でした。いや、負けたわけではないので、惜敗はおかしいかぁ。でも、マレーシアは2大会連続U23選手権本大会出場を目指していたので、今日の引き分けは負けに等しいです。(涙)

今日も仕事終わりからの観戦でしたので、会場のシャー・アラムスタジアムに着いた頃には、9時を大きく回っていました。既に駐車場は満員で、スタジアムからは大歓声が聞こえてきました。

下手したら試合は前半で決まってしまうのでは、という心配も、スタジアムに入って電光掲示板を見た途端、吹っ飛びました。1-1と互角に渡り合っているじゃないか、マレーシア!

初戦のフィリピン戦は7000名ほど、二戦目のラオス戦は10000名弱だった観衆は、途中の場内放送で27100数名とのこと。先週土曜日のフル代表の試合が2000名を切っていたようなので、親善試合よりもガチンコ勝負に惹かれるのでしょうか。(まあ、あちらはマレーシアサッカー協会FAMの失態もありましたが)
 ゴール裏のウルトラスマラヤの皆さんのリードでスタジアムは大盛り上がりでした。

と思ったところで前半が終了しました。控室へ引き上げる中国U23代表のヒディング監督(中央白シャツ)。

後半は両チームとも積極的に攻め、手に汗を握る様な攻防が続くなか、54分にコーナーキックを取りそこねてGKの手からこぼれたボールをムハマド・ダニアル・ハキムが見逃さずにシュートし、マレーシアが待望の勝ち越しゴール!

今回の予選は各グループ1位と、グループ2位の内、上位4チームが本大会に進みます。しかも今回の予選は、4チームのいるグループと3チームしかいないグループ間の公正を期するため、グループ2位の成績は、各グループの3位チームとの直接の際の得失点差が本大会に進出する資料となります。
 この試合の前にラオスがフィリピンに勝ち、ラオスが3位となったことで、マレーシアの得失点差は+1。他のグループには+2や+3というチームがいるので、マレーシアは、所属するグループJの1位にならなければ本戦出場とならない状況です。
 ちなみに前の試合はフィリピンがラオスを73分まで2−0とリードしながら、そこから3点を取られて逆転負け。マレーシアはフィリピンに3−0で勝っていましたので、もしフィリピンがラオスに勝っていれば、マレーシアの得失点差は+3となり、中国との試合で引き分けても本大会出場の可能性がありました。

マレーシアに逆転されると、中国U23代表のヒディング監督は長身選手を次々と投入し、空中戦に戦術変更。これがピタリとあたり、あと10分ほど持ちこたえられれば、と思った83分にジャン・シェンのヘディングシュートで中国が同点に追いつきました。

この後もマレーシアは攻め続けますが、万里の長城を崩すことができず、結局、引き分けとなりました。

中国相手に文字通り大健闘したことは、観客の反応を見ても明らかですが、オン監督がワントップで使い続けながら身体能力を生かせなかったハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)をもっと早く見切っても良かったのではと思ったり、個の力で突破しようとし続けたアキヤ・ラシド(JDT)にサポートが皆無だったりと、マレーシアU23代表には選手選択や戦術面での課題も残ったように見えた試合でもありました。

観戦記:3月24日AFC U23選手権予選マレーシアU23代表対ラオスU23代表@シャー・アラムスタジアム

アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選グループJの第2日は中国U23代表対フィリピンU23代表とマレーシアU23代表対ラオスU23代表が組まれ、午後4時45分からの試合では中国U23代表がフィリピンU23代表を8−0で文字通り一蹴。今後の得失点差を考えると、中国U23代表が5−0で破ったラオスU23代表との試合では、大量得点で勝ちたいところです。
 会場は今回もスランゴール州のシャー・アラムスタジアム。

お約束のユニフォームやグッズを売る屋台も、日曜日とあってか店数も品数も多かったです。

グランドスタンドも指定ではないので、グラウンド近くに座ってみました。国歌斉唱中。

近すぎて見にくい!ということで上の方へ移動しました。

ほんとに中国に5点も取られたの?というくらい攻め込んでくるラオスU23代表に圧倒された最初の25分位をしのぐと、マレーシア代表も徐々に攻めに転じました。しかし、チャンスを生かせず(この予選で何度この表現を使ったことか)、前半は0−0で折り返します。
 マレーシアのゴール期待して、後半は座席をラオスゴール側へ移動。その後半もチャンスを作りながら、つまらないパスミスやトラップミスを繰り返すマレーシアU23代表に、9705人と発表された観衆がジリジリとし始めた82分、途中出場となったエースのサファウイ・ラシドが蹴ったFKが直接、ゴール!マレーシアに待望の先制点が入りました。目の前でボールがゴールに吸い込まれていきました。

結局、試合を通じて得点はこの1点だけ。なんとか逃げ切ったマレーシアU23代表はグループ首位突破をかけて、3月26日に中国U23代表との直接対決に臨みます。

では、また2日後にここに戻ってきます。

3月23日のニュース:AFC U23選手権予選が開幕、マレーシアが初戦勝利でスタート

AFC U23選手権予選が開幕、マレーシアは初戦勝利でスタート
来年、バンコクで開催されるアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選が、各地で開幕しました。グループJの開催国マレーシアは、中国、フィリピン、ラオスと同組で、初戦はフィリピンとスランゴール州のシャー・アラムスタジアムで対戦しました。
 試合は開始早々の4分にフル代表の経験もあるトリオで先制します。サファウイ・ラシドからシャミ・サファリとつないだボールをアキヤ・ラシド(JDT)がゴシュート!これがゴールとなり、マレーシアが先制します。さらに35分にもアキヤ・ラシドが得点し、マレーシアはリードを広げました。
 観戦記にも書きましたが、マレーシアは後半に入っても、これでもかというくらいもチャンスを作ります。引き気味に守るフィリピン守備陣の前までは簡単にボールを運ぶものの、その守備陣を突破してもゴールの枠内へのシュートまで至らず、追加点を奪えませんでした。
 オン・キムスイ監督は、何度もチャンスを無駄にしていたハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)に代えて、ファイサル・ハリム(パハンFA)を投入。数日前のオーストラリアU23代表戦では、投入されるとすぐに効果を発揮したファイサル選手もこの試合では、クロスバーにシュートを当てるなどチャンスを活かしきれませんでしたが、それでも82分にGKとディフェンダーをかわしてシュート!これが決まりマレーシアのリードは3点となりました。
 試合はこのまま終了しましたが、ファイサル選手の3点目について、チームメートが倒れているのを見てフィリピンGKが蹴り出したボールを、マレーシアがスローインから一気にシュートまで持ち込んだことに対して、フィリピンGKを始め選手たちが主審に抗議をしましたが、判定が覆ることはありませんでした。
 この前の試合では中国がラオスに5−0と快勝していたため、マレーシアもできるだけ多くの点を取って、グループ内順位が得失点差勝負になった場合に備えておきたかったですが、シュート数24、そのうち枠内が11もあったにもかかわらず3点では、攻撃陣の責任です。

マレーシアU23代表先発メンバー
1. ハジック・ナジル (GK)、3. ドミニク・タン、14. シャマー・クティ・アバ、8. シャルル・ニザム・ロス・ハスニ、20. シャミ・サファリ、16. ダニエル・アミエル・ノーヒシャム、21. ニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット、13. R・ダニエル、10.サファウイ・ラシド (キャプテン)、9. ハディ・ファイヤッド、19. アキヤ・ラシド
フィリピンU23代表先発メンバー
1. マイケル・アソン (GK)、 6. ジェローム・マルザン、 7. ディミトリ・ライオネル・リンボ (キャプテン)、10. ディラン・デ・ブリュカー、 12. ジョゼ・ミゲル・クラリーノ、13. レイ・シャンチアゴ、Ray 15. ローレンス・ローレン・バグイオ、17. カイル・マグダット、19. ダニエル・サアヴェドラ、21. ウィリアム・グリアソン、22. ジョーダン・ジャーヴィス

観戦記:3月22日AFC U23選手権予選マレーシアU23代表対フィリピンU23代表@シャー・アラムスタジアム

関係者からグランドスタンドのチケットをいただきました。

マレーシアサッカー協会FAMのスポンサーのヤクルトもスタジアム前にトラックを設置してヤクルトを売っていました。

お約束のユニフォームやマフラーを売る屋台。Harimau Malaya(マレーの虎)のチームカラーは黄色と黒で、ホームユニの色は黄色です。

こんな屋台がずらりと並んでいました。

仕事終わりで駆けつけたので、観戦は前半残り10分程から。既にマレーシアが2点リードしていました。

途中で発表がありましたが、入場者数は7600人ほど。水曜日に行われたフル代表の対シンガポール戦の倍以上です。ちなみに、最強サポーターグループウルトラスマラヤも予告通り駆けつけて応援していました。代表戦ということでスタンドも黄色が目立ちました。

チャンスを作りながらも、点は入らず、結局、前半は2−0で終了。

後半に向けて、ピッチに入場するマレーシアU23代表。

後半に入っても何度もチャンスを作るものの、シュートまで行かなかったり、行ってもゴールの枠内へ行かないという見ていてイライラする状況が続きました。
 何度もゴール前でボールをもらいながら、チャンスを生かせなかったハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)に代わって入ったファイサル・ハリム(パハンFA)も、クロスバーにシュートを当てるなどチャンスを活かしきれませんでしたが、それでも82分にGKとディフェンダーとゴール前でかわしてゴール!写真はシュートが決まった後、スタンドへ向かってからピッチへ戻るファイサル選手。

見とれてしまったので写真を取り忘れましたが、試合後選手たちはウルトラス・マラヤが陣取るゴール裏へ向かい。ウルトラス・マラヤはマレーシアの国歌を歌ってねぎらっていました。
 マレーシアU23代表は3月24日に、中国に0−5で破れたラオスU23代表と戦います。

3月22日のニュース:U23代表の最終メンバーが決定、AFC U23選手権予選グループJの記者会見が行われる

U23代表の最終メンバーが決定
本日3月22日からシャー・アラムスタジアムを会場に行われるアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選グループJに出場するマレーシアU23代表の最終メンバー23名がマレーシアサッカー協会FAMのホームページで発表されています。
 マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグの首位を走るJDTと2部で低迷するケランタンFAから最多の5名が選ばれています。
 また候補選手として招集された27名からコギレスワラン・ラジ(パハンFA)、ナジルル・アフィフ・イブラヒム(ペラTBG)、アリフ・アル=ラシド・アリフィン(PKNS FC)、アリアスディアス・ジャイス(サバFA)が最終選考から漏れています。

AFC U23選手権予選最終メンバー(背番号、ポジション、氏名、所属クラブ)
01 GKムハマド・ハジック・ナズリ(JDT)
02 DFムハマド・アミルル・アシュラフ・アリフィン(UITM FC)
03 DFドミニク・タン・ジュン・ジン(JDT)
04 MFティヴァンダラン・カマン(プタリン・ジャヤ・シティFC)
05 DFエヴァン・ウェンスレイ・ウェンセスラウス(サバFA)
06 MFムハマド・ダニアル・ハキム・ドラマン(ケランタンFA)
07 FWモハマド・ファイサル・アブドル・ハリム(パハンFA)
08 DFムハマド・シャルル・ニザム・ロス・ハスニ(ケランタンFA)
09 FWムハマド・ハディ・ファイヤッド・アブドル・ラザク(ファジアーノ岡山)
10 FWムハマド・サファウイ・ラシド(キャプテン、JDT)
11 FWムハマド・ジャフリ・ムハマド・フィルダウス・チュウ(PKNS FC)
12 DFアーマド・タスニム・フィトゥリ・モハマド・ナシル(フェルダ・ユナイテッド)
13 DFディネシュ・ラジャシンガム(パハンFA)
14 MFシャマー・クティ・アバ(JDT)
15 DFモハマド・ハリズ・カマルディン(JDT II)
16 MFムハマド・ダニアル・アミエル・ノーヒシャム(以上フェルダ・ユナイテッド)
17 FWニック・アズリ・ニック・アリアス(ケランタンFA)
18 MFムハマド・イザン・シャミ・ムスタパ(トレンガヌFC II)
19 FWムハマド・アキヤ・ラシド
20 DFムハマド・シャミ・サファリ(スランゴールFA)
21 MFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(ケランタンFA)
22 GKムハマド・アズリ・アブドル・ガニ(フェルダ・ユナイテッド)
23 GKダミエン・リム・チエン・カイ(以上ケランタンFA)
*背番号が違っていたので、修正しました。

AFC U23選手権予選グループJの記者会見が行われる
AFC U23選手権予選グループJの試合前に各チームの監督が参加して記者会見が開かれました。Goal.comによると、中国U23代表のフース・ヒディンクは、まずは来年、バンコクで開催されるAFC U23選手権本戦に出場することが目的であるとし、中国がグループJの1位突破最有力候補であることを否定し、各チームに同様のチャンスがあると述べています。
 前回2018年のAFC U23選手権では、開催国ながらグループステージ敗退となった中国は、母国オランダだけでなく韓国、オーストラリアでも監督としてFIFAワールドカップの出場経験を持つヒディング監督に2018年から当時のU21代表を託しています。「昨年の9月に選手をスカウトし始めたが、この年代は結果らしい結果を残していなかった」とヒディング監督自ら語っていますが、それでも中国が優位なのは揺るぎない事実。中国の開幕戦は、シンガポール人のV・サンドラモールシー監督率いるラオスと対戦します。
 また、昨年のAFC U23選手権では、監督としてマレーシア初となるベスト8進出を果たしたオン・キムスイ監督は、昨年のチームから残ったドミニク・タン、ハジック・ナジル、アキヤ・ラシド、サファウイ・ラシド、シャマー・クティ・アバ(以上JDT)やシャミ・サファリ(スランゴールFA)を中心にチームを編成、フル代表でも活躍する彼らに、新たに加わった選手たちがどの様に融合するが注目されます。記者会見でオン監督は「中国代表の優位は変わらないものの、(U23選手権予選以降の)今後も対戦するフィリピンやラオス相手にも全力で臨みたい」としています。
 予選グループ1位の他、各グループの2位のうち上位4チームまでがバンコクでの本戦に出場できるため、初戦のフィリピン戦と続くラオス戦での得失点が、最終的に本戦出場に大きな影響を及ぼす可能性がありますので、マレーシアにとっては気が抜けない試合が続きます。(写真は記者会見に臨む、左からフィリピンのサルヴァドール・サルヴァシオン監督、マレーシアのオン監督、中国のヒディング監督、ラオスのサンドラムーシー監督)