エアアジアがマレーシア代表サポーター向けにバンコク往復航空券を特別料金で提供
1月7日に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022準決勝ファーストレグでタイに先勝したマレーシア代表は、明日1月10日にバンコク郊外のタマサートスタジアムでタイ代表との準決勝セカンドレグに臨みますが、タイまで応援に駆けつけるマレーシア代表サポーターのためにマレーシアの格安航空会社エアアジアが期間限定でクアラルンプール・バンコク間の往復貢献を特別価格で販売することを発表しています。
エアアジアの公式発表によるとクアラルンプール・バンコク間の航空券が500マレーシアリンギ(およそ1万5000円)で提供されるということです。なおこの500マレーシアリンギには空港税や燃料サーチャージなど諸々の諸経費が含まれた料金になっており、1月10日と11日の2日間で往復することが条件になっています。
エアアジアは既にタイ代表サポーターのためにも1月7日と8日の2日間でバンコク・クアラルンプールを往復することが条件となる航空券を5000タイバーツ(およそ1万9500円)で販売していました。
AFF選手権準決勝出場の代表はJDT所属選手ゼロもJDTが発掘した選手が活躍
東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022準決勝ファーストレグでタイに先勝したマレーシア代表は、大会前の代表候補合宿でジョホール・ダルル・タジムJDTから招集された選手13名中、11名が合宿参加を辞退、残った2名もラマダン・サイフラーは最終メンバーに残れず、サファウィ・ラシドはタイ1部ラーチャブリーFCへの期限付き移籍が発表されたことから、国内リーグ9連覇を達成したJDT所属の選手が1人もいない代表チームとなっています。
しかし2大会ぶりにグループステージを突破した今回の代表チームもJDTと全く無関係ではないという記事を英字紙ニューストレイトタイムズが掲載しています。
1月10日に三菱電機カップ準決勝セカンドレグを控えるマレーシア代表には、国外で生まれ育った後に帰化したマレーシア人選手が招集されています。ここでいう帰化したマレーシア人選手は大きく二つに大別され、一つは父母や祖父母がマレーシア人である「ハイブリッド」マレーシア人選手、そしてもう一つはそういったマレーシア人との血縁関係を持たない帰化マレーシア人選手です。前者で言えば、ダレン・ロック、スチュアート・ウィルキン、ブレンダン・ガン、ドミニク・タン、クェンティン・チェン、デヴィッド・ローリー、後者で言えばリー・タック、エセキエル・アグエロが該当します。
英国で生まれ育ったスチュアート・ウィルキンとダレン・ロックは、いずれもJDTの才能発掘部門担当者の目に留まり、マレーシアへやってきました。英国人の父親とマレーシア人の母親を持つスチュアート・ウィルキンは英国プレミアリーグのサウサンプトンFCのアカデミーから、アメリカのミズーリ州立大学サッカー部へ進学、卒業後の2021年1月にJDTのセカンドチームJDT IIと契約したのがマレーシアへ来るきっかけとなりました。昨季はJDT IIから同じスーパーリーグのサバへ期限付き移籍し、今季は完全移籍でサバで2シーズン目を迎えます。
また英国で生まれ育ち、マレーシア人の父親と英国人の母親を持つダレン・ロックは、英国6部リーグに当たるセミプロリーグのナショナルリーグ・サウスに所属するイーストボーン・バラFCで2012年から2016年までプレーした後、2016年7月にやはりJDT IIと契約してマレーシアへやってきました。翌2017年にはトップチームのJDTに昇格しましたが、2020年にはトレンガヌへ移籍、そして2021年にPJシティへ移籍したことで出場機会が増え、現在は代表チームの主力選手として活躍しています。
今回の三菱電機カップでは、スチュアート・ウィルキンはシンガポール戦の2ゴールを含めた3ゴールを挙げ、ダレン・ロックもシンガポール戦で1ゴール1アシストを記録しています。
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今回の代表チームには参加していないものの、JDTにはハイブリッドマレーシア人選手がマシュー・デイヴィーズ、ラヴェル・コービン=オングの両サイドバックやダニエル・ティン、ナチョ・インサ、ナサニエル・シオ、ダリル・シャム、帰化マレーシア人選手もギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、リリドン・クラスニキがおり、さらに今季Mリーグで6年目を迎えるブラジル出身のエンドリックのマレーシア国籍取得支援を前提に獲得しています。またJDTに続けとばかり、昨季スリ・パハンはリー・タックとエセキエル・アグエロのマレーシア国籍取得支援し、KLシティはブラジル出身のパウロ・ジョズエとコロンビア出身のロメル・モラレスのマレーシア国籍取得支援を明言しています。
一昨日のニュースでは、スペイン1部のレアル・マドリードが120年を超えるクラブの歴史の中で初めて公式戦先発メンバー全員が外国籍選手となったことがニュースとなっていましたが、この帰化選手やハイブリッドマレーシア人選手増加の流れが続くと、マレーシア代表にマレーシアで生まれ育った選手が1人もいない、全員が外国生まれのマレーシア人選手というニュースが報じられる日が来るかも知れません。
マダム・ペンがマレーシア代表選手獲得に関心?
東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022準決勝でマレーシア代表と対戦するタイ代表のチームマネージャーのヌアルファン・ラムサム氏は「マダム・ペン」として知られていますが、このマダム・ペンがマレーシア代表の複数の選手に関心を示していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
ブルナマの報道によると、タイ1部リーグのポートFCの会長でもあるマダム・ペンは興味を引いた選手としてMFスチュアート・ウィルキン、FWダレン・ロックといった名前を挙げているということです。
この他には三菱電機カップ終了後にタイ1部ラーチャブリーFCへの期限付き移籍が決まっているFWサファウィ・ラシド、同じくタイ1部のブリーラム・ユナイテッドFC移籍が発表されたDFディオン・コールズにも関心を示しているということです。
今回の大会を通じて自身が会長を務めるポートFCに適する選手を探していると話すマダム・ペンは、マレーシアには多くの良い選手がいると話し、「マレーシア代表対タイ代表の試合では、8番(スチュアート・ウィルキン)と9番(ダレン・ロック)に注目したと述べているということです。
三菱電機カップ開催により現在中断しているタイ1部リーグでは、ポートFCは首位で勝点39を挙げているブリーラム・ユナイテッドFCとは勝点差17離れた7位(16チーム中)となっています。
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マレーシアのメディアに向けた社交辞令だとも思いますが、それでも今季は上記のサファウィ・ラシド、ディオン・コールズの他にもPTプラチュワップFCに加入するDFジュニオール・エルドストール(以前チョンブリーFCでプレーした際の登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナ)、既にコーンケン・ユナイテッドFCでプレーしているMFリリドン・クラスニキと1部だけでも代表経験のある4名のマレーシア人選手がおり、今回の三菱電機カップでマレーシア代表がさらに躍進すれば、ポートFCも含め、タイのクラブがさらに獲得に動く可能性もありそうです。