昨日1月7日に東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022の準決勝ファーストレグがブキ・ジャリル国立競技場で行われ、ホームのマレーシアがタイに2-0と解消しています。この勝利でマレーシアはタイ戦7戦無敗、またブキ・ジャリル国立競技場でのタイ戦は6戦無敗の記録を守っています。
前回2020年大会優勝のタイは、今回はFWチャナティップ・ソングラシン(川崎)、MFスパチョーク・サラチャート(札幌)ら主力を欠きながらも、グループステージA組ではインドネシアと1-1と引き分けた以外はフィリピンに4-0、ブルネイに5-0、カンボジアに3-1と、無敗のままmA組首位として準決勝に進出しています。一方のB組マレーシアは、初戦のミャンマー戦は1-0の僅差で勝利し、ラオス戦は5-0と快勝したものの、ベトナム戦では0-3と完封負け、そして準決勝進出には勝利が必要だったシンガポール戦を4-1で制して、B組2位で準決勝に進出しました。
相性の良いタイを相手に、マレーシアのキム・パンゴン監督は必勝で臨んだシンガポール戦からMFのムカイリ・アジマルに代えてMFリー・タックを起用した以外は変更なしというスターティングXIでした。(下はこの試合の両チームのスターティングXI)
しかし試合開始と同時に積極的な姿勢を見せたのはアウェイのタイでした。キックオフから防戦一方となったマレーシアは、クリアしたセカンドボールもことごとくタイに奪われ、自陣に釘付けになります。
そんな嫌な流れの中、先制したのはマレーシアでした。シャルル・ナジームが自陣からハーフラインを超えて左サイドからペナルティエリアに走り込んだV・ルヴェンティランへロングパス、これをV・ルヴェンティランがヘディングでゴール前に送ると、ファイサル・ハリムがダイレクトで押し込み、今大会4得点目となるゴール!今季からチームメートとなる3選手のプレーでマレーシアが先制しました。また27分にはファイサル・ハリムのパスを受けたクェンティン・チェンがタイGKと一対一になる場面がありましたが、シュートはゴールポストの上に外れるなど少ないチャンス生かすことができませんでした。一方、タイはボーディン・ファラ、ティーラシン・デーンダーらゴールを狙いますが、マレーシアは全員がペナルティエリアまで戻って守備をする必死のプレーで、前半はなんとか1-0で持ち堪えました。
後半に入ってもタイの猛攻が続く中、54分にマレーシアはフリーキックを得ました。リー・タックの蹴ったフリーキックがゴール前に上がると、タイDFと競り合いながらもドミニク・タンが頭で合わせたゴール!しかし、韓国のキム・デヨン主審はマレーシア側にファールがあったとして、ノーゴールの判定を下します。中継のスロー再生映像を見る限りではどこがファール?というプレーでしたが、VARが採用されていない今大会では判定が覆ることはありませんでした。グループステージ初戦のミャンマー戦での不可解なPK判定、ベトナム戦でフォールを見逃した佐藤隆治主審、そしてこの日のキム・デヨン主審と、今大会はなぜかマレーシアに不利な判定が相次いでいます。
最小得点差を守る展開はこの後も続きますが、この試合でもセンターバックに入ったブレンダン・ガンとシャルル・ナジームのスランゴールコンビ、そしてドミニク・タンの3バックを中心に再三のピンチを防いだマレーシアが逃げ切って、準決勝初戦で勝利するとともにタイ戦での無敗記録を7に伸ばしています。なお準決勝セカンドレグは来週火曜日1月10日にタイのタンマサート・スタジアムで行われます。
この試合は下のデータを見てもわかるようにボールの支配率、シュート数(枠内シュート数)、パスの数など数字的にはタイが圧倒しています。この他、コーナーキックもマレーシアの2に対してタイは7となっています。しかもマレーシアは枠内シュート数はわずか1ですが、その1本のシュートがこの試合の唯一のゴールだったというわけです。
AFF選手権三菱電機カップ2022 準決勝1STレグ
2022年1月7日@ブキ・ジャリル国立競技場
マレーシア 1-0 タイ
⚽️マレーシア:ファイサル・ハリム(11分)
🟨マレーシア(1):ファズリ・マズラン
🟨タイ(2):パンサ・ヘーミポーン、スパナン・ブリーラット
MOM:V・ルヴェンティラン(マレーシア)