11月19日のニュース
クラブライセンス不交付で来季トップリーグ不参加のマラッカ・ユナイテッドFCはマラッカFCと名称変更して3部リーグに参戦
マレーシアカップ決勝会場がブキ・ジャリル国立競技場に決定-最高のVIP席チケットは6200円
マレーシア代表の2022-2024年用新ユニフォーム発表

今日11月19日は独立以来第15回となるマレーシアの国政選挙投票日。昨日は急遽、国民の祝日となり、週末を兼ねて実家へ戻って投票する人の帰省ラッシュで、多くの幹線道路は渋滞したようです。

また複数の州では州議会選挙が同時に行われますが、ここで州政府内の政権交代が起これば、Mリーグクラブの将来にも影響が出る可能性があります。Mリーグのクラブは大半が各州のサッカー協会(州FA)がその運営に関与しているだけでなく、州FA会長を州首相(州の知事)が兼任し、クラブの運営費用を州政府からの公金に依存しているケースが少なくありません。政権交代が起これば、州知事は交代、つまり州FA会長が交代することになります。この政権交代により州FAによるクラブ運営方針が変わるだけでなく、予算配分などにも影響があります。その良い例が昨季のペラFCです。2020年に州議会内で議員の鞍替えによる与野党逆転が起こった結果、ペラFCに多額の資金支援を認めていた州首相が失職し、同時に州FA会長を退任すると、新たな州首相が州FA会長に就任した途端、クラブへの支援を削減しました。その結果、給料未払いが起こり、2020年シーズン終了後、外国籍選手を含めた主力選手の大半が退団しただけでなく外国籍監督とも契約を解除、その結果、2020年は1部スーパーリーグで4位だったクラブは昨季2021年シーズンは11位にとなり2部プレミアリーグに降格しています。

こういった政治とサッカーの結びつきを断ち切ろうと、マレーシアサッカー協会FAMが取り組んでいるのがクラブの民営化です。クラブの運営を州FAからクラブ運営会社に移すことで、上記のような政権交代などによるクラブへの政治的影響を無くそうという目的ですが、大半の資金を州政府から受け取ってきたクラブの体質改善は難しく、完全な民営化ができているのはジョホール・ダルル・タジムJDTやクランタンFCしかありません。他のクラブもクラブ運営会社を立ち上げたものの、クラブの資金源となるスポンサーは州政府が運営する企業が大半で、結局のところ、州政府から直接支援を受けるのではなく、州政府系企業経由と見た目が変わっただけに過ぎません。

ここ数年は新型コロナ対策やインフレ対策などにより、州政府の財政にも以前ほどの余裕がなくなっていることから、政権交代をきっかけにMリーグクラブへの支援が見直される可能性があり、これによりMリーグの勢力分布が変わってしまう可能性もあります。

クラブライセンス不交付で来季トップリーグ不参加のマラッカ・ユナイテッドFCはマラッカFCと名称変更して来季の3部リーグに参戦

来季のクラブライセンスが交付されず、Mリーグ1部スーパーリーグへの参加ができなくなったマラッカ・ユナイテッドFCが、クラブ名をマラッカFCと変更して、来季はMリーグ3部に当たるM3リーグに参加することを発表しています。

今季のスーパーリーグで10位に終わったマラッカ・ユナイテッドFCは、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが設定した期限までに給料未払い問題が解決しなかったことから、国内のクラブライセンス交付機関である第一審期間FIBがクラブライセンスを交付しませんでした。これにより来季のスーパーリーグ参加が不可能となったマラッカ・ユナイテッドFCを運営するマラッカ・ユナイテッドサッカー協会MUSAは、協会名をマラッカ州サッカー協会MAFAと変更するとともに、クラブの名称もマラッカFC取りブランディングすることを発表しています。

マラッカ州首相でもあったスライマン・モハマド・アMUSA会長に代わり、新たに会長に就寝したヌル・アズミ・アフマッド氏は、マラッカ州サッカー協会の名称をMUSAからMAFAとすることについて、これまで結果を伴わなかったMUSAはクラブの再生にそぐわないとしてMAFAとすることにしたと説明しています。

また新生マラッカFCは、既に来季2月開幕のM3リーグに向けて練習を開始していることを明らかにしたヌル・アズミMAFA会長は、来季のFAカップ参戦、そして2024年のスーパーリーグ復帰がクラブの目標となると述べ、未払い給料問題の解決を最優先とするとともに、今後同様の問題が起こらないような運営を行うことも約束しています。

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今季のスーパーリーグとMリーグ2部のプレミアリーグが統合され、来季は新たに14チーム編成となる「新」スーパーリーグの発足に伴い、来季はプレミアリーグが開催されないことが決まっています。このためマラッカFCはアマチュアリーグのM3リーグ参戦を余儀なくされています。これにより、今季の主力選手の多くが退団することが予想され、既にGKブライアン・シーはペラFCへ、DFファドリ・シャスはヌグリスンビランFCへの加入などが発表されています。

なお同様の給料未払い問題により今季スーパーリーグ11位のサラワク・ユナイテッドFCもクラブライセンス不交付により、来季のスーパーリーグ参戦ができなくなっていますが、こちらについては来季の方針などは未だ発表になっていません。

マレーシアカップ決勝の会場がブキ・ジャリル国立競技場に決定-最高のVIP席チケットは6200円

現在準決勝まで進んでいるマレーシアカップは今年が第96回大会。今大会は11月26日に決勝が予定されていますが、その試合会場がクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場に決定したことを、マレーシアカップを主催するマレーシアンフットボールリーグMFLが公式サイトで発表しています。一時は地方開催の可能性も報じられていた決勝戦ですが、MFLはピッチの状況、観客収容能力、サポーターのアクセスのしやすさなど様々な点から.ブキ・ジャリル国立競技場に決定したと説明しています。

またMFLはこのマレーシアカップ決勝のチケット価格も発表しています。今季のFAカップ決勝と同様で最も高額なメインスタンドVIP席は200マレーシアリンギ(およそ6200円)、最も安価な一般席は50マレーシアリンギ(およそ1500円)となっています。Jリーグと比べれば驚くような価格ではないかもしれませんが、Mリーグ1部スーパーリーグの公式戦の場合、チケットの価格帯は20マレーシアリンギ(およそ620円)から50マレーシアリンギであることを考えると、VIP席はなかなかいいお値段です。

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今年9月に8万4000人の観衆を集めた今季のFAカップの決勝を既に開催しているブキ・ジャリル国立競技場は、各クラブの本拠地と比べれば明らかにピッチの手入れ状況なども良く、昨季に続きマレーシアカップの決勝戦会場となったのは当然と言えます。国内のスタジアムではジョホール・ダルル・タジムJDTの本拠地、スルタン・イブラヒムスタジアムもピッチの管理が良いことで知られていますが、この決勝戦にはJDTが勝ち上がる可能性もあり、公正と中立を期すれば、スルタン・イブラヒムスタジアムでの開催は難しいのが現実です。

マレーシア代表の2022-2024年用新ユニフォーム発表

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、2022年から2024年までマレーシア代表が着用する新たなユニフォームを発表しています。

ハリマウ・マラヤ「マレーの虎」の愛称持つマレーシア代表のユニフォームは、虎の黄色時に黒の縞模様にちなんで、黄色と黒が基調になることが多いですが、今回はホームがほぼ全面が黄色で丸首の部分だけが黒で、アウェイは胴で濃淡の差はあるもののほぼ全面が袖と黒という配色になり、デザイン的にはこれまでのユニフォームよりもシンプルになっています。マレーシアがタイ、インドネシア、ベトナムと共催した2007年のAFC選手権アジアカップから代表ユニフォームを提供するナイキ社による今回のユニフォームのデザインのテーマは「胸のバッジのために」となっており、国のために戦う闘争心を象徴しているということです。

この新ユニフォームは今年12月20日に開幕する東南アジアサッカー連盟選手権、三菱電機カップの前に行われる12月9日の国際親善試合カンボジア戦から使用され、女子代表や年代別代表、フットサルやビーチサッカー代表もこのユニフォームを使用するということです。

ちなみにお値段はホーム、アウェイユニフォームとも299マレーシアリンギ(およそ9200円)で11月24日から国内スポーツショップのアル=イクサンの店舗とオンラインストア、そしてナイキ・マレーシアのオンラインストアで購入可能ということです。
(下の写真はマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより。)