AFCがFIFAと共同でマレーシアにスタジアムを建設
アジアサッカー連盟AFCは、マレーシアのプトラジャヤにサッカー専用スタジアムとなるAFCスタジアムを建設すること公式サイト上で発表しています。
15.43エーカー(東京ドームおよそ1.3個分)の敷地に建てられるスタジアムは1万人収容の観客席や地下駐車場を持ち、また同じ敷地内にはAFCの事務局も入るということです。なお、このスタジアムの建設はFIFAがその資金を支援し、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府もこの建設を資金以外の面から支援するということです。
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長も出席したAFCの執行委員会で発表されたこの計画について、AFCのシャイフ・サルマーン会長は、「これまで技術向上や審判育成のためのコースやワークショップ、セミナーはAFCハウスがその活動の中心だったが、この新たなAFCスタジアムが完成すれば、より多くの活動が行えると期待している」と述べ、今回のスタジアム建設を支援するFIFAとマレーシア政府に感謝の意を表しています。
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このスタジアムが建設されるマレーシアの連邦直轄地プトラジャヤは、各省庁やその関連政府機関が集まる行政の中心地です。現在、AFCの本部であるAFCハウスがあるクアラルンプールからは30kmほど離れており、そこに住んでいるのは政府関係機関の職員とその家族が大半となっている場所です。もともとは何もなかった土地を切り開いて作った人工都市なので、土地は余っているのでしょうし、国外から来る場合にはクアラルンプール国際空港も近く便利なのだと思います。ただこのスタジアムで、マレーシアの標準キックオフ時間の午後9時開始の試合があったら、よほどのことがない限り、見に行く気力はないなぁ。
AFCスタジアムの完成予想シミュレーションなども見られる元記事はこちらです。
AFCカップ決勝-KLシティサポーターからはキックオフ時間変更を求める声が上がる
今週土曜日の10月22日には、マレーシアのクアラ・ルンプールにあるブキ・ジャリル国立競技場で今季のAFCカップ決勝が開催され、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティがオマーンのアル・シーブクラブと対戦します。
2015年のジョホール・ダルル・タジムJDT以来、東南アジアのクラブとしては2チーム目の優勝を狙うKLシティですが、そのサポーターからキックオフ時間の変更を求める声が上がっていると、サッカー専門サイトの ヴォケットFCが伝えています。
10月22日の決勝は、午後7時期キックオフと発表されていますが、実はこの時間、マレーシアの国境でもあるイスラム教の日没後の礼拝時間に近く、国内サッカーファンの大半はイスラム教徒であることから、キックオフ時間の変更を求める声が上がっています。
イスラム教では1日5回の礼拝が義務付けられていますが、その中に日没後の礼拝Maghrib「マグリブ」があります。礼拝の時間は時期や地域によって微妙に変わりますが、ちなみにこの記事を書いている10月19日のクアラ・ルンプールのマグリブの時間は午後7時1分(1日の礼拝時間は、マレーシアで毎日、新聞に掲載されています)
礼拝の時間とあまりに近いキックオフ時間はムスリム(イスラム教徒の別称)の配慮が足りないとして、KLシティのサポーターは、クラブとマレーシアサッカー協会FAMに対し、AFCにキックオフ時間の再考を促すよう求めています。
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実際にSNS上でもこういった投稿は散見され、KLシティのクラブ公式Facebook上でも、8時、いや7時30分で良いのでキックオフ時間を変更して欲しい、といった投稿が複数見られます。
今回の決勝は、VARを導入することを決めたAFCが、VARを使用するには照明の明るさが足りないことを理由に、試合会場をKLシティのホームのKLフットボールスタジアムからブキ・ジャリル国立競技場へと変更しています。従来のホームで試合ができなくなったことで、KLシティサポーターからは不満が出ていたところに今回のキックオフ時間の件が重なり、不満がさらに増幅している印象です。決勝まで後3日ですが、AFCがこれを無視するのか、サポーターの声を聞くのか。なお、決勝のチケットは既に一昨日から販売が始まっています。