9月26日のニュース
マレーシアは44年ぶりのキングズカップ優勝を逃す

マレーシアは44年ぶりのキングズカップ優勝を逃す

タイのチェンマイで開催されていた第48回キングズカップの決勝が行われ、タジキスタンがPK戦を制して優勝、マレーシアは準優勝となっています。

直近のFIFAランキング111位のタイを破り、決勝へ進んだ同148位のマレーシアは、トリニダード・トバゴ(同101位)を破ったタジキスタン(同109位)との対戦となりました。

マレーシアのキム・パンゴン監督はタイ戦からは4選手を入れ替え、てこの試合に臨んでいます。DF陣はマシュー・デイヴィーズ(JDT)、ディオン・クールズ(チェコ1部FKヤブロネツ)、クザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)の3バックから、ラヴェル・コービン=オング(JDT)が下がり気味の4バックへ、中盤はブレンダン・ガン(スランゴール)、前の試合でレッドカードをもらい出場停止となったアザム・アジー(スリ・パハン)に代えてナズミ・ファイズ(JDT)を起用、この2人の前にはセカンドストライカー的にサファウィ・ラシド(JDT)を配置、FWはアリフ・アイマンに代えてモハマドゥ・スマレ(いずれもJDT)が右サイドに入り、この試合ではキャプテンを務めたシャフィク・アフマドとアキヤ・ラシド(いずれもJDT)が先発し、タイ戦の3-4-3から4-3-3へとシステムも変更しています。

この決勝の前に雨の中で行われた3位決定戦により既にピッチは荒れていた上、この試合開始時にも激しい雨が降る中で行われたこの試合で、ピッチが滑りやすくなっている上、蹴ったボールが止まってしまう最悪のコンディションでした。前半は両チームともこのコンディションに苦しみ、互いに後期を作ることができ前戦でしたが、こう後半に入るとマレーシア、タジキスタンともピッチの状態に慣れ、激しくせめぎあいます。しかしマレーシアGKシーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)、タジキスタンGKルスタム・ヤチモフ(タジキスタン1部FCイスティクロル)が好セーブを度々見せ、試合は0-0のまま進みます。

マレーシアの最大のピンチは84分、集中力が切れたかのように、DF陣のミスからルスタム・ソイロフ(エストニア1部レバディア・タリン)にシュートを決められますが、これがオフサイドの判定となり九死に一生を得ました。

その後も両チームともゴールを破ることができず、90分間では決着がつかなかった試合は、マレーシアにとっては2試合連続となるPK戦へと突入しました。

PK戦先攻のタジキスタンはキャプテンのアフタム・ナザロフがゴール正面にチップキックを放ちますが、コースを読み間違えたシーハン・ハズミが素晴らしい反応を見せてこのシュートを弾き、マレーシアが有利な状況になりました。しかしマレーシアの1人目のディオン・クールズのシュートはゴールポストに当たり失敗、タジキスタンは続く2人がPKを決めたのに対し、マレーシアは2人目ナズミ・ファイズのシュートはGKルスタム・ヤチモフに止められ、3人目サファウィ・ラシドのゴールはゴールポストを直撃してしまいます。タジキスタンの4人名は前述のゴールがオフサイド判定されていたルスタム・ソイロフでしたが、このPKは決まって、タジキスタンがPK戦を3-0で制して、第48回キングズカップの優勝を果たしています。

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タイ、タジキスタンといずれもFIFAランキング上位のチームとの引き分けは、来年のAFCアジアカップ出場権獲得に続き、昨年末の東南アジアサッカー連盟AFF選手権のグループステージ敗退で失った自信を取り戻すのには十分な結果です。しかし、タイ、タジキスタン相手に90分で勝利できなかったのも事実です。就任から1年も経たない内に代表チームのプライドを取り戻し、サポーターの期待を高めたキム・パンゴン監督の手腕は見事というしかありませんが、こうなると今年年末の東南アジア選手権へ向けての期待も当然高まります。年末のこの大会ではベトナム、ミャンマー、シンガポール、ラオスとの同組となることが決まっていますが、グループステージを突破し、準決勝進出はサポーターが期待する最低ラインでしょう。

下はこの試合の両チームの先発XIと試合のハイライト映像。ハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより。