キングズカップ-マレーシアがタイをPK戦で下して決勝へ
タイのチェンマイで開催中のキングズカップに出場中のマレーシアは、タイを相手にPK戦で勝利し、対タイ戦の無敗記録を6に伸ば巣と共に、決勝進出を決めています。1995年にU23代表が参加して以来、27年ぶりの出場となったマレーシアは、もう一つの準決勝でトリニダード・トバゴを2-1でくだしたタジキスタンと1978年以来5度目の優勝を賭けて、9月25日に対戦します。
この日のマレーシアはFWにダレン・ロック(PJシティ)、サファウィ・ラシド(JDT)、ファイサル・ハリム(トレンガヌ)、MFはラヴェル・ゴービン=オンとアリフ・アイマン(いずれもJDT)が左右両サイド、精巣腫瘍の治療から1年ぶりの復帰となったブレンダン・ガン(スランゴール)とやはり久し振りの代表復帰となったアザム・アジー(スリ・パハン)が中央で縦に並び、DFはクザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)、この日はキャプテンを務めたディオン・クールズ(チェコ1部FKヤブロネツ)、マシュー・ディヴィーズ(JDT)の3-4-3のシステムで試合に臨みました。
アウェイということもあり、慎重に試合に入ったマレーシアに対し、タイは試合開始から積極的に仕掛け、マレーシアは自陣に押し込まれる転換が続きました。しかし15分に負傷のチャナティップ・ソングラシン(川崎フロンターレ)が交代退場すると、マレーシアは徐々に前線にボールを運べるようになりはじめます。そして、32分には右サイドのサファウィ・ラシドからのクロスをラヴェル・コービン=オングが押し込み、JDTコンビが先制点を挙げて、マレーシアがリードします。
マレーシアがリードを守って前半を終えたものの、後半に入ると再びタイが優勢となりましたが、そこに立ちはだかったのがマレーシアGKのシーハン・ハズミでした。タイFWと一対一になる場面が何度かありながら、ことごく相手のシュートを弾き返し、このまま1-0でマレーシアが逃げきるかと思われたロスタイムに、アザム・アジーがペナルティーエリアのすぐ外でピティワ・スクジッタムマクー(BGパトゥム・ユナイテッド)を倒してFKを与えてしまします。しかもアザム・アジーはこの試合2枚目のイエローで退場となり、マレーシアは10人となってしまいます。そしてピティワ・スクジッタムマクー自身が蹴ったFKにパンサ・ヘーミボーン(ブリーラム・ユナイテッド)が頭であわせたシュートが決まり、土壇場でタイが試合を振り出しに戻りました。
両チームとも追加点がないままロスタイムを終えた試合は、大会規定によりPK戦となりました。PK戦に入ると、先攻のマレーシアはディオン・クールズ、途中出場のシャフィク・アフマド(JDT)、マシュー・ディヴィーズ(JDT)、やはり途中出場で代表戦初出場となったデクラン・ランバート(KLシティ)と4人が連続でPKを決めると、タイもパタムポール・チャロエンラタナピロム(BGパトゥム・ユナイテッド)、スパナット・ムエアンタ(ブリーラム・ユナイテッド)、クリサダ・カマン(チョンブリー)まで3人が連続で決めて一歩も譲りません。しかしこの日はいわゆる「ゾーン」に入っていたマレーシアGKシーハン・ハズミがタイの4人目スパチョーク・サラチャートのシュートを止めてマレーシアが4-3とリードし、マレーシアの5人目、ラヴェル・コービン=オングのPKを決め、マレーシアがPK戦を5-3で制し、決勝進出を決めています。
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この試合のマンオブザマッチMOMは、マレーシアGKシーハン・ハズミでしょうが、個人的にはブレンダン・ガンの存在感の大きさを感じました。昨年6月のFIFAワールドカップ2022アジア二次予選以来の代表復帰となったブレンダン・ガンは、マレーシアでNo. 1のボックストゥボックスプレーヤーの評判が全く褪せていないことを証明してくれました。また、やはり久し振りの復帰となったアザム・アジーはヒザのケガが完治していないのか、今一つ動きが悪い場面も見られ、その結果がイエロー2枚となってしまった印象です。それでもこの復帰組の2人は来年のAFCアジアカップには欠かせない選手であるのは間違い無いでしょう。
キングズカップ2022
2022年9月22日@700周年記念スタジアム(タイ、チェンマイ)
タイ 1-1 マレーシア(PK3-5)
⚽️タイ:パンサ・ヘーミボーン(90+5分)
⚽️マレーシア:ラヴェル・コービン=オング(32分)
(下はこの試合の両チームの先発メンバーとハイライト映像。ハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより。)
キングズカップのもう1試合はタジキスタンがトリニダード・トバゴを逆転で破り、決勝に進出し、マレーシアと優勝をかけて戦います。一方のトリニダード・トバゴはタイとの3位4位決定戦にまわります。
キングズカップ2022
2022年9月22日@700周年記念スタジアム(タイ、チェンマイ)
トリニダード・トバゴ 1-2 タジキスタン
⚽️トリニダード・トバゴ:ジュダ・ガルシア(27分)
⚽️タジキスタン:ムハンマジョン・ラキモフ(47分)、エフサン・パンジュシャンベ(75分)
(下はこの試合ハイライト映像。ハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより。