8月26日のニュース
地元紙が加賀山泰毅選手を特集
タン前代表監督が来季から現場復帰か
サラワクで4ヶ月の給料未払い問題が発覚も、チームマネージャーは即時支払いを約束

ACLでは浦和が全北現代との死闘を制して東地区の王者となりました。浦和に敗れたJDTにとっては、このまま浦和が今季のACL王者となってくれれば、負けた甲斐もあろうかというところでしょう。西地区王者との決勝は来年2月とまだ先の話で、その際に浦和がどのようなメンバーになっているかはわかりませんが、日本だけでなく東南アジアの希望も背負って決勝を闘ってもらいたいです。

地元紙が加賀山泰毅選手を特集

英字紙ではマレーシアで最大発行部数を誇るザ・スターが、今季からMリーグ1部スーパーリーグのサバでプレーしている加賀山泰毅選手を特集しています。

T・アヴィネシワラン記者の署名入り記事では、右、左のどちらでもウィングとしてプレーできるだけでなく、攻撃的MFやストライカーとしてもプレーする加賀山選手の「多才さ」が、今季ここまでリーグ2位のサバの好調さに大きな影響を及ぼしているとしています。

チームの勝利に貢献するのであれば、試合ごとに異なるポジションでプレーすることを厭わないと話す加賀山選手は、「アタッキングサードではどのような役割を任せられてもやる気でいるので、オン(・キムスイ)監督がどこで使ってくれても、何かしらの貢献はできると思っている。」と記事の中で答えている加賀山選手は、「様々なポジションでプレーすることによって、より完璧な選手となることに近づけていると思う。」とも話しています。

加賀山選手は、ここまでサバの全試合(16試合)に出場し、ゴール数は2と少ないものの、数多くのアシストでチームの勝利に貢献しています。流れるようなドリブルや正確なパスの供給、そして計算されたポジショニングなどにより、加賀山選手をサバにとって欠かすことができない選手にしています。

チームの好調を維持するためにも、さらにゴールを挙げ、アシスト数も増やしたいと話す加賀山選手は、「チームが現在2位ではあるものの、まだ今季は何も成し遂げていない。順位について考えるのはあくまでもリーグ戦終了後であり、今は目の前の試合に集中しなければならない。」とも述べています。

また、最後にサバの好調の原因を問われると、チームワークと規律が保たれていることを挙げ、「我々は選手全員がハードワークし、全員がチームのために一生懸命になっている。」と説明しています。

タン前代表監督が来季から現場復帰か

英字紙ニューストレイトタイムズは、昨年12月の東南アジアサッカー連盟選手権AFFスズキカップを最後に代表監督を辞任したタン・チェンホー氏が来季2023年シーズンにはMリーグクラブの監督に就任する可能性が高いと報じています。

今季低迷し、今月8月にはミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督を更迭したものの、現在もリーグ戦4連敗中の1部スーパーリーグのスランゴールや、クラブ創設100周年という記念すべき年に2部プレミアリーグに降格し、その2部でも10チーム中9位と苦しむペラなどがその候補となるだろうと、この記事では紹介しています。

実際にソーシャルメディア上では、かつてはMリーグを席巻したスランゴールの復権をタン氏に期待する声がある他、タン氏がペラのボビー・ファリド・シャムスディンCEOと話し合いをしている場面を写した写真がSNSに上がるなど、実際に火のないところには煙は立たない、といった状況でもあります。

タン氏は「現場復帰について急ぐつもりはない」というコメントをこれまでも繰り返しており、ニューストレイトタイムズが最近、インタビューを行った際には、Mリーグでの監督復帰については「良い話があれば」と述べるに止まっています、その一方で、来季からスーパーリーグのチーム数が現行の12チームから18チームとなることにより、現場復帰の意欲をそそるような機会が得られる可能性にも言及しています。

「サッカーを愛する気持ちは変わっておらず、現場から長期間離れるつもりもない。来季(のリーグ再編)によりMリーグは面白くなると思うので、どのように面白くなるかに注目している。(今後、監督に就任する)クラブは未だ決めておらず、現在チームを指揮する監督にも配慮し、シーズン途中に監督に就任するつもりはない。複数のチームと接触していることは事実だが、何も決まっていることはない。」と述べたタン氏のMリーグは実績は錚々たるものです

2014年から2017年まで監督を務めたクダでは、2015年に2部から1部にチームを昇格させ、同じ年にはスランゴールに決勝で敗れたものの、マレーシアカップの決勝にチームを導いています。翌2016年にはマレーシアカップを優勝を果たすとともに、1部でもチームを3位に躍進させていますが、同時にイフワット・アクマル、アリフ・ファルハン、ファルハン・ロスラン(いずれもクダ)、シャフィク・アフマドやアキヤ・ラシド(いずれも現JDT)やハリム・サアリ(同スランゴール)ら現在もトップチームでプレする選手たちを育てた実績もあります。

「若い選手の育成、そして観客を楽しませるサッカーをするチームを築くことが現在の自分の希望なので、長期間にわたって関われるチームと仕事をすることを望んでいる。そのためには、健全に経営されていることがチームを選ぶ重要な要因になる。」とも話すタン氏の現場復帰はさほど遠い未来ではなさそうです。

サラワクで4ヶ月の給料未払い問題が発覚も、チームマネージャーは即時支払いを約束

新たな給料未払い問題が発覚しています。マレーシア語紙のブリタ・ハリアンは1部スーパーリーグのサラワク・ユナイテッド(以下サラワク)では、選手の給料が4ヶ月にわたって支払われていないと報じています。またマレーシアプロサッカー選手会PFAMも、サラワクの選手からも報告を受けていると、この事実を認めています。

PFAMは6月14日と7月8日の2度にわたってチームに対して、未払い給料問題の解決を求める書簡を送っているということですが、この記事が出た8月24日の時点では、未払い給料が完済されたという報告を選手からは受け取っていないという声明を出しています。さらにPFAMは6月にはチームの家賃滞納により、サラワクの選手たちが宿舎からの退去通知を受け取っていることも明らかにしています。

サラワクで給料未払い問題が明らかになったのは今回が初めてではなく、昨季も同様の問題が起こっています。その際にマレーシアサッカー協会FAMの役員であるポサ・マジャイス サラワク会長が「未払いではなく単なる遅配である」と嘯いた「前科」があるなど、そもそも運営に問題がある人材がトップを務めるチームです。

そして昨季同様、メディアで報道されると慌てて対応する状況も変わっておらず、この記事が出たその翌日には、ポサ会長は全ての未払い給料は来週中に完済される予定であるとメディアに話しています。