AFCチャンピオンズリーグACLでは、マレーシアのJDTを5-0と一蹴した浦和レッズが、タイのBGパトム・ユナイテッドをやはり4-0と圧倒、改めて東南アジアのチームと東アジアのチームの差を見せつけられることになりました。グループステージでは、シンガポール王者のライオンシティーセイラーズにも圧勝している浦和には、ここまできたら是非、明日8月25日には全北現代を破って東地区を制し、さらに中東のチームも撃破してACLチャンピオンになってもらい、「チャンピオンチームに負けたのなら…。」と、東南アジアクラブの溜飲が下がるようにしてもらいたいです。
KLシティが出場するAFCカップ東南アジア地区は今日が決勝
ACLがアジアのクラブの頂点を決める大会なら、その一つ下のクラブ選手権がAFCカップです。ちょうどUEFAチャンピオンズリーグとUEFAヨーロッパリーグのような関係と言えばわかりやすいでしょうか。
今季2022年大会東南アジア地区予選には、マレーシアからは昨季Mリーグ1部スーパーリーグ2位のクダとマレーシアカップ優勝のKLシティの2チームが出場し、いずれもグループステージを突破したものの、準決勝では両チームの明暗が分かれ、クダはインドネシアのPSMマカッサルに敗れた一方で、KLシティはベトナムのベトテルFCにPK戦で勝利し、決勝に駒を進めています。
決勝で対戦するKLシティとPSMマカッサルはグループステージでは同組で既に1度対戦しており、その際は0-0の引き分けに終わっていますが、東南アジア地区代表を決める2度目の対戦を控えて、アジアサッカー連盟AFCの公式サイトでは、この試合で鍵となる選手を両チームから3名選んで紹介しており、以下はその拙訳です。
FWパウロ・ジョズエ(KLシティ)
AFCカップ初出場のKLシティでキャプテンを務めるパウロ・ジョズエは、グループステージから準決勝まで、前線でチームを鼓舞し続けてきた。2017年からKLシティでプレーする33歳のジョズエは、チームの2部降格、1部昇格、そして昨季のマレーシアカップ優勝など近年のチームの浮き沈みを経験してきた選手でもある。
ジョズエはAFCカップ東南アジア地区グループステージでも、PSMマカッサル戦では最も活発に動いた選手であり、グループステージのタンピネス・ローヴァーズ(シンガポール)との試合では2ゴールを挙げて、チームを準決勝へと導き、さらに準決勝のベトテルFC(ベトナム)戦でもPK戦でゴールを決めており、同様の活躍が決勝でも期待されている。
MFリズキ・エカ・プラタマ(PSMマカッサル)
22歳のリズキ・エカ・プラタマは、そのドリブル技術と爆発的な走力を発揮し、今回のAFCカップで頭角を表した選手の1人である。グループステージのKLシティ戦はベンチスタートだったものの、タンピネス戦では先発する機会を得ると、同点ゴールを決め、さらに逆転ゴールをアシストする活躍を見せた。
準決勝のクダ(マレーシア)戦では84本のパスを出し、、ヤコブ・サユリの得点をアシストするなど、プラタマは自身がPSMマカッサルにとって描くことができない選手であることをこのAFCカップで証明し、その結果、ベルナルド・タヴァレス監督の信頼を得て、国内リーグの開幕戦では先発メンバーに起用された。さらにこの活躍が続けば、代表入りも近いと目されている。
FWジョーダン・ミンター(KLシティ)
今季途中にKLシティに勧誘したミンターは、同じMリーグのトレンガヌから期限付き移籍で加入した選手で、AFCカップにはスタリオンFC(フィリピン)で2014年に。カヤFCイロイロで2019年に出場経験があるミンターは、2020年にフィリピンリーグ得点王となり、その名が広く知られるようになった。
マレーシアリーグに移籍した昨季は、2部リーグで15試合出場で16ゴールを挙げ得点王になりながら、トップチームでの出場機会に恵まれず、今季途中にKLシティに期限付き移籍すると、ベトテルFC戦の勝利に貢献した。決勝で対戦するPSMマカッサルとは2019年のカヤFC-イロイロ時代に対戦し、1分1敗だったことから、明日の決勝ではより良い結果を出したいと考えている。
FWエヴェルトン(PSMマカッサル)
バーレーンのアル・ヒッドSCCから今季加入したエヴェルトンは、これでキャプテンのウィルジャン・プラム頼りきりだったチームの攻撃力を、プラムとのコンビで向上させている。グループステージのタンピネス戦では、この試合で2得点目となる決勝のPKを決めている。
準決勝のクダ戦ではゴールを決められなかったものの、29歳のストライカーは、決勝で寺院大会3得点目となるゴールを決めたいと思っている。
DFジャンカルロ・ガリオフッコ(KLシティ)
英国1部のトットナム・ホットスパーやスワンジーシティのアカデミーでの経験を持つ、オーストラリア出身のDFジャンカルロ・ガリオフッコは、メルボルン・ヴィクトリーからKLシティに移籍すると、そのままトップチームに定着した。KLシティではセンターバックを務め、長い歴史を持つマレーシアカップではJDTを破るなど、成功を収めている。
28歳のガリオフッコは、AFCカップではここまでの3試合でわずか1失点のKLシティ守備陣の1人として、2度目となるPSMマカッサルとの対戦では、初戦同様、相手の攻撃を封じることが期待されている。
MFヤコブ・サユリ(PSMマカッサル)
前述のガリオフッコとKLシティのチームメートが抑える必要があるのが、24歳のウィング、ヤコブ・サユリだ。AFCカップ準決勝のクダ戦で先制点を決めるなどAFCカップ開幕以来、その評価がさらに高まっているサユリはパプア州出身で、2019年シーズンにバリオ・プテラでの活躍に注目が集まり、2020年にはPSMマカッサルに移籍。新型コロナの影響で途中中止になったものの同年のAFCカップではタンピネス、シャン・ユナイテッド(ミャンマー)、カヤFCと同組だったPSMマカッサルの全試合に出場し、シャン・ユナイテッド戦ではゴールも挙げている。
今季のAFCカップでは、準決勝のクダ戦ではウイングでプレーし、マンオブザマッチMOMに選ばれるなど活躍しており、前述したやはりウイングでプレーするプラタマとともにKLシティにとっての脅威となるだろう。
AFCカップ東南アジア地区決勝 KLシティ対PSMマカッサルは本日8月24日(水)午後9時(日本時間午後10時)キックオフで卯s。
東南アジア選手権の組み合わせ抽選前のポット分け発表-マレーシアはインドネシアと同じポット2に
東南アジアサッカー連盟AFFは、第14回東南アジア選手権のグループステージ組み合わせ抽選に先立ち、各チームのポット分けを発表しています。各ポットに割り振られたチームは、グループステージでは対戦することはありません。
第14回大会から冠スポンサーが代わり、「AFF三菱電機カップ(英語名AFF Mitsubishi Electric Cup)」となる東南アジア選手権は、今月8月30日にタイのバンコクでグループステージ組み合わせ抽選が行われますが、これに先立つポット分けは以下のようになっています。
ポット1:ベトナム・タイ
ポット2:マレーシア・インドネシア
ポット3:フィリピン・シンガポール
ポット4:ミャンマー・カンボジア
ポット5:ラオス・東ティモールまたはブルネイ(プレイオフの結果による)
最新のFIFAランキングでは、フィリピン(134位)はマレーシア(147位)よりも上で、サッカー専門サイトのヴォケットFCによると、ミャンマー(158位)はシンガポール(159位)よりも上ですが、報道によると東南アジアサッカー連盟AFFは、2018年と2020年の東南アジア選手権過去2大会の成績を考慮して、ポット分けを行ったとされています。