4月14日のニュース
未払い給料問題を抱えるペラは勝点剥奪処分を免れるか
Mリーグの今季監督交代第1号はマラッカ

未払い給料問題を抱えるペラは勝点剥奪処分を免れるか

Mリーグ2部プレミアリーグのペラは、第1回期限として設定された3月31日までに未払い給料が支払われなかったことから、リーグ戦での勝点3を剥奪されていますが、第2回期限は本日4月14日となっています。もし本日中に未払い給料が完済されなければ、さらに勝点6が剥奪されることが決まっており、ここまで3試合で1勝しか挙げていないペラは、この処分を受けることがあれば前代未聞のマイナスの勝点となる可能性が出てきました。

ペラの現在のオーナーであるインパクト・メディア・アンド・コミュニケーション社(IMC社)は、新たなオーナーの最有力候補で特殊車両製造会社のJRリソーシーズ社との最終交渉段階に入っているとされ、株式譲渡は時間の問題であることをIMC社も明らかにしています。

資金力のない現オーナーから新たなオーナーへの株式譲渡はペラにとっては明るいニュースですが、給料未払い問題はまた別の話で、新オーナーが本日中に未払い給料を支払わなければ、勝点6剥奪は避けられません。

クラブライセンスを統括する第一審期間のシーク・ナシル委員長も、オーナーの交代についてはコメントせず、およそ93万5000リンギ(およそ2790万円)に上る給料の未払いが完済されたかどうかの報告がMリーグを運営するMFLから上がってくることを待っているとしています。

Mリーグの今季監督交代第1号はマラッカ

スポーツ専門サイトのアストロアリーナは、マラッカ・ユナイテッドのリスト・ヴィダコヴィッチ監督がクラブと合意の上、契約を解除したようだと報じています。

ボスニアヘルツェゴヴィナ出身のヴィダコヴィッチ監督は、前任のザイナル・アビディン・ハサン監督に変わり、今季開幕前に就任したばかりでしたが、Mリーグで1勝も上げられないままチームを去ることになりました。

ヴィダコヴィッチ監督は先日、メディアに対して給料未払いが3ヶ月に及ぶことなどを明らかにし、選手のモチベーションを維持することが難しいと話しましたが、マラッカ・ユナイテッド経営陣が未払い給料は1ヶ月分だと主張した上で、誤った情報をメディアに話した者は処分すると発表しており、これがヴィダコヴィッチ監督を指すことは明らかでした。

アストロアリーナはヴィダコヴィッチ監督との契約解除について、マラッカ・ユナイテッド経営陣にコメントを求めたということですが、記事執筆の時点では回答を得られていないということです。

Mリーグ2部プレミアリーグ
2022年シーズン第4節結果とハイライト映像

Mリーグ2部プレミアリーグ今季2022年シーズン第4節が4月9日から13日にかけて開催されました。

2022年4月9日(土)@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM 1-0 JDT II
⚽️UITM:ナジルル・ハシフ(75分)
⚽️JDT:ムサ・シディベ(16分)、フェルナンド・ロドリゲス(29分)
🟨UITM(0)
🟨JDT(0)
MOM:ムサ・シディベ(JDT II)
 昨季1部スーパーリーグで最下位となり2部プレミアリーグに降格したUITMは、資金不足から開幕前のトランスファーウィンドウ期間では外国籍選手を獲得せず、マレーシア人選手だけでチームを編成しています。他のクラブに比べて明らかに戦力が劣るUITMは、この試合では昨季のプレミアリーグ得点王フェルナンド・ロドリゲス、フィリピン代表FWビエンベニード・マラニョンらを要するJDTのセカンドチーム、JDT IIと対戦しました。
 試合は予想通り開始直後からJDT IIが圧倒し、29分で早くも2-0とリードし、その後も好機を得ながら、ゴールポストに阻まれるなど追加点を奪えないまま試合が進みました。とは言え、ほぼ一方的な試合は終盤にUITMが1点を返したものの、JDT IIが危なげなく勝点3を獲得しています。

2022年4月9日(土)@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 2-1 スランゴール2
⚽️ペラ:ファリド・カザリ2(88分、90+3分)
⚽️スランゴール:ジョージ・アトラム(80分)
🟨ペラ(1):アキル・ヒルマン
🟨スランゴール(2):S・シャルヴィン、ファーミ・ダニエル
MOM:S・パヴィトラン(ペラ)
 給料未払い問題により主力選手が大量退団したペラは昨季は1部スーパーリーグで11位となり2部プレミアリーグに降格、さらに外国籍選手を含めた新戦力の獲得も禁止されたことから、今季はU21やU19の選手を起用してリーグ戦に参加しています。さらに未払い給料問題解決の遅れから、先日は勝点3の剥奪処分を受けるなど、ピッチ外での問題が山積みです。この試合でもベンチ入り15名(控え選手4名)で臨んだペラでした、ロスタイムに挙げたゴールで逆転勝ちし、今季初勝利を挙げています。
 前半は拮抗した試合でしたが、後半に入ると少しずつペラがチャンスを作り始め、先制の機会も何度かありましたがオフサイドの判定やフィニッシュの精度の低さからゴールに至りませんでした。その隙をついてスランゴールが80分にジョージ・アトラムがゴールを決めて先制しました。しかしこの失点でペラの闘志に火がついたのか、88分、90+3分と立て続けにゴールを決めたペラが嬉しい初勝利を飾っています。試合に出場している選手たちは給料未払いながらこの闘志を見せていることに対して、相変わらずクラブの売却問題でもざわついている経営陣が答えてくれることを期待したいです。

2022年4月10(日)@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM 2-1 トレンガヌII
⚽️PDRM:マルティン・アダメック2(73分、89分)
⚽️トレンガヌ:アミルル・シャズワン(12分)
🟨PDRM(2):アレクサンダー・アンポンサ、アミル・サイフル
🟨トレンガヌ(3):ジョーダン・ミンター、ルーク・ウッドランド、ラーマット・マカサフMOM:マルティン・アダメッツ(PDRM)
 

2022年4月11日(月)@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティ 2-1 クランタン
⚽️クチンシティ:アブ・カマラ(26分)、シャフィジ・イクマル(67分)
⚽️クランタン:ユスリ・ユハスマディ(32分)
🟨クチンシティ(2):キアヌ・マーシュ=ブラウン、ワン・アズライ
🟨クランタン(2):ケルヴェンス・ベルフォート、ミオール・ダニ・アルミン
MOM:アブ・カマラ(クチンシティ)
 チーム内に新型コロナ陽性者が見つかったことでリーグ戦の試合が延期されてきたクチンシティ。FAカップでは3月31日に同じプレミアリーグのUITMを2-0で破っていましたが。リーグ戦はこの試合が今季初戦となりました。
 先手を取ったのはクチンシティでした。26分にアリフ・ハサンの蹴った右からのコーナーキックをアブ・カマラがゴールに押し込み、クチンシティが1-0とリードしました。しかし開幕から3連勝中のクランタンはすぐさま反撃に転じ、クチンDF陣のクリアミスから得たコーナーキックにユスリ・ユハスマスディが頭で合わせ、32分にクランタンが同点に追いつきました。
 後半に入ると両チームともゴールに迫るも得点が奪えないまま試合が進んだ67分には、キアヌ・マーシュ=ブラウンからのパスを受けたシャフィジ・イクマルがそのままドリブルで持ち込んでシュートを決め、再びクチンシティが勝ち越しました。そのクランタンは昨季のチーム得点王、ナタニエル・シリンゴリンゴを投入しましたが、ゴールには至らず、クチンシティが今季初勝利を挙げています。
 クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

2022年4月13日(水)@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
FAM-MSNプロジェクト 1-2 クランタン・ユナイテッド
⚽️FAM:ファリス・イズディハム(24分)
⚽️クランタン:ンジョク・ジェイコブ2(45分PK、81分)
🟨FAM(1):ハジム・ジャマル
🟨クランタン(1):イムラン・サムソ
MOM:ンジョク・ジェイコブ(クランタン・ユナイテッド)
 試合開始から激しい応酬となった試合は、24分にファリス・イズディハムが相手DF陣の足が止まった隙をついてペナルティエリアの外から放ったシュートが決まり、まさかのFAM-MSNプロジェクトが先制して始まりました。一方、地力で勝るクランタン・ユナイテッドは前半終了間際の45分に相手ペナルティエリア内でアミルル・シャフィクが倒されPKを得、これをンジョク・ジェイコブが決め、前半を1-1で折り返します。
 後半も外国籍選手が1人もいないFAM-MSNプロジェクトは、クランタン・ユナイテッドを相手に互角に試合を進めましたが、81分にパスを受けたジェイコブ選手がドリブルで持ち込み、相手DFをかわしてゴールを決め、これが決勝点となってクランタン・ユナイテッドが2連勝を挙げるとともに、順位を4位に上げています。
 クランタン・ユナイテッドの深井脩平選手は先発してフル出場していますが、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

2022年シーズン プレミアリーグ順位表(第4節終了時)

チーム得失差勝点
1KEL43017349
2JDT43017439
3PDRM32015326
4KLU32013306
5TRG21014223
6KCH11002113
7SEL21012203
8PRK310237-4*0
9FAM300325-30
10UITM300316-50
ペラ(PRK)は給料未払い問題の解決が遅れたことにより、勝点3の剥奪処分を受けています。
KEL-クランタン、PRK-ペラ、KLU-クランタン・ユナイテッド、TRG-トレンガヌII、SEL-スランゴール2、FAM-FAM・MSNプロジェクト、KCH-クチンシティ、JDT-JDTII

2022年シーズン プレミアリーグ 得点ランキング(第4節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
13ンジョク・ジェイコブKLU3
3マルティン・アダメックPDRM3
32ダリル・シャムJDT4
2フェルナンド・ロドリゲスJDT4
2ムサ・シディベJDT4
2ミルベク・アクマタリエフPDRM3
2ファリド・カザリPRK3
KEL-クランタン、PRK-ペラ、KLU-クランタン・ユナイテッド、TRG-トレンガヌII、SEL-スランゴール2、FAM-FAM・MSNプロジェクト、KCH-クチンシティ、JDT-JDTII