3月18日のニュース
前クランタンFC所属選手が未払い給料支払いを求める
クランタンFCオーナーは未払いはクランタン州サッカー協会の責任と主張
前副首相はクアラルンプールサッカー協会会長職に興味なし

昨日3月17日にはMリーグ1部スーパーリーグのJDTがユニバーサルミュージックとのコラボを発表し、チームのテーマソング「パイオニアーズ」を発表するとともに、ラッパーのスヌープドッグがJDTのユニフォームを着てこれを歌う映像まで発表するなどなかなか派手なことをしています。ただし麻薬所持が死刑に値するこの国で、薬物不法所持の前科があるスヌープドッグ起用は問題ないないのか、と思いましたが、ソーシャルメディア上ではそれを指摘するような投稿には遭遇しなかったので、それはそれ、これはこれということなのでしょう。

前クランタンFC所属選手が未払い給料支払いを求める

2019年にクランタンFCに所属していたファウジ・ロスランが、未だ未払いとなっている給料の支払いを求めているとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。

未払いとなっている6万3600リンギ(およそ180万円)の即時支払いを求めているファウジ氏は、昨年2021年10月30日までに支払われることを条件に、受け取る金額を5万5000リンギ(およそ156万円)に減額することに応じたものの、それ以降は何の連絡も受け取っていないとブリタハリアンの取材で話しています。

2021年10月15日付けの手紙を受け取ったのが最後だと話すファウジ氏は、2019年に在籍したクランタンFC(当時はクランタンFA)での7ヶ月分の給料に当たる金額の減額に応じたにもかかわらず、現在も支払いが行われていないと述べています。

クランタンFCオーナーは未払いはクランタン州サッカー協会の責任と主張

上の報道に対して、クランタンFCのノリザム・トゥキマンオーナーは、クランタンFCが給料未払いだった選手への支払いは全額支払ったと主張し、未払い給料は残っていないと、スタジアムアストロの取材に対して述べています。

2020年9月にかつて当時のクランタンFAを運営していたクランタン州サッカー協会に、当時の報道で680万リンギ(およそ1億9300万円)を支払い、クラブの全株式を取得してオーナーとなったノリザム オーナーは、昨年2021年にマレーシアサッカー協会、クランタン州サッカー協会との3者で行った会談の席上で、クランタンFAの未払い給料を完済したことが確認されていると述べています。

「2020年9月のクラブ株式取得の際に明らかになっていた未払い給料は全て支払っており、それ以外の未払い給料自分の責任ではなく、クランタン州サッカー協会が責任を負うべきものである。このことはFAMも承知済みであり、これ以上の未払い給料を支払うつもりはない。」と自身のFacebookに投稿したノリザムオーナーは、これ以上未払い給料の話題を持ち出さないようにメディアに求めています。

前副首相はクアラルンプールサッカー協会会長職に興味なし

クアラルンプール市庁が資金提供を保留していることによる、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティの選手や監督、コーチへの給料未払いは、マレーシア政権与党による野党への圧力と見られていますが、現在、野党政治家のカリド・サマド会長をトップに据えるクアラルンプール市サッカー協会への辞任圧力が高まる中、その後任に名前が上がっているザヒド・ハミディ元副首相は、サッカー関連の職に復帰するつもりはないと、自身のFacebookに投稿しています。

内務大臣時代には現在はMリーグ2部プレミアリーグのPDRM FC、防衛大臣時代には現在は3部M3リーグの国軍FCの運営に関わり、さらにペラ州サッカー協会会長なども歴任したザヒド氏は、現在は他にやるべきことがあるとしてどのサッカー協会の会長になる気はない、と投稿しています。

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マレーシア国内の市町村のトップは直接選挙で選ばれるのではなく、議会多数派から指名される仕組みになっています。またクアラルンプールは連邦直轄地であることから、マレーシア政府連邦直轄地省と担当大臣が市長を任命する仕組みです。また連邦直轄地相はクアラルンプールサッカー協会に就任することが関連となっており、現在のカリド会長も2018年5月の国政選挙で所属する国民信任党を含む連合が政権を取った後、同年7月に連邦直轄地相に就任し、そのままクアラルンプールサッカー協会会長に就任しています。しかし、2020年2月に当時の与党連合が内部分裂して政権が崩壊し、野党議員となったカリド氏は連邦直轄地相を失職しました。代わって新たに政権の座についた国民戦線構成党の構成党でもある統一マレー国民組織所属の議員で、かつてクランタン州サッカー協会会長も務めたアヌアル・ムサ氏が新たに連邦直轄地相に就任しましたが、カリド氏は会長職にとどまっています。昨年9月には内閣改造によりシャヒダン・カシム氏が連邦直轄地相に就任し、この両氏がクアラルンプールサッカー協会と協会が運営するKLシティを掌握するために、資金提供を保留し、カリドサッカー協会会長、さらにはスタンリー・バーナードCEOの辞任を求めているとされています。

2021年シーズンには、クラブ民営化によってそれまでのクアラルンプールFAからクラブ名変更をしようとした際も、当初決定していたKLユナイテッドFCという名を、シーズン開幕の2日前に突然、現在のKLシティFCに変更させたアヌアル氏は当時の連邦直轄地大臣で、サポーターの多くが不支持を表明していました。