迷走するペラFCはGMを解職してCEOを任命もサッカー協会の規定に違反か
Mリーグ1部で11位となり来季は2部に降格するペラFCは、シーズン中に発覚した給料未払い問題から開幕戦先発XIの内8名が退団、さらにマレーシアカップでも遠征費用不足からペラ州選出の国会議員に寄付を求めるなどの窮状が明らかになっています。
そのペラFCがアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)をクラブ運営会社の理事に任命すると同時にGM職を廃止しましたが、当のアズマンGMはこれについて知らされておらず、驚いているとマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
ソーシャルメディア上で自身の理事任命を知ったと話すアズマンGMは、ペラFCを実質的に運営しているペラ州サッカー協会からはこの理事任命については事前に何も知らされていなかったと述べています。11月11日のマレーシアカップグループステージ、スランゴールFC戦後に会見を開いた際に、自身が務めていたGM職がどうなるのかは不明であると述べる一方で、現在空席となっているクラブのCEOにペラ州サッカー協会のハイルル・アンワル・モハメド氏が新たに任命された人事に対しては疑問を呈しています。
「(給料未払い問題が発覚し、その責任を取って辞任した)リザル・アリ・ナイズ・アリ前CEOの辞職後にはペラFCは今後はCEO職を置かないという声明を出している。しかも今回任命されたハイルル・アンワル氏ははペラ州サッカー協会の執行委員であり、マレーシアサッカー協会FAMはMリーグクラブの民営化実現に向けて、州サッカー協会内の人間がクラブ運営会社内に役職を持つことを禁じている。ハイルル・アンワル氏がペラFCのCEOとなるためには、ペラ州サッカー協会執行委員を辞職しなければならない。」と述べて、この人事が不透明なプロセスを経て行われていることを示唆しています。
クダ・ダルル・アマンFCで給料2ヶ月分と勝利給の未払いが明らかに
今季のMリーグで2位となりAFCカップ出場権を獲得しているクダ・ダルル・アマンFCは、シーズン開幕直後から数ヶ月に渡り給料未払いが起こっていたことが発覚し、JDTの対抗馬一番手として期待されながらスタートダッシュに失敗していた理由が明らかになりまし。その後は順当に順位を上げて最終的には2位になり、リーグ戦後のマレーシアカップでもグループステージを突破して準々決勝に進出しています。
しかしクダ・ダルル・アマンFCが再び給料未払い問題に見舞われているとウトゥサンマレーシアが報じています。本日11月14日の準々決勝初戦ではJDTと本拠地ダルル・アマンスタジアムで対戦するクダ・ダルル・アマンFCは既に2ヶ月分の給料が支払われていないことに加えて、リーグ戦で13勝、マレーシアかップグループステージは2勝しているチームに対して12試合分の勝利給も払われていないということで、ウトゥサンマレーシアは今夜のJDT戦に臨むチームのモチベーションは大きく下がってしまう可能性があると報じる一方で、マレーシアカップグループステージの最後の2試合(1-3で勝利した11月6日のクチンシティFC戦と0-2で敗れた11月9日のマラッカ・ユナイテッドFC戦)では選手たちは全力で試合に臨める心境ではなかったいうチーム内関係者の話も紹介しています。さらに経営陣からはチームの現状についてここまで何の説明がないことも選手たちを落胆させているということです。
なおこれについてコメントを求めら得たクダ州首相でもあるムハマド・サヌシ・モハマド・ノー クダ州サッカー協会会長は、チームの苦境について何も知らされていないと話す一方で、クダ州サッカー協会はこれに感知しておらずクダ・ダルル・アマンFCが自身で解決するべき問題であると話しているということです。
クダのクパ・シャーマンはW杯予選出場のリベリア代表辞退しマレーシアカップ出場へ
明日11月14日よりホームアンドアウェイ方式でマレーシアカップ準々決勝が始まりますが、JDTと対戦するクダ・ダルル・アマンFCのFWクパー・シャーマンはFIFAW杯2022年大会アフリカ予選を戦っている母国リベリア代表からの召集を辞退して、マレーシアカップに臨むとマレーシア語紙のハリアンメトロが報じています。
11月14日にはナイジェリアと、そして11月17日には中央アフリカと対戦するリベリアはアフリカ1次予選C組で4試合を終えて1勝3敗となっており1次予選敗退が既に決まっていることから、ピーター・バトラー監督に代表辞退の許可を求めたことを明かしています。なおバトラー監督は2000年台前半にはサバFA(現在のサバFC)やケランタンFA(現在のケランタンFC)などでも監督経験があります。
「リベリア代表は残り2試合で既に予選敗退も決まっており、バトラー監督にはマレーシアに残ってクダ・ダルル・アマンFCのマレーシアカップ準々決勝の試合に貢献したいと説明した。」と話したシャーマン選手はMリーグ8連覇を達成し、リーグ優勝との2冠を目指すJDTとの準々決勝は厳しいものになることが予想されるが、全力で臨みたいとも述べています。
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アフリカ1次予選でリベリアが挙げている唯一の勝利は中央アフリカ戦の1-0で勝った試合ですが、この試合の決勝ゴールを決めているのがシャーマン選手です。ハリアンメトロではクダ・ダルル・アマンFCのために残りたいとなっていますが、アフリカのスポーツ専門サイト「アフリカトップスポーツ」の記事では、シャーマン選手が保持している居住許可が11月21日に切れ、W杯予選のために出国すると再入国ができないという理由で代表召集を辞退していると報じられています。ハリアンメトロとアフリカトップスポーツのどちらの理由が本当なのかは別にして、W杯アジア最終予選に出場しているラビ・アタヤ(レバノン)、東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のシンガポール代表に合流予定のアヌマンサン・モハン・クマールと既に外国籍選手2名が不在のクダ・ダルル・アマンFCにとってシャーマン選手がJDT戦に出場できるのは心強いでしょう。