10月21日のニュース:アジアカップ最終予選は集中開催で行うことをAFCが発表、マレーシアはアジアカップ最終予選集中開催地に立候補か、ムカイリ・アジマルがU22代表の主将に、タン代表監督は今後も新戦力発掘を継続

アジアカップ最終予選は集中開催で行うことをAFCが発表
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上でAFCアジアカップ2023年大会最終予選を当初のホームアンドアウェイ形式から集中開催方式に変更して開催することを発表しています。なおこの集中開催では一回戦総当たり方式が採用されることも併せて発表されています。
 AFCは開催方式の変更理由として新型コロナによる影響を挙げ、アジアカップ2023年大会予選に関わる関係者の安全を最優先したことを強調しています。なお、試合日程としては来年2020年の6月8日、11日、14日が予定されているということです。
 3日間という日程に加え、最終予選にはマレーシアも含めた24カ国が出場することから集中開催地は6ヶ所となることが予想されます。なお集中開催地について、AFCはこの最終予選に出場する24カ国に対して予選開催の希望の有無を募るとしています。

マレーシアはアジアカップ最終予選集中開催地に立候補か
 AFCアジアカップ2023年大会最終予選が集中開催方式になったことを受けて、マレーシアサッカー協会FAMは6ヶ所とされる集中開催地の一つとして立候補する意向を表明していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は自国開催以外では41年振りとなるアジアカップ出場を目指すマレーシア代表にとって、自国サポーターで埋まったスタジアムで予選を戦えるのは大きなアドバンテージであるとして、最終予選の集中開催地に立候補したいと話しています。
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 成人のワクチン接種率が90%を超えたマレーシアは、全ての渡航者に義務付けられている検疫隔離期間がこれまでの14日間から7日間に短縮されるなど、渡航に際しての制限が徐々に緩和されており、年内にはこれがさらに短くなる可能性があります。また自国での最終予選開催となればサイフディン事務局長が述べているようサポーターの熱烈な応援が受けられることに加えて、移動の負担や慣れない環境での滞在を避けられるなどの利点も多く、なんとしても実現したいところです。今後の予定としてサイフディン事務局長は、まず手始めとしてマレーシア国内の新型コロナ政策を担う国家安全保障委員会NSCや保健省、国内スポーツを統括する青年スポーツ省から最終予選開催についての承認を得ることが条件であり、その承認を得た上で立候補することになると話しています。

ムカイリ・アジマルがU22代表の主将に
 AFC U23アジアカップ予選に出場するU22代表は昨日10月20日に第2次合宿を打ち上げていますが、その後に行われたFAMによる壮行会では、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長からムカイリ・アジマル(スランゴールFC)にU22代表のキャプテンマークが授与されています。
 FAMの公式Facebookへの投稿によると、ハミディン会長以下、モハマド・ユソフ・マハディ、S・シヴァサンドラムの両会長代理、U22代表のチームマネージャーでもあるポサ・マジャイス副会長、サイフディン・アブ・バカル事務局長が出席してFAM本部で行われた壮行会では、U22代表に激励の言葉が贈られた後、今回のU22代表の主将にMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、副主将にはDFハリス・ハイカルとDFジクリ・カリリ(いずれもスランゴールFC 2)が任命され、ムカイリ選手の腕にはハミディン会長が直々にキャプテンマークを巻く場面もあったようです。
(写真はFAMのFacebookより。左からブラッド・マロニーU22代表監督、ポサ・マジャイス U22代表チームマネージャー、モハマド・ユソフ会長代理、ムカイリ・アジマル選手、ハミディン・アミン会長、S・シヴァサンドラム会長代理、サイフディン・アブ・バカル事務局長、ハリス・ハイカル選手、ジクリ・カリリ選手)

6人、立っている人、室内、テキストの画像のようです

タン代表監督は今後も新戦力発掘に尽力
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では26名を招集しましたが、先月9月に行った代表チームのヨルダン遠征は「新戦力発掘」を理由にこの26名から半数以上の14名を外し、6名の初招集組と6名の代表復帰組を加えた計24名で臨みました。
 その結果は初戦のヨルダン戦が0-4、続くウズベキスタン戦では1-5という結果になりましたが、例えある選手が才能豊かであったとしても、試合で起用しない限り、その選手が代表チームに貢献できるかどうかはわからない、と語るタン代表監督が、結果の如何にかかわらず新戦力発掘には練習試合を行う必要性があると語っていると、マレーシア語紙シナルハリアンが報じています。
 新たに代表でプレーする選手を起用する試合では、望んでいるような結果が出ないこともあるが、今後も練習試合では新たな選手を試したいと話すタン代表監督は、ヨルダン遠征ではMFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)、DFクェンティン・チェン、FWアル・ハーフィズ・ハルン(いずれもペナンFC)らを初招集した一方で、MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)やMFアクラム・マヒナン(KLシティFC)ら元代表経験者を復帰させています。
 ただしヨルダン遠征で行った練習試合はいずれも大敗だったことから、この「新戦力テスト」には疑問の声も上がっており、タン代表監督は12月にシンガポールで開催される東南アジアサッカー連盟選手権スズキカップ2020年大会にはベストメンバーで臨むことを明言しています。
 ただしその一方で、10月29日から再開するマレーシアカップでは出場する各選手のパファーマンスに注目したいと話し、マレーシアカップでの活躍次第ではスズキカップ出場の代表メンバーに新たに抜擢される選手が出る可能性にも言及しています。
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 シナルハリアンの記事では新戦力発掘とは述べていますが、ヨルダン遠征のメンバーの出場時間をまとめると下のようになります。この遠征に参加しながら出場機会が全くなかったいずれも初招集組のGKカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)とFWアル=ハフィズ・ハルンを含め出場時間が45分に満たない選手が4名、90分に満たない選手が6名おり、これらの選手については「追試」が必要かもしれません。その一方で代表復帰組のバドロル・バクティアルとアクラム・マヒナン、そしてFWファイサル・ハリムは2試合とも先発するなど優先的に起用されたことからスズキカップでも招集されそうですが、同じく2試合先発のDFアイディル・ザフアンとその後継者と目されるDFイルファン・ザカリアの連携の悪さは目を覆いたくなるほどで、特にイルファン選手はこの遠征で失点に直結するミスを連発し、こちらも追試が必要な印象です。また今回の遠征に招集されながらケガで辞退したDFディオン・クールズ(デンマーク1部ミッティランFC)、さらにタイ1部チョンブリーFCで主力として活躍するDFジュニオール・エルドストールがスズキカップで召集されるようなことがあればいるファン選手は控え、あるいは召集見送りもありそうです。

9月に行ったヨルダン遠征参加各選手の試合出場時間(単位:分)

背番号ポジション選手名ヨルダン戦ウズベキスタン戦合計
1GK*カイルルアズハン90090
21GK#カイルル・ファーミ09090
23GKカラムラー・アル=ハフィズ000
16DF*#リザル・ガザリ9090180
7DF*#アイディル・ザフアン9070160
17DF*#イルファン・ザカリア9090180
4DF*アリフ・ファルハン452065
2DF#アリフ・ファジラー4570115
22DFクェンティン・チェン19019
6DFドミニク・タン02020
12MF*#アクラム・マヒナン4590135
8MF*#バドロル・バクティアル9090180
10MF*ナズミ・ファイズ61061
14MFムカイリ・アジマル292958
15MF#ケニー・パッラジ86169
24FW*#ファイザル・ハリム7170141
20FW*シャフィク・アフマド8252134
9FW*ギリェルメ・デ・パウラ622991
11FW#ハキミ・アブドラ453883
18FW#ルクマン・ハキム286189
19FWファイヤド・ズルキフリ02020
13FWアル=ハフィズ・ハルン000
*はヨルダン戦先発XI、#はウズベキスタン戦先発