9月17日のニュース:2億6000万円超えのピッチ改修費用に疑問の声、サッカー協会は女子国内選手権大会も中止を決定、マレーシアカップに向けてトレンガヌFCは2部の得点王を昇格か

2億6000万円超えのピッチ改修費用に疑問の声
 新内閣発足早々、リーグ拡大についてマレーシアサッカー協会FAMと議論したとソーシャルメディア上で明かしながら、FAMが否定すると早々に発言を撤回して謝罪したアフマド・ファイザル・アズム青年スポーツ相が、また新たな火種を提供しています。
 マレーシア代表の本拠地にもなっているクアラルンプールのブキジャリル国立競技場のピッチ改修について、管理会社ムルデカスタジアム社会長で格安航空会社エアアジアCEOでもあるトニー・フェルナンデス氏は今年3月にブキジャリル国立競技場のピッチ改修費用にはおよそ1000万リンギ(およそ2億6300万円)が必要だと発言したことが報じられました。しかしこれについてアフマド・ファイザル青年スポーツ相はこの1000万リンギという金額は、ブキジャリル国立競技場だけでなくマレーシア国内にある他の競技場のピッチ改修費用の総額であると発言したことから、ブキジャリル国立競技場のピッチ改修費用が正確にはいくらなのかという疑問の声が上がっているとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 3月の時点でトニー会長はブキジャリル国立競技場のピッチを国際基準にするため、フィールドの管理に加えて排水及び換気施設の整備、芝育成のため照明設備、そしてフィールド管理者養成などが計画に含まれていると説明し、昨年7月から始まった計画は完了するまでに最低でも9ヶ月間は必要であると説明していました。
 トニー会長の「ピッチ改修に1000万リンギ必要」という発言には、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下も疑問を示しており、その根拠としてJDTの本拠地であるスルタン・イブラヒムスタジアムの例を挙げています。イスマイル殿下によれば、昨年2020年に開場したばかりのスルタン・イブラヒムスタジアムのピッチはZoisya芝(日本でいう高麗芝)を使っており、給水及び排水施設やその他の費用を含めても140万リンギ(およそ3680万円)であると話しています。

サッカー協会は女子国内選手権大会も中止を決定
 マレーシアサッカー協会FAMは今季の女子国内選手権大会に当たるトゥン・シャリファ・ロジアカップの中止を発表しています。
 国内の新型コロナの感染状況や選手や監督、コーチ及び関係者全員の安全を考慮した結果、FAM女子サッカー委員会がこの大会の中止を決定したということですが、FAM主催の大会としてはU21リーグのプレジデントカップ、U19リーグのユースカップ、フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLに続く中止決定で、いずれの大会も昨年2020年に続いて2年連続で中止となっています。
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 MFLが運営するMリーグは予定通り開催され、さらにマレーシアカップまで行われる一方で、FAMが統括するユース、フットサル、そして女子サッカーについては今回の中止決定により都合4つのリーグ・大会が「失われた2年」を被ることになりました。FAMにすれば様々な点を考慮した上での中止決定だとは思いますが、もしこれがMFLのような独立した団体や法人によって運営されている大会であれば、規模を縮小してでも開催という選択が取られたも知れません。そう考えると、ユース、フットサル、女子サッカーにもプロ化とは言わないまでも、FAMから独立した運営会社の設立などを検討する必要があるように思います。

マレーシアカップに向けてトレンガヌFCは2部の得点王を昇格か
 今季のMリーグ1部スーパーリーグを4位で終えたレンガヌFCは、最終節までの4試合を0勝1分3敗とシーズン終盤で失速しましたが。この4試合の合計得点は3、しかもその内2試合は完封負けと攻撃陣が特に不振を極めたことがその失速の原因でした。
 マレーシア語紙ブリタハリアンは、この状況についてトレンガヌFCを運営するTFC社のアブドル・ラシド・ジュソCEOが昨季のリーグ3位から順位をひとつ下げてしまったこと、そして昨季は3位になったことで獲得したAFCカップ出場権が今季は獲得できなかったことに失望したと述べていると報じています。(マレーシアにはAFCカップ本選出場権が2枠あり、マレーシアサッカー協会FAMは昨季2020年シーズンはMリーグ1部の2位と3位にそれぞれ出場権を与えましたが、今季はMリーグ1部2位とマレーシアカップ優勝チームにそれぞれ出場権を与えることを発表しています。)
 「クラブは今季の目標としてMリーグでは昨季の3位より上の順位となること、そして来季のAFCカップ出場権獲得だったが、Mリーグでは残念な結果に終わった。しかしAFCカップ出場権獲得についてはまだ達成可能である。ただしトレンガヌFCが最後にマレーシアカップに優勝したのは20年前であり、優勝が容易でないことは承知しているが、可能性も十分あると考えている。」と述べたアブドル・ラシドCEOは、今季のチャレンジカップが中止となったことで、このチャレンジカップに出場予定だったセカンドチームのトレンガヌFC IIの選手をマレーシアカップで起用することを示唆しています。
 アブドル・ラシドCEOは「トレンガヌFC IIの選手にとっては実戦の機会が減ってしまったことは残念だが、マレーシアカップに出場するトップチーム強化のために、トレンガヌFC IIの選手を起用する予定である。」と述べ、攻撃陣のテコ入れに2部プレミアリーグで現在得点王(10試合出場で16得点)のジョーダン・ミンターを昇格させる他、MFデチ・マルセル、DFアルグジム・レゾヴィッチらもトップチームに合流する予定であることを明かしています。
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 昨季3位のチームから外国籍選手を総入れ替えして臨んだ今季の結果が4位となったトレンガヌFCですが、開幕前には若手を積極的に使う方針を明らかにし、その結果として10月の代表候補合宿にも招集される可能性もあるMFハキミ・アブドラが彗星のように登場し、代表合宿中のケガで今シーズンを棒に振ることにはなったものの将来の代表の守護神となる可能性もあるGKラハディアズリ・ラハリムなどが台頭してきたのも事実です。また選手獲得などの責任を負うのがCEOなのか、ナフジ・ザイン監督なのかは分かりませんが、昨季は8試合で9得点を挙げたFWドミニク・ダ・シルヴァの代わりに獲得したデヴィッド・ダ・シルヴァが13試合で6得点と新外国籍選手獲得が効果的ではなかったことも考えると今季の4位は至極順当に思えます。
*9/17-最初の投稿時にGKラハディアズリ・ラハリムとGKナスルルハク・ビディンの名前を間違えていました。お詫びして訂正します。