7月24日に予定されながら、クダ・ダルル・アマンFCの複数の選手が試合前の新型コロナウィルス検査で陽性となったことから延期されていたクダ・ダルル・アマンFC対ペナンFCが行われ、この試合に勝利したクダ・ダルル・アマンFCが3位のペナンFCと勝点差2の4位に浮上しています。
2021年8月17日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 4-1 ペナンFC
得点者:クダ-チェチェ・キプレ2(17分、38分)、バドロル・バクティアル(23分)、クパー・シャーマン(55分)、ペナン-デヴィッド・ロウリー(44分)
クダ・ダルル・アマンFCは8月13日のスランゴールFC戦でハンドにより一発レッドとなったレナン・アルヴェスが、またペナンFCは累積警告にリュウジ・ウトモがそれぞれこの試合は出場停止となっており、両チームとも守備陣の中心選手を欠く試合となりましたが、ペナンFCのシュート数6本(オンターゲット3本)に対してクダ・ダルル・アマンFCは19本(オンターゲット8本)、コーナーキックもペナンFCの1本に対してクダ・ダルル・アマンFC7本と圧倒したクダ・ダルル・アマンFCが後半戦初勝利を挙げています。( 8月7日と8日の両日、Mリーグ1部スーパーリーグ第18節が開催されました。なお後半戦開幕から2週間で5試合と詰まった日程だったMリーグですが、次節第19節は1週間空いて8月13日と14日に予定されています。
試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。
2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第18節終了時)
| Club | G | W | D | L | GF | GA | GD | P |
1 | JDT | 18 | 14 | 3 | 1 | 42 | 8 | 34 | 45 |
2 | TFC | 18 | 11 | 4 | 3 | 30 | 14 | 16 | 37 |
3 | PEN | 17 | 9 | 4 | 4 | 28 | 26 | 2 | 31 |
4 | KDA | 15 | 9 | 2 | 4 | 27 | 18 | 9 | 29 |
5 | SEL | 18 | 8 | 5 | 5 | 34 | 27 | 7 | 29 |
6 | KL | 18 | 5 | 9 | 4 | 21 | 17 | 4 | 24 |
7 | SBH | 17 | 4 | 7 | 7 | 20 | 23 | -3 | 19 |
8 | PJ | 17 | 4 | 6 | 7 | 11 | 19 | -8 | 18 |
9 | PHG | 17 | 4 | 5 | 8 | 20 | 27 | -7 | 17 |
10 | MU | 18 | 4 | 7 | 7 | 20 | 24 | -4 | *16 |
11 | PRK | 18 | 3 | 4 | 11 | 17 | 38 | -21 | 13 |
12 | UITM | 17 | 1 | 2 | 14 | 7 | 36 | -29 | 5 |
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ
2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第18節終了時)
| 選手(クラブ) | ゴール数 |
1 | イフェダヨ・オルセグン(SEL) | 20 |
2 | ベルクソン・ダ・シルバ(JDT) | 19 |
3 | クパー・シャーマン(KDH) | 11 |
4 | パウロ・ジョズエ(KL) | 9 |
5 | カサグランデ(PEN) | 8 |
AFC女子アジアカップ予選にフットサル選手を招集
アジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ予選に出場するマレーシア女子代表にフットサルの選手が招集されたことをスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
女子代表チームのジェイコブ・ジョセフ監督が代表合宿に招集したフットサル選手はステフィ・シドゥで、2011年から2012年まではジェイコブ監督の元でサッカー選手だった経験もあるということです。
ステフィ選手の招集についてジェイコブ監督は、当初招集していた選手の1人がチームに帯同できなくなったことを理由に挙げています。「代表合宿には17名の若手選手を追加招集したが、サバ州出身の選手1名がパスポートの問題でチームに帯同できなくなったことから、招集最終日の先週末にステフィ選手に連絡を取った。」とジェイコブ監督は説明しています。
8月21日からの女子代表合宿には今回招集された17名と既に招集されていた11名が参加し、25日間の合宿を行い、9月19日から始まるAFC女子アジアカップ予選初戦ではパレスチナと、そして9月22日にはタイと対戦します。
サッカー協会が帰化選手プロジェクトの見直しに着手
マレーシアサッカー協会FAMは代表チーム強化に向けた新たな帰化選手獲得ためのプロジェクトの一時中止と帰化選手プロジェクト自体の見直しを行うことを発表してことをマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
FAMのハミディン・アミン会長は既に帰化した選手については、来年2月に予定されているアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選については招集する可能性があるとも述べています。
「代表チーム強化目的の帰化選手ブログラムは、技術委員会、帰化選手プログラム委員会、代表チーム委員会、そしてオン・キムスイ テクニカルディレクターからの報告が上がってくるまでは一時中止とする。なおMリーグの各クラブについては、帰化資格を満たす選手のマレーシア国籍取得支援を行うことは今後も可能とする。*ヘリテージ帰化選手については、その必要に応じて起用していく方針は変わらないが、良いヘリテージ帰化選手の獲得は容易ではなく、その多くは代表に招集されてもあまり良い結果を残せていない。」とFAM理事会後のメディアとのオンライン会見で話したハミディン会長は、帰化選手の起用については様々な意見があることを認めた上で、今後も代表チームに帰化選手が必要となった場合には、FIFAワールドカップ2026年大会予選での起用を目的としたものになるだろうとも話しています。
FAMはこれまでブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(34歳、JDT所属)とコソボ出身のリリドン・クラスニキ(29歳、JDT所属)の両選手をMリーグで継続して5年以上プレーした資格を利用して代表選手として起用するべくマレーシア国籍取得の支援を行っています。この他、ガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(26歳、JDT)も帰化選手ですが、こちらは昨季まで在籍したパハンFA(現スリ・パハンFC)を運営していたパハン州サッカー協会の支援でマレーシア国籍を取得しています。
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マレーシアの「帰化選手」は上記の従来はマレーシアとは縁もゆかりもない3選手と、両親あるいは父母のどちらかがマレーシア人の*ヘリテージ帰化選手とに分かれます。後者はマレーシア人の血を引いていることからFIFAが規定する「国内リーグで5年のプレー経験」という条件に縛られずにマレーシア国籍を取得することが可能です。なお、今年6月に行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場したマレーシア代表のメンバーで見ると、FWデ・パウラ、MFクラスニキ、FWスマレの3選手に加え、GKサミュエル・サマーヴィル(ペナンFC)、DFマシュー・デイヴィーズ、DFラヴェル・コービン=オング(以上JDT)、DFジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)、DFディオン・コールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、MFブレンダン・ガン(スランゴールFC)と総勢28名中10名が帰化選手とヘリテージ帰化選手となっています。さらにW杯予選突破の切り札として初めて代表入りしたデ・パウラ、クラスニキの両選手が予選前の練習試合から予選本番までチーム力強化に目立った効果は果たせず、スマレ選手も含めた3名の帰化選手にサポーターや元代表選手などから批判が集中しただけでなく、マレーシア人選手の出場機会を奪うという理由で帰化選手プロジェクトの有効性に疑問の声が上がっていました。
サッカー協会会長-代表チームの運営は協会が行う
また同じブルナマの記事では、FAMのハミディン会長がマレーシア代表チームの運営は今後もFAMが行うことを明言したことも報じています。
国のサッカー協会が代表チーム運営を明言、と聞くとそれがなぜニュースになるのか、それは当たり前ではないか、と思われるかもしれませんが、これは6月のW杯アジア2次予選中、既に予選突破が難しくなったタイミングで。Mリーグ1部のJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、より良い練習環境とより良い指導者を用意してチーム強化を行う意思があるので代表チームを自分に運営させて欲しいと、公開書面の形でFAMのハミディン会長に申し出た、という経緯があります。
この申し出には、前FAM会長でもあり、現在国内リーグで7連覇中のクラブのオーナーでもあるイスマイル殿下とオーナーを務めるJDTが国内では他のクラブを圧倒する設備を持つことから、これを支持する意見が出る一方で、帰化申請時にはいずれもJDTの選手ではなかったデ・パウラ、クラスニキ、スマレの3選手が現在は全員JDTの選手となっていることへ不透明さや、国を代表するチームを国のサッカー協会外部の人間が運営する「不自然さ」などから反対意見も同じくらい出ていました。
これについてFAMのハミディン会長は「W杯予選後にイスマイル殿下と会談し、今後も代表チームの運営はFAMが行うことで両者が同意した。またその際には代表強化のために選手選考などいくつかの内容についてイスマイル殿下から提案を受けた。」