後半戦開幕となる7月24日のペナンFC戦前に行われた新型コロナウィルス感染検査で陽性者が出たことから2週間の検疫隔離を強いられていたクダ・ダルル・アマンFC。5月8日の前半戦最終戦第13節以来およそ3ヶ月ぶりの公式戦に臨みましたが、スランゴールFCに敗れています。この結果、3位のペナンFCから5位のクダ・ダルル・アマンFCまでが勝点差5の中にひしめく大混戦となっています。
FAカップが中止となった今季は、スーパーリーグの2位と3位のチームに来季のAFCカップ出場権が与えられることから、このリーグ3位を目指す各チームの争いはシーズン最終戦まで続きそうです。
2021年8月14日@ダルル・アマンスタジアム
クダ・ダルル・アマンFC 2-4 スランゴールFC
得点者:クパー・シャーマン(24分)、アヌマンタン・クマール (44分)、スランゴール-イフェダヨ・オルセグン3(29分PK、75分、90+4分)、ダニアル・アスリ(30分)
この試合で先制したのはクダ・ダルル・アマンFCでした。今季初先発したスランゴールFCのGKシーク・イズハンが前にポジションを取っているのを見たクパー・シャーマンがペナルティーエリアの外からシュートを決め、23分にクダ・ダルル・アマンFCが先制します。しかしその5分後、自陣ゴール前の混戦からシュートを手で止めたレナン・アルヴェスが一発レッドで退場。そこで得たPKをイフェダヨ・オルセグンが決めてスランゴールが追いつきます。
その1分後には19歳のハイン・テット・アウンからのクロスに21歳のダニアル・アスリが走り込んでゴールを決め、スランゴールが2-1とリードを奪います。しかし前半終了間際にはGKシーク・イズハンがコーナーキックを弾いたボールをアヌマンタンがヘディングでシュートし、クダ・ダルル・アマンFCが同点に追いつき前半を2-2で折り返しました。
後半に入ると再びテット・アウンからのクロスを足元に受けたイフェダヨが75分に3点目のゴールを、そして終了間際の90+4分にはイフェダヨがこの試合3点目となるゴールを決めて3連勝で4位浮上、クダ・ダルル・アマンFCは5位に後退しています。
2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第18節終了時)
| Club | G | W | D | L | GF | GA | GD | P |
1 | JDT | 18 | 14 | 3 | 1 | 42 | 8 | 34 | 45 |
2 | TFC | 18 | 11 | 4 | 3 | 30 | 14 | 14 | 37 |
3 | PEN | 17 | 9 | 4 | 4 | 27 | 22 | 5 | 31 |
4 | SEL | 18 | 8 | 5 | 5 | 34 | 27 | 7 | 29 |
5 | KDA | 14 | 8 | 2 | 4 | 23 | 17 | 6 | 26 |
6 | KL | 18 | 5 | 9 | 4 | 21 | 17 | 4 | 24 |
7 | SBH | 17 | 4 | 7 | 7 | 20 | 23 | -3 | 19 |
8 | PJ | 17 | 4 | 6 | 7 | 11 | 19 | -8 | 18 |
9 | PHG | 17 | 4 | 5 | 8 | 20 | 27 | -7 | 17 |
10 | MU | 18 | 4 | 7 | 7 | 20 | 24 | -4 | *16 |
11 | PRK | 18 | 3 | 4 | 11 | 17 | 38 | -21 | 13 |
12 | UITM | 17 | 1 | 2 | 14 | 7 | 36 | -29 | 5 |
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ
2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第18節終了時)
| 選手(クラブ) | ゴール数 |
1 | イフェダヨ・オルセグン(SEL) | 20 |
2 | ベルクソン・ダ・シルバ(JDT) | 19 |
3 | クパー・シャーマン(KDH) | 10 |
4 | パウロ・ジョズエ(KL) | 9 |
5 | カサグランデ(PEN) | 8 |
ペラFCはリーグ最終戦までシャーリル・ニザム監督代行が指揮
Mリーグ1部ペラFCは現在、2部降格圏の11位に低迷していますが、「休養」したチョン・イーファット前監督に代わりコーチから昇格したシャーリル・ニザム監督代行が今季の残り4試合も引き続き指揮を取ることを発表しています。
マレーシア語紙ブリタハリアンはペラFCのアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)の談話を紹介し、その中でアズマンGMは経営陣がシャーリル監督代行の手腕を評価しているだけでなく、選手からも聞き取りをした上で決定したと話しています。なお、シャーリル監督代行が就任した第17節以降、ペラFCはペナンFCに3-5、最下位のUITM FCに0-2と連敗しています。
またこのブログではトランスファーウィンドウ期間中に獲得した新たな外国籍選手批判にアズマンGMが批判していることについても取り上げましたが、非難の対象となっていたレバノン出身のDFジャド・ヌールディンとMFサミル・アヤスが英国出身のMFチャーリー・マシェルとともに残る4試合ではペラFCでプレーすることも明らかにしています。
「ヌールディン、アヤス両選手はこれまで首脳陣に対して協力的ではなかったが、状況が改善されていることから再度機会を与えることにした。今後もその行動は監視していくが、真摯な姿勢が見られるようならシャーリル監督代行が試合に起用するだろう。」とアズマンGMは述べています。なお7月24日から始まった後半戦では、ヌールディン選手はここまで出場なし、アヤス選手は2試合(内先発1試合)の出場となっています。
ペラFCが新たな練習場確保の必要に迫られる
マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアの報道によると、ペラFCのホーム、ペラスタジアム(ペラ州イポー)を管理するイポー市は、ペラFCとペラFC IIに対してペラスタジアムでの練習禁止を通達したということです。
イポー市はMリーグ1部のペラFCとセカンドチームで2部のペラFC IIがいずれもイポースタジアムと練習と試合の両方に使っていることから過度の使用によるピッチの損傷を抑えるため、スタジアムの使用を試合のみに限定したということです。
これを受けて、シーズン終盤にもかかわらず新たな練習場確保の必要背に迫られたペラFCのアズマン・ノーGMはペラ州とペラ州サッカー協会が管理し、イポー市から20KMほど離れたチェモルにあるフィールドを新たな練習場の候補に挙げています。しかし、このフィールドはピッチが平坦でなく、周りに柵などもないということで改善が必要ということです。
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新たな練習場の候補地と上がっているチェモルのフィールドは、給料未払い問題が表面化した際に現れたペラFCの新たなオーナー候補が整地を行い、単独で収益があげられるような本格的練習施設の建設を提案していましが、当時、ペラFCを運営していたペラ州サッカー協会がそれを拒否してクラブの売買交渉そのものが決裂した経緯があるフィールドです。
降格圏からの脱出を目指すペラFCにとっては、シーズン終盤に及んで新たな練習場確保を求められるなど、まさに踏んだり蹴ったり今季を物語るようなニューと言えるかもしれません。