12月12日のニュース:前ケランタンFC監督の選手起用法は「育成チーム」向き、「育成チーム」にはMリーグクラブ所属選手も参加可能、選手会はMリーグ各クラブに新たな統一契約書を使用するよう忠告

前ケランタンFC監督の選手起用法は「育成チーム」向き
 マレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ評議会NSCによる「育成チーム」が来季のMリーグ2部に参戦すること、そしてそのチームの監督には今季ケランタンFCの監督を務めたユスリ・チェ・ラー氏が就任することは、昨日のこのブログで取り上げましたが、その詳細が明らかになってきました。
 前U23代表監督でもあるオン・キムスイFAMアシスタントテクニカルディレクター(ATD)は、若い選手により多くの機会を与えるユスリ監督の選手起用法が「育成チーム」監督招聘の理由の一つであるとしています。さらにユスリ監督の起用は暫定的措置ではなく、様々な検討の結果であると話し、現役時代は代表チームでプレーし、その後は様々なクラブでの指導経験があり、多くの若手選手を育てたユスリ監督は「育成チーム」の指導者としては適任であると述べています。
 1997年から2002年まで代表でプレーしキャップ数42のユスリ監督は、2007年の引退後は今季監督を務めたケランタンFCのほか、クアラルンプールFAなどでも監督の経験があります。
 マレーシアの通信社ブルナマは、この「育成チーム」(英語表記ではFAM-NSCプロジェクトチーム)にユスリ監督以下、アシスタントコーチにノー・ザイディ・ローマット、GKコーチにハムサニ・アフマド、コンディショニングコーチにノー・イクマル・マダルサの各氏が加わることも報じています。

育成チームにはMリーグクラブ所属選手も参加可能
 また英字紙ニューストレイトタイムズは、このチームがU20の選手およそ30名で構成されると報じ、パハン州にある国立のエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDでトライアウトを行う他、トレンガヌ州、マラッカ州、クアラルンプール、そしてクダ州でも第一次のトライアウトが行われ、最終選考は来年1月7日から9日にかけてNSCがあるクアラルンプールのブキジャリルで行われるということです。
 NFDPプログラム卒業生で、既にMリーグクラブと契約済みの選手の参加もトライアウトに参加可能ということですが、その際には所属クラブからの了承が必要となるということです。
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 Mリーグにはかつてマレーシア語名「ハリマオ・ムダ」、英語名は「ヤングタイガーズ」と呼ばれたU22代表チームがプレーしていた時期がありました。2007年からMリーグ2部プレミアリーグに参加したチームは、その後U22とU21、さらにU19の複数チームに分裂するなどした後、2015年に解散しています。その間、U23代表は2009年と2011年には東南アジア競技大会通称シーゲームズで連覇を果たし、2010年にはフル代表も東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝するなど結果を出しています。

選手会はMリーグ各クラブに新たな統一契約書を使用するよう忠告
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMはMリーグの各クラブに対し、今年11月19日より有効となった新たな統一契約書に基づいて契約を行うよう忠告しています。
 ブルナマによれば、新たな統一契約書には、契約期間中にクラブと選手の双方の利益を守るための修正事項が含まれており、その一つが2ヶ月以上給料が支払われなかった場合の契約解除の手順を定めた条項ということです。今季途中には給料未払いを理由にムハマドゥ・スマレがパハンFAを離脱するという事態が発生しましたが、この条項によって契約解除時の混乱を避けることができると、PFAMのイズハム・イスマイルCEOは述べています。
 またイズハムCEOは各クラブに対し、ケガや不調を理由に契約を解除することは出来なこと、さらに統一契約書の各項目と相反する追加条項をクラブの裁量で契約内容に付け加えることもできないことも強調しています。
 この他、選手側に対しては自身の利益保護のためにもFAMの登録済みの正規の代理人を使うべきであると述べ、その理由として不測の事態が発生した場合、FAMは正規の代理人以外とは交渉を行わないことを挙げています。