MFLはマレーシアカップ延期の再検討を政府に求める
新型コロナウィルス対策を担当するイスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)がマレー半島の大半に条件付き活動制限令CMCOが施行されている現状を踏まえ、マレーシアカップを延期すると述べた一方で、マレーシアカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは公式声明を発表していないことは、昨日のこのブログで取り上げました。
サブリ上級相の発言を受けてMFLは昨日11月10日に臨時役員会を開催し、マレーシアカップ延期の再検討をマレーシア政府の国家安全保障委員会NSCに対して求めることを決定したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、NSCによる決定は国内の新型コロナウィルス感染状況を反映したものであることを理解しているとした上で、準決勝以降は、CMCOが施行されていないケランタン州コタバルやパハン州クアンタンを会場とした集中開催で試合を行うなど、より厳格な標準作業手順SOPを採用することで、マレーシアカップを継続したいと話しています。
「MFLによる再検討の依頼はベスト8に残った全チームからも支持を受けており、この全チームがMFLと国家安全保障委員会が求めるSOPに従ってプレーするつもりである。準々決勝や準決勝で敗退したクラブは試合終了後、直ちに試合が開催されている州を離れる予定である。」と話すアブドル・ガニCEOは、さらに「マレーシアカップの延期によってMFLと各クラブはそのスポンサーに対しての義務を果たすことが難しくなるだけでなく、マレーシアカップ出場クラブと選手との契約は今月11月末に切れることから、延期は国内のサッカー産業全体にとって多大な影響を与えるものである。」と述べています。
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この状況で問われるのがMFLのこれまでの姿勢です。現在同様、無観客試合で行われるべきであったMリーグの試合でも、JDTが優勝を決めた試合では選手の家族など一部関係者をスタジアムに入れるなどの「寛容な」対応をし、少人数なので問題ないと嘯いた前歴があります。Mリーグはここまで2ヶ月ほどのリーグ戦開催期間中、試合開催によりクラスターなども発生していないのは事実ですが、国家安全保障委員会がMFLをどの程度信用しているのかが問われそうです。
また実際にマレーシアカップが延期となった場合、CMCOは12月9日まで施行される予定で、そこから再開が実際にできるのかどうかも疑問です。このマレーシアカップは優勝チームに来季2021年のAFCカップ出場権が与えられることにもなっており、もしこのまま中止となれば、今季Mリーグ3位のトレンガヌFCがその権利を与えられる可能性が最も高いチームです。
PDRM FCはモハマド・イシャク監督との契約を更新せず
マレーシア王立警察が運営するMリーグ1部のPDRM FCは、今季開幕前に選手への給料未払いを理由に勝点3が剥奪されました。今季開幕後は勝星に恵まれず、最終的には勝点がマイナスのまま1部で最下位となり、来季の2部降格が決まってます。
このPDRM FCで今季の監督を務めたモハマド・イシャク・クンジュ監督に対し、PDRM FCは今月11月末に切れる契約の更新を行わないと、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
先週行われたPDRM FCの経営に関する会合で決定されたということで、既にモハマド・イシャク監督にも伝えらえているということです。
48歳のモハマド・イシャク監督は来季も続投を希望していることをメディアで公言していましたが、残念ながら実現しませんでした。