7月24日のニュース:スランゴールFCは今季のシャーアラムスタジアムでの試合開催を断念、W杯で対戦するUAEが新監督就任を発表

スランゴールFCは今季のシャーアラムスタジアムでの試合開催を断念
 サッカー専門サイトのGoal. comは、Mリーグ1部のスランゴールFCが8月26日のリーグ再開後は老朽化の進むシャーアラムスタジアムでの試合を開催しない予定であると報じています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、現在中断中の今季2020年シーズンが8月26日に再開されても、これまで本拠地として使用してきたシャーアラムスタジアムではホームゲームを開催しない予定であるとGoal. comに語っています。
 スランゴールFCは同じMリーグ1部のUITM FCが使用するUITMスタジアムを、またスランゴールFCのBチームであるMリーグ2部のスランゴール2は同1部のPJシティFCが使用するMBPJスタジアムで今季のホームゲームを開催するということです。
 シャーアラムスタジアムはMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLより、その一部が崩落する可能性がある屋根の修理などが完了するまで使用許可が下りないとされており、リーグ中断前のホームゲームではブキジャリル国立競技場でホームゲームを開催しています。
 FASのハミドン事務局長は「シャーアラムスタジアムの所有者であるスランゴール州政府は修理費用や修理にかかる期間などが明らかにしておらず、リーグ再開後にホームゲームの開催地を変更となれば、チームが試合に集中できなくなる恐れがあることから、今季はシャーアラムスタジアムの使用を断念した。」と話しています。
 また来季2021年シーズンにはシャーアラムスタジアムを再び本拠地とするかどうかについて問われたハミドン事務局長は、スタンゴール州政府による修理工事の予定次第だとし、長期間かけて修理が行われる場合には、来季もシャーアラムスタジアムでのホームゲームは行わない可能性も示唆しています。
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 1994年開場のシャーアラムスタジアムは最大収容人数が8万人の巨大スタジアムです。柿落としとして開かれた大会にバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)、リーズ・ユナイテッド(英国)、フラメンゴ(ブラジル)などを招くなど華々しく開場し、その後もその規模に沿った観衆を集めましたが、近年は通常のリーグ戦なら観衆が1万人を切ることも少なくありません。
 またスタジアムの屋根とともに問題とされるのがピッチの状態の悪さです。雨が多いマレーシアではやむを得ないことなのでしょうが、試合前にスコールに見舞われるとその後はピッチに水が浮くことがしばしばあり、水が引いても田んぼの様な状態です。
 使用するスランゴールFCは改善を求め、管理するスランゴール州政府は現状をよしとして修理を放置するなど、両者の間に明らかに温度差があることから、サッカーのレベルアップという観点から言えば、スランゴールFCはシャーアラムスタジアムを出て、別の本拠地を考えるという選択肢も個人的にはアリだと思います。

W杯で対戦するUAEが新監督就任を発表
 10月に再会が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選でマレーシアと同組のアラブ首長国連邦UAEに新監督就任が発表されています。
 UAEの英字紙ザナショナル電子版は、UAEサッカー協会がコロンビア出身のホルヘ・ルイス・ピント新監督の就任を発表したことを報じています。ピント監督は母国の小rんビア代表監督の経験がある他、2014年のブラジルW杯ではコスタリカ代表監督としてチームをベスト8に導き、その後に就任したホンジュラス代表監督では兼任したU23代表監督としてチームを2016年のリオオリンピックでベスト4に導くなどの実績があります。
 予選グループでは、消化試合数は1試合少ないもののベトナム、マレーシア、タイの東南アジア勢に続く4位と低迷するUAEをアジア三次予選に導くことが求められているピント監督は今週、UAE入りし、早速行われた記者会見では自らを最も情熱的なサッカーコーチであるとし、事前に映像を取り寄せて代表選手たちについての研究ができていること、そしてまずは守備の強化に着手したいことなどを話し、来週からボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで行われる3週間の合宿で選手の力量を正確に把握したいとしています。
 W杯予選再開初戦で、マレーシアはこのピント新監督率いるUAEと10月8日にUAEのホームで対戦します。
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 UAEはW杯予選開始の際に指揮を取っていたオランダ人のベルト・ファン・マルワイク前監督を成績不振を理由に昨年2019年12月に解任、さらにその後に就任したセルビア人のイヴァン・ヨヴァノヴィッチ前監督を1試合も試合をしないまま解任しており、このピント監督はこの3年間で6人目のUAE代表監督です。
 マレーシア代表はW杯予選再開後の初戦となる10月8日にこのピント新監督率いるUAEとで対戦しますが、まだ代表候補合宿どころか、国内リーグの各クラブですら練習試合を行えない状況です。一方、UAEは新型コロナウィルス感染の影響で国内リーグの今季中止が既に決定しており、むしろ国内リーグに気兼ねすることなく上記の通り代表強化合宿が行われます。