6月26日のニュース:クダFA監督はチームへの早期合流を希望、トレンガヌFC監督は8月リーグ再開となった場合の準備不足を懸念、一方マラッカU監督は8月再開に不安なし、スランゴールFCは今季中にBチームから選手の昇格を検討

クダFA監督はチームへの早期合流を希望
 新型コロナウィルス感染者の入国による輸入感染を防ぐため、マレーシア政府は外国人の入国を制限しています。Mリーグ1部クダFAのアイディル・シャリン・サハク監督は、新型コロナウィルス感染拡大に伴ってMリーグが中断した3月以降、自宅のあるシンガポールに戻っていますが、この入国規制により、Mリーグクラブの練習再開が許可された後もマレーシアへ入国できない状況が続いています。
 英字紙ニューストレイトタイムズによれば、現在、アイディル監督は、クダ州サッカー協会KFAを通じてマレーシア入国管理局へ入国申請を行なっているということです。
 「既に(クダ州の州都)アロースターへ移動できるよう荷物も用意してあり、あとは許可が出るの待っている状態である。」と話すアイディル監督は、チームとは3ヶ月以上も離れており、指導者となってからこんなに長く「休んだ」ことはないということで、アロースターに戻ったら直ちに選手のコンディショニング改善に取り組みたいと話しています。
******
 最近のメディアの論調では、当初予定されていた9月ではなく8月からMリーグが再開するのでは、といった報道を見かけるようになってきました。もしそうなれば、来月7月からは身体接触が許可される通常練習が始まることになるので、それまでには実戦練習ができるコンディションまで上げておかなければなりません。
 個人的には今季イチオシだったクダFAは、開幕からの4試合で勝点4の7位と不調のままリーグ中断となっており、再開後はわずか7試合しか残り試合がないため、上位進出には文字通り1試合も落とせない状況ですので、チームに合流できないアイディル監督もやきもきしているのではないでしょうか。
 また入国制限についてマレーシアはシンガポールからの入国に特に制限を設けない予定ですが、シンガポールが段階を踏んだ上での国境再開を主張しており、アイディル監督のマレーシア入国にはまだ時間がかかる可能性もあります。

トレンガヌFC監督は8月リーグ再開となった場合の準備不足を懸念
 Mリーグ1部のトレンガヌFCのナフジ・ザイン監督は、Mリーグ再開が予定されている9月ではなく8月に前倒しになった場合、選手たちが試合で全力を出せるコンディショニングまで仕上げる時間が不足していると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 なお、トレンガヌFCはPJシティFC主催試合の第4節が延期となっているため、PJシティFCとともに、今季の残り試合数は他のクラブより1試合多い8試合となっています。
 「8月にMリーグが再開されれば、6週間から7週間で選手のコンディションを試合レベルまで仕上げなければならないが、(身体接触が許されていない)現在の練習ではそれは非常に難しい。しかし、プロの指導者としては何とかしてチームがリーグ日程に対応させるつもりである。」と話すナフジ監督は、再開後に予定されている無観客試合について尋ねられると、選手にとってはどの試合も全て勝ちにくという姿勢は変わらないだろうと話しています。
 トレンガヌFCはMリーグ中断までの3試合で1勝1分1敗で9位につけています。

一方マラッカU監督は8月再開に不安なし
 Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督は、リーグ再開が8月に前倒しになった場合でも、選手のコンディションには全く不安がないとブルナマに語っています。
 「リーグ再開が8月になったとしても、準備期間は十分あるので心配はしていない。リーグ再開自体がありがたいことだが、8月再開となれば、(9月最下位の場合に比べると)日程に余裕ができるので、チームとしてはむしろありがたい。」と話すザイナル監督は、現在の練習について標準作業手順SOPに従って、選手を10人ごとに3つのグループに分けて行なっていることから、「ニューノーマル」の練習では戦術理解が必要となる練習を行うことが最も難しくなっていると話しています。

スランゴールFCは今季中にBチームから選手の昇格を検討
 Mリーグ2部スランゴール2は同1部スランゴールFCのBチームですが、スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、このスランゴール2からの選手数名について、今季中に1部でプレーする機会がを与える意向を明らかにしています。
 自身は選手の年齢を気にしないと話すサティアナタン監督ですが、選手はまず首脳陣の信用を得て、自分で出場機会を掴み取らなければならないと話しています。
 U19代表の主将を務めるムハマド・ムカイリ・アジマル・マハディらに注目していると話すサティアナタン監督は「これまで(U19やU22代表で)何をしてきたかではなく、今、彼らに何ができるかを見て判断したい。現在は(スランゴール2)のマイケル・ファイヒテンバイナー監督からの報告を待っており、それを参考にしてスランゴール2から5人程度を選びたい。」と話しています。
 またその際に昇格させる条件としては、スランゴール2で際立ったプレーを見せることを挙げており、昇格後は同じポジションの外国籍選手と競わせて、どのくらいの差が出るかを見たいと話しています。
******
 リーグ中断前は首位のJDTに勝点5差の5位のスランゴールFCに、AFCカップ出場権となる2位以内を目指しながら新戦力を試す余裕があるかどうかはわかりませんが、そこは百戦錬磨のサティアナタン監督の手腕に期待してみたいところです。

— BERNAMA