PJシティFCは練習場がなく練習再開できず
Mリーグ各クラブは身体接触を伴わない練習再開に向けて、準備を始めていますが、Mリーグ1部のPJシティFCは、選手の準備はできているものの、練習場がないという事態になっていると、英字紙スター電子版が報じています。
PJシティFCのホームは、スランゴール州プタリンジャヤにあるMBPJスタジアムですが、今年2月の今季開幕前に終了予定だった改修工事は終了したもののMリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLによる施設検査が終わっていないことから使用できず、また、練習場として使っていたマラヤ大学構内のフィールドも使えなくなっているということです。なおマレーシア政府は新型コロナウィルス感染拡大防止のため、国内の全ての大学に対して年内はキャンパスでの講義を禁止し、オンライン授業に切り替えるよう命じており、これにより大学構内のすべての施設も使用できなくなっているということです。
また、Mリーグのクラブは関係者以外との接触を避けるため、開かれたグラウンドでの練習を禁止していることから、現在、PJシティFCは、同じスランゴール州内で使用可能なスタジアムを探しているということです。
PJシティFCのデヴァン・クッパサミー監督は、クラブは先週には綿棒検査を終え、全員が陰性であったことから、選手は練習再開に向けて準備ができていると話し、本日6月22日からの練習再開を望んでいると話しています。
綿棒検査の際に選手たちと久しぶりに会ったと話すデヴァン監督は、各選手とも体重管理がしっかりできていたとして、練習再開後は、まず身体接触の必要がない体力トレーニング中心の練習から始める予定であるとしています。
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新型コロナウィルスによる3月18日から中断したMリーグは、第4節まで終了していますが、その第4節にはトレンガヌFCをホームで迎え撃つ予定だったPJシティFCは、その時はまだ改修が終了していなかったMBPJスタジアムが使用できなかったことから、「試合会場の用意ができない」という理由でMリーグ公式戦を延期するという前代未聞の事態を引き起こしています。
練習再開許可後もあえて練習を始めないクラブの現状
マレーシア政府保健省、青年スポーツ省、そして国家安全保障委員会かによる協議を経て、身体接触を含まない練習許可が出されたMリーグの各クラブについて、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、直ちに練習を始めないクラブの姿勢を疑問視し、さらに今季リーグの中止を提案する長文の記事を掲載しています。
練習許可が出て以来、Mリーグ1部と2部合わせて24クラブのうち、MFLに対して練習を再開申請を行ったのはこれまで7クラブにとどまっており、そのうちジョホール・ダルル・タジムJDT、スランゴールFCとそのBチームスランゴール2、UITM FC、そしてヌグリ・スンビランFAの5クラブが実際に練習再開を許可されています。申請を行ったクラブではトレンガヌFCとトレンガヌFC IIは練習再開の条件となっている標準作業手順SOPに沿った準備ができていないとして、練習再開申請はMFLによって却下されたということです。
また残る17クラブが練習を直ちに再開しない理由についてニューストレイトタイムズは、リーグ中断による収入源を理由に給料未払い問題が起こっている複数のクラブでは、選手や監督、コーチが練習再開へのモチベーションを欠いているのではないかと分析しています。
MFLが求めている標準作業手順SOPに沿った練習再開申請では、各クラブに綿棒検査の結果提出が求められており、検査だけで1クラブ(選手30名、監督、コーチ5名)あたり9000リンギ(およそ22万5000円)から1万3000リンギ(およそ32万6000円)ほどの費用がかかります。また、開かれたグラウンドでの練習は禁じられていることから、スタジアムを使用する際のの使用料やその消毒費用など多くの経費がかかり、収入源に苦しむクラブには練習再開までの費用が負担になっている可能性も指摘しています。
さらに選手あたり5000リンギ(およそ12万5000円)の給料が未払いになっているクラブにとって、SOPに従った練習実施にかかる費用の負担が大きいことから、ニューストレイトタイムズは、身体接触を含めた練習が可能になるまでは、選手に自宅でのトレーニングを求めるクラブが出てくるのではないかと予測し、Mリーグ各クラブの経営基盤の脆さを指摘しています。
またMFLに対しては、今年から導入されたクラブの経営状況を審査する経営コントロールプログラムの審査を通ったクラブで未払い給料が発生していることから、プログラム自体が機能していないのではないかと指摘し、より厳格な適用を求めています。
その上で、今季に関しては持続可能な経営状況にないクラブが多い点を指摘し、リーグ中止も一つの選択肢ではないかと提案しています。