国内リーグ再開についてFAMは安全を最優先することを強調
マレーシアサッカー協会FAMは9月1日に予定している国内リーグMリーグ再開に際して、安全を最優先することを強調しています。
Mリーグの再開はマレーシア政府の承認待ちの状況ですが、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は再開の際には選手、サポーターそして全ての関係者の安全を最優先する形でのみ再開すると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
国内リーグが既に再開している他国の状況を注視していると話すラマリンガム事務局長は、マレーシア政府が発表する予定であるMリーグ開催のための標準業務手順SOPに従うことはもちろん、追加の予防策として協会としての「危機管理システム」を準備する用意があることも明かしています。
「FAMは韓国やドイツなど国内リーグが再開した国のサッカー協会と連絡を取りあい、情報収集を行っている最中である。またベトナムについてはサポーターを入場させてリーグを再開しており、正直驚いている。FAMとしては、とにかくリスクを最小限にすることに全力を注ぐつもりである。」
「リーグが再開した国々では人々が好感を持ってそれを受け入れているが、感情論だけで判断することはできない。実際、フランスやスコットランド、オランダ、ベルギーではリーグが中止となっている。」と話すラマリンガム事務局長は「危機管理システムについてもドイツリーグが採用している仕組みはマレーシアでの導入は不可能なほど高額である一方で、韓国リーグの仕組みは現実的で、採用可能なものである」とも話し、マレーシア政府保健省、青年スポーツ省、国家安全保障委員会に来月6月に再提出予定のリーグ再開嘆願の内容を調整していることも明らかにしています。
クダFA選手の苦境は続く
クダ州政府内での政権交代により、ムクリズ・マハティール前州首相が辞任し、兼任していたクダ州サッカー協会KFA会長の職も辞任しましたが、ムクリズ前州首相が辞任直前にクダ州政府からKFAへ150万リンギ(およそ3720万円)の配分を承認したというニュースが報じられ、この配分により2月以降の給料の一部しか支払われていないMリーグ1部のクダFAの選手およびスタッフの苦境が改善されるはずでした。
しかし新たに就任したクダ州のモハマド・サヌシ・モハマド・ノー州首相が、この150万リンギについては新州政府の承認が新たに必要であり、その承認がまだ行われていないことを表明したことで、クダFAの選手間には失望が広がっていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
2月の給料は一部のみが支払われ、3月以降は全く給料を受け取れていないままハリラヤ(イスラム教断食月明け大祭)を迎えた選手たちからは、150万リンギの配分が承認されたニュースに喜んだが、もはや何を言われても信用ができないという声が出ているということです。
サヌシ州首相は150万リンギの配分について、その額が大きなこと、また旧政権辞任の直前に決定したことを理由に、その配分には現政権の承認が必要であることを強調し、その上で前KFA会長(=前州首相)のもとで選手と巨額の契約を結んだことがKFAの運営資金不足の根本原因であると前政権を批判しています。
マラッカUにさらに勝点剥奪の危機
マレー語紙ブリタハリアン電子版は、マラッカ州サッカー協会MUSAが来月末までに未払いとなっている給料を支払わない場合、MUSAの運営するマラッカ・ユナイテッドがMリーグからの除名処分となる可能性を伝えています。
MUSAは、未払い給料総額が80万リンギ(およそ1980万円)とされており、来月6月末までにこの未払い給料を支払わない場合には、マラッカ・ユナイテッドに対して勝点6の剥奪処分が下されることになっています。今季開幕後、同様の給料未払い問題が発覚し、今季既に勝点3を剥奪されているマラッカ・ユナイテッドは、さらに加点を剥奪されることに加え、最悪の場合にはMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLよりリーグ除名の処分となる可能性があるということです。
これについてMUSAのモハマド・アシク・アブドル・サマド副会長は、処分の期限となる来月末前までには支払いを行えるだろうと話しています。「3月分の未払い給料は既に支払い終わっており、今月5月中には4月分の未払い給料も支払い終わる予定である。今季の未払い給料については、マラッカ州首相でもあるスライマン・モハマド・アリMUSA会長がその支払いを確約している。」と話し、前述の80万リンギはあくまでも昨季分の未払い給料であることを強調しています。
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この前の記事のクダ州同様、マラッカ州も連邦政府での政変による与党再編の影響を受け、旧与党陣営に所属していた前州首相が辞任し、新与党構成政党出身のスライマン・モハマド・アリ州首相が3月9日に就任しています。未払い給料問題を前政権による不始末とするイメージ戦略も含めて、ここでもサッカーが政争の道具になっている可能性があります。