4月30日のニュース:Mリーグ再開が遅れればAFC選手権予選突破に暗雲も、クラブによる一方的な給料削減内容やその交渉を選手が明かす

Mリーグ再開が遅れればAFC選手権予選突破に暗雲も
 新型コロナウィルス感染拡大により中断中のFIFAワールドカップ(W杯)2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、マレーシアは5試合を終えてベトナムに次ぐグループ2位につけています。正直なところ、ワールドカップへの道のりは険しそうですが、より現実的な目標となるアジアカップ出場についてはまだ可能性を残しています。
 しかし、マレーシアの通信社ブルナマは、国内リーグMリーグの再開が10月あるいは11月となった場合、その可能性が低下するだろうという記事を配信しています。
 現在中断中のW杯アジア二次予選兼AFC選手権予選について、FIFAは11月の再開を予定しており、ブルナマの記事では、Mリーグ再開の遅れによって代表選手たちがW杯予選に臨むのに十分なコンディションになっているかどうかが心配であるとしています。
 元代表監督でもあるスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は「本番の試合の前には数試合は練習試合を行う必要があるが、マレーシア国内でのサッカーの試合解禁が10月以降になれば、練習試合を組むことが難しくなるだろう。」と述べ、さらに「(活動制限令が発令された3月18日から)6ヶ月以上自宅のみで練習してきた選手が、10月からチーム練習を始め、11月にはW杯予選に出場するという日程を想像してみれば、それがどのくらい難しいことなのかがわかるだろう。しかもW杯予選はMリーグよりもはるかに激しい試合になる。そういった試合にコンディションが整った選手を招集するのは至難の技だろう」と話しています。
 現在中断中のW杯予選でマレーシアが所属するグループGでは、ベトナムが3勝2分0敗で首位、マレーシアは3勝0分2敗で2位、以下タイ(2勝2分1敗)、アラブ首長国連邦UAE(2勝0分2敗)、インドネシア(0勝0分4敗)と続いています。なおマレーシア代表は先月3月には予選の残り試合となるアウェイのUAE戦、ホームのタイ戦とベトナム戦が予定されていましたが、いずれも新型コロナウィルス感染拡大のため延期となっています。
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 冒頭にも書きましたが、W杯出場は無理でも2007年以来となるアジアカップへの出場権は手が届くところまで来ているので、何とか出場権を獲得して欲しいです。なお2007年大会は、アセアン4カ国との共催で出場資格を得ましたが、予選を突破しての出場となると、マレーシアが最後に出場したのは1980年のクウェート大会まで遡らなければなりません。

一方的な給料削減交渉の現状を選手が明かす
 新型コロナウィルス感染拡大により中断中のMリーグの各クラブに対し、マレーシアサッカー協会FAMは、選手やスタッフとの給料削減交渉を今月4月22日までに終えるように求めていました。その後、FAMは期限を1週間延長し4月29日までとましたが、複数のクラブが交渉をおこったものの合意に至っていないことは、このブログでも取り上げましたが、マレー語紙ブリタハリアン電子版では、給料削減を迫られた選手が置かれた状況を取り上げて記事にしています。
 この記事で取り上げられている選手が所属するのはクランバリー(クアラルンプールとスランゴール州の総称)に本拠地があるクラブということですが、そのクラブは所属する選手に給料削減に関する同意書を渡し、渡されたその日のうちにサインすることを求めたそうです。
 給料削減内容を詳しく確認する時間すら与えられなかったと話すこの選手は「クラブの経営陣は今後の見通しについて選手との話し合いを行わない一方で、選手の受け取っている給料の額に関係なく給料削減を行なっている。給料が5000リンギ(およそ12万4000円)の選手の給料が40%削減されることを想像してみて欲しい。給料削減は段階的に行うと聞かされており、最終的にはどうなるかが不明で、給料未払いという事態も起こるのではないかという心配もある。」と話しています。
 ブリタハリアンの記事では、このような事態はこの記事の選手が所属するクラブを含めて、少なくとも4つのクラブで起こっていると報じ、Mリーグ1部のスーパーリーグに所属する別のクラブでは、クラブが意図的に選手との交渉を期限の前日に行い、選手が同意せざるを得ない状況になったと話しています。
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 FAMは選手とクラブが合意に至らない場合には、仲介する用意があるとしていましたが、そのような話は出ていないので、FAMそのものに選手からの信用がないのかも知れません。