MFL1部スーパーリーグのクラブ紹介と今季の順位予想(2):サバFA、フェルダ・ユナイテッド

今季2020年シーズンのマレーシアフットボールリーグMFL1部と2部は2月28日に開幕します。そこで前回に続き、今季のMFL1部スーパーリーグでプレーするクラブの紹介と、独断と偏見に基づいた順位予想を行います。今回はその第2回です。
(人名の後に特に表記がない場合はマレーシア人です)

サバFA(ホーム:リカススタジアム-サバ州コタキナバル)
(昨季結果:MFL2部1位 / 今季予想:10位)
<監督>
クルニアワン・ドゥイ・ユリアント(インドネシア、前インドネシアU22代表コーチ)
<外国籍選手>
MFペトルス・シテンビ(ナミビア、ザンビアリーグのルサカ・ダイナモFC移籍)
FWエクトル・オマー・ラモス(プエルトリコ、エルサルバドールリーグのアリアンザFCより移籍)
FWデニス・ブシェニング(タイ、タイ1部リーグのチャイナート・ホーンビルFCより移籍-ASEAN東南アジア枠)
FWロドルリュブ・パウノビッチ(セルビア、昨季から残留)
DFパク・タエスー(韓国、昨季から残留)
<主力選手>
GKロザイミ・ロヒム
DFラウィルソン・バトゥイル
DFモハマド・ズビル・モハマド・アズミ(パハンFAから移籍)
MFアジザン・ノーディン
FWアルト・リナス
FWマクシアス・ムサ
<クラブ概要>
 サバ州サッカー協会SAFAが運営するクラブで、1996年には1部リーグでの優勝経験もありますが、その後は低迷が続き、MFL1部は2012年以来8年振りの復帰となります。
 昨季のMFL2部では、2位のJDT IIに勝点10の差をつけて優勝していますが、昨季、指揮を取ったジュリアス・アティン監督は、MFL1部の監督となるのに必要なAFCプロライセンスを保持していないことから、今季はコーチとしてベンチ入りし、インドネシアのレジェンドでもあり、サバFAでもプレー経験のあるユリアント監督を招聘(しょうへい)しました。ただしユリアント監督はこれまでコーチ経験しかないため、その経験不足が不安要素となる可能性があります。
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 1990年代にはイングランド代表との試合で2ゴールを決めたマトラン・マンジャン(この試合は当時のムルデカ・スタジアムで観戦しましたが、スタジアム全体が興奮状態で鳥肌が立ちました)などを輩出したサバFAですが、近年はMFL2部が定位置でした。久しぶりのMFL1部では、UITM FCとPDRM FCがいるので1シーズンで2部に逆戻りという心配はないものの、戦力的にも得点力不足の心配があり上位のクラブにどこまで(いつまで)付いていけるかは不明です。開幕戦のPDRM FC、第2節のフェルダ・ユナイテッドと比較的楽な相手が続くので、この2試合でどれだけ勝点を積み重ねられるかどうかが鍵になりそうです。

フェルダ・ユナイテッドFC(ホーム:トゥン・アブドル・ラザクスタジアム-パハン州ジェンカ)
(昨季結果:MFL1部10位 / 今季予想:9位)
<監督>
モハマド・ニザム・ジャミル(フェルダ・ユナイテッド監督3年目)
<外国籍選手>
MF恵龍太郎(日本、シンガポールリーグのタンピネスローバーズより移籍-アジア枠)
FWカイルル・アムリ(シンガポール、昨季から残留-ASEAN東南アジア枠)
FWニコラス・ヴェレズ(アルゼンチン、ポルトガルリーグのベレネンセスより移籍)
DFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア、チェコ2部リーグのドゥキア・プラハより移籍)
MFフレデリック・ビュロ(ガボン、J2のFC岐阜より移籍)
<主力選手>
MFダニエル・アミール
MFジャサズリン・ジャマルディン
<クラブ概要>
 マレーシアの政府機関Federal Land Development Authority(連邦土地開発庁)が運営するクラブで、ホームのトゥン・アブドル・ラザクスタジアムはMFL1部と2部で使用されるスタジアムでは唯一、人工芝のピッチを持つスタジアムです。
 昨季は何度も降格圏ギリギリまで行きながら、最終戦でクダFAにまさかの勝利を収めて1部に踏みとどまったフェルダ・ユナイテッドですが、クラブ運営予算の削減によって、代表にも選ばれたエースFWハディン・アワンや渡邉将基、池田圭といった主力を失っています。
 当初はフェルダが運営する農村出身の若い選手を鍛えて、、、という話も出ましたが、むしろ昨季以上に積極的な補強を行い、最終的に外国籍選手5人は埋まっています。
 ただし期待されていた将来のエース、ダニエル・アミールが開幕前に中足骨骨折で手術を受け開幕には間に合わなくなっています。フェルダ・ユナイテッドからフル代表へ選出された唯一の選手の回復状況が気になります。
 また新加入の恵選手は、かつてタンピネスローバーズでカイルル・アムリと一緒にプレーしており、2017年から2019年には2人合わせて57ゴールを決めたということなので、このコンビが機能すれば、ゴール量産が期待できるかも知れません。
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 スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督がフェルダ・ユナイテッドの監督を務めていた2017年にアシスタントコーチに就任し、サティアナタン監督退任後の2018年にフェルダ・ユナイテッドを率いてから3年目となるニザム・ジャミル監督は、MFLでは個人的に好きな監督の1人です。昨季在籍した渡邉将基、池田圭選手を試合のたびごとに高く評価していたのが印象的ですが、そのニザム監督が獲得した恵選手には是非、活躍してもらいたいです。