Jの壁は高かった-JDTがACLで5失点の完敗
ゴールを決めた古橋亨梧もドウグラスでも、またハットトリックを決めた小川慶治朗でもなく、アンドレス・イニエスタ1人にやられた感のある試合はジョホール・ダルル・タジムの完敗でした。
13分の1点目につながった、自陣ハーフから出されたイニエスタ選手の浮き球のパスを受けた小川選手がJDTのGKファイザル・マーリアスと一対一になった段階で勝負有りでしたが、小川選手がこのボールをノートラップで絶妙なコースにシュートし神戸が先制しました。
27分にはトーマス・フェルメーレンのハンドの反則で得たPKをサファウイ・ラシドが決めて同点とし、ここから反撃か、と思われたその1分後、今度は古橋選手のノートラップシュートで神戸に勝ち越しを許してしまいました。
試合開始直後から、神戸が高い位置からプレスをかけ続け、JDTはバックラインから攻撃を組み立てる自分たちのサッカーをさせてもらえませんでした。前方へのフィードも精度が低く、前線にいるエースのジオゴまでボールが渡わらず、ジオゴのポジションがどうしても下がり気味になり、そこからなんとかゴール前まで運んでもサポートがおらず、なかなかシュートまで持っていくことができませんでした。そうするうちに2−1と神戸のリードで前半が終了しました。
後半に入り、58分にはイニエスタ選手から酒井高徳とつないだボールを小川選手がゴールし、神戸がリードを2点に広げ、65分にはアイディル・ザフアンが上がってきたドゥグラスにあっさり振り切られた上にそのままシュートを決められ4−1、そして72分には「魔術師」というニックネームが伊達ではないことを示すような美しく精度の高いループパスをイニエスタ選手がJDTの守備陣の裏、ファーポストへ上げ、小川選手はフリーヘッダーでゴールを決め、ハットトリックを達成しました。
ACL第1節
JDT 1-5ヴィッセル神戸
得点者:神戸-小川慶治朗3(13分、58分、72分)、古橋亨梧(28分)、ドゥグラス(65分)、JDT-サファウィ・ラシド(27分PK)
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素人目で見ても、守備ラインの裏にいとも簡単にパスを出すイニエスタ選手は別格でした。正直なところ、JDTはよく5失点で済んだなという印象でした。鹿島と接戦だった昨季のACLは何だったのでしょう…。
試合の結果は別として、この日のJDTは、昨季の主力メンバーからシャフィク・アーマドに代わりナズミ・ファイズが、アダム・ノー・アズリンに代わりアフィク・ファザイルが先発しました。ナズミ・ファイズはドバイでのプレシーズンマッチでも先発出場を続けていたようですので、JDTのベンヤミン・モラ監督はこの試合を見越してテストしていたのかも知れません。ACLでは、ジオゴ、ゴンザロ・カブレラ、マウリシオの3人が外国籍選手枠を占めることになるでしょうから、MFレアンドロ・ヴァレスケスの代わりとしてこのナズミ・ファイズが今後もスタメンとなる可能性が高いです。
個人的には、昨季は絶好調だったシャフィク・アーマドの出番が少なかったのが残念ですが、今後のACLに期待したいと思います。
(以下はこの日の試合のダイジェスト-AFCのYoutubeチャンネルより)