スランゴールFCは賠償金を支払って大会出場辞退
広東省梅州市五華県をホームとする梅州客家(メイゾウハッカ)FCが主催する梅州客家カップへの出場を取りやめたスランゴールFCは、主催者に賠償金として30万リンギ(およそ800万円)を支払わねばならない事を、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長がスポーツ専門サイトのフォックススポーツに明らかにしています。
昨日1月24日から始まる大会へ向けて、チームがマレーシアを出発する数時間前に下された決断にはそんな事情があったようです。「30万リンギの賠償金はFASにとって痛手だが、選手の安心安全には代えられない」とフォックススポーツに語ったハミドン事務局長は、賠償金は主催者負担の移動費や既に売られているチケットの費用をカバーするものだろうとしています。
この大会はホストの中国2部リーグの梅州客家FCとスランゴールFCの他、タイ1部リーグのチョンブリーFC、韓国1部リーグの尚州尚武FCの合計4クラブが参加することになっていましたが、サポーターから参加中止を求める声が同様に上がっているものの、スランゴールFC以外の両クラブは予定通り参加しています。
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スランゴール州サッカー協会FASは危機管理能力が足りない、などと書きましたが、FASには大変失礼しました。スランゴールFCがすぐに大会出場辞退を決められなかったのは、辞退すればこの賠償金支払いが求められる状況にあったからだったようです。そんな事を知らずに批判をしましたことを改めてFASにお詫びします。
出場強行を取り上げた最初の記事には、チームマネージャーのマハフィズル・ルシディン氏の「マレーシア政府による渡航禁止警告などが出されない限り、参加中止はできない」という発言がありました。今、考えれば、おそらく政府がこのような措置が取っていれば、賠償金支払い義務も発生しなかったことから、このような発言になっていたのでしょう。
(写真はチョンブリFCのFacebookより。スランゴールFCも参加していれば、このような厳重な装備で参加していたのでしょう。)
その後、スランゴールFC参加予定だった大会は中止に
上の記事を書いて、さてアップしようかと思ったところに新たなニュースが入ってきました。なんと梅州客家カップそのものが中止になったようです。
主催者の梅州客家FC側からチョンブリFC、尚州尚武FCへ通達があったものようで、チョンブリFCは明日1月27日にタイへ帰国するようです。
最新では56名が亡くなられ、中国国民の海外渡航が禁止となる中、海外から参加するクラブの選手やスタッフの健康は心配ですが、人が集まるところへいくことが憚られるこの状況下でサッカーの試合をしてもどの位観客があるまるのかも定かではないなか、当然の判断でしょう。
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この大会中止を受けて、スランゴールFCの賠償金負担の話も変わってきそうです。たとえ賠償金額を請求されるとしても、さすがに最初の請求通り30万リンギとはならないでしょう。