MFLはクアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下
マレーシアフットボールリーグMFLは、クアラルンプールサッカー協会KLFAから出されていたクアラルンプールFAのBチーム、クアラルンプールFA IIのM3リーグ加盟申請を却下したと、サッカー専門メディアのヴォケットFCが報じています。
昨年2019年11月にKLFAの会長に就任したカリド・サマド会長は、就任後からクアラルンプールFAのBチームを創設し、MFL3部にあたるM3リーグ参加について言及しており、クアラルンプールFA II自体も既に選手獲得が始まっていたようですが、少なくとも今季のM3リーグ参加は不可能となりました。
MFLのダト・ガニ・ハサンCEOは、MFL3部にあたるM3リーグに参加するクラブはMFL4部にあたるM4リーグから昇格という形での加盟が認められており、新たなクラブがM3リーグから参加することは、MFLの規定により認められていないとしています。
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今季2020年シーズンからMFL2部プレミアリーグには、スランゴールFCのBチームであるスランゴールFC IIと、ペラTBGのBチームであるペラTBG IIの2チームが参加しますが、これらはいずれも昨季2019年シーズンにそれぞれPKNS FCとPKNP FCとしてMFL1部スーパーリーグでプレーしていたクラブを吸収合併した作られたチームです。プレミアリーグにはこの他にもジョホール・ダルル・タジムJDT IIとトレンガヌFC IIというBチームがありますが、JDT IIは2014年に、トレンガヌFC IIは2017年にMFLに所属していた既存のクラブ名を変更したものです。
SAC優勝のバンコク・ユナイテッド監督がタイとマレーシアの違いを語る
先週末に開催された東南アジアの4クラブ対抗戦スランゴールアジアチャレンジでは、バンコク・ユナイテッドFCがホストのスランゴールFCをPK戦で破り優勝しましたが、そのバンコク・ユナイテッドFCのアレシャンドレ・ペルキンク監督は、タイとマレーシアの違いについて、英字紙スター電子版に語っています。
ベルキンク監督はまず国内リーグの「競争力」について指摘し、現在のようなJDT1強の「ジョホールリーグ」で、JDTに対抗できるクラブがリーグ内に数クラブしかない状況は不健全であると指摘、その上で豊富な資金を毎年投入するJDTに対抗するには、才能のある若い選手に投資し、そういった選手を育ててチーム力を上げていくべきだと提案しています。
また施設面については、マレーシアではサポーターの数も多く、スタジアムも素晴らしい一方で、ベルキンク監督は、雨が降るとプレーが難しくなるなど近代のサッカーには向いていない「古い」タイプの芝が使われていると話し、ピッチについては改善の余地があるとしています。
タイリーグは現在、アジアサッカー連盟AFCのクラブコンペティションランキングで東南アジアではトップ(2019年はタイが8位に対してマレーシアは18位)であることから、マレーシア人選手も含めたこの地域の多くの選手がタイリーグでのプレーを望んでいるとする一方で、マレーシアの国内リーグも上記のような点が改善されれば、タイリーグと競争できるとも話しています。
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先日、このブログでも取り上げた、元クダFA監督で現プルシブ・バンドン(インドネシア)のロバート・アルバーツ監督によるインドネシアとマレーシアのサッカーの違いに続く、隣国との比較記事です。マレーシアで監督経験があり、当地の状況を理解しているアルバーツ監督に比べると、ペルキンク監督のコメントはかなり辛辣ですが、残念ながら反論の余地はありません。
それでもかつてのマレーシアリーグは、1980年代から90年代にはファンディ・アマドやマレク・アワブ、K・カナン(以上シンガポール)、ピヤポン・ピエオンやキャティサック・セーナームアン(以上タイ)、2000年代にはバンバン・パムンカスやクルニアワン・ドゥイ・ユリアント(以上インドネシア)といずれも自国ではスーパースターの選手たちが集まる東南アジアのトップリーグでした。
しかし、1993年から1994年にかけては、関係した選手とコーチ合わせて21名が永久追放処分、58名が出場停止、100名を超える選手が警察の捜査対象となった八百長事件が起こり、国内リーグは凋落していきました。しかも2014年にはクアラルンプールFAの5名の選手と3名のスタッフが永久追放処分を受ける別の八百長事件が発覚し、サッカー人気は大打撃を受けました。そうこうしている間に隣国のリーグがマレーシアリーグに取って代わったということでしょう。