1月8日のニュース:Goal. comが選ぶ2010年代のベストⅪ

今回はGoal. comが選んだ2010年代(2010年から2019年)のマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのベストⅪを紹介します。(カッコ)内は2020年現在の所属クラブです。記事の内容はGoal. comを参照しています。

GKカイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッド)
 今季2020年シーズン、マラッカ・ユナイテッドで2季目を迎えるカイルル選手が最も輝いたのは何と言ってもケランタンFAに在籍した2009年から2018年でしょう。2011年、2012年と2度のMFL1部リーグ制覇の他、マレーシアカップ優勝2度(2010年、2012年)、マレーシアFAカップ優勝2度(2012年、2013年)と今からは想像もできないような強いケランタンFAの黄金期のゴールを守っただけでなく、マレーシア代表が優勝した2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップではフル代表の、金メダルを獲得した2011年の東南アジア競技大会シーゲームズではいずれも正GKとして活躍しました。

DF(左サイドバック)ラヴェル・コービン=オング(JDT)
 MFLでは2018年のJDT加入以来、2季しかプレーしていませんが、すでにJDTだけでなく、フル代表でも欠かせない存在になっているコービン=オング選手が、左サイドバックとして選ばれています。このポジションは人材難、ということでしょうか。

DF(センターバック)アイディル・ザフアン
 昨季2019年に久しぶりのフル代表復帰となったアイディル選手がこれまでに積み上げたキャップ数は現役選手としては最多の87。Goal. comのコメントでは、ハードタックルのリベロから冷静なスイーパーへと進化したとしています。若い頃はDFながら積極的に前に出てロングシュートを打ってくるタイプだったのが、今では守備に専念している点も評価し、若手からの突き上げを物ともせず、クラブでも代表でも間違いなく必要な選手と高く評価しています。2010年のスズキカップ優勝メンバーでもあります。

DF(センターバック)シュコール・アダン(クアラルンプールFA)
 2010年の時点で既に30歳となっていたシュコール選手は、既にプレーヤーとしてのピークを過ぎていたと考えられていましたが、それまでのMFからセンターバックとポジションが変わったことで、この10年間もヌグリ・スンビランFA、マレーシア国軍チームのATM、フェルダ・ユナイテッド、そしてマラッカ・ユナイテッドでプレーを続けてきました。昨季はマラッカ・ユナイテッドでキャプテンを務めただけでなく、チームの試合にほぼフル出場するなど、リーダーとしてだけでなく、十分に戦力となりうることを証明しています。また、昨季は給料未払い問題を公表し、マレーシアカップでは出場を拒否するなど「モノ言う選手」でもあります。

DF(右サイドバック)クナンラン・スブラマニアム(JDT)
 常に安定した力を発揮することで知られるクナンラン選手は、ヌグリ・スンビランFA、スランゴールFA(現スランゴールFC)とプレーし、2015年からはJDTで不動の右サイドバックとしてプレーしています。スピードが自慢で積極的なオーバーラップで、JDTでは左サイドバックのコービン=オング選手とともに攻撃にも参加するDFです。2010年のスズキカップ優勝メンバーで、フル代表でも活躍しました。なおGoal. comでは、ファンよりもプロ選手仲間から高く評価されるタイプの選手としています。

MFサフィク・ラヒム(マラッカ・ユナイテッド)
 2010年代にリーグ最優秀MF賞を4回受賞するなど、まさにこの年代最高のMFと言える選手です。スランゴールFAで1回、JDTで5回リーグ優勝を経験し、フル代表でも長年にわたって主将を務め、また司令塔として活躍した代表の「顔」とも言える存在です。
 マレーシア国内では知名度も高く、ちなみにカルピスがマレーシアで販売され始めた時には単独でテレビCMに出演するなど、一人でCMを任せられる数少ないプロサッカー選手でもあります。

MFバドロル・バクティアル(クダFA)
 2010年代をクダFA一筋で過ごしてきたバドロル選手。昨年のFIFAワールドカップ予選では、2017年以来となるフル代表招集、そして試合出場を果たしましたが、所属するクダFAが昨季はFAカップ優勝、マレーシアカップ準優勝と好成績を残したことと無関係ではないでしょう。クダFAでは既に「レジェンド」となっていますが、31歳とまだまだ老け込む歳ではありません。インテリジェンスを感じる選手というGoal. comの評価通り、精度の高いキラーパスが売り物の選手です。
 また2011年の東南アジア競技大会シーゲームズ優勝メンバーの一人でもあります。

FW(左ウィング)アムリ・ヤハヤ(元スランゴールFA)
 上のバドロル選手がクダFAのレジェンドだとすれば、スランゴールFAのレジェンドがこのアムリ選手です。地元スランゴール州出身でユースの時代から2013年までスランゴールFAでプレーし、その後はJDT、マラッカ・ユナイテッドでもプレーしたアムリ選手は、2017年途中からスランゴールFAに復帰しました。スランゴールFAで1度、JDTでは3度のリーグ優勝経験があり、スランゴールFAのサポーターの中にはアムリ信者が多数いますが、昨季終了後にはバースカラン・サティアナタン現スランゴールFC監督と反りが合わず退団、現在は無所属となっています。

FW(右ウイング)インドラ・プトラ・マハユディン(クアラルンプールFA)
 2010年代にはケランタンFA→T-TEAM(現トレンガヌFC II)→ケランタンFA→フェルダ・ユナイテッド→ケランタンFA→クアラルンプールFAと渡り歩いたインドラ選手は、いわゆるゴール前の嗅覚が優れた選手で、昨季はクアラルンプールFAでMFL史上初となる通算100ゴールを決めています。この10年間でリーグ優勝とは無縁ですが、ケランタンFAでは、FAカップとマレーシアカップでそれぞれ2度の優勝経験もあります。昨季は38歳とは思えない活躍を見せたインドラ選手は、今季2020年は新加入のシュコール・アダンとのベテランコンビで、MFL2部降格となったクアラルンプールFAの1部昇格を目指します。

FW(ストライカー)サフィー・サリー(PJシティFC)
 この年代を代表するFWサフィー・サリーは、スランゴールFAでリーグ優勝を果たした後、インドネシア1部リーグのプリタジャヤFC(現マドゥーラ・ユナイテッドFC)へ移籍し、マレーシア人選手としては初めてインドネシアでプレーした選手となりました。2010年/2011年シーズンの途中に加入したプリタジャヤFCでは7ゴール、翌2011年/2012年シーズンは20ゴールを挙げました、翌シーズンにはアレマ・クロノスFC(現アレマFC)へ移籍しますが、期限付き移籍の形でマレーシアに戻りJDTに加入、2014年にはJDTに完全移籍し、2015年にはJDTのアジア初タイトルとなったAFCカップ優勝にも貢献しています。
 昨季の開幕時にはプルリスFAと契約しながら、給料未払い問題によってプルリスFAがMFLから除名され、一時は所属クラブがない状況になりましたが、その後はPJシティFCに加入してプレーしました。
 またサフィー選手は、ナイキと契約し自分の名前を冠したマーキュリアルスパイクが販売されたこともあり、この年代を代表するサッカー選手の一人といえるでしょう。

FW(ストライカー)ノーシャルル・イドラン・タラハ(元パハンFA)
 昨季はパハンFAに所属したノーシャルル選手は、今回選ばれたメンバーの中で現在もフル代表でプレーする一人です。ケランタンFAやJDTでもプレー経験があり、リーグ優勝、FAカップ、マレーシアカップの全てに優勝経験があり、サフィー・サリーとは代表で、そしてJDTでリーグ屈指の強力FWコンビとして活躍しました。国内リーグでの活躍に限って言えば、むしろサフィー選手よりも実績があり、2010年から3年連続で国内リーグ最優秀FW賞と年間最優秀選手賞を獲得しています。
 昨季もフル代表に招集され、FIFAワールドカップ予選に出場しています。往年のような活躍はできていないのは残念ですが、マレーシアを代表するFWとしてのプライドをもう一度見せて欲しいです。