UITM FCには元U22監督が就任
今季2020年シーズンはマレーシアフットボールリーグMFL1部に昇格するUITM FCの新監督に元マレーシアU22代表監督を務めたフランク・バーンハート氏が就任することがUITM FCのFacebookで告知されています。
UITM FCは、今季の昇格に貢献したイスマイル・ザカリア前監督が、財政事情から1部昇格にもかかわらず現役大学生主体のチーム作りを進めるフロントと合意に至らず辞任し監督不在となっていました。
2015年から2017年までU22代表監督を務めたバーンハート氏は、マレーシアサッカー協会FAMの会長にJDTオーナーのトゥンク・イスマイル殿下が就任すると同時に解雇されていますが、これはFAM会長就任前から、バーンハート氏によるJDTの選手の招集期間の長さに不満を持っていた事が原因とされています。
UITM FCの会長を務めるアジザン・アブドラ教授は、UITM FCがMFL1部でプレーするのを見るのが夢だったと語っていますが、MFL1部でプレーする大学を母体とする初のクラブとなったUITM FCは、MFL2部に在籍していた昨季と同じ額の運営予算でMFL1部を戦うことを明言しており、今後の新戦力補強次第ではMFL1部の数合わせで終わり、1シーズンにMFL2部へ戻る可能性は大いにあります。
(握手するバーンハート新監督とアジザン会長-UITM FCのFacebookより)
MFLが今季前半の日程を発表
マレーシアフットボールリーグMFLのホームページでは、MFL1部スーパーリーグとMFL2部プレミアリーグの今季前半日程を発表しています。
2月28日に行われる、昨季のMFL1部チャンピンJDTとFAカップチャンピオンのクダFAがJDTの新しいホームとなるスルタン・イブラヒムスタジアムで対戦するスンバンシーカップ(日本で言えば「富士ゼロックススーパーカップ」に該当しますが、この試合はMFL1部公式戦でもあります。)を皮切りに前半戦最終節となる第11節(5月13日)までの日程が発表になっています。
日程がリーグ前半のみと発表となっているのは、FIFAワールドカップアジア二次予選兼2023年アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ予選や、AFCチャンピオンズリーグACLを考慮したもので、開幕が例年に比べて遅くなっているのは、各クラブが予算以上の選手獲得に歯止めをかける経済コントロールプログラムECPが今季から導入され、開幕前に各クラブから提出される経営状況を精査する時間を確保するためとしています。
またMFLのホームページでは、リーグ戦日程の他、FAカップやマレーシアカップの日程も発表になっています。今年のFAカップは予選がMFL開幕前の2月3日から始まり、本選は2月22日に1回戦が始まり、決勝は7月25日、またマレーシアカップは8月4日からグループステージが始まり、決勝は10月31日に予定されています。
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ムスリム(イスラム教徒)が選手の大半を占めるマレーシアのプロサッカーリーグMFLですが、断食月(今年2020年は4月24日から5月23日の予定)中の試合実施について各クラブから特に反対意見も出なかったようで、昨年同様、試合開始時間を午後10時からとして行われます。これは断食明けとなる日没後の礼拝マグリブ(Magrib)が今年の断食月の頃だと午後7時20分過ぎとなるため、この時間に断食明けの食事をしてから試合に臨みます。もっと早く試合を開始しても良いのでは、と思う方がいるかも知れませんが、就寝前に行う1日の最後の礼拝イシャ(Isha)は同じく午後8時30分過ぎですので、この礼拝の後に試合開始となります。なお、断食月以外でもMFLの試合は1部、2部を問わずほとんどの試合が午後9時開始となっています。
断食月中にプレーするムスリムの選手も大変ですが、断食月中の試合は午前0時近くに終了するため、観戦者にとってもなかなか大変です。特にムスリムのサポーターは、日の出と同時に始まる断食(今年だと午前6時前後)前には朝食を終えてないと日没まで何も食べられなくなってしまうため、眠るのが遅い時間になるにもかかわらず早起きを強いられます。
ケランタンFAが元代表GKらと未払い給料支払い方法で合意
MFL2部のケランタンFAがかつて所属した元代表GKのカイルル・ファミ・チェ・マットと元キャプテンのピヤことモハマド・バドリ・ラジと未払い給料の支払い方法で合意したと英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
驚いたことに2016年から持ち越された未払い給料はアペックことカイルル選手が14万3000リンギ(およそ378万円)、ピヤことバドリ選手は18万リンギ(およそ475万円)とのことで、これを5ヶ月の分割払いで支払うことがケランタンFAを運営するレッドウォリアーズ社と両選手との間で合意されたということです。
2009年から2018年までケランタンFAに在籍したカイルル選手と2007年から2018年まで在籍したバドリ選手はともにケランタンFAがリーグ戦、FAカップ、マレーシアカップの三冠を獲得した2012年、マレーシアカップ連覇を果たした2013年と絶頂時の頃の主力選手でした。
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別のメディアでは今月1月から5月までの間に未払い給料を完済すると話すレッドウォリアーズ社のダト・ワン・ラケミ・ザハリ代表の話を紹介していますが、気になるのは今月分の支払いは、先日行われたクダFAとケランタンFAの練習試合の入場料収入で支払われたと話している点です。未払い給料を解決するために設定された試合ではないでしょうから、このような自転車操業を行なっているようでは、この入場料収入の本来の使い道(現役選手の給料かもしれませんし、スタッフの給料かもしれません)がとばっちりを受けることになりかねません。
昨季、ケランタンFAはかつて在籍した外国籍選手が給料未払い給料問題をFIFAに提訴し、その結果としてリーグ戦では勝点3を剥奪されています。また上でも述べた経済コントロールプログラムECPの導入により、未払い問題の解決の目処が立たないクラブは今季のクラブライセンスが発給されない可能性もあり、それを裂けつためにケランタンFAは給料未払い問題解決を急いでいるようです。ただしビッグネームの二人の問題が片付いても、他にも同じように未払い給料問題で困っている選手が複数いるとされるケランタンFAの前途は多難のように見えます。