11月23日のニュース:MFLとラ・リーガが提携、放映権料分配は半額で終了か、ベルギーリーグから代表選手誕生か

MFLとラ・リーガが提携
 マレーシアフットボールリーグMFLはスペインのラ・リーガと提携したことをホームページで発表しています。
 ラ・リーガのビジネススクールの教育部門が、プロサッカー選手、マレーシアサッカー協会、MFL各クラブ及びフットボール関係者を対象として2020年よりスポーツ関連教育を担当しますが、具体的には3ヶ月ごとに様々なコースを開催し、手始めとして来年2020年3月27日から30日までの予定でスポーツマーケティングコースが開催することになっています。
 MFLのケヴィン・ラマリンガムCEOによると、MFL各クラブの特にフロントを中心に理論と実践両面から「プロとして意識と技術」つまりプロフェッショナリズムを植え付けることを目的にしており、この提携関係によって、MFLはフィールド上だけでなくフロントもサポートして、国内サッカーを一大産業として発展させたいとしています。
 ラ・リーガのビジネススクールは、スポーツ産業の人材育成とスポーツマネージメントの専門知識習得を目的に設立されたプログラムで、メキシコ、エジプト、コロンビア各国が既にこのプログラムを実践しているということです。
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 このブログで繰り返し取り上げている給料未払い問題は、雇用主としての各クラブのフロントにも問題があるのは明らかです。そのフロントを「教育」することで、プロリーグとして恥ずべき給料未払い問題を撲滅して欲しいですね。

放映権料分配は半額で終了か
 スポーツ専門サイトフォックススポーツは、MFL各クラブに分配される予定だった放映権料が当初の半額となりそうであると報じています。
 MFLは当初、各クラブに支給予定だった報奨金について、報償金ではなく放映権料であるとした上で、昨年2018年と同額のMFL1部スーパーリーグの各クラブに300万リンギ(およそ7800万円)、MFL2部プレミアリーグの各クラブには100万リンギ(およそ2600万円)の放映権料を分配するしていました。
 しかし、この放映権料の支払いはMFL開幕後も実施されず、結局7月に入ってスーパーリーグクラグには150万リンギ(およそ3900万円)、プレミアリーグクラブには50万リンギ(およそ1300万円)の「半額」が分配され、残り半分は8月に分配するとしていました。
 しかし8月に入ると、MFLは十分なスポンサーが確保できていないとして、その分配時期を11月に延期すると発表していました。そして11月も月末に近づく一方で各クラブに対してMFLからは何も説明のなく状況が続いていました。
 フォックススポーツの取材に対して、MFL取締役会のダト・ウィラ・ユソフ・マハディ取締役は「今季開幕前にMFL各クラブは放映権収入の75%を受け取ることで同意していたが、今季は放映権収入が全くなかったため、各クラブに分配する資金ない。しかしながら各クラブとの同意を尊重し、MFLは予定していた放映権料の半額については何とか調達したが、残りの半額について支払うための資金がないことから、残り半分の支給は実現しない可能性が高い。各クラブが残り半分の支給を求めていることは理解しているが、少なくとも現時点で至急の目処は立っていない。」と答えています。マレーシアサッカー協会FAM副会長でもあるユソフ氏にとっても、ない袖は触れぬといったところでしょうが、各クラブに給料未払い問題の是正を求めているMFLにとっても頭の痛い問題でしょう。
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 この問題は、MFLがマレーシアのテレコミュニケーション企業テレコム・マレーシア(TM)と結んだスポンサー契約が「突如」3月に打ち切られたことに端を発します。
 2018年1月に発表された8年間総額4億8000万マレーシアリンギ(およそ125億円)の大型スポンサー契約はマレーシアのスポーツ史上最大のものでしたが、1年ほどで頓挫。この契約ではTMがMFLとマレーシアカップの冠スポンサーとなり、全ての試合を放映することになっていました。この契約が打ち切られたことで、今季のMFLは財政的に非常に厳しい状況に置かれることになりました。

ベルギーリーグから代表選手誕生か
 ディオン・ヨハン・コールズは、現在はベルギー1部リーグの強豪クラブ・ブルッへでプレーするDFですが、現在23歳のディオン選手がマレーシア代表入りに関心を持っているのでは、と話題になっています。
 外国生まれながらマレーシア人の親を持ち、世界各地のマレーシア代表入り資格を持つ選手を取りあげているツイッターHarimau Abroadでは、このコールズ選手が自身のインスタグラムにマレーシア代表のユニフォームを着ている写真を意味深なメッセージとともに掲載していることを取り上げています。
 マレーシアのサラワク州クチン生まれで、母親がマレーシア人であることからマレーシア代表としてプレーする資格のあるコールズ選手については、現在のフル代表タン・チェンホー監督の前任者であるネロ・ヴィンガダ前監督が招集しようとしましたが、その際は実現しませんでした。
 各年代でも代表経験があり、UEFAチャンピオンズリーグでのプレー経験もあるものの、一度もフル代表招集がないコールズ選手がベルギー代表ではなく、マレーシア代表でプレーするのであれば、攻撃陣に比べ弱いとされる守備陣を持つマレーシア代表にとっては朗報です。しかも現在のフル代表のラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、ブレンダン・ガンといった外国生まれの選手に加われば、チーム力は明らかにアップします。
 単なる冷やかしなのか、それともマジか。今後の動向に注目です。
(写真はコールズ選手のインスタグラムに挙げられた写真)