AFCカップの決勝はKLで開催
アジアサッカー連盟AFCが主催するAFCカップは、AFCチャンピオンズリーグACLの出場枠が与えられているAFCクラブチームランキングの上位14カ国以外の国および地域のリーグ戦やカップ戦の優勝チームに出場権が与えられる大会で、2015年には、マレーシアフットボールリーグMFLの優勝チーム、ジョホール・ダルル・タクジムJDTも優勝を経験しています。
今季2019年の決勝戦は4.25 SC(北朝鮮)対アル・アヘドSC(レバノン)が対戦しますが、その会場が二転三転し、結局、マレーシアの首都クアラルンプールになったことが英字紙マレーメイル電子版で報じられています。
当初は北朝鮮の平壌で11月2日に予定されていた決勝戦ですが、10月15日にやはり北朝鮮の金日成競技場で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選の北朝鮮対韓国の試合が中継なしの無観客試合として行われたことを受け、AFCは試合の中継権やスポンサーへの配慮から、決勝の舞台を平壌から中国の上海へ変更することを10月22日に発表していました。
しかしAFCは10月25日に新たな告知として、AFCカップ決勝は上海からマレーシアの首都クアラルンプールで、予定よりも2日遅い11月4日に行われることを発表しています。AFCは再度の変更理由を明らかにしていません。
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AFCの本部があるマレーシアのクアラルンプールでは、これまでも中立地域での試合会場を提供することが度々ありました。またマレーシアの国教であるイスラム教の教徒が人口の半数以上を占めるレバノンのクラブと、マレーシアとも国交のある北朝鮮のクラブの対戦場所として、クアラルンプールは無難な選択かもしれません。
FAMはU21とU19大会廃止の噂を否定
マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、マレーシアフットボールリーグMFL所属クラブのU21チームの大会であるプレジデントカップと、U19チームの大会であるユースカップ廃止の噂を否定していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
ラマリンガム事務局長は、両大会の廃止を否定する一方で、フォーマットの変更については、選手、コーチ、審判など関係者全員にメリットがあるような方式を現在検討中だとも述べています。
FAMは年齢制限のない育成目的のリーグの発足を検討しているという話もあり、そこからU21チームとU19チームに限定されている両大会の廃止という話が出回った可能性がありますが、ラマリンガム事務局長はプレシデントカップとユースカップの有用性を強調した上で、廃止については現在は検討されていないとしています。
M3リーグはケランタン・ユナイテッドが優勝
マレーシアフットボールリーグMFLの3部にあたるM3リーグでは、マレー半島北東部のケランタン州に本拠地を持つケランタン・ユナイテッドが2節を残して優勝を果たしています。
14のクラブで構成されているセミプロリーグのM3は、ケランタン・ユナイテッドと鈴木啓太選手が所属する、東マレーシアのサラワク州に本拠地を持つクチンFAに優勝争いが絞られていましたが、10月27日にランカウィ島で開催されたアウェイのグローリー・ユナイテッド戦に5-0で快勝し勝点が65となり、2位のクチンFAに勝点差12をつけて優勝を決めています。
なおケランタン・ユナイテッドのガンビア出身のFWアルフサイニ・ガッサマはこの日の4得点で27得点となり、やはりこの日、ゴールを決めたチームメイトのマレーシア人FWファクラル・ザマンと共にリーグの得点王レースのトップとなっています。
ケランタン・ユナイテッドはM3リーグ優勝により来季2020年のMFL2部ブレミアリーグへの自動昇格権を獲得しています。また3位のマレーシア国軍FCに勝点5の差をつけている2位クチンFAはMFL2部11位のサラワクFAと入れ替え戦を行う可能性が高くなってきました。
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本来ならば、MFL2部の11位、12位がMFL3部の1位、2位とそれぞれ入れ替え戦を行うことになっていますが、今季のMFL2部は開幕直後にプルリスFAが給料未払い問題により助名処分を受けており、M3優勝のケランタン・ユナイテッドには自動昇格権が与えられています。またケランタン・ユナイテッドのMFL2部昇格により、MFL2部にはケランタン州サッカー協会が統括するケランタンFAとケランタン・ユナイテッドの2クラブが同時に在籍することになりました。
また、クチンFAが対戦する可能性があるサラワクFAはサラワク周サッカー協会が統括するクラブで、いわば上部組織である東京都サッカー協会が統括するクラブチームとその下部組織である新宿区サッカー協会のクラブチームが入れ替え戦を戦うような状況になる可能性があります。
(写真は優勝を決めたケランタン・ユナイテッドのFacebookより。”Kita Juara”は「俺たちはチャンピオンだ」の意味のマレーシア語です。)