マレーシアはWC一次予選初戦を勝利でスタート
アジアサッカー連盟AFCの最下位12チームが参加する国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選がいよいよ始まりました。
6月6日には、カンボジアがホームでパキスタンに2-0で勝利するなど、各地で5試合が行われ、最後となる6試合目が、AFC最下位12チームの中では168位とFIFAランキングが最も高いマレーシアと195位の東ティモールの試合でした。以下、結果です。
6月7日(金)
FIFAワールドカップ2022年大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選
マレーシア代表7-1東ティモール代表(ブキ・ジャリル国立競技場)
得点者:マレーシア-ラヴェル・コービン=オング(12分)、シャーレル・フィクリ(23分)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(43分)、サファウイ・ラシド2(45分、59分)、ファイズ・ナシル(78分)、アキヤ・ラシド(89分)、東ティモール-ジョアン・ペドロ(53分)
6月2日に行われたネパール代表との国際親善試合の先発メンバーからは、FWシャズワン・ザイノンとMFハリム・サアリのスランゴールFAコンビに代わり、出場停止処分が解けたFWムハマドゥ・スマレとMFノー・アザム・アジーのパハンFAコンビがスタメンで出場しました。
スタメンは、キャプテンのファリザル・マーリアス(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)がゴールを守り、ラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)とマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)が左右のサイドバック、中央にはシャールル・サアド(ペラTBG)とアダム・ノー・アズリン(JDT)を配置した守備陣に、ノー・アザム・アジーとアクラム・マヒナン(PKNS FC)が中盤、攻撃陣はワントップのノーシャルル・イドラン・タラハ(パハンFA)の下に右からムハマドゥ・スマレ、シャフィク・アーマド(JDT)、サファウイ・ラシド(JDT)を配置し、ネパール戦と同じ4-2-3-1のフォーメーションでスタートしました。(下はこの試合のマレーシア代表のスタメンーマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)
連日の大雨のせいで心配されたピッチは、前日6月6日の公式練習日にマッチコミッショナーが両チームにブキ・ジャリル国立競技場のピッチを使った練習を禁止するなどしてこの試合を迎えています。
この試合はテレビ観戦しましたが、マレーシア、東ティモールとも積極的にボールを回し、ピッチの状況がプレーに影響を与えているような印象はありませんでした。
試合は開始からマレーシアが一方的に攻め、12分には公式戦初出場となったコービン=オング選手がサファウイ選手のクロスをヘディングで代表初ゴールを決めました。ネパール戦では、シャズワン・ザイノンとのコンビネーションが悪かったコービン=オング選手でしたが、前にいるサファウィ選手とはクラブではチームメートということもあってか、サファウィ選手が積極的に動いて、空いたスペースにコービン=オング選手がオーバーラップするという動きが何度も見られました。この試合では、このコービン=オング選手と右サイドバックのデイビーズ選手が積極的に攻撃参加する場面が目立ち、効果的に機能してました。
2点目はそのデイヴィーズ選手からのクロスをケガのシャフィク・アーマドに代わって入ったシャーレル・フィクリ(ペラTBG)が、6点目も同じデイヴィーズ選手のクラスをやはり途中出場のファイズ・ナシル(スランゴールFA)がダイレクトボレーでともに公式戦初ゴールを決めました。
この試合のダイジェストはこちらです。
東ティモールもタイリーグ3部のノース・バンコク大学FCでプレーする18歳のキャプテン、ジョアン・ペドロが後半開始早々にドリブルで持ち込んでゴールを決めますが、反撃もここまででした。
東ティモールは、インドネシアに併合されるまではポルトガルの植民地であったこともあり、かつては同じポルトガルの植民地という歴史を持つブラジル出身の選手を多数帰化させた過去(しかし出生証明書の偽造により、2017年には罰金とアジアカップ2023年大会予選参加を禁じる処分をAFCより受けています)もありますが、近年は国内リーグが活発になり、最年長が24歳、最年少は15歳という今回の代表選手もその国内リーグでプレーする選手たちで構成されています。また監督はグアム代表やブータン代表の監督経験もあり、同国のU15やU19の監督を経て、昨年12月にフル代表の監督に就任した築舘範男(つきたてのりお)氏です。(下は試合前の記者会見の様子。左から東ティモール代表のジョアン・ペドロ主将、築舘監督、マレーシア代表のタン・チェンホー監督、ファリザル・マーリアス主将-FAMのFacebookより)
今回の一次予選はホームアンドアウェイ形式で行われますが、自国内にAFCの規格にあった競技場がない東ティモールは、ホームの試合も同じマレーシアのブキ・ジャリル国立競技場で6月11日(火)に行います。