3月19日のニュース:ウルトラスがエアマリンカップのボイコットを示唆、この問題についてFAMはファンの理解を求める

ウルトラスがエアマリンカップのボイコットを示唆
マレーシア代表チームの最大サポーターグループである「ウルトラス・マラヤ」が、3月20日と23日に開催される4カ国対抗のエアマリンカップのボイコットを決めたと、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
 ボイコットの理由として挙げているのが、エアマリンカップのチケットの価格です。エアマリンカップでは、オープンスタンドのチケットが35マレーシアリンギ(約960円)と設定されていますが、これまで代表の試合のチケットの価格20マレーシアリンギ(約550円)から75%も値上げされたことに加え、エアマリンカップの主催者がマレーシアサッカー協会FAMではなく、イベント企画会社であることから、この会社が不当にチケットの価格を釣り上げて、マレーシアのサッカーファンから搾取していることに対する抗議のためのボイコットであるとしています。
 さらにウルトラス・マラヤのFacebookでは、FAMのダト・ウィラ・ユソフ・ハマディ副会長がチケット価格の正当性について述べたことにも反論しています。マレーシア以外の3カ国はいずれもFIFAランキングでマレーシアより上位の国なので、質の高い試合となるとの理由には、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで、マレーシアよりFIFAランキングが上のベトナムなどとのグループリーグではチケットは20マレーシアリンギであったと反論し、また、35マレーシアリンギのチケット代には、同日行われるもう一つのカードの観戦料も含まれているので結果として割安であるとの発言には、大半のファンは見るつもりもないマレーシア代表以外の試合の分も払わせるような発言は価格差を誤魔化すための言い訳に過ぎないと非難しています。また大会の冠スポンサーであるエアマリン社からのスポンサー費用があるにも関わらず、イベント企画会社に主催させること自体がおかしいとしています。
 ウルトラス・マラヤのFacebookページでは、(エアマリンカップの会場となる)ブキ・ジャリルスタジアムのクルヴァ(ゴール裏のスタンド)ではなく、(アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選が行われる)シャー・アラムスタジアムのクルヴァで会おう!と呼びかけています。

この問題についてFAMはファンの理解を求める
マレーシア語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版によると、ウルトラス・マラヤのボイコットについて、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、現在FAMが直面している状況を理解し、できるだけ多くのファンにスタジアムに足を運んで欲しいと発言しています。
 昨年FAMが主催した国際Aマッチの内、ブキ・ジャリルスタジアムで4月1日に行わえたブータン代表戦は、オープンスタンドのチケットを20マレーシアリンギであったものの、3,187枚のチケット売上の結果、81460マレーシアリンギの収入があったものの、10万マレーシアリンギ(約270万円)を超える赤字となりました。同様に7月5日にKLフットボールスタジアムで行われたフィジー代表戦は、1220枚のチケット売上で7万マレーシアリンギの赤字が、11月3日のモルジブ戦では6173枚のチケット売上に対して2万6千マレーシアリンギの赤字が出ていました。
 その上で、今回のエアマリンカップについては、全ての費用をイベント企画会社が負担し、さらにこの会社からはFAMに30万マレーシアリンギ(約820万円)が支払われていることを明らかにしています。なお、この30万マレーシアリンギはマッチボーナスや、U19、U16、女子代表の強化に使われるとのことで、FAM主催でないやり方であっても、代表チームの価値を高める方法があるのであれば、そういった方法を時代にあった形で今後も活用していきたいと、ラマリンガム事務局長は話しています。。