2019年のムルデカ大会は近年になく華やかな大会になりそうです。
ムルデカ(merdeka)とはマレーシア語で「独立」の意味。1957年8月31日にイギリスからマラヤ連邦(当時)が独立したことを祝う大会として始まったムルデカ大会は、アジアで最古の国際招待大会と言われています。しかし近年は、国際サッカー連盟FIFAが規定する国際マッチデーの制約やそもそもマレーシアまで出掛けて代表チームが試合をする意味があるのかなどの理由から、8月に各国の代表チームを招いて開催することが難しくなり、最後に開催されたのは2013年、しかも参加したのはホストのマレーシアの他、ミャンマー、シンガポール、タイのU23代表が参加した、完全に地味な地元アセアンの大会でした。しかもその前は2008年開催でしたので、これをアジア最古の大会云々言われても…という有様でした。
しかし2019年のムルデカ大会は、国際Aマッチデーにあたる3月18日から26日の期間に開催されることになりました。しかもマレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラムリンガン事務局長は、大会参加国の内、1チームはワールドカップ出場経験国、残る2チームは現在、アラブ首長国連邦で行われているアジアカップの出場国であると述べています。ワールドカップ出場経験国については「これまでマレーシアで対戦したことがない国で、2014年のワールドカップに出場し、2018年の大陸間プレーオフで敗退した国」というバレバレのヒント(笑)を出していることから、この条件に当てはまるホンジュラス(FIFAランキング62位)ではないかと予想できます。アジアカップ出場国については何も述べていませんが、以前FAMのテクニカルダイレクターを務めたこともあるスイス人フリッツ・シュミット監督が指揮するニュージランド代表も候補ではないかという報道もあります。
いずれにせよ、2019年のムルデカ大会の参加国はアセアン以外から招くこと、またFIFAランキングがマレーシア(2018年12月は167位)よりの上のチームを招き、チームレベルの向上とマレーシア自身のFIFAランキング改善が目的であることを、ラムリンガン事務局長は明言しています。アセアン以外にこだわらず、今後もマレーシアの前に立ちはだかるであろうベトナムを呼んで、スズキカップのリベンジ(あるいは返り討ち?)などというのも良いと思うのですが、FAMの方々、どうでしょう。
ちなみにこのムルデカ大会については、日本サッカー協会JFAの記録ページによると、1959年の第3回大会から日本が参加したことがわかります。その後も第5回大会(川淵三郎さんがプレーしています)、対戦相手にビルマ(現ミャンマー)やクメール(現カンボジア)などの名前が見られる第14回大会、釜本邦茂、奥寺康彦と言った日本のレジェンドもプレーした第19回大会、最後の出場となった1986年の第30回大会など詳しい情報が掲載されています。これらの記録を読んで、さらにググったところ個人的に一番興味深かったのがこの記事でした。特に写真は必見です。