6月18日のニュース<br>・ジョホールが大量11名の退団を発表-ヘセ・ロドリゲスやジョルディ・アマトも<br>・女子アジアカップ予選出場のマレーシア女子代表23選手を発表<br>・プルシス・ソロを降格危機から救った元マレーシア代表監督は来季もインドネシアで指導か

ジョホールが大量11名の退団を発表-ヘセ・ロドリゲスやジョルディ・アマトも

来たる者あれば去る者あり。

来季に向けてスペイン出身のCBアントニオ・グラウデル、ブラジル出身のCFジャイロ、そしてマレーシアの「パトリック・ヴェラ」ことDMFイブラヒム・マヌシの加入を発表しているジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、今度は大量11選手の退団を発表しています。

この中には2015年からJDTでプレーし、アジア初タイトルとなった2015年AFCカップ(現在のACL2)決勝でFCイスティクロル・ドゥシャンベを完封し、マレーシア代表では53試合出場を果たしているGKファリザル・マーリアス(38)や、JDTでは通算170試合、マレーシア代表では80試合に出場し、オーナーのトゥンク・イスマイル殿下がJDTの歴代史上最高のキャプテンと評するMFサフィク・ラヒム(37)の両ベテランや、既にクチンシティFCへの完全移籍が発表されているWGラマダン・サイフラーの名前もあります。

また外国籍選手では、2022年シーズン途中に加入したスペイン生まれのインドネシア代表CBジョルディ・アマトや、元レアル・マドリードのCFヘセ・ロドリゲス、今季加入したブラジル出身のSHムリロ・エンリケも含まれています。また既に国内リーグで起用できる外国籍選手の登録枠がいっぱいとなっていたJDTがACLエリートで起用するためだけに獲得したブラジル出身のMFアンセルモ・デ・モラエス、スペイン出身のCBアルバロ・ゴンザレス、MFロケ・メサ、MFジョナサン・ヴィエラも国内リーグに1試合も出場することなく退団となっています。

女子アジアカップ予選出場のマレーシア女子代表23選手を発表

マレーシアサッカー協会(FAM)は、女子アジア杯2026年大会予選に出場するマレーシア女子代表のメンバー23名を発表しています。今年5月に就任したばかりのアレマFC(インドネシア1部)前監督のジョエル・コルネリ監督は、就任後初の対外試合となった先日のブータン遠征に参加した23名中21名を召集しています。

6月29日から7月5日までタジキスタンのドゥシャンベで行われるアジア杯2026年大会予選で、マレーシアは予選開催国タジキスタン、パレスチナ、北朝鮮と同組のH組に入っています。

5月29日から6月3日までブータンで行われた3カ国対抗戦で香港に1−2で敗れ、ブータンに3-1で勝利したメンバー、FWインタン・サラ、DFステフィ・サージ・カウル、GKヌルル・アズリン・マズランら女子代表の主力に加え、今回のメンバーにはU19代表からGKダリア・エリーザとFWヘンリエッタ・ジャスティンが召集されています。

2001年以来8大会ぶりの本戦出場を目指すマレーシア女子代表は、6月18日と22日にドバイでアラブ首長国連邦代表と国際親善試合2試合を行った後、タジキスタン入りし、6月29日にパレスチナ代表と、7月3日にタジキスタン代表と、そして7月5日に北朝鮮代表といずれもドゥシャンベ中央スタジアムで対戦します。

この予選では予選全8組の1位のみが予選を突破し、既に出場を決めている開催国オーストラリア、前回2022年大会優勝の中国、同2位韓国、同3位日本を含めた全12カ国が対戦する本戦に出場します。

プルシス・ソロを降格危機から救った元マレーシア代表監督は来季もインドネシアで指導か

昨年11月にサバFCからの契約延長オファーを断り、隣国インドネシアリーグのプルシス・ソロの監督に就任したオン・キムスウィー氏は、来季もインドネシアリーグで指導を続けるようだと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

日本人の山本奨選手がキャプテンを務めるプルシス・ソロは、昨季途中から指揮を取るミロミール・シェシュリア監督が開幕から1勝5敗の成績で残して15位と出遅れると解任されてしまいます。コーチを立てて暫定監督とするも、第11節までで2勝1分8敗と降格圏の16位に沈んだクラブにやってきたのオン氏でした。第12節から指揮を取ったオン監の督初勝利はそこから1ヶ月以上経った第19節でしたが、第28節では降格圏を脱出すると、その後は2度と降格圏に落ちることなく、結局、就任後の23試合を7勝8分8敗として14位でシーズンを終了し、クラブを2部降格から救っています。

しかし5月末で現在の契約が切れるオン監督は自身のSNSでプルシスへの別れを思わせるような投稿を行なった他、自身のSNSからプルシス監督の経歴を削除しており、このまま退団となりそうです。なおインドネシアメディアが紹介するプルシスの広報担当ブライアン・バルセロナ氏の話では、監督を誰にするかという決定はクラブオーナーの専権事項であり、クラブ自体もオーナー自身が行なっている候補者との面接や交渉などの結果を待っている状態であると説明されています。また同じメディアでは、ディバウド・アウベス監督が解任されたばかりのプルシク・クディリの監督に就任するのではという噂があります。


今季残り4試合を残した時点でのインタビューでオン監督は「もう1シーズン挑戦したい。今シーズンは降格圏から抜け出さなければならないが、もし(リーグ1で)生き残ることができれば、来シーズンはトップ5入りを果たしたい」と意欲を示し、「もし私が残留するなら、もちろん私が望むプレースタイルに合う選手が欲しいし、それは重要だ」と彼は語っていました。しかし今月6月に入り、プルシスのオーナーの1人、ケヴィン・ヌグロホ氏が、来季のクラブの監督候補はオン氏を含めて4名の外国籍監督がいると発言し、オン氏の去就が不透明になっていました。

6月17日のニュース<br>・マレーシアの「パトリック・ヴィエラ」もジョホール入り<br>・実質2部リーグのA1セミプロリーグは来季は韓国チームを含む16チーム編成に

マレーシアの「パトリック・ヴィエラ」もジョホール入り

君もジョホールを選ぶのか。

今季2024/25シーズンに彗星のように現れながらも、その風貌やプレースタイルからマレーシアの「パトリック・ヴェエラ」の愛称を得たスリ・パハンFCのイブラヒム・マヌシがジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)移籍を発表しています。またイブラヒム選手の背番号は、今季アルバロ・ゴンザレスが着けていた27となることも明らかになっています。

23歳のイブラヒム選手は、昨季2023年シーズンはわずか1試合の出場ながら、開幕から1勝1分2敗と苦しいスタートを切ったファンディ・アフマド監督が第6節となるクアラルンプールシティFCに初めて先発に起用すると、そこから出場時間を伸ばし、シーズン後半戦からは豊富な運動量を誇るDMFとしてレギュラーポジションを掴みました。

所属するスリ・パハンFCは、今季リーグ戦で8試合連続勝星など苦しいシーズンを送り7勝8分9敗の8位と苦しみましたが、今季最終戦となった4月25日のマレーシアカップ決勝では、イブラヒム選手はマレーシアカップ3連覇と3季連続国内三冠のかかるJDTを相手に自慢の運動量と時折見せる正確なロングフィードで接戦を演出しました。

しかしこのマレーシアカップ決勝後には、スリ・パハンFCのオーナーでパハン州王子のトゥンク・アブドル・ラーマン・イブニ・スルタン・ハジ・アフマド・シャー殿下が来季はクラブオーナーを辞任することを明らかにし、マレーシアカップ準優勝のスリ・パハンFCは選手の自由な移籍を容認しました。そこからスランゴールFCとJDTの間でイブラヒム選手の争奪戦が勃発しました。中盤の選手層が厚く、加入しても出番があるかどうかはわからないJDTに対して、スランゴール州スンガイ・ブロー出身のイブラヒム選手はスランゴールFCには文字通り喉から手が出るほど欲しい選手でしたが、この勝負にはJDTが勝利しています。


マレーシアのサッカーファンでも、そのマレーシア人離れした風貌から新たな外国籍選手と間違えることが多かったイブラヒム選手。国内でもそれだけ無名だったわけですが、それもそのはず。ジョホール州のトゥンク・マコタ・イスマイル・スポーツ高校では、スランゴールFCでプレーするムカイリ・アジマルと同期のイブラヒム選手ですが、18歳で卒業するとマレーシアリーグクラブのセレクションに参加できず、3年間はフードデリバリーなどに従事し、ほとんどサッカーをすることがなかったということです。それでも一昨年に母親の勧めでスリ・パハンFCのセレクションに参加し、トップチームでは2022年シーズンは3試合、翌2023年シーズンは1試合の出場機会を得たものの、大半をU23チームで過ごしたイブラヒム選手ですが、今季のチームの窮状で出場機会を得るとそのチャンスを逃さずに、最後は国内最高峰のクラブ移籍まで手に入れています。

来季の実質2部リーグのA1セミプロリーグは韓国チームを含む16チーム編成に

マレーシア国内リーグは1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグという編成が長らく続いていましたが、2023年シーズンにスーパーリーグとプレミアリーグを統合して新たなスーパーリーグを編成した結果、現在、プレミアリーグは休止状態となっています。

このためスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)とは別団体のアマチュアフットボールリーグ(AFL)が運営する3部A1セミプロリーグが、現在は実質的な2部リーグです。そのA1セミプロリーグに来季2025/26シーズンに参戦する16チームが発表されています。

チーム名備考
1JDT IIJDTのU23チーム
2スランゴールFC IIスランゴールFCのU23チーム
3イミグレセンFC IIイミグレセンFCのU23チーム
4ブンガラヤFC今季A1セミプロリーグ4位
5マレーシア大学今季A1セミプロリーグ5位
6国軍FC今季A1セミプロリーグ8位
7マンジュンシティFC今季A1セミプロリーグ9位
8マチャンFC今季A1セミプロリーグ14位
9クダFAクダ州サッカー協会のチーム。初参戦
10ペラFAペラ州サッカー協会のチーム。初参戦
11KRW FCかつての名門クランタンFCの流れを汲む
12クランタンWTC FC4部A2アマチュアリーグ2024/25 2位
13クダ・ダルル・アマンFCスーパーリーグ撤退から再生を目指す
14プルリスGSA FC4部A2アマチュアリーグ2024/25チャンピオン
15UMダマンサラ・ユナイテッド詳細は不明
16ソウルフェニックスFC今季は韓国K4リーグ所属。詳細は不明

今季2024/25シーズンは15チームが参加したA1セミプロリーグは、優勝したマラッカFCと2位のイミグレセン(入国管理局)FCがスーパーリーグへ昇格しています。


2023年シーズンに発足させたU23チームのリーグ、MFLカップがわずか2シーズンで廃止されたことで、行き場のなくなったU23チームの内、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)、スランゴールFC、そして今季1部スーパーリーグに昇格したばかりのイミグレセンFCの3クラブはU23ちーむをこのA1セミプロリーグに参戦させています。また来季2025/26シーズンにスーパーリーグでプレーするための国内クラブライセンスが交付されず、チームを解散したペラFCの後を継ぐ形でペラ州サッカー協会がマレーシアの国体Sukmaに出場するU23チームを核にした「ペラFA」を創設して参戦しています。同様にクラブライセンスを交付されなかったクダ・ダルル・アマンFCは、クラブを解散せずにそのまま参戦し、これとは別にクダ州サッカー協会のチーム、クダFAも参戦しています。またクランタン・レッド・ウォリアーズFC(KRW FC)を含めたこれのチームは、他のチームが下部リーグから昇格してA1セミプロリーグまた到達しているのに対し、いきなりこのリーグ参戦を認められるなど、マレーシアらしい緩さも見られますが、そこで問題になるのはリーグを運営するAFLの運営能力です。来季途中で突如参戦のどこかのチームに給料未払い問題が発生するようなことがあれば、その審査能力にも疑問符がつきます。

6月16日のニュース<br>・ジョホールにブラジル出身FWが新たに加入<br>・サファウィ・ラシドはKLシティへ移籍<br>・ペナンのキャプテン、ヴィトールは退団しブラジルへ<br>・サバFCも6シーズン在籍のパク・テスらの退団を発表

残り2.5枠をかけた2026W杯アジア4次予選(プレーオフ)がサウジアラビアとカタールの2カ国で集中開催となることをアジアサッカー連盟(AFC)が6月13日に発表していますが、これに対して各国から批判が噴出しています。

このプレーオフにはA組3位のアラブ首長国連邦UAE、同4位のカタール、B組3位のイラン、同4位のオマーン、C組の3位サウジアラビア、同4位のインドネシアが出場し、10月8日から14日までの間、3カ国ずつ2組に分かれて総当たり戦を行い、各組の1位が2026W杯への出場権を獲得します。

こういったプレーオフは当然ながら中立国で開催されるのが常で、AFC本部があり最終予選に残ることがないマレーシアも、かつてはこのプレーオフのような試合で会場としてよく使われることがありましたが、今回はなんとプレーオフに出場するサウジアラビアとカタールで行われるということでAFCに対して批判が続出しているということです。

サウジアラビアで集中開催されたACLエリート決勝トーナメントでも、他国のクラブに対して、優勝したアル・アハリを含めた地元勢に有利な日程になっていたり、組合せ抽選前日に急遽、日程が変更されるなどことでAFCは批判を受けましたが、まぁオイルマネーなしではAFCは立ち行かないということなのでしょう。なおこのニュースをマレーシアで報じた英字紙ニューストレイツタイムズはAFCに問い合わせを行ったということですが、記事執筆の時点では返答がないということです。

ジョホールにブラジル出身FWが新たに加入

あくなき勝利への執念。

今季2024/25シーズンにリーグ11連覇を含む3シーズン連続となる国内三冠を達成したジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が新たなFWを獲得しています。今回加入するのはブラジル出身のジャイロことジャイロ・ダ・シウバです。33歳のジャイロ選手は2021/22シーズンからキプロス1部のパフォスFCでプレーし、2022/23シーズンには18ゴールでリーグ得点王となっています。今季は26試合に出場して10ゴール5アシストの記録を残しています。またUEFAカンファレンスリーグ10試合、UEFAヨーロッパリーグ予選2試合にも出場しています。

JDTはスペイン出身で前スペイン2部カディスCFのCBアントニオ・グラウデル、そして今年3月にマレーシア代表デビューを果たした元オランダU20代表のAMFエクトル・へヴェルをポルトガル2部ポルティモネンセSCから獲得して、来季のACLEでの上位進出を目指しています。


JDTはスペイン2部スポルティング・ヒホンで10番をつけるMFナチョ・メンデスにオファーを出していることが報じられています。オーナーでジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下の趣味なのか、前述の同じスペイン2部カディスCFから加入するアントニオ・グラウデルをはじめ、MFイケル・ウンダバレナ、DMFエディ・イスラフィロフ、AMFフアン・ムニョス、SBオスカル・アリバスら多くのスペイン出身選手がJDTには在籍しています。

メンデス選手についての記事を掲載した英字紙ニューストレイツタイムズによると、27歳のメンデス選手にはスペイン1部ラ・リーガや2部のクラブ複数も興味を示しているということです。

サファウィ・ラシドはトレンガヌからKLシティへ

今季2024/25シーズンはジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からトレンガヌFCにローン移籍していた代表FWサファウィ・ラシドが来季はクアラルンプールシティFC(KLシティFC)でプレーすることをKLシティFCを運営するクアラルンプールサッカー協会(KLFA)のサイド・ヤジド・サイド・オマル会長が明らかにしています。

20歳となる2017年に出身地のトレンガヌからJDTに移籍し、2018年、2019年と2シーズン連続でリーグMVPを受賞、マレーシア代表でも主力となるなど順調だった選手生活が変わってしまったのが2020年のポルトガル1部ポルティモネンセへのローン移籍でした。シーズン途中の10月に移籍したポルティモネンセでは、トップチーム出場どころかU23チームで1試合に出場したのみで、結局、ローン移籍期間を短縮してわずか3ヶ月でJDTに戻りました。

翌2021年には開幕直後のケガで3ヶ月を棒に振ったサファウィ選手ですが、自身が不在だったJDTでその間に同じ右ウィングとして台頭して来たのがアリフ・アイマンでした。アリフ選手はこの2021年シーズンにサファウィ選手に代わって、史上最年少の19歳でリーグMVPを獲得すると、今シーズンまで4季連続でリーグMVPを獲得するスーパースターとなっています。このアリフ選手に押し出される形で、2022年末にタイリーグのラーチャブリーFCにローン移籍します。しかし13試合で1ゴールとマレーシア代表としてはやや寂しい成績でシーズンを終えると、2023年シーズンはJDTに復帰するもリーグ戦出場2試合と激減し、今季はトレンガヌFCへローン移籍していました。リーグ戦とカップ戦合わせて31試合で13ゴールという記録でしたが、20試合以上出場したのは2021年シーズン以来3年ぶりでした。復活の兆しが見えたサファウィ選手ですが、エースのパウロ・ジョズエの退団が濃厚なKLシティFCでは、フル回転が期待されます。

またマレーシア出身の選手に関しては、KLシティFCにはペナンFCからシャマル・クティ・アバの移籍の噂もあります。代表戦出場43試合のMFはやはりJDTからのローン移籍となります。

さらにKLシティは東ティモール代表FWジョアン・ペドロを獲得したことも報じられています。今季はカンボジア1部のアンコール・タイガーでプレーし、26試合で7ゴール6アシストを記録した左WGを主戦場とする26歳のペドロ選手は、PSMマカッサル(インドネシア)、ベンフィカ・デ・マカオ(マカオ)、ウボン・ユナイテッド(タイ)などでプレー経験もあり、5月に行われたマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズ戦には東ティモール代表として出場しています。


今季は未払い給料が一時は7か月に及ぶと報じられたKLシティFCですが、どこから資金を得たかは分かりませんが、サイド・ヤジドKLFA会長は未払い給料は全て支払われていると主張しています。なお今季は6位に終わったKLシティFCですが、財政問題から勝点6を剥奪されており、その6点を加えると順位が1つ上がって5位になるなど、選手の実力ではなく、経営陣によって苦しんだチームが来季は復活しそうです。

ペナンのキャプテン、ラファエル・ヴィトールは退団しブラジルへ

今季10位に終わったペナンFCは、キャプテンでブラジル出身のCBラファエル・ヴィトールの退団、そしてブラジルのセリエB、アマゾナスFCへの移籍が発表されています。

2020年から5シーズンに渡りペナンFCでプレーしてきたヴィトール選手は、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)へ移籍し、マレーシア国籍を所得して、帰化選手として代表入りなどの噂もありました。

強力なリーダーシップを発揮してチームをまとめてきたヴィトール選手の退団は、前述のKLシティFC移籍が噂されているシャマー・クティ・アバの退団とともに、ペナンFCが来季へ向けてチームを大きく刷新する未来を示しています。

ペナンFCには、今季PDRM FCでプレーしたFW鈴木ブルーノに加え、クチンシティFCからFWチェチェ・キプレ、スリ・パハンFCからDFステファノ・ブルンドが加入することが明らかになっている他、ボスニア出身のWGダニーロ・シポヴァッチ(ボスニア1部BSKバニャ・ルカ)、ブラジル生まれで元東ティモールU23代表のAMFチアゴ・フェルナンデス(インドネシア2部プルシカス・スバン)の加入も発表されています。

またマレーシア人選手ではクラブが解散したペラFCから元FC琉球のWGワン・ザック・ハイカルとMFフィルダウス・サイヤディが、また来季のスーパーリーグ参戦を取りやめたクダ・ダルル・アマンFCからSBアリフ・ファルハン、MFアミルル・ヒシャム、CBアクマル・ザヒルの3選手、そしてスランゴールFCから元マレーシア代表GKカイルルアズハン・カリドが加入します。


マレーシア国籍を得て代表入りが噂されていたヴィトール選手の退団は、先日、ベトナム代表に4−0と圧勝したマレーシア代表と関係があるかもしれません。これまでマレーシア代表には国内で5シーズン以上プレーした経験を持つというFIFAの規約に沿って、外国籍選手がマレーシア国籍取得後に代表入り選手が7名おり、今回のベトナム代表との試合でベンチ入りした中では、ブラジル出身のパウロ・ジョズエ(KLシティFC)とエンドリック・ドス・サントス(ベトナム1部ホーチミンシティFC)、そしてロメル・モラレス(JDT)の3名がいます。ここ数年のマレーシア代表は、こういった帰化選手が主力として活躍していました。しかし、今回のベトナム代表戦で11年ぶりの勝利に導いたのは、そういった帰化選手ではなく、国外生まれながらマレーシアにルーツを持つ帰化選手(ヘリテイジ帰化選手)でした。このヘリテイジ帰化選手はマレーシアリーグよりレベルの高いリーグでプレーしていることもあり、今後はこのヘリテイジ帰化選手の方が重用される可能性が高いだけでなく、マレーシアサッカー協会(FAM)や所属するクラブなどがルーツを持たない外国籍選手のマレーシア国籍取得支援を積極的に行わない可能性もあります。

今回退団したヴィトール選手の他、今季のリーグでシーズン最多ゴール記録を樹立したブラジル出身のFWベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)や、KLシティFCのオーストラリア出身CBジャンカルロ・ガリフオコなども、今後代表入りする帰化選手候補と言われていましたが、今回のヴィトール選手、そして以前このブログでも取り上げたマレーシア人と結婚までしてマレーシア国籍取得に前向きだったにもかかわらず、やはりマレーシアを去ったトレンガヌFCのモンテネグロ出身CBアルグジム・レゾヴィッチのケースを見ると、今後はヘリテイジ帰化選手が代表強化の中心となるのではないでしょうか。

サバFCも6シーズン在籍のキャプテン、パク・テスらの退団を発表

今季はJDT、スランゴールFCに次ぐ3位に終わったサバFCは、キャプテンで韓国出身のDFパク・テスら外国籍選手の退団を発表しています。

2019年からサバFCでプレーするパク選手はCBとして99試合に出場して20ゴールを挙げています。35歳のパク選手は自身のインスタグラムストーリーで、今年1月からクラブと契約更新について話し合うことになっていたものの、「チームへの忠誠心と愛ゆえにその話し合いを待ち続け」る一方で、他のクラブへの移籍を考えることなかったと明かしています。さらにクラブに問い合わせても返事はなく、『また後で』とだけ言われ続けた。」と綴り、最後は「サバFCに感謝したい。私はただクラブが選手を人間として、よりプロフェッショナルに扱ってくれることを願っているだけである。(こういった形での退団は)苦いが、これもサッカーの一部なので耐えるつもりだ。」と失望の色を滲ませる投稿を行なっています。

サバFCは、元インドネシア代表WGサディル・ラムダニ、元ポルトガルU17代表MFテルモ・カスタニェイラ、元ギリシャU19代表CBハリス・スタンブリディスの退団が発表されている他、元マレーシア代表MFイルファン・ファザイルら9名のマレーシア人選手の退団も併せて発表されています。


その一方でサバFCは新加入の4選手を発表しています。新外国籍選手2名はニュージーランド代表で12試合出場経験を持つSBデイン・インガム(26歳、オーストラリア1部ニューカッスル・ジェッツFC)と、MFディーン・ペレカノス(24歳、オーストラリア1部ウェスタン・シドニー・ワンダラーズFC)、そしてマレーシア人選手2名はいずれも地元サバ州出身で、今季はPDRM FCでリーグ戦14試合に出場したCBバドルル・アフェンディと、2023年シーズン以来の復帰となるWGマクシアス・ムサとなっています。

6月14日のニュース<br>・「機会があればセランゴールFCの監督になりたい 」本田圭佑氏<br>・佐々木匠選手所属のヌグリスンビランFCが前スランゴールFC監督のニザム・ジャミル監督就任を発表<br>・トレンガヌFCは来季の外国籍選手を最大で4名と発表

来季2025/26シーズンのマレーシアスーパーリーグ出場に必要なクラブライセンスに関して、クアラルンプールシティFC、クランタン・ダルル・ナイムFC、PDRM FCの3クラブは、第一審機関(FIB)から5月31日までに追加で財務状況を説明する書類の提出を行うことを条件に仮交付されていました。期限までに提出された追加書類の審査が完了し、3クラブとも晴れて正式にクラブライセンスが交付されたことをリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)が公式HP上で発表しています。

この結果、来季2025/26シーズンのマレーシアスーパーリーグはブルネイのDPMM FC、3部で1位となったマラッカFC、2位のイミグレセン(入国管理局)FCを加えた14チーム編成となることが決定しています。

機会があれば、セランゴールFCの監督になりたい – 本田圭佑氏

本田圭佑氏の会見の様子。スランゴールFCの公式SNSより。

リップサービスなのはわかっているけどロマンがあるなぁ。

7月27日にセランゴール州プタリン・ジャヤのMBPJスタジアムで開催されるスランゴールFC対アジア・ウォリアーズFCの親善試合の記者会見が6月10日にスランゴールFCのトレニングセンター(スランゴール州シャー・アラム)行われ、アジア・ウォリアーズFCの選手として出場予定の元日本代表、本田圭佑氏が会見に出席しています。

マレーシアリーグの最強チームの一つと対戦できることにワクワクしていると話したその席上で記者からの質問に答える形で、本田氏は「チャンスがあれば、セランゴールFCの監督になりたい」と語ったことが報じられています。 

現役選手と「レジェンド」選手が対戦するお遊びのような試合には、アジア・ウォリアーズFCにはアジア9ヵ国から選手が参加すると伝えられており、今回の会見には39歳の本田氏の他、2022年に現役引退した元シンガポール代表キャップ数142のバイハキ・カイザン(41)、元フィリピン代表のアントン・デル・ロサリオ(43)、フィリピン)、元マレーシア代表選手のラズマン・ロスラン、そして43歳ながら今季も3部A1セミプロリーグでプレーした、やはり元マレーシア代表のインドラ・プトラ・マハユディンが出席しています。

会見では最も多く質問を受けた本田選手は、自分たちよりはるかに若く強いスランゴールFCとの対戦について、最も重要なのは、勝利のために懸命に努力する姿勢であり、それがアジア・ウォリアーズFC が持つべきメンタリティだと語っています。

「(親善試合ではあるが)勝利を目指して戦わなければ、この試合を本当に楽しむことはできない。全力を尽くし、ファンの皆さんに我々の闘志を見せたい。」と語った本田氏ですが、「しかし現実には簡単に負けてしまうリスクが高いことも認識している。もしかしたら後で怪我をするかもしれない。でも、それがサッカーの現実だ」とも述べて会見を締め括っています。 

一方、対戦するセランゴールFCの喜熨斗勝史監督は、アジア・ウォリアーズFCとの親善試合について、「若い選手も含め、全ての選手にプレーする機会を与え、アジアのサッカー界のレジェンドたちと出会う経験を楽しんでもらいたい。これは単なる試合ではなく、彼らにとって最高の選手たちから学ぶための素晴らしいの機会となる」と話しています。


佐々木匠選手所属のヌグリスンビランFCが前スランゴールFC監督のニザム・ジャミル監督就任を発表

先月終了した2024/25シーズンは13チーム中12位と苦しんだネグリスンビランFCは、公式SNS上で前スランゴールFC監督のニザム・ジャミル氏の監督就任を発表しています。ニザム氏は昨シーズン途中の10月にスランゴールFCと双方合意の上で解約を解除していました。その後は苦しい戦いを続けていたヌグリスンビランFC監督就任の噂が何度が上がりましたが、来季の開幕に向けて実現した形になります。

2024/25シーズン開幕前にタン・チェンホー監督(当時、現在マレーシア代表テクニカルディレクター)が突然、タイ1部ポリス・テロFC監督に就任し、これによりニザム氏はコーチから急遽、監督に昇格するという混乱状態で開幕を迎えました。またその際にはこのブログでも何度も取り上げた代表FWファイサル・ハリムに対する酸攻撃の事件があり、その5日後の開幕戦延期を求めるもリーグがこれを拒否した結果、最大のライバル、ジョホール・ダルル・タジムFCの開幕戦を不戦敗でスタートしました。それでもスランゴールFCでは辞任した2024年10月までにリーグ戦、カップ戦合わせて21試合に指揮をとり、13勝3分5敗という成績を残しています。

ヌグリスンビランFCの2024/25シーズンの成績は、24試合で4勝4分16敗、得点23失点49の成績で、首位のジョホール・ダルル・タジムFCとは勝点差54、2位のスランゴールFCとは勝点差36でした。得点、失点ともリーグワースト3位で、攻守両面において立て直しが急務のチームにとって、若手育成では定評があるニザム監督が就任したことで、その手腕に期待が高まりますが、そこで注目されるのは同時に発表された新加入3選手の中の1人、将来を嘱望されながら迷走を続けるFWルクマン・ハキムです。

2018年にマレーシアで開催されたAFC U16選手権(現U16アジア杯)では、グループステージで敗退したマレーシアU16代表の中で、3試合で5ゴールを挙げて大会の得点王を獲得したルクマン選手は、当時マレーシア人ビジネスマンがオーナーを務めていたベルギー1部KVコルトレイクと2019年に5年契約を結びました。しかしトップチームどころかユースチームでの出場機会を得られず、出場機会を求めてアイスランドのクラブや今季はJ3のY.S.C.C.横浜などにローン移籍しましたが、結局は鳴かず飛ばずのまま6月13日に契約満了となり、フリートランスファーでヌグリスンビランFCに加入しています。すでに23歳となったルクマン選手をニザム監督が再び輝かせることができるのかに期待が集まります。

また今季はクアラルンプールシティFC(KLシティFC)でリーグ戦18試合に出場してクリーンシート5試合、クラブ選手権でも出場3試合で2試合でクリーンシートを達成している元代表GKアズリ・ガニ、そして2022年にヌグリスンビランFCで活躍した代表経験もあるDFクザイミ・ピーの加入も発表されています。クザイミ選手はスランゴールFCで2023年から2シーズン過ごしたものの、レギュラー獲得には至らず、古巣での再起が期待されます。

ヌグリスンビランFCには昨季から元Jベガルタ仙台の佐々木匠選手が所属していますが、この佐々木選手は契約初年度ながらチームの司令塔として活躍、外国籍選手で唯一、シーズン途中に早々と来季2025/26シーズンの契約延長が発表されるなど高い評価を得ています。ヌグリスンビランFCは今後はさらに外国籍選手の補強にも動くと言われており、今季は緊縮財政で補強がままならなかったクラブが、一転しての積極補強で来季の巻き返しが期待されます。

トレンガヌFCは来季の外国籍選手を最大で4名と発表

2025/26シーズンのマレーシアスーパーリーグは、最大で15名の外国籍選手(アジア枠1名、アセアン枠2名を含む)を登録することが可能となりましたが、今季5位に終わったトレンガヌFCは、外国籍選手獲得の上限を4名としたことを発表しています。

クラブを運営するトレンガヌフットボークラブ社のモハマド・ファドリ・ラーミ・ズルキフリ取締役は、この決定はクラブの財政的制約によるものであると同時に、マレーシア人選手がプレーする機会を増やすためでもあると述べています。

「今回の決定は、長期的にチームのパフォーマンスを向上させることができると考えられる若い選手の育成に重点を置いているためであり、同時に、あまりに多くの選手を獲得した場合、外国籍選手の給与を支払うことができなくなるという懸念もある。」と語っています。

今季2024/25シーズンは首位のジョホール・ダルル・タジムFCとは勝点差35、2位のスランゴールFCとは同17と話されて5位に終わったトレンガヌFCは、今季は6人の外国人選手を擁していましたが、ウズベキスタン出身のMFヌリロ・トゥクタシノフのみが残留するとされています。一方で今季加入したエルサルバドル代表FWネルソン・ボニージャ、ケガの治療で今季を棒に振ったクロアチア出身のFWイヴァン・マムート、ナイジェリア出身のFWイスマヒール・アキナデ、フィリピン代表MFマヌエル・オット、マレーシアで6年間プレーし、帰化の噂も出ながら結局、マレーシア国籍が取得できなかったモンテネグロ出身DFアルグジム・レドゾヴィッチの5選手は退団が濃厚です。

6月13日のニュース<br>・ベトナム戦勝利でマレーシアのFIFAランキングが19年ぶりに120位代入りか<br>・マレーシア戦欠場のベトナム帰化選手がマレーシアとの再戦に向けて闘志を見せる

ベトナム戦勝利でマレーシアのFIFAランキングが19年ぶりに120位代入りか

マレーシアサッカーにとって歴史的勝利となったベトナム代表戦の余韻が続く中、各メディアではその関連情報が続いています。その一つがベトナム代表戦勝利によるFIFAランキングポイント獲得と、それによるFIFAランキング上昇への期待です。

直近の今年4月の発表ではFIFAランキング131位のマレーシアは、6月10日のアジア杯2027年大会予選で同109位のベトナムに勝利しており、この勝利によって13.99ポイントを獲得した結果、合計ポイントが1,135.54となり、football-ranking.comによると次回7月10日の発表では、5位上昇して126位になることが予想されています。

最後にマレーシアのFIFAランキングが120位代だったのは2006年5月に記録した127位で、もし上記の予想が正しいければ、マレーシアにとっては19年ぶりの120位代復帰となります。

マレーシア戦欠場のベトナム帰化選手がマレーシアとの再戦に向けて闘志を見せる


6月10日のアジア杯2027年大会予選F組では、マレーシア代表がベトナム代表を4-0の大差で破り11年ぶりの勝利となりました。ブラジル出身のジョアン・フィゲイレド、アルゼンチン出身のロドリゴ・ホルガドらが挙げた4点はいずれもマレーシアにルーツを持つ帰化選手(ヘリテイジ帰化選手)によるものでした。

ベトナム代表戦の勝利はこの帰化選手の活躍の影響が大きいですが、それ以外にもベトナム代表の大黒柱が不在だったこともマレーシアにとって幸運でした。その大黒柱とは2024年12月にベトナム国籍を取得したグエン・スアン・ソンことブラジル出身のラファエルソンです。元Jリーグ仙台に所属していたこともあるラファエルソン選手は、同じ12月に開幕した東南アジアサッカー連盟AFF選手権「三菱電機カップ」では、代表デビューとなったミャンマー代表戦で2ゴール2アシストの活躍を見せると、タイ代表との決勝1stレグでの2ゴールも含め5試合で7ゴール2アシストと大爆発し、ベトナム代表の3大会ぶりの優勝に貢献しています。しかしこのラファエルソン選手は、今年2025年1月5日に行われたこの大会の決勝2ndレグの前半で骨折するケガを負い、現時点では完治しておらず、今回のマレーシア代表戦には招集されませんでした。

11年ぶりの敗戦、しかも4失点という大敗の屈辱的な試合後に、このラファエルソン選手が自身のインスタグラムに「2026年3月31日」という日付と黒一色の背景の投稿を行っています。この2026年3月31日という日付は、このアジア杯予選F組の最終節の開催日、マレーシア代表とベトナム代表がベトナムのホームで対戦する日になっています。

日付以外には何の説明もないこの投稿ですが、ラファエルソン選手からマレーシア代表への反抗をほのめかすメッセージであることは間違いなさそうです。

上は日付だけが書かれたラファエルソン選手のインスタグラムの投稿

6月12日のニュース<br>・アジア杯2027予選-帰化選手の4ゴールでマレーシアはベトナムに完勝

アジア杯2027予選-帰化選手の4ゴールでマレーシアはベトナムに完勝

6月10日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場でアジア杯2027年大会3次予選のF組第2節が行われ、マレーシア代表がベトナム代表を4-0で破っています。2014年12月の東南アジア選手権での勝利を最後に、ベトナム代表戦は引き分けを挟んで連敗中だったマレーシア代表にとっては11年ぶりの勝利となりました。

監督2試合目となるマレーシア代表のピーター・クラモフスキー監督が選んだ先発XIは以下の通り。
GKはシーハン・ハズミ(ジョホール・ダルル・タジムFC-JDT)、CBにファクンド・ガルセス(スペイン1部デポルティーボ・アラベス)、左右のSBがマシュー・ディヴィーズ(キャプテン、JDT)、ジョン・イラザバル(アゼルバイジャン1部サバフFK)で構成。中盤は左右のSHにラヴェル・コービン=オング(JDT)、ディオン・クールズ(セレッソ大阪)、中央にはノーア・ライネ(スランゴールFC)とエクトル・へヴェル(ポルトガル2部ポルティモネンセ)を配置。そして前線は左右のWGにジョアン・フィゲイレド(トルコ1部イスタンブール・バシャクシェヒルFK)、アリフ・アイマン(JDT)そしてCFにはロドリゴ・オルガド(コロンビア1部アメリカ・デ・カリ)という布陣でした。国内組はJDTのシーハン、ディヴィーズ、コービン=オング、アリフ、そしてスランゴールFCのライネの5名、またガルセス、イラザバル、フィゲレイド、オルガドの4名はこの試合がマレーシア代表デビュー戦です。

代表戦としては久しぶりに6万人を超える観衆が集まった試合の前半は右サイドのアリフ・アイマンが複数の選手にマークされる中、左サイドからジョアン・フィゲレイドが積極的に仕掛けます。その後はベトナムもペースを掴み、マレーシアに押し込まれながらも決定機を作らせず、0−0のまま試合が進みます。この試合のフセイン・アボ・イェヒア主審(レバノン)は、接触プレーの多くをそのまま流し、両チームが徐々にプレーを荒くしていく中、マレーシアは35分にディオン・クールズのミドルシュートがゴールポストに阻まれると、39分にもフィゲイレドヘディングシュートを放ちますがベトナムGKグエン・フィリップが素晴らしい反応でセーブします。フィリップ選手は前半終了間際にもカウンターからDFをかわして1対1となったアリフ・アイマンのシュートを弾くなど、優勢に試合を進めるマレーシアの前に立ちはだかり、前半はこのまま0-0で終了します。

攻撃陣と守備陣で選手を入れ替えて流れを変えたいベトナムに対し、後半に入ってもマレーシアは積極的に攻め続け、遂に均衡が破れます。49分にセンターサークル付近で相手パスをカットしたフィゲイレドがそのまま持ち込みペナルティエリアの外からシュート!これがベトナムのキャプテン、ド・ドゥイ・マンに当たって高く舞い上がり、GKのフィリップ選手が全く反応できず、ボールはそのままベトナムのゴールに吸い込まれ、マレーシアが代表デビューとなったフィゲイレド選手のゴールで待望の先制点を挙げます。

さらに58分には、やはり代表デビューとなったロドリゴ・オルガドが代表初ゴールを決めます。右サイドハーフのディオン・クールズから前半に比べてマークが緩くなって右サイドのアリフ・アイマンへ出たボールを、アリフ選手が落ち着いて中央へ。これをオルガド選手がベトナムDFを交わして流し込み、マレーシアが追加点を奪います。

ベトナムもペースを上げますが、逆にマレーシアは67分に今度は中央を上がったクールズから再び右サイドのアリフ選手へパスが出ます。アリフ選手はこのボールをファーサイドへ送ると、そこへ走り込んだラヴェール・コービン=オングが押し込んでマレーシアのリードは3点と広がります。

クラモフスキー監督はこの後、オルガド選手に代えてイマノル・マチュカ(アルゼンチン1部ベレス・サルスフィエルド)を投入し、合計5名の帰化選手がこの試合で代表デビューを果たしています。

戦意喪失のベトナム相手にはマレーシアは89分に4点目を挙げます。セレッソ大阪の入団発表からとんぼ返りで日本から戻ったクールズ選手が、アリフ選手に代わって途中出場のエンドリック・ドス・サントス(ベトナム1部ホーチミンシティFC)のクロスを頭で合わせ、89分にゴールを決めています。

マレーシアにルーツがある帰化選手(ヘリテイジ帰化選手)4名が挙げた4ゴールの完勝は、ベトナムのシュートが僅かに2本とファクンド・ガルセス、マシュー・ディヴィーズ、ジョン・イラザバルといったやはりヘリテイジ帰化選手で固めたバックラインがベトナムの攻撃陣を完璧に封じたこと、そしてベトナムの大黒柱グエン・スアン・ソンことラフェエルソンがアセアン選手権のケガが完治せず欠場となっていたことも勝利の要因です。この勝利で11年続いたベトナムの「呪い」を帰化選手の活躍で粉砕したマレーシアは、この勝利で予選F組のトップとなり、各組1位のみが出場する2大会連続のアジア杯出場に一歩近づいています。

なおF組のもう1試合はラオスがネパールを2-1で破り3位に浮上しています。アジア杯2027年大会予選F組の第3節でマレーシアは10月9日にアウェイでラオスと対戦します。


この試合後の会見でマレーシア代表のクラモフスキー監督は、「前半は好機を活かせなかったものの、集中力を切らずにそのまま後半に入り、結果を出したことは素晴らしい。彼らの姿勢が勝利につながったと思っている。」と話す一方で、まだまだ修正すべき点はあるとして、この勝利で浮かれることなく、次戦に向けてさらなるレベルアップをして行かなければならないとも話しています。

一方ベトナム代表のキム監督は今回はマレーシアに圧倒されたと認めながらも、ホームでの対戦が残っていることから、この借りは返すチャンスがあると発言しています。

「この試合に関してはマレーシアはとても強かった。以前よりも良いパフォーマンスを見せるだろうと予測はしていたが、これまで我々が知っているマレーシアよりはるかに強かった。前半は我々のプラン通りの展開となったが、後半は負傷により主力DF(グエン・タイン・チュン、ブイ・ティエン・ドゥン)が2人交代し、これが大きく影響した。」と説明しています。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeちゃんねるより。

2027年アジア杯3次予選F組第2節
2025年6月10日@ブキジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)
マレーシア代表 4-0 ベトナム代表
⚽️マレーシア:ジョアン・フィゲイレド(49分)、ロドリゴ・オルガド(58分)、ラヴェル・コービン=オング(67分)、ディオン・クールズ(89分)

2025年6月10日@ラオス新国立競技場(ヴィエンチャン、ラオス)
ラオス代表 2-1 ネパール代表
⚽️ラオス:ダモト・トンカムサヴァス(13分)、ピーテル・パンタヴォン(49分)
⚽️ネパール:マニッシュ・ダンギ(73分PK)

順位チーム試合勝点
1マレーシア22006066
2ベトナム21015413
3ラオス210126-43
4ネパール200214-30

6月10日のニュース<br>・アジア杯2027予選マレーシア代表対ベトナム代表-試合前会見<br>・マレーシア代表クラモフスキー監督:過去の結果にとらわれず新しい挑戦として試合に臨みたい<br>・ベトナム代表キム監督:大量の帰化選手加入で情報不足を認めるも試合には自信<br>・スランゴールFCの東山コーチがインドネシアU19女子代表監督就任

アジア杯2027予選マレーシア代表対ベトナム代表-試合前会見

マレーシア代表クラモフスキー監督:過去の結果にとらわれず新しい挑戦として試合に臨みたい

本日午後9時にブキ・ジャリル国立競技場でキックオフとなるアジア杯2027年大会予選のF組第2節マレーシア代表対ベトナム代表の試合を前に、両チームの監督とキャプテンが出席して前日会見が行われています。

なおマレーシア代表はベトナム代表には分が悪く、2014年の東南アジア選手権(当時の名称はスズキカップ)の準決勝がハノイで行われた際に4−2と勝利した試合以降は、7度対戦して1分6敗という記録が残っています。

会見でマレーシア代表のピーター・クラモフスキー監督は、5月19日から行ってきた代表合宿で選手が練習に取り組む姿勢を評価し、さらに自分が浸透させようしているサッカーに対する考えを選手が十分に理解していると述べています。

「選手たちは調子が良く、収集しているさまざまな体力指標も向上している。これら全てを選手たちが明日(6月10日)の試合のパフォーマンスに生かしてくれることを期待している」と述べたクラモフスキー監督はさらに「過去の対戦結果を憂慮する必要はない。今回の対戦は選手、監督以下のスタッフにとって新たな挑戦であり、まさにその機会が目の前にあるのだ。」と代表監督就任2戦目となるベトナム代表戦への決意を表明しています。

一方同席したキャプテンのDFマシュー・ディヴィーズ(ジョホール・ダルル・タジムFC)は、2023年9月以来の代表復帰となったグエン・コン・フオン(ベトナム2部ビンフオックFC)と、2024年東南アジア選手権三菱電機カップ優勝の立役者でもあるブラジル出身の帰化選手グエン・スアン・ソンことラファエルソンのいずれもJリーグでプレー経験があるFWが欠場であるものの、決して楽な試合になるとは予想していないと述べています。

またクラモフスキー監督就任後のマレーシア代表については、個人のパフォーマンスの良し悪し以上に選手全員がチームとして機能することの重要性に主眼を置いているのがこれまでの代表監督との違いだと説明した上で、相手が何をしてくるかではなく、自分たちに何ができるかに焦点を当てて試合に臨みたいとも話しています。


クラモフスキー監督の自身の根拠は、今年に入ってから7名が代表入りしたマレーシアにルーツを持つ帰化選手(ヘリテイジ帰化選手)の存在と、今季2024/25シーズンが終了していることによる3週間を超える長期の代表合宿が実現したことにあります。FW3名、MF1名、DF3名と各ポジションに加わったヘリテイジ帰化選手の加入は、代表チームの選手層を厚くしただけでなく、高い身体能力や国外のレベルの高いリーグでプレーすることで身につけた強度などマレーシア人選手のみのチーム編成では欠けている部分を補って余りある補強となっています。

2025年に入ってからマレーシア代表入りが発表されたマレーシアにルーツを持つ帰化選手(ヘリテイジ帰化選手)は以下の通りです。

氏名年齢ポジション出身代表戦初出場
エクトル・へヴェル29AMFオランダ2025年3月
ガブリエル・パルメロ23SBスペイン2025年6月
ファクンド・ガルセス25CBアルゼンチン出場なし
ロドリゴ・オルガド29FWアルゼンチン出場なし
イマノル・マチュカ25WGアルゼンチン出場なし
ジョアン・フィゲレイド29FWブラジル出場なし
ジョン・イラザバル28CBスペイン出場なし

今回のアジア杯2027年大会予選F組では、第1節でマレーシア代表はネパール代表を2−0で、ベトナム代表はラオス代表を5-0でそれぞれ破っており、得失点差でベトナム代表が1位、マレーシア代表が2位につけています。この予選では1位のチームのみがサウジアラビアで行われる本戦に出場できるため、6月10日の試合に勝ったチームはアジア杯出場に近づきます。

ベトナム代表キム監督:大量の帰化選手加入で情報不足を認めるも試合には自信

ベトナム代表のキム・サンシク監督は大量の帰化選手が加わったマレーシア代表の戦力分析に苦慮していると述べています。マレーシア代表はマレーシア人選手に加え、マレーシアにルーツを持つ帰化選手(ヘリテイジ帰化選手)とマレーシア国内で5年以上プレーしてマレーシア国籍を得た帰化選手で構成されており、キム監督は総勢18名の帰化選手の中には今回のベトナム代表戦が代表デビューとなる5名もいることから、戦力分析が不十分で、情報自体が不足していると述べています。

その一方でベトナム代表もこの試合に向けての準備は十分できていると話し、良いパフォーマンスを見せられるだろうと自信を見せています。

またベトナム代表のキャプテン、ド・ドゥイ・マン(ハノイFC)は、ベトナム代表対マレーシア代表のこれまでの対戦成績はベトナム代表有利ではあるものの、帰化選手の存在により、今回の試合は厳しいものになると予想しています。

「マレーシア代表には多くの国外でプレーする選手がおり、しかもとても素晴らしい選手たちだ。明日(6月10日)の試合は厳しいものになるだろうが、我々も目標があり、強い決意で臨むつもりだ。」と述べたド・ドゥイ・マンは、2週間前のマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズ戦以来となるブキ・ジャリル国立競技場での試合について、自身が初めてブキ・ジャリル国立競技場で試合を行った2018年の東南アジア選手権決勝(ベトナム代表が最終的に3−2でマレーシア代表を破って優勝)のような試合にはならないだろう、とも述べています。

「2027年アジア杯に出場するためには、我々にはこの試合が最も重要であり、最も困難な試合になる可能性がある。攻守ともにチームとして機能することができれば、実力を発揮でき、勝点も得られるだろう」とド・ドゥイ・マン選手は話しています。

スランゴールFCの東山コーチがインドネシアU19女子代表監督就任

インドネシアサッカー協会(PSSI)は、スランゴールFCユースチームのコーチを務める東山晃氏が、インドネシアU19女子代表の監督に就任することを発表しています。

現在35歳の東山氏は北陸大学からサムットプラカーン・ユナイテッドへ加入してプロ選手としての道を歩み始めるとタイ、カンボジア、モンゴル、ニュージーランドなどでの現役生活を経て2018年に現役を引退すると、モンゴルやタイのクラブでの指導者をへて、2020年にマレーシア2部プレミアリーグに昇格を果たしたクチンFA(現クチンシティFC)で監督に就任しました。

クチンFAでは昇格初年度のチームをコロナ禍の影響で試合数が半減したシーズンながらリーグ4位に導き、この年のナショナルフットボールアウォーズでも最優秀監督賞の候補にあがりました。そしてその手腕が評価された東山氏は、翌2021年シーズンには同じプレミアリーグで2020年シーズンに8位だったクランタン・ユナイテッド(現クランタン・ダルル・ナイムFC)の監督に就任します。このシーズンのクランタン・ユナイテッドは東山氏とともにクチンFAから移籍した谷川由来選手の他、元日本代表の本山雅志選手、前岩手グルージャの深井脩平選手も加入し、メディアも「サムライ集団」などと評するなど注目を集めました。

しかし2021年シーズン開幕から11試合を5勝1分5敗の4位で前半戦を折り返すと、クラブはここで、「タイなど外国で若い選手の指導の経験があり、若手選手の指導に適任だ」という謎の理由から、東山氏をテクニカル・ディレクターに配置転換する発表を行い、U21やU19チームの指導を任されます。クラブはシーズン残りの9試合を3勝1分5敗として、最終成績も東山監督「更迭」前の4位から7位へと下がってしまいました。

翌年2022シーズンまで在籍したクランタンから、2023年には東山氏はスランゴールFCのユースコーチに就任します。スランゴールFCには今季2024/25シーズン途中から喜熨斗勝史監督、そして大宮などでプレーしたディビッドソン・純・マーカス氏がコーチに就任するなど、今後は「日本路線」で行くのかと思っていましたが、そうはなりませんでした。

PSSIによる発表の中で東山氏は「インドネシアには大きな可能性があり、自分が監督就任を決めたのもそれが理由の一つで、是非とも挑戦してみたいと思った。」と話しています。ちなみにPSSIの発表した東山氏の経歴では、タイやモンゴル、ニュージーランドでの指導経験については触れられていますが、マレーシアで指導した5年間についてはなぜか一言も触れられていません。(苦笑)

発表の中で東山氏は、自身のさまざまな国での指導経験から異なる文化下での指導に慣れていると話し、その国のサッカーにこれまでも敬意を表してきたと述べ、選手だけでなく自分人も指導者として常に学び続け、成長し続けるために全力を尽くすことをモットーとしているとも述べています。体力や技術の重要性とともにサッカーに対しての情熱を持ってプレーできるかも重視したいとも話している東山氏は、将来のW杯出場を目指す女子代表の望月悟監督とも同じ考えを持っていると話し、代表強化のために強固な基礎を作ることと目標としたいと話しています。なお東山氏の最初の仕事は、既にベトナムのホーチミンで開幕している東南アジアサッカー連盟(AFF)U19女子選手権となりそうです。


かつてはベトナム代表監督のパク・ハンソ、インドネシア代表監督のシン・テヨン、そしてマレーシア代表監督のキム・パンゴン韓国出身の指導者が席巻していた東南アジアのサッカーですが、近年は日本出身指導者が激増し、ざっと調べてみただけでも以下の9カ国14名がいます。てかアセアン10カ国の中でサッカー協会・代表関連で日本人指導者がいないのマレーシアだけのようです…。

・ベトナム:元日本代表の越田剛史氏がベトナムサッカー協会(VFF)のテクニカルディレクター(TD)、沖山雅彦氏がVFFの女子サッカー統括・育成女子代表監督
・タイ:元Jリーグ鹿島の石井正忠氏が男子代表監督、元女子日本代表監督の池田太氏が女子代表監督
・ミャンマー:元日本代表の黒崎久志氏がU22代表の監督、末岡龍二氏が同じU22代表のコーチ
・カンボジア:Jリーグ清水監督で、ブータンやネパールの代表監督も務めた行德浩二氏が代表監督、市川重明氏がTD
・フィリピン:土田哲也氏がフィリピンサッカー協会(PFF)のTD
・シンガポール:元Jリーグ大宮監督の小倉勉氏が代表監督
・ブルネイ:埴田淳氏がU23代表の監督
・インドネシア:元日本女子代表コーチの望月悟氏が女子代表監督、東山晃氏がU19女子代表監督
・ラオス:元女子日本代表の豊田奈夕葉氏が女子代表監督

6月9日のニュース<br>・帰化選手大量招集のマレーシア代表に近隣諸国から疑惑の声が上がる<br>・オランダ出身の帰化選手エクトル・へヴェルがジョホールへ加入<br>・帰化選手のイマノル・マチュカは第一子誕生よりもマレーシア代表を優先<br>・ジョホールがプレミアリーグ監督経験者のシスコ・ムニョス氏の監督就任を発表<br>・新規参入のブルネイDPMM FCにマレーシア代表MFが加入

帰化選手大量招集のマレーシア代表に近隣諸国から疑惑の声が上がる。

6月10日のアジア杯2027年大会予選の2戦目となるベトナム代表戦を控えて、ブラジルやアルゼンチン、スペイン、オランダ出身のマレーシアにルーツを持つ帰化選手を次々と招集しているマレーシア代表に周辺国から疑惑の目が向けられています。

2025年に入ってからマレーシア代表入りが発表されたマレーシアにルーツを持つ帰化選手は以下の通りです。

氏名年齢ポジション出身代表戦初出場
エクトル・へヴェル29AMFオランダ2025年3月
ガブリエル・パルメロ23SBスペイン2025年6月
ファクンド・ガルセス25CBアルゼンチン出場なし
ロドリゴ・オルガド29FWアルゼンチン出場なし
イマノル・マチュカ25WGアルゼンチン出場なし
ジョアン・フィゲレイド29FWブラジル出場なし
ジョン・イラザバル28CBスペイン出場なし

今回の対戦国であるベトナムや、タイ、インドネシアなど周辺国のサッカーファンからは、ブラジルやアルゼンチン、スペインにマレーシアにルーツを持つ選手がいるなど信じられないという声が多く上がっています。

東南アジアでは、かつては同じポルトガルの植民地だったブラジル出身の選手を自国にルーツを持つ選手と偽って代表入りさせるため、東ティモールサッカー協会が主導して出生証明や洗礼証明を偽造して12名のブラジル人選手をアジア杯予選やW杯予選に出場させた事件もあり、SNS上ではFIFAにマレーシアサッカー協会(FAM)を対象とした正式な調査を求める意見なども見られます。


帰化選手については、マレーシア国内でもそのルーツが最初から明かされなかったことから、メディア関係者を中心に、各選手がどのようなルーツを持つのかを明らかにすべきという意見が出る一方で、このご時世にリスクを冒してまでFAMが偽の帰化選手などを代表入りさせるはずがないという意見もあり、マレーシア国内でも皆が納得しているわけではありません。ここ数日になって、ガルセス選手にはマレーシア出身の祖母がいるだとか、へヴェル選手の祖父はマラッカ出身だとかという報道が出始めましたが、こういった報道で「疑惑」が収まるのかどうかは不明です。

オランダ出身の帰化選手エクトル・へヴェルがジョホールへ加入

6月10日にアジア杯2027年大会予選ベトナム代表戦に向けて、次々と帰化選手の加入が発表されているマレーシア代表。今年に入ってすでに6名のマレーシアにルーツを持つ外国出身の帰化選手が代表に招集されていますが、いち早く今年3月のアジア杯2027年大会予選ネパール戦でデビューしたのがオランダ出身のAMFエクトル・へヴェルでした。この試合では先制ゴールを決めるなど、ネパール代表戦勝利に貢献したへヴェル選手はポルトガル2部ポルティモネンセSC所属でしたが、この度、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)入りすることが明らかになっています。

6月10日に行われるアジア杯予選第2戦のベトナム代表戦でも先発が予想されるへヴェルは、5月29日、そして6月3日に行われたカーボベルデ代表との国際親善試合には出場しませんでした。


これが発表になった後にXにも投稿しましたが、この移籍の話を聞いて思い出したのが2022年にベルギー1部のKASオイペンとの契約満了後にJDTに加入したスペイン生まれのジョルディ・アマトのことでした。スペインのカタルーニャ州出身のアマト選手は、地元のRCDエスパニョールのユースからBチームを経てトップチームまで昇格すると、その後は同じスペインのラージョ・バジェカーノ、英国2部のスウォンジー・シティAFC、スペインのレアル・ベティス、そしてKASオイペンを経て、2022年6月にJDT入りしています。スペインの年代別代表でもプレー経験があったアマト選手ですが、JDT入りに先立つ2022年5月にインドネシア国籍取得希望を表明しました。母方の祖母は現在のインドネシア南スラウェシ州マカッサル出身でかつて存在した王家の血を引く「王子」として、同年11月にインドネシア国籍を取得したアマト選手でしたが、その時にインドネシアサポーターからは、JDTで試合に出やすくなるために東南アジア選手枠を使うためのインドネシア国制取得なのではという非難と、インドネシア代表に貢献するのであれば、レベルの低いマレーシアではなくヨーロッパのリーグに残るべきという声でした。

アマト選手のインドネシア国籍取得反対には1万5000を超えるオンライン署名が集まり、国会議員の一部からも国籍取得手続きを慎重に行うべきといった意見も出ましたが、同年12月には東南アジア選手権「三菱電機カップ」のカンボジア代表戦に先発してインドネシア代表デビューを果たしています。しかし2022年3試合、2023年8試合、2024年はケガの影響もあり8試合と出場していた代表戦も、2026年W杯予選の日本戦以降はベンチ外や出場機会なしが4試合続いています。マレーシアでプレーを続けたことでレベルダウンしたのか、はたまたパトリック・クライファート監督就任に現れているようにかつての宗主国オランダ出身選手が増えたチーム状況に合わなくなったのか、その理由は不明です。

ちなみにアマト選手は2024/25シーズンを最後にJDTを退団するとされており、リーグ2連覇中のプルシブ・バンドンやバリ・ユナイテッドなどインドネシア1部の複数のクラブが獲得に動いているという情報もあります。

帰化選手のイマノル・マチュカは第一子誕生よりもマレーシア代表を優先

6月10日のベトナム代表戦に向けた合宿を行っているマレーシア代表に初めて合流したイマノル・マチュカ(アルゼンチン1部CAベレス・サルスフィエルド)は、今週生まれたばかりの第一子の顔を見ることなく代表合宿入りしていると、英字紙スターが報じています。

夫人の出産には立ち会わず、30時間かけてアルゼンチンからマレーシアへ移動したマチュカ選手は、SNSで長男の誕生を明らかにしています。

ブラジルのフォルタレーザECからCAベレス・サルスフィエルドへローン移籍中のマチュカ選手は、ベトナム代表戦に向けて初めて招集されたマレーシアにルーツを持つ5名の帰化選手のうちの1人で、25歳のウィングの選手です。

マレーシア代表のピーター・クラモフスキー監督は、6月6日にこのマチュカ選手を含めた代表合宿の第3段階となる最終メンバー30名を発表。シャミル・クティ(JDT)、ジクリ・カリリ(スランゴールFC)、ハキミ・アジム(クアラルンプールシティFC)が外れた一方で、セレッソ大阪での入団披露が行われた日本から戻ったディオン・クールズがメンバー入りしています。

アジア杯2027年大会予選は各組の1位のみが本戦に出場でき、予選F組では初戦でラオスに5−0と勝利したベトナムが首位、ネパールに2−0で勝利したマレーシアが勝点で並んでいるものの、得失差で2位につけています。マレーシアは2014年の東南アジア選手権での勝利を最後に、現在は1引き分けを挟んでベトナムに7連敗中ということもあり、恥も外聞もなく帰化選手を集めて今回の試合での勝利を目指しています。

2025年6月マレーシア代表合宿最終メンバー
GK:シーハン・ハズミ(JDT)、シーク・イズハン(スランゴールFC)、アズリ・ガニ(KLシティFC)、ハジク・ナズリ(ペラFC)
DF:ラヴェル・コービン=オング、ジュニオール・エルドストル、マシュー・ディヴィーズ、シャールル・サアド(以上JDT)、ハリス・ハイカル、クエンティン・チェン(以上スランゴールFC)、ダニエル・ティン(サバFC)、ウバイドラー・シャムスル(トレンガヌFC)、ディオン・クールズ(J1セレッソ大阪)、 ファクンド・ガルセス(スペイン1部デポルティーボ・アラベス)、ガブリエル・パルメロ(スペイン4部CDテネリフェB)、ジョン・イラザバル(アゼルバイジャン1部サバFK)
MF:アフィク・ファザイル、ナズミ・ファイズ(いずれもJDT)、ノーア・ライネ(スランゴールFC)、スチュアート・ウィルキン(サバFC)、エンドリック・ドス・サントス(ベトナム1部ホーチミンシティ)、エクトル・へヴェル(ポルトガル2部ポルティモネンセSC)
FW:アリフ・アイマン、ロメル・モラレス(以上JDT)、ファイサル・ハリム(スランゴールFC)、 サファウィ・ラシド(トレンガヌFC)、パウロ・ジョズエ(KLシティFC)、イマノル・マチュカ(アルゼンチン1部CAベレス・サルスフィエルド)、ジョアン・フィゲレイド(トルコ1部イスタンブール・バシャクシェヒルFK)、ロドリゴ・オルガド(コロンビア1部アメリカ・デ・カリ)

ジョホールがプレミアリーグ監督経験者のシスコ・ムニョス氏の監督就任を発表

マレーシアスーパーリーグ11連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、8月に開幕予定の2025/26シーズンに向けてシスコ・ムニョス新監督の就任をクラブ公式SNSを通じて発表しています。

スペイン出身のムニョス監督は45歳で、現役時代は2003/4シーズンにスペイン1部リーグとUEFAカップに優勝を果たしたバレンシアやレアル・ベティス、レバンテUDなどでプレーした後、現役終盤にプレーしたジョージア1部のディナモ・トビリシで2020/21シーズンにコーチから監督に昇格して8勝3敗の成績を収めると、シーズン途中に英国2部のワトフォードFCの監督に転身します。開幕から低迷していたワトフォードFCは、ムニョス監督就任後は快進撃を始めます、チームは途中5連勝なども記録、ムニョス監督自身も月間最優秀監督を獲得するなどしてこのシーズンを2位で終えたワドフォードFCを降格から1シーズンでプレミアリーグへ昇格させます。

しかし2021/22シーズンのプレミアリーグでは開幕から7試合で15位と低迷すると、ムニョス監督は更迭され、その後はウエスカSD(スペイン2部)、アノルトシス・ファマグスタ(キプロス1部)を経て、今度はシェフィールド・ウエンズデーの監督として2023/24シーズンに英国2部に復帰します。しかしチームが開幕からの10試合でわずか2勝と苦しむとあっさり解雇となり、その後はスロバキア1部のFC DAC 1904ドゥナイスカー・ストレダで、監督2シーズン目を迎えた昨年11月末に開幕15試合で6勝4分5敗の成績で更迭されています。


リーグ11連覇中、特に過去3シーズンは連続で国内三冠達成と国内では圧倒的な強さを誇るJDTですが、オーナーのジョホール州摂政、トゥンク・イスマイル殿下があくなき勝利を目指すチームの監督は安泰ではありません。11連覇の最初となる2014年シーズン優勝をもたらしたボヤン・ホダック監督(現インドネシア1部ブルシブ・バンドン監督)は1年で交代、以降は2度監督を務めたエクトル・ビドリオ監督を含めてのべ10名が監督を務めています。リーグ11連勝なので、この全ての監督が国内リーグでは優勝を果たしていますが、常連となっているACLでの成績がグループステージ止まりやノックアウトステージ1回戦止まりでは次のシーズンまで首がつながらないのが、JDTの厳しいところです。

新規参入のブルネイDPMM FCにマレーシア代表MFが加入

2025/26シーズンからマレーシアスーパーリーグに参入するブルネイDPMM FCは、マレーシア代表MFのセルヒオ・アグエロの加入を公式サイトで発表しています。

31歳のアグエロ選手はアルゼンチン出身で、マレーシアリーグで5年以上プレーしたこ後、マレーシア国籍を取得して2022年にマレーシア代表入りすると、2024年12月の東南アジア選手権「三菱電機カップ」シンガポール代表戦まで15試合に出場して3ゴール2アシストの成績を残しています。また5月28日に行われたマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズ戦にマレーシア代表として出場して1-0の勝利に貢献、試合後にはマンUのルベン・アモリム監督から最も高い評価を受けています。

今季はリーグ8位に終わったスリ・パハンFCでプレーし、」25試合に出場し5ゴール3アシストを記録しています。なおスリ・パハンFCは、今季終了後に経営上の問題から来季のスーパーリーグ参加が不透明だったこともあり、多くの主力選手の放出しましたが、アグエロ選手もその1人で、当初は今季最下位だったクランタン・ダルル・ナイムFCへの移籍なども噂されていました。

ブルネイを拠点とするDPMM FCは、自国のブルネイ人選手と所属するマレーシア人選手について、スーパーリーグではマレーシア人選手と同じ扱いとすることが認められており、今季はペナンFCで22試合に出場したDFファイルズ・ザカリア、ペラFCで26試合に出場したDFトミー・マワトの加入を発表している他、かつてマレーシアリーグでもプレー経験のあるフィリピン代表CBアマニ・アギナルドをタイ1部ラヨーンFCから、インドネシア代表CFラマダン・サナンタをインドネシア1部プルシスソロからそれぞれ獲得、またアイスランド代表DFダミール・ムミノビッチ、北マケドニア代表GKクリスティヤン・ナウモフスキの残留なども発表しています。

6月5日のニュース<br>・ディオン・クールズがC大阪に加入-マレーシア人選手として初めて J1でプレーへ<br>・マレーシア代表にアルゼンチン出身2名、ブラジル出身1名、スペイン出身1名の計4名の帰化選手が合流<br>・ジョホールが早くも来季に向けてスペイン出身DFを獲得

ディオン・クールズがC大阪に加入-マレーシア人選手として初めて J1でプレーへ

​発表が時間の問題とされていたマレーシア代表DFのディオン・クールズのセレッソ大阪入りが正式に発表されています。これによりクールズ選手はマレーシア人選手としては初めてJ1の舞台でプレーすることになります。

父親がベルギー人、母親がサラワク州クチンの出身であるクールズ選手はセレッソ大阪への加入が発表された6月4日が誕生日でこの日29歳になりました。ベルギーではU21代表などの年代別代表などでもプレーした後、ベルギー1部のクラブ・ブルッヘ、デンマーク1部のFCミッティラン、ベルギー1部のSVズルテ・ワレヘム、チェコ1部FKヤブロネツなどでプレーし、2012年にマレーシアのパスポートを取得して代表入りし、同年6月3日のW杯2022アジア予選のアラブ首長国連邦戦で代表デビューしています。さらに2022/23シーズン途中にタイ1部のブリーラム・ユナイテッドに移籍すると、当時の石井正忠監督(現タイ代表監督)のもとでもプレーし、このシーズンからブリーラム・ユナイテッドの3季連続の国内三冠獲得、さらには今季のアセアンクラブ選手権優勝にやACLエリートでのベスト8進出にも貢献しています。

マレーシア代表では、これまで31試合に出場してキャプテンも務めるなど、こちらでも主力選手として主にセンターバックやサイドバック・ウイングバックとして出場し、通算4ゴールを挙げています。

クールズ選手がJ1で成功すれば、J1クラブからマレーシア人選手への注目も集まる可能性もあり、是非とも素晴らしいパフォーマンスを期待したいところです。なおクールズ選手は6月10日のアジア杯2027年大会予選のベトナム代表戦にも出場が予想されることから、J1デビューは6月14日のFC東京戦が有力とされています。


マレーシア人選手はこれまで3名がJリーグで、1名が JFLでのプレーを経験しています。新しいところではいずれも昨シーズン、J3のY.S.C.C.横浜でプレーしたFWルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイクからローン移籍)や、同じJ3のFC大阪にスランゴールFCから5ヶ月間のローン移籍したムハンマド・カリル、そして2019年に当時J2のファジアーノ岡山に加入し、J3のアスルクラロ沼津を経て2023年に退団したFWハディ・ファイヤッド(PDRM FC)がいます。

しかし、2016年AFC U16選手権(現U17アジア杯)で得点王となった経験もあるルクマン選手は、リーグ戦とカップ戦合わせて9試合に出場(出場時間134分)、ムハンマド選手は出場0で退団しています。また19歳でマレーシアU23代表に選ばれるなど将来を嘱望されたハディ選手は、所属していたジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーでジョホール州皇太子(当時)のトゥンク・イスマイル殿下の反対を押し切り、JDTとの契約を解除してまで移籍した岡山でしたが、結局出場機会はなく、そこから出場機会を求めてローン移籍した沼津での練習中に右膝前十字靭帯断裂の重傷を負い、そのリハビリなどで結局、沼津での3試合(出場時間43分)のみでマレーシアに戻っています。

2013年には当時JFLのFC琉球に、マレーシアU22代表のワン・ザック・ハイカルとナジルル・ナイムが加入しています。2012年ロンドンオリンピック予選で日本に0−2と敗れたマレーシアでしたが、この両選手がスカウトの目に留まったと言われています。2013年3月に両選手は2年契約を提示されましたが、ワン・ザック選手は2試合(試合出場81分)、ナジルル選手は出場なしでともにマレーシアに戻っています。JDTからのオファーを蹴ったこともあるワン・ザック選手は昨季はペラFCでプレーし、ナジルル選手は今季は出場記録がありません。(記録はTransfarmarktを参照しています。)

マレーシア代表にアルゼンチン出身2名、ブラジル出身1名、スペイン出身1名の計4名の帰化選手が合流

6月10日のベトナム代表戦を前にマレーシア代表の補強が加速しています。

昨日のこのブログでも新戦力候補について取り上げましたが、マレーシアサッカー協会(FAM)は6月4日に正式に4名の帰化選手の代表合宿合流を発表しています。実際にはこの4選手は既に合宿に参加しています。この4選手は既にFIFAとAFCの承認を受けており、いずれも6月10日に行われるアジア杯2027年大会予選ベトナム代表戦に出場が可能だということです。

今年3月のアジア予選ネパール代表戦でデビューしたMFエクトル・へヴェル(ポルトガル2部ポルティモネンセ)、5月29日に行われた国際新全試合カーボベルデ代表戦でデビューしたSBガブリエル・パルメロ(スペイン4部CDテネリフェB)に続き、この合宿では今季ラ・リーガで15位に終わったディポルティーボ・アラベスでプレーするアルゼンチン出身の25歳、ファクンド・ガルセスがマレーシア代表候補となったことをマレーシアサッカー協会(FAM)が既に発表しています。身長189cmのガルセス選手はアルゼンチン2部のCAコロンから今年1月にディポルティーボ・アラベスに移籍し、今季のラ・リーガでは20試合にベンチ入りし、7試合に先発、3試合に途中出場しています。

6月4日に新たにマレーシア代表入りが公式発表されたのは、アルゼンチン出身のFWロドリゴ・オルガド(29歳、コロンビア1部アメリカ・デ・カリ)とFWイマノル・マチュカ(25歳、アルゼンチン1部CAべレス・サルスフィエルド)、スペイン出身のDFジョン・イラザバル(28歳、アゼルバイジャン1部サバフFK)、そしてブラジル出身のFWジョアン・フィゲイレード(29歳、トルコ1部イスタンブール・バシャクシェヒルFK)の4選手です。

オルガド選手は今季ここまで15試合に出場して7ゴール1アシストの成績を残している一方、ブラジルのフォルタレーザECからローン移籍中のマチュカ選手は出場2試合となっています。またFWのフィゲイレード選手は2023年2月からプレーするトルコ1部リーグで90試合で18ゴール2アシストを記録、イラザバル選手は、リーグ5位のサバフFKの今季リーグ戦とカップ戦を合わせた39試合中37試合で先発を果たしています。

なおこれまで噂に上がっていたギリシャ1部パンセライコスSCで今季19ゴールを挙げて得点王に輝いたスペイン出身のFWヘフテ・ベタンコール(31歳、ギリシャ1部パンセライコスSC)については、マレーシア代表入りの発表はありませんでした。

ジョホールが早くも来季に向けてスペイン出身DFを獲得

代表強化のニュースに隠れて王者ジョホールもひっそりと補強

マレーシアスーパーリーグの2025/26シーズンは8月に開幕しますが、3シーズン連続国内三冠を達成した王者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)が新戦力として、スペイン出身のCBアントニオ・グラウデルの加入を発表しています。来季に向けての契約第1号となった29歳のグラウデル選手は、バルサやビジャレアル、エスパニョールなどのユースを経て、CFフエンラブラダ、SDエイバル、アルバセテ・バロンピエ、カディスCFなどでのプレー経験があります。

グラウデル選手の加入は、クラブの公式SNSで発表されていますが、その投稿映像中でに身につけたユニフォームの背番号が5だったことが、マレーシアのサッカーファンをざわつかせています。今季のJDTの背番号5を担っていたのはインドネシア代表で同じスペイン出身のCBジョルディ・アマトでしたが、多くの外国籍選手を放出することを明らかにしているJDTは現時点ではアマト選手の去就が発表しておらず、このまま退団となる可能性が取り沙汰されています。


6月4日のニュース<br>・カーボベルデ代表との2戦目は0-3の完敗<br>・ベトナム代表戦に向けて準備着々-今季のラ・リーガで10試合出場のアルゼンチン出身CBがマレーシア代表入り

カーボベルデ代表との2戦目は0-3の完敗

6月3日にマレーシア代表対カーボベルデ代表の2試合目が非公開で行われ、初戦ではFIFAランキング131位のマレーシア代表と引き分けていた同72位のカーボベルデ代表が主力選手の活躍で3−0と快勝しています。

セリエAのエラス・ヴェローナでプレーする24歳のFWダイロン・リブラメントが35分と48分にゴールを決めた他、マッカビ・ネタニヤFC(イスラエル1部)でプレーするFWヘリベルト・タバレスが55分にゴールを決めています。

5月29日に行われた同じカードでは、カーボベルデ代表が先制するも、途中出場のパウロ・ジョズエ(クアラルンプールシティFC)がゴールを決めて、引き分けていました。

この試合は6月10日のアジア杯2027年大会予選のベトナム代表戦に臨むマレーシア代表の最後の実戦機会でした。

ベトナム代表戦に向けて準備着々-今季のラ・リーガで10試合出場のアルゼンチン出身CBがマレーシア代表入り

しかし地球の裏側からよく見つけてくるよなぁ。

6月10日のアジア杯2027年大会予選ベトナム代表戦に向けてスペイン1部ラ・リーガで今季10試合に出場したCBがマレーシア代表入りを果たしています。今季ラ・リーガで15位に終わったディポルティーボ・アラベスでプレーするアルゼンチン出身の25歳、ファクンド・ガルセスがマレーシア代表候補となったことをマレーシアサッカー協会(FAM)が発表しています。身長189cmのガルセス選手はアルゼンチン2部のCAコロンから今年1月にディポルティーボ・アラベスに移籍し、今季のラ・リーガでは20試合にベンチ入りし、7試合に先発、3試合に途中出場しています。

FAMはガルセス選手が既に代表合宿に参加している他、6月10日のベトナム代表戦の登録メンバーにも入っており出場可能であることも明らかにしています。アルゼンチンのサンタフェ出身のガルセス選手がどのようにマレーシアとの繋がりを持っているのかに対し、アルゼンチンのメディアのradigol.comは、ガルセス選手がマレーシア出身の祖母を持つと報じているということです。


隣国インドネシアに負けじと、マレーシアもその血を引くヘリテージ帰化選手を代表入りさせています。今年3月のアジア杯2027年大会予選ネパール代表戦では、オランダ出身で、オランダ年代別代表でもプレー経験を持つMFエクトル・へヴェル(ポルトガル2部ポルティモネンセ)が代表デビューし、先週5月29日に行われたFIFAランキング72位のカーボベルデ代表戦では、スペイン生まれの23歳、SBガブリエル・パルメロ(スペイン4部CDテネリフェB)がやはりデビューを果たしています。

またアルゼンチン出身のFWロドリゴ・オルガド(29歳、コロンビア1部アメリカ・デ・カリ)とFWイマノル・マチュカ(25歳、アルゼンチン1部CAべレス・サルスフィエルド)、スペイン出身のFWヘフテ・ベタンコール(31歳、ギリシャ1部パンセライコスSC)とDFジョン・イラザバル(28歳、アゼルバイジャン1部サバフFK)の4選手もベトナム代表戦に向けてマレーシア代表入りが伝えられています。オルガド選手は今季ここまで15試合に出場して7ゴール1アシストの成績を残している一方、ブラジルのフォルタレーザECからローン移籍中のマチュカ選手は出場2試合となっています。またFWのペタンコール選手は今季のリーグ戦全30試合に全て先発し、19ゴールを挙げてリーグ得点王に輝き、イラザバル選手は、リーグ5位のサバフFKの今季リーグ戦とカップ戦を合わせた39試合中37試合で先発を果たしています。

2014年12月の東南アジア選手権で勝利して以降、現在まで0勝1分7敗のベトナム代表相手にこの帰化選手たちが躍動すれば、11年ぶりの勝利も夢ではなさそうですが、この大事な試合直前に各選手が合流して、チーム内連携が取れるのかどうかが鍵となりそうです。


マレーシア代表の「大型補強」の記事を読んで最も興味深いのは、オルガド、ペタンコールの両FWです。6月10日に対戦するベトナム代表とは1引き分けを挟んで7連敗中ですが、この間は3得点15失点という記録が残っています。1試合平均で1得点以下では勝てるわけがないのですが、今回はこの強力FW2枚が加わることで、得点力不足の解消も大いに期待できそうです。

その一方で、この両選手が不在だった先日5月29日の試合でマレーシア代表のピーター・クラモフスキー監督は、本来は右ウイングのサファウィ・ラシド(トレンガヌFC)をセンターフォワードとして起用、左右にファイサル・ハリム(スランゴールFC)、アリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジムFC)を配置する攻撃陣でしたが、身体能力、技術も勝るカーボベルデのDF陣と対等に戦えたのはアリフ・アイマンだけでした。このマレーシアの至宝と完全にポジションが被り、出場機会を失いつつあるサファウイ・ラシドにとっては、カーボベルデ戦でのセンターフォワード起用は初めてのポジションながら新境地を開拓する機会でした。試合後のインタビューでは、CF起用には問題がなかったと述べたサファウィ選手ですが、スタンドから見る限りでは、インパクトを残すことはできなかった印象でした。しかも交代で入ったパウロ・ジョズエ(クアラルンプールシティFC)が少ないチャンスを生かしてゴールを決めており、おそらくベトナム戦で起用されるであろうオルガド、ペタンコールの両選手がゴールを決めることがあれば、アジア杯の2大会連続出場は近づきますが、ボラセパマレーシアJPがイチオシするサファウイ選手の代表チームでの居場所がなくなってしまいそうです。