7月4日のニュース<br>・CAFAネイションズカップ組み合わせ発表-マレーシアはイランと同組<br>・KLシティにジョホールからのローン移籍選手が集結-昨季は給料未払いを抱えたクラブにとってはお得な補強!?<br>・KLシティはヴィダコヴィッチ新監督就任を発表<br>・スランゴールは元甲府のリラを獲得、U23でプレーのアフガン代表もトップチーム昇格でFW強化

CAFAネイションズカップ組み合わせ発表ーマレーシアはイランと同組

8月下旬にタジキスタンとウズベキスタンで開催される中央アジアサッカー連盟CAFAネイションズカップ2025年大会の組み合わせが発表され、招待チームとしてこの大会に参加するマレーシアは、日本に次ぐアジア2位のイランと同じB組に入っています。

先月のAFCアジア杯2027年大会予選でベトナム代表を4−0と撃破したことで、俄然注目を集めることになったマレーシア。そのおかげか、今回が第2回大会となるこのCAFAネイションズカップにオマーンととも招待されています。

8カ国が出場するこの大会の組分けが先日発表され、直近のFIFAランキングが131位のマレーシアは、同18位で第1回大会優勝のイラン、102位のタジキスタン、160位のアフガニスタンと同組のB組に入り、もう一方のA組にはW杯2026年大会出場を決めているウズベキスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、オマーンが入っています。

8月26日から9月9日まで開催されるこの大会はA組がウズベキスタンが開催国に、B組がタジキスタンが開催国になりグループステージを行い、各組の1位が決勝に、2位が3/4位決定戦に回るフォーマットになっています。


W杯予選など公式戦以外では対戦する機会がないFIFAランキング上位のイランとの対戦が決まったマレーシア。この大会はFIFA国際マッチカレンダー外で行われるため、ベトナム戦のようなベストメンバーを招集することは難しそうですが、逆にいえば、洪水のように押し寄せてきた帰化選手にポジションを奪われたマレーシア人選手たちにとっては、ピーター・クラモフスキー代表監督へのアピールの良い機会でもあります。

KLシティにジョホールからのローン移籍選手が集結-昨季は最大7ヶ月の給料未払いを抱えたクラブにとってはお得な補強!?

2025/26シーズンの開幕を来月に控え、各クラブが新加入の選手を披露していますが、昨季2024/25シーズンはリーグ6位に終わったクアラルンプールシティFC(KLシティ)は、いずれもジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からのローン移籍選手3名の加入を発表しています。

マレーシア代表FWサファウィ・ラシドは、昨季2024/25シーズンはやはりローン移籍でトレンガヌFCでプレーし、リーグ戦とカップ戦合わせて36試合に出場し、18ゴール4アシストを記録しています。同じく代表でプレーするMFシャミル・クティは、昨季はペナンFCで21試合に出場しています。またアルゼンチン出身で元シェフィールド・ウェンズデーU21でもプレーしたMFマヌエル・イダルゴは今季のリーグ参加を取りやめたスリ・パハンFCからの移籍で、昨季は24試合で7ゴール4アシストの記録を残しています。このイダルゴ選手は、2021年からマレーシアでプレーしており、27歳となる来季にはマレーシア国籍を取得し、帰化選手として代表入りするのではとも言われている選手です。

またKLシティは、オランダ生まれのフィリピン代表GKクインシー・カメラードの加入も発表しています。KLシティは昨季の正GKアズリ・ガニがヌグリスンビランFCへ移籍しており、このカメラード選手はかつてKLシティでGKを務めたケヴィン・メンドーザ(現インドネシア1部プルシブ・バンドン)以来の外国籍GKとなります。


昨季は給料未払いが長期化し、シーズン終盤は不安定な戦いが続いたKLシティですが、このローン移籍選手の加入は経費の節約にもなる経済的な補強となっていると同時に、加入する選手たちも出場機会が得られるいわばウィンウィンの補強です。所属するJDTが給料の一部を負担することで、本来なら獲得には高額の給料が必要となる代表選手と外国籍選手が補強できたKLシティは昨季以上の順位を狙うこともでき、帰化選手を次々と補強するJDTに戻っても出場機会が得られそうもない3選手は選手層が薄いKLシティで出場時間を積み重ねることができれば、帰化選手が顔をきかせ、マレーシアで生まれ育った選手の居場所が少なくなっているマレーシア代表への復帰も期待できます。

KLシティはヴィダコヴィッチ新監督就任を発表

昨季2024/25シーズンは11勝4分9敗のリーグ6位に終わったクアラルンプールシティFCは、ミロスラフ・クリヤナッチ監督の退任とリスト・ヴィダコヴィッチ新監督の就任をクラブ公式SNSで発表しています。

開幕後にクラブライセンス取得の際の書類に不備があったとして勝点6の剥奪処分を受け、さらに一時は最大で7ヶ月分の給料未払いがあることを選手が告発するなど、選手のパフォーマンスに大きな影響を与える問題がピッチ外で続いたクラブをやりくりしたクリヤナッチ監督でしたが、残念ながら1年でチームを去ることになりました。

クリヤナッチ監督と同じセルビア出身のヴィダコヴィッチ新監督は、2022年シーズンにはマラッカ・ユナイテッドFCの監督に就任しましたが、開幕から4試合を1分3敗という成績で解任されています。しかし、このときは開幕直後にもかかわらず、プレーシーズンから既に給料未払い問題が起こっていたことが明らかになり、主力の外国籍選手たちも試合をボイコットするなど、評判の高かったヴィダコヴィッチ監督の手腕が問われる前にクラブが崩壊していました。(なおマラッカ・ユナイテッドFCは2022年シーズン終了後に負債を抱えて解散しています。)

ヴィダコヴィッチ監督は、セルビア代表やスペイン下部リーグでコーチを務めた後、フィリピン1部のセレス・ネグロスFC(現ユナイテッド・シティFC)で2016年シーズンから3連覇を果たし、2020年シーズンにはモルジブ1部マジヤS&RCでリーグを制覇しています。この他にも東南アジアでは、インドネシア1部のボルネオFCやPSSスレマン、シンガポール1部のライオンシティ・セイラーズFCでも監督経験があります。

スランゴールは元甲府のリラを獲得、U23でプレーのアフガン代表もトップチーム昇格でFW強化

昨季2位のスランゴールFCは、その獲得が噂されていた元Jリーグ甲府のストライカー、ウィリアン・リラの加入を発表しています。31歳のリラ選手は2023年シーズン途中までクダ・ダルル・アマンFC(現在は3部降格)でプレーし、14試合で8ゴールを上げる活躍を見せていましたが、給料未払い問題が起こると前半戦終了後のトランスファーウィンドウで隣国タイのチョンブリーFCに移籍していました。移籍したチョンブリーFCではリーグ戦30試合に出場して15ゴールを挙げ、その後はアラブ首長国連邦UAE1部のハッタ・クラブで24試合にプレーし14ゴールを記録しています。

甲府を天皇杯優勝に導き、その甲府はACL出場を果たしたものの、リラ自身はクダに移籍しており、ACLには出場しませんでした。今季のACL2出場が決まっているスランゴールでリーグ戦はもとより、ACLでも爆発的な得点力を見せてもらいたいところです。

またスランゴールは昨季はU23チームでプレーしたアフガニスタン代表FWオミド・ムサウィのトップチーム昇格も発表しています。アフガニスタン生まれながら、オランダで育ったオミド選手は、FCトゥウェンテやSBVフィテッセ、PECズヴォレなどのユースでプレーし、その後はオーストラリアのセミプロリーグを経て昨年10月にスランゴールU23に加入しています。代表デビューは2022年6月のベトナム代表戦で、アフガニスタン代表のアジア杯2027年大会予選のミャンマー代表戦、シリア代表戦のいずれにも先発するなど、通算17試合に主通常しています。前述のCAFAネイションズカップにはアフガニスタン代表も出場し、マレーシアと同じB組に入っていますので、マレーシア代表と対戦する可能性もあります。


今季のマレーシア1部スーパーリーグは各クラブは最大で15名の外国籍選手の登録が可能となっていあす。試合出場登録は最大9名でピッチ上には同時に7名(アジア枠1名、東南アジア枠2名を含む)が立つことが可能です。なおスランゴールFCは、いずれもヨルダン代表のMFノー・アル=ラワブデ、DFモハマド・アブアルナディ、カーボベルデ代表のFWアルヴィン・フォルテス、昨季はローン移籍でペナンFCでプレーしたガーナ出身のDFリッチモンド・アンクラの残留が発表している他、これまでに昨季のタイリーグでは27試合で17ゴールを挙げたFWクリゴールことクリゴール・モラエス(タイ1部PTプラチュワップFCから加入)、タイ代表MFピチャ・アウトラ(タイ1部ムアントン・ユナイテッドから加入)の2選手の加入を発表しています。

7月2日のニュース<br>・マレーシアサッカー協会会長「ヘリテイジ帰化選手は全員がFIFAの承認を得ている」<br>・シンガポール代表監督候補のクチンシティ監督はクラブ残留へ<br>・本拠地が決まらないイミグレセンFCのホーム候補にプルリス州が浮上

マレーシアサッカー協会会長「ヘリテイジ帰化選手は全員がFIFAの承認を得ている」

6月10日のAFCアジア杯2027年大会3次予選のベトナム代表戦では4−0と圧勝したマレーシア代表。ベトナム代表戦の勝利は11年ぶりのことでした。そんな長年の宿敵相手に大勝した原動力となったのはマレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手でした。特に2025年になって代表入りしたヘリテイジ帰化選手はスペインやオランダ、ブラジルやアルゼンチン出身で、一見するとマレーシアとは縁遠いように思える国々であることから、近隣諸国はもとより、国内でもその「ルーツ」の信憑性に疑問の声が上がっています。

そんな中、マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ジョハリ・アユブ会長が声明を発表し、ヘリテイジ帰化選手のマレーシア代表入りについては、FIFAによる厳格な審査を経ていると説明しています。

「我々(FAM)は誰彼構わずヘリテイジ帰化選手として代表に招集しているわけではない。FIFAが選手たちについて全てを審査しており、FAMはFIFAの設けた手順や指示に従っているだけに過ぎない。」

さらにジョハリFAM会長は、一部のヘリテイジ選手のルーツについての情報が開示されていないという指摘については、選手の帰化資格についての情報を隠したり、開示を遅らせる理由がないと述べています。

「もし我々が(そういったルーツに関する情報を)公にするのは簡単なことだ。しかし全てのヘリテイジ帰化選手はFIFAの審査を通っているので、今後も(これまでと同様の)正しい方法と手順に従う予定である。」と述べたジョハリFAM会長は、一部から出ている、ルーツを明らかにしていない帰化選手は正式な帰化手続きを経ずにマレーシア国籍を取得しているという疑問の声に応えています。

ベトナム代表戦直前の1週間ほどで、いずれもアルゼンチン出身のCBファクンド・ガルセス、WGイマノル・マチュカ、CFロドリゴ・オルガド、スペイン出身のCBジョン・イラザバル、ブラジル出身のCFジョアン・フィゲイレドと一気に5名のヘリテイジ帰化選手が発表されるとそのまま代表入りし、ベトナム代表戦にはこの5名全員が先発、そしてフィゲイレド、オルガドの両選手が1点目と2点目を挙げて、歴史的なベトナム代表勝利に貢献しています。


11年ぶりとなるベトナム代表戦勝利に国内サポーターが盛り上がりを見せる一方で、複数の帰化選手はそのルーツが明らかにされておらず、一部国内メディアを中心にFAMに対しては帰化選手のマレーシア国籍取得に至るルーツを明らかにするべきという声があるのも事実です。今回のマレーシアサッカー協会(FAM)会長の発言もその火消しの一環ですが、FIFAはFAMが提出した書類を審査するだけで、FIFA自体が選手のルーツそのものについて独自の調査を行うわけでなく、また英字紙スターでは、国籍付与のための審査を行うマレーシア政府内務省に問い合わせたところ、詳細はFAMに問い合わせるようにと門前払いを受けたという報道もあります。ベトナム戦勝利で一気に加速したアジア杯2027年大会出場権獲得に向けて、サポーターが一丸となって代表を応援するにはFAMが各帰化選手のルーツを公表して、この疑念を払拭する責任があるように思えます。

シンガポール代表監督候補のクチンシティ監督はクラブ残留へ

チームはアジア杯2027年予選を1勝1分と好スタートを切りながら、先月に突然辞任した小倉勉前シンガポール代表監督。その後任候補の1人として名前が上がっていたのがシンガポール出身でクチンシティFCで指揮を取るアイディル・シャリン監督でした。昨季2024/25シーズンにはマレーシアリーグ最優秀監督賞を受賞したその手腕が評価された結果、メディアが次のシンガポール代表監督候補として報じていましたが、今季2025/26シーズンは、アイディル監督のクチンシティFC残留が決まったようです。

クチンシティFCのファズルディン・アブドル・ラーマン オーナーは「アイディル監督はチームの全権を与えられており、クチンシティFCでの指導に取り組むことに満足している。」と述べて、アイディル監督がチームを離れることはないとしています。

8月8日に開幕が予定されている今季2025/26シーズンのスーパーリーグに向けて、クチンシティFCは95%の補強が完了していると述べたファズルディン オーナーは、2シーズンぶりにマレーシアリーグに復帰するカメルーン出身のCFロナルド・ンガは数日中にチームに合流すると述べ、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からローン移籍する昨季のU23リーグ得点王のガブリエル・ニステルロイや、同じJDTから完全移籍するGKハジク・ナズリ、FWラマダン・サイフラーなどに加えて、昨季のチームからはマレーシアでのプレーが5年目を迎えるCB谷川由来選手や谷川選手とコンビを組むCBジェイムズ・オクウォサらの残留も発表しており、昨季の4位に続いて今季もリーグトップ5入りを目指すとしています。

本拠地が決まらないイミグレセンFCのホーム候補にプルリス州が浮上

昨季2024/25シーズンの3部A1セミプロリーグで2位となり、今季は1部スーパーリーグに昇格するイミグレセン(入国管理局)FCは、昨季本拠地としていた最大収容人数2000名のUKMスタジアムに代わる新たな本拠地を探しています。マレーシア語紙ブリタハリアンは、新たなホームの候補地としてマレーシア最北端のプルリス州が浮上していると報じています。

マレーシアの行政首都プトラジャで発足したイミグレセンFCは、隣接するスランゴール州のバンギにあるUKMスタジアムを昨季はホームとして使用していました。しかしここは、マレーシア国民大学UKM内にある運動場で、収容人員が少ない上、スタンドのついた運動場という体で、1部スーパーリーグの公式戦を行うには心許ない設備です。このためイミグレセンFCは1部参入決定後から、新たな本拠地探しを続けてきました。

マレーシアにある13州の内、1部スーパーリーグに所属するクラブが本拠地としていないので、ペラ、クダ、プルリスの3州ですが、イミグレセンFCが当初、本拠地を移そうとしたのがクダ州でした。財政面の問題から昨季はスーパーリーグに所属していたクダ・ダルル・アマンFC(KDA FC)が今季はクラブライセンスを交付されずに撤退したため、KDA FCが使用していたダルル・アマン・スタジアムを新たな本拠地としようとしましたが、クダ州サッカー協会会長も兼ねるクダ州のムハマド・サヌシ州首相(日本で言えば知事に当たります)がイミグレセンFCがクダ州でホームゲームを開催することを拒否しました。

これによりイミグレセンFCは新たな本拠地を探すことになったのですが、今回はプルリス州の名前が挙がりました。プルリス州のトゥンク・サイド・プトラ・スタジアムを管理するプルリス州スポーツ評議会のモハマド・アズライ・ザイン・トゥシミン議長がマレーシア語紙ブリタハリアンの取材に応え、イミグレセンFCの関係者がトゥンク・サイド・プトラ・スタジアムの視察に訪れたことを明らかにしています。

アズライ議長は、プルリス州はペナン州、連邦直轄地クアラルンプール、スランゴール州同様にイミグレセンFCのホーム候補地の一つであると話し、実際にホームとなった場合でも(3部の)A1セミプロリーグでプルリスGSA FCや(4部の)A2リーグでプレーするビントンFCといったプルリス州のクラブによる使用が優先されるとも述べています。

7月1日のニュース<br>・女子アジア杯予選開幕-マレーシアはパレスチナに辛勝も白星スタート<br>・「外部からの干渉」を主張するクラモフスキー監督の真意は本人に直接聞くべき-FAM会長<br>・スランゴールはタイリーグからブラジル出身ストライカーを獲得

女子アジア杯予選開幕-マレーシアはパレスチナに辛勝も白星スタート

AFC女子アジアカップ2026年大会の予選H組の試合が6月29日にタジキスタンのドゥシャンベで行われ、マレーシアが白星発進しています。

ドゥシャンベにある共和国中央スタジアムで行われた試合でマレーシアはパレスチナに1-0で勝利しています。

今年5月に就任したブラジル出身のジョエル・コルネリ監督率いるマレーシア女子代表とパレスチナ女子代表の試合は終盤まで0−0で進み、86分に、ヌール・アドリアンナのパスを受けた途中出場のファラヒヤ・リズアンが決勝点となるゴールを決めています。

またマレーシアはGKヌルル・アズリン・マズランが、前半にはパレスチナのディマ・アルムヒのPKを止め、後半にもヌール・ユセフとの1対1となった場面でのシュートを阻止するなど、クリーンシートの活躍を見せています。

H組のもう1試合は北朝鮮が開催国タジキスタンをキム・ギョンヨンのハットトリックを含む10ゴールで圧倒しています。

マレーシアは7月3日(マレーシア時間)にタジキスタンと、そして7月5日には北朝鮮と対戦します。

「外部からの干渉」を主張するクラモフスキー監督の真意は本人に直接聞くべき-FAM会長

マレーシアサッカー協会FAMのモハマド・ジョハリ・モハマド・アヨブ会長は、マレーシア代表のピーター・クラモフスキー監督が政治的な要素も含めた組織内部闘争によって、代表チームの活動が「外部からの干渉」を受けていると発言したことに対し、その「外部からの看守」についてはクラモフスキー監督に直接、尋ねるべきと回答しています。

マレーシアの通信社ブルナマは、6月30日に行われたFAMの臨時総会後にメディアに対応したモハマド・ジョハリ会長は、不必要な憶測が広がることを避けるために、メディアがクラモフスキー監督の真意を直接本人に問うべきと述べています。

「我々(FAM)は、ピーターが何を言わんとしているのかがわからない。彼に直接、その質問をぶつけるの最善だと考える。発言というものは時として、それが伝わる過程で曲解されることもある。」と述べたモハマド・ジョハリ会長は、6月10日のAFCアジア杯2027年大会3次予選のベトナム戦に4−0で勝利した後のメディアとの対応で、クラモフスキー監督が述べた「外部からの干渉」について、FAMは全力でクラモフスキー監督と代表チームを支援していると強調したと報じています。


マレーシア代表については、元FAMの会長でもあり、国内最強クラブのジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーで、ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下が主導する形で改革を進めており、大量の帰化選手加入もその一つです。さらにマレーシア代表チームは独自のSNSアカウント、マレーシア代表(Malaysia NT)を立ち上げ、先日のベトナム戦でも試合前の様子や先発XIの発表、試合経過など全ての投稿を行っています。その一方でこのMalaysia NTアカウントができて以来、FAMの公式SNSでは代表戦についての投稿は試合結果のみとなっており、今月7月に開催される東南アジアサッカー連盟U23選手権前の合宿参加メンバーもMalaysia NTのみが発表しています。

スランゴールはタイリーグからブラジル出身ストライカーを獲得

昨季2024/25シーズンはリーグ2位のスランゴールFCが昨季のタイ1部リーグで17ゴール3アシストを記録したブラジル出身のCFクリゴールことクリゴール・モラエスの完全移籍での加入を発表しています。また背番号は91となることも発表されています。

昨季のタイ1部ではリーグ覇者のブリーラム・ユナイテッドとPTプラチュワップFCの2クラブでプレーした24歳のクリゴール選手は、シーズン前半を過ごしたブリーラムでは14試合に出場して7ゴール1アシストを、そしてブリーラムからローン移籍してシーズン後半を過ごしたPTプラチュワップFCでは13試合に出場して10ゴール2アシストを記録しています。なお昨季のリーグ通算17ゴールは、リーグ得点王のギリェルメ・ビッソリ(ブリーラム・ユナイテッド)の25ゴールに次ぐ最多ゴール2位でもあります。

ブリーラム・ユナイテッド在籍時にはACLエリートやアセアンクラブ選手権ショッピーカップにも出場しているクリゴール選手は、先日、やはりタイ1部のムアントン・ユナイテッドから加入したタイ代表MFピチャ・アウトラに続くタイリーグからの移籍選手です。

6月30日のニュース<br>・マレーシア戦にまさかの敗戦でベトナムも帰化選手による強化策採用か<br>・ジョホールのベルグソンにブラジルクラブ移籍の噂<br>・急転!東ティモール代表FWはKLシティではなくクチンシティと契約

マレーシア戦にまさかの敗戦でベトナムも帰化選手による強化策採用か

マレーシア代表は6月10日に行われたアジア杯2027年大会3次予選でベトナム代表に4-0と大勝しましたが、この勝利はいずれもマレーシア国外で生まれ育ち、マレーシアにルーツを持つ「ヘリテイジ帰化選手」の活躍によるものでした。2025年だけでもマレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手7名がマレーシア代表に初召集されており、彼らを中心に構成された「新」マレーシア代表が東南アジアの雄、ベトナム代表に11年ぶりとなる勝利をあげています。

昨今話題となる帰化選手による代表強化ですが、東南アジアの国で唯一、2026W杯アジア3次予選に残ったインドネシア代表は、かつての宗主国オランダ出身者を中心としたヘリテイジ帰化選手によって強化されたことはよく知られているかと思いますが、この地域ではフィリピンも伝統的に帰化選手による代表強化を行っています。昨年末開催された東南アジアサッカー連盟AFF選手権「三菱電機カップ」に出場したフィリピン代表はヘリテイジ帰化選手14名が含まれており、この大会がFIFA国際マッチカレンダー外で行われたことから「海外組」を招集できなかったインドネシア代表をグループリーグで破り、8年ぶりの準決勝進出を果たしています。

話を戻しましょう。6月10日のアジア杯予選でマレーシア代表と対戦したベトナム代表では、スロバキア出身のヘGKフィリップ・グエンと、元フランスU18でのプレー経験もあるフランス出身のジェイソン・ペンダントの2名のヘリテイジ帰化選手が先発(ペンダント選手はこの試合がベトナム代表デビュー)しましたが、一方のマレーシア代表はWGアリフ・アイマン、GKシーハン・ハズミ(いずれもジョホール・ダルル・タジムFC)を除く先発11名中9名がヘリテイジ帰化選手でした。そして4-0の試合の4ゴール全てを異なる4名のヘリテイジ帰化選手が決めており、まさにヘリテイジ帰化選手の力を見せつけた試合になりました。

かつての宗主国オランダ出身のヘリテイジ帰化選手が主力のインドネシアに対して、マレーシアのヘリテイジ帰化選手の出身はブラジルやアルゼンチン、オランダ、スペインと多彩であり、しかも彼らはアルゼンチンやコロンビア、スペイン、トルコなどのリーグでプレーしており、こういったヘリテイジ帰化選手が増えれば、短期間での強化も十分可能です。

そんな中でYahooニュースが興味深い記事を掲載しています。韓国メディアによる報道からの引用記事によると、ベトナムの国内法が改正され、二重国籍の許容とベトナム国籍取得条件の緩和によりベトナムリーグでプレーしている全ての外国籍選手がベトナム国籍を取得できるようになるということです。ベトナム代表は韓国出身のキム・サンシク監督がおり、この記事ではこの法改正により東南アジア内でのパワーバランス赤割るだけでなく、今後はベトナム代表が日本代表や韓国代表の脅威になる可能性を挙げています。10月のアジア予選最終戦はベトナム代表ホームでの対戦となるマレーシア代表は、帰化選手で溢れるベトナム代表との対戦となるかもしれません。

ジョホールのベルグソンにブラジルクラブ移籍の噂

2021年シーズン途中にジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)に加入して以来、141試合に出場し150ゴール31アシストと驚異的な記録を残してきたFWベルグソン・ダ・シウヴァにブラジルクラブ移籍の噂が報じられてます。

マレーシア語紙ブリタハリアンは、ベルグソン選手に対してブラジルの有力クラブであるスポルチ・レシフェがその獲得に興味を示しているというブラジルのメディアによる報道を紹介しています。

34歳のベルグソン選手に関心を示しているとされるスポルチ・レシフェは現在ブラジル1部セリエAに所属しているクラブで、1987年にブラジル・セリエA、また2008年にコパ・ド・ブラジルで優勝してクラブだということです。

また、この噂に拍車をかけているのがJDTのクラブ公式SNSで、そこではブラジル生まれのベルグソン選手とJDTサポーターとの映像を投稿し、ベルグソン選手がJDTを去る可能性を示唆しているようにも見えることです。

この投稿はベルグソン選手がリーグ通算100ゴールを決めた際のアーカイブ映像で「ベルグソンは記念の100ゴール目を決めた後、(JDTのサポーターグループ)『ボーイズオブストレイツ』と時間を過ごし、皆が大好きな決めポーズで締めくくった!」というコメントが付けられています。

国内リーグでの圧倒的な得点力で、昨年までは将来のマレーシア代表入りが大いに期待されていたベルグソン選手ですが、国外で生まれ育ちマレーシアにルーツを持つヘリテイジ帰化選手が次々と代表入りし、前述のベトナム代表戦で11年ぶり勝利を挙げるなど結果が出始めている中で、FIFAの規定を満たしてマレーシア代表入りするまでには1年かかるベルグソン選手を今さら待つ必要もなく、さらに年齢を考えれば今が売り時という判断をクラブがしようとしているのかも知れません。なおJDTからは現時点で何のコメントも出されていません。

急転!東ティモール代表FWはKLシティではなくクチンシティと契約

昨季リーグ4位のクチンシティFCは、東ティモール代表FWジョアン・ペドロの加入をクラブ公式SNSを通じて発表しています。

このブログでは、6月16日のニュースでペドロ選手がクアラルンプールシティFC(KLシティ)入りと伝えましたが、KLシティFCを運営するクアラルンプールサッカー協会(KLFA)のサイド・ヤジドKLFA会長自身が加入を認めていたにも関わらず、なぜかクチンシティFCが移籍先となったようです。主に左WGでプレーするペドロ選手は昨季はカンボジア1部のアンコール・タイガーでプレーし、26試合で7ゴール6アシストを記録を残している他、、PSMマカッサル(インドネシア)、ベンフィカ・デ・マカオ(マカオ)、ウボン・ユナイテッド(タイ)などでプレー経験もあり、5月に行われたマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズ戦には東ティモール代表として出場しています。

27歳のペドロ選手はマレーシアリーグでは2020年シーズンに当時1部のUITM FC(現UITMユナイテッドFC)でプレーしており、およそ5年ぶりのマレーシアリーグ復帰となります。

またクチンシティFCへは、ペドロ選手に加えてノルウェイ出身のフィリピン代表SBスコット・ウッズがカンボジア1部ボーウング・ケットFCから、また元クダ・ダルル・アマンFCでカメルーン出身のCFワンジャ・ロナルド・ンガがイラク1部のアル=カーラバーSCから加入しています。190センチの大型ストライカーのンガ選手は2022年シーズンにクダ・ダルル・アマンFCで28試合に出場して15ゴールを挙げています。

さらにクチンシティFCは、昨季のU23リーグにあたるMFLカップで24ゴールを挙げて得点王と最優秀選手賞を受賞したガブリエル・ニステルローイがジョホール・ダルル・タジムFC (JDT)U23チームのJDT IIからローン移籍することも発表しています。クチンシティFCの本拠地があるサラワク州のミリ出身の25歳は、昨季は同じくJDTからクチンシティFCへローン移籍し、今季は完全移籍となったFWラマダン・サイフラーや、昨季はやはりJDTからペラFCへローン移籍し、こちらも完全移籍でクチンシティに加入するGKハジク・ナズリ、そしてスランゴールFCでは伸び悩んでいた元U23代表FWダニアル・アスリとともに、昨季の4位からトップ3入りを狙うクラブの強力な新戦力となりそうです。

6月28日のニュース<br>・アセアンU23選手権出場のU23代表監督「帰化選手は起用しない」<br>・今季リーグ不出場のスリ・パハンがその理由を正式に発表<br>・今季3部加入のクランタン・レッド・ウォリアーズFCが始動<br>・フットサルアジア杯2026予選:マレーシアがG組の開催国となりアジア最強イランと同組に

アセアンU23選手権出場のU23代表監督「帰化選手は起用しない」

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権2025年大会は7月15日からインドネシアで開催されますが、この大会に先立ち、マレーシアU23代表合宿参加メンバーが発表されています。このメンバー発表の席で、U23代表のナフジ・ザイン監督は招集リストには国外でプレーする帰化選手は入っていないこと明らかにしています。

ナフジU23代表監督は、このアセアンU23選手権を含めて今後出場する3つの重要な大会で国内でプレーするマレーシア人選手たちが実力を発揮する機会を与えるつもりであると話しています。

「今回のU23代表合宿参加者には海外在住のマレーシア人選手はおらず、国内の選手だけを招集している。スーパーリーグには多くの才能ある選手が存在しており、我々は、自分たちのプレースタイルに合っていると感じた選手のポテンシャルを引き出すことを重視している。」

ナフジU23代表監督は、6月10日のAFCアジア杯予選ベトナム代表戦前のA代表合宿にも参加したFWハキミ・アジム(クアラルンプールシティFC)やDFウバイドラー・シャムスル(トレンガヌFC)など8選手を招集しています。

AFF U23選手権2025年大会では、マレーシアは開催国インドネシア、フィリピン、ブルネイと同じA組に入っています。B組にはベトナム、ラオス、カンボジア、C組にはタイ、ミャンマー、東ティモールが振り分けられており、各組の1位とA〜C組の2位チームの内、最も成績が良かったチームの4チームが準決勝へ進出します。

AFF U23選手権2025年大会の目標についてナフジU23代表監督は、A組では全ての国に準決勝進出のチャンスがあるとして、初戦となる7月15日のフィリピン戦から1試合ごとに集中していきたいと話しています。

ジョホール・ダルル・タジムFC II (JDT II) とスランゴールFCの選手が大半を占める、U23代表合宿参加者 30 選手は以下のとおりです。*は6月のA代表合宿参加者

P氏名年齢所属
GKハジク・アイマン20JDT III
ハジク・ムクリズ22PEN
シャーミ・アディブ22NSE
ズルヒルミ・シャラニ22JDT II
DF*アイマン・ハキミ22SEL
アイマン・ユスフ19AMD
アリフ・イルハム21KLCE
ファクルル・ハイカル21JDT II
ファリス・ダニシュ18JDT III
*シャフィザン・アルシャド19JDT III
S・タアナシュ20BUN
*ウバイドラー・シャムスル22TRE
MFアイマン・ダニシュ21JDT II
*アリフ・アフマド22JDT II
アイサル・ハディ21JDT II
ダニエル・ハキミ21PRK
ダニシュ・ハキミ20JDT III
ダニシュ・シャマー20JDT II
ハジク・クティ20PEN
*ムハマド・アブ・カリル20SEL
*ハイカル・ダニシュ20SEL II
G・パヴィトラン20JDT III
ロヒシャム・ハイカル19SEL II
ジアド・エル=バシール21JDT II
FWアリフ・イズワン21SEL
*ファーガス・ティアニー22SAB
アフィク・ヒルマン22KLCE
ラーマン・ダウド20SEL
ナビル・カユム21SEL
*ハキミ・アジム22KLC
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、JDT II-JDT U23, JDT III-JDT U19、SEL-スランゴールFC
SAB-サバFC, TRE-トレンガヌFC、KLC-KLシティFC、KLCE~KLシティU23, PEN-ペナンFC、PRK-ペラFC、NSE-ヌグリスンビランFC、AMD-モクター・ダハリ・アカデミー、BUN-A1セミプロリーグブンガラヤFC

今季リーグ不出場のスリ・パハンがその理由を正式に発表

今季2025/26シーズン出場のためのクラブライセンスを申請し、それが交付された後に今季リーグ戦不出場を発表したスリ・パハンFCが、不出場表明から1週間経った6月27日にその理由を正式に発表しています。

クラブ公式SNSを通じてスリ・パハンFCは今季のリーグ不出場の理由は、クラブの内部組織を改善し、さらに強化するためであると説明しています。

「スリ・パハンFCは将来、(本拠地がある)パハン州のサッカーの発展に寄与する機会が与えられることを期待している。」「スリ・パハンFCはリーグ主催者やスポンサー、そしてスリ・パハンのファンに感謝するとともに、来季に再び会えることを願っている。」という声明を発表しています。


この声明を読む限りでは、財務状況が不十分としてクラブライセンスが交付されず、3部のセミプロリーグから再スタートを切るペラFCやクダ・ダルル・アマンFCとは明らかに異なる理由でのリーグ不参加のようです。今シーズンを犠牲にしてでも持続可能なプロクラブとして生まれ変わり、来季のリーグに是非、戻ってきて欲しいです。

今季3部加入のクランタン・レッド・ウォリアーズFCが始動

熱狂的なサッカーファンが多いことで知られるマレー半島北部のクランタン州に本拠地を持つクラブには1部スーパーリーグ所属のクランタン・ダルル・ナイムFCがあります。このクランタン州から今季2025/26シーズンからは新たに2つのクラブが*実質2部に当たる3部のA1セミプロリーグに参入しますが、そのうちの一つのクランタン・レッド・ウォリアーズFC(KRW FC)が、2名の外国籍選手が加入することを発表しています。KRW FCのニック・ハフィズ・ナイム・ニック・ハッサン会長は、チームを強化するためレバノンとスウェーデン出身のセンターバックとストライカーの2選手が加入することを明らかにしています。(*2部プレミアリーグは現在休止中)

ニック・ハフィズ・ナイム会長は、地元コタ・バルでのトレンガヌFC戦を皮切りに行われる数試合のプレシーズンマッチを行うことも発表しています。

「(7月25日の)開幕に向けての準備は95%完了している。あと2人の外国籍選手と2~3人のマレーシア人選手が加われば、チームは完成する。外国籍選手はメディカルチェックが済み次第登録される予定だ。」

「7月4日にトレンガヌFCと対戦した後、マラッカFC、ヌグリスンビランFC、ペナンFCとプレシーズンマッチを行う予定だ。我々はイルファン・バクティ監督を信じており、来季2028/27シーズンにスーパーリーグ昇格という目標を達成できる。」とスポーツ専門サイトのスタジアム・アストロとのインタビューで自信を見せています。

フットサルアジア杯2026予選:マレーシアがG組の開催国となりアジア最強イランと同組に

6月26日にクアラルンプールのAFCハウスで、AFCフットサルアジア杯2026年大会予選の組み合わせ抽選が行われ、予選開催国の一つとなっているFIFAフットサルランキング76位のマレーシアは同5位のイラン、同97位のアラブ首長国連邦、バングラデシュ(ランキングなし)と同じG組に入っています。

組み合わせ抽選に出席したフットサルマレーシア代表監督のラクポル・サイネンガム監督は、2026年にインドネシアで開催されるアジア杯への出場権獲得に向けて、「もちろん、この道のりは簡単ではない。アジアNo.1のイラン以外にも、アラブ主張国連邦も近年大きな潜在力と大きな進歩を見せており、バングラデシュを過小評価することもできない。」と述べています。

「国内で国際的なフットサル大会が開催されるのは8年ぶり(東南アジア競技大会通称シーゲームズ2017年クアラルンプール大会以来)なので、マレーシアのファンが大勢集まって応援してくれることを本当に願っている」と国内開催の有利さを活用して、2018年以来となるアジア杯出場を目指したいとしています。

AFCフットサルアジア杯2026年大会予選G組の試合は、9月20日から24日まで、パハン州クアンタンのSUKPAインドアスタジアムで開催されます。

6月26日のニュース<br>・アルゼンチン出身のマレーシア代表選手アグエロがタイ1部クラブへ移籍<br>・辞任した小倉シンガポール代表監督の後任候補にクチンシティFCのアイディル監督の名が浮上<br>・マレーシア代表の中央アジア遠征に合わせて国内リーグの今季日程が変更に<br>・深まる謎-退団表明のスランゴールFCキャプテンがU23チームと練習

アルゼンチン出身の帰化選手アグエロがタイ1部クラブへ移籍

昨季2024/25シーズンにはスリ・パハンFCでキャプテンを務めたアルゼンチン出身の帰化選手MFセルヒオ・アグエロが、今季2025/26シーズンにタイ1部へ昇格したカンチャナブリー・パワーFCに移籍することが明らかになっています。

カンチャナブリ・パワーFCのプラワット・キタマクニット社長が自身のSNSに「セルヒオ・アグエロは7月2日にやって来る」と投稿し、コメント欄ではファンからの質問に答える形で「基本的な要件については全てが完了している。まだ細かい点が残っているが、(タイに来る)時期は決まっている」と述べています。

カンチャナブリー・パワーFCは、昨季はタイ2部で4位となり、同3位から6位までが出場する1部昇格プレーオフに駒を進め、準決勝では同5位のマハーサーラカーム SBT FCを2試合通算7-4で破り、さらに決勝では清水龍秀選手が所属する同3位プレー・ユナイテッドをこちらは2試合通算5-4で破って、2017年のクラブ創設以来初めて1部昇格を果たしたクラブです。

このカンチャナブリー・パワーFCに移籍するアグエロ選手は、あのセルヒオ・アグエロ選手と同じアルゼンチン出身です。(このブログでは混乱を避けるためにエゼキエル・アグエロと表記してきました。-筆者中)じゃない方のアグエロ選手は、リーベルプレートやオールボーイズでユース時代を過ごした後、2015年にハンガリー2部FCタタバーニャと初めてプロ契約を結ぶと、2016年にはスーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドFC(既に解散)へ移籍します。その後はサラワク・ユナイテッド(既に解散)、ペナンFA(現ペナンFC)、下部リーグのKLローヴァーズFCなどでプレーし、2021年にスリ・パハンFCに移籍します。一時はペラFC(既に解散)へローン移籍をしたものの、その間にマレーシアでのプレー期間が5年を超えたことから、2022年にマレーシア国籍を取得すると同年9月にはマレーシア代表デビューを果たしています。

マレーシア代表では17試合に出場して3ゴールを挙げています。また記憶に新しいところでは、先月5月28日に行われたマンチェスター・ユナイテッド対アセアンオールスターズではマレーシアを代表して出場し、キャプテンも務めました。

所属していたスリ・パハンFCは、昨季のマレーシアカップ決勝に進出し王者ジョホール・ダルル・タジムFCをあと一歩まで追い詰めるなど健闘したものの、今季2025/26シーズンの参加を辞退したため、スリ・パハンFCの他の選手同様、その移籍先については噂レベルも含め様々な話が出ていました。今月初旬には今季からスーパーリーグに参入するブルネイのDPMM FCがクラブ公式サイトでアグエロ選手と契約したことを発表しており、このブログでもそのニュースを取り上げましたが、公式サイトでは現在はその発表を見ることはできません。

辞任した小倉シンガポール代表監督の後任候補にクチンシティFCのアイディル監督の名が浮上

シンガポール・サッカー協会(FAS)は24日、日本代表コーチやJ1横浜Mの強化責任者などを歴任したシンガポール代表の小倉勉監督(58)が「個人的な理由」のため辞任すると発表しました。

2019年〜2021年の吉田達磨氏(現韓国1部太田ハナシチズン コーチ)、そして2022年〜2024年1月の西ヶ谷隆之氏(現タイU23代表監督)に続く、3人目の日本人監督として2024年2月にFASと2年契約を結んでシンガポール監督に就任した小倉氏は、FASに対して日本で火急の要件があることを理由に数週間前に辞意を表明していたとシンガポールの英字紙ストレイツタイムズが報じています。

とここまではマレーシアとは関係ない話なのですが、マレーシアのスポーツ専門サイト、スタジアム・アストロは、この小倉氏の後任候補の1人がシンガポール出身で、現在はクチンシティFCのアイディル・シャリン監督であると伝えています。

クチンシティFCを前年2023年シーズンの13位(2勝6分18敗)から昨季は4位(10勝9分5敗)まで押し上げた手腕で、昨季2024/25シーズンにリーグ最優秀監督賞を受賞したアイディル氏は、47歳で現役時代はシンガポール代表として87試合に出場した後、2012年にはホーム・ユナイテッド(現ライオンシティ・セイラーズFC)でコーチ、2016年には監督に就任しています。2018年にはクダ・ダルル・アマンFCの監督に就任し、2019年にはマレーシアFAカップ優勝、2020年、2021年にはいずれもジョホール・ダルル・タジムFCに次ぐ2位とすると、2023年シーズンの途中まではシンドネシア1部のプルシカボ1973で監督を務めた後、2023年シーズン途中にクチンシティFCの監督に就任しています。

代表の中央アジア遠征に合わせてリーグが今季日程を変更

マレーシア国内リーグ1部のスーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、中央アジアで開催される中央アジアサッカー連盟CAFAネイションズカップ2025年大会に参加を決めたマレーシア代表を全面的に支援するために、この大会が行われる8月26日から9月9日までの期間はリーグ戦を開催しないことを発表しています。

MFLのモハメド・シャズリー・シャイクCEO代理は、「MFLは、10月に行われるアジア杯2027年大会予選に向けて、マレーシア代表チームが準備を進める上で、この大会が最も重要なものの一つだと考えている」と説明し、マレーシア代表チームから要請を受けたことが今回の措置を講じる理由となったことを説明しています。

MFLは今季2025/26シーズンが8月8日のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)対スランゴールFCで開幕することを既に発表していましたが、CAFAネイションズカップがFIFA国際マッチカレンダー外であることから、リーグ戦の開催がどうなるのかについてはSNSなどでも様々な意見が飛び交っていました。

深まる謎-退団表明のスランゴールFCキャプテンがU23チームと練習

2020年シーズンからスランゴールFCでプレーし、キャプテンを務めてきたシンガポール代表のCBサフワン・バハルディンは、自身が監督の構想外であることが明らかになったとして、契約期間があと1シーズン残っているものの2024/25シーズン終了後にクラブを離れることを表明していました。

しかしサフワン選手が自身のSNSに投稿した内容がスランゴールFCサポーターを困惑させています。33歳のサフワン選手は、「新しいチーム、スランゴールU23とのプレシーズントレーニングの2日目!」と投稿して、現在はスランゴールFCのU23チーム、スランゴールFC IIの練習に参加していることを明らかにしています。

2019年オフにスランゴールFCに加入したサフワン選手は、2023年にはネグリ・スンビランFCに移籍しましたが、前半戦が終了して2度目のトランスファーウィンドウが開くと、スランゴールFCに復帰し、そのあとはスランゴールFCのキャプテンを務めるとともに、チームの精神的支柱も務めてきた選手です。母国の強豪、ライオンシティ・セイラーズ加入なども噂れた現役のシンガポール代表選手が、今季から実質2部に当たるA1セミプロリーグに参加するスランゴールFC IIでプレーするとは思えませんが、今後の動向は見守りたいところです。

6月24日のニュース<br>・ジョホールはスペイン出身帰化選手とオランダ出身帰化の加入を発表<br>・ジョホールは帰化選手ティアニーをサバへ放出<br>・マレーシア代表の中央アジア遠征が決定-イランやウズベキスタン相手に腕試しも

ジョホールはスペイン出身帰化選手とオランダ出身帰化選手の加入を発表

こうなるのは予想してたけど、なんかモヤモヤする。

マレーシア1部スーパーリーグ11連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、クラブ公式SNSでスペイン出身のヘリテイジ帰化選手(マレーシアにルーツを持つ帰化選手)で191センチのCBジョン・イラザバルの加入を発表しています。背番号は17となることも併せて発表されています。

アゼルバイジャン1部のサバFKを6月30日に契約満了で退団していた29歳のイラザバル選手は、今月6月10日に行われたAFCアジア杯2027年大会3次予選ベトナム代表戦で代表デビューを果たすと、11年ぶりとなるマレーシア代表のベトナム代表戦勝利に貢献していました。

母親がボルネオ島のサバ州出身というイラザバル選手は、今年に入ってマレーシア代表でデビューしたヘリテイジ帰化選手7名の内の1人です。

またJDTはイラザバル選手加入の発表後には、今年3月のネパール代表戦でひと足先に代表デビューしていたオランダ出身のヘリテイジ帰化選手でAMFエクトル・へヴェルの加入も発表しています。へヴェル選手もポルトガル2部ポルティモネンセを6月30日に契約満了で退団しており、本人もJDT入りを認めていましたが、これまで発表はありませんでした。

祖父がマレーシアのマラッカ州出身というへヴェル選手は、オランダU16やU20など年代別代表でのプレー経験があり、ヘリテイジ帰化選手としてマレーシア代表に加わると、アジア杯予選の初戦となった3月のネパール代表戦と今月のベトナム代表戦のいずれにも先発してフル出場し、やはりマレーシアの勝利に貢献しています。

ジョホールは帰化選手ティアニーをサバへ放出

マレーシア1部スーパーリーグで昨季2024/25シーズンを3位で終えたサバFCは、22歳のマレーシア代表CFファーガス・ティアニーをジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)から完全移籍で獲得したことを、クラブ公式SNSで発表しています。

2023/24シーズンはJDTのU23チーム、JDT IIからタイ2部のチョンブリーFCへローン移籍すると、開幕戦でいきなり初ゴールを決めましたが、結局、12試合出場(出場時間524分)で、1ゴール1アシストという成績でリーグ前半戦を終えると、ローン期間の終了に合わせて今度はタイ1部のナコーンパトム・ユナイテッドへやはりローン移籍しました。セランゴールFCから同じくローン移籍していたムハマド・カリルとともにプレーしたティアニー選手は11試合に出場し3ゴールを挙げましたが、チームは16位中15位となり、2部へ降格を止めることはできませんでした。

スコットランドのグラスゴー生まれのティアニー選手は、父親のマーティン・ティアニー氏が1990年代前半にマレーシアリーグのPDRM FA(当時、現PDRM FC)やペナンFA(現ペナンFC)などでプレーしたプロサッカー選手で、父親と共にマレーシアへやってきたティアニー選手は、この地で育ったことからマレーシア国籍を会得し、マレーシアU23代表では12試合に出場しています。

A代表デビューは2024年11月のインド代表戦で、途中出場ながら14分プレーしています。また同年12月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権「三菱電機カップ」では、この大会がFIFA国際マッチカレンダー期間外の開催であることからJDTが自チームの選手のマレーシア代表招集を拒否したこともあって、主力を欠く代表チームでは4試合に出場し代表初ゴールをカンボジア代表戦で決めるなど、1ゴール1アシストの成績を残しています。

ティアニー選手が移籍するサバFCは、7年間在籍した韓国出身のキャプテンでCBパク・テスを放出するなど、大規模なメンバー交代の最中で大型ストライカーのティアニー選手は出場機会が大いにありそうです。このブログでも既報の通りサバFCは、ニュージーランド代表SBデイン・インガム(オーストラリア1部ニューカッスル・ジェッツFC)、オーストラリア出身MFディーン・ペレカノス(オーストラリア1部ウェスタンシドニーワンダラーズFC)、ボスニア出身のCFアジュディン・ムジャギッチ(クロアチア2部NK BSKビイェロ・ブルド)ら外国籍選手の加入を発表しています。

またサバFCは、国外移籍が噂されていたMFスチュアート・ウィルキンやCBドミニク・タン、SBダニエル・ティン、FWダレン・ロックといったマレーシア代表選手やベテランGKカイルル・ファーミが残留した他、スペイン出身のMFシフことミゲル・シフエンテスも今季残留が発表されています。


このティエニー選手や、同じボルネオ島に本拠地を持つクチンシティFCへのFWラマダン・サイフラーの放出は、前述のヘリテイジ帰化選手のイラザバル選手とへヴェル選手が加入するJDTの方針を示しているかも知れません。国内の有力選手はとりあえず押さえておいて、トップチームで出場機会がなさそうなら他のクラブへローンして出場機会を積ませる。それと同時に外国育ちのヘリテイジ帰化選手を揃え、競争で負ければ放出するといった方針は、JDTがアジアで伸し上がるためには必要な手段なのかも知れませんが、国内リーグで活躍してJDTと契約しながら、契約後は一度もJDTのユニフォームを着ていない選手が複数のクラブにローンされ続けている状況は、国内リーグがJDTというクラブの選手育成の場になっているようにも見えます。

マレーシア代表の中央アジア遠征が決定-イランやウズベキスタン相手に腕試しも

中央アジアサッカー連盟CAFAが主催するCAFAネイションズカップにマレーシア代表が出場することを、マレーシア代表専用SNSアカウントのマレーシアNTが発表しています。

このブログでも6月19日のニュースで取り上げましたが、この時点では大会参加についてはマレーシアサッカー協会FAMは「検討中」という記事が各メディアに出ていましたが、マレーシアNTでは「(マレーシア代表の愛称)ハリマウ・マラヤは、イランやウズベキスタンを含む8つの有名チームが集まる大会CAFAネーションズカップ2025に参加し、新たな挑戦をする」、「今回の参加は名誉なことであるだけでなく、国際舞台でより大きな夢を実現する機会を開くものでもある。」などと投稿しています。

またピーター・クラモフスキー代表監督のコメントも併せて投稿しています。「2025年のCAFAネイションズカップに参加できることを誇りに思う。アウェイで強豪チームと厳しい環境で戦うこの経験は、フィールド内外でのさまざまな面で我々の力を試すものであり、代表チームの継続的な発展にとって非常に重要である。」「またこの大会はハリマウ・マラヤにとって国家に栄光をもたらし、サポーターの精神を活気づけ、マレーシアサッカーが夢見る団結を築き続けるためのもう一つの重要な機会でもある。」

2023年の第1回大会に続き、今回が第2回大会となるCAFAネーションズカップは、8月26日から9月9日までキルギスタンとウズベキスタンで開催され、CAFAの加盟国であるアフガニスタン、イラン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンと、マレーシア、そして同じく招待チームであるオマーンの合計8カ国が出場します。

6月23日のニュース<br>・ジョホールは来月のスペインキャンプでラ・リーガのクラブと対戦<br>・スランゴールにタイ代表MFが加入<br>・クランタンDNは前U23代表監督を新監督に指名<br>・オン元マレーシア代表監督は今季はプルシク・クディリを指揮

ジョホールは来月のスペインキャンプでラ・リーガのクラブと対戦

今季2025/26シーズンの開幕が8月8日と発表されたマレーシア1部スーパーリーグ。そのスーパーリーグで11連覇中と言う圧倒的な強さを誇るジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、7月3日から22日までプレシーズンキャンプをスペインで行うことを発表していますが、そのキャンプ中に、2024/25シーズンのスペイン2部チャンピオンのレバンテUDと対戦することが発表されています。

今月就任したばかりのスペイン出身のシスコ・ムニョス新監督の元、12連覇とACLエリートでの上位進出を目指すJDTは、2シーズン連続となるスペインでのプレシーズンキャンプを実施することを発表しています。ワトフォードや元シェフィールド・ウエンズデイといった英国のクラブで監督経験があるムニョス監督は、母国スペインでもSDウエスカ(今季スペイン2部8位)で2021/22シーズンに監督を務めたこともあり、また現役時代の大半をスペインで過ごし、レバンテUDでもプレーした経験があることからこの試合が実現したのかもしれません。

JDTのクラブ公式SNSでは、この後もさらにスペインキャンプ中の他の練習試合の対戦カードが発表される予定としており、来季スペイン1部に昇格するレバンテUD以上のビッグクラブとの対戦も期待されます。

スランゴールFCにタイ代表MFが加入

昨季2024/25シーズンは2位のスランゴールFCは、タイ代表MFピチャ・アウトラの加入をクラブ公式SNSで発表しています。29歳のピチャ選手は、退団したシンガポール代表CBのサフワン・バハルディンに代わる東南アジア枠での加入となります。

昨季のACL2でスランゴールFCはタイ1部のムアントン・ユナイテッドと対戦しましたが、ピチャ選手は両試合ともにキャプテンとして先発しており、ホームアンドアウェイで1分1敗となりノックアウトステージ進出を逃したスランゴールFCにとっては好印象を残した選手だったのかも知れません。キャプテンシーもあるようなので昨季のサフアン選手に続き、外国籍選手のキャプテン誕生となる可能性もありそうです。

昨季最下位のクランタンDN FCが未払い給料の支払いを開始

昨季2024/25シーズンはスーパーリーグ最下位の13位に終わったクランタン・ダルル・ナイムFC(クランタンDN FC)は、未払いとなっている昨季の給料の一部支払いを始めたことを発表しています。2025年2月から4月分に該当する支払いは、未払い給料全体の10〜20%に相当すると言うことです。

クランタンDN FCのイルワン・リザルCEOは、未払い給料の支払い方法についてはクラブと選手間の協議 の結果、同意に至ったと説明し、今季2025/26シーズンが開幕する8月までには、未払い給料を完済したいとも述べています。

またイルワン・リザルCEOは今季に向けてクラブは600万リンギ(およそ2億600万円)を監督・コーチや選手などの人件費に用意していると述べています。


昨季2024/25シーズンの未払い給料がありながら、クランタンDN FCに今季のクラブライセンスを交付した独立機関の第一審機関(FIB)の対応には疑問の声も上がっています。今季に向けた予算が用意できるのであれば、まずは未払い給料を完済するのが先決ではないかと思うのですが、マレーシアサッカーの常識では、クラブライセンス交付には問題がないようです。

スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の規約では、クラブライセンス交付を求めるクラブは、ライセンス申請の時点でクラブ(雇用者)が選手やスタッフ(被雇用者)に対して給料、所得税、社会保障費用などにおいて雇用者が被雇用者への未払いがないこと、あるいは未払いに対する支払い方法に同意が得られていることを条件の一つに挙げています。

ただしこの条件は2024年12月末日の時点を基準にしており、クラブライセンスを交付するFIBは、マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)を通じて、2024年12月末日の時点で未払い給料がないことを確認していたと説明しています。その一方で、今季のスーパーリーグは秋春制移行に伴い、シーズンが2024年5月から2025年5月までの2年にまたがる形となっており、11月にシーズンが終了したいた昨季までとは状況が異なっています。つまり昨季までは12月31日の時点で未払い給料が無ければ、クラブの財務状況は「シロ」でしたが、今季は12月31日はまだシーズン途中であり、2025年1月以降に未払い給料があっても、クラブライセンス申請には何の問題もないと言う「抜け穴」があったわけです。

クランタンDN FCは前U23代表監督を新監督に指名

タンスリ・アヌアル・ムサは今でもクランタンで影響力があることに驚き

昨季の最下位からのチーム立て直しを目指すクランタン・ダルル・ナイムFC(クランタンDN FC)の今季監督に元マレーシアU23代表監督のE・エラヴァラサン氏が就任することになりそうです。

元クランタン州サッカー協会会長のアヌアル・ムサ氏が自身のSNSに投稿し、エラヴァラサン氏と、かつてサラワクFA(既に解散)やサバFC(現在のサバFC)でプレーしたボスニア出身のムアマー・サリバシッチ氏(今年5月まで前ボスニア2部HNKトミスラヴ・トミスラヴグラード監督)の両氏が、来季のクランタンDN FCの指揮を取ることになると投稿しています。

エラヴァラサン氏はU23代表監督を務めた後、2023年からはマレーシア代表のコーチに就任し、キム・パンゴン監督(現韓国1部蔚山HD FC監督)のもとで唯一のマレーシア人コーチを務め、2024年7月にキム監督が蔚山HD FC監督就任のために契約解除となった後、代表チームから離れています。

今回の投稿でアヌアル氏は「2025/26シーズンにスーパーリーグでプレーするクランタン州の唯一のクラブに、エラヴァラサン、サリバシッチ両氏を迎え入れることができることは喜ばしい。」と投稿し、さらにクランタン州のサッカーは本気で栄光を取り戻すつもりであるとし、その観点から見ると現在のクラブは明らかに人材不足であり、マレーシア人選手だけでは如何ともし難いとして、東南アジアを含めたアジアやアフリカの代表クラスの選手数名を契約する予定でもあるとも述べています。

今回のニュースの中心にいるアヌアル氏は国内有数の政治家としても知られ、2009年から2016年までクランタン州サッカー協会の会長を務め、クランタン州サッカー協会が運営するプロクラブのクランタンFAを強豪に育てた人物として知られています。それまではリーグ3位が最高位だったクランタンFAは、アヌアル氏在任の7年間には2012年の国内三冠(リーグ戦、FAカップ、マレーシアカップ)を含むリーグ優勝2回、FAカップ優勝2回、マレーシアカップ優勝2回という成績を残しており、アヌアル氏はクランタン州サッカーの黄金期を知る人物でもあります。

しかし、その一方で2015年からのクランタン州サッカー協会がクランタンFAの選手の給料未払い分など多額の負債を抱えていることが明らかになると2016年には会長職を突如辞任し、いわゆる「泥舟から逃げた」と批判された人物でもあり、またクランタンFAの資金を自身が会長を務めるマレーシア政府の地方地域開発省の下部組織である国民信頼評議会MARAから私的に流用したとして、マレーシア汚職防止委員会の取り調べを受けたこともある人物でもあります。

オン元マレーシア代表監督は今季はプルシク・クディリを指揮

昨季2024/25シーズン途中にサバFCを退団し、降格圏にいたインドネシア1部のプルシス・ソロの監督に就任したオン・キムスウィー氏は、クラブ経営陣が求めていた降格回避を達成しました。今季2025/26シーズンも続けて指揮をとりたいという希望を表明していたオン氏ですが、シーズン終了後も複数の候補者の1人という位置付けてプルシスとの交渉は進んでおらず、他のクラブでの指揮も視野に入れているという報道が出ていました。そんなオン氏が同じインドネシア1部のプルシク・クディリの監督に就任したことをクラブ公式SNSが伝えています。オン監督は、昨季は9勝9分16敗の14位で終えたプルシスから10勝11分13敗の12位だったプルシクへ移ることになります。

昨季のプルシクはブラジル出身のマルセロ・ホスピージ監督でスタートしましたが、第27節を終えて12位と徐々に順位を下げていたことから、ポルトガル出身のディバウド・アウベス監督に交代しました。2022/23シーズンにプルシクの監督を務めたこともあるアウベス監督でしたが、シーズン終了までの残り7試合を1勝3分3敗の成績で順位を12位で維持し、何とか残留を果たしています。しかしクラブはアウベス監督との契約を終えて新監督を探しているところでした。

プルシクは、スペインの2部や3部でのプレー経験があり、昨季に現役を引退したばかりのアーサー・イルワン氏がオーナーを務めるクラブで、2019年にインドネシア2部リーグで優勝し、1部昇格を果たしています。2020/21シーズンはコロナ禍で1部リーグが中止になりましたが、翌2021/22シーズンからは11位、11位、9位、12位という成績を残しています。

6月20日のニュース<br>・スリ・パハンFCの不参加で2025/26シーズンもスーパーリーグは奇数の13チーム編成に<br>・25/26シーズンの開幕は8月8日に決定<br>・スランゴールが代表CBを含めた9名の残留を発表<br>・サッカー協会-中央アジア遠征は決定ではない

スリ・パハンFCの不参加で2025/26シーズンもスーパーリーグは奇数の13チーム編成に

マレーシア1部スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)は、6月20日に公式サイト上で今季2025/26シーズンへの参加するのは13チームと確定したことを発表しています。

今季に向けては14クラブが国内クラブライセンスを交付されていましたが、この内、今年5月に行われた昨季最終戦のマレーシアカップ決勝でジョホール・ダルル・タジムFCに1−2と惜敗したスリ・パハンFCが、2025/26シーズンのスーパーリーグには出場しないことを決定したと言うことです。

この結果、今季のスーパーリーグに出場するのは、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)、セランゴールFC、サバFC、トレンガヌFC、クチンシティFC、クアラルンプールシティFC、PDRM FC、ペナンFC、ヌグリ・スンビランFC、クランタン・ダルル・ナイムFCと、招待参加クラブとして参戦するブルネイのDPMM FC、そして昨季は3部A1セミプロリーグでプレーし、今季からスーパーリーグに昇格するマラッカFCとイミグレセンFCの全13クラブです。

国内のクラブはすべて、今季リーグ戦出場に必要な国内クラブライセンスを独立第一審機関(FIB)から交付されており、またブルネイのクラブ、DPMM FCは、国際サッカー連盟(FIFA)とアジアサッカー連盟(AFC)から、今季のスーパーリーグに出場するための承認を受けています。

しかし同じく国内クラブライセンスを取得したスリパハンFCは、2025年6月16日付けで確認書を提出し、2025/26シーズンのスーパーリーグに出場しないことを決定したということです。

25/26シーズンの開幕は8月8日に決定

スンバンシーカップ:2025年8月8日-昨季のリーグ王者JDTと同2位のセランゴールFCが対戦する試合は、スルタン・イブラヒム・スタジアムで行われるリーグ開幕戦でもあります。
FAカップ:8月中旬に開幕
マレーシアカップ:2026年1月に開幕
MFLチャレンジカップ:2026年1月に開幕

またMFLは近いうちに2025/26シーズンのスーパーリーグのスケジュールを発表する予定ということですが、マレーシアからはJDTが出場するACLエリート、そしてスランゴールFCが出場するACL2については、AFCが8月15日に両大会の抽選を行う予定であるため、MFLは年間スケジュールを作成する困難に直面していると説明されている他、JDTとセランゴールFCがするASEANクラブ選手権ショッピーカップの詳細な日程を東南アジアサッカー連盟AFFに求めている最中だとしています。

スランゴールが代表CBを含めた9名の残留を発表

2024/25シーズンの国内1部スーパーリーグ2位のスランゴールFCが、2ヶ月後に開幕予定の2025/26シーズンに向けて、マレーシア代表CBのハリス・ハイカルやW杯出場を決めたヨルダン代表SBら9選手の残留を発表しています。

6月19日にまでにスランゴールFCが残留を発表しているのは、カーボベルデ代表WGアルヴィン・フォルテス、ヨルダン代表SBモハマド・アブアルナディ、マレーシア代表CBハリス・ハイカルの他、いずれもマレーシア代表経験のあるGKサミュエル・サマーヴィル、CBシャールール・ナジーム、SBジクリ・カリリ、MFムカイリ・アジマル、AMFハイカル・ラウ、FWイズワン・ユスランの合計9選手です。

中でもハリス選手は、マレーシア人の有力選手の御多分に洩れず、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)入りの噂なども出ていた中での残留発表でした。

FAM-中央アジア遠征は決定ではない

昨日のこのブログでは、イランやウズベキスタンが加盟している中央アジアサッカー連盟(CAFA)が主催する国際大会CAFAネイションズカップにマレーシア代表が招待されていると言う記事を取り上げましたが、マレーシアサッカー協会(FAM)はこの大会への参加を決定したわけではないとしています。

マレーシア語紙ブリタ・ハリアンは、FAM競技委員会ザイナル・アビディン・ハッサン副委員長の「競技委員会の会議で正式な議論を行った後にいかなる決定も下されるだろう」という発言を紹介しています。

「(東南アジアクラブ選手権)ショピーカップ、ACLエリートやACL2などのさまざまな試合により年間スケジュールを非常に過密なものになっているため、CAFAネイションズカップへの出場の可否はまだ決定はしていない。参加となれば代表選手に負担をかけないよう細心の注意を払う必要がある」と述べたザイナル副会長は、代表選手たちがシーズンを通して最高のパフォーマンスを発揮できるよう、休息、国内リーグ戦、国際試合の3つバランスを考慮する必要があると説明したということです。

6月19日のニュース<br>・マレーシア代表は8月に中央アジアで腕試しか<br>・ベトナム戦活躍のスペイン出身の帰化選手がアゼルバイジャンのクラブを退団-ジョホール移籍の布石か<br>・来季1部昇格のイミグレセンFCの本拠地が決まらず

マレーシア代表は8月に中央アジアで腕試しか

マレーシアのスポーツメディア、スタジアム・アストロは、マレーシア代表が今年8月にが開催されるCAFAネイションズカップに招待されたと報じています。

この大会を主催する中央アジアサッカー連盟(CAFA)はアフガニスタン、イラン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの6カ国が構成している連盟で、CAFAネイションズカップはいわばCAFAの選手権大会に当たります。なおこのCAFAネイションズカップは2023年に第1回大会が開催され、決勝ではイランがウズベキスタンを1−0で破って優勝しています。

第1回大会はCAFAに加盟する6カ国に招待されたオマーン代表が加わり、7チームで開催されています。マレーシアにルーツを持つ帰化選手(ヘリテイジ帰化選手)の活躍でベトナム代表を11年ぶりに破ったマレーシア代表は、第2回大会として8月26日から9月9日までの予定で開催されるこの大会に招待されたと言うことです。

この大会参加国を直近のFIFAランキングで見てみると、イランの18位を筆頭に、ウズベキスタン57位、キルギス103位、タジキスタン105位とマレーシアの132位を上回る強豪が並び、もし大会参加が実現すれば、貴重な格上チームとの対戦機会を得ることができそうです。

ベトナム戦活躍のスペイン出身帰化選手がアゼルバイジャンのクラブを退団-ジョホール移籍の布石か

先日のベトナム代表戦ではマレーシア代表として初出場した試合で先発し、フル出場してを11年ぶりとなるベトナム戦勝利に貢献したCBジョン・イラザバルが、所属するアゼルバイジャン1部のサバFKを退団したことが明らかになりました。

クラブの公式SNSに投稿されたメッセージ以下のようなものでした。「2022年からサバでプレーしてきたジョン・イラザバルに別れを告げる。彼の契約は今シーズン末で終了する。(筆者注:アゼルバイジャン1部は5月24日に最終節を追えています。)」

「ジョンはサバFKで98試合に出場し、6ゴールを記録、アゼルバイジャンカップで優勝した他、(アゼルバイジャン1部の)プレミアリーグで(2022/23シーズンの)準優勝と(2023/24シーズンの)3位入賞に貢献した。」

「彼が示したプロ意識、決意、そして忠誠心は、このチームの歴史に深い印象を残した。この旅路を共に歩んでくれたことを感謝するとともに、今後のご活躍を祈る。」

スペイン出身で28歳の帰化選手であるイラザバル選手がサバFKを正式に退団したことで、SNSではジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)入りの噂が広がっています。

元オランダ年代別代表でもプレー経験がある帰化選手のエクトル・へヴェルがポルトガル2部のポルティモネンセからJDT入りが濃厚とされているだけに、イラザバル選手がそれに続く可能性は十分ありそうです。

来季1部昇格のイミグレセンFCの本拠地が決まらず

マレーシアでは本拠地が決まっていないのにクラブライセンスが交付されるのかぁ。

今季2024/25シーズンに3部のA1セミプロリーグで準優勝し、開幕が2ヶ月後に迫る来季は1部スーパーリーグでプレーするイミグレセン(入国管理局)FCの本拠地が決まりません。

今季のスランゴール州バンギにあるマレーシア国民大学UKM内にある収容人数2000名のUKMスタジアムを本拠地としていたイミグレセンFCは、スーパーリーグ昇格にあたり、当初、マレー半島北部クダ州にあるダルル・アマン・スタジアムを新たな本拠地として登録しようとしていました。

このダルル・アマン・スタジアムは、今季スーパーリーグ11位のクダ・ダルル・アマンFCが本拠地としていましたが、給料未払い問題が未解決などの理由からクラブライセンスを交付されず、来季のスーパーリーグ出場ができなくなりました。いわばそこを居抜きでしようとしたのがイミグレセンFCです。

しかしクダ州首相(知事に該当)でもあるムハマド・サヌシ クダ州サッカー協会(KFA)会長でが、イミグレセンFCによる本拠地使用申請を却下しています。

「アウェイマッチの際のダルル・アマン・スタジアムの使用は許可するが、本拠地として登録することは許可しない。我々(ケダ州)には(リーグ公式戦を開催できる)スタジアムが1つしかなく、既にケダ州を代表する他のチームがいるため、ダルル・アマン・スタジアムをイミグレセンFCの本拠地として登録することは許可しない。」

さらにサヌシKFA会長は、隣接するペナン州には、スーパーリーグ公式が開催可能なスタジアムがバトゥ・カワン・スタジアムとシティ・スタジアムという2つのスタジアムがあることから、ペナンを本拠地とすることを提案しています。

超保守政党PASで選挙対策委員長も務めるサヌシKFA会長は「イミグレセンFCは他の州で本拠地を探すべき。(入国管理局傘下の)イミグレセンFCには適したペナンに行くことを勧めたい。ペナンには移民が多いので、ペナンを本拠地とするのが適している」と差別発言ギリギリのコメントも出しています。