2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第22節の結果とハイライト映像(1)・ジョホールが前人未到の国内リーグ11連覇で今季二冠達成

2月24日にマレーシアスーパーリーグ第22節の1試合、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)対ペラFCが行われ、ホームのスルタン・イブラヒム・スタジアムでペラFCを2-0で破ったJDTが国内リーグ11連覇を果たしています。JDTはこの試合の勝利で勝点58(20試合)となり、現在2位で勝点43のスランゴールFCが残り5試合を全勝し、JDTが残り4試合で全敗した場合でも、スランゴールがJDTを勝点で上回ることは出きず、JDTの優勝が決まっています。

今季は20試合で19勝1分0敗とここまで無敗のJDTですが、残り4試合でも引き分け以上であれば、3シーズン連続で国内リーグ無敗という記録も達成します。ちなみにJDTが最後に国内リーグ戦で敗れたのは2021年4月24日の2021年シーズン第10節、トレンガヌFC戦ですが、この2021年は11月30日のマレーシアカップ決勝でもKLシティに敗れています。言い換えれば、2021年11月30日を最後、JDTはマレーシア国内で1敗もしていません。

試合の方は、前半はペラが健闘し、JDTは苦戦を強いられましたが、前半終了間際に試合が動きました。アリフ・アイマンが見事なドリブルで相手DFをかわして巧みなクロスを上げると、このクロスにヘセ・ロドリゲスが反応してゴールを決め、JDTが1-0として前半を終えました。

後半に入ると、JDTがさらにリードを広げます。64分にペラのDFアリフ・アル=ラシドがが自陣ペナルティエリアでハンドを犯して得たPKを、ホルヘ・オブレゴンが決めて、20とすると、この2点を守ってJDTが勝利を挙げています。

既に今季のFAカップで優勝しているJDTは、これでリーグ戦と合わせて二冠を獲得し、4月12日のスリ・パハンFCとのマレーシアカップ決勝で前人未到の3季連続の国内三冠を目指します。

一方、ペラFCはこの敗戦により9敗目となり、勝点23でリーグ6位に留まっています。

国王もJDTのリーグ11連覇を祝福

このJDTの11連覇に対して、JDTのオーナー、トゥンク・イスマイル殿下の父君でもあるマレーシア国王スルタン・イブラヒム陛下は、公式フェイスブックページを通じて祝辞を述べられました。

2013年にジョホール州摂政トゥンク・イスマイル殿下によって設立されて以来、JDTにとって通算29個目のタイトルとなることも併せて投稿したスルタン・イブラヒム国王は、「JDTにとって11シーズン連続のリーグ優勝はこの前例のない偉業はである」として祝意を表しています。

2024/25マレーシアスーパーリーグ第22節
2025年2月24日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 2-0 ペラFC
⚽️ジョホール:ヘセ・ロドリゲス(45分)、ホルヘ・オブレゴン(64分PK)
MOM:ハジック・ナズリ(ペラFC)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより。
2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節途中)
順位チーム勝点
1JDT2058191070763
2SEL19421333331419
3SAB1934104537298
4TRE192877525214
5KCH182459425241
6PRK20236593334-1
7#KLC192484729254
8PDRM18215672027-7
9PEN20204882632-6
10*KDA17206561727-10
11SRP18173872129-8
12NSE18923131741-24
13KDN19721161356-43
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第22節途中)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT23
2パウロ・ジョズエKLC12
3ルシアーノ・ゴイコチェアPRK10
ロドリゴ・ディアスPEN10
ロニー・フェルナンデスSEL10
6アルヴィン・フォルテスSEL8
イフェダヨ・オルセグンPDRM8
クレイトンPRK8
ジョーダン・ミンターKCH8
10アリフ・アイマンJDT7
ジョアン・ペドロSAB7
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC
PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC

2月23日のニュース<br>・MFLチャレンジカップ決勝2ndレグ:スランゴールが10年ぶりの国内タイトル獲得、喜熨斗勝史監督にも初タイトル

色々とスッキリしない点もあるが、スランゴール再生へのきっかけが見えたのか。

MFLチャレンジカップの決勝2ndレグが2月22日にスランゴール州のMBPJスタジアムで行われ、1stレグで勝利していたスランゴールFCが0−4で昨季のチャンピオンPDRM FCを破り、2015年のマレーシアカップ優勝以来となる国内タイトルを獲得しています。

1週間前の2月15日にスランゴールのホーム、MBPJスタジアムで行われた1stレグに対し、この日の2ndレグは本来ならPDRMのホーム、MPSスタジアムで行われる予定でしたが、MBPJスタジアムが「決勝開催のための条件を満たしている」ことを理由に試合会場の変更を主催者であるマレーシアン・フットボール・リーグ(MFL)に申請し、MFLもこれを認めることを2月18日に発表しました。

1週間前の1stレグは3-2とスランゴールが勝利したもののその差は1点と、2ndレグではPDRMも逆転優勝を狙えると思われていましたが、試合前日に驚くようなニュースが飛び込んできます。

MFLは公式サイト上で、マレーシアサッカー協会(FAM)の懲戒委員会が、2月15日のチャレンジカップ決勝1stレグで、出場資格のない選手を起用したことを理由にPDRM FCに処分を下したことを発表しました。具体的には、準々決勝と準決勝でそれぞれイエローをもらっており、決勝1stレグは警告累積により出場停止処分を受けていたはずのモハマド・サフィー・アフマドが58分に交代出場したことが原因でした。MFLの発表を読んだだけでは、なぜこのサフィー選手がそもそもベンチ入りしていたのか、また本人も含めてチーム内でそれに気づく者がなぜ1人もいなかったのか、など不明な点が多すぎますが、この規定違反についてMFLは以下のような処分内容を発表しました。

1. 2月15日の決勝1stレグはスランゴールに3−0の勝利を与える
2. 3,000リンギ(およそ10万円)の罰金
3. 厳重注意処分が与えられ、同様の違反が繰り返された場合にはより重い処分が課される

さらにMFLの公式サイトではこの決定については上訴不可であること、選手の出場停止に関する全ての事案は、MFLではなく、FAMの懲罰委員会の管轄にあることなども説明されていました。この結果、PDRMは決勝2ndレグを3点ビハインドの状態で始めることになってしまいました。

この時点でPDRMのチーム内の士気が消沈したことは予想できますが、さらに驚くニュースが続きました。決勝2ndレグを前に、PDRMはP・マニアム監督の「休養」を発表し、決勝2ndレグ、そして今季終了まではエディ・ガピル コーチが監督代行としてチームを指揮することを発表しました。重要な試合前日の監督の「休養」も、またその理由も発表されず、メディアでもチーム内が混乱していることも報じられましたが、真相は藪の中です。

試合前からそんな波乱に富んだ決勝2ndレグですが、スランゴールは1stレグで退場になったキャプテンのCBサフワン・バハルディンに代わり、マレーシア代表でもプレーする22歳のアリフ・ハイカルを起用した以外は1stレグと全く同じ布陣、一方のPDRMは鈴木ブルーノ、シャーレル・フィクリの2トップを中心に早い段階でのゴールを狙います。

PDRMがこのFWコンビを中心に積極的に前に出る中、先制点はスランゴールでした。決勝1stレグでは左サイドハーフとして起用されると機動性を発揮してPDRM守備陣を翻弄したアルヴィン・フォルテスがこの試合でも躍動。これに引っ張られるようにPDRM守備陣が動くと、これまで中央でパスを受けることが多かったいわゆる「アウトアンドアウトストライカー」のロニー・フェルナンデスが、この試合では大きな身体に似合わず積極果敢に空いたスペースに走ってボールを受けるなど新たな一面を見せ、まずは開始4分でアリ・オルワンの先制ゴールをアシストします。さらにその6分後には左サイドに開いたフェルナンデスからのクロスをヨハンドリ・オロスコが頭で合わせて2点目のゴールを決め、開始10分でスランゴールが通算成績で5−0とします。

PDRMにとって痛かったのは、22分のイズルル・アシュラフの1発レッドによる退場でした。ボールを持つヨハンドリ・オロスコへチャージした際、その足を踏みつけた行為はVARが介入した結果、イエローがレッドとなり5点を追うPDRMは10人になってしまいます。30分にはここまで2アシストのロニー・フェルナンデスがヘディングシュートで3点目を決めると、前半だけでこの試合の行方は決まってしまいました。

後半にはPDRMの正GKブライアン・シーがケガで後退を余儀なくされると、さらに1点を加えたスランゴールがこの試合を4−0で制し、通算成績7−0でMFLチャレンジカップの優勝を果たした試合でした。なおこの試合のMOM2は1ゴール2アシストと活躍したロニー・フェルナンデスが選ばれています。(写真上は試合後の記念写真。Juaraはマレーシア語でチャンピオンを意味します。写真下は大会最優秀選手賞を受賞したロニー・フェルナンデス選手。)

しかし冷静になって考えると… 優勝とは言え、この大会は国内で最も権威のあるマレーシアカップでベスト8進出を逃したチームのための大会で、手放しで喜ぶほどのタイトルではありません。しかしその一方で、前述の通り、アルヴィン・フォルテスやロニー・フェルナンデスに新たな可能性を見出した喜熨斗勝史監督が、今季は大事なところで勝ちきれなかったスランゴールを再生させている印象はしっかりと感じられる大会でした。なお、スランゴールの次戦は2月27日のリーグ戦22節で、勝点差8でスランゴールに次ぐ3位のサバと対戦します。この試合に勝利すれば、今季の2位が確定する重要な試合で、チャレンジカップ決勝の2戦で見せたサッカーが、リーグ3位のサバを相手にはたして機能するのかに注目したいと思います。

MFLチャレンジカップ決勝2ndレグ
2025年2月22日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
PDRM FC 0-4 スランゴールFC(通算成績:0-7)
⚽️アリー・オルワン(4分)、ヨハンドリ・オロスコ2(10分、80分)、ロニー・フェルナンデス(30分)
MOM:ロニー・フェルナンデス(スランゴールFC)
PDRM FCの鈴木ブルーノ選手は先発して67分に交代しています。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

2024/25チャレンジカップ決勝1stレグ:10人のスランゴールがPDRM相手に先勝

2月15日にMFLチャレンジカップの決勝1stレグが行われ、スランゴールFCが開始10分で10人となるも、昨季のチャンピオンPDRM FCに逆転勝ちし、優勝に王手をかけています。

国内で最も盛り上がるカップ戦マレーシアカップの1回戦で敗れたチームが参加するいわばワンランク下のカップ戦がこのチャレンジカップです。決勝に駒を進めたのは、前年覇者PDRM FCと、現在リーグ2位のスランゴールです。

特にスランゴールは、今季もリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)打倒の一番手と期待されながら、昨年8月のFAカップの決勝ではそのJDTに1-6と一蹴され、マレーシアカップは1回戦敗退、そして現在は首位(JDT)と残り5試合で勝点差12をつけられています。さらに昨年11月にセルビア代表コーチから転身した喜熨斗勝史監督就任以降、ACL2でもグループステージ敗退するなど、苦しいシーズンとなっており、いわばこのチャレンジカップは「赤い巨人」のニックネームを持つ古豪が復活に向けてのプライドをかけた闘いとなります。

この試合の布陣はこれまで喜熨斗監督が何度か採用していた3-4-3でしたが、これまでウィングとして1列目で起用されてきたアルヴィン・フォルテスを、この試合では1列下げて左サイドハーフとしたのが見事にハマった試合でした。これで右にはクエンティン・チャン、左にはフォルテスと、いずれも守備の意識も高いサイドハーフが揃ったことで、試合開始からチーム全体が躍動します。

1点目はまさにこの起用が功を奏した得点でした。試合開始からわずか4分、右サイドのフォルテスからのパスを受けたアリ・オルワンがペナルティエリアまでドリブルで持ち込むと、ゴール前のロニー・フェルナンデスへ。フェルナンデスが相手DFを惹きつけながら、その間にゴール前に走り込んできたフォルテスへパスすると、これをノートラップでフォルテスが蹴り込んでスランゴールが先制しました。

しかし10分にスランゴールは10人になってしまいます。スランゴールDFラインの裏へ出たボールに合わせてPDRMのシャーレル・フィクリが飛び出すと、1対1となったGKカラムラー・アル=ハフィズがペナルティエリアの外へ飛び出し、そのボールを胸でクリアしようとしますが、これがシャーレル選手の足元へ。このピンチにシンガポール代表CBのサフワン・バハルディンが必死のスライディングタックルでクリアしますが、同時にシャーレル選手も倒してしまいます。ここでVARが介入し、結局、キャプテンでもあるサフアン選手にはレッドカードが出され、開始わずか11分でスランゴールは10名となってしまいます。

しかし、その8分後、何と10人のスランゴールが追加点を挙げます。オーバーラップしたアフロことシャルル・ナジームのヘディングからのボールはロニー・フェルナンデスが再びポストとなり、ニコラ・ジャンボルへ。ニコラのシュートは弾かれたものの、ゴール前に詰めていたフォルテスがこのルーズボールを蹴り込んでゴール!スランゴールがリードを2点に広げます。

しかし、喜熨斗監督は3バックでのCBのサフワン・バハルディンが退場となったにもかかわらず、選手交代を行わず、右SBのシャルル・ナジームがCBとなり、その結果、空いたところを右サイドハーフのクエンティン・チャンが下がり気味で守る布陣を取ります。

その後もスランゴールはチャンスは作るものの、ゴールに至らない状態が続くと、PDRMは28分にはシャーレル・フィクリが素晴らしい個人技で、39分にはそのシャーレルのコーナーキックをバドルル・アフェンディが頭で合わせてそれぞれゴールを決めてPDRMが追いつき、前半は2ー2で終了します。

後半開始とともに喜熨斗監督はFWのロニー・フェルナンデスに替えて、右SBにファズリ・マズランを投入して本来の3バックにもどすと、守備の負担が減ったクエンティン・チェンが躍動。そしてこのチェン選手が決勝点となるゴールの起点になりました。

右サイドをドリブルで駆け上がったチェン選手からのクロスをアリ・オルワンが押し込んで決勝点を挙げ、試合終了直前のPDRMの猛攻を防ぎ切ったスランゴールがチャレンジカップに王手をかけた試合でした。

終わってみれば、個人的には喜熨斗勝史監督就任後のスランゴールのベストマッチという印象でした。今週末2月22日の決勝2ndレグは、出場停止になるであろうキャプテン、サフワン・バハルディンに代わりシャルル・ナジームがCBに、左右SBにはニコラ・ジャンボルとハリス・ハイカルが入り、後は特に布陣の変更はなさそうに思いますが、喜熨斗監督がどのような選手起用をするのかも楽しみです。一方のPDRMもこのタイトルの連覇がかかっている上、わずか1点差ということで、この試合でも先発したイフェダヨ・オルセグン、シャーレル・フィクリのFWコンビに加えて、鈴木ブルーノ、ハディ・ファイヤッドと4人の同時先発もありえる派手な撃ち合いも期待できそうです。

MFLチャレンジカップ2024/25決勝1stレグ
2025年2月15日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 3-2 PDRM FC
⚽️スランゴール:アルヴィン・フォルテス2(4分、18分)、アリ・オルワン(51分)
⚽️PDRM:シャーレル・フィクリ(28分)、バドルル・アフェンディ(39分)
MOM:

この試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグ(MFL)のYouTubeチャンネルより。

2月12日のニュース:・ACLエリート-ジョホールは辛勝も東地区8強入りに前進<br>・ジョホールのブラジル人FWが既にマレーシア国籍取得?

ACLエリート2024/25-ジョホールは辛勝も東地区8強入りに前進

2月11日に2024/25ACLエリートの第7節が行われ、マレーシアから出場のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)がセントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)と対戦し、苦しみながらも2−1と勝利し、ノックアウトステージ進出となる上位8位以内入りに近づいています。

ACLエリートではここまで2勝2分2敗のJDTですが、アウェイでは第1節で上海海港に●2-2、第3節では光州FCに●1-3、第5節では山東泰山に△0-1と勝星がありません。第6節を終えて0勝1分5敗と勝利のないセントラルコースト・マリナーズが相手とはいえ、アウェイのジンクスは気になるところでした。とはいえ、このセントラルコースト・マリナーズは昨季はACL2の前身のAFCカップに出場し、そこではマレーシアのトレンガヌFCに1分1敗という成績を残していたチームです。

JDTの不安要素を探すとすれば、前節第6節のブリーラム・ユナイテッド(タイ)戦でレッドカードを出されたCBパク・ジュンホンとLWBのムリロ・エンリケ、さらにMFフアン・ムニスも警告累積と主力3選手がこの試合では出場停止となっていることでした。しかし、これに対してJDTの動きは素早く、2月4日にいずれもスペイン出身のCBアルバロ・ゴンサレス、MFロケ・メサ、FWジョナタン・ビエラの3選手の加入を発表しています。全員が35歳と言う年齢に疑問の声も上がりましたが、JDTのエクトル・ビドリオ監督は、この3選手はACLエリートのためだけの加入であり、いずれもラ・リガなど高いレベルでのプレー経験を持つ選手であることから年齢は問題ではなく、その経験に期待したいと話していました。そして、その言葉通り、この試合ではこの3選手全員が先発しています。(以下はこの試合の両チームの先発XI)

試合はJDTが試合開始から右サイドのアリフ・アイマンを起点に積極的に攻め、多くのチャンスを作りますが、セントラルコースト・マリナーズの18歳GKディラン・ペ​​ライン-カレンが196cmという身長ながら俊敏な反応を見せ、ゴールを許しません。

さらにJDTにとって不運な出来事が起こります。試合開始からわずか23分で、新加入トリオの1人、ロケ・メサが負傷し、アフィク・ファザイルとの交代を余儀なくされてしまいます。

しかし、前半終了間際のアディショナルタイムにこのペ​​ライン-カレン選手がペナルティエリアの外でアリフ・アイマンと1対1となると、アリフ選手を倒してしまいます。このプレーにVARが介入し、その結果ペ​​ライン-カレン選手は1発レッドで退場となってしまいます。これによりJDTは絶好の位置でPKを得ると、ヘベルチが蹴ったフリーキックはゴールポストに阻まれたものの、それをベルグソン・ダ・シルヴァが押し込んで先制したかに見えましたが、こちらにもVARが介入してオフサイドの判定となり、そのまま前半は0-0で終了します。

後半に入ってもJDTが数的有利を活かして攻め込み、50分にはベルグソン選手がシュートを放ちますが、交代出場の22歳GKアダム・パブレシッチがこれを止めて、JDTは得点できません。嫌な雰囲気が立ち込める中、ついに64分にJDTが先制します。アリフ・アイマンのクロスをアルヴァロがダイレクトで蹴り込み、、サウジアラビアのアル・ナスルではクリスティアーノ・ロナウドとチームメイトだった新戦力がJDTに待望の先制点をもたらします。

しかしそのゴールからわずか6分後の70分、今度はセントラルコースト・マリナーズのオーストラリアU23代表FWアルー・クオルがゴール前の混戦からルースボールを押し込んで同点に追いつきます。

この試合に負ければ自力でのノックアウトステージ進出が危うくなるJDTは、ゴール前を固めて守る相手に苦しみますが、ここで再び新加入のアルバロがヘベルチからのクロスをバックヘッドで決め、79分にJDTが逆転します。その後はラフプレーも目立つようになる中、なんとか逃げ切ったJDTが今大会初となるアウェイでの勝利を挙げて、順位も暫定ながらJリーグ3チームと光州FCに次ぐ勝点11の5位と順位を上げ、ノックアウトステージへ進出できる東地区8強入りに近づきました。

最終節となる次節第8節は2月18日にホームのスルタン・イブラヒム・スタジアムでこの日川崎フロンターレに0-4で敗れた暫定7位(勝点9)の浦項スティーラーズと対戦します。

2024/25 ACLエリート東地区第7節
2025年2月11日@セントラルコースト・スタジアム(ニューサウスウェールズ州ゴスフォード)
セントラルコースト・マリナーズ 1-2 ジョホール・ダルル・タジムFC
⚽️マリナーズ:アルー・クオル(70分)
⚽️ジョホール:アルバロ・ゴンザレス2(64分、79分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

ジョホールのブラジル人FWが既にマレーシア国籍取得?

上の記事でも取り上げたACLエリートのセントラルコースト・マリナーズ戦でも活躍した、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)でプレーするベルグソンこと、ベルグソン・ダ・シルヴァがインスタグラムのプロフィールに、最近、マレーシア国旗が添えられたことで、ベルグソン選手がマレーシア国籍を取得したのでは、と国内サッカーファンの間でさまざまな憶測を呼んでいます。

2021年シーズン途中にJDTに加入したベルグソン選手は現在34歳ですが、国内リーグやカップ戦、さらにACL/ACLエリートなどを過去4シーズンで出場した131試合で139ゴールを挙げているストライカーです。今季だけを見ても、リーグ戦では既にハットトリックを3度記録し、19試合で23ゴールを挙げるなど、得点王争いでは2位に12点差をつけて独走しています。

ベルグソン選手がマレーシア国籍を既に取得したのかどうかについては、この記事の執筆時点でまだ公式な発表はありませんが、以前、JDTのオーナーでありジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下は、このベルグソンと、JDTからローン移籍で今季はスリ・パハンFCでプレーする25歳のアルゼンチン出身MFマヌエル・イダルゴが帰化選手の候補であることを明かしていました。(イダルゴ選手は、やはり2021年シーズン途中に英国2部シェフィールド・ウェンズディU21からパハンFA(現スリ・パハンFC)に加入しています。)

もしベルグソン選手が本当に帰化を果たせば、昨年2024年シーズンは16試合で19得点(26失点)とこれまで攻撃面で課題を抱えているマレーシア代表にとって大きな強化となることは間違いありません。また、今年1月に就任した前東京FC監督のピーター・クラモフスキー監督が率いる代表チームは、ヘリテージ選手「マレーシアにルーツを持つ海外出身選手」の帰化推進と彼らの代表招集を目論んでいるとされており、ベルグソン選手が帰化すれば、その流れがさらに加速させる可能性があります。

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第20節の結果とハイライト映像<br>・ジョホールは大勝で11連覇に王手<br>・スランゴールはマレーシアカップで敗れたスリ・パハンに雪辱<br>・6ヶ月ぶりのホームでの試合もケランタンは2試合連続の大量失点に沈む

2月5日から9日にかけてマレーシアスーパーリーグ(MSL)の第20節が開催されています。リーグ首位を走るジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)はPDRM FCを4-0で一蹴し、開幕から19試合無敗を守っています。この結果、JDTはリーグ11連覇まで「マジック1」と迫り、次節第21節にも優勝が決定します。

今節の2月9日に予定されていたサバFC対KLシティFC戦は2月21日に日程が変更されています。また、今季のスーパーリーグは13チーム編成のため、クダ・ダルル・アマンFCは今節は試合がありません。

*各試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグのYouTubeチャンネルより。

ジョホールは大勝で11連覇に王手

2月11日にAFCエリート(ACLE)のセントラル・コースト・マリナーズ戦(アウェイ)が控えるJDTは、他のチームに先駆けて2月5日に第20節のPDRM戦に臨んでいます。今季ここまで17勝1分のJDTですが、今季唯一、勝点3を奪えなかったのが1-1で引き分けた昨年7月31日のMSL第7節アウェイのPDRM戦でした。この試合でのJDTはシュート数19本(枠内15本)と、PDRMのシュート数3本(枠内2本)を圧倒しながら、同点に追いつくのが精一杯の試合でした。

その借りを返すとばかりにJDTはPDRMがとった守備的な5-4-1の布陣をものとものせず、開始14分、ホルヘ・オブレゴンのゴールで先制すると、39分にはラヴェル・コービン=オング、55分にはヘセ・ロドリゲス、そして81分には露メル・モラレスが次々とゴールを決めてPDRMを圧倒し、この日2月5日に57歳の誕生日を迎えたエクトル・ビドリオ監督への最高のプレゼントにもなりました。

JDTはこの試合の勝利で勝点55となり、今節同じく勝利した2位のセランゴールは19試合で勝ち点42。残り5試合で勝点差13となったことで優勝への「マジック1」となり、次節第21節、2月27日のホーム、ペラFC戦で勝利するか、同日のスランゴールFC対サバFC戦でスランゴールが敗れれば、リーグ11連覇が決定します。

2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月5日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 4-0 PDRM FC
⚽️ジョホール:ホルヘ・オブレゴン(13分)、ラヴェール・コービン=オン(39分)、ヘセ・ロドリゲス(54分)、ロメル・モラレス(81分)
MOM:ラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タジムFC)
PDRM FCの鈴木ブルーノ選手はベンチ入りしたのもの出場はありませんでした。

なお試合後の会見でJDTのビドリオ監督は、新外国人選手3名(アルバロ・ゴンサレス、ジョナタン・ビエラ、ロケ・メサ)について、2月11日のACLEセントラル・コースト・マリナーズ戦と、その翌週2月18日に行われる最終節の浦項スティーラーズ戦の残り2試合に出場予定であると話しています。

「特にオーストラリアでのセントラルコースト・マリナーズ戦では、ムリーロ(エンリケ)、フアン(ムニス)、パク(ジュンホン)がレッドカードの影響で出場停止となるため、彼らの存在が不可欠となる。」と話したビドリオ監督は、この3選手がいずれも35歳であることについては問題視しておらず。若い選手を起用しても、必要な経験が不足していれば意味がないと話し、ゴンザレス選手らの豊富な経験はJDTに大きなプラスの影響をもたらすだろうと述べています。

5位ペラと6位クチンシティの対戦は引き分けに

勝点21でリーグ6位のクチンシティFCが同22で5位のペラFCをホームに迎えた対戦は、1-1の引き分けに終わり、勝ち点を分け合う結果となりました。。

試合では、アウェーのペラが14分にフィルダウス・サイヤディのゴールで先制して前半を終えますが、後半に入ると、クチンシティ徐々に攻勢を強め、54分には谷川由来選手のヘディングシュートがポストを直撃するなど、惜しい場面があるもゴールとはなりませんでした。

しかし、クチンシティの粘り強い攻撃が実を結んだのは71分でした。JDTからローン移籍中のラマダン・サイフラーが放ったヘディングシュートを、同じくJDTからローン移籍中のペラGKハジク・ナズリが止められず、クチンシティが同点に追いつきます。しかしその後は両チームとも得点がなく、試合は1-1のまま終了しています。

2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月7日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティFC 1-1 ペラFC
⚽️クチンシティ:ラマダン・サイフラー(71分)
⚽️ペラ:フィルダウス・サイヤディ(14分)
MOM:ラファエル・ヴィトール(ペナンFC)
クチンシティFCの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

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6ヶ月ぶりのホームでの試合もケランタンは2試合連続の大量失点に沈む

ピッチの排水設備改修のためホームのスルタン・ムハンマド4世スタジアムが使用できなかったクランタン・ダルル・ナイムFCは、この試合が昨年7月26日の第6節以来となるホームマッチとなりましたが、前節の7失点に続き、この試合でも大量6失点で7試合連続で勝点なし、また引き分けを挟んで10連敗となっています。

ホームにペナンFCを迎えた試合では、ペナンFCのFWロドリゴ・ディアスが29分に先制点を決めますが、クランタンも34分にシャヒール・ラシドが同点ゴールを決め、試合は振り出しに戻ります。しかし、クランたんの喜びも束の間、のニック・アキフ・シャヒランが43分にゴールを決め、前半はペナンが再びリードを奪って、折り返します。

後半に入ると、試合は一方的にペナンのペースに。前半1得点のディアスは67分、さらに84分のPKでハットトリックを達成すると、さらに終了間際にもこの試合4点目となるゴールを挙げて区ランタンを粉砕します。結局ペナンは、ディラン・ウェンゼル=ホールズのゴールもあり、大量6点でクランタンに圧勝しています。


今季ここまで2勝1分16敗で13得点56失点という成績のケランタン・ダルル・ナイムFCが苦戦を続けている主な理由の一つは、トレーニング不足であると、アシスタントコーチであるカマルディン・ムハマド氏がマレーシアの通信社ブルナマの取材に語っています。

「我々は毎日練習しているわけではなく、選手は試合の2日前に集められ、全体練習をしただけでペナンFC戦に出場した。1週間にわずか2〜3日しか練習しておらず、ペナンFCのような経験豊富なチームや、十分な外国人選手を揃えたチームと戦うのは難しい状況である」と、試合後の記者会見で語りました。

さらに「KDN FCは現在、残りのスーパーリーグ試合をこなすことしかできない状態であり、競争力を持って戦うのは難しい」「KDN FCは非常に厳しい状況にあります。 他のチームは5人の外国人選手と経験豊富な地元選手を擁しているのに対し、私たちは若手選手のみで戦っています。」と述べたカマルディン氏は、「このチームは若い選手が中心で、スーパーリーグで経験のある選手は1~2人しかおらず。今後はさらに大差で敗れる可能性もある」と警鐘を鳴らしました。

またカマルディン氏は、チームが直面している問題を解決するために、クラブの運営陣が早急に対策を講じる必要があると訴え、「KDN FCを率いるのは、高い能力を持った監督であるべきであり、そうすれば、チームはより競争力を持って戦えるようになるでしょう」とも述べたということです。

給料未払い問題の影響がまさに現れているクランタン・ダルル・ナイムFCは、この試合もU23の選手が先発に6名、U21選手が1名、またベンチの9名中23の選手が6名、U21の選手が1名、さらに外国籍選手も1名のみ(この試合は出場せず)とトップリーグで他のクラブと争うには厳しいメンバーとなっています。給料未払いから外国籍選手が次々とチームを去るなかで、直近の5試合では2得点21失点とサンドバックのようにボコられる試合が続いています。

2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月7日@スルタン・ムハンマド4世スタジアム(クランタン州コタバル)
クランタン・ダルル・ナイムFC 1-6 ペナンFC
⚽️クランタン:シャヒール・ラシド(34分)
⚽️ペナン:ロドリゴ・ディアス4(29分、67分、84分PK、90+5分)、ニック・アキフ・シャヒラン(43分)、ディラン・ヴェンツル・ホールズ(90+2分)
MOM:ロドリゴ・ディアス(ペナンFC)

スランゴールはマレーシアカップで敗れたスリ・パハンに雪辱

国内最大のカップ戦マレーシアカップでは、2018年シーズン以来となるグループステージ敗退を喫した今季のスランゴールFC。スリ・パハンを相手に1分1敗という結果でしたが、これは現在、スランゴールの指揮を取る喜熨斗勝史監督が12月に就任してから1週間も経っていない時のことでした。

この試合を振り返った喜熨斗監督は「前回対戦したとき、私はチームに来たばかりだった。しかし、今では2か月が経ち、選手たちも私のサッカー哲学をより理解している」と、試合前日の記者会見で自信を見せた一方で、スリ・パハンFCはセランゴールを破った勢いのまま、ペラFC、サバFCを撃破して4月に開催予定のマレーシアカップ決勝進出を決めています。その一方でシンガポールのレジェンド、ファディ・アフマド監督率いるチームはリーグでは現在10位と低迷しています。

そんな両チームの対戦は、試合開始から双方がせめぎ合う試合となりましたが、先手を撮ってのはスランゴールでした。試合開始からわずか14分で、ニコラ・ジャンボルからのパスを受けたアリ・オルワンが相手DFを軽々とかわして9月13日のクチンシティFC戦以来9試合ぶりのゴールで先制点を決めます。さらに39分にはロニー・フェルナンデスが、クエンティン・チェンのパスを受けて追加点を挙げ、スコアを2-0としました。スランゴールサポーターからはボールを持つたびにブーインされてしまうほど信用を無くしているフェルナンデス選手ですが、このゴールはPK以外では9月28日以来となる今季10ゴール目でした。

一方、スリ・パハンはスランゴール以上に決定機を何度も作りましたが、最後まで得点を奪うことができず、しあいはこのまま2−0で終了しセランゴールは19試合を終えて勝点42と、3位のサバに10勝点差をつけました。(ただし、サバはまだ2試合未消化)また、スリ・パハンは17試合を終えて勝点16のままで、順位は11位とリーグ戦では苦戦が続いています。

2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月8日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 2-0 スリ・パハンFC
⚽️スランゴール:アリ・オルワン(14分)、ロニー・フェルナンデス(39分)
MOM:アリ・オルワン(スランゴールFC)

トレンガヌがネグリ・スンビランに快勝で4位堅持

前節第19節ではリーグ3位のサバFCを相手に接戦を演じたヌグリスンビランFC。今節では同4位のトレンガヌFCをホームに迎えて今季3勝目を狙いましたが、試合巧者のトレンガヌに0-2で敗れ、その目標を達成することはできませんでした。

サバFCを相手に積極的なプレーを見せたヌグリスンビランは、この試合ではより攻撃的に仕掛けますが、逆にトレンガヌが前半から優勢に試合を進めます。そして25分、トレンガヌに先制点が転がり込みます。ヌリロ・トゥクタシノフが約30メートルの位置からフリーキックをゴールへ放つと、前に出ていたネグリ・スンビランのGKアキル・アブド・ラザクが慌てて下がりながら必死に手を伸ばすも、その指先を掠めるようにボールはそのままゴールインし、トレンガヌがあっさり先制します。その後もトレンガヌは39分にサファウィ・ラシドが、そして43分にはアキヤ・ラシドがいずれもペナルティエリアの外からシュートを放つも、惜しくもクロスバーを越え、前半はトレンガヌが1点のリードで終了します。

後半が始まると、ネグリスンビランは攻撃の強度を上げ、ゴールを狙います。58分には、ジャック・ファイェがシュートを放ち、トレンガヌGKサイド・ナスルハクをかわしたものの、ゴールラインを越えそうになったボールをサフワン・マスランが間一髪でクリアし、同点ゴールを許しません。逆にネグリスンビランは79分にPKを与え、これをネルソン・ボニーヤが冷静に決めて、トレンガヌが2点目を挙げます。ネグリスンビランも必死で反撃しますが、試合はそのまま終了し、トレンガヌが勝利しています。

2024/25マレーシアスーパーリーグ第20節
2025年2月9日@トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビランFC 0-2 トレンガヌFC
⚽️トレンガヌ:ヌリロ・トゥクタシノフ(26分)、ネルソン・ボニーヤ(80分PK)
MOM:ヌリロ・トゥクタシノフ(トレンガヌFC)
ヌグリスンビランFCの佐々木匠選手は先発してフル出場しています。


2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第20節終了)

順位チーム勝点
1JDT1955181068761
2SEL19421333331419
3SAB1732102534268
4TRE162776422175
5PRK192365833321
6KCH162257422211
7PDRM18215672027-7
8*KDA17206561727-10
9PEN19194782531-6
10#KLC171873726233
11SRP17163771927-8
11PEN18163781930-11
12NSE18923131741-24
13KDN19721161356-43
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第20節終了)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT23
2パウロ・ジョズエKLC11
3ルシアーノ・ゴイコチェアPRK10
ロドリゴ・ディアスPEN10
ロニー・フェルナンデスSEL10
6アルヴィン・フォルテスSEL8
イフェダヨ・オルセグンPDRM8
クレイトンPRK8
9アリフ・アイマンJDT7
ジョアン・ペドロSAB7
11ヘベルチ・フェルナンデス
他4選手
JDT6
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC
PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC

2月9日のニュース:<br>・FAMによるプルリス州サッカー協会資格停止処分の訴訟はスポーツ仲裁裁判所へ<br>・クチンシティ監督-Mリーグの頻繁な中断が勢いを削ぐ<br>・新たな「ヘリテージ選手」の加入でバランスの取れたチーム編成へ – ロブ・フレンド代表チームCEO

FAMによるプルリス州サッカー協会資格停止処分の訴訟はスポーツ仲裁裁判所へ

ペルリス州サッカー協会(PFA)からマレーシアサッカー協会(FAM)に対して出された資格停止処分の停止請求について、プルリス高等裁判所は、この問題はスポーツ仲裁裁判所(CAS)で審理されるべきという決定を下しました。裁判所命令は、現在の請求を一時停止し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の手続きに委ねるよう求めるものです。

ことの発端は、昨年12月にマレーシアサッカー協会(FAM)がプルリス州サッカー協会(PFA)に対し、元フットボールディレクターへの賃金未払いを理由に、資格停止処分を科したことでした。2019年1月から7月までPFAのフットボールディレクターを務めた元アイルランド代表のマット・ホランド氏から賃金未払いについての苦情を申し立てを受けていたFIFAは、昨年11月11日付の書簡でPFAに対し、998,658マレーシアリンギ(約3,400万円)の支払いと、15,000スイスフラン(約250万円)の罰金処分を科すことを命じています。さらに、FAMもこの問題の第二の被告として指名されており、PFAに対して適切な措置を取らなかったため、5,000スイスフラン( 約83万円)の罰金が科されました。

これを受けてFAMは、PFAがFIFAの指示通りに未払い賃金の全額支払うまでPFAの会員資格を停止することを発表していました。

するとPFAは、この決定に対し、FAMがPFAに弁明の機会を与えず、正当な聴聞手続きを経ずに停止措置を取ったことを根拠に、裁判所に処分差し止め命令を求める訴訟を起こしました。また、PFAは来週予定されているFAM役員選挙が行われる年次総会を阻止するための差し止め申請も提出しています。


広さが819平方km、人口が29万人といずれもマレーシアの州の中では最小のプルリス州は、タイと国境を接しているマレー半島北部の州です。マレーシアには全部で13州ありますが、現在のトップリーグ、マレーシアスーパーリーグに参加中のチームでプルリス州に本拠地を持つチームはありません。かつては日本人の渡邉将基選手も所属した、プルリスFAというチームがあり、2019年に2部プレミアリーグに参加しました。しかしプルリスサッカー協会が運営していたこのプルリスFAは、開幕から数試合で選手や監督、コーチに賃金未払いが発覚し、その支払いの目処が立たないことが明らかになるとシーズン途中にもかかわらず、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)からリーグ出場停止処分を受け、チームは解散しています。その後、プルリスFA関係者は国内であらゆるサッカー事業に関わることを禁ずる処分がFAMから出されたという経緯もあります。

クチンシティ監督-Mリーグの頻繁な中断が勢いを削ぐ

マレーシアスーパーリーグ(MSL)のクチンシティFCで指揮を取るアイディル・シャリン・サハク監督は、「試合間隔を短くし、より構造化された日程を組むことで、Mリーグのチームが勢いを維持できる」との考えを示し、「2025/26シーズンは、今季よりもスケジュールが整備されることを期待しています」と述べています。

MSL第20節、2月7日のペラFC戦ではホームで1-1と引き分けたクチンシティは、リーグ戦過去5試合が10月、11月、12月、1月、2月にそれぞれ1試合ずつとなっています。その一方で、今季のスーパーリーグが終了する4月13日までに、クチンシティは残り4試合に加えて、雨により延期された3試合(ケダ・ダルル・アマンFC戦、スリ・パハンFC戦、トレンガヌFC戦)を消化しなければならない状況です。

2月7日のペラFC戦後、アイディル監督は「試合間隔が不規則なことがチームのリズムを乱している」と話し、「ホームで勝利を目指し、ファンや家族に良い試合を見せたかったが、この結果を受け入れなければならない。」と述べる一方で、「選手たちはベストを尽くしたが、試合が定期的に行われていないことが大きな影響を与えている。」とも述べています。

「先週、私たちは試合がなかったが、ペラはケランタン・ダルル・ナイムFCと対戦し、7-0で勝利した。間隔の空いたリーグ日程により試合が途切れることで、チームの勢いを維持するのが難しくなっている」とも話しています。


Jリーグと同様にAFCの秋春制移行に合わせて、今季2024/25シーズンと来季2025/26シーズンの2シーズンをかけてマレーシアリーグも秋春制への移行を行っています。これまでは2/3月開幕、11月閉幕という年間スケジュールが主だったマレーシアリーグですが、これは10月から3月にかけてマレー半島東海岸やボルネオ島が北東モンスーンの影響を受けて雨季に入ることとも考慮されてのものでした。この時期はこのモンスーンの影響で各地で洪水が起こりますが、今年の洪水被害は2014末から2015年初頭にかけて発生した大規模な洪水被害を上回るものになるといわれています。

数十年で最悪と言われた2014年末から15年頭にかけの大規模洪水は、東海岸のクランタン州、トレンガヌ州、パハン州、ジョホール州などで、浸水箇所の水位は最大で4メートルに達し、50万人以上が被災し、21人が死亡。経済損失は10億リンギに達していました。

新たな「ヘリテージ選手」の加入でバランスの取れたチーム編成へ – ロブ・フレンド代表チームCEO

来週にも発表されると噂されるヘリテージ選手(マレーシアにルーツを持つ海外出身の選手)について、マレーシア代表チームの「CEO」に就任したロブ・フレンド氏は、この ヘリテージ選手の加入は、マレーシア代表において、マレーシア出身選手の出場機会を奪うものではないと述べています。

メディアとの会見でフレンドCEOは、「ヘリテージ選手とマレーシア出身選手を組み合わせることで、よりバランスの取れた競争力のあるマレーシア代表を編成し、国際舞台で良い結果を生み出せる」と強調しています。

「新たなマレーシア代表の目標は、代表チームがより説得力のあるパフォーマンスを発揮することで、ヘリテージ選手の経験を活かすことで、その実現が可能になる。」「我々の目標は、マレーシアサッカーの誇りと精神を象徴する、バランスの取れた競争力のあるチームを作ることだ」などとも語っています。

直近の報道によると、オランダ出身のヘリテージ選手が、3月から始まる2027年アジアカップ予選最終ラウンドに向けてマレーシア代表に加わる予定だとされており、この他にも現在、マレーシア政府の承認段階にある4名のヘリテージ選手が、今後マレーシア代表に正式に加わる見込みであるともほうじられています。、なおマレーシアサッカー協会(FAM)は全体、合計8名のヘリテージ選手がマレーシア代表のユニフォームを着る予定であると発表しています。


国内リーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFCのオーナーでジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下が中心となって進められるマレーシア代表強化計画ですが、元FAM会長ではあるものの、現在はFAMとは無関係のイスマイル殿下が自身のアドバイザーと呼ぶ元オーストラリア代表のティム・ケイヒル氏のネットワークを使って、ケイヒル氏と同郷のピーター・クラモフスキー氏を代表監督とし、FAM内に代表チーム運営委員会がある一方で代表チームのCEOとして前述のロブ・フレンド氏を招聘するなど、外から報道だけを見ていると、責任の所在が曖昧です。例えばクラモフスキー監督の評価は誰がするのか、またフレンドCEOは誰に報告義務があるのか、そこにFAMがどのように関わってくるのか。各組の1位のみが本戦出場となる3月のアジアカップ予選で強豪ベトナムと同組のマレーシアは、初戦のネパール戦に続き、6月にはそのベトナムと対戦が控えています。今から4ヶ月後にはヘリテージ選手たちの真価が問われることになりそうです。

2月7日のニュース:2024/25アセアンクラブ選手権-マレーシアから出場のトレンガヌとKLシティはいずれも最終戦でタイのクラブに敗れてGS敗退

東南アジアサッカー連盟(AFF)のアセアンクラブ選手権(ACC)ショッピーカップは2月5日と6日にA組とB組の最終節がそれぞれ行われ、マレーシアから出場していたトレンガヌFCとKLシティFCはいずれもタイのクラブに敗れてグループステージ敗退が決まっています。

この結果、準決勝の1試合はBGパトゥム・ユナイテッド対ブリーラム・ユナイテッドのタイ勢同士の対戦、そしてもう1試合はPSMマカッサル(インドネシア)対ハノイ公安FC(ベトナム)のカードに決まりました。FIFAランキングでは東南アジア上位3カ国のクラブが残った準決勝は、改めてマレーシアの東南アジアでの位置を知らしめる結果にもなりました。

アセアンクラブ選手権A組:トレンガヌは最終戦BGパトゥムに敗れて4位でGS敗退

アセアンクラブ選手権ショッピーカップのA組の最終節となる第5節が2月5日に行われ、マレーシアから出場しているトレンガヌFCは、タイのバンコクにあるレオ・スタジアムでBGパトゥム・ユナイテッドと対戦して3-4で敗れ、トレンガヌは勝点7でA組3位隣、グループステージ敗退が決まりました。一方勝利したBGパトゥムは勝点11でA組を首位で突破し、この日勝利し勝点10となったインドネシアのPSMマカッサルとともに準決勝進出を決めています。

試合は前半を0-0で折り返した後半の65分、アウェイのトレンガヌが左ウイングのアクヤル・ラシドがペナルティエリアにボールを持ち込むと、CBクリスティアン・ゴミスをフェイントでかわし、右足でカーブをかけた鮮やかなシュートを決めて先制点を挙げます。

しかし、その6分にはBGパトゥム同点に追いつきます。71分、父親はシンガポールのレジェンドで、現在はマレーシアリーグのスリ・パハン監督を務めるファンディ・アフマドの長男で、シンガポール代表FWイルファン・ファンディからのスルーパスを受けたFWラニエル・バスコンセロスがゴールを決め、試合は振り出しに戻ります。

さらに76分には、トレンガヌのGKラーディアズリ・ラハリムがFWサンティパープ・チャンゴムのシュートをブロックしますが、この弾いたボールをまたもバスコンセロス選手がが押し込み、BGパトゥムが逆転に成功します。こうなると試合の流れは一気にBGパトゥムに傾き、83分には元Jリーグ札幌や川崎で活躍したMFチャナティップ・ソンクラシンがDFの間を通す絶妙なスルーパスを出すと、これを今季からBGパトゥムでプレーするMF野津田岳人選手が冷静に決めて、元Jリーグコンビの連携で3点目を挙げています。

BGパトゥムの勢いは止まらず、87分にはFWナッタウット・スクサムのクロスをトレンガヌGKラハディアズリが弾いたところをイルファン・ファンディが押し込み、BGパトゥムが4-1とします。

その後トレンガヌは86分にアキヤ・ラシドのアシストからサファウィ・ラシドがゴールを決め、さらに95分にはサファウィがPKを決めて3点目を挙げたが、反撃もここまで。トレンガヌは準決勝進出には届きませんでした。

71分からのおよそ15分間で4失点のチームに対し、試合後の会見でトレンガヌのバドルル・アフザン・ラザリ監督は、「試合の入りは計画通りで、前半にいくつかの得点チャンスがあったが、決めきることができなかった。選手たちのプレーには満足しているが、試合終盤の25分間で集中力を失い、ミスが重なり、その結果BGパトゥムに短時間で4ゴールを許してしまいました」と語っています。

2024/25アセアンクラブ選手権A組第5節
2025年2月5日@BGスタジアム(タイ、パトゥムターニー)
BGパトゥム・ユナイテッド 4-3 トレンガヌFC
⚽️BGパトゥム:ラニエル・バスコンセロス(71分、76分)、野津田岳人(83分)、イルファン・ファンディ(87分)
⚽️トレンガヌ:アキヤ・ラシド(66分)、サファウィ・ラシド(93分、98分PK)
BGパトゥム・ユナイテッドの野津田岳人選手は先発して85分に交代しています。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより

A組の他の試合では、トレンガヌと勝点7で並んでいた3位のPSMマカッサル(インドネシア)は、4位のタインホアFC(ベトナム)に3-0で勝利して逆転でA組2位隣ノックアウトステージ進出を決めた他、5位のPKRスヴァイリエンFCが6位のシャン・ユナイテッド(ミャンマー)に4-2で勝利し、トレンガヌと勝点7で並びましたが、直接対決でトレンガヌに勝利しているため3位に浮上しています。

アセアンクラブ選手権ショッピーカップA組最終順位表

勝点
1BGパトゥムU5320116511
2PSMマカッサル531184410
3PKRスヴァイリエン52118717
4トレンガヌ521213957
5タインホア513167-16
6シャンU5005720-130

アセアンクラブ選手権B組:主力を欠くKLシティはタイ王者ブリーラムに惜敗でGS敗退

アセアンクラブ選手権B組の最終節が行われ、マレーシアから出場のKLシティはタイリーグ3連覇中で、マレーシア代表キャプテンのディオン・クールズが所属するブリーラム・ユナイテッドと対戦しましたが、0-1で敗れてグループステージ敗退が決まっています。

前節のハノイ公安FC(ベトナム)戦では2-3で敗れていたKLシティは、この試合に勝利すればグループステージ突破となる重要な試合でしたが、その重要な試合でキャプテンでチーム得点王のパウロ・ジョズエと右SBのカマル・アジジがいずれもレッドカードを受けており、この試合は出場停止になっていました。また司令塔ブレンダン・ガンも右ふくらはぎの負傷が完治しておらず、競合相手に主力を欠く苦しい布陣となりました。

限られた選手しか起用できない中、この試合でミロスラフ・クリヤナッチ監督は、従来の3-4-2-1から4-5-1と守備的な布陣を選択します。それでも開始5分には相手ペナルティエリア内でこぼれ球を拾ったDFジャンカルロ・ガリフオコがシュートを放ちましたが、GKチャッチャイ・ブートプロムが素早く反応して、ブリーラムはことなきを得ます。27分にはブリーラムが元J神戸や横浜のティーラトン・ブンマタンのスルーパスから、ササラック・ハイプラカーンが左サイドからクロスを上げますが、これはKLシティのDFケニー・パルラジがクリアします。

その後は、ブリーラムが試合の主導権を握り、37分にはスパチャイ・チャイデッドとティーラトンの左サイドでの連携から、ティーラトンが低いクロス。このボールがちょうどMFルーカス・クリスピムの前に転がる形となり、彼が冷静に左足で押し込んで今大会5ゴール目を記録し、ブリータムが先制しました。また前半終了間際にはティーラトン選手がガリフオコ選手との接触で負傷し、担架で運ばれるアクシデントが発生しました。(ティーラトン選手は前半で交代。)

後半開始直後、KLシティライアン・ランバートのスルーパスに反応した弟のデクラン・ランバートが左サイドからクロスを入れましたが、ゴール前でフリーとなっていたパトリック・ライヒェルトの足元には合わず、ゴールを逃しました。数少ないチャンスを逃したKLシティに対し、その後はブリーラムは試合をしっかりとコントロールし、最後までリードを守り切り、勝点10としてB組2位で準決勝進出を決めました。一方のKLシティは勝点6の4位に終わり、準決勝進出を逃しました。

記録を見ると、前半はブリーラムのボール支配率は驚異の81%、パス本数は369本を記録。これに対してクアラルンプールのパス本数はわずか88本でした。後半もブリーラムはボール支配率は約75%で、さらに多くの決定機を作りましたが、KLシティはGKハフィズル・ハキムの活躍もあり追加点を許しませんました。

2024/25アセアンクラブ選手権A組第5節
2025年2月6日@ブリーラム・スタジアム/チャン・アリーナ(タイ、ブリーラム)
ブリーラム・ユナイテッド 1-0 KLシティFC
⚽️ブリーラム:ルーカス・クリスピム(37分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより

B組の他の試合は、第4節を終えた段階で既にB組首位突破を決めていたハノイ公安FCが逆転に次ぐ逆転の熱戦でボルネオFCサマリンダ(インドネシア)を3-2で破り5連勝、またここまで4戦全敗だったカヤFCイロイロ(フィリピン)はシンガポールのライオン・シティ・セイラーズを2−0で破って、今大会初勝利を挙げています。

2024/25アセアンクラブ選手権ショッピーカップB組最終順位表

勝点
1ハノイ公安5500156815
2ブリーラムU53111321110
3KLシティ520346-26
4ボルネオFC520379-26
5ライオンシティ・セーラーズ5113210-84
6カヤFCイロイロ5104412-83


2月5日のニュース:ジョホールがACLエリートに向けて新たにスペイン出身の3選手を獲得<br>アセアンクラブ選手権ショッピーカップA組最終節- BGパトゥム・ユナイテッド対トレンガヌFC展望

ジョホールがACLエリートに向けて新たにスペイン出身の3選手を獲得

マレーシア唯一のチームとしてACLエリート(ACLE)に出場中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)は現在、ACLE東地区6試合を終え、勝点8を獲得し、6位につけています。このJDTがいずれもスペイン出身の3選手を新たに獲得したことをクラブ公式SNSで発表しています。

今回加入したうちの1人は、スペイン1部バレンシアやフランス1部オリンピック・マルセイユでもプレー経験がある35歳のCBアルバロ・ゴンサレスです。このゴンザレス選手は、サウジアラビア1部のアル・ナスルでクリスティアーノ・ロナウドと共にプレーした経験もあり、同じサウジアラビアのアル・カディシアから加入しています。加入を発表してクラブ公式SNSでは「ラ・リーガからリーグ・アン、そしてサウジアラビア、そして今、サザン・タイガースの本拠地へ – アルバロ・ゴンサレス」と記されている。

2人目は35歳のFWジョナタン・ビエラで、こちらはラス・パルマス、バレンシア、ラージョ・バジェカーノなど複数のラ・リーガクラブでのプレー経験もある選手で、UAEプロリーグのホール・ファカンFCを昨年9月に退団しており、その後はスペインのラス・パルマスや中国の北京国安への移籍も噂されていた選手です。

3人目はMFロケ・メサで、この選手は2017年から2018年まて英国プレミアリーグのスウォンジー・シティ(当時)でもプレーしていましたが、JDTのインドネシア代表DFジョルディ・アマトとは当時のチームメートで、7年振りに再びチームメートとなります。なおメサ選手ははスウォンジー・シティ以外では、セビージャ、スポルティング・ヒホン、CDレガネス、ラス・パルマス、バリャドリッド、レバンテでもプレーした経験があります。なおメサ選手は、前述のゴンザレス、ビエラ両選手とは異なり、アジアでのプレーは今回が初めてとなります。

なおこの3選手は、マレーシアリーグのトランスファーウィンドウ外での加入であることから国内リーグには出場できないため、ACLEの試合のためだけに契約されたとみられています。

JDTは2月11日、ACLE東地区では現在、勝点1で最下位12位のセントラル・コースト・マリナーズ(オーストラリア)とアウェイで対戦、さらに最終節となる2月18日にはホームで浦項スティーラーズ(韓国)と対戦する予定になっています。ACLE東地区は上位8チームがノックアウトステージに進出します。


アセアンクラブ選手権ショッピーカップA組最終節- BGパトゥム・ユナイテッド対トレンガヌFC

アセアンクラブ選手権ショッピーカップA組は今日2月5日が最終節。勝点8で首位のBGパトゥム・ユナイテッドは勝点7で2位のトレンガヌFCとBGパトゥム・ユナイテッドのホーム、パトゥム・ターニースタジアムで行われます。各組の上位2位までが準決勝に進みますが、3位は同じ勝点7のPSMマカッサル(インドネシア)、4位は勝点6のタインホアFC(ベトナム)と続いており、2位のトレンガヌはノックアウトステージ進出には勝利が必須となります。

MF野津田岳人、そしてシンガポールのバレスティア・カルサから先月加入した田中幸大の両選手や元川崎フロンターレのチャナティップ・ソングラシンらを擁するBGパトゥムはここまで4戦無敗で、前節1月22日の試合ではシャン・ユナイテッドFC(ミャンマー)を4-1で破るなど、2勝2分の好成績を収めています。なお、BGパトゥムは、バーレーンやニュージーランド、米国などで代表監督の経験があるアンソニー・ハドソン新監督の就任後初采配となります。

一方のトレンガヌFCは前節、PSMマカッサル(インドネシア)を1-0で下して貴重な勝利を挙げましたが、その後、マレーシア国内では、JDTとの2試合(マレーシアスーパーリーグ、マレーシアカップ)に連敗し、さらに左サイドバックのアリフ・ザカリアがACL(前十字靭帯)の負傷により長期離脱を余儀なくされています。

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ:3連覇を狙うジョホールはスリ・パハンとの決勝へ、スリ・パハンの決勝進出は2連覇して以来11年振り<br>2024/25チャレンジカップ準決勝2ndレグ:クダを劇的勝利で破ったPDRMとペナンの猛攻に耐えたスランゴールが決勝進出、初の決勝となるスランゴールを相手にPDRMは連覇なるか

1921年に第1回大会が開催されたアジア最古のカップ戦の一つ、マレーシアカップの第98回大会は、2月1日と2日にマレーシアカップの準決勝2ndレグが行われ、2連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)がトレンガヌに2−1と勝利し、1月17日に行われた1stレグと合わせて通算成績を6−1として、5シーズン連続で決勝に駒を進めています。またもう1試合の準決勝は、22年振りの決勝進出を狙うサバを2013年、2014年に連覇して以来の決勝を目指したスリ・パハンが延長戦で破り、11年振りの決勝進出を果たしています。
 試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグ(MFL)の公式YouTubeより。

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ:3連覇を狙うジョホールが決勝進出

1stレグではトレンガヌのホームで4−0と相手を圧倒していたJDTは、昨夏にスペイン2部で日本のIT企業スフィダンテがスポンサーを務めるエルチェCFのU19から加入した18歳のGKクリスチャン・アバドが先発しています。マレーシアカップ1回戦、3部セミプロリーグのKLローヴァーズFC戦以来の先発となったアバド選手はマレーシアにルーツを持つ帰化選手ですが、この試合ではこのアバド選手以外にも帰化選手2名、そして外国籍選手6名が先発し、マレーシアで生まれ育った選手で先発したのはアリフ・アイマンとアフィク・ファザイルの2名でした。(ちなみにベンチのメンバーにも帰化選手4名、外国籍選手1名がおり、この試合の出場登録選手20名のうち、マレーシアで生まれ育った選手は5名、外国籍選手は7名、帰化選手8名となっていました。)

試合は準決勝1stレグでは終盤に途中出場のみだったヘベルチ・フェルナンデスがこの試合では先発すると、32分、そして91分にもゴールを決めています。特に91分のゴールは圧巻でペナルティエリアのはるか外、20mはあるかという距離からのロングシュートでした。この試合の勝利で順当に決勝へ駒を進めたジョホールは、既に優勝しているマレーシアFAカップ、そして今季無敗のリーグ戦では残り6試合で2位に勝点差13をつけて独走しており、3シーズン連続となる国内三冠がより近づいています。

トレンガヌはこの試合も、JDTからローン移籍中のサファウィ・ラシドと初戦で4失点したGKラーディアズリ・ラハリムに代わり、サイド・ナスルルハクが今季のマレーシアカップで初先発を果たすと、アリフ・アイマンの近距離からのシュートを止めるなど活躍しました。また59分には、イスマヒル・アキナデがウバイドラー・サムスルのクロスをダイレクトボレーでシュートを決めますが、焼け石に水でした。

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ
2025年2月1日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 2-1 トレンガヌFC(通算成績6−1)
⚽️ジョホール:ヘベルチ・フェルナンデス(31分、91分)
⚽️トレンガヌ:イスマヒル・アキナデ(59分)
MOM:ヘベルチ・フェルナンデス(ジョホール・ダルル・タジムFC)

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ:スリ・パハンが延長でサバを破り11年ぶりの決勝に進出

スリ・パハンFCが11年振りとなるマレーシアカップ決勝へと駒を進めています。

1月18日に行われた準決勝1stレグでは、22年振りの決勝進出を目指すサバFCを相手に敵地で1-1と引き分けていたスリ・パハンは、この試合では、開始直後から積極的な攻撃を仕掛けます。15分にはエースのクパー・シャーマンがサバGKダミアン・リムのミスキックからボールを得ると、ペナルティエリア外から強烈なシュートを放ちましたが、惜しくも枠を外れ、先制のチャンスを逃すなどゴールを奪えず、前半は0-0で折り返します。

今季のホーム最多入場者となる8,461人が詰めかけた試合が動いたのは72分でした。サバのDFパク・テスがスリ・パハンのバキウディン・シャムスディンのパスをクリアしようとした際にオウンゴールし、スリ・パハンが先制しました。しかし、サバFCはこの失点に動じることなく、77分にはゴール前の混戦からS・クマーランが同点ゴールを押し込み、通算スコアも2-2として試合は90分で決着がつかず、延長戦へともつれ込みます。

決勝点は延長戦の106分でした。準決勝1stレグでもゴールを決めているシャーマンがゴールに背を向ける形でボールを受けると、マークに付いたパク・テスを振り解くように体を回転させながらシュート。このボールがダミアン・リムの股下を抜けてゴールインし、スリ・パハンが勝ち越します。この試合の後半では同様の場面でダミアン・リムがシャーマンのシュートを止める場面もありましたが、ここはシャーマンに軍配が上がりました。試合はスリ・パハンがそのまま逃げ切って、決勝進出を決めています。しかしこの試合でもゴールを決めたクパー・シャーマンがこの試合で今大会2枚目のイエローをもらい、警告累積により決勝は出場停止が濃厚です。スリ・パハンのファンディ・アフマド監督はアピールを行うとしていますが、4月に予定されている決勝では、スリ・パハンはチーム最多のゴールを挙げるキャプテン不在となりそうです。

スリ・パハンが最後にマレーシアカップ決勝へ進出したのは2014年で、その際はJDTと対戦し、2-2の同点の末にPK戦で5-3の勝利を収め、前年2013年に続く優勝を飾りました。なおスリ・パハンはこれまでに1983年、1992年、2013年にも優勝を果たしてます。

2024/25マレーシアカップ準決勝2ndレグ
2025年2月2日@MBTスタジアム(パハン州テメルロー)
スリ・パハンFC 2-1 サバFC(通算成績3-2)
⚽️スリ・パハン:パク・テス(72分OG)、クパー・シャーマン(107分)
⚽️サバ:S・クマーラン(77分)
MOM:イブラヒム・マヌシ(スリ・パハンFC)

2024/25チャレンジカップ準決勝2ndレグ:クダを劇的勝利で破ったPDRMも連覇をかけて決勝へ進出

昨季2023年の大会からは、マレーシアカップ1回戦で敗れた8チームが出場する大会になったMFLチャレンジカップ。昨季は、鈴木ブルーノ選手が所属するPDRM FCと谷川由来選手が所属するクチンシティFCの日本人所属の2チームがが決勝に勝ち残り、PDRMがクラブとして初めてのタイトルを獲得しています。

今季のチャレンジカップ準決勝1stレグではは3-3の引き分けに終わっていたクダ・ダルル・アマンFCと連覇を目指すPDRM FCですが、クダのホーム、ダルル・アマンスタジアムでの試合は接戦となりました。

1stレグでは鈴木ブルーノ、イフェダヨ・オルセグン、シャーレル・フィクリ、そしてもとJ2岡山のハディ・ファイヤッドと4名のFWを先発起用したPDRMのP・マニアム監督は、この試合ではメンバーを入れ替え、イフェダヨ・オルセグンとシャーレル・フィクリを残し、1stレグでゴールを挙げている鈴木選手はベンチスタート、ハディ・ファイヤッドはベンチ外でした。一方のクダは1stレグでもゴールを挙げているミロシュ・ゴルディッチを中心として布陣でこの試合に臨んでいます。

試合は徐々にケダがペースを掴むとPDRM陣内に攻め込む展開となりますが、一方PDRMもカウンターのチャンスをうかがいます。両チームともゴールを狙い続けたものの、前半はともに得点のないまま終了します。

後半に入ると、ホームのケダがアミルル・ヒシャムの見事なシュートで先制します。ここからPDRMは編劇に転じますが、ケダのDF陣がPDRMの攻撃を封じ、試合は6分と発表されたアディショナルタイムに入ります。しかしその6分が経過し、ケダの決勝初進出が確実と思われたその時でした。ラストプレーと思われたクダのゴール前での混戦から最後はPDRMのシャフィジ・イクマルが劇的な同点弾を蹴り込んで、試合は土壇場で振り出しに戻ります。それまで鈴木ブルーノ選手のヘディングシュートなどを止めるなど好セーブを連発していたクダGKイフワット・アクマルもこの至近距離からのシュートは止めることができませんでした。

30分の延長でも決着がつかなかった試合は、PK戦に進みました。先行のPDRMは5人全員がPKを決めたものの、後攻のクダは5人目のワン・アミルル・アフィクのシュートをPDRMのGKブライアン・シーが反応良くキャッチし、PK戦5−4でPDRMが2シーズン連続の決勝進出を決めています。

2024/25MFLチャレンジカップ準決勝2ndレグ
2025年2月1日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ・ダルル・アマンFC 1-1 PDRM FC(通算成績4−4、PK戦4-5)
⚽️クダ:アミルル・ヒシャム(59分)
⚽️PDRM:シャフィジ・イクマル(90+6分)
MOM:ブライアン・シー(PDRM FC)
PDRMの鈴木ブルーノ選手は71分から交代出場して、試合終了までプレーしています。

2024/25チャレンジカップ準決勝2ndレグ:ペナンの猛攻に耐えたスランゴールが初の決勝進出

15日間で3度目の対戦となったスランゴールFCとペナンFC。1月19日のチャレンジカップ準決勝では相手のオウンゴールでスランゴールが1−0と勝利したものの、続く1月25日のリーグ戦では1−1と引き分けるなど、リーグ2位のスランゴールが同11位のペナンを相手に僅差の試合を続けており、この日の試合も1点のアドバンテージがあり、しかもスランゴールのホームとは言え絶対的な有利とは言えません。

試合は開始から両チームがせめぎ合うも、スランゴールが優勢に試合を進めます。右サイドのクエンティン・チャンを起点にゴール前にまでは何度もボールを運ぶ得点機をを作り出したものの、スランゴールからローン移籍中のペナンFCのGKシーク・イズハンの好守に阻まれ、先制点を奪うことができません。一方のペナンFCも30分にはFWディラン・ウェンゼル=ホールズが決定的なシュートを放つもののポストに阻まれ、先制には至りません。

後半に入ると、ペナンがギアを上げ、前半以上に攻撃的な姿勢を見せ、FWディラン・ウェンゼル=ホールズの右サイドからセランゴールのゴールを脅かし、キャプテンのラファエル・ヴィトールがシュートを放つ場面もありましたが、惜しくも枠を外れます。

そんな展開の中で試合の均衡が破れたのは65分でした。代表でもプレーするMFノア・ライネからの絶妙のパスを受けたアルヴィン・フォルテスが相手DFをかわして左足で放ったシュートがゴール右隅に決まり、ついにセランゴールがリードを奪いました。その後は、リードを許したペナンはさらに攻撃のテンポを上げ、いくつかの決定機を作ったものの、シュートの精度を欠くなど得点にはつながりません。最後の10分は両チームが互いに激しく攻め合う場面もありましたが、スコアは動かず、そのまま試合は終了しています。

2024/25MFLチャレンジカップ準決勝2ndレグ
2025年2月2日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 1-0 ペナンFC(通算成績2-0)
⚽️スランゴール:アルヴィン・フォルテス(66分)
MOM:カラムラー・アル=ハフィズ(スランゴールFC)

1月28日のニュース<br>タイ1部第19節-ブリーラム対ナコーンパトム戦でマレーシア人選手3名が対戦-クールズとティアニーが先発、ムハンマドも2試合連続出場<br>マレーシアサッカー協会-マレーシアにルーツ持つ選手4名の国籍取得は政府の承認待ち

前節にタイリーグ1部デビューを果たしたMFムハンマド・カリルが、今節第19節ではマレーシア代表の「先輩」とも言えるディオン・クールズと対戦しています。

スランゴールFCからタイ1部のナコーンパトム・ユナイテッドFCにローン移籍中のMFムハンマド・カリルは1月20日に行われたタイ1部リーグ第18節のバンコク・ユナイテッドFC戦に後半から出場してデビューを果たましたが、JDTからローン移籍中のFWファーガス・ティアニーと共に第19節のブリーラム・ユナイテッド戦にも出場しています。

この日対戦したブリーラム・ユナイテッドにはマレーシア代表でキャプテンを務めるディオン・クールズが在籍しており、奇しくもタイ1部リーグでマレーシア人選手3名が顔を合わせたことになります。(下はティアニーとクールズの2ショット-SNEスポーツのFacebookより)

クールズ選手はこの試合も含めて18試合先発出場するなど、ブリーラムでも主力選手として活躍しており、この試合でも先発してフル出場しています。一方、ナコーンパトムのティアニー選手は、タイ2部のチョンブリーFCから移籍後4試合目で初めて先発XIに名を連ねると、この試合では左ウィングとして移籍後最長となる79分間プレーし、途中交代しています。またムハンマド選手は、この試合も後半開始と共に交代出場し、前節同様、試合終了までプレーしています。

試合は3勝4分11敗と16チーム中の15位に沈むナコーンパトムが24分に先制するも、2位に勝点差8をつけて首位を快走するブリーラムが前半に2点を挙げて逆転すると、後半にも1点を挙げて完勝しています。

昨年7月から12月までローン移籍したJ3のFC大阪では公式戦出場の機会がなかった19歳のムハンマド選手は、デビューからの2試合で出場時間90分とまずまずのスタートを切っています。また昨年8月から12月まで在籍したチョンブリーFCではデビュー戦でゴールを決めたものの、結局13試合出場(先発6試合)、出場時間614分で最後はベンチ外も多かったティアニー選手は、前節は90+3分からの出場でしたが、この日は昨年の11月以来の先発出場を果たしています。

2024/25タイリーグ1部第19節
2025年1月26日@ナコーンパトム・スポーツ・スクール・スタジアム(ナコーンパトム)
ナコーンパトム・ユナイテッド 1-3 ブリーラム・ユナイテッド
⚽️ナコーンパトム:Sunchai Chaolaokhwan(24分)
⚽️ブリーラム:マルティン・ボアキエ(38分)、スファナット・ムエアンタ(44分)、ゴラン・チャウシッチ(57分)

この試合のハイライト映像。タイリーグ公式YouTubeより。

マレーシアサッカー協会は政府に国外生まれの選手に国籍

2025-01-25

The Football Association of Malaysia (FAM) would like to inform that the process of obtaining Malaysian citizenship for four new heritage players is currently awaiting final approval from the Malaysian Government.

In addition, FAM is also in the process of completing the documentation for four other players.

FAM thanks the Malaysian Government for the support given in its efforts to improve the quality of the Harimau Malaya team.

The national squad under the leadership of new head coach, Peter Cklamovski will begin the 2027 Asian Cup Qualification campaign with the first Group F match against Nepal on 25 March 2025.

マレーシアサッカー協会-マレーシアにルーツ持つ選手4名の国籍取得は政府の承認待ち

マレーシアサッカー協会(FAM)は公式ホームページ上で、現在、マレーシアにルーツを持つ選手4名のマレーシア国籍取得手続きについて、マレーシア政府からの最終承認を待っている状況であることを発表しています。またこれら4選手以外にもさらにあと4名のマレーシアにルーツを持つ選手に関する国籍取得のための書類も作成中であることも併せて発表しています。

さらにFAM は、ハリマウ・マラヤ(マレーの虎)の愛称で知られるマレーシア代表チームのレベルアップに向けた取り組みに対するマレーシア政府の支援に対して感謝の意も表しています。

ピーター・クラモフスキ新監督が率いるマレーシア代表の当面の目標はAFCアジアカップ2027年大会出場ですが、マレーシア代表は3月25日に行われるネパール代表戦が予選F組の初戦となります。なおこのF組には、今月決勝が行なわれた東南アジアサッカー連盟選手権三菱電機カップで優勝したベトナムや、同じ東南アジアのラオスが入っています。

前述の三菱電機カップでは、FIFAランキング132位のマレーシアはラオス(同180位)よりもFIFAランキングが低いカンボジア(同186位)と2−2で引き分け、さらにシンガポール(同160位)とも0−0で引き分けており、パク・ハンソ監督退任後はタイと入れ替わって東南アジアNo. 2になったとは言え、FIFAランキング114位とマレーシアにとっては格上のチームです。しかもマレーシアが最後にベトナムに勝利したのは2014年と10年以上も前の話で、直近の5試合を取ってみてもマレーシアは得点1失点10と全く歯が立たない相手です。

この現状を打破するために積極的に動いているのがマレーシアリーグ10連覇中のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーで。ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下です。マレーシアサッカー協会とは別に、自身のスポーツ・国際関係アドバイザーとして元オーストラリア代表のティム・ケーヒル氏のコネクションを使い、マレーシア代表に「CEO」という役職を作るとそこにカナダ出身のロブ・フレンド氏が、また代表の「ハイパフォーマンス部門」を設立し、その責任者に医学博士のクレイグ・ダンカン氏がそれぞれ就任しています。またピーター・クラモフスキー新監督もオーストラリア出身であることから、ケーヒル氏のコネクションによるものであることは容易に想像できます。

また、運営や首脳陣だけでなく、マレーシアにルーツを持つ選手の獲得にも積極的で、イスマイル殿下は自身のSNSで、その名は公表していないもののアジア杯予選に向けて新たに7人の選手を選定したことも明らかにしています。

「ハリマウ・マラヤ(マレーシア代表)のために6~7人のマレーシアにルーツを持つ選手を選びました。彼らが2027年のアジアカップ予選でプレーできるように、マレーシア政府がパスポート取得のプロセスをサポートしてくれることを期待しています」とSNSに投稿したイスマイル殿下は、「(アジア杯出場に向けて)ハリマウ・マラヤが良いスタートを切ることが重要です。」とも投稿しています。

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イスマイル殿下はこの他、JDTで現在まで129試合出場で139ゴールを挙げているブラジル出身のFWベルグソンや、元シェフィールド・ウエンズデーU21のアルゼンチン出身MFマヌエル・イダルゴ(現在はJDTからスリ・パハンへローン移籍中)が来年2026年にはマレーシアリーグで5シーズン目を終えることから、彼らの帰化も予定していることも明らかにしています。