マレーシアカップ1回戦
セカンドレグ結果とハイライト映像-つかみはOK!ジョホール加入の邦本選手がデビュー戦で挨拶代わりの2G1A

8月3日から1回戦が始まったマレーシアカップ。第1回大会(当時の名称はマラヤカップ)が開催されたのはこの国がマラヤと呼ばれ、まだ英国の植民地だった1921年、年号で言えば大正10年でした。同じ1921年に第1回大会が開かれたサッカー天皇杯とともにアジア最古のカップ戦として知られるマレーシアカップは、開催当初は各州代表チームによる対抗戦として始まった経緯もあり、郷土のチームをサポーターが熱狂的に応援する様子はさながら高校野球の甲子園大会を思わせます。1942年から1947年までは日本による英領マラヤ占領により休止に追い込まれたこともあり、今年2023年の大会は第97回大会となっています。

このマレーシアカップは、これまではリーグ戦終了後に行われ、1部スーパーリーグの上位11チームと2部プレミアリーグの上位5チームの合計16チームによって争われてきましたが、今季はスーパーリーグとプレミアリーグの統合によりスーパーリーグが14チーム編成となったことに加え、プレミアリーグが休止となったことから、今大会はスーパーリーグの全14チームと、3部リーグにあたるM3リーグで現在首位のKLローヴァーズFCと2位ハリニ・スランゴールFTの2チームの合計16チームが参加します。なお大会のフォーマットは1回戦から準決勝まではホームアンドアウェイ形式で行われ、決勝のみが一発勝負となっています。

1回戦が終了したマレーシアカップは、9月15日からベスト8のファーストレグが、9月23日からセカンドレグが予定されています。また1回戦で敗退した8チームは4年ぶりに復活したチャレンジカップに回ります。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月18日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:9,110人
クダ・ダルル・アマンFC 2-1 ペラFC(通算成績:ペラ 4-3 クダ・ダルル・アマン)
⚽️クダ:マヌエル・イダルゴ(28分PK)、アクマ・ザヒル(83分)
⚽️ペラ:ソ・ソンウン(85分)
🟨クダ:なし
🟨ペラ:ルシアノ・ゴイコチェア、サンディ・アフォラビ、アフィフ・アシュラフ、
🟥ペラ:カイルル・アシュラフ
MOM:ソ・ソンウン(ペラ)

 ファーストレグで3-1と勝利したペラをホームに迎えたクダは、26分にペラMFサンディ・アフォラビが自陣ペナルティエリア内でハンドの反則を犯して得たPKをマヌエル・イダルゴが蹴り込んで先制します。
 1-0のまま折り返した後半55分には、後半から出場したDFカイルル・アシュラフがクダMFアミールベク・ジュラバエフへのファールで1発レッドで退場となるとペラは10人となってしまいます。さらに83分には、アクマル・ザヒルが放ったシュートにペラDFイエスペル・ニホルムが足を出すとボールの角度が変わり、逆をつかれたペラGKのT・シャヒースワランが反応できずにそのままゴールイン。このゴールでクダが通算成績3-3としてペラに追いつきます。
 しかし最後に笑ったのはペラでした。クダのペナルティエリアの外でフリーキックを得ると、そのボールはゴール前へ。キャッチを試みたクダGKカラムラ・アル=ハフィズでしたが、ボールはその手からこぼれ、そこに詰めていたソ・ソンウンが頭で押し込み、ペラが再び通算成績を4ー3としてリードします。その後はイフェダヨ・オルセングンのシュートがゴールポストに当たるなどクダに不運もありましたが、10人のペラが最後までリードを守り切り、ベスト8進出を決めています。
 勝ったペラはベスト8でサバと対戦、敗れたクダはチャレンジカップに回りクチンシティとの対戦となりました。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月18日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:3,623人
トレンガFCヌ 3-0 KLローヴァーズFC(通算成績:トレンガヌ 7-0 KLローヴァーズ)
⚽️トレンガヌ:ノー・ハキム・ハサン2(31分、90分)、リリドン・クラスニキ(51分)
🟨トレンガヌ:アリフ・ファジラー、サフワン・マズラン
🟨KLローヴァーズ:なし
MOM:ノー・ハキム・ハサン(トレンガヌ)

 ファーストレグで4-0としていたスーパーリーグのトレンガヌが、Mリーグ3部に当たるM3リーグのKLローヴァーズを一蹴して、ベスト8進出を決めています。今季のM3リーグは外国籍選手の登録が認められておらず、先発に外国籍選手4名が名を連ねたトレンガヌ相手では分が悪すぎました。
 トレンガヌはベスト8でスランゴールと対戦し、KLローヴァーズはPDRMとチャレンジカップで対戦します。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドトレグ
2023年8月18日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
観衆:570人
KLシティFC 1-0 ペナンFC(通算成績:KLシティ 5-0 ペナン)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(70分)
🟨KLシティ:アクラム・マヒナン、セバスチャン・アヴァンジーニ
🟨ペナン:アディブ・ラオプ、ハジック・プアド、アブドル・アブディーン・テミトープ
MOM:アズリ・アブドル・ガニ(KLシティ)

 2021年のマレーシアカップ王者KLシティが通算成績5-0でペナンを破り、ベスト8進出を決めています。ファーストレグで2ゴールを決めていたチェチェ・キプレがこの試合でもゴールを決め、トレンガヌのイヴァン・マムートとともに3ゴールで今季大会得点王争いのトップに立っています。
 KLシティはベスト8でスリ・パハンとの対戦が決まり、ペナンはチャレンジカップでM3リーグのハリニ・スランゴールと対戦します。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月19日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:7,041人
スランゴールFC 1-2 PDRM FC(通算成績:スランゴール 5-3 PDRM)
⚽️スランゴール:ヨハンドリ・オロスコ(25分)
⚽️PDRM:ナビル・ラトピ(32分)、ハリス・ハイカル(90+3分OG)
🟨スランゴール:ファズリ・マズラン、クエンティン・チェン、リッチモンド・ボアキエ
🟨PDRM:アリフ・ナジミ・シャアニ、マーカス・マコーリー、ジェイムズ・オクウォサ、アリフ・ナキュイディン
MOM:ラマダン・ハミド(PDRM)

 この試合ではロスタイムにオウンゴールで敗れたスランゴールですが、ファーストレグでは4-1で勝利した貯金が効いて通算成績でPDRMを上回り、ベスト8進出を決めています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は70分から途中出場しています。
 ベスト8進出を決めたスランゴールはトレンガヌとの対戦となりました。また敗れたPDRMはチャレンジカップでM3リーグのKLローヴァーズと対戦します。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月19日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:6,241人
サバFC 1-1 クチンシティFC(通算成績:サバ 4-1 クチンシティ)
⚽️サバ:リザル・ガザリ(27分)
⚽️クチンシティ:ラメシュ・ライ(58分)
🟨サバ:テルモ・カスタニェラ、パク・テス、ラモン・マチャド、コ・グァンミン
🟨クチンシティ:ヌルシャミル・アブドル・ガニ、アブ・カマラ
MOM:リザル・ガザリ(サバ)

 ファーストレグでは3-0で勝利していたサバは、セカンドレグでもクチンシティを1点に抑えて、ベスト8進出を決めています。サバはベスト8でペラと、クチンシティはチャレンジカップでクダと対戦します。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。
 

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月19日@スルタン・イスマイルスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:11,719人
ジョホール・ダルル・タジムFC 10-0 クランタンFC(通算成績:ジョホール 15-1 クチンシティ)
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ3(21分、43分、73分)、邦本宜裕2(24分、37分)、フアン・ムニス(53分)、ダリル・シャム(59分)、ヘベルチ・フェルナンデス(61分)、アリフ・アイマン(64分)、アイサル・ハディ(90+3分)
🟨ジョホール:なし
🟨クランタン:イザハム・ハスリン
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ジョホール・ダルル・タジム)

 マレーシアカップ連覇を目指すジョホールがクランタンを粉砕し、ベスト8進出を決めています。
 新加入の邦本宜裕選手が先発に名を連ねたジョホールは、21分にその邦本選手がベルグソン・ダ・シルヴァの先制ゴールをお膳立てすると、その3分後にはジョホール加入初ゴールを決めると、さらに37分には飛び出してきたクランタンGKの上を超えていくループシュートで自身2ゴール目のゴールを決め、ジョホールが3-0とリードを広げます。さらにベルグソンが2点目のゴールを決めたジョホールは前半で4点のリードをつけて折り返します。
 ファーストレグで既に5-1とリードしていたジョホールですが、この試合は後半に入っても攻撃の手を休めることなく次々とゴールを決め、ベルグソン選手はハットトリック達成、邦本選手が2ゴールを決めた他、ダリル・シャム、アイサル・ハディら次代を担う若い選手までが今季トップチーム初ゴールを決めるなど、一方的な試合でクランタンを通算成績15−1で圧倒しています。ジョホールはベスト8でヌグリスンビランと対戦します。
 デビュー戦で2ゴール1アシストと活躍し、ジョホールサポーターの心を鷲掴みにした邦本宜裕は先発して58分に交代しています。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月20日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クランタン)
観衆:1,470人
スリ・パハンFC 2-0 ハリニ・スランゴールFT(通算成績:スリ・パハン 5-2 ハリニ・スランゴール)
⚽️スリ・パハン:クパー・シャーマン2(43分、51分)
🟨スリ・パハン:なし
🟨ハリニ・スランゴール:K・ルーベン、アフマド・シュクリ
MOM:クパー・シャーマン(スリ・パハン)

 ファーストレグではロスタイムのゴールで3-2と辛勝したスリ・パハンでしたが、セカンドレグはエースのクパー・シャーマンの2発でM3リーグのハリニ・スランゴールを相手に危なげなく勝利し、ベスト8に進出しています。ベスト8でスリ・パハンはKLシティと対戦し、ハリニ・スランゴールはペナンとチャレンジカップで対戦します。

マレーシアカップ2023 1回戦セカンドレグ
2023年8月20日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:805人
ヌグリスンビランFC 4-2 クランタン・ユナイテッドFC(通算成績:ヌグリスンビラン 5-2 クランタン)
⚽️ヌグリスンビラン:カサグランデ(7分)、R・バラトクマル(19分)、ハイン・テット・アウン(34分)、ユソフ・エゼルジャリ(86分PK)
⚽️クランタン:O・J・ポルテリア(3分)、インドラ・プトラ(66分PK)
🟨ヌグリスンビラン:トミー・マワト、ナスルラー・ハニフ
🟨クランタン:シャズワン・ザイノン
MOM:フィルダウス・イルマン(ヌグリスンビラン)

 ヌグリスンビランはファーストレグでは1-0とクランタン・ユナイテッド相手に苦しい試合を繰り広げました。セカンドレグでもO・J・ポルテリアのゴールで一時は通算成績を1-1とされましたが、そこからの30分で一気に3ゴールを挙げてクランタン・ユナイテッドを突き放しています。ヌグリスンビランはベスト8でジョホールと、クランタン・ユナイテッドはクランタンFCとチャレンジカップで対戦します。

8月19日のニュース
AFF U23選手権-ファーガス・ティアニーの2ゴールでインドネシアに逆転勝利
10月のムルデカ大会出場国がレバノンからタジキスタンに変更
マレーシアフットサル界に日本人ブーム到来?-樋口岳志選手がスランゴールMACに加入

AFF U23選手権-ファーガス・ティアニーの2ゴールでインドネシアに逆転勝利

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権のグループステージB組の第1節が行われ、マレーシアU23代表がインドネシアU23代表を2-1で破って好スタートを切っています。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督はGKラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)以下、V・ルヴェンティラン(スランゴール)、M・ラケシュ(クランタン)、シャヒール・バシャー(スランゴール)、ウバイドラー・シャムスル・ファジリ(トレンガヌ)、ナジムディン・アクマル(ジョホールU23)、サイフル・ジャマルディン(スリ・パハン)、アリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、アイマン・アフィフ(クダ)、ハリス・アキフ(クランタン)、ニック・ウマル(ペラ)を先発XIに指名しています。(下は両チームの先発XI)


試合は開始から両チームがせめぎ合う中、それまでもたびたびマレーシアゴールを脅かしていたラマダン・サナンタ(プルシス・ソロ)がペナルティエリアの外でボールを受けると、マレーシアDFサイフル・ジャマルディンをかわして先制ゴール!29分にインドネシアが先制します。その後も両チームは激しくぶつかり合いますが、前半はこの1点のみで、インドネシアがリードして前半を終了します。
 後半開始とともにエラヴァラサン監督はファーガス・ティアニー(ジョホールU23)を投入すると、54分に相手ペナルティエリアで倒されたティアニー選手は獲得したPKを自分で蹴り込んで同点ゴールとなります。さらに62分にはティアニー選手が2点目となるゴールを決めてマレーシアが逆転し、その後は日本人の笠原寛貴主審が8分のロスタイムを与える中、インドネシアの猛攻を凌いで逃げ切っています

AFF U23選手権2023
グループステージB組 第1節
2023年8月19日@ラヨーン県立スタジアム
マレーシア 2-1 インドネシア
⚽️マレーシア:ファーガス・ティアニー2(54分PK、62分)
⚽️インドネシア:ラマダン・サナンタ(29分)

この試合のハイライト映像-AFFの公式YouTubeチャンネルより

グループステージB組順位表(第1節終了)

順位チーム勝点
1マレーシア11002113
2インドネシア100112-10
3東ティモール00000000
10月のムルデカ大会出場国がレバノンからタジキスタンに変更

マラヤ連邦(当時)が英国から独立を果たしたことを記念して1957年に第1回が開催されたムルデカ大会(ムルデカとはマレーシア語で「独立」)は、アジア最古の招待大会の一つです。近年はマレーシア代表の弱体化などもあり久しく開催されていませんでしたが、このムルデカ大会が今年10年ぶりに復活し、10月13日と17日の両日にわたって試合が行われますが、その出場国の一部が変更となったことをマレーシアサッカー協会FAMが発表しています。

11月から始まるFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選の前哨戦として、また来年1月開幕のAFCアジアカップ2023年大会への準備として10年ぶりに復活するムルデカ大会は、ホストで直近のFIFAランキング145位のマレーシアの他、同93位のパレスチナ、同100位のレバノン、同109位のインドの出場が発表されていましたが、レバノンに代わり同110位のタジキスタンが出場するということです。

レバノンサッカー協会から8月14日付で出場辞退の連絡を受けたことを説明したノー・アズマン・ラーマンFAM事務局長は、その理由としてレバノンとパレスチナが11月から始まるW杯予選で同組となっている上、今回のムルデカ大会ではこの両チームが対戦するカードが組まれていることを挙げていると説明しています。一部メディアでは、W杯アジア2次予選の組み合わせが決定した際に、このレバノンとパレスチナのどちらか、あるいは両方がムルデカ大会への参加を辞退するのでは、と心配する声が上がっていましたが、その心配が現実のものとなりました。この結果、初日となる10月13日はパレスチナ対タジキスタン、インド対マレーシアというカードになり、17日はこのカードの勝者同士で決勝が、また敗者同士で3位決定戦が行われます。

マレーシアフットサル界に日本人ブーム到来か-樋口岳志選手がスランゴールMACに加入

マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLのスランゴールMACは、チームの公式SNSで樋口岳志選手の加入を発表しています。MPFLには今季途中まで日本代表の平田・ネト・アントニオ・マサノリ選手(現スペイン1部サンタコロマ)が同じスランゴール州に本拠地を持つスランゴールTOTユナイテッドに在籍しており、1シーズンに2人の日本人選手がMFPLにやってくるのは史上初です。

スランゴールMACは、今季のMPFLで22点を挙げてリーグ得点王となったアリ・エブラヒミ(イラン)が自国リーグでプレーするために退団しており、樋口選手はエブラヒミ選手退団で空いた外国籍選手枠に入る形になります。なお、樋口選手の背番号は13で、チーム公式SNSではすでに練習試合に出場する様子を見ることができます。

ちょうど1ヶ月ほど前に北海道新聞に掲載された樋口選手のプロフィールを引用させていただくと、北海道の旭川実業高では全国大会にも出場した樋口選手は、流通経済大に進学しています。同大1年在籍時に、フットサルU20日本代表監督の目にとまり代表選手に選ばれると、2017年にタイで行われたAFC U20フットサル選手権に出場しています。大学卒業後はFリーグ1部の「ボルクバレット北九州」に2年間所属しましたが、海外挑戦のために退団し。昨年2022年春にはスペインに渡り、練習生などを経て、同年12月、スペインリーグ2部の「アトレティコ・ベナベンテ」と契約、そして今年5月まで在籍していたということです。。

リーグ戦が終了したMPFLは、リーグ上位6チームとプレーオフを勝ち上がった2チームの計8チームが参加するマレーシアフットサルカップが今日から開幕します。樋口選手の所属するMPFLのB組2位のスランゴールMACは同4位のシャーアラム・シティと対戦し、勝ち上がればMPFL準優勝のジョホールと準決勝で対戦します。2019年、そして2年間の中断を挟んで2022年とMPFL2連覇を果たしたスランゴールMACは、今年からリーグに参加するジョホール・ダルル・タジムに主力を含め大量7名の選手が開幕前に移籍しており、今季はリーグ戦後のノックアウトステージで準決勝敗退となりました。

樋口選手の初戦となるシャーアラムシティ戦は本日、午後9時(マレーシア時間)にスランゴールMACの本拠地、パナソニック総合運動施設(スランゴール州シャーアラム)でキックオフです。

8月17日のニュースAFF
U23選手権出場のU23代表メンバー23名がタイ入り
ジョルディ・アマトの移籍をジョホールオーナーが否定前
KLシティのホダック監督はプルシブ・バンドンで苦戦が続く

AFF U23選手権出場のU23代表メンバー23名がタイ入り

本日8月17日にタイのラヨーンで開幕する東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場するマレーシアU23代表メンバーがマレーシアサッカー協会FAMの公式サイトで発表されています。なお選手たちは既に昨日、タイ入りしています。

これまでに発表されていた代表候補25名から、DFジクリ・カリリ(スランゴールFC)が足首のケガで外れた他、いずれもMFのシャフィ・アスズワド・サバリ(ペナンFC)とシャーリル・スパルマン(スリ・パハンFC)がメンバー外となった一方で、FWニック・ウマル・ニック・アジジ(ペラFC)が予備候補リストからメンバー入りしています。

グループステージでB組のマレーシアは、今年5月にカンボジアで開催された東南アジア競技大会シーゲームズではベトナムを準決勝で、タイを決勝で破って優勝したインドネシアと8月18日に対戦し、8月22日に東ティモールと対戦します。A組(タイ、ミャンマー、カンボジア、ブルネイ)、C組(ベトナム、フィリピン、ラオス)も含めた各組1位と、各組2位の内で最も勝点の多い1チームの4チームがノックアウトステージとなる8月24日準決勝に進出します。なお、決勝と3位決定戦はいずれも8月26日に予定されています。

*****

今年5月のシーゲームズでは、同じU23代表チームがグループステージで同組となったタイに0-2、ベトナムに1-2で敗れてグループステージ敗退となったマレーシア。今回の大会はFIFA国際マッチカレンダー外ということもあり、ジョホールのアリフ・アイマンやスランゴールのムカイリ・アジマルなど、この年代でスーパーリーグ各チームの主力となっている選手はほとんど招集されていません。他国も同じ条件とはいえ、マレーシア的には「飛車角落ち」のメンバーではありますが、決勝進出とは言わなくとも、準決勝までは進出して欲しいところです。

AFF U23選手権出場マレーシアU23代表メンバー(*は2023シーゲームズ出場選手)

POS氏名年齢所属
GK シャーミ・アディブ・ハイカル20SEL
GKラーディアズリ・ラハリム22TRE
GK*アジム・アル=アミン22KLC
DF *V・ルヴェンティラン22SEL
DFウマル・ハキーム21JDT II
DF M・ラケシュ22KEL
DFフィルダウス・ハスノディン21KEL
DFハリズ・マンソル21KDA
DF ナズウィン・サレー22KLC
MF*シャヒル・バシャー22SEL
MF*ナジムディン・アクマル20JDT II
MF*ファーガス・ティアニー20JDT II
MF*ダリル・シャム21JDT II
MF*ムスリフディン・アティク・マット・ザイド22TRE
MF*ウバイドラー・シャムスル・ファジリ20TRE
MFサイフル・ジャマルディン22SRP
MFハズミ・アブ・ザイド22IMI
FW*アリフ・イズワン・ユスラン19SEL
FWアリフ・イクマルリザル・アヌアル21PEN
FWハジク・クティ・アバ19PEN
FWハリス・ アキフ22KEL
FW*アイマン・アフィフ22KDA
FWニック・ウマル・ニック・アジジ22PRK
チーム名:SEL-スランゴールFC、JDT II-ジョホール・ダルル・タジムII(U23)、PEN-ペナンFC、TRE-トレンガヌFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、PRK-ペラFC、IMI-イミグレセンFC(3部M3リーグ)
ジョルディ・アマトの移籍をジョホールオーナーが否定

トルコのメディアを発端に降って沸いたように起こったジョホール・ダルル・タジムのキャプテン、ジョルディ・アマトの移籍報道ですが、ジョホールのオーナーで、ジョホール州皇太子のイスマイル殿下がこれを否定しています。

昨季途中にベルギー1部のKASオイペンからジョホールへ移籍し、いきなりACLの浦和戦でデビューを果たしたアマト選手は、今季はここまで20試合中19試合に先発するなどチームに欠かすことができない主力選手です。ところがこのアマト選手に対してトルコ1部のトラブゾンスポルが獲得に動いたというトルコメディアの報道が出ると、ネナード・ビェリツァ監督もアマト選手について言及した、契約内容は1年契約など次々と具体的な報道が続き、さらには契約書にサインするため1週間後にトルコ入り、と現地のメディアturkiyegazetesi紙が報じたことで、ジョホールのサポーターから悲鳴が上がっていました。

31歳のアマト選手はスペインのカタルーニャ州カネット・ダ・マール出身で、エスパニョールやラージョ・バジェカーノ、レアル・ベティスなどラ・リガのクラブでのプレー経験がある他、スウォンジー・シティ(英国2部)、KASオイペン(ベルギー1部)でもプレーしています。また年代別のスペイン代表でもプレーし、2009年FIFA U17ワールドカップで3位となったスペインU17代表のメンバーでもありました。アマト選手はスペイン出身ですが、祖母がインドネシアのマカッサル島出身であることから2022年11月にインドネシア国籍を取得し、2022年12月23日に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権のカンボジア戦で代表デビューを果たし、現時点で既にキャップ数は7となっています。

と、このような状況の中、ジョホールのオーナーのイスマイル殿下が自身のSNSを更新し、アマト選手の移籍の噂を一蹴したと、マレーシア語ニュースサイトのマジョリティが報じています。”Nope”とたった一言を投稿したイスマイル殿下でしたが、この一言でこれまでの噂が全面否定されています。

前KLシティのホダック監督はプルシブ・バンドンで苦戦が続く

マレーシアスーパーリーグのKLシティでは過去3シーズンで、2021年マレーシアカップ優勝、2022年AFCカップ準優勝、そして2023年FAカップ準優勝と実績を残したボヤン・ホダック氏は、今季途中でKLシティ監督を辞任し、インドネシア1部のプルシブ・バンドンの監督に就任しましたが、チーム立て直しを望まれながら就任以来1勝4敗と苦しんでいると、サッカー専門サイトのスムアニャボラが伝えています。

今季開幕戦となった7月2日のマドゥーラ・ユナイテッド戦で引き分けたプルシブ・バンドンは、開幕から4試合を終えて3分1敗とスタートダッシュに失敗すると、開幕から指揮を取ったヤヤ・スナヤ監督代行に代わり、ホダック氏が監督に就任しました。そして就労ビザの関係でベンチには入れなかったもののの選手と対面した直後の7月28日の第5節プルシク・ケデリ戦ではチームが今季初勝利と、いきなりホダック・マジック発動かと思われました。

しかしその後、チームは8月3日の第6節プトラ・サマリンダ戦からは2分1敗と勝ち星がなく、第8節を終えて18チーム中16位と低迷が続いています。しかも次戦となる今週末のリーグ4位PSISスマラン戦では、複数の主力選手が出場停止処分を受け、苦境が続きそうだということです。インドネシアサッカー協会PSSIはMFマルコ・クロック、DFプトゥ・グデ、FWシーロ・アウヴェスに対し、第7節のプルシス・ソロ戦でアウェイのプルシス・ソロ サポーターに対して「敬意を欠く」行為があったとして、クロック、アウヴェス両選手には2試合の、プトゥ選手には3試合の出場停止処分を科すことを発表しています

8月13日の第8節のバリト・プトラ戦では、スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムから期限付き移籍中のMFレヴィ・マディンダのゴールで先制するも、後半に追いつかれて今季8試合で早くも5引き分けと勝ちきれていないプルシブ・バンドンですが、試合後の会見でホダック監督はチームの状況は改善していると話していただけに、この「突然の」出場停止処分には我慢がならなかったのか、「この処分を誰が決めたか知らないが、選手を自分の好きなように加えたり、取り除いたりと、そいつはプレイステーションで遊んでいるかのようだ。とホダック節が炸裂しています。

8月16日のニュース
フットサル-パハンレンジャーズが新加入のジョホールを破って悲願のリーグ初優勝
リーグ13位のクランタンは新規獲得選手獲得も出場選手登録が認められず
今季途中で現役引退の元代表選手がクダ州議選で当選

マレーシアプレミアフットサルリーグ-パハンレンジャーズが新加入のジョホールを破って悲願の初優勝

マレーシアプレミアフットサルリーグ(MPFL)2023年シーズンの決勝セカンドレグが8月14日に行われ、パハンレンジャーズがジョホール・ダルル・タジムを破って悲願のリーグ初優勝を達成しています。

8月4日にパハン州クアンタンで行われたファーストレグで7-3と勝利していたパハンレンジャーズは、ジョホール州パシル・グダンで行われたセカンドレグでは2-3とジョホールに敗れたものの、通算成績を9-6として優勝を決めています。2019年にマレーシアプレミアフットサルリーグとリーグが改編されて以降、2019年、2022年と2シーズン連続(2020年と2021年は新型コロナの影響でリーグは中止)で決勝に進みながら、いずれもスランゴールMACに敗れて準優勝となっていたパハンレンジャーズでしたが、3季連続の決勝進出でついに悲願のトロフィー獲得となりました。

今季からMPFLに参入したジョホールはチーム設立に際し、MPFL2連覇中のスランゴールMACからフットサルマレーシア代表の4選手を含む7選手を獲得した他、他チームからも同様に代表選手を獲得し、MPFL加入初年度から優勝候補の一つとなっていました。

今季は参加全14チームが2組に分かれ、ホームアンドアウェイ形式でリーグ戦が行われた後、各組の上位4チームがノックアウトステージに進む方式で開催され、A組ではパハンレンジャーズが、B組ではジョホールが首位となっていました。その後の準決勝ではパハンレンジャーズがB組2位のスランゴールMACを破って決勝進出を決めると、ジョホールもB組3位で、リーグ戦では日本代表の平田・ネト・アントニオ・マサノリ選手もプレーしたスランゴールTOTを破って決勝に進んでいました。

MPFL決勝セカンドレグのハイライト映像(スタジアムアストロの公式YouTubeチャンネルより)
リーグ13位のクランタンは新規獲得選手獲得も出場選手登録が認められず

先週末のマレーシアスーパーリーグ第20節ではトレンガヌFC相手に今季最多となる8失点で敗れたクランタンFCは、巻き返しを目指して今季2度目のトランスファーウィンドウ期間に4名の新たな外国籍選手の獲得を発表しましたが、マレーシア語紙ブリタハリアンによると、この4選手は出場選手登録が認められておらず、試合に出場できない状態になっています。

マレーシアサッカー協会FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長は、FAMによるこの4選手の登録がFIFAによって却下されたことを明らかにしています。「クランタンFCはこの4名の出場選手登録を(今季2度目のトランスファーウィンドウ最終日の)8月1日を過ぎてから行おうとしたためその登録が認められず、8月4日にFIFAに対して登録申請を認めてもらうようアピールを行ったが、8月5日にFIFAから当初のトランスファーウィンドウ外の登録は認められないと拒否する回答を得ていた。このため、クランタンFCオーナーのノリザム・トゥキマン氏がFAMに支援を求めてきたので、FAMは2度目のアピールを行なったが、現時点ではその回答を得ていないと説明しています。

このブログでも8月3日に取り上げましたが、クランタンはFWデニス・ブシェニング(タイ、タイ3部MHナコーンシーから移籍)、DFアリー・セサイ(シエラレオネ、香港1部理文(リー・マン)FCから移籍)、MFアフメド・マグディ(エジプト、エジプト1部アル・ムカウルーン・アル・アラブSCから移籍)、GKアリアクバル・アフメディ(イラン、イラン3部 Vahdat Aghashtから移籍)の4選手の獲得を発表しています。

今季途中で現役引退の元代表選手がクダ州議選で当選

代表キャップ数63で、先月7月半ばに現役引退を発表し、出身地のクダ州議員選に出馬したバドロル・バクティアルが対立候補に7,000票以上の差をつけて初当選を果たしています。クダ州議会与党連合の構成党でイスラム原理主義を標榜する汎マレーシアイスラム党PASの候補としてグルン選挙区で立候補したバドロル氏は17, 771票を獲得し、10,758票を獲得した国会与党連合の構成党である人民正義党PKRのフィルダウス・ジョハリ候補を破っています。

また同じクダ州のアロー・ムンクドゥ選挙区では、キャップ数14の元マレーシア代表MFで58歳のラディ・マット・ディン氏も3度目の挑戦で汎マレーシアイスラム党PASの候補として、こちらは対立候補に1万票以上の差をつけて当選を果たしています。

2023マレーシアスーパーリーグ
第20節結果とハイライト映像(2)

8月13日から14日にかけてマレーシアスーパーリーグ第20節の4試合が行われています。なお、今節の残り試合のペナンFC対クダ・ダルル・アマンFCは8月22日に、クランタン・ユナイテッド対クチンシティFCは9月4日にそれぞれ順延されています。またスリ・パハン対PDRMも順延されていますが、こちらは新たな日程は発表になっていません。
 また8月18日から20日にかけてはマレーシアカップ1回戦のセカンドレグが行われるため、次節第21節は8月25日から27日に開催が予定されています。
 (試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年8月14日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:2,838人
ヌグリスンビラン 0-4 スランゴール
⚽️スランゴール:リッチモンド・ボアキエ(27分)、エイロン・デル・ヴァイエ(59分)、ヨハンドリ・オロスコ(75分)、ハリス・ハイカル(83分)
🟨ヌグリスンビラン:トミー・マワト、エラルド・グロン、
🟨スランゴール:ヤザン・アル=アラブ、ムカイリ・アジマル、ハリス・ハイカル
🟥ヌグリスンビラン:トミー・マワト(🟨x2)
MOM:ヨハンドリ・オロスコ(スランゴール)

 リーグ2位のスランゴールが9位のヌグリスンビランに快勝しています。
 今季のヌグリスンビランとの対戦成績はリーグ戦は2-1、FAカップでは3-1と2連勝しているもの、いずれも相手に先制を許しながら逆転する展開でした。しかもこの試合は今季ここまでチーム3位の5ゴールを挙げているノー・アル=アワブデがケガで、またシーズン半ばにヌグリスンビランから復帰したサフワン・バハルディンが累積警告で出場停止と主力を欠く布陣です。一方のホームのヌグリスンビランは、前節第19節で今季1勝のクランタンに白星を献上するなど、直近の5試合で3分2敗と苦しい試合が続いていますが、この試合ではエースのカサグランデがケガから4試合ぶりに復帰しています。
 しかし試合は開始からスランゴールが外国籍選手FW陣を中心に怒涛の攻撃を見せ、ヌグリスンビランを圧倒し、27分にリッチモンド・ボアキエがペナルティエリアの外からシュートを放ちます。スランゴールから期限付き移籍中の正GKシーク・イズハンが契約上の理由で出場できない中、今季初出場となったフィルダウス・イルマンがこれを止められず、スランゴールが1-0とリードします。シーズン途中にスランゴールからやはり期限付き移籍してきたミャンマー代表FWハイン・テット・アウンもこの試合には出場できず、カサグランデとエラルド・グロンと外国籍選手が2名のみ先発したヌグリスンビランは、この両選手を中心に少ないながらも好機を作りますが、同点にすることはできません。
 後半に入ると、59分にはエイロン・デル・ヴァイエがリーグ得点王トップに並ぶ17点目のゴールを挙げるなど3点を追加したスランゴールが快勝しています。試合数が1試合少ない3位のクダが勝点差3と迫る中で、来季のAFCカップ出場権が得られる2位を維持するためには負けられないスランゴールにとっては大きな1勝でした。

2023年8月14日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,696人
クランタン 0-8 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート3(14分、53分、66分)、ヌルロ・トゥクタシノフ(28分)、ニック・シャリフ・ハセフィ(36分)、エンク・シャキル(41分)、サフワン・マズラン(47分)、ハキミ・アブドラ(63分)
🟨クランタン:ムハイミン・イズディン
🟨トレンガヌ:シャールル・ニザム、アザム・アズミ
🟥クランタン:シャキミ・ロジ
MOM:イヴァン・マムート(トレンガヌ)

 3試合連続引き分けを止める勝利となった前節第19節のクランタン・ユナイテッド戦に続き今節はクランタンと、トレンガヌは2戦連続でマレー半島東海岸に本拠地を持つチーム同士の「東海岸ダービー」となりましたが、今季最多の8ゴールを挙げたトレンガヌがクランタンに圧勝しています。
 豪雨のため試合開始が1時間半以上遅れて午後10時36分キックオフ(!)となった試合は、トレンガヌが14分にイヴァン・マムートの3試合連続となるゴールで先制します。さらに28分には新加入のヌルロ・トゥクタシノフが移籍4試合目で初ゴールを挙げると、前半だけでさらに3点を追加し、トレンガヌは5-0として前半を折り返します。
 後半に入っても、マムート選手がさらに2ゴールを挙げるなど一方的な展開となった試合は、トレンガヌが今季チーム最多となる8ゴールで圧勝しています。
 前節のヌグリスンビラン戦で16試合ぶりの勝利を挙げたクランタンでしたが、今季最多となる8失点で敗れた上、この試合前にはトランスファーウィンドウで獲得した新外国籍選手4名の登録手続きが遅れたことから出場が認められないことが発表されるなど、良いニュースもなく残り6試合も苦しい戦いが続くことが予想されます。さらに今季20試合を終えて76失点、直近の5試合でみると20失点と守備が崩壊しているクランタンは、このまま行くと年間100失点という記録を達成する勢いです。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第20節途中)

順位チーム勝点
1JDT2020007947560
2SEL21151549193046
3KDA19131537211640
4SAB21123647321539
5SRP19114430201037
6TRE2095637231432
7KLC207763434030
8PDRM187381823-524
9NSE204972538-1321
10PEN1954102330-719
11PRK2044121643-2713
12KLU1915131948-298
13KEL2022162276-548
14KCH1814131437-236
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第20節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)176130716
エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)175032421
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)157329316
4クパー・シャーマン(SRP)103620319
イヴァン・マムート(TRE)105325116
6アブ・カマラ(KCH)93715117
7ウィリアン・リラ(KDA)83611214
ファイサル・ハリム(SEL)83424718
ステファノ・ブルンド(SRP)83617018
ロメル・モラレス(KLC)83117217
11パウロ・ジョズエ(KLC)74323318
ジオゴ(JDT)7181029
フアン・ムニス(JDT)73618418
パク・テス(SAB)72210020
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ
第20節結果とハイライト映像(1)-開幕20連勝のジョホールがリーグ10連覇に王手

8月13日から14日にかけてマレーシアスーパーリーグ第20節の4試合が行われています。なお、今節の残り試合のペナンFC対クダ・ダルル・アマンFCは8月22日に、クランタン・ユナイテッド対クチンシティFCは9月4日にそれぞれ順延されています。またスリ・パハン対PDRMも順延されていますが、こちらは新たな日程は発表になっていません。
 また8月18日から20日にかけてはマレーシアカップ1回戦のセカンドレグが行われるため、次節第21節は8月25日から27日に開催が予定されています。
 (試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年8月13日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:6,462人
サバ 3-2 KLシティ
⚽️サバ:スチュアート・ウィルキン(51分)、パク・テス(79分)、ガブリエル・ペレス(90分)
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(60分)、ハキミ・アジム(70分)
🟨サバ:ゲイリー・スティーヴン・ロバト
🟨KLシティ:ロメル・モラレス
MOM:スチュアート・ウィルキン(サバ)

 前節のジョホール戦では、疑惑の判定があったもののジョホールに1-5と大敗したリーグ5位のサバ。今節対戦する7位のKLシティとは今季3度目の顔合わせで、4月のリーグ戦(アウェイ)は0-2、5月のFAカップ(ホーム)は1-2と、ここまで2連敗中です。この試合ではホームのサバ、アウェイのKLシティとも前半から好機を作り、過去2試合でいずれもゴールを決めているKLシティのT・サラヴァナンが開始2分でシュートを放つもサバのGKダミアン・リムが好反応を見せてブロック、また28分には右サイドのスチュアート・ウィルキンからのクロスを代表FWダレン・ロックがダイレクトでシュートを放つも、KLシティのケヴィン・メンドーザがこれを止めるなど両GKの好セーブなどでゴールを奪えず前半は0-0で終了します。
 しかし後半に入るとギアを挙げた両チームが激しくせめぎあいます。後半開始にインドネシア代表FWサディル・ラムダニを投入したサバは、51分にウィルキン選手のゴールで先制すると、60分にKLシティがロメル・モラレスのヘディングシュートで同点に追いつきます。さらに70分には今季3試合目の先発となったKLシティの20歳FWハキミ・アジムが今季初ゴールを決めて、逆にKLシティがリードを奪います。しかし79分にパク・テスの放ったシュートがKLシティDFセバスチャン・アバンジニに当たって角度が変わりゴールへ。これにGKのメンドーザ選手が反応できずサバが再び同点に追いつくと、90分にはリザル・ガザリの絶妙なクロスをガブリエル・ペレスが足を出して角度を変えるとそのままゴールイン。KLシティ戦の連敗を止めたサバが4位に浮上しています。KLシティは自陣ゴール前でのDF陣の綻びが3失点につながっています。

2023年8月13日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:11,622人
ジョホール・ダルル・タジム 5-0 ペラ
⚽️ジョホール:ヘベルチ・フェルナンデス(21分)、マシュー・デイヴィーズ(27分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(35分)、オスカル・アリバス(55分)、フアン・ムニス(66分)
⚽️ペラ:
🟨ジョホール:オスカル・リバス、フェロズ・バハルディン、
🟨ペラ:アイマン・ユスニ、フィルダウス・サイヤニ、シヴァン・ピレイ
MOM:フアン・ムニス(ジョホール・ダルル・タジム)

 リーグを独走する首位ジョホールがペラを破って開幕から20連勝し、リーグ10連覇に王手をかけています。
 2012年にザスパ草津(現ザスバクサツ群馬)やセレッソ大阪で、また2013年には仙台でプレーし、ACLでも2試合出場を果たしているヘベルチ・フェルナンデスのミドルシュートが21分に決まって先制したジョホールは、ヘベルチ選手のチーム加入から3試合連続のゴールから前半はさらに2ゴール、後半も2ゴールを追加し、前節のサバ戦に続く2試合連続の5得点で圧勝しています。なお今季5得点以上挙げた試合はこれが9試合目でした。(苦笑)なお、ジョホールは8月26日の次節第21節クダ戦で勝利すると、勝点差17で追う2位スランゴールが残り6試合を全勝してもジョホールの勝点を上回ることができず、リーグ10連覇が決定します。
 リーグ前半13試合を2勝2分9敗で折り返したペラは、後半戦はここまで2勝1分3敗と徐々に調子を上げてきていましたが、シュート数でジョホール24対ペラ2(前半14対1)と圧倒され、やはりジョホールの敵ではありませんでした。
 なおポルトガル1部のカサ・ピアACからのジョホールへの加入が8月12日に公式発表されたばかりの邦本宜裕選手は、チーム公式SNSでは練習参加の様子も紹介されていましたが、この試合はベンチ外でした。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第20節途中)

順位チーム勝点
1JDT2020007947560
2SEL20141545192643
3KDA19131537211640
4SAB21123647321539
5SRP19114430201037
6KLC207763434030
7TRE198562923629
8PDRM187381823-524
9NSE194962534-921
10PEN1954102330-719
11PRK2044121643-2713
12KLU1915131948-298
13KEL1922152268-468
14KCH1814131437-236
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第20節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)176130716
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)164530320
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)157329316
4クパー・シャーマン(SRP)103620319
5アブ・カマラ93715117
6ウィリアン・リラ(KDA)83611214
ファイサル・ハリム(SEL)83424718
ステファノ・ブルンド(SRP)83617018
ロメル・モラレス(KLC)83117217
10パウロ・ジョズエ(KLC)74323318
ジオゴ(JDT)7181029
フアン・ムニス(JDT)73618418
イヴァン・マムート(TRE)74822115
パク・テス(SAB)72210020
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ
第19節結果とハイライト映像

8月8日から9日にかけてマレーシアスーパーリーグ第19節の6試合が行われています。なお、今節予定されていた8月9日のPDRM対クチンシティ(MBPJスタジアム)は9月10日に日程が変更になっています。

2023年8月8日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:517人
クランタン・ユナイテッド 1-4 トレンガヌ
⚽️クランタン:イスマイル・アキナルデ(86分)
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(29分PK)、ソニー・ノルデ(72分)、ニック・シャリフ・ハセフィ(84分)、ハキミ・アブドラ(90+3分)
🟨クランタン:イスマイル・アキナルデ、カイルル・アズリン、ファンディ・オスマン
🟨トレンガヌ:アリフ・ファジラー、サフワン・マズラン
MOM:スハイミ・フシン(トレンガヌ)

 トレンガヌがイヴァン・マムートらのゴールで4点を上げて快勝。一方のクランタン・ユナイテッドは6試合白星なしで12位のままも、11位のペラとは勝点差8と開いています。

2023年8月8日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:4,144人
クダ・ダルル・アマン 2−0 スリ・パハン
⚽️クダ:イフェダヨ・オルセグン(4分)、J・パルティバン(40分)
🟨クダ:ロドニー・ケルヴィン
🟨スリ・パハン:マイケル・グラソック、ヌルシャミル・イスズハン
MOM:J・パルティバン(クダ・ダルル・アマン)

 クダはトランスファーウィンドウで新加入した選手の活躍でスリ・パハンとの3位争いを制しています。新加入のイフェダヨ・オルセグンが4試合で5得点目となるゴールを挙げれば、KLシティから期限付き移籍してきたJ・パルティバンも移籍初ゴールを決めています。、

2023年8月8日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:7.964人
スランゴール 2−0 KLシティ
⚽️スランゴール:ハリス・ハイカル(32分)、エイロン・デル・ヴァイエ(76分)
🟨スランゴール:サフワン・バハルディン、V・ルヴェンティラン
🟨KLシティ:パウロ・ジョズエ、ジャンカルロ・ガリフオコ
MOM:ブレンダン・ガン(スランゴール)

 共に首都圏を含むクラン渓谷(クランバレー)本拠地とする「クランバレーダービー」は、出場停止処分中のファイサル・ハリムやファズリ・マズラン、ケガでベンチ外となったシャルル・ナジームやアレクサンダー・アギャルカワなど主力が欠場で苦しいスランゴールが、前後半にそれぞれゴールを決めて勝利しています。KLシティはインドネシア1部プルシブ・バンドンへ移籍したボヤン・ホダック前監督に代わるネナド・バチナ新監督の初戦を勝利で飾ることはできませんでした。

2023年8月9日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:15,203人
サバ 1-5 ジョホール・ダルル・タジム 
⚽️サバ:フィルダウス・チュウ(13分)
⚽️ジョホール:フアン・ムニス(17分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ3(25分、62分、73分)、ヘベルチ・フェルナンデス(48分)
🟨サバ:ドミニク・タン、ラモン・マチャド
🟨ジョホール:フアン・ムニス、アリフ・アイマン
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ジョホール・ダルル・タジム)

 ベルグソン・ダ・シルヴァのハットトリックやヘベルチ・フェルナンデスの2試合連続ゴールなどで首位のジョホールが快勝。ケガで欠場中のリーグ得点王、フェルナンド・フォレスティエリや、ケガで今季絶望となったレアンドロ・ヴェラスケス不在が全く感じられない破壊力でサバを粉砕しています。

2023年8月9日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:505人
クランタン 2-0ヌグリスンビラン 
⚽️クランタン:レオナルド・ロロン2(2分、30分)
🟨クランタン:ナタニエル・シリンゴ・リンゴ、M・ラケシュ、アリー・プトラ・アズリ
🟨ヌグリスンビラン:ハリズ・カマルディン
🟥ヌグリスンビラン:ハリズ・カマルディン(🟨x2)
MOM:レオナルド・ロロン(クランタン)

 クランタンが3月5日以来となる今季2勝目を挙げています。新エースのレオナルド・ロロンが2試合連続を含む2ゴールを挙げています。ヌグリスンビランは、攻守の要のエラルド・グロン不在が響き、ハイン・テット・アウン(ミャンマー、スランゴールFCから期限付き移籍)とユセフ・エゼジャリ(スペイン、タイ1部コンケーン・ユナイテッドから移籍)の新加入ツートップも機能しませんでした。

2023年8月9日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:3,864人
ペラ 3-1 ペナン
⚽️ペラ:ルシアノ・ゴイゴチェア(5分)、ワン・ザック・ハイカル(28分)、ソ・ソンウン(77分)
⚽️ペナン:アリフ・イクマルリザル・アヌアル(74分)
🟨ぺラ:サンディ・アフォラビ
🟨ペナン:アフマド・ハジク、ファリス・シャー
MOM:ルシアノ・ゴイゴチェア(ペラ)

 11位のペラが10位のペナンを破り今季4勝目を挙げるとともに、ペナンとの勝点差を3としています。JFL時代のFC琉球に所属したこともあるワン・ザック・ハイカルが今季初ゴールを挙げ、後半戦好調のルシアノ・ゴイゴチェアと、ソ・ソンウンもそれぞれ後半戦2ゴール目を決めています。一方のペナンは3連敗となっています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第19節終了)

順位チーム勝点
1JDT1919007447058
2SEL20141545192643
3KDA19131537211640
4SRP19114430201037
5SAB20113644301436
6KLC198653331230
7TRE198562923629
8PDRM187381823-524
9NSE194962534-921
10PEN1954102330-719
11PRK1834111337-2413
12KLU1915131948-298
13KEL1922152268-468
14KCH1814131437-236
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第19節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)186130716
2エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)164530320
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)146828315
4クパー・シャーマン(SRP)103620319
アブ・カマラ93715117
6ウィリアン・リラ(KDA)83611214
ファイサル・ハリム(SEL)83424718
ステファノ・ブルンド(SRP)83617018
9パウロ・ジョズエ(KLC)74323318
ロメル・モラレス(KLC)72916216
ジオゴ(JDT)7181029
イヴァン・マムート(TRE)74822115
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

8月8日のニュース
国内女子サッカーリーグの2023年シーズンが開幕
フットサル代表監督にタイ出身のラクポル・サイネッガム氏が就任
AFF U23選手権出場のU23代表候補合宿参加者25名が発表
ムルデカ大会のチケット情報が発表

国内女子サッカーリーグの2023年シーズンが開幕

国内女子サッカーリーグ(マレーシア語ではLWN)2023年シーズンが8月5日に開幕し、ハンナ・ヨー青年スポーツ相やマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長が開幕戦が開催されたスランゴール州シャーアラムのマラ工科大学UITMで開催された開会式に出席しています。

昨季までは地域ごとに分かれて開催されていたLWNは、今季から全国リーグとなっていますが、その開会式ヨー青年スポーツ相は、全国リーグとなったことで、より多くの女性が自分たちもサッカーができることを自覚し、国内に多くの女子サッカー選手を生み出すことにつながると述べ、女子サッカー人口の増加、そして女子代表の強化にもつながるだろうと述べています。その上で、女子選手が増えれば、女子指導者も増え、女子指導者が増えれば女子チームの数が今後も増えることが期待できるとも話しています。

全国リーグ初年度となった今季は、8月から11月までの間にホームアンドアウェイ形式で行われ、当初は10チームの参加が発表されていましたが、その後はスランゴールFC、LMSタイグレスFC、マレーシアスポーツスクールパハン校(SSMP)、マレーシア大学、サバFC、クラナ・ユナイテッドFCの6チームで開幕しています。

ヨー青年スポーツ相は他のクラブや各州代表など、今後はより多くのチームの参加を期待したいと開会式後の記者会見で述べていますが、FAMのハミディン会長は、リーグ拡大には多くのスポンサーが必要だと述べる一方で、スポンサーとなりうる企業は全国リーグとなったLWNの今後の運営状況などを見た上で参入する可能性があることから、リーグ拡大には数年はかかるだろうと話しています。

なお開幕戦となった8月5日の試合では、スランゴールFCがマレーシア大学を1-0で、マレーシアスポーツスクール・パハン校がLMSタイグレスFCを1ー0で破っています。

フットサル代表監督にタイ出身のラクポル・サイネッガム氏が就任

マレーシアサッカー協会FAMは、フットサル代表の監督にタイ出身のラクポル・サイネッガム氏が就任することを公式サイトで発表しています。2年契約を結んだ44歳のラクポル氏はタイの強豪で、今年5月に開催された東南アジアサッカー連盟AFFフットサルクラブ選手権2023年大会優勝のブラックスティールFCの監督からの転身となります。なおラクポル氏はAFCフットサルアジアカップ2024年大会予選の突破を目標としてあげています。

男子と女子のフットサルタイ代表監督や、やはりタイの強豪チョンブリー・ブルーウェーブ監督時代にはAFCフットサルクラブ選手権にも優勝しているラクポル氏は、オランダ出身のヴィクトル・ヘルマン(1996年)、ブラジル出身のシルヴィオ・マシャド(2003年から2006年まで)とマルセロ・セルパ(2014年から2017年まで)に続く、4人目となる外国籍のフットサル代表監督です。なおフットサルマレーシア代表の監督は、昨年2022年にベトナムのハノイで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズでマレーシアフットサル代表がグループステージ全敗で予選リーグ敗退となり、チュウ・チャンヨン監督が解任された後、空席となっており、マレーシアサッカー協会FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長は、マレーシア国外から新監督候補数名と面談中であると今年2月ごろに明らかにしていました。

フットサルマレーシア代表はラクポル新監督のもと10月7日に開幕するAFCフットサルアジアカップ2024年大会予選に向けた代表候補合宿を来月9月10日から行うことも発表されています。マレーシアはウズベキスタンで開催される予選G組に入り、10月7日の初戦でイラク、同9日にウズベキスタン、そして同11日にカンボジアと対戦します。この予選では各組の1位8チームと、各組2位のうち成績上位7チームが、開催国(未定)と共に本大会へ出場します。

ラクポル新監督の就任記者会見の様子。FAMの公式YouTubeチャンネルより
AFF U23選手権出場のU23代表候補合宿参加者25名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは今月13日から始まるU23代表候補合宿の参加メンバー25名を発表しています。E・エラヴァラサン監督率いるU23代表は、今月26日タイのラヨーンで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場します。

POS氏名年齢所属
GK シャーミ・アディブ・ハイカル20SEL
GKラーディアズリ・ラハリム22TRE
GKアジム・アル=アミン22KLC
DF V・ルヴェンティラン22SEL
DFジクリ・カリリ21SEL
DFウマル・ハキーム21JDT II
DF M・ラケシュ22KEL
DFフィルダウス・ハスノディン21KEL
DFハリズ・マンソル21KDA
DFナズウィン・サレー22KLC
MF シャヒル・バシャー22SEL
MFナジムディン・アクマル20JDT II
MFファーガス・ティアニー20JDT II
MFダリル・シャム21JDT II
MFシャフィ・アズワド・サパリ22PEN
MFムスリフディン・アティク・マット・ザイド22TRE
MFウバイドラー・シャムスル・ファジリ20TRE
MFサイフル・ジャマルディン22SRP
MFシャーリル・スパルマン22SRP
MFハズミ・アブ・ザイド22IMI
FWアリフ・イズワン・ユスラン19SEL
FWアリフ・イクマルリザル・アヌアル21PEN
FWハジク・クティ・アバ19PEN
FW ハリス・ アキフ22KEL
FW アイマン・アフィフ22KDA
チーム名:SEL-スランゴールFC、JDT II-ジョホール・ダルル・タジムII(U23)、PEN-ペナンFC、TRE-トレンガヌFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、IMI-イミグレセンFC(3部M3リーグ)
ムルデカ大会のチケット情報が発表に

10年ぶりに復活する今年のムルデカ大会は今大会が42回大会となりますが、この大会のチケット情報をマレーシアサッカー協会FAMが公式サイトで発表しています。10月開催のムルデカ大会については、当初は8月1日からチケット発売が予定されていましたが、今回の発表では明日8月9日からオンラインで発売となるということです。

直近のFIFAランキング136位のマレーシアが主催し、パレスチナ(同96位)、インド(同99位)、レバノン(同100位)と格上のチームを招いて開催される大会は、10月13日(金)に2試合が、10月17日(火)に優勝決定戦と3位決定戦が、いずれもクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われます。

チケットは1日券が一般40リンギ(およそ1,250円)、6歳から12歳までの子ども5リンギ(およそ160円)、メインスタンドが60リンギ(およそ1,880円)、プレミアム席が80リンギ(およそ2,500円)となっています。また一般席の2日間通し券もあり、こちらは70リンギ(およそ2,200円)で、明日8月9日から9月5日まで販売され、それ以外の席は9月6日からいずれもオンラインで販売されるということです。

*****

マレーシア語で「独立」を意味するムルデカの名がつけられたこの大会は、1957年8月31日にマラヤ連邦(現在のマレーシアのマレー半島部)が英国から独立したことを記念して、独立当日の1957年8月31日から第1回大会が開催されました。時代を感じさせる第1回大会の参加チームは、ホストのマラヤ連邦(シンガポールやサラワク、サバとともにマラヤ連邦がマレーシアとなるのは1963年まで待たねばなりません。)の他、南ベトナムやビルマ(いずれも当時)、シンガポール、タイ、インドネシア、カンボジア、そして香港リーグ選抜の8チームが出場し、香港リーグ選抜が優勝しています。

また第1回大会の試合会場となったムルデカ・スタジアムはマラヤ連邦独立記念式典が開催された会場ですが、起工式が前年1956年9月ながら、1年経たずに完成させたのは、この独立式典に間に合わせるためだったと言われています。現在はスタジアムとしては使われていませんが、国の重要文化遺産に指定されています。

8月7日のニュース
マレーシアは来年1月のアジアカップ開幕前にオマーン、サウジアラビアと練習試合で対戦
協会会長-1ヶ月間出場停止処分中のファイサル・ハリムの9月の代表戦招集はキム・パンゴン監督に一任
マレーシアプレミアフットサルリーグ決勝ファーストレグ-パハンレンジャーズがジョホールに先勝

マレーシアは来年1月のアジアカップ開幕前にオマーン、サウジアラビアと練習試合で対戦

今年11月から始まるFIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選では、マレーシアはD組に入りオマーン、キルギス、プレーオフの台湾対東ティモールの勝者と同組となっていますが、その内のオマーンと来年1月にも対戦するとマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長が発表しています。

来年1月にはカタールでAFC選手権アジアカップ2023年大会が開催されますが、その直前にマレーシアはサウジアラビアとはカタールのドーハで練習試合を行い、オマーンとは敵地に乗り込んでの試合となるということです。

FIFAワールドカップ2026年大会アジア2次予選兼AFCアジアカップ2027年大会予選では、マレーシアとオマーンの対戦は3月21日の第3節にオマーンで、またその5日後の3月26日の第4節にはマレーシアのホーム、ブキ・ジャリル国立競技場(クアラ・ルンプール)で対戦します。

なお来年1月のアジアカップ2023年大会では、マレーシアは韓国、ヨルダン、レバノンとE組に入っています。

協会会長-1ヶ月間出場停止処分中のファイサル・ハリムの9月の代表戦招集はキム・パンゴン監督に一任

マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、現在、マレーシアスーパーリーグ出場停止処分を受けているファイサル・ハリム(スランゴールFC)の9月の代表招集については、キム・パンゴン監督次第と述べるにとどまっています。

ファイサル選手は4月27日のFAカップ準決勝サバ戦後にメディアの取材に応えたコメントの内容がFAMの設ける規定に違反するものだとして1年間の観察処分付きで1か月の出場停止処分を科されています。この出場処分は7月25日から8月23日までとなっており、FAMはファイサル選手がチーム練習に参加することは許可するとしていますが、1ヶ月間実戦から離れるファイサル選手について、代表戦の出場について疑問の声にハミディン会長が直接応えています。

マレーシアは9月のFIFA国際マッチカレンダーで9月6日にシリアと、また9月9日には中国といずれも中国南西部にある四川省の州都、成都市で対戦します。

マレーシアプレミアフットサルリーグ決勝ファーストレグ-パハンレンジャーズがジョホールに先勝

国内フットサルリーグの頂点を決めるマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLの決勝ファーストレグが行われ、ヘラルド・カラス監督率いるパハンレンジャーズがセルヒオ・ジャムール・デ・ソーザの2ゴールなどで、今季新参入ながら決勝まで駒を進めたジョホール・ダルル・タジムを7-3で破っています。

ホームアンドアウェイ方式で行われる決勝のファーストレグはパハンレンジャーズのホーム、パハン州クアンタンのスクパ総合競技場で行われ、7分にPKを得たジョホールがアワルディン・マット・ナウィのゴールで先制したものの、その2分後にはハリス・ナイム・ナシルのゴールでパハンレンジャーズはすぐさま同点に追いつきます。さらに8分にはスフリ・シャミルのゴールでパハンレンジャーズがリードを奪いますが、16分にはジョホールがアブ・ハニファ・ハサンのゴールで再び同点に追いつきます。そして前半終了間際の18分にセルヒオ・ジャムール・デ・ソーザのゴールで3-2とパハンレンジャーズがリードを奪い返して前半が終了します。

下手なMリーグの試合より多い3,000人近いのホームサポーターの声援を受けたパハンレンジャーズが後半から一気にギアを上げました。3分にセルヒオ選手がこの試合2点目となるゴールを決めて、4-2とすると、ハリス・ナイム選手が28分、29分と立て続けにゴールを決めて自身のハットトリックを達成すると共に、パハンレンジャーズのリードを4点に広げます。

ジョホールは少しでも点差を詰めようと守勢に回ることなく攻め続けますが、逆にハリス・ナイム選手がジョホールのパワープレーからボールを奪うと、この試合4点目となるゴールを試合終了間際に決めて、パハンレンジャーズが決勝ファーストレグで勝利しています。なおセカンドレグは、8月14日(月)にジョホールのホーム、ジョホール州パシル・グダンのMBPG屋内スタジアムで行われます。

*****

2019年からマレーシアプレミアフットサルリーグと名称が変更されたこのリーグは、2021年と2022年シーズンは新型コロナの影響で中止に追い込まれており、今大会が実質3回目です。2019年と昨季2022年はスランゴールMACが連覇していましたが、今季2023年シーズンは、準決勝でそのスランゴールMACと対戦し1勝1分で退けて決勝に進出したパハンレンジャーズと、フットサル日本代表の平田ネト・アントニオ・マサノリ選手が在籍したスランゴールTOTとの準決勝を2連勝(ただし、平田選手は準決勝前に退団しスペイン移籍)で勝ち上がってきたジョホール・ダルル・タジムの決勝となっています。

2019年、2022年といずれも決勝でスランゴールMACに敗れて準優勝に終わっていたパハンレンジャーズが悲願の優勝を果たすのか、今季初参入ながら各チームからマレーシア代表をかき集めてチームを作ったジョホールが、サッカー同様マレーシア王者としての第一歩を踏み出すのか、興味深い決勝セカンドレグになりそうです。

マレーシアプレミアフットサルリーグMPFL2023決勝ファーストレグ
2023年8月5日@スクパ総合競技場屋内スタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:2,900人
パハンレンジャーズ 7-2 ジョホール・ダルル・タジム

この試合のハイライト映像。balrz TVの公式YouTubeチャンネルより

マレーシアカップ1回戦
ファーストレグ結果とハイライト映像(1)

8月3日から1回戦が始まったマレーシアカップ。第1回大会(当時の名称はマラヤカップ)が開催されたのはこの国がマラヤと呼ばれ、まだ英国の植民地だった1921年、年号で言えば大正10年でした。同じ1921年に第1回大会が開かれたサッカー天皇杯とともにアジア最古のカップ戦として知られるマレーシアカップは、開催当初は各州代表チームによる対抗戦として始まった経緯もあり、郷土のチームをサポーターが熱狂的に応援する様子はさながら高校野球の甲子園大会を思わせます。1942年から1947年までは日本による英領マラヤ占領により休止に追い込まれたこともあり、今年2023年の大会は第97回大会となっています。

このマレーシアカップは、これまではリーグ戦終了後に行われ、1部スーパーリーグの上位11チームと2部プレミアリーグの上位5チームの合計16チームによって争われてきましたが、今季はスーパーリーグとプレミアリーグの統合によりスーパーリーグが14チーム編成となったことに加え、プレミアリーグが休止となったことから、今大会はスーパーリーグの全14チームと、3部リーグにあたるM3リーグで現在首位のKLローヴァーズFCと2位ハリニ・スランゴールFCの2チームの合計16チームが参加します。なお大会のフォーマットは1回戦から準決勝まではホームアンドアウェイ形式で行われ、決勝のみが一発勝負となっています。

マレーシアカップ20231回戦ファーストレグ
2023年8月3日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:2,100人
PDRM 1-4 スランゴール
⚽️PDRM:ハディ・ファイヤッド(25分)
⚽️スランゴール:エイロン・デル・ヴァイエ2(57分、64分)、ハリス・ハイカル(74分)、ヨハンドリ・オロスコ(90+1分)
🟨PDRM:ファディ・アワド、アミル・サイフル・バデリ
🟨スランゴール:ファズリ・マズラン、アリフ・ハイカル
MOM:エイロン・デル・ヴァイエ(スランゴール)

 いずれもMBPJスタジアムをホームとする両チームの対戦は、立ち上がりからスランゴールが押し気味で進む中、先制したのはPDRMでした。25分に鈴木ブルーノ選手が放ったシュートがゴールポストに当たると、そこに詰めていたハディ・ファイヤッドがこのボールを押し込んでゴール。Jリーグ岡山からマレーシアへ復帰し、期限付き移籍でPDRMへ移ってきたハディ選手とMリーグのベテラン鈴木選手のツートップが絡んだ日本人にとっては胸熱のゴールでPDRMが先制し、そのリードを保ったまま前半が終了します。
 後半に入ると57分にブレンダン・ガンの右サイドからのクロスにエイロン・デル・ヴァイエがPDRMのDFに競り勝って同点ゴールを決めると、さらにその7分後には見事なバイシクルキックから逆転ゴールを決め、その後はマークが甘くなったPDRM守備陣を嘲笑うかのようにハリス・ハイカル、ヨハンドリ・オロスコがそれぞれゴールを決め、終わってみれば、出場停止処分のファイサル・ハリム不在を感じさせないスランゴールが4-1と圧勝しています。なお7月29日のスーパーリーグ第18節ジョホール・ダルル・タジム(JDT)戦では18分に自陣ゴール前の接触プレーにより負傷し途中退場したスランゴールFCのFWリッチモンド・ボアキエは、その後の診断で脳震盪を起こしていたことが判明しましたが、この日は先発に名を連ねてフル出場するなど、大会最多の33回優勝を誇るスランゴールが、2015年以来の優勝に向けて好スタートを切っています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して66分に交代しています。

マレーシアカップ20231回戦ファーストレグ
2023年8月3日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:4,088人
ペラ 3-1 クダ・ダルル・アマン
⚽️ペラ:ルシアノ・ゴイコチェア(48分PK)、ルカ・ミルノヴィッチ(55分)、ハキミ・マット・イサ(86分)
⚽️クダ:マヌエル・オット(1分)
🟨ペラ:サンディ・アフォラビ
🟨クダ:マヌエル・イダルゴ
🟥クダ:ロドニー・ケルヴィン
MOM:ルカ・ミルノヴィッチ(ペラ)

 これがまさにカップ戦の醍醐味。リーグ戦では3勝4分11敗の11位のペラが4位のクダに快勝しています。
 開始1分もしないうちに得たコーナーキックからマヌエル・オットのヘディングシュートで先制したクダは、その後は追加点を奪えず1点リードのまま前半を終了します。
 後半に入ってもクダが攻め込む展開ながら、ペラはそこからのカウンターが徐々に機能し始めた48分、自陣ゴール前でクダのDFボヤン・シーゲルがハンドの反則でペラにPKを与えてしまいます。このPKをキャプテンのルシアノ・ゴイゴチェアが決めてペラが同点に追いつくと、55分には新加入のFWルカ・ミルノヴィッチが加入後初ゴールを決めて逆転します。反撃したいクダでしたが、61分にはペラFWソ・ソンウンとのボール争いに苛立ったクダDFロドニー・ケルヴィンがソ選手を倒し、さらにその頭を蹴って1発レッドで退場となると、数的不利になったクダは逆にペラに追加点を許してしまい敗れています。

マレーシアカップ20231回戦ファーストレグ
2023年8月3日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:1.201人
ペナン 0-4 KLシティ
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ2(4分、26分)、ザフリ・ヤハヤ(31分)、ロメル・モラレス(84分)
🟨ペナン:ウスマン・ファネ、ラファエル・ヴィトール、A・ナマテヴァン
🟨KLシティ:セバスチャン・アヴァンジーニ、ライアン・ランバート、ケヴィン・メンドーザ、ハキミ・アジム
MOM:パウロ・ジョズエ(KLシティ)

 2021年のマレーシアカップチャンピオンのKLシティが敵地で圧勝しています。
 ボヤン・ホダック監督がインドネシア1部のプルシブ・バンドン監督就任のため退団し、後任のネナド・バチナ監督がまだマレーシア入りしていないKLシティは、この日もミロスロフ・クルヤナッチ コーチが指揮を取っていますが、スタメン復帰したパウロ・ジョズエが監督不在を感じさせないプレーでチームを鼓舞し、チームも試合開始からペナンを圧倒し前半だけで3ゴールを挙げて圧勝しています。
 ペナンは新戦力のFWアブドル・アブディーン・テミトープも不発で良いところなく敗れています。

マレーシアカップ20231回戦ファーストレグ
2023年8月4日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
観衆:495人
KLローヴァーズ 0-4 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート3(18分、45+1分、67分)、エンカウ・シャキル(51分)
🟨KLローヴァーズ:ラフィ・マット・ヤアコブ、イクマル・イドリス
🟨トレンガヌ:なし
MOM:イヴァン・マムート(トレンガヌ)

 M3リーグ首位のKLローヴァーズは開幕から14連勝中。今季のスーパーリーグで7位のトレンガヌに対してどのようなプレーを見せるのかに注目が集まりました。元代表MF R・ゴピナタン、元U23代表らが所属しているものの、外国籍選手はおらず、選手の大半は大学生やフードデリバリー配達員などアマチュア選手で構成されているKLローヴァーズのワン・ムスタファ監督は、試合前記者会見ではいわゆる「バスを停める」戦術で臨むことを明言していました。
 かつてのKLシティFCのような白赤の斜めストライプのユニフォームを着用したKLローヴァーズですが、バスを停めても、トレンガヌの猛攻に持ち堪えられたのは17分まででした。それまでスーパーセーブを繰り返してチームの窮地を救っていたKLローヴァーズのGKアメルル・イクワンでしたが、18分にソニー・ノルデのパスを受けたイヴァン・マムートのシュートが決まり、トレンガヌが先制すると、前半終了間際にも相手ミスからマムート選手がゴールを決めて、トレンガヌが2-0としリードして前半を折り返します。
 後半に入ってもトレンガヌがマムート選手がハットトリックを達成するなど、シュート数はトレンガヌの28本(枠内8本)に対してKLローヴァーズは4本(同0本)と、むしろKLローヴァーズの失点が4点で済んで良かったと思えるような試合でした。

マレーシアカップ20231回戦ファーストレグ
2023年8月4日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,700人
クランタン 1-5 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️クランタン:カライフ・ナスカム(85分)
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ(6分)、ヘベルチ・フェルナンデス2(15分、24分)、シャールル・サアド(50分)、ナズミ・ファイズ(67分)
🟨クランタン:レオナルド・ロロン、ハフィザン・ガザリ、ユスリ・ユハスマディ
🟨ジョホール:オスカル・アリバス
MOM:フェロズ・バハルディン(ジョホール)

 給料未払いにより新規選手獲得禁止処分を受けていたクランタンは、数日前にこの処分を解除され、すぐさま新外国籍選手獲得を発表したものの、この試合には間に合わず、外国籍選手はナサニエル・シリンゴ・リンゴ(インドネシア)とレオナルド・ロロン(アルゼンチン)のFW2名だけ、さらにマレーシア人選手も多くと契約を解除し、先発XIの半数以上がU23チームからの昇格、ベンチの選手も合わせると20名中14名がU23やU18チームからの昇格組で占められており、ジョホール相手には明らかに役不足でしたが、試合結果もその通りの散々なものになっています。
 ジョホールでは新加入のヘベルチ・フェルナンデスがリーグ戦デビューとなった7月29日のスランゴール戦に続いてゴールを挙げ、ケガで離脱中のフェルナンド・フォレスティエリやジオゴの穴を埋めて余りある活躍を見せています。ケガで今季絶望と言われるレアンドロ・ヴェラスケスに代わっては邦本宜裕選手の獲得も噂されており、マレーシアカップ連覇へ向けて死角なしです。

マレーシアカップ20231回戦ファーストレグ
2023年8月4日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:161人
ハリニ・スランゴール 2-3 スリ・パハン
⚽️ハリニ:フィクリ・シャー(59分)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(74分)
⚽️スリ・パハン:デヴィッド・ローリー(20分)、シャズワン・アンディク(54分)、バキウディン・シャムスディン(90+2分)
🟨ハリニ:フィクリ・シャー、ノーシャルル・イドラン・タラハ
🟨スリ・パハン:アズリフ・ナスルルハク、マイケル・グラソック
MOM:K・ルーベン(ハリニ・スランゴール)

 こちらはカップ戦の怖さが出た試合と言えるかも知れません。リーグ4位のスリ・パハンが3部M3リーグ2位のハリニ・スランゴールにロスタイムのゴールで辛勝。
 前半を1−0、後半にも1点を追加して2-0とリードしたスリ・パハンに対し、ハリニはマレーシア代表で80試合以上出場し14ゴールを挙げているノーシャルル・イドラン・タラハのゴールなどで追いつき、あわや引き分けかと思われたロスタイムにスリ・パハンがバキウディン・シャムスディンのゴールで勝ち越しています。

マレーシアカップ20231回戦ファーストレグ
2023年8月5日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:194人
クランタン・ユナイテッド 0-1 ヌグリスンビラン
⚽️ヌグリスンビラン:ショーン・セルヴァラジ(29分)
🟨クランタン:アリフ・アル=ラシド
🟨ヌグリスンビラン:エラルド・グロン
MOM:シーク・イズハン(ヌグリスンビラン)

 リーグ9位のヌグリスンビランが1、リーグ2位で今季未だ1勝のクランタン・ユナイテッドにこちらも辛勝しています。29分にショーン・セルヴァラジのヘディングシュートが決まり先制したヌグリスンビランですが、むしろ試合の主導権はクランタン・ユナイテッドが握りながら進みました。リーグ戦ではアイルトン・シルヴァ監督就任以降2分2敗の成績ですが、この試合ではトランスファーウィンドウで獲得したDFアズルル・ナズリスと共にトレンガヌから期限付き移籍したMFファイズ・ナシルが良い動きを見せるなど、僅差で敗れたもののクランタン・ユナイテッドにとっては、セカンドレグに期待が持てる試合展開でした。
 リーグ戦から得点力不足が課題のヌグリスンビランは、スランゴールから期限付き移籍で獲得したミャンマー代表FWハイン・テット・ウアン、同時に2チームで加入が発表されて話題になったユセフ・エゼジャリの両FWを後半から投入したものの追加点が奪えず、この試合のMOMとなったシーク・イズハンが好セーブを連発したおかげで最小得点での逃げ切りに成功しましたが、ホームでのセカンドレグも厳しい戦いになりそうです。

マレーシアカップ20231回戦ファーストレグ
2023年8月5日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:763人
クチンシティ 0-3 サバ
⚽️サバ:ラモン・マシャド2(4分、7分)、ダニエル・ティン(15分)
🟨クチンシティ:アブ・カマラ、ペドロ・エンリケ、アミル・アムリ、ラメシュ・ライ
🟨サバ:リザル・ガザリ
MOM:ラモン・マシャド(サバ)

 いずれも東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つ両チームによる「ボルネオダービー」は、現在のスーパーリーグでのチーム状態を反映するかのようにリーグ5位のサバが開幕戦以来勝ち星がない11位のクチンシティに快勝しています。
 先週、クチンシティの監督に就任が発表されたばかりのアイディル・シャリン新監督にとっては就任後初の試合でしたが、先手を取ったのはサバでした
 リーグ戦4試合で4ゴールを挙げている新加入のラモン・マシャドがこの試合でも開始4分に強烈な右足のシュートで先制ゴールを決めると、さらに7分には左サイドを上ったコ・グァンミンのクロスを頭で合わせて追加点となる2ゴール目を挙げ、立ち上がりからクチンシティに落ち着く時間を与えません、さらに15分にはクチンシティDFの中途半端なクリアボールを拾ったダニエル・ティンのゴールが決まり、試合開始から15分で3−0とリードし、前半はこのまま終了します。
 後半に入るとペースダウンしたサバに対し、この試合がクチンシティで初采配となるアイディル・シャリン監督もヌルシャミル・アブドル・ガニやペドロ・エンリケなど次々とFWを投入しますが、ゴールには至らず、サバがクチンシティを完封しています。
 クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。