9月2日のニュース
インドネシア1部リーグ第10節-代表候補エルドストールはデワ・ユナイテッドで初先発しフル出場、ホダック監督のプルシブ・バンドンが今季初の連勝
MFL-マレーシアカップ決勝でのVARは試験運用の費用が巨額のため断念か
MFL-スーパーリーグへのVAR導入の初期費用は3億円超

インドネシア1部リーグ第10節-代表候補エルドストールはデワ・ユナイテッドで初先発しフル出場、ホダック監督のプルシブ・バンドンが今季初の連勝

8月25日から28日にかけてインドネシア1部リーグの第10節が開催され、前節第9節でデワ・ユナイテッド加入後初出場を果たしたマレーシア代表候補のDFのジュニオール・エルドストルは初先発を果たしています。

インドネシア1部 第10節
2023年8月25日@インドミルクアリーナ(バンテン州タンゲラン県)
デワ・ユナイテッド 2-0 プルシジャ・ジャカルタ
 松村亮選手が所属する9位のプルシジャ・ジャカルタをホームに迎えた11位のデワ・ユナイテッドはディミトリス・コロヴォスのゴールで先制すると、セプティアン・バガスカラがロスタイムに今季初ゴールを決め、7月21日の第4節以来6試合ぶりに勝利し、順位を9位に上げています。
 マレーシア代表候補DFジュニオール・エルドストールは、前節は88分に交代出場で出場時間わずか2分でしたが、今節ではデワ・ユナイテッド加入後初めて先発し、センターバックとして試合終了までフル出場しています。

この試合のハイライト映像。デワ・ユナイテッドの公式YouTubeチャンネルより

またマレーシアスーパーリーグのKLシティFC監督から、7月にプルシブ・バンドン監督に転身したボヤン・ホダック監督は前節に続き勝利し、今季初の2連勝しています。

インドネシア1部 第10節
2023年8月26日@ゲロラ・バンドン・ラウタン・アピスタジアム(西ジャワ州バンドン)
プルシブ・バンドン 2-0 ランス・ヌサンタラ
 前節第9節PSISスマラン戦で就任後初勝利を挙げたホダック監督ですが、この試合では前節に続きフィリピン代表で浦和レッズユース出身のDF佐藤大介選手も先発し、またインドネシア代表マーク・クロックの2試合連続ゴールなどで勝利し、チームも今季初の2連勝を記録、順位を14位から11位と上げています。相手を無得点に抑えています。

この試合のハイライト映像。プルシブ・バンドンの公式YouTubeチャンネルより

2023/24 インドネシア1部 リガ1順位表(第10節終了)

順位チーム勝点
1マドゥーラU117222113823
2ボルネオFC105411610619
3プトラS105231614217
9デワU104331312115
11プルシブB103521616014
順位は上位3チームとデワ・ユナイテッド、プルジブ・バンドンのみ
チーム名:マドゥーラU-マドゥーラ・ユナイテッド、プトラS-プトラ・サマリンダ
デワU-デワ・ユナイテッド、プルシブB-プルシブ・バンドン
MFL-マレーシアカップ決勝でのVARは試験運用の費用が巨額のため断念か

昨日のこのブログでは、今年12月に行われるマレーシアカップ決勝で試験運用される予定になっていたビデオアシスタントレフリーVARについて、主催者のマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが運用について慎重な発言をしたことから、VARが試験運用されない可能性が出てきたと書きましたが、さらに可能性が低くなりそうな発言が再びスチュアートCEOから出されています。

スチュアートCEOは、VAR機材のレンタルに加え、VARを運用する際にはライセンスを取得した審判員を国外から招聘する必要があると説明し、今年のマレーシアカップ決勝にVARを試験運用する費用が膨大なものになると話しています。その上で、今年12月に行われるVARライセンス取得コースにマレーシア人審判数名が参加し、そこでVAR担当審判員ライセンス取得後にマレーシアスーパーリーグでまずVARを採用するという方法がMFLが計画している内容であると説明しています。

「今年12月のマレーシアカップでVARを試験運用するには費用と資源が限られており難しい。マレーシア国内でのVARを最後に使用したのKLシティFCがアル・シーブ(オマーン)と対戦した2022年AFCカップ決勝(於ブキ・ジャリル国立競技場)においてであり、この試合を主催したAFCは10数万米ドルを注ぎ込んで必要な機材を借り、それを設置してVARを導入した。」と述べたスチュアートCEOは、巨額の費用がかかるVARの運用を早急に行うべきではないという立場を明確にした格好です。

スーパーリーグやマレーシアカップに審判を派遣するマレーシアサッカー協会FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長もスチュアートCEOの記者会見に同席し、VAR導入に向けて20名のビデオアシスタントレフリーVAR候補者、20名のアシスタントビデオアシスタントレフリーAVAR候補者、そして14名のリプレイオペレターRO候補者がライセンス取得のための訓練に参加していること、また現在は3段階ある内の第2段階にあたる訓練を受けてこと、そして残る第3段階は今年の11月から12月にかけて行われることを説明しています。

MFL-スーパーリーグへのVAR導入の初期費用は3億円超

マレーシアカップ決勝でのVAR試験運用の話題とは別に、マレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、VARのマレーシアスーパーリーグ導入の初期費用はおよそ9700万マレーシアリンギ(およそ3億円)であることを明らかにしています。

「VAR導入初年度は、1つのスタジアムあたり6台のカメラを設置するなど初期設備投資が必要であることからおよそ9700万マレーシアリンギの費用がかかるが、その翌年からの費用は年間およそ3200万マレーシアリンギ(およそ1億円)となるだろうと説明しています。

またスチュアートCEOは、MFLが主催する試合は年間240試合程度あり、VARの導入が決まればこの240試合全てにVARを導入すること、そしてその費用は全額、MFLが負担することなども述べています。


9月1日のニュース
マレーシアカップ決勝での国内初VAR導入に暗雲
U23アジアカップ予選-国外組2選手は最終メンバー入り当確

マレーシアカップ決勝での国内初VAR導入に暗雲

たびたび起こる「疑惑の判定」で批判を受けることが少なくないマレーシアスーパーリーグの審判に対して、選手や監督、コーチはもちろん、サポーターからもビデオアシスタントレフリーVARの導入を求める声が上がっている中、スーパーリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは今年12月のマレーシアカップ決勝でVARを試験運用する予定を発表していましたが、マレーシア語紙ブリタハリアンによると、この試験運用予定が行われない可能性があるようです。

これを報じる記事によると、MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはVARの試験運用については十分な準備が整わない前に行うことはないとしており、VAR担当審判の訓練を含めたすべての調整が終わってからの運用になるだろうと話しています。VAR導入に必要な設備の調達や、審判の訓練は既に始まっていると説明したスチュアートCEOは、現在はFIFAから派遣された担当者と協議しながら、VAR導入に関する問題点や試合会場でのインターネット回線の安定性の確保などあらゆる面で準備ができた段階で、MFLとして試験運用の日程を発表したいとしています。

これまでにマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、今年12月のマレーシアカップ決勝で国内初となるVARが導入されると発表しており、MFLのスチュアートCEOの今回の発言で、この12月の試験運用が不透明となっています。

U23アジアカップ予選-国外組2選手は最終メンバー入り当確

今月9月6日からタイのチョンブリーで開催されるAFC U23アジアカップ予選に向けて、マレーシアU23代表候補25名が発表され、現在は国内で合宿を行なっています。この25名はタイ入りする9月4日までに出場登録可能な23名に絞り込まれることになっており、合宿参加者から2名が外れますが、国外でプレーする2名の選手は既に23名の代表入りが当確していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

国外組の2名とはアイスランド2部のUMFニャルズビークFCでプレーするルクマン・ハキムとフィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホでプレーするノーア・レインの両選手ですが、マレーシアU23代表のE・エラヴァラサン監督は、この両選手は現在行われている国内でのU23代表候補合宿には参加せず、タイのチョンブリーで直接、チームに合流すると発表しています。このことから、この両選手は既に最終メンバー入りが決定しているということのようです。

今回のAFC U23アジアカップ予選でマレーシアはH組に入り、初戦は9月6日のバングラデシュ戦で、以下フィリピン(9月9日)、開催国タイ(9月12日)と対戦します。そしてこの予選を突破するためにはこの組で1位となるか、あるいは2位でも全11組中の成績上位4チームとなる必要があります。なお、マレーシアは前回2022年大会では予選を突破して本大会に出場しましたが、韓国、ベトナム、タイと同組になったグループステージでは、韓国相手に1ゴールを挙げたものの3試合で0勝3敗1得点9失点で敗退しています。

*****

なお国外組の両選手ですが、トランスファーマルクトによるとFWルクマン・ハキムは今季のアイスランド2部リーグではここまで、チーム19試合中9試合(先発2試合)に出場し、出場時間は合計171分で1ゴールを挙げています。またMFノーア・レインは今季のフィンランドリーグ1部でここまで、チーム24試合中18試合(先発8試合)に出場し、出場時間は729分でゴールなしとなっています。

8月31日のニュース
AFC U23アジアカップ予選出場のU23代表候補25名が発表
女子代表がサウジアラビアの国際大会に出場
リーグ戦不振のペナンはマネージャーとTDを解雇、後任は2季連続国内三冠の実績を持つ元クダ監督
ハノイ公安FCのベトナム1部優勝にマレーシア人コーチが貢献

マレーシアでは、本日8月31日はムルデカデーと呼ばれる独立記念日で国民の祝日です。ムルデカ大会でも使われているこの「ムルデカ」はマレーシア語で独立という意味ですが、この8月31日を「マレーシアの独立記念日」と呼ぶには語弊があります。1957年8月31日に英国から独立したのはマラヤ連邦と呼ばれた現在のマレー半島部だけで、ボルネオ島側のサラワクやサバ(独立前の名称は東ボルネオ)の独立は、1963年9月16日にマラヤ連邦とサラワク、東ボルネオ、そしてシンガポールが合併するマレーシアの成立まで待たなければなりませんでした。さらにマレー系住民が多いマレー半島部と、中華系住民が多いシンガポールとの間で民族的、政治的な対立が起こり、死者30名超、逮捕者1000名以上の暴動が起こった結果、1965年にシンガポールが分離されると、現在のマレーシアが出来上がることになります。

AFC U23アジアカップ予選出場のU23代表候補25名が発表

先日の東南アジアサッカー連盟AFF選手権では3位決定戦でタイU23代表にPK戦で敗れてまたしても東南アジア4位に終わったマレーシアU23代表ですが、休む間もなく来月9月6日から12日までタイのチョンブリーで開催されるAFC U23アジアカップ予選が控えています。マレーシアサッカー協会FAMは、この予選に出場するU23代表候補合宿参加メンバー25名を公式サイトで発表しています。なおU23代表候補合宿は昨日8月30日から始まっており、9月4日のタイ出発前までに23名に絞り込まれます。

U23代表は、A代表コーチを兼ねるE・エラヴァラサン監督の下、今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズ、そしてAFF U23選手権といずれも東南アジア各国のU23代表相手に4位に終わり、2大会連続でベトナム、タイ、インドネシアに遅れをとっていることから、今回の予選は選手たちはもちろん、監督以下首脳陣にも結果が求められる予選となります。実際にエラヴァラサン監督交代論はメディアやSNSでも目につき始めており、元ベトナム代表監督のパク・ハンソ氏を筆頭に外国籍監督待望論なども上がっています。

今回の合宿参加者25名ですが、エラヴァラサン監督はAFF U23選手権出場のU23代表23名中、14名を再び招集し、残る11名は東南アジア競技大会出場メンバーから9名、そして国外組2名を招集しています。今回の顔ぶれを見ると、AFF U23選手権には出場しなかったものの、スーパーリーグの各チームで主力選手としてプレーする面々が含まれており、今季21試合中19試合に先発しているGKシーク・イズハン(ヌグリスンビラン)を筆頭に、ムカイリ・アジマル、ジクリ・カリリ(以上スランゴール)、アザム・アズミ、サフワン・マズラン(以上トレンガヌ)、T・サラヴァナン、ハキミ・アジム(いずれもKLシティ)らの加入で、少なくともAFF U23選手権出場のチームよりは戦力がアップしています。しかし、その一方でこの予選はFIFA国際マッチカレンダーにも関わらず、U23代表でプレー資格があるダリル・シャム、ラマダン・サイフラー、アイサル・ハディといったジョホールのトップチームの選手はなぜか招集されていません。

今回の予選でH組に入ったマレーシアは、AFF U23選手権の3位決定戦で対戦したタイ、さらにはフィリピン、バングラデシュと同組で、9月6日にはバングラデシュ、9月9日にはフィリピン、そして9月12日の最終戦がタイとの対戦となっています。なお試合は全てチョンブリースタジアムで開催されます。

P氏名年齢所属
GK*ラーディアズリ・ラハリム22TRE
*アジム・アル=アミン22KLC
シーク・イズハン21NSE
DFハリス・ハイカル21SEL
ジクリ・カリリ21SEL
*V・ルヴェンティラン22SEL
*ウマル・ハキーム21JDT II
*ウバイドラー・シャムスル20TRE
アザム・アズミ22TRE
サフワン・マズラン21TRE
*ハリズ・マンソル21KDA
アズリン・アフィク22KDA
*M・ラケシュ22KEL
MFムカイリ・アジマル22SEL
*シャヒル・バシャー22SEL
*ナジムディン・アクマル20JDT II
*ファーガス・ティアニー20JDT II
T・サラヴァナン22KLC
*サイフル・ジャマルディン22SRP
ノーア・レイン21SJK
FW*アリフ・イズワン・ユスラン19SEL
ハキミ・アジム20KLC
*アイマン・アフィフ22KDA
*アリフ・イクマルリザル・アヌアル21PEN
ルクマン・ハキム21UMF
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、 UMF-UMFニャルズビークFC(アイスランド2部)、SJK-セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(フィンランド1部)
女子代表がサウジアラビアの国際大会に出場

マレーシアサッカー協会FAMは、来月9月にサウジアラビアで開催される国際大会に女子代表が出場することを公式サイトで発表しています。サウジアラビアの西部の都市タイフのキング・ファハドスタジアムで9月18日から30日にかけて開催されるこの大会には6カ国が出場します。

ヨルダン出身のソリーン・アル・ズビ監督率いるFIFAランキング89位のマレーシアはグループステージA組に入り、9月18日に170位のサウジアラビアと、9月21日に同157位のパキスタンと対戦します。またB組には同87位ラオス、同138位レバノン、同171位ブータンが入っており、各組の上位2チームが9月27日に予定されている準決勝し、さらにその勝者が9月30日の決勝に進出します。

リーグ戦不振のペナンはマネージャーとTDを解雇、後任は2季連続国内三冠の実績を持つ元クダ監督

マレーシアスーパーリーグ第21節を終えて5勝4分12敗の10位に低迷するペナンは、チーム公式SNSでチームマネージャーのオン・エンフア氏とテクニカルディレクターのカマル・カリド氏との契約解除を発表しています。またこの直後にはその後任に2007年、2008年の2シーズン連続で監督としてクダFA(当時、現在のクダ・ダルル・アマンFC)を国内三冠に導いた70歳のアズライ・コー氏の名前が上がっていることを、スポーツメディアのアストロアリーナのズルヘルミ・ザイナル・アザム記者が報じています。

ペナンFCの公式SNSには、「ペナンFC経営陣は、今季のペナンFCがマレーシアカップでベスト8進出を逃すなど、そのパフォーマンスが精彩を欠いていることを十分承知しており、深く悲しんでいる。また、この状況を改善するために対策を講じる必要も理解している。ペナンFCはオン、カマル両氏に対してこれまでの貢献を感謝したい。」との投稿がされた上で、新たなチームマネージャーは監督を兼任することも発表しています。なお現時点では、チョン・イーファット監督の処遇については何も発表されていません。

ハノイ公安FCのベトナム1部優勝にマレーシア人コーチが貢献

ベトナム1部リーグの2023年シーズンは8月27日に最終節が行われ、ハノイ公安FCは勝点38で並んだハノイFCを得失点差で上回り、1部昇格初年度で優勝を果たしていますが、このハノイ公安FCの優勝にマレーシア人コーチが関わっていると、マレーシアメディアが報じています。

今年1月に元マレーシア代表GKコーチを務めたマレーシア人のアズミン・アズラム・アブドル・アジズがハノイ公安FCのコーチに就任しており、今季優勝については自身のSNSで「まさか今季1部で優勝するとは思ってもいなかった。」と述べたアズミン氏は、ベトナムでの指導に際し、マレーシア人コーチの先駆者としてアドバイスを受けたベトナム1部のナムディンFCでコンディショニングコーチを務めるマシディー・スライマン氏に感謝したいと述べています。なおマンディ氏は2019年にナムディンFCでコーチを務め、その後はマレーシアに戻ってKLシティFCでコーチを務めていましたが、やはり今季から再びナムディンFCのコーチに就任しています。

アズミン氏はマレーシアサッカー協会FAM所属のコーチとして5年間務め、その間には現在はスランゴールFC監督のタン・チェンホー氏が代表監督だった際には代表チームGKコーチを務め、ファリザル・マーリアス(ジョホール)、カイルルアズハン・カリド(スランゴール)、カイルル・ファーミ(サバ)、ハフィズル・ハキム(ハリニ・スランゴールFC)などを指導していました。

2023マレーシアスーパーリーグ
第21節結果とハイライト映像-ジョホールは開幕からの連勝が20でストップ、優勝決定も持ち越しに

8月25日から27日にかけてマレーシアスーパーリーグ第21節の7試合が行われています。今節を終えると、明日8月29日から代表候補合宿が始まり、その後はFIFA国際マッチカレンダーで9月4日から12日まで中国での代表戦2試合が予定されています。さらにマレーシアカップ準々決勝のファーストレグが9月15日から17日、セカンドレグが9月23日から25日まで予定されているため、次節第22節は9月29日から10月1日までとなっています。
 ただし、ACLに出場するジョホール・ダルル・タジムは9月19日にホームで川崎フロンターレ戦が、また10月3日にはアウェイのBGパトゥム・ユナイテッド戦が組まれており、またAFCカップに出場するトレンガヌとサバもそれぞれ9月20日にいずれもホームでセントラル・マリナーズ戦とホウガン・ユナイテッド戦が組まれているため、この日程も変更がありそうです。
 (試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年8月25日@スルタン・ムハンマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:1,002人
クランタン 2-11 スランゴール
⚽️クランタン:ナサニエル・シリンゴ・リンゴ(7分PK)、ファズルル・アミル(14分)
⚽️スランゴール:ヨハンドリ・オロスコ(28分)、シャルル・ナジーム(34分)、エイロン・デル・ヴァイエ4(41分、44分、63分、87分)、リッチモンド・ボアキエ3(48分、78分、86分)、ファイサル・ハリム2(50分、53分)
🟨クランタン:なし
🟨スランゴール:アレクサンダー・アギャルカワ
MOM:エイロン・デル・ヴァイエ(スランゴール)

 2位スランゴールがエイロン・デル・ヴァイエとリッチモンド・ボアキエ両選手のハットトリックなどで大量11点を挙げて13位クランタンに圧勝しています。
 スランゴールDFの度重なるミスのおかげで3試合ぶりのゴールで先制したホームのクランタンでしたが、8月14日の第20節トレンガヌ戦の8失点、8月19日のマレーシアカップ1回戦ジョホール戦での10失点と今季の最多失点記録を塗り替えてきたチームは新たに11失点と記録を更新し、直近の3試合でも29失点となっています。
 一方のスランゴールは、つまらないミスから失点する点は相変わらずですが、3位のクダが勝点差3に迫る中、得失差で大きく差を広げる大勝で、2位をキープしています。また明日8月29日から始まる代表候補合宿に招集されたファイサル・ハリムが2ゴール、シャルル・ナジームが1ゴール、ブレンダン・ガンが5アシストと合宿合流前に弾みをつけています。

2023年8月26日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
観衆:248人
クチンシティ 0-2 トレンガヌ
⚽️トレンガヌ:シャールル・ニザム(44分)、エンク・シャキル(55分)
🟨クチンシティ:アリフ・ハサン、ミハイロ・ヨヴァノヴィッチ
🟨トレンガヌ:なし
MOM:ソニー・ノルデ(トレンガヌ)

 前節ではクランタン相手に8-0と圧勝した6位トレンガヌが、この試合も攻めてはエンク・シャキルの2試合連続ゴールなどで2点を挙げ、守っては無失点で3連勝を飾っています。一方、最下位14位のクチンシティはチーム得点王のアブ・カマラがベンチ外で、前節のクダ戦に続き、接戦をものにできず2試合連続無得点で敗れています。
 クチンシティの谷川由来選手は先発して、フル出場しています。

2023年8月26日@リカスタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:7,094人
サバ 3-1 ヌグリスンビラン
⚽️サバ:ラモン・マチャド2(13分、29分)、ミゲル・シフエンテス(45+1分)
⚽️ヌグリスンビラン:ハイン・テット・アウン(90分)
🟨サバ:ガブリエル・ペレス、スチュアート・ウィルキン、ゲイリー・スティーヴン・ロバト
🟨ヌグリスンビラン:なし
MOM:ラモン・マチャド(サバ)

 いずれも今季途中加入のラモン・マチャド、ミゲル・シフエンテスのゴールでサバが快勝し、リーグ4位を保持しています。
 加入後6試合で4ゴールのラモン・マチャドがこの試合では2ゴールを挙げ、同じスーパーリーグのクランタンから加入し2試合目の先発となったミゲル・シフエンテスは加入後初ゴールを決めて、サバはリーグ戦2連勝となりました。
 一方のヌグリスンビランは、この試合も含めた直近3試合で1ゴールと相変わらずの得点力不足で3連敗。攻守の要、エラルド・グロンを欠き、この試合で先発した外国籍選手は東南アジア枠でスランゴールから期限移籍中のハイン・テット・アウンだけと、リーグ上位のチーム相手に対しては明らかに分が悪過ぎました。

2023年8月26日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:11,800人
クダ・ダルル・アマン 3-3 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️クダ:イフェダヨ・オルセグン(36分)、マヌエル・オット(50分)、アミールベク・ジュラバエフ(90+3分)
⚽️ジョホール:ラヴェル・コービン=オング(53分)、ヘベルチ・フェルナンデス(56分)、アリフ・アイマン(74分)
🟨クダ:アズリン・アフィク、イフェダヨ・オルセグン、カマル・アクマル
🟨ジョホール:フェロズ・バハルディン
MOM:マヌエル・イダルゴ(クダ・ダルル・アマン)

 首位ジョホールが3位クダを相手に今季初の引き分けで、開幕からの連勝が20でストップしています。
 ジョホールはこの試合で勝利すれば勝ち点63となり、既に22試合を終えている勝点49の2位スランゴールが残り4試合を全勝しても勝点で上回ることができず、優勝決定となるところでしたが、ホームのクダが試合開始からジョホールを圧倒します。ここまで20試合でわずか4失点のジョホールは、この試合では途中まで今季初めてとなる0-2とリードを許す「らしくない」展開でしたが、53分にラヴェル・コービン=オングのゴールで1点を返すと、その3分後にはザスパ草津(当時)やセレッソ大阪、ベガルタ仙台などでもプレーしたヘベルチ・フェルナンデスのゴールですぐさま追いつきます。さらに74分にはアリフ・アイマンがクダDF3名をかわして逆転ゴールを決め、ジョホールがリードしますが、ロスタイムにクダが、この試合での3得点全てにアシストがついてマヌエル・イダルゴのクロスをタジキスタン代表のアミールベク・ジュラバエフが押し込み、これが同点ゴールとなったクダが土壇場で引き分けに持ち込んでいます。
 マレーシアカップではペラに敗れてまさかの1回戦敗退となったクダですが、この試合はおそらく今季のスーパーリーグのベストマッチとも思える白熱した試合でした。またこの試合で勝点1を積み上げたジョホールは次節第22節で引き分け以上で、リーグ10連覇が決まります。
 デビュー戦で2ゴールを挙げた邦本宜裕選手はこの試合でも先発し、前半終了とともに交代しています。

2023年8月27日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:160人
PDRM 3-0 ペナン
⚽️PDRM:ウスマン・ファネ(36分OG)、ジェイムズ・オクウォサ(75分)、鈴木ブルーノ(90+3分)
🟨PDRM:ジェイムズ・オクウォサ、アリフ・ナジミ、ファディ・アワド
🟨ペナン:ハジック・プアド、ゾー・ミン・トゥン
MOM:ソーニー・サアド(ペナン)

 第19節と第20節の試合がいずれも延期になり(マレーシア国内の6州で行われた州議会選挙が理由?)、この試合が最後のリーグ戦からはほぼ1ヶ月ぶりとなったPDRMは、36分に相手ゴール前の混戦からオウンゴールで先制すると、後半にはジェイムズ・オクウォサの今季2得点目となるゴールでリードを広げます。さらに途中出場の鈴木ブルーノがチームトップの5ゴール目となるシュートを決めてこの試合を解消し、7位のKLシティまで勝点差4まで迫っています。
 一方のペナンはこの日の敗戦で5連敗となり、9位のヌグリスンビランとは勝点差3、消化試合数が2試合少ない8位のPDRMとは勝点差8となっています。またこの日の敗戦で5勝4分12敗となったペナンは、この試合の翌日となる今日8月28日にテクニカルディレクターのカマル・カリド氏とチームマネージャーのオン・エンフア氏の解任を発表しています。
 鈴木ブルーノ選手は73分に交代出場し、6月3日以来となるゴールを決め、試合終了まで出場しています。

2023年8月27日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:6,998人
ペラ 0-4 KLシティ
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(30分)、セバスチャン・アヴァンジニ(47分)、パウロ・ジョズエ(56分)、ショーン・ジャネッリ(88分)
🟨ペラ:なし
🟨KLシティ:カマル・アジジ
MOM:パウロ・ジョズエ(KLシティ)

 相手のミスからボールを奪ったチェチェ・キプレのゴールで先制したKLシティは前半を1-0とリードして折り返します。後半に入ると、この試合が2試合ぶりの先発となったパウロ・ジョズエのコーナーキックにセバスチャン・アヴァンジニが頭で合わせてゴールを決め、リードを広げます。チームでただ一人だけ代表候補合宿に招集されているジョズエ選手は、さらに自身のヘディングシュートで3点目を挙げて1ゴール1アシストと活躍し、KLシティを勝利へ導いています。
 マレーシアカップ1回戦ではリーグ3位のクダを退けてベスト8へ進んだペラですが、リーグ戦では前節ジョホール戦での5失点に続き、この試合も4失点、さらに2試合連続無得点と良いところなく敗れています。

2023年8月27日@スルタン・ムハンマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:168人
クランタン・ユナイテッド 1-5 スリ・パハン
⚽️クランタン:ロイイザット・ダウド(77分)
⚽️スリ・パハン:アズリフ・ナスルルハク(10分)エゼキセル・アグエロ2(23分、27分)、クパー・シャーマン(66分)、デヴィッド・ローリー(90+2分)
🟨クランタン:ラティフ・スハイミ
🟨スリ・パハン:アズリフ・ナスルルハク、ケヴィン・イングレッソ、ファドリ・シャス
MOM:エゼキエル・アグエロ(スリ・パハン)

 ナズリフ・ナスルルハクがペナルティエリアの外から放った豪快なミドルシュートが決まって先制したスリ・パハンは、チームから唯一、明日からの代表候補合宿に参加するエゼキエル・アグエロがいずれもゴールキーパーの位置を見極めた上で技ありの2ゴールを決め、27分で早くも3-0とリードします。
 前半の3得点全てに絡んだエースのクパー・シャーマンが後半の77分にダメ押しとなるヘディングシュートを決めるなど、後半2点を追加したスリ・パハンがチーム得点王のシャーマン選手の活躍で快勝し、2位争いに残っています。
 一方のクランタン・ユナイテッドは前節のトレンガヌ戦での4失点に続き、この試合も5失点で、今季20試合を終えて53失点と(20得点)のなり、今季2勝目はまだ遠そうです。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第21節終了)

順位チーム勝点
1JDT2120108277561
2SEL22161560213949
3KDA21142542251744
4SAB22133650331742
5SRP20124435211440
6TRE21105639231635
7KLC218763834431
8PDRM198382123-227
9NSE214982641-1521
10PEN2154122538-1319
11PRK2144131647-3116
12KLU2015142053-338
13KEL2122172487-638
14KCH1914141439-257
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第21節終了-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)枠内/シュートアシスト
1エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)2137/58422
2フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)1730/61716
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)1531/81417
4クパー・シャーマン(SRP)1121/38620
5イヴァン・マムート(TRE)1027/56117
ファイサル・ハリム(SEL)1025/37719
7アブ・カマラ(KCH)915/37117
8ウィリアン・リラ(KDA)811/36214
ステファノ・ブルンド(SRP)817/36019
ロメル・モラレス(KLC)817/31217
パウロ・ジョズエ(KLC)825/46419
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ
第20節結果とハイライト映像(3)

今節第22節の残り試合の1つ、ペナンFC対クダ・ダルル・アマンFCが8月22日開催されています。
 (試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年8月22日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
観衆:2,924人
ペナン 1-2 クダ・ダルル・アマン
⚽️ペナン:ソニー・サアド(32分)
⚽️クダ:ファズルル・ダネル(7分)、モーゼス・アテデェ(90+3分)
🟨ペナン:アブドル・アブディーン・テミトープ、ゾー・ミン・トゥン、アディブ・ラオプ、コギレスワラン・ラジ
🟨クダ:マヌエル・イダルゴ、アリフ・ファルハン
🟥ヌグリスンビラン:アディブ・ラオプ(🟨x2)
MOM:ファズルル・ダネル(クダ・ダルル・アマン)

 土壇場の逆転ゴールでクダが5連勝、一方のペナンは4連敗。
 3位のクダと10位のペナンの試合は、4連勝で順位を上げてきたクダが、3月1日のトレンガヌ戦以来今季2点目となるファズルル・ダネルのゴールで先制しますが、ホームのペナンも32分にファリス・シャーのFKから、ゴール前でクダDFのマークが外れたソニー・サアドが同点ゴールを決めて同点に追いつきます。
 後半に入ると両チームとも得点が奪えず、このまま引き分けかと思われたロスタイムにコーナーキックを得たクダが、ゴール前の混戦から最後はモーゼス・アテデェが押し込んで決勝ゴールを決めています。今季途中加入のアテデェ選手は出場6試合目で初ゴールでしたが、クダの1点目もこのアテデェ選手のシュートからのこぼれ球をファズルル選手が決めたものでした。
 この勝利でクダは、2位のスランゴールまで勝点差3と迫っています。なおスランゴールはクダよりも1試合多く消化しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第21節終了)

順位チーム勝点
1JDT2020007947560
2SEL21151549193046
3KDA20141539221743
4SAB21123647321539
5SRP19114430201037
6TRE2095637231432
7KLC207763434030
8PDRM187381823-524
9NSE204972538-1321
10PEN2054112431-819
11PRK2044121643-2713
12KLU1915131948-298
13KEL2022162276-548
14KCH1814131437-236
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第21節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)シュート枠内Sアシスト
1フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)176130716
エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)175032421
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)157329316
4クパー・シャーマン(SRP)103620319
イヴァン・マムート(TRE)105325116
6アブ・カマラ(KCH)93715117
7ウィリアン・リラ(KDA)83611214
ファイサル・ハリム(SEL)83424718
ステファノ・ブルンド(SRP)83617018
ロメル・モラレス(KLC)83117217
11パウロ・ジョズエ(KLC)74323318
ジオゴ(JDT)7181029
フアン・ムニス(JDT)73618418
パク・テス(SAB)72210020
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

8月27日のニュース
東南アジアU23選手権-マレーシアはPK戦でタイに敗れて4位、インドネシアとのPK戦を制したベトナムが大会2連覇達成

タイのラヨーンで開催されていた東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権では、マレーシアは3位決定戦でタイに敗れて4位に終わっています。準優勝したインドネシアにはグループステージで勝利したものの、ベトナム、タイの東南アジア2強相手には今大会でも勝利することができませんでした。特にタイとは来月9月にタイのチョンブリーで開催されるAFC U23アジアカップ2024の予選で同組のH組となっており、再び相見えるえることになります。パリオリンピック予選を兼ねるAFC U23アジアカップ出場のU23代表はおそらく数日中に発表になると思いますが、今回4位に終わったチームに、スーパーリーグの各チームで主力を張る選手たちから果たして何名が加わるのかが、マレーシアサッカー協会の本気度と交渉力を示すことになりそうです。

東南アジアU23選手権-マレーシアはPK戦でタイに敗れて4位

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の3位決定戦が行われ、フルタイムは0-0で終わった試合はPK戦の末、マレーシアU23代表はタイU23代表に3-4で敗れて4位に終わっています。今回の4位という成績は、2019年、2022年と過去2大会はグループステージを突破できなかったマレーシアU23代表にとっては2005年の第1回大会でミャンマーにやはりPK戦で敗れて4位となって以来の最高成績です。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督は、準決勝ベトナムU23代表戦で先発した11名からウバイドラー・シャムスル・ファジリ(トレンガヌ)、アリフ・イクマルリザル(ペナン)、アリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、ウマル・ハキーム(ジョホールU23)の4名を残して選手を入れ替え、インドネシア戦で2ゴールを挙げて勝利の立役者となったファーガス・ティアニー(ジョホールU23)を今大会初めて先発で起用しています。(下はマレーシアU23の先発XI)

より攻撃的な布陣で臨んだこの試合では、前半はマレーシアは準決勝のベトナム戦と比べると明らかに好機を多く作ったものの得点には至らず、後半はさらに積極的なプレーを見せますが、やはり得点を挙げることはできません。一方のタイも前半終了間際から後半にかけてやはりギアを上げてゴールを狙いますが、マレーシアGKアジム・アル=アミンが何度も好セーブを見せて得点を許さず、試合はPK戦へとも連れ込みます。

PK戦に入ると、先攻のマレーシアは1人目のファーガス・ティアニー、2人目のアリフ・イズワンは共にゴールを決めたものの、3人目のシャヒール・バシャーのシュートはタイGKのThirawooth Sruansonに止められてしまいます。しかしタイも4人目のThakdanai Jaihanがゴール左にはずし、5人目のキッカーを前に3−3と同点になりますが、マレーシアの5人目のキッカー、18歳のモハマド・アブ・カリリの左足から放たれたキックはゴールキーパーの真正面へ飛び、タイGKに難なく止められてしまいます。一方のタイは5人目のChukid Wanpraphaoがゴール左にシュートを決めて決着をつけて3位となり、マレーシアが4位となっています。なお、今大会3ゴールを挙げたマレーシアのアリフ・イクマルリザルがベトナムのディン・スアン・ティエンとともに大会得点王となっています。

AFF U23選手権2023
3位決定戦
2023年8月26日@ラヨーン県立スタジアム
マレーシアU23 0-0 タイU23(PK:3-4)

3位決定戦のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)

東南アジアU23選手権-インドネシアとのPK戦を制したベトナムが大会2連覇達成

一方、3位決定戦に続いて行われた決勝では、準決勝でタイU23代表を3-1で破ったインドネシアU23代表と、同じくマレーシアU23代表を4-1で破ったベトナムU23代表が対戦し、90分間では決着がつかず、30分の延長でも0-0となった試合は、こちらもPK戦にも連れ込み、ベトナムが6-5でインドネシアを破り、前回2022年大会に続き大会2連覇を達成しています。

120分間では0-0だった試合ですが、その内容は非常に見応えのある試合でした。両チームとも試合開始から徐々にペースを上げて迎えた33分にはインドネシアペナルティエリア内でグエン・ミン・クアンが倒されますが、グエン・コック・ヴィエットが蹴ったPKはこの試合ではこの後、何度もスーパーセーブを見せたインドネシアGKエルナンド・アリがコースを読んでパンチングで弾きました。このエルナンド選手、そしてベトナムGKクアン・ヴァン・ツアンの両GKが好セーブを連発したことも120分間で決着がつかなかった要因でした。さらにシュートがゴールポストにも阻まれる場面もあるなど、両チームともゴールが遠い試合でした。

延長に入ると疲れからか、荒いプレーが目立ち始める一方で、両チームともチャンスらしいチャンスは少なく、3位決定戦に続き、この試合もPK戦に突入しました。PK戦では先攻のインドネシア、後攻のベトナムともに最初の5名はゴールを決めて、こちらも延長サドンデスとなりました。インドネシアの6人目のキッカーとして立ったGKのエルナンド選手のシュートはベトナムGKヴァン・ツアン選手が止め、6人目のキッカー、タイ・バ・ダットがゴールを決めたベトナムが、大会連覇を決めています。

AFF U23選手権2023
決勝戦
2023年8月26日@ラヨーン県立スタジアム
ベトナムU23 0-0 インドネシアU23(PK:6-5)

決勝戦のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)

8月26日のニュース
東南アジアU23選手権-マレーシアはまたもベトナムの壁を越えられず準決勝敗退
ACLとAFCカップのグループステージ組み合わせ決定-ジョホールは昨季に続き川崎、蔚山と同組に

東南アジアU23選手権-マレーシアはまたもベトナムの壁を越えられず準決勝敗退

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権の準決勝が行われ、マレーシアU23代表はベトナムU23代表に1-4で敗れて、決勝進出を逃し、明日8月26日に行われる3位決定戦に回っています。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督は、初戦のインドネシア戦で先発した11名からGKラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、M・ラケシュ(クランタン)、シャヒール・バシャー(スランゴール)、ウバイドラー・シャムスル・ファジリ(トレンガヌ)、ナジムディン・アクマル(ジョホールU23)、アリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、ハリス・アキフ(クランタン)、ニック・ウマル(ペラ)の8名を起用し、さらに東ティモール戦でゴールを挙げたFWアリフ・イクマルリザル(ペナン)、今大会初先発となるFWハジク・クティ(ペナン)、そしてDFウマル・ハキーム(ジョホールU23)を先発XIに指名しています。(下はマレーシアU23の先発XI)

AFF U23選手権2023
準決勝
2023年8月24日@ラヨーン県立スタジアム
マレーシア 1-4 ベトナム
⚽️マレーシア:アリフ・イクマルリザル(54分PK、62分)
⚽️ベトナム:ディン・ザン・ティエン(8分)、グエン・クオック・ヴィエット(32分)

前回2022年大会ではグループステージでラオスにまさかの2連敗で準決勝にすら進めなかったマレーシアU23代表は、今大会では今年の東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝のインドネシアU23代表を破ってグループステージB組を1位で突破し、初の決勝進出をかけてベトナムU23代表戦に臨みました。

しかし2013年の東南アジア競技大会ミャンマー大会で勝利して以来、ベトナムU23代表には4連敗中のマレーシアU23代表は、開始8分で左サイドを突破され、そこからゴール前でフリーのディン・ザン・ティエンへボールが渡ると、これを難なく押し込まれてマレーシアは先生を許します。さらに32分には自陣ペナルティエリア付近でGKラーディアズリ・らハリムからのパスをアリフ・イズワンが奪われると、そこからグエン・クオック・ヴィエットにゴールを決められ、点差を2点に広げられます。さらに前半終了間際には、再び中盤でボールを奪われると、そこからいとも簡単にゴール前まで運ばれ、最後はディン・ザン・ティエンにこの試合2点目のゴールを簡単に決められてしまいます。

前半を0-3で折り返したマレーシアは、後半にインドネシア戦で2ゴールを挙げたファーガス・ティアニーらを投入し、開始4分でアリフ・イクマルリザルが2試合連続のゴールで2点差まで詰め寄りますが、85分にはGKクアン・ヴァン・ツァンからのキックを受けたブイ・ヴィ・ハオがマレーシアDFに詰められながらも粘ってゴールライン近くからマイナスのクロスを出すと、これをグエン・ホン・フックが押し込んで決定的な4点目を挙げたベトナムがマレーシアに完勝しています。

今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズに続き、東南アジアの大会でベスト4止まりに終わったU23代表ですが、FIFA国際マッチカレンダーではなかったことからスーパーリーグの各チームで主力としてプレーする選手の招集ができなかったと言う声も聞こえてきますが、それは今大会に参加したどのチームも同じで言い訳にはできません。帰化選手のおかげで強化が進むA代表と比べると、若い世代の底上げが進んでいないマレーシアサッカー界の課題が浮き彫りになった大会になりました。

マレーシアはもう一つの準決勝でインドネシアに敗れたタイと、本日8月26日午後5時キックオフ(マレーシア時間)の3位決定戦にまわります。なおこの試合はこちらで視聴可能です。

この試合のハイライト映像(東南アジアサッカー連盟AFFの公式YouTubeチャンネルより)
ACLとAFCカップのグループステージ組み合わせ決定-ジョホールは昨季に続き川崎、蔚山と同組に

8月24日に2023/24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)と、ACLの下部大会に当たるAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選が、クアラルンプールにあるAFCハウスで行われ、マレーシア1部スーパーリーグ9連覇中のジョホール・ダルル・タジムは、グループステージI組に入り、昨季2022年のJリーグ覇者川崎フロンターレ、2012年と2020年と過去2回ACL優勝の蔚山現代、そして2021/22シーズン2位のBGパトゥム・ユナイテッド(タイ)と同じI組に入っています。

この既視感がある組み合わせ抽選結果は運命のいたずらなのか、ジョホールは昨季のACLグループステージでもI組で川崎フロンターレ、蔚山現代と同組で、川崎とは0-0、0-5で1分1敗、蔚山現代とは2-1、2-1と2勝し、I組の1位でマレーシアのクラブとして初めてACLのノックアウトステージに進出しています。ただし、昨季のグループステージI組はジョホールの本拠地、スルタン・イブラヒムスタジアムでの集中開催でしたが、今季はコロナ禍前と同様のホームアンドアウェイ方式に戻るため、昨季とは全く条件が異なります。

ジョホールのACLグループステージの試合日程は以下の通りです。

日程 対戦相手試合会場
9月19日(火)川崎フロンターレスルタン・イブラヒムスタジアム
10月3日(木)BGパトゥム・ユナイテッドBGスタジアム
10月24日(木)蔚山現代蔚山文殊サッカー競技場
11月7日(火)蔚山現代スルタン・イブラヒムスタジアム
11月28日(火)川崎フロンターレ等々力陸上競技場
12月12日(木)BGパトゥム・ユナイテッドスルタン・イブラヒムスタジアム

またACLグループステージ組分け抽選の前には、2023/24AFCカップのグループステージ組み合わせ抽選が行われています。AFCカップはAFCチャンピオンズリーグに次ぐ大会で、例えばUEFAチャンピオンズリーグに次ぐUEFAヨーロッパリーグのような位置付けです。ただし、AFC西地区でいえば、日本や韓国、中国、東地区で言えばサウジアラビア、アラブ首長国連邦、イランなどAFCランキング上位の国・地域協会には出場権が割り当てられていません。

この日のグループステージ組み合わせ抽選の結果、マレーシアスーパーリーグで昨季2位のトレンガヌはG組に入り、 中村玲央、野村悠太両選手が所属するスタリオン・ラグナ(フィリピン)、バリ・ユナイテッド(インドネシア)、 そして今大会から初めてAFCカップに参戦するオーストラリア勢の1つセントラル・コースト・マリナーズ(オーストラリア)と同組になっています。

また昨季のリーグ3位サバはH組となり、南部健造選手が在籍するPSMマカッサル(インドネシア) 栗山直樹、高山和真両選手が所属するホウガン・ユナイテッド(シンガポール)、そして ハイフォン(ベトナム)と同組となっています。

*****

なおAFCは今季からACLとAFCカップを秋春制に移行するとともに、来季2024/25年シーズンよりACLとAFCカップを改変、さらに新たな大会を加えた3レベルで開催することを発表しています。

最上位レベルに位置するのは東西それぞれ12チーム、合計24チームが出場するACLエリートで、以下、合計32チームが出場するACL2、そして20クラブが出場するAFCチャレンジリーグとつづきます。このため「AFCカップ」の名称は今大会が最後となります。

8月24日のニュース
9月のFIFAカレンダーに向けたマレーシア代表候補合宿参加の26名が発表
インドネシア1部リーグ第9節-エルドストールがデワ・ユナイテッドでデビュー、ホダック監督就任後プルシブ・バンドンが初勝利
スランゴールFCがインドネシア2部のプルシラジャ・バンダ・アチェと親善試合開催

今日8月24日はAFCチャンピオンズリーグ(ACL)とAFCカップの組み合わせ抽選がクアラ・ルンプールにあるAFCハウスで行われます。ACLは16時から、AFCカップは14時からとなっており、マレーシアスーパーリーグからACLに出場するジョホール・ダルル・タジムFC、AFCカップに出場するサバFCとトレンガヌFCの対戦相手が決まります。なおACLの組み合わせ抽選の様子はこちらから、AFCカップの組み合わせ抽選の様子はこちらからいずれもAFCの公式チャンネルでストリーム配信されます。

9月のFIFAカレンダーに向けたマレーシア代表候補合宿参加の26名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは、9月のFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)に向けた代表候補合宿を8月26日から行いますが、この合宿に参加する26名が発表されています。9月のFIFAカレンダーでマレーシア代表は8月6日にシリア代表と、8月9日には中国代表といずれも中国の成都市で試合を行います。

キム・パンゴン監督は6月のFIFAカレンダーで招集したメンバー26名中、15名を今回も招集しています。残る11名中7名は3月のFIFAカレンダーで招集されたメンバーで、また3名は昨年末に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2023に出場しており、今回代表初招集となったのはナサニエル・シオ・ホンワン(ジョホール・ダルル・タジムFC)1名だけです。

氏名年齢所属
GK^#*シーハン・ハズミ27JDT
#ダミエン・リム26SAB
^#カラムラー・アル=ハフィズ28KDA
DF#*シャールル・サアド30JDT
#*マシュー・デイヴィーズ28JDT
#*ラヴェル・コービン=オング32JDT
#*シャーミ・サファリ25JDT
^#*ドミニク・タン26SAB
^シャルル・ナジーム24SEL
^#クエンティン・チェン24SEL
#ディオン・コールズ27BU
*ジュニオール・エルドストール32DU
MFナサニエル・シオ・ホンワン23JDT
#*エンドリック・ドス・サントス28JDT
#*アリフ・アイマン21JDT
^*サファウィ・ラシド26JDT
#アキヤ・ラシド24JDT
#ダニエル・ティン31SAB
^#*スチュアート・ウィルキン25SAB
^#ブレンダン・ガン35SEL
#アザム・アジー28SRP
^エゼキエル・アグエロ29SRP
^シャミー・イスズアン28SRP
#パウロ・ジョズエ34KLC
FW^#ダレン・ロック33SAB
^#*ファイサル・ハリム25SEL
*は6月の代表戦メンバー、#は3月の代表戦メンバー、^は三菱電機カップ2023出場メンバー
所属チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、BU-ブリーラム・ユナイテッド(タイ)、DU-デワ・ユナイテッド(インドネシア)

インドネシア1部リーグ第9節-ジュニオール・エルドストールがデワ・ユナイテッドでデビュー、プルシブ・バンドンがボヤン・ホダック監督就任後初勝利を挙げる

8月18日から20日にかけてインドネシア1部リーグの第9節が開催され、今月末の代表候補合宿にも参加するマレーシア代表DFのジュニオール・エルドストルがデワ・ユナイテッドで今季初出場を果たしています。

インドネシア1部 第9節
2023年8月19日@スタディオン・マグウォハルジョ(ジョグジャカルタ特別州スレマン)
ランス・ヌサンタラFC 0-0 デワ・ユナイテッド
 日本人MF丸岡満選手が所属するランス・ヌサンタラFCはこの試合前までは4勝3分1敗の2位、一方のデワ・ユナイテッドは3勝2分3敗の9位でしたが、スコアレスドローとなったこの試合の結果、ランス・ヌサンタラFC、デワ・ユナイテッドともに順位を2つ下げて、それぞれ4位と11位に後退しています。
 先月7月20日にジョホールから今年12月31日までの期限付きで移籍したDFジュニオール・エルドストールは、第7節のバリト・プトラ(1-2)、第8節のPSISスマラン(1-4)と連敗中もベンチ入りしたものの出場はありませんでしたが、この試合では88分に交代出場し、デワ・ユナイテッドでのデビューを果たしています。なおエルドストール選手は、今年1月から5月末まではタイ1部のプラチュワップFC(タイ1部)に期限付き移籍し、3試合で出場時間は32分でした。

またマレーシアスーパーリーグのKLシティFC監督から、7月にプルシブ・バンドン監督に転身したボヤン・ホダック監督が監督就任4試合目にして初勝利を挙げています。

インドネシア1部 第9節
2023年8月20日@ジャティディリ スタジアム(中部ジャワ州スマラン)
PSISスマラン 1-2 プルシブ・バンドン
 ホダック監督就任以降、第6節はホームでバリ・ユナイテッドと0-0で引き分け、第7節はアウェイでプルシス・ソロに1-2で敗れ、第8節はホームでバリト・プトラと1-1で引き分けと、勝星のなかったプルシブ・バンドンですが、フィリピン代表で浦和レッズユース出身のDF佐藤大介選手も先発したこの試合では、オランダ出身のインドネシア代表MFマーク・クロックの2発で勝利し、降格圏の16位から14位に浮上しています。
 昨季は優勝したMF南部健造が所属するPSMマカッサルと勝点差13の3位に終わったプルシブ・アバンドンは、今季の開幕でスタートダッシュに失敗するとホダック監督を起用しましたが、ここまでは2勝5分2敗となっています。5引き分けはリーグ最多で、昨季の成績19勝5分10敗と並んでいます。

スランゴールFCがインドネシア2部のプルシラジャ・バンダ・アチェと親善試合開催

スーパーリーグのスランゴールFCは、8月27日にインドネシア2部のプルシラジャ・バンダ・アチェと親善試合を行うことをチーム公式サイトで発表しています。スーパーリーグは今週末の第21節を終えると、その後はFIFA国際マッチカレンダーが9月4日から12日まで予定されていることら中断期間に入り、スランゴールFCの次の試合は9月15日のマレーシアカップ準々決勝ファーストレグのトレンガヌFC戦となっています。

対戦するプルシラジャ・バンダ・アチェは、2021/22シーズンにインドネシア1部リーガ1で最下位となり2部のリーガ2に降格しています。なおリーガ2は2022/23シーズンはシーズン途中で中止となり、今季2023/24シーズンは9月に開幕します。

スランゴールはこの記事の上にもある代表候補合宿にDFシャルル・ナジーム、DFクェンティン・チェン、MFブレンダン・ガン、FWファイサル・ハリムが招集されており、この主力4名を除いたメンバーでの遠征となります。なおこの試合はバンダ・アチェのハラパン・バンサスタジアムで行われ、スランゴールFCは8月25日の第21節クランタンFC戦後にバンダ・アチェに向けて出発するということです。

8月23日のニュース
東南アジアU23選手権-マレーシアは東ティモールに勝利し準決勝進出
昨日の敵は今日の友-ジョホールサポーターが邦本宜裕選手を称賛
今度はヌグリスンビランFCに給料未払い問題が発覚

東南アジアU23選手権-マレーシアは東ティモールに勝利し準決勝進出

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権のグループステージB組の第3節が行われ、マレーシアU23代表が東ティモールU23代表を3-1で破っています。この勝利でマレーシアはB組を首位で突破し、明日8月24日の準決勝では2022年大会優勝のベトナムと決勝進出を賭けて対戦します。。

マレーシアのE・エラヴァラサン監督はGKアジム・アル=アミン(KLシティ)以下、DFがウマル・ハキーム(ジョホールU23)、V・ルヴェンティラン(スランゴール)、ナズウィン・サレー(KLシティ)、M・ラケシュ、フィルダウス・ハスノディン(いずれもクランタン)、MFがムスリフディン・アティク、ウバイドラー・シャムスル・ファジリ(いずれもトレンガヌ)、FWがアリフ・イズワン・ユズラン(スランゴール)、アイマン・アフィフ(クダ)、アリフ・イクマルリザル(ペナン)と初戦のインドネシアU23代表戦からはGKを含めて5名を入れ替えた先発XIを起用しています。(下はマレーシアU23代表の先発XI)

前節第2節でインドネシアが東ティモールに1−0と僅差で勝利し得失差0となったことで、この試合は引き分け以上で準決勝進出が決まるマレーシアはアリフ・イクマルリザルが5分に豪快なミドルシュートで先制ゴールを決め、さらにその8分後にはゴール前でフリーになったアリフ・イズワンが2点目を挙げると、その後は攻め続けるもののゴールは奪えずに試合が進みます。そして逆に前半終了間際には、中盤でボールを奪われると、最後はA代表でもプレーする東ティモールFWオラガル・シャヴィエルがゴールを決めて1点差に迫られます。

後半に入ると、マレーシアはアリフ・イズワンのシュートを東ティモールGKが弾いたところをアリフ・イクマルリザルが押し込んでこの試合2点目を挙げて再びリードを広げます。しかし、マレーシアは中盤のチェックが緩く、東ティモールのFW陣にボールを持ち込まれ好機を作られますが、相手のシュートの精度の低さやゴールポストに助けられるなどして失点を許さず逃げ切っています。

AFF U23選手権2023
グループステージB組 第3節
2023年8月19日@PTTスタジアム
東ティモール 1-3 マレーシア
⚽️東ティモール:オラガル・シャヴィエル
⚽️マレーシア:アリフ・イクマルリザル2(5分、64分)、アリフ・イズワン・ユスラン(13分)

この試合のハイライト映像(AFFの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージB組順位表(第3節終了)

順位チーム勝点
1マレーシア22005236
2インドネシア21012203
3東ティモール200214-30
昨日の敵は今日の友-ジョホールサポーターが邦本宜裕選手を称賛

デビュー戦となった8月19日のマレーシアカップ1回戦対クランタンFC戦で先発すると、いきなり先制点をアシストし、その後はチームの2点目と3点目のゴールを決めるなど大活躍した邦本宜裕選手は、ジョホールサポーターの喝采を浴びました。

試合後の会見ではジョホールのエステバン・ソラリ監督もチームの戦術を短期間で理解した上で、空いたスペースを見つけ、素早く反応し、相手にとって危険なパスを出してアシストするなど素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと大絶賛でした。

しかし、この邦本選手は2019年にジョホールがマレーシアのチームとして初めてAFCチャンピオンズリーグに出場した際に、ゴールを決められた相手でもありました。当時は慶南FCに在籍していた邦本選手は、2019年5月22日のグループスタージE組の第6節でチーム最年少の21歳ながらジョホールを相手に先発し、ロスタイムの90+4分にゴールを決め、慶南FCの2-0での勝利に貢献しています。

ジョホールサポーターにとっては苦い思い出もある邦本選手ですが、デビュー戦でのゴール直後にはユニフォームの胸についたジョホールのエンブレムにキスするなど、ジョホール愛をアピールし、サポーターの心を鷲掴みにしています。試合後は辛口の地元メディアからも高い評価を受けていた邦本選手はスーパーリーグはもちろん、明日8月24日に組み合わせ抽選が行われるACL2023年大会でも活躍が期待されます。

今度はヌグリスンビランFCに給料未払い問題が発覚

今季はKLシティFCやクランタンFCで明らかになった給料未払い問題ですが、同様の問題がヌグリスンビランFCでも起こっているものの、現時点ではこの状況をマレーシアサッカー協会FAMやマレーシアプロ選手会PFAMへ不服申し立ては行われていなようだどと、マレーシア語メディアのマジョリティが報じています。

マレーシアサッカー界ではいわば「年中行事」とも言える給料未払い問題。それでもこれまでは、シーズンの終盤に運営資金繰りが苦しくなった結果の給料未払いがニュースになっていましたが、新型コロナ禍からそれが明けた頃にはシーズンが始まって間もなく給料未払いが発覚するなど、状況が悪化していると言えるかもしれません。

ヌグリスンビランFCはベテランのザクアン・アドハが噂されていた給料未払い問題が事実であることを自身のSNSで認めた上で、チームCEOに対して怒りのコメントを投稿し、さらに8月20日のマレーシアカップ1回戦セカンドレグ対クランタン・ユナイテッド戦後の記者会見ではE・デヴァン監督も給料が未払いになっていることを認めていました。しかし、ヌグリスンビランFCからは現時点で事情を説明する記者会見もなければ、正式なコメントなどは何も出されていません。

しかし、その一方でこの給料未払い問題に関しては、マレーシアサッカー協会FAMにもマレーシアプロサッカー選手会PFAMにも不服申し立てが行われていないという報道もあり、SNSや記者会見での発言では何も問題は解決しないと、この記事は結んでいます。

8月22日のニュース
ピッチ内外で話題を振り撒くクランタンFC関連3題

タイのラヨーンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場中のマレーシアU23代表は、今日がグループステージ最終戦の東ティモール戦です。同組のインドネシアは東ティモール相手に1-0で勝利しており、マレーシアが今日の試合で勝つか引き分ければB組1位通過となり、ノックアウトステージとなる準決勝ではC組1位が濃厚なベトナムとの対戦が控えています。苦手なベトナム戦に向けて勢いをつけるためにも今日の東ティモール戦では快勝を望みたいです。

JDT戦大敗のクランタンFCオーナーはその原因がマレーシアサッカー協会にあると

8月20日に行われたマレーシアカップ1回戦セカンドレグでクランタンFCは、エースのベルグソン・ダ・シルヴァにはハットトリックを許し、ジョホールに加入したばかりの邦本宜裕選手にも2ゴールを決められるなど、ジョホール・ダルル・タジムに今季最大となる10失点を喫し、ファーストレグと合わせて通算成績1-15で大敗しています。そのクランタンFCオーナーのノリザム・トゥキマン氏は、この大敗の原因はマレーシアサッカー協会FAMにあると述べていると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

この試合での大敗には失望したと述べたノリザム オーナーですが、前半戦を終えて1勝と苦しむチームに対して、今季2度目のトランスファーウィンドウに合わせて、FWデニス・ブシェニング(タイ)、MFアフメド・マグディ(エジプト)、DFアリー・セサイ(シエラレオネ)、GKアリアクバル・アフメディ(イラン)の4名の外国籍選手を補強しました。しかしノリザム オーナーはFIFAの移籍マッチングシステム(TMS)に問題があったとして、トランスファーウィンドウの終了前までに出場選手登録ができなかったと説明しています。

クランタンFCはそれまで給料未払い問題により新規獲得選手禁止処分を受けており、その後、支払いが行われたことを受けてFAMがそれを解除したのはトランスファーウィンドウが閉じる4日前の7月27日でした。獲得した4名の外国籍選手を8月1日の期限前に登録しようとしたクランタンFCでしたが、その時点でFIFAのTMSに「問題」が見つかり、8月4日までこのオンラインサイトに接続できず、その結果、クランタンFCは獲得した選手の出場登録ができなかったということです。そしてノリザム オーナーは、このTMSの「問題」についてFAMが「二重基準」によるクランタンFCへの十分な支援がなかったとして、FAMの対応に失望したとともにその不十分な支援を非難しています。

マレーシアサッカー協会はクランタンFCオーナーの非難は筋違いと反論

上の記事で取り上げたクランタンFCのノリザム オーナーによるマレーシアサッカー協会FAMへの非難に対し、FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長はその非難は筋違いであり、出場選手登録ができなかったのはチームの運営方法に欠点があったと反論しています。

ノー・アズマンFAM事務局長は、クランタンFCが出場選手登録を行ったのが実際には8月1日を過ぎていたことから登録が認められず、その後にクランタンFCがFIFAへ行った登録アピールについてもFAMは支援を行なったと説明しています。

「クランタンFCを含めマレーシアスーパーリーグ各チームは、FAMのTMSとは別に、個々にTMSのアカウントを保持しており、その担当者はチームが任命することになっている。そしてチームのTMSアカウントに関する問題が起こった場合は、全てのTMSを管理するFIFAとチームのTMS担当者が直接、やりとりすることが原則である。マレーシアの今季2度目のトランスファーウィンドウの最終日となった8月1日に、FAMのTMS担当者が、クランタンFCのTMS上に新規獲得した4名の外国籍選手の国際移籍証明書(ITC)がアップロードされていないことを発見した。」

「これに対してクランタンFCの説明は、前任のチームTMS担当者が現在もアカウントを管理しており、チームがシステムに接続ができない状態にあり、トランスファーウィンドウが閉じる45分前にFIFAへ電子メールを送って、新たなチームTMS担当者の承認を求めたというものだった。8月1日には、スーパーリーグの他のチームもTMSを使って新規獲得選手のITCと国内移籍証明(DTC)をアアップロードしており、システムに接続できないという報告はどのチームからも受けていなかった。」

「クランタンFCが求めた新たなチームTMS担当者としてチームオーナーのノリザム氏をFIFAが承認したのは8月2日であった。しかもFAMはこの問題によりクランタンFCが不利益を被らないよう、FIFAに対してトランスファーウィンドウを8月4日まで延長することを求める文書も送付したが、それは認められなかった。さらにFAMは8月15日にクランタンFCに関して個別にトランスファーウィンドウを延長するようFIFAに求めたが、そういった申請はトランスファウィンドウ期限前に行われた場合に限り考慮できるとして却下された。これがクランタンFCは今季2度目のトランスファーウィンドウで新規獲得選手を出場登録できなかった経緯である」

ノー・アズマン事務局長は出場選手登録ができなかった原因は、クランタンFCが8月1日のトランスファーウィンドウ最終日までにITCをTMSのシステムにアップロードできなかったことにあり、FAMを非難することは全くの筋違いであると述べています。

ケランタンFC買収を望む人物が名乗りをあげる

ピッチ内では大敗続き、ピッチ外では次々と明らかになる運営の問題と話題に事欠かないクランタンFCですが、そのチームを買収しようという人物が現れたことを、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

自称弁護士のカマル・ヒシャム・ジャファル氏という人物が、自身のSNS上で「クランタンFCの尊厳を守るために」金額に折り合いがつけばという条件つきながら買収したいと名乗り出ています。そしてこれがクランタンFCサポーターを中心に拡散し、現在のクランタンFCのオーナーであるノリザム・トゥキマン氏に対して、カマル氏と連絡を取り合い、チーム売買について話し合うよう求める声が上がりました。これを受けてノリザム オーナーは自身のSNSを更新し、自身がヒシャム氏に電話をしたものの出なかった明かした上で、クラブ譲渡について詳しく話し合いたいとして、連絡をもらいたいと投稿しています。

不振を極めるクランタンFCには、これまでも化粧品会社を経営するハスミザ・オスマン氏やフィットネスジムを経営するエルファン・アキフ氏など買収を申し出る人物が複数名、名乗りをあげており、ノリザム氏との話し合いが持たれたものの、いずれも不調に終わっており、今回もその先行きは不透明です。