5月24日から26日にかけて、今季2024/25シーズンのマレーシアスーパーリーグ(MSL)第3節が開催されています。今節はペラFCが今季初勝利を挙げ、今季未勝利のチームは谷川由来選手所属のクチンシティFCや佐々木匠選手所属のヌグリスンビランFCなど5チームとなりました。なお今季のMSLは13チームで編成されており、第3節はスリ・パハンFCの試合はありません。
また6月に入ると2026FIFAW杯アジア2次予選兼2027AFCアジアカップ予選やマレーシアFAカップ1回戦が予定されており、MSLは1ヶ月ほどの中断期間に入り、第4節は6月21日(金)から23日(日)に予定されています。
MSL2024/25第3節
2024年5月24日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 3-0 クランタン・ダルル・ナイムFC
⚽️トレンガヌ:イスマヒル・アキナデ(36分PK)、ヌリーロ・トゥクタシノフ(45分)、マヌエル・オット(48分)
🟨トレンガヌ(0)、🟨クランタン(0)
MOM:ヌリーロ・トゥクタシノフ(トレンガヌFC)
いずれもマレー半島東海岸に面したトレンガヌ州とクランタン州に本拠地を持つ両チームの「東海岸ダービー」は、トレンガヌFCが快勝しています。
13,000人を超えるホームサポーターの声援を背に、トレンガヌFCは試合開始から積極的に攻め、36分にサファウィ・ラシドがペナルティエリア内で倒され、VARが入りPKを獲得。昨季はクランタン・ダルル・ナイムFC(KDN FC)の前身、クランタン・ユナイテッドFCでプレーしたイスマヒル・アキナデがこれを決めてトレンガヌFCが先制します。
一方のKDN FCもバルデマール・アウグストを中心に攻め、好機を作るものの得点には至らず、逆にトレンガヌは45分にイスマヒル・アキナデのクロスをマヌエル・オットが合わせ、これをKDN FCのGKカトゥル・アヌアルが弾くと、そのこぼれ球をヌリーロ・トゥクタシノフが押し込んでリードを2点に広げます。
試合前には正GKスハイミ・フシンが父親の訃報でベンチ外となったトレンガヌは後半開始早々にも、GKカトゥル・アヌアルの中途半端なパンチからのボールを拾ったマヌエル・オットがペナルティエリアの外からダイレクトで蹴り込み、3−0とするとKDN FCの反撃を抑えて、トレンガヌFCはホーム2連勝、一方のKDN FCは開幕から3連敗となっています。
MSL2024/25第3節
2024年5月24日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ・ダルル・アマンFC 0-2 ペラFC
⚽️ペラ:イ・テミン2(17分、76分)
🟨クダ(2)、🟨ペラ(4)
MOM:イ・テミン(ペラFC)
開幕から2連敗中のペラFCがイ・テミンが2ゴールで今季初勝利を挙げています。
ペラFCは17分にルチアーノ・グアイコチェアが自陣から蹴ったロングゴールがクダFCの最終ラインの裏側へ。これにイ・テミンが反応し、クダ・ダルル・アマンFC(クダFC)のGKカラムラー・アル=ハフィズを交わしてゴール。VARが入ったものの、判定は変わらずペラFCが先制します。
それまでも押し気味に試合を進めていたクダFCはギアを上げて、ソニー・ノルデ、シュクロブ・ヌルロエフ、そして久しぶりの代表合宿参加となったシャフィク・アフマドらが次々とシュート放つも、ゴールに足らず、前半はビジターのペラFCが1−0とリードして終了します。
前半途中から足を気にしている素振りを見せていシャフィク・アフマドが後半開始早々に負傷したクダFCでしたが、攻撃の手は緩まず、さらには70分にFWエベネゼル・アシフア、MFファイズ・ナシル、MFファズルル・ダネルを一気に投入し同点を狙いますが、逆にペラFCはこの試合のMOMイ・テミンがカウンターからの2点目のゴールを挙げて、クダFCを突き放しています。
ホームのクダ・ダルル・アマンFC(クダFC)はペラFCのシュート数の3倍以上の26本(枠内19本)と圧倒しながら、ゴールを奪えず敗れています。
MSL2024/25第3節
2024年5月25日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティFC 1-5 ジョホール・ダルル・タジムFC
⚽️KLシティ:パウロ・ジョズエ(45+8分)
⚽️ジョホール:フェルナンド・フォレスティエリ2、(43分、61分)、フアン・ムニス2(45+5分、71分)、シャーミ・サファリ(88分)
🟨KLシティ(3)、🟨ジョホール(4)
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(ジョホール・ダルル・タジムFC)
2021年のスーパーリーグ昇格以来、過去3シーズンは、ホームでのJDT戦を1分2敗、得点1失点7と相性が悪い全てKLシティFCですが、この試合でも大敗しています。
JDTから期限付き移籍中のランバート兄弟が先発メンバーに名を連ねたKLシティFCは開始からJDTの猛攻を受けるもなんとか耐え凌ぎます。33分にはクアラルンプール市内を襲った激しい雷雨で一時中断した試合は、JDTが42分に先制しました。フアン・ムニスからのクロスを頭で押し込んだフェルナンド・フォレスティエリのゴールはVARのチェックを経て認められると、その3分後には今度はフアン・ムニスがゴール正面からフリーキックを決めて、JDTがリードを広げます。
しかしKLシティFCも前半ロスタイムにハキミ・アジムがJDTのオスカル・アリバスに倒されて得たPKをキャプテンのパウロ・ジョズエが決めて1点差に詰め寄って前半を終了します。
後半は完全にJDTペースとなった試合は、61分にフォレスティエリ選手ががヘディングで2点目を決め、 ムニス選手もこの試合2点目のゴールを71分に決めると。 そして終了2分前にシャーミ・サファリがダメ押しの5点目を決めています。JDTはこれで国内63試合無敗、アウェイマッチでも62試合無敗となりました。
MSL2024/25第3節
2024年5月25日@リカス・スタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバFC 2-1 クチンシティFC
⚽️サバ:ダレン・ロック(75分PK)、ジャフリ・フィルダウス・チュウ(85分)
⚽️クチンシティ:ペドロ・エンリケ(64分)
🟨サバ(2)、🟨クチンシティ(4)
MOM:ダレン・ロック(サバFC)
いずれも東マレーシアのボルネオ島に本拠地を持つチームの対戦となった「ボルネオダービー」は、自力に勝るサバFCが逆転勝利を収めています。
先制したのはクチンシティFCでした。0-0で折り返した試合は63分にペドロ・エンリケがサバFCのGKカイルル・ファーミをかわしてゴールを決めています。
しかしサバFCは75分にコ・グァンミンが倒されていたPKをダレン・ロックが決めて胴に追いつくと、そのダレン・ロックに代わって投入されたジャフリ・フィルダウス・チュウが左サイドで粘ったサディル・ラムダニから出たボールを経験でゴール。これが決勝点となり、サバFCは開幕からの無敗記録を3に伸ばしました。
一方のクチンシティFCは今季初勝利とはなりませんでした。
クチンシティFCの谷川由来選手は先発してフル出場しています。
MSL2024/25第3節
2024年5月25日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
PDRM FC 1~1 ペナンFC
⚽️PDRM:イフェダヨ・オモスイ(32分)
⚽️ペナン:ロドリゴ・ディアス(52分)
🟨PDRM(3)、🟨ペナン(2)
MOM:イフェダヨ・オモスイ(PDRM FC)
ここまで1勝1敗のPDRM FCが2試合連続スコアレスドローで今季未勝利のペナンFCをホームに迎えた試合は、1−1の引き分けに終わっています。
イフェダヨ・オモスイがリーグトップとなる今季3ゴール目を決めてPDRM FCが前半にリードすると、後半にはペナンFCのロドリゴ・ディアスが今季チーム初ゴールを決めて追いつきます。ペナンFCは代表初招集となったウィングのアディブ・ラオプの活躍などもありましたが、追加点奪えず、開幕から3試合連続引き分けとなりました。
PDRM FCの鈴木ブルーノ選手は先発して85分に交代しています。
MSL2024/25第3節
2024年5月26日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴールFC 4-0 ヌグリスンビランFC
⚽️スランゴール:ロニー・フェルナンデス(57分)、ノー・アル=ラワブデ(67分)、ヨハンドリ・オロスコ(76分)、レジク・バニ・ハニ(90+1分)
🟨スランゴール(1)、🟨ヌグリスンビラン(1)
MOM:ヨハンドリ・オロスコ(スランゴールFC)
スランゴールFCがホーム2連勝で順位を8位から4位に上げています。
本来はヌグリスンビランFCのホーム、トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアムで予定されていたこの試合は、ピッチの排水システム改善のための工事が終わっていないため、スランゴールFCのホームゲームとなっています。
試合は開始からほぼ一方的なスランゴールFCのペースで進みますが、FW陣のフィニッシュの精度の低さと、ヌグリスンビランFCのGKアキル・アブドル・ラザクとDF陣の頑張りで、前半はヌグリスンビランFCがスランゴールFCの猛攻に耐えて0-0で折り返します。
前節のジョホール・ダルル・タジムFC戦でゴールを決めたミャンマー代表ハイン・テット・アウンがスランゴールFCからのレンタルということで、この試合はベンチ外、さらにこの試合先発したミカことミゲル・アンヘル・フンコ・マルティネスと佐々木匠の前線が孤立する場面も多かったヌグリスンビランFCに対して、得点は時間の問題と思われたスランゴールFCは57分にロニー・フェルナンデスが今季初ゴールを決めると、そこから怒涛の攻撃が始まります。このゴールを含めて4ゴールを挙げたスランゴールFCはシュート数29本(枠内11本)とヌグリスンビランFCの6本(同3本)を圧倒して快勝しています。
インドネシアで開催される 代表戦などで試合がない期間が1ヶ月続くマレーシアスーパーリーグですが、スランゴールFCとサバFCは今月末からインドネシアのジャカルタで開催される国際招待大会に出場し、インドネシア1部のプルシジャ・ジャカルタ、PSISスマランと対戦します。
スランゴールFCがホーム2連勝で順位を8位から4位に上げています。
本来はヌグリスンビランFCのホーム、トゥンク・アブドル・ラーマン・スタジアムで予定されていたこの試合は、ピッチの排水システム改善のための工事が終わっていないため、スランゴールFCのホームゲームとなっています。
試合は開始からほぼ一方的なスランゴールFCのペースで進みますが、FW陣のフィニッシュの精度の低さと、ヌグリスンビランFCのGKアキル・アブドル・ラザクとDF陣の頑張りで、前半はヌグリスンビランFCがスランゴールFCの猛攻に耐えて0-0で折り返します。
前節のジョホール・ダルル・タジムFC戦でゴールを決めたミャンマー代表ハイン・テット・アウンがスランゴールFCからのレンタルということで、この試合はベンチ外、さらにこの試合先発したミカことミゲル・アンヘル・フンコ・マルティネスと佐々木匠の前線が孤立する場面も多かったヌグリスンビランFCに対して、得点は時間の問題と思われたスランゴールFCは57分にロニー・フェルナンデスが今季初ゴールを決めると、そこから怒涛の攻撃が始まります。このゴールを含めて4ゴールを挙げたスランゴールFCはシュート数29本(枠内11本)とヌグリスンビランFCの6本(同3本)を圧倒して快勝しています。
ヌグリスンビランFCの佐々木匠選手は先発してフル出場しています。
代表戦などで試合がない期間が1ヶ月続くマレーシアスーパーリーグですが、スランゴールFCとサバFCは今月末からインドネシアのジャカルタで開催される国際招待大会に出場し、インドネシア1部のプルシジャ・ジャカルタ、PSISスマランと対戦します。
2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第3節終了)
順位 | チーム | 試 | 勝点 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 |
1 | JDT | 3 | 9 | 3 | 0 | 0 | 11 | 2 | 9 |
2 | TRE | 3 | 7 | 2 | 1 | 0 | 6 | 1 | 5 |
3 | SAB | 3 | 7 | 2 | 1 | 0 | 5 | 3 | 2 |
4 | SEL | 3 | 6 | 2 | 0 | 1 | 5 | 3 | 2 |
5 | SRP | 2 | 4 | 1 | 1 | 0 | 3 | 2 | 1 |
6 | PDRM | 3 | 4 | 1 | 1 | 1 | 4 | 4 | 0 |
7 | PEN | 3 | 3 | 0 | 3 | 0 | 1 | 1 | 0 |
8 | PRK | 3 | 3 | 1 | 0 | 2 | 5 | 6 | -1 |
9 | KCH | 3 | 2 | 0 | 2 | 1 | 4 | 5 | -1 |
10 | KLC | 2 | 1 | 0 | 1 | 1 | 2 | 6 | -4 |
11 | KDA* | 3 | 0 | 1 | 0 | 2 | 1 | 3 | -2 |
12 | KDN | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 7 | -5 |
13 | NSE | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 7 | -6 |
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは開幕前に勝点3剥奪処分を受けています。