3月23日のニュース<br>・来週のアジア杯予選初戦で対戦するネパール代表が格上のシンガポール代表に1-0で勝利<br>・ジョホールは「紳士協定」を来季撤廃へ<br>・元リバプールのルイス・ガルシア氏がジョホールのCEOに就任

来週のアジア杯予選初戦で対戦するネパール代表が格上のシンガポール代表に1-0で勝利

3月21日に行われた国際親善試合でFIFAランキング175位のネパールは、12分にカウンターからギレスピー・ジュン・カルキがゴールを決め、同160位で日本人の小倉勉監督、帰化選手の仲村京雅選手を擁するシンガポールに1-0で勝利しています。なおネパール代表は、3月25日に2027年アジア杯3次予選の初戦として同132位のマレーシア代表と対戦します。

シンガポールの英字紙ストレイトタイムズによると、この試合後の会見で小倉監督は、「こんなプレーでは、どんなチームにも勝てない。自分が監督になって1年になるが、今回はシンガポール代表の最悪のパフォーマンスだ。」「ネパールは90分間戦い続けたが、我々は10分か15分程度しかファイトしなかった。それでは全く不十分だ。などと語ったそうです。

なおシンガポール代表は3月25日にFIFAランキング155位の香港代表と2027年アジア杯3次予選で対戦します。

ジョホールは「紳士協定」を来季撤廃へ

ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、来季のスーパーリーグでは、リーグ内の他のチームにローン移籍している選手に対し、JDTとの試合への出場禁止を撤廃する予定があると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

これまで、JDTは他クラブにローン移籍している選手に対し、JDT戦への出場を禁止するという「紳士協定」を設けていましたが、これがマレーシアのサッカーファンや関係者の間で議論の的となっていました。

この紳士協定に基づき、ローン移籍している選手がJDTとの試合でプレーするのを禁止することで、JDTに有利に働いていると批判されることもありましたが、JDTのオーナーで、ジョホール州の摂政でもあるトゥンク・イスマイル殿下は、来季からこの紳士協定を撤廃する意向を示しています。

「スーパーリーグ内の他クラブにローン移籍している選手については、給与の半分は我々(JDT)が負担し、残りの半分はローン先のクラブが支払っている。しかし来季からは、ローン移籍中の選手がJDT戦に出場できるようにするつもりであり、クラブの経営陣にこの件について対応するよう求めている。」

「JDTからローンされた選手がいるクラブとJDTが対戦する際、JDTが有利だと思われたくないので、来季からは、ローンしている選手もJDT戦に出場できるようにする」と、イスマイル殿下はハリアンメトロとのインタビューで述べています。

JDTは過去数シーズンの間、この「紳士協定」を採用しており、一部のファンからはこれがJDTにとって有利な戦略だという声が上がっていました。しかし、この「紳士協定」自体は、JDTとローン先のクラブの合意に基づくものであり、JDTが何か規則違反を犯していたわけではありません。


JDTのローン移籍について、個人的には「紳士協定」以上に気になることがあります。それはスーパーリーグ内でJDTから他のクラブへローン移籍している選手の数です。

クラブ名リーグ順位JDTからローン移籍中の選手
(年齢)
スランゴールFC2位なし
クチンシティFC3位FWラマダン・サイフラー
*MFダニエル・アミル
サバFC4位*DFダニエル・ティン(33)
トレンガヌFC5位*MFサファウィ・ラシド(28)
*DFアザム・アズミ(24)
*#アキヤ・ラシド(25)
KLシティFC6位*DFデクラン・ランバート(26)
MFライアン・ランバート(26)
ペラFC7位*GKハジク・ナズリ(27)
PDRM FC8位なし
ペナンFC9位*MFシャミル・クティ(27)
スリ・パハンFC10位MFマヌエル・イダルゴ(25)
クダ・ダルル・アマンFC11位*FWシャフィク・アフマド(29)
ヌグリスンビランFC12位なし
クランタン・ダルル・ナイムFC13位なし

ローン移籍中の人数は12名、移籍先クラブ数はスーパーリーグのJDTを除く12チーム中8クラブに及びます。(注:トレンガヌのアキヤ・ラシドは今季途中に完全移籍済み)また*印の9選手はマレーシア代表でプレー経験のある選手で、この内、ダニエル・ティン(サバFC)、サファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド(いずれもトレンガヌFC)、ハジク・ナズリ(ペラFC)、シャミル・クティ(ペナンFC)の5選手は、3月25日の2027年アジア杯予選に出場するマレーシア代表のメンバーでもあります。

このブログを読んでくださっている方であれば、マレーシアリーグのクラブの多くが資金不足に困っていること、そして無払い給料問題が複数のクラブで起きていることもご存知かと思います。そんな中でJDTからのローン移籍で選手を獲得できるとなれば、前述の通り支払う給料は半分で済み、しかも代表クラスの選手がローンできるわけです。また選手にとってもJDT内のポジション争いに敗れた結果、ベンチを温めるよりも他のクラブで試合出場時間を積み重ねることができ、またJDT自身も選手を無駄に飼い殺しせずに済むこの仕組みは、一見するとJDT、選手、移籍先クラブにとって「三方良し」にも思えます。

しかし今後も各クラブにJDTからのローン移籍の選手が増えていくと、いくら「紳士協定」を撤廃するとはいえ、ローン移籍中の選手が自身の給料の半分を支払うクラブ相手に全力を出せるのか、そこに無意識に縛りのようなものが発生しないのか、という疑問が起こります。しかし、それ以上に私が気になるのは、JDTが有望な選手を次々に獲得してはローン移籍で貸し出し、結果として国内の有力選手の大半がJDTの選手になってしまう、という点です。例えば上の表で言えば、トレンガヌのアザム・アズミ、KLシティの双子のランバート兄弟、スリ・パハンのマヌエル・イダルゴは、JDTと契約したものの、JDTでプレーすることは一度もなく、元々いた所属クラブにそのままローン移籍した選手たちです。将来の代表の右SBを担うと言われるアザム選手や、アルゼンチン出身で来年2026年5月にはマレーシアでのプレーが5年となり、帰化申請が可能になるイダルゴ選手の獲得といった言わば「先行投資」は、まさに資金力のあるJDTだからこそなせる技です。しかしこの先行投資が今後も続いたばあい、それが果たしてマレーシアリーグにとって、ひいてはマレーシアサッカーにとって良いことなのか。個人的には1クラブが1年間に国内の他クラブへローン移籍させることができる選手の数を制限するといった規定を設けるなど、国内リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグ(MFL)による英断が必要と思います。しかしそのMFLもラ・リガから来たCEOが半年も持たずに辞任するなど、組織としての機能を果たしていないので、状況はすぐには変わりそうにはありません。

元リバプールのルイス・ガルシア氏がジョホールのCEOに就任

マレーシア国内リーグ11連覇中の絶対王者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、元スペイン代表でUEFAチャンピオンズリーグ優勝経験を持つルイス・ガルシア氏を、新たな最高経営責任者(CEO)に任命したことを発表しています。

数日前に自身のSNSにマレーシアの国民食「ナシレマ」の画像を投稿するなど、マレーシアのクラブCEO就任が秒読みとされていたルイス・ガルシア氏は、リバプールのOB戦「バトルオブレッズ」なども含め、何度かマレーシアを訪れています。

JDTのSNSに投稿された発表では、「元リバプール、バルセロナ、アトレティコ・マドリードの選手であるルイス・ガルシア氏は、UEFAプロライセンスおよびUEFAエグゼクティブ・マスター(国際選手向け)を取得しており、これまでFIFA、UEFA、ラ・リーガのアンバサダーも務めた経歴があります」と記されており、今回の人事はクラブ経営の専門性を強化することを目的とした再編計画の一環であると説明されています。

また、今回の再編により、2017年からテクニカルディレクター(TD)を務めてきたアリスター・エドワーズ氏がTDに加え、新たに最高執行責任者(COO)との2役を兼任することも発表されています。

3月22日のニュース:代表関連の3題<br>・アジア杯予選を控えるマレーシア代表に2人の帰化選手が合流<br>・「消息不明」のナチョ・インサが発見される<br>・代表チームはサッカー協会の管理下にある-サッカー協会会長

2026年W杯アジア3次予選が再開し、東南アジアから唯一出場しているインドネシア代表はオーストラリア代表にアウェイで1-5で敗れています。これまでのシン・テヨン監督を「選手とのコミュニケーションの難しさ」を理由に解任し、オランダ出身の選手が集まる代表にパトリック・クライファート監督を招聘しましたが、デビュー戦としては残念な結果となりました。昨年9月の対戦では、シン・テヨン監督の元でオーストラリアとスコアレスドローだったこともあり、監督経験に問題ありとされたクライファート監督への風当たりは強いようです。帰化選手に対しても、ルーツを持つとはいえインドネシアに住んだこともなく、生まれた国では代表になれなかった「二流」の選手といった批判が出始めており、今後も結果が出なければこの声が大きくなる可能性があります。同様の機関選手による強化を進めるマレーシア代表の関係者がこの状況をどうみているのかが気になるところです。

アジア杯予選を控えるマレーシア代表に2人の帰化選手が合流

3月25日に2027年アジア杯3次予選の初戦を迎えるマレーシア代表に2名の帰化選手が合流したことをマレーシア代表の公式SNS Malaysia NTが発表しています。現在マレー半島南端のジョホール州で合宿中のマレーシア代表に合流したのは、オランダ生まれのAMFエクトル・へベルと、スペイン生まれで左SBを得意とするガブリエル・パルメロの両選手です。

29歳のヘベル選手は、ADOデン・ハーグ(オランダ)のユース出身で、AEKラルナカ(キプロス1部)では2017/18シーズンにキプロスカップ、2018/19シーズンにはスーパーカップ優勝に貢献。また、2020/21シーズンにはスペインの隣国、アンドラ公国に本拠地を持つFCアンドラのクラブ史上初となるスペイン2部昇格にも貢献しています。現在はポルトガル2部のポルティモネンセSCに所属しています。

一方、23歳のパルメロ選手は、スペインのUDラス・パルマスのユースやBチームを経て、いずれも同国4部のギムナスティカ・セゴビアナCFや、現在所属するCDテネリフェBにレンタル移籍しています。

Malaysia NTの投稿では「海外で活躍するマレーシア人が帰ってきた!エクトル・ヘベル選手、ガブリエル・パルメロ選手、Selamat datang(マレーシア語で「ようこそ」)!」と記されています。

なお今年1月に就任したピーター・クラモフスキー監督は以前、3人の帰化選手がマレーシア代表に加わると示唆していましたが、現在のところ発表されたのは上記の2選手のみです。


ちなみにこの代表合宿はJDTの練習施設を使って行われています。JDT以外の選手にとっては、自チームの施設と比べてその質の高さから、クラブに戻ってもこんな環境で練習したい、と思わせるJDTに勧誘するため良い宣伝材料にもなっていそうです。

「消息不明」のナチョ・インサが発見される

2027年アジア杯3次予選のネパール戦を控えたマレーシア代表のトレーニングに、代表招集されているナチョ・インサ(ジョホール・ダルル・タジムFC、JDT)が参加しておらず、またマレーシアサッカー協会(FAM)からも何も発表がないため、様々な憶測が飛び交っていましたが、ついに事実が明らかになりました。

ピーター・クラモフスキー代表監督は、インサ選手が現在リハビリ中であると明らかにしています。38歳のインサ選手は今季も主力としてJDTで国内リーグやカップ戦、さらにACLエリートといった過密なスケジュールでプレーしておりおり、現在は自身の回復のために個別のリハビリを行っていると説明しています。

「彼は私たちと一緒にトレーニングをしておらず、個別のリハビリプランに取り組んでいる。全体練習に合流できるかどうかは後ほど判断する予定である。」と、クラモフスキー監督は練習後の記者会見で述べています。

またクラモフスキー監督は、同じJDTに所属するアリフ・アイマンも個別リハビリ中であるものの、。「彼のリハビリプランは若干異なり、個別リハビリではあるものの、メディカルチームと共に練習場で活動している。次回の全体練習には合流できることを期待している」と述べて、全体練習には参加していると説明しています

また代表チームのトレーニングの進捗についてクラモフスキー監督は、「我々は良いチーム、強いチーム、そして見ていてワクワクするチームになるために重要な点に集中しています。選手たちは真剣に取り組んでおり、情熱を持っているので、チームが最高の状態になるようさらに引き上げたい。」と話し、選手たちが戦術的アプローチに順応しており、残りのトレーニングでさらに磨きをかけられるだろうとも述べています。

「チームは正しい方向に進んでいます。トレーニングで取り組んでいる良い内容は試合に現れるだろう。(ネパール戦に向けた)準備の仕上げとして、今後数日間を有効に活用したい。」と自信を見せています。

またクラモフスキー監督は、ファンに対してネパール戦が開催されるスルタン・イブラヒム・スタジアムに足を運び、代表チームを応援するよう呼びかけています。3月11日に行われたACLエリートのJDT対ブリーラム・ユナイテッド(タイ)戦では、イスラム教の断食月、ラマダン期間中にもかかわらず3万4000人以上の観客が集まったことを例に挙げ、同様の盛り上がりを期待していると話しています。

代表チームはサッカー協会の管理下にある-サッカー協会会長

マレーシアサッカー協会(FAM)のジョハリ・アユブ会長は、マレーシア代表がFAMの管轄外になったとの憶測を否定しました。ジョハリFAM会長は、「(マレーシア代表の愛称)ハリマウ・マラヤは引き続きFAMの管理下にある」と述べ、独立して運営されているという話を否定しました。

過去数ヶ月間にわたり、ジョホール・ダルル・タジムFCのオーナーで、かつてはFAMの会長もつとめた、ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下が中心となって代表チーム改革を積極的に進めており、マレーシア代表チームがFAMとは別に運営されているとの見方が広がっていましたが、ジョハリ会長は「外部からの支援は歓迎するが、マレーシア代表チームは依然としてFAMの組織内にある」と強調しています。

ジョハリ会長は、トゥンク・イスマイル殿下の貢献に言及し、「殿下の支援により、代表チームが前進できている。どなたの支援でも歓迎するが、殿下の協力には非常に感謝している」と述べています。

トゥンク・イスマイル殿下は、これまでも代表チーム改革案を提案、プロ意識と競争力を向上させる重要な人事を主張し、代表チーム首脳陣の人選の原動力となっています。元オーストラリア代表のティム・ケーヒル氏を自身のアドバイザーとして、マレーシア代表チームのロブ・フレンドCEO、ピーター・クラモフスキー監督、また元オーストラリア代表選手のマーク・ミリガン、マット・スミス両氏の代表チームコーチ就任、さらに高名なハイパフォーマンス専門家のクレイグ・ダンカン博士などを次々と起用しています。


代表合宿はFAMの施設よりもあらゆる面で優っているJDTの練習施設を使い、クラモフスキー新監督披露となるネパール戦代表戦をマレーシア代表の「ホーム」であるブキ・ジャリル国立競技場ではなく、JDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで行ななど、マレーシアサッカー協会(FAM)会長が何と言おうと、マレーシアサッカーの中心は、少なくとも代表チームの運営についてはFAMではなくジョホールになっています。

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第23節の結果とハイライト映像・

3月7日から16日にかけてマレーシアスーパーリーグ第23節が行われています。なおスーパーリーグは3月25日に行われるAFCアジアカップ2027年大会予選のネパール戦とそれに先立つ3月17日からの代表合宿のため一時中断し、次節第23節は4月4日から6日に開催されます。
 また今季のスーパーリーグは13チーム編成のため、今節第22節はクランタン・ダルル・ナイムFCの試合がありません。
*試合のハイライト映像は全てマレーシアンフットボールリーグ(MFL)のYouTubeチャンネルより。

給料未払い問題を抱えるチーム同士の対戦はKLシティに軍配

勝点剥奪処分を受けた両チームの対戦は、来季の存続が危ぶまれるクダ・ダルル・アマンFCを、資金不足から下部リーグ降格の噂があるKLシティが逆転で破り勝利しています。

給料未払い問題により開幕前に勝点3を剥奪されたクダと、クラブライセンス申請時に財務状況に関する書類に虚偽があったとして勝点6を剥奪されたKLシティが対戦。先日、ジョホール・ダルル・アマンFCのオーナーでジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下に来季のスーパーリーグではプレーしないだろうとその名をあげられたクダは、複数の主力選手を欠きながらも、エベネゼル・アシフアのクロスにミロシュ・ゴルディッチが合わせ、最後までチームに残る外国籍選手2名の活躍で先制します。一方、最大株主のクアラルンプールサッカー協会(KLFA)の会長が、現在抱える給料未払い問題を解決するために来季のスーパーリーグ撤退、下部リーグ降格を示唆する発表に反発するKLシティは、クラブ最多ゴール記録を持つパウロ・ジョズエのゴールで前半終了間際に追いつきます。

後半に入るとギアを上げたKLシティは、パウロ・ジョズエが自身のクラブ記録を更新する通算76得点目となるゴールを決めて逆転すると、クダも一度はファズルル・ダネルのゴールで追いつくものの、最後はショーン・ジャネッリが決勝ゴールを決めて勝利し、順位は6位のままですが、5位のトレンガヌ勝点差3と迫っています。一方、敗れたクダはペナンFC、スリ・パハンFCと勝点20で並んでいますが、得失差で11位となっています。

2025年3月7日@ダルル・アマン・スタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ・ダルル・アマンFC 2-3 KLシティFC
⚽️クダ:ミロシュ・ゴルディッチ(25分)、ファズルル・ダネル(55分)
⚽️KLシティ:パウロ・ジョズエ2(45+2分、62分)、ショーン・ジャネッリ(85分)
MOM:パウロ・ジョズエ(KLシティFC)

3位サバと4位トレンガヌの対戦は引き分け

来季のアセアンクラブ選手権出場権がかかる3位を争う両チームの対戦は2-2で引き分けています。

アウェイのサバは前半20分に代表MFスチュアート・ウィルキンの先制ゴールでリードを奪いますが、その4分後にはイスマヒル・アキナデが同点ゴールを決めてトレンガヌがすぐに追いつきます。しかし前半終了間際には先制点をアシストしたサディル・ラムダニがゴールを決めて、サバが再びリードを奪います。しかし84分にサファウィ・ラシドが同点ゴールを決めて引き分けに持ち込んでいます。

今季のスーパーリーグは、既にジョホール・ダルル・タジムFCの1位、スランゴールFCの2位が確定していますが、この両チームが引き分けたことで、3位に浮上したクチンシティFCと4位サバの東マレーシアの両チームが勝点36で並び、5位のトレンガヌが勝点32で、残り2節を残す今季の3位争いが激化しています。

2025年3月7日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌFC 2-2 サバFC
⚽️トレンガヌ:イスマヒル・アキナデ(24分)、サファウィ・ラシド(84分)
⚽️サバ:スチュアート・ウィルキン(20分)、サディル・ラムダニ(44分)
MOM:サファウィ・ラシド(トレンガヌFC)

ヌグリスンビランは今季初の連勝ならず

前節に今季3勝目を挙げたヌグリスンビランFCは、今季初の連勝をかけてペラFCと対戦しました。しかし前半の30分にハリス・サムスリがペラの得点機のファウルにより一発レッドで退場なるなど苦しい展開となりましたが、結局、試合はスコアレスドローに終わり、今季の12位が確定しています。

2025年3月8日@MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
ペラFC 0-0 ヌグリスンビランFC
MOM:アキル・アブドル・ラザク(ペラFC)
ヌグリスンビランFCの佐々木匠選手は59分から途中出場し、試合終了までプレーしています。

マレーシアカップ決勝進出のスリ・パハンがリーグ戦9試合ぶりの勝利

リーグ戦では昨年10月29日のペナンFC戦以来勝利がないスリ・パハンFCが9試合ぶりの勝利を挙げています。

スリ・パハンは、38分にステファノ・ブルンドのゴールで先制しますが、PDRMは鈴木ブルーノが52分に今季4得点目となるゴールを決め、一時は同点追いつきます。しかしスリ・パハンはクパ・シャーマンが72分、そして78分に決めた2ゴールで一気にPDRMを突き放しています。

この9試合ぶりの勝利により、スリ・パハンは勝点20となりで10位に浮上。一方、リーグ戦では昨年12月以来勝利がないPDRMは勝点21のままで8位をキープしています。

2025年3月8日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
PDRM FC 1-3 スリ・パハンFC
⚽️PDRM:鈴木ブルーノ(55分)
⚽️スリ・パハン:ステファノ・ブルンド(38分)、クパー・シャーマン2(72分、78分)
MOM:クパー・シャーマン(スリ・パハンFC)
PDRM FCの鈴木ブルーノ選手は先発して、フル出場しています。

クチンシティが今季初の3位浮上-スランゴールは14試合無敗が止まる

現在、最も勢いのあるクチンシティFCが、前節に今季の2位を確定させたスランゴールFCをホームに迎えたこの試合は、個人的には今節最も注目している試合でした。PDRM FCとのチャレンジャーカップ決勝を含め、14試合連続無敗記録を更新中のスランゴールは試合開始からボールを支配しますが、先制したのはホームのクチンシティでした。26分に右サイドを上がったヌル・シャミ・イスズハンのクロスをファーサイドにいたラマダン・サイフラーが押し込んで、クチンシティがリードを奪います。ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)からローン移籍中のラマダン選手がこの試合では躍動し、また徐々にクチンシティも攻勢を強め、さらに好機を作りますが、スランゴールGKカラムラー・アル=ハフィズの好守もあり、前半は1-0のまま折り返します。

後半に入るとスランゴールの喜熨斗勝史監督はムカイリ・アジマルを投入しますが、この起用があたり、ムカイリ選手が右サイドでフリーとなっていたクエンティン・チェンからのクロスを蹴り込み、後半の50分にスランゴールが追いつきます。ハーフタイムあたりから降り始めた雨が激しくなり、ボールが転がりにくくなる中、84分に右サイドでフリーとなったジミー・レイモンドがペナルティエリアに切り込んで放ったシュートはGKカラムラー・アル=ハフィズの逆を突き、誰に触れることもなくそのままゴールイン。これが決勝点となり、クチンシティは連続無敗記録を9に伸ばし、暫定ながらクラブ史上最高位の3位に順位を上げています。

なお次節ではクチンシティは今季のリーグ覇者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)と、またスランゴールは4位のトレンガヌFCと対戦します。


今季の、いやここ数年繰り返されている「勝たなければいけない試合に勝てない」スランゴールそのものでした。喜熨斗監督は、既に=に2位を確定させていたことが敗因ではないと述べ、敗因は自チームのミスによるもので、そこをクチンシティに漬け込まれたと説明し、スランゴールから訪れたサポーターに対しては「遠くまで応援に来てくれたサポーターに謝りたい。勝点3どころか、勝点1すら持ち帰ることができず、申し訳ない」と話しています。

一方、クチンシティのアイディル・シャリン監督はリーグの強豪であるスランゴールを下したことに満足の意を示しています。「選手たちに称賛を贈りたい。簡単な勝利ではなかった。スランゴールの順位や歴史、さらにはACL2での活躍を見れば、彼らが強豪であることは明らかだ。経験豊富で優れた選手を多く擁するチーム相手に、我々は良いプレーができ、勝点を得ることができた。またサポーターの声援も大きな力になった。チームを応援してくれたすべてのサポーターに感謝したい」と述べていました。

2025年3月16日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティFC 2-1 スランゴールFC
⚽️クチンシティ:ラマダン・サイフラー(26分)、ジミー・レイモンド(85分)
⚽️スランゴール:ムカイリ・アジマル(51分)
MOM:ジミー・レイモンド(クチンシティFC)

イスラフィロフのヘディング2発でジョホールがペナンに勝利

既に今季優勝を決めているジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)がエディ・イスラフィロフの今季初ゴールを含む2本のヘディングシュートなどでペナンFCに3−0と快勝しています。

JDTは3月11日のACLエリート決勝トーナメント1回戦でタイのブリーラム・ユナイテッドに敗れた後の初めての試合でした。またペナンは直近6試合でわずか1勝という厳しい状況の中でJDTをホームに迎えています。

JDTは先日発表されたアジアカップ2027年大会予選のネパール戦に出場するマレーシア代表メンバーに選ばれた右SBマット・デイビスとCBシャールル・サアドが久しぶりに先発するなど、ACLエリートとは大きくメンバーを入れ替えるなど、「国内戦」仕様で臨みましたが、それでもペナンを圧倒し、20分にはナズミ・ファイズの左コーナーキックをエディ・イスラフィロフが頭で合わせて先制します。さらにその7分後には、ヘベルチ・フェルナンデスの左コーナーキックを再びイスラフィロフ選手がヘディングで合わせてゴール!JDTがリードを広げます。また36分にはJDTがPKを得ますが、ベルグソン・ダ・シルヴァのPKはペナンGKシーク・イズハンが好セーブし、前半はJDTが2点のリードで終了します。

後半に入ると、54分にはそのヘベルチ選手が、やはりマレーシア代表に選出されたロメル・モラレスとのワンツーからのパスを受け、強烈なシュートを決めて3点目を挙げ、JDTがそのまま逃げ切っています。最後は代表選出されているムハマド・スマレ(今季6試合出場、出場時間109分)や、ラヴェル・コービン=オング(同14試合、639分)といった今季はほとんど出場機会がない選手を起用して「虫干し」する余裕すらありました。

2025年3月16日@シティ・スタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
ジョホール・ダルル・タジムFC 3-0 ペナンFC
⚽️ジョホール:エディ・イスラフィロフ2(20分、27分)、ヘベルチ・フェルナンデス(54分)
MOM:エディ・イスラフィロフ(ジョホール・ダルル・タジムFC)

2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第23節終了)
順位チーム勝点
1JDT2161201073766
2SEL22461444411625
3KCH2236994352510
4SAB2135106539318
5TRE213288532248
6#KLC2128104734286
7PRK21246693334-1
8PDRM21246692433-9
9PEN21204892537-12
10SRP21204892537-12
11*KDA20206591935-16
12NSE211334142043-23
13KDN21721181366-53
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC, SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC, KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC, PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC, KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第23節終了)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT23
2パウロ・ジョズエKLC15
3ジョーダン・ミンターKCH12
4ルシアーノ・ゴイコチェアPRK10
ロドリゴ・ディアスPEN10
ロニー・フェルナンデスSEL10
7アルヴィン・フォルテスSEL8
イフェダヨ・オルセグンPDRM8
クレイトンPRK8
クパー・シャーマンSRP8
11アリフ・アイマンJDT7
ヘベルチ・フェルナンデスJDT7
ジョアン・ペドロSAB7
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC, KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC, PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、SAB-サバFC、PEN-ペナンFC

3月13日のニュース<br>・アジア杯予選に臨むマレーシア代表メンバー発表-新たな帰化選手は召集されず<br>・1部の2クラブが来季はリーグから撤退?-ジョホールのオーナーが明かす

アジア杯予選ネパール戦に臨むマレーシア代表メンバー27名発表-新たな帰化選手は召集されず

マレーシアサッカー協会(FAM)は、3月17日からジョホールで始まるマレーシア代表合宿の参加メンバー27名を発表しています。この合宿は3月25日から始まるアジア杯2027年大会最終予選の初戦となるネパール戦に向けて行われます。

アジア杯2027年大会最終予選でF組に入っているマレーシアは、今月対戦するネパールの他、F組突破最有力のベトナム、同じ東南アジアのラオスと同組になっています。なおこのアジア杯最終予選では各組の1位のみが、2027年1月にサウジアラビアで行われるAFCアジア杯への出場権を獲得します。

今年1月に就任したピーター・クラモフスキー監督にとって3月25日のネパール戦は代表監督として初の指揮を取る試合となりますが、この試合に向けて招集された27名には、噂されていた新たな帰化選手の名前はありません。またネパール戦は、昨年末の東南アジア選手権三菱電機カップ以来の代表戦となりますが、国内リーグと同時平行でおこなわれた三菱電機カップに出場したマレーシア代表26名中、クラモフスキー監督は9名を再び召集しています。

今回のメンバー27名中、先日のACLエリートではベスト16で敗退したジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)から最大10名が選ばれていますが、この10名の他にもGKハジク・ナズリ(ペラ)、DFサフワン・マズラン、FWサファウィ・ラシド(いずれもトレンガヌ)、DFダニエル・ティン(サバ)、MFシャマル・クティ(ペナン)、MFエンドリック・ドス・サントス(ホーチミンシティ)の6名はいずれもJDTからローン移籍中の選手なので、実質的にはチームの半数以上がJDTの選手で構成されていることになります。また噂されていた欧州出身の帰化選手は今回は召集されておらず、次節となる6月10日のベトナム戦前にお披露目となるのかも知れません。

氏名年齢所属
GKシーハン・ハズミ29JDT
カラムラー・アル=ハフィズ30SEL
ハジク・ナズリ27PRK
DFシャールル・サアド32JDT
マシュー・ディヴィーズ30JDT
ラヴェル・コービン=オング34JDT
クエンティン・チェン26SEL
ジクリ・カリリ23SEL
ハリス・ハイカル23SEL
サフワン・マズラン23TRE
ダニエル・ティン33SAB
ディオン・クールズ29BUR
MFナチョ・インサ39JDT
アフィク・ファザイル31JDT
ナズミ・ファイズ31JDT
ノーア・ライネ23SEL
スチュアート・ウィルキン27SAB
シャマル・クティ28PEN
エンドリック・ドス・サントス30HCM
FWアリフ・アイマン23JDT
ロメル・モラレス28JDT
モハマドゥ・スマレ31JDT
ファイサル・ハリム27SEL
サファウィ・ラシド28TRE
アキヤ・ラシド26TRE
パウロ・ジョズエ36KLC
ハキミ・アジム22KLC
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC、SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、KLC-KLシティFC、PEN-ペナンFC、PRK-ペラFC、BUR-ブリーラム・ユナイテッド(タイ)、HCM-ホーチミンシティFC(ベトナム)

1部の2クラブが来季はリーグから撤退?-ジョホールのオーナーが明かす

残りあと2節となっている今季2024/25シーズンのマレーシア1部スーパーリーグで現在10位のスリ・パハンFC と11位のクダ・ダルル・アマンFCが、来季のスーパーリーグから「撤退」すると、リーグ11連覇中の絶対王者ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のオーナーで、ジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下が明らかにしたと報じられています。

複数のメディアは、イスマイル殿下が3月12日に開店したクラブ直営カフェで行われたファンとの質問セッションで、来月4月に行われるマレーシアカップ決勝、JDT対スリ・パハンの試合について質問された際に以下のように回答したということです。

「スリ・パハンFCとの決勝について一つだけ残念なことがある。決勝に勝てばJDTにとっては30個目のタイトルになるが、それは同時に良き友でもあるパハン州皇太子と歴史的なクラブであるスリ・パハンFCとの別れでもある。と言うのも、クラブ内で起こっている問題を理由に、スリ・パハンFCは来季はスーパーリーグに存在しないからだ。」

「クダ・ダルル・アマンFCについても同様だ。素晴らしい実績を持つクラブだが、やはり来季はスーパーリーグにはいないだろう。これは一体誰の過失によるものなのだろう。」

「これは明らかに資金の運用失敗が全てである。1000万リンギの資金にも関わらず、1500万リンギを使ってしまったからだ。本当に残念なことだ。」と述べたイスマイル殿下はさらに「両クラブが問題解決の方法を見つけることを切に願っている。しかし資金運用の失敗はマレーシアサッカーにおける最大の問題であるのは明らかだ。マレーシアでリーグやクラブを運営している者たちはサッカーについての知識も関心も全くない。」と最後はクラブだけでなく、リーグも槍玉に挙げています。

給料未払い問題により今季開幕前には勝点3を剥奪され、その後も未払いが続いているとされるクダ・ダルル・アマンFCは、オーナーのダウド・アブ・バカル氏がリーグから撤退することはないと明言していましたが、果たしてどちらが本当のことを言っているのでしょうか。

ACLエリート決勝トーナメント1回戦2ndレグ:ジョホールは痛恨の失点で8強入りならず

3月11日にACLエリート決勝トーナメント1回戦2ndレグが行われ、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のはホームのスタジアム・スルタン・イブラヒムでブリーラム・ユナイテッド(タイ)と対戦し、0-1で敗れて初のベスト8進出を逃しています。

先週3月5日にブリーラム・ユナイテッドのホームで行われた1stレグがスコアレスドローで終わっていた両チームの対戦は、この試合の勝者がサウジアラビアで集中開催され、東西両地区が対戦する準々決勝に駒を進めます。今大会のJDTは、グループステージではホームで3勝1分と圧倒的な成績を残していました。

両チームの先発は以下の通り。JDTは1stレグで先発したムリロ・エンリケ、パク・ジュンホン、アンセルモ・デ・モラエスに代わり、サム・カスティジェホ、シェーン・ローリー、そしてアフィク・ファザイルがこの2ndレグでは先発。スペイン出身の7選手が先発に名を連ねています。


現在はイスラム教の断食月「ラマダン」中で、日の出から日没までは飲食ができません。試合が行われたジョホール州のこの日の日没は午後7時16分、そしてこの試合のキックオフは午後8時と、アリフ・アイマンやアフィク・ファザイルらムスリム(イスラム教徒)の選手にとっては調整が難しい時間でした。

そんな中、開始1分にはブリーラムGKニール・エザリッジのセーブからこぼれたボールをJDTのベルグソン・ダ・シルバが押し込み、先制点か!となりましたが、これはVAR が介入するとオフサイドとなり、結局、幻のゴールに終わります。それでもJDTは35,000名を超えるサポーターの声援を背に、序盤から積極的にブリーラムの守備を脅かし、一方のブリーラムはその猛攻をしのぎ、そこからカウンターを仕掛ける展開となります。

JDTにとって最大のチャンスは27分でした。連続攻撃からフリーとなったアフィク・ファザイルがグラウンダーのシュートを放ちますが、これはゴールポストを直撃して絶好の先制機を逃してしまいます。一方のブリーラムは要所要所での的確な守備でJDTの攻撃陣に十分な仕事をさせず、前半は0-0で終了します。

後半に入ると、今度はブリーラムが攻勢に転じ、53分にはペテル・ジュリがミドルシュートでゴールを狙いますが、ボールはクロスバーを越えてしまいます。しかしその5分後、ついにこの試合唯一の得点が入ります。中盤でJDTのパスをゴラン・チャウシッチがカットすると、そこからスパナット・ムアンタとのパス交換で一気にJDTゴール前へ上がります。これをJDTのDFエディ・イスラフィロフがスライディングタックルで止めに入りますが、このクリアボールが右サイドでフリーになっていたスパナット・ムアンタの足元へ。スパナット選手が躊躇せず、絶妙なカーブをかけて放ったシュートは、JDTのGKアンドニ・スビアウレの指先を掠めるようにゴールイン!ついにブリーラムが先制します。JDTはボールを奪われた中盤の選手が全力で戻ろうとせず、さらに守備陣の足が一瞬止まってしまったことが悔やまれます。

リードを許したJDTのエクトル・ビドリオ監督は、71分にヘベルチ・フェルナンデスを投入し、その後もヘセ・ロドリゲス、ホルヘ・オブレゴンと次々に攻撃のカードを切り、試合の流れを変えようとします。84分には、そのヘベルチ・フェルナンデスが25メートルの位置から直接FKを狙いますが、相手の壁に阻まれ、同点のチャンスを逃します。ブリーラムはその後も、GKニール・エザリッジを中心に鉄壁の守備を見せてJDTにフリーでシュートを打たせません。7分と長いロスタイムには、ホルヘ・オブレゴンがあわや同点ゴールかという芸術的なシュートを決めますが、これもVARが入って、結局オフサイドと判定され、試合はそのまま終了します。

この結果、JDTはクラブ史上初となるACLエリートの準々決勝進出を逃し、一方のブリーラム・ユナイテッドは東南アジア唯一の代表として、4月25日からサウジアラビアで開催される集中開催方式の準々決勝へと駒を進めています。なお、ブリーラム・ユナイテッドの対戦相手は来週3月17日に、マレーシアのクアラ・ルンプールにあるAFCハウスで行われる抽選で決まります。

ACLエリート2024/25 決勝トーナメント1回戦2ndレグ
2025年3月11日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジムFC 0-1 ブリーラム・ユナイテッド(通算成績:0-1)
⚽️ブリーラム:スパナット・ムアンタ(58分)

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第21節の結果とハイライト映像(2)<br>・スランゴールはファイサル・ハリムのハットトリックなどで大勝、今季2位を確定させ来季のACL2出場権獲得

チームの勝利貢献とともに完全復活で代表復帰へ

今季3試合を残し、勝点差8の3位に迫っていたサバが同4位のトレンガヌと引き分けたため、この試合に勝てば今季の2位が確定するスランゴールは、現在、最下位のクランタン・ダルル・ナイムFCと対戦し、ファイサル・ハリムの今季初となるハットトリックなど7ゴールで圧勝し、来季のACL2出場を決めています。

警告累積によりこの試合は出場停止となったロニー・フェルナンデスに代わり、左ウィングにはファイサル・ハリムが入ったこの試合は、4試合ぶり先発となったファイサル選手が躍動。開始13分で今季初ゴールを決めると、45分、後半の66分とゴールを決めてハットトリックを達成しています。おそらく来週発表となるマレーシア代表入りを狙うクエンティン・チャンが31分に、ハリス・ハイカルも54分と56分に、そしてアリフ・イズワン・ユスランが73分とそれぞれゴールを決めています。

この勝利でスランゴールは勝点46となり、3試合を残して3位のサバFCとの勝点差を10として今季の2位を確定させただけでなく、リーグ2位に与えられるACL2出場権も獲得しています。


今季開幕前の昨年5月に未だ逮捕されていない不審者から酸攻撃を受け、顔や首、腕などの筋肉や骨にまでダメージが及ぶ重度の火傷を負ったファイサル選手は、皮膚移植手術やリハビリなどを経て、8月に復帰したものの、一時は現役引退を考えた、と後に語るほどの肉体的かつ精神的なダメージを受けました。2024年アジアカップでは韓国戦でもゴールを決めるなど、マレーシア代表でも主力選手だったファイサル選手は、W杯アジア3次予選進出がかかった昨年6月のキルギス戦に出場できず、代表からも離れていました。

しかし相手が最下位のクランタン・ダルル・ナイムFCとは言え、今季初ゴールを含む3得点、さらに今季初のフル出場で、ピーター・クラモフスキー新監督率いる代表復帰への好アピールとなりました。

2025年3月8日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
クランタン・ダルル・ナイムFC 0-7 スランゴールFC
⚽️スランゴール:ファイサル・ハリム3(13分、45分、66分)、クエンティン・チェン(31分)、ハリス・ハイカル(54分、56分)、アリフ・イズワン・ユスラン(73分)
MOM:ファイサル・ハリム(スランゴールFC)

この試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグ(MFL)のYouTubeチャンネルより。
2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節終了)
順位チーム勝点
1JDT2058191070763
2SEL21461443401426
3SAB2135106539318
4TRE213288532248
5KCH203079430246
6#KLC2128104734286
7PRK21246693334-1
8PDRM20215692232-10
9PEN20204882632-6
10SRP21204892537-12
11*KDA18206581932-13
12NSE201334131941-22
13KDN21721181366-53
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第22節終了)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT23
2パウロ・ジョズエKLC15
3ジョーダン・ミンターKCH11
4ルシアーノ・ゴイコチェアPRK10
ロドリゴ・ディアスPEN10
ロニー・フェルナンデスSEL10
7アルヴィン・フォルテスSEL8
イフェダヨ・オルセグンPDRM8
クレイトンPRK8
10アリフ・アイマンJDT7
ジョアン・ペドロSAB7
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC
PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC

2024/25シーズンマレーシアスーパーリーグ第15節の結果とハイライト映像(2)<br>・クチンシティが7試合無敗で上位に肉薄、マレーシアカップ決勝を控えるスリ・パハンは8試合白星なし

3月4日にマレーシアスーパーリーグ2024/25の第15節の1試合が行われています。この試合は昨年11月2日に予定されていましたが、豪雨によるピッチコンディション悪化のため試合続行不可能となり中断され、この日はその中断時点、前半32分からの試合となっていました。ホームのスリ・パハンは来月4月12日のマレーシアカップ決勝を控えているものの、この試合までのリーグ戦7試合を0勝2分4敗、最後の勝利は昨年10月と4ヶ月以上勝利がありません。一方のクチンシティは今年に入ってから2勝4分0敗と上位のトレンガヌFCとも引き分けるなど、着実に勝点を積み上げています。

そんな両チームの勢いの差がこの試合でも現れました。11月2日の試合では谷川由来選手が先制ゴールを挙げてリードしたクチンシティですが、この日の試合では1点ビハインドでスタートしたスリ・パハンが積極的に攻め込みます。フィニッシュの精度が低いスリ・パハンの攻撃に加え、過去6試合で4失点のクチンシティがこの攻撃に耐え、逆にクチンシティはカウンターで反撃するなど、前半は両チームとも無得点のまま折り返します。

後半に入るとスリ・パハンがチャンスを得ます。JDTからローン移籍中のマヌエル・イダルゴのパスを受けたデヴィッド・ローリーがシュートを放ちますが、これはゴールを捉えることができません。ローリーは61分にもシュートを放ちますが、こちらはクチンシティGKワン・モハマド・アザイがブロックして防ぎます。逆にクチンシティは途中交代出場のザフルル・ニズマンが後半のアディショナルタイムにゴールを決め、追い縋るスリ・パハンを振り切ったクチンシティが2−0で勝利し、無敗記録を7に伸ばすとともに、4位のトレンガヌに勝点差1、3位のサバにも勝点差5と迫っています。

一方のスリ・パハンはこれでリーグ戦8試合連続白星なしとなり、10位のクダ・ダルル・アマンFCとは勝点差3の11位と浮上の気配が見えません。このスリ・パハンとマレーシアカップ決勝で対戦するジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、ACLエリートでは決勝トーナメント進出を果たしており、チームの総合力だけでなく、勢いにも明らかに差がついている状態です。4月12日のマレーシアカップ決勝で奇跡でも起こらない限り、JDTのマレーシアカップ3連覇と史上初の3季連続国内三冠達成は濃厚です。

2025年3月4日@MBTスタジアム(パハン州テメルロー)
スリ・パハンFC 0-2 クチンシティFC
⚽️クチンシティ:谷川由来(15分)、ザフルル・ニズマン(90+2分)
MOM:ペトラス・シテムビ(クチンシティFC)
この試合で今季2ゴール目を記録したクチンシティFCの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

この試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグのYouTubeチャンネルより。
2024/25マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節終了)
順位チーム勝点
1JDT2058191070763
2SEL20431343331419
3SAB2035105537298
4TRE203187530228
5KCH203079430246
6#KLC202594731265
7PRK20236593334-1
8PDRM19215682129-8
9PEN20204882632-6
10*KDA18206571729-12
11SRP20173892236-14
12NSE191233131941-22
13KDN20721171359-43
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
SAB-サバFC、TREートレンガヌFC、SRP-スリ・パハンFC
KLC-KLシティFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC
PRK-ペラFC、PDRM-PDRM FC、NSE-ヌグリスンビランFC
KDN-クランタン・ダルル・ナイムFC、KCH-クチンシティFC
*クダ・ダルル・アマンFCは勝点3剥奪処分を受けています
#KLシティFCは勝点6剥奪処分を受けています。
2024/25マレーシアスーパーリーグ得点ランキング(第22節終了)
氏名所属ゴール
1ベルグソン・ダ・シルヴァJDT23
2パウロ・ジョズエKLC13
3ジョーダン・ミンターKCH11
4ルシアーノ・ゴイコチェアPRK10
ロドリゴ・ディアスPEN10
ロニー・フェルナンデスSEL10
7アルヴィン・フォルテスSEL8
イフェダヨ・オルセグンPDRM8
クレイトンPRK8
10アリフ・アイマンJDT7
ジョアン・ペドロSAB7
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、SELースランゴールFC
KLC-KLシティFC、KCH-クチンシティFC、SRP-スリ・パハンFC
PRK-ペラFC、PEN-ペナンFC、NSE-ヌグリスンビランFC

ACLエリート決勝トーナメント1回戦1stレグ:ジョホールは敵地でスコアレスドロー

3月5日にACLエリート決勝トーナメントが開幕し、グループステージ最終節に山東泰山が棄権した影響で5位から3位となった、マレーシアから出場のジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)は、東地区の1回戦で同5位のタイのブリーラム・ユナイテッドとアウェイで対戦し、0-0と引き分けています。

この両チームはグループステージでも対戦しており、昨年12月3日にJDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで行われた試合は0−0と引き分けに終わっていますが、JDTはムリロ・エンリケとパク・ジュンホン、ブリーラムはティーラトン・ブンマタンと双方合わせて3選手にレッドが出される激しい試合となっています。またこの試合後にブリーラム・ユナイテッドのこの試合後にブリーラム・ユナイテッドのネーウィン・チドチョーブ会長はタイのメディアに対して「JDTはそれほど強いチームじゃない」「(JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下には、もっと投資することをお勧めする。そうすれば、2025年の対戦はもっと面白くなるはずだ」と語っていました。

12月3日に行われたグループステージの試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

この発言の後、JDTはラ・リーガやセリエAでプレー経験のあるアルバロ・ゴンサレス。ジョナタン・ビエラ、ロケ・メサ、アンセルモ・デ・モラエス、そしてサム・カスティジェホの5名を次々と補強し、第7節のセントラルコースト・マリナーズ戦ではアルバロ・ゴンザレスが2ゴールを挙げるなど、決勝トーナメント進出を決めたという背景も、この両チームの対戦を盛り上げることになりました。

JDTは国内リーグを11連覇中、ブリーラムも国内では過去10年で8回優勝と、いわば東南アジアの盟主を決める対戦とも言えるこの試合の先発メンバーは以下の通りです。JDTはブリーラム戦後に加入したアルバロ・ゴンザレス、アンセルモ・デ・モラエス、ジョナタン・ビエラが揃って先発しています。なおブリーラム・ユナイテッドの11番、ディオン・クールズはマレーシア代表のキャプテンです。


ブリーラムスタジアムで現地時間午後9時キックオフの試合は,両チームとも試合開始直後から攻撃を仕掛けますが、どちらも決定的なチャンスを掴むことはできません。

そんな中で試合開始から気になったのがピッチの状態でした。タイ王者のスタジアムのピッチとしては水を撒きすぎたのか?と思うくらい悪く,ブリーラムの選手も足を滑らせる場面などがみられる一方で、JDTは特にサイド攻撃の組み立てが困難な状況で、結局、前半は両チームとも得点なしのまま終了します。

JDTのエクトル・ビドリオ監督は後半開始と同時に、国内リーグでは20試合23ゴールを挙げているベルグソンに代えてホルヘ・オブレゴンを、ムリロ・エンリケに代えて加入したばかりのサム・カスティジェホとを投入し、攻撃の活性化を図ります。しかしブリーラムに傾きかけた流れは変わらず、JDTのDF陣とGKアンドニ・スビアウレが安定したプレーを見せて相手の得点を許さず、最終的に試合は0-0のまま終了しています。

JDTにとってはアウェイということもあって,安全第一でプレーしたのか、それともブリーラムの圧力に耐えるのが精一杯だったのか、はたまた最後までピッチのコンディションが影響したのか。その答えは3月11日にジョホール州のスルタン・イブラヒム・スタジアムで行われる2ndレグで明らかになりそうです。2022年シーズン以来2度目となる準々決勝進出を目指すJDTにとっては、代表戦も行われる国内最高のピッチを持つホームでの大歓声が勝利への後押ししてくれることを期待したいところです。

ACLエリート決勝トーナメント1回戦1stレグ
2025年3月4日@ブリーラム・スタジアム(タイ,ブリーラム)
ブリーラム・ユナイテッド 0-0 ジョホール・ダルル・タジムFC

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeより。

3月3日のニュース<br>・新生ハリマウ・マラヤのメンバーは来週発表か<br>・クチンシティのガーナ出身FWミンターもマレーシア国籍取得へ<br>・ルクマン・ハキムはマレーシア復帰が濃厚

新生ハリマウ・マラヤのメンバーは来週発表か

マレーシア語紙のブリタハリアンは、今年1月に就任したピーター・クラモフスキー マレーシア代表監督が、今月末の2027アジアカップ3次予選へ向けたマレーシア代表合宿に招集する選手リストを既に作成済みだと報じています。ハリマウ・マラヤ(マレーシア語で「マレーのトラ」の意味)の愛称を持つマレーシア代表は、予選F組の初戦で3月25日にネパール代表とジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで対戦します。

3月17日から予定されている代表合宿を前に、来週には発表されることが予想されている合宿参加メンバーですが、前FC東京監督のクラモフスキー代表監督就任後初の合宿となるため、そのメンバーについてはさまざまな憶測が飛び交っています。

クラモフスキー代表監督やコーチ陣は精力的にマレーシアリーグの試合を観戦していますが、その一方で国外でプレーするマレーシアにルーツを持つ選手(ハイブリッド選手)数名ががマレーシア国籍取得と同時に代表入りするという予測もあり、その編成には多くのファンが期待と注目しています。しかしその一方で、特にヨーロッパでプレーしてい選手の合流については、気候への適応など、環境面での調整に時間がかかるのではという不安の声も出ています。

2027アジアカップ出場権を獲得するのは予選各組の1位のみで、マレーシアのいるF組ではベトナムがその最有力です。このベトナムとホームで対戦する6月10日にベストの布陣で臨むためにも、このネパール戦は重要です。

クチンシティのガーナ出身FWミンターもマレーシア国籍取得へ

マレーシア1部スーパーリーグのクチンシティFCでプレーするガーナ出身のジョーダン・ミンターが、マレーシア国籍取得の手続きを進めていると、英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

2020年にトレンガヌFCのセカンドチーム、トレンガヌFC IIに加入し、その後はトレンガヌFC、KLシティFCを経て、今季はクチンシティFCでかプレーしているミンター選手は、今年で帰化してマレーシア代表入りをするのに必要な5年間の居住要件を満たしています。

現在29歳のミンターは、先週2月25日のスーパーリーグ第22節、ケランタン・ダルル・ナイムFC戦ではハットトリックを達成するなど、今季ここまでは11ゴールでリーグ得点王争いの3位につけています。

ミンター選手が代表入りすれば、やはり来季のマレーシア国籍取得を目指しているとされるジョホール・ダルル・タクジムFC(JDT)のエース、ベルグソン・ダ・シルバとともにマレーシア代表の攻撃力が大幅にアップします。なお、現在の代表FW陣には、コロンビア出身のロメル・モラレス、ブラジル出身のパウロ・ジョズエ、英国出身のダレン・ロックら帰化選手がいますが、ミンターとベルグソンの加入は、しばしば得点力不足が批判されるマレーシア代表の弱点を一気に解消する可能性があります。

また、この記事では、ミンターとベルグソン両選手に加え、帰化候補としてスリ・パハンFCのFWマヌエル・ヒダルゴ、KLシティのDFジャンカルロ・ガリフオコ、ペナンFCキャプテンでDFラファエル・ヴィトールの3選手の名前も挙げています。

ルクマン・ハキムはマレーシア復帰が濃厚

マレーシア代表でもプレー経験がある22歳のFWルクマン・ハキム・シャムスディンが、約5年の海外挑戦を経てマレーシアに復帰する可能性が高まっていると、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。

2018年にマレーシアで開催されたAFC U16選手権(現AFC U17アジアカップ)では、マレーシアはグループステージ敗退ながら、5ゴールを挙げて唐山翔自(現ガンバ大阪)、オーストラリアのノア・ボティック(現オーストラリア1部ウェスタン・ユナイテッド) とともに得点王に輝いたルクマン選手は、その後の2020年には、当時マレーシア人がオーナーだったベルギーのKVコルトレイクと5年契約を結びました。しかしその後は出場機会に恵まれず、アイスランド2部のニャルズヴィークFCやJ3のY.S.C.C.横浜へ期限付き移籍しましたが、そこでも十分な出場機会がありませんでした。

ルクマン選手はKVコルトレイクとの契約が今年6月で満了する予定で、契約満了後は出場機会を求めてマレーシアのプレーを視野に入れているということです。ルクマン選手は昨年、父親を亡くしており、そのこともマレーシア復帰に影響していると、スタジアム・アストロは伝えています。

またルクマン選手は、マレーシア語紙のハリアン・メトロの取材に対しては、90%の確率でマレーシアに戻ると思うと述べており、「長い間海外でプレーしてきたし、マレーシア・スーパーリーグで新たな挑戦をする準備ができている。」「どのクラブに行くかは重要ではない。重要なのは、自分のキャリアにとって長期的なプロジェクトに適したクラブで、試合に出場できる環境があるかどうかだ。」と述べ、契約金などの金銭の問題ではなく、試合に出場し、キャリアをさらに発展させること、そしてずっと離れていた母のそばにいたいという気持ちがマレーシア復帰の理由だと説明しているということです。

3月2日のニュース<br>・JDTの好成績によりマレーシアがAFCクラブランキングでアジア10位に躍進<br>・ACLエリートで対戦するブリーラムUオーナーの発言がジョホール戦力強化のきっかけ?<br>・アジア杯予選:ネパールは仮想マレーシアのシンガポールと対戦<br>・アジア杯予選:マレーシア代表の初戦はジョホールで開催<br>・代表入り目前オランダ出身選手の移籍先に注目が集まる

イスラム教の断食月が始まりました。1ヶ月続くこの断食月ラマダン中、ムスリム(イスラム教徒)は日の出から日没まで飲食をしません。首都圏ではおよそ午前6時から午後7時30分までがこの断食時間に当たりますが、国民の60%強がムスリムのマレーシアでは、この間の国内リーグのキックオフ時間も従来の午後9時から午後10時になり、翌日仕事があるサポーターにはなかなか厳しい時間帯の試合となります。(ムスリムが比較的少ないサバ州とサラワク州での試合を除く)ただし、今季は既に残り2節となっていることや、3月にはFIFA国際マッチカレンダーがあることで、ラマダン中の国内リーグは1節のみ、しかも週末開催となっています。

JDTの好成績によりマレーシアがAFCクラブランキングでアジア10位に躍進

アジアサッカー連盟(AFC)クラブコンペティションランキングの最新ランキング(シーズン中間発表)が行われ、マレーシアはACLエリートでベスト16進出を果たしたジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)の活躍により、その順位をこれまでの12位から10位に浮上しています。マレーシアのポイントは現在39.508と、前回の発表では10位だったイラク(39.280)と11位だったオーストラリア(36.920)をそれぞれ抜き去っています。

今季のACLにはマレーシアからはACLエリートにJDTが、ACL2にはスランゴールFCが出場しています。JDTはグループステージで4勝2分1敗の成績を残して21.290ポイントを、スランゴールは同じくグループステージで3勝1分2敗の成績により8.667ポイントを獲得し、合計で29.957ポイントを獲得していますが、このポイントはその国からACLで出場している参加チーム数で割って平均を求めるので、今季ここまでのマレーシアのポイントは14.978となります。

スランゴールFCはグループステージで敗退していますのでこれ以上のポイントの積み上げはありませんが、JDTは、ACLエリート東地区で横浜Fマリノス、川崎フロンターレに次ぐ3位でノックアウトステージへ進出し、その1回戦でタイのブリーラム・ユナイテッドと3月5日にアウェイで、また3月11日にホームで対戦が決まっており、この試合の結果次第では、さらにポイントの上積みが期待できます。

またこのAFCクラブコンペティションランキングの東地区では、現在5位のマレーシアですが、4位にいるのがタイでそのポイント差は14.142です。5位のマレーシアは、2028/27シーズンのACLエリートへ1チーム、ACL2へ1チームの出場枠がありますが、4位のタイはさらにACLエリートのプレーオフへの1チームの出場枠を持っています。今後、マレーシアがタイに代わって4位に浮上すれば、さらにマレーシアのクラブがアジアの舞台で戦える機会が増えるので、マレーシアサッカーファンとしてはJDTに是非とも頑張ってベスト8入りを果たしてもらいたいところです。

ACLエリートで対戦するブリーラムUオーナーの発言がジョホール戦力強化のきっかけ?

ACLエリート東地区のノックアウトステージ1回戦ではジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)とタイのブリーラム・ユナイテッドが対戦しますが、この両チームはグループステージでも対戦しており、昨年12月3日のACLエリート第6節にJDTのホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで行われた試合では0-0と引き分けています。

この試合後にブリーラム・ユナイテッドのネ―ウィン・チドチョーブ会長はタイのメディアに対して「JDTとはまた会うことになるだろう。でも、今度はブリーラムが勝つ。JDTはそれほど強いチームじゃない」と話したネーウィン会長は、JDTのオーナーでジョホール州摂政のトゥンク・イスマイル殿下に対して、さらに挑発的な発言を行なったとされています。

「JDTは多くの外国人選手を獲得しているが、特に気にすることはない。」「(JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下には、もっと投資することをお勧めする。そうすれば、来年(2025年)の対戦はもっと面白くなるはずだ」と昨年語っています。

この発言の後、JDTは第7節のセントラル・コースト・マリナーズ戦に2-1、第8節の浦項スティーラーズ戦に5−2と連勝。同時にラ・リーガやセリエAでプレー経験のあるアルバロ・ゴンサレス。ジョナタン・ビエラ、ロケ・メサ、アンセルモ・モラエス、そしてサム・カスティジェホの5名を次々と補強し、第7節のセントラルコースト・マリナーズ戦ではアルバロ・ゴンザレスが2ゴールを挙げるなど、決勝トーナメント進出を決めています。

ACLエリート第8節終了時点では、東地区5位のJDTは同4位の光州FC(韓国)と、また同6位のブリーラム・ユナイテッドは同3位のヴィッセル神戸と対戦するはずでしたが、山東泰山のまさかの最終節出場辞退によって順位が大きく変動した結果、3位となったJDT対ブリーラム・ユナイテッドの対戦が実現しています。

まさに運命とも言える再戦が実現したこの両チームの対戦で、ネーウィン会長の発言によってJDTが成長したのかどうかが、この決勝トーナメント1回戦で明らかになりそうで

アジアカップ予選:ネパールはシンガポールを仮想マレーシアとして対戦

3月25日に開幕する2027アジアカップ最終予選を前に、初戦でマレーシアと対戦するネパール代表は3月21日にシンガポール代表との国際親善試合を予定していると、東南アジアのサッカーニュースを報じるAsean Football のSNSが伝えています。。予選F組に入っているマレーシアは、このネパールの他、F組大本命のベトナム、そしてラオスと同組になっています。

また、この試合はイタリア出身のヴィンチェンツォ・アネーゼ前監督に代わり、昨年10月からネパール代表の指揮を取るオーストラリア出身で前韓国女子代表コーチのマット・ロス新監督にとっても初の試合となるということです。

1989年6月以来となる両チームの対戦は、ネパールだけでなく、シンガポールにとっても予選第1節の香港代表戦の準備となりそうです。

アジア杯予選:マレーシア代表の初戦はブキ・ジャリル国立競技場ではなくジョホールのホーム、スルタン・イスマイル・スタジアムで開催

2027アジア杯最終予選でマレーシアの初戦となる3月25日のネパール戦が、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場ではなく、ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT)のホーム、スルタン・イブラヒム・スタジアムで開催されることをアジアサッカー連盟(AFC)が正式に承認したことを、マレーシアの英字紙ニューストレイツタイムズが報じています。

マレーシア出身のウィンザー・ポールAFC事務局長は、マレーシアサッカー協会(FAM)がスルタン・イブラヒム・スタジアムでの開催を要請し、AFCがそれを承認したと明らかにしています。

「試合会場の選択は開催国側に委ねられており、マレーシアはスルタン・イブラヒム・スタジアムを選択しました。このスタジアムはACLエリートの試合開催会場としてAFCにより承認されているため、追加の検査は不要である」と、ウィンザー事務局長は取材したニューストレイツタイムズに説明しています。

当初の予定では、第1節はネパールのホームマッチとして開催予定でしたが、AFCが試合会場として予定していたカトマンズのダサラス・スタジアムを視察した結果、スタジアムのピッチの状態、セキュリティ対策、練習施設、照明設備などが国際基準に達していないとして、アジア杯予選の開催基準を満たしていないことから開催地変更が発表されていました。今回の変更により、ネパールはまずマレーシアで試合を行い、2025年11月に予定されているリターンマッチをネパールで開催することになりました。


AFCは女子サッカーやクラブ大会の国際試合については、このダサラス・スタジアムでの開催を認めているものの、男子のネパール代表がW杯およびアジア杯予選のホームゲームを国外で行うのは、これで2大会連続となります。なお前回の予選では、ネパールはバーレーン戦とUAE戦をそれぞれバーレーンとサウジアラビアで開催しています。

代表入り目前とされるオランダ出身選手の移籍先に注目が集まる

インドネシアの躍進に見られるように、東南アジアの多くの国が自国にルーツを持つ選手の帰化を進めていますが、マレーシア代表入りが時間の問題とされているのがオランダ出身のFWフレディ・ドルイフ(オーストリア1部ラピード・ウィーン)です。27歳のドルイフ選手は、マレーシア国籍取得に関する手続きがすでに完了したとも報じられており、今月のアジア杯予選を前に代表入りするとされています。

190cmの大型ストライカーである26歳のドルイフ選手について、マレーシアのメディア、マジョリティが、マレーシアではなく隣国インドネシアのサッカーファンの間でも話題となっていると報じ、その反応を紹介しています。

「ジョホール・ダルル・タジムFC(JDT」はマレーシア人としてドルイフ選手を獲得する絶好の機会で、既に受け入れる準備ができているはずだ」、「ACLエリートで決勝トーナメントに進んでいるJDTにとって理想的なストライカー候補だ。獲得する価値は十分ある」といった声がある一方で、オランダ国内のメディアはドルイフ選手が、かつて堂安律選手や板倉滉選手が所属したオランダ1部のFCフローニンゲン加入の可能性を報じています。SKラピッド・ウィーンとの契約が2024年2月5日に終了したドルイフ選手は、現在フリーエージェントとなっていますが、オランダ1部で現在8位で、上位進出を目指すFCフローニンゲンがその獲得に関心を示しているとしています。


マレーシアサッカー協会(FAM)は、このドルイフ選手の他、22歳のDMFセム・シェペルマン(オランダ1部ヘラクレス・アルメロ)、27歳のDFディラン・ファン・ヴァーヘニンゲン(オランダ1部スパルタ・ロッテルダム)の代表入りを近々発表するとされています。3月16日に予定されているマレーシアスーパーリーグ第23節終了後の翌日3月17日からは、今年1月に就任したピーター・クラモフスキー監督が初めて行う代表合宿が予定されており、この合宿に上記の3選手が合流するのではないかと期待されています。