早急なリーグ再開希望に政府が「レッドカード」
本日4月25日の新型コロナウィルス関連の定例記者会見で、 イスマイル・サブリ・ヤアコブ上級相(兼国防相)は、新型コロナウィルス感染拡大による活動制限令により現在中断中の国内リーグを早期再開することについて否定的な見解を述べていることを、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
サブリ上級相は、集団が形成されるようなあらゆる活動は、現在発令中の活動制限令MCOが解除になっても許可されないであろうと話し、その中にはサッカーの試合も含まれると明言しています。
「例えば現在でも禁止されている集会は、活動制限例解除後も禁止措置が続くもののうちの一つである。」「サッカーは1人でできるスポーツではなく、2チームが集まればピッチ上に22人もの人間がいることになる。試合ではバドミントンのようにそれぞれのコートで対戦するわけでなく、身体接触が起こるスポーツである。」と話し、マレーシア政府が規定する「標準作業手続き」SOPに照らし合わせ、活動制限令が解除となった後であっても、国内リーグ再開を直ちに許可することはできないと述べています。
なお、サブリ上級相は、活動制限令解除後も新たな別の「標準作業手続き」が導入されるとし、例え今日、活動制限令が解除となっても明日から人々が以前同様、自由に行動できるようにはならないことも警告しています。
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今朝アップしたこのブログでは、マレーシアサッカー協会FAMと国内リーグを統括するマレーシアフットボールリーグMFLがマレーシア政府の青年スポーツ省を経由して、リーグの再開を申請したという記事を取り上げましたが、その希望を断ち切るような記者会見内容です。
現在発令中で、5月12日に解除が予定されている活動制限令ですが、個人的には断食月明けの祝日ハリラヤでの人の大移動を防ぐため、5月末まで続くのではと予想しています。この活動制限令が5月末で解除となった場合でも、本日の記者会見の内容をもとにすると6月や7月のリーグ再開はまずなさそうです。そうなると5月末から早くて3ヶ月後の9月、あるいは6ヶ月後の2021年1月辺りまで、国内リーグは行われないことになりそうです。
日: 2020年4月25日
4月25日のニュース:FAMとMFLは活動制限令解除後リーグ再開希望を公式表明、パハン州協会はリーグ戦を来年まで延期することを提案、FAMがAFCのエリート育成事業計画の正式メンバー入り
FAMとMFLは活動制限令解除後のリーグ再開希望を公式表明
マレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookでは、FAMが国内リーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLと共同で、政府関係筋に今季2020年シーズンの再開を希望する意思を公式に表明したことを明かしています。
FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長名で出された声明では、昨日4月23日にFAMのラマリンガム事務局長とハミディン・アミンFAM会長、そしてMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOが国内のスポーツを統括するマレーシア政府の青年スポーツ省のトップであるリーサル・メリカン・ビン・ナイナ・メリカン青年スポーツ相を公式訪問し、その席で活動制限令MCO解除後の国内リーグ再開許可を青年スポーツ省を通じて国家安全保障委員会と保健省に申請したとしています。
なおラマリンガム事務局長は、リーグ再開の可否ににかかわらずFAMとMFLは国家安全保障委員会と保健省の指示に全面的に従う意向を示しています。
また4月22日を期限にMFL1部と2部に所属するクラブに提出を求めていた選手との給料削減についての交渉状況やクラブの経営状況を、調査検討中であることも発表しています。国際サッカー連盟FIFAやアジアサッカー連盟AFCとも意見交換を行っているとするFAMは、各クラブから提出された報告内容は今後の方針を決める際の判断材料となるとしています。
(以下はFAM、MFLと政府筋との会談について知らせるFAMのFacebookページ)
パハン州協会はリーグ戦を来年まで延期することを提案
マレーシアの通信社ブルナマによると、マレーシアフットボールリーグMFL1部のパハンFAを運営するパハン州サッカー協会PBNPは、国内リーグ戦を含めた今季のマレーシア国内の全てのサッカー活動を来年まで延期することを提案しました。
PBNPのトゥンク・アブドル・ラーマン・スルタン・アーマド・シャー会長は声明を発表し、その声明の中でマレーシアサッカー協会FAMとMFLに対して新型コロナウィルス感染拡大の収束が見通せない現状では、今季のサッカー活動を全て来年まで延期するという判断を直ちに下すことが、国内サッカーに関わる全ての者の不安を解消する手段であるとしています。
自身もスタジアムで試合を観戦できないのは残念であるとしながらも、パハンFAだけでなく国内の全てのサポーターに対して現在は辛抱が必要であるとも述べています。
FAMがAFCのエリート育成事業の正式メンバー入り
アジアサッカー連盟AFCの公式サイトは、マレーシアサッカー協会FAMがキルギスタンサッカー協会、ミャンマーサッカー協会とともにAFCのエリートユース育成事業の正式メンバーと認められたことを発表しています。
またAFCのウインザー・ジョン事務局長は、FAMがマレーシア政府青年スポーツ省とともに運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDP傘下のエリートユースアカデミーであるモクタル・ダハリアカデミーAMDがAFCのユース委員会によって二つ星評価を得たことも合わせて発表しています。
FAMのハミディン・アミン会長は、マレーシアではユース育成の改善を目指しており、AFCのエリートユース育成事業計画のメンバーとなったことで、今後は育成の適切な組織が構築できることを期待していると話しています。
FAMは3月初旬にAFCの副テクニカル・ダイレクターであるラースロー・サライ氏らAFCによる審査のための視察団を受け入れていました。
AFCのエリートユース育成事業計画は、各国のサッカー協会が運営するユース育成プログラムのさらなる発展をAFCが助成する事業で、参加メンバーとなるためには施設、指導者、財政などの計画内容から参加者の教育や福利など20分野での資格審査を通過する必要があります。
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AMDはこの前の記事で取り上げたルクマン選手が第1期卒業生ですが、このAMDの二つ星評価については、最高で三つ星となる中での二つ星のようです。同時にメンバーとなったキルギスタンサッカー協会のオシにあるアカデミーや、ミャンマーサッカー協会のヤンゴン、マンダレー、バセインにあるアカデミーはいずれも一つ星評価ということなので、
(FAMがAFCエリートユース育成事業計画のメンバーとなったことを伝えるFacebookページ-FAMのFacebookより)