選手会は給料削減を検討しているクラブを非難
昨日のこのブログでは、マレーシアフットボールリーグMFL2部のケランタンFAがリーグ中断による収入源を理由に選手やスタッフと給料削減についての交渉を行うことを計画していることを取り上げました。
このような動きに対して、マレーシアプロサッカー選手会PFAMのサフィー・サリー会長は各クラブが直面している窮状は理解できるものの、選手の生活に直結する給料削減には同意できないと表明していることを、英字紙スター電子版が報じています。
PFAMも加盟している国際プロサッカー選手会FIFProが、選手はリーグ中断に伴う給料削減に従う必要はないとしていることを指摘した上で、サフィー会長は、政府の新型コロナウィルス封じ込め政策に便乗するような形で、選手との契約書に記載されていない不公平で唐突な給料削減をMFLのクラブが選手に求めないことを望んでいると話しています。
またサフィー会長は、各クラブとも今季開幕前に運営資金を確保しておくべきであり、開幕からわずか2ヶ月しか経っていない現時点で経営難を訴えるべきでないとし、さらに選手の給料を入場料収入に依存する経営方針を非難した上で、選手が被害を被るような経営方法を改めることも各クラブのフロントに求めています。
この他、自身もMFL1部のPJシティFCでプレーするサフィー会長は、フロントやクラブと問題が生じた場合はPFAMに連絡するよう、選手に呼びかけています。
リーグ中断が続けばマレーシアカップは中止の可能性も
マレーシア国内の新型コロナウィルス感染者数は東南アジアで最大の1000人超えとなった一方で、未だに活動制限令MCOに従わない外出者がいることがメディアで取り上げられています。マレーシア政府もMCOを徹底するため、明日3月22日からはマレーシア国軍も投入されることが発表されています。
3月18日より執行されているMCOは3月31日に解除になる予定ですが、状況が改善せず、万が一このMCOが継続して執行される場合、100年近い歴史を誇る国内カップ戦のマレーシアカップの開催時期あるいは開催形式が変更、さらに最悪の場合には中止になる可能性があると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
なお記事の中でマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、組み合わせが決まっているものの順延となっているFAカップ2回戦の予定日として4月1日、5月1日、6月1日が候補に上げています。
FAカップは、優勝したクラブにAFCカップの出場権が与えられることから、マレーシアカップより優先されることが予想されます。また並行してMFLも再開されること、FIFAワールドカップ予選アジア二次予選なども今年後半にずれ込む可能性が高いことからも、FAカップやリーグ戦の再開が遅れれば、MFLの上位16クラブで争われるマレーシアカップは今季は中止になる可能性が高いと考えられます。
アジア最古のカップ戦とも言われるマレーシアカップ中止はあくまでも最後の手段と話すアブドル・ガニCEOですが、ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督やスランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督はFAカップとリーグ戦を優先するべきであると記事の中で語っています。
ルクマンはリーグ再開後はスランゴール2でプレー
マレーシア国内リーグの今年1回目の移籍期間(トランスファーウィンドウ期間)は3月15日に閉じましたが、その3月15日にスランゴール州サッカー協会FASがルクマン・ハキム・シャムスディンをスランゴールFCのBチーム、MFL2部のスランゴール2に登録したことを、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
次世代のエースと目される18歳のルクマン選手はマレーシアのエリート選手養成アカデミーであるAMDの出身で、英国の新聞ガーディアンが選ぶ2002年生まれの注目選手60人に選ばれた他、昨年2019年末の東南アジア競技大会、通称シーゲームズではU22代表の主力選手としてプレーしました。
3月5日生まれのルクマン選手は、18歳となった時点でマレーシアの大富豪ヴィンセント・タン氏が所有するベルギー1部リーグのKVコルトレイクに加入する予定でした。しかし、新型コロナウィルスの影響でヨーロッパへの移動ができなくなったことから、ヨーロッパへの移動前まで練習環境を提供していたスランゴール2と6ヶ月契約を結んだと、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
KVコルトレイクと5年契約を結んだルクマン選手は、KVコルトレイク合流前に英国に渡り、やはりタン氏が所有する英国2部リーグのカーディフシティFCでの練習に参加する予定になっていましたが、ビザの問題などがあり実現せず、スランゴール2の練習に参加していました。